日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS_______________________________________ リリース・ノート 2005年2月 本書では,日本語DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMSの制限事項,使用方法に関するヒント,その他有 用な情報について説明します。 ソフトウェア・バー 日本語HP DECprint Supervisor ジョン: (DCPS) for OpenVMS, V2.4 オペレーティング・ 日本語OpenVMS Alpha V6.2, V7.3- システム: 2, V8.2 日本語OpenVMS I64 V8.2 日本語OpenVMS VAX V5.5-2, V6.2, V7.3 日本ヒューレット・パッカード株式会社 __________________________________________________________ 2005年2月 本書の著作権はHewlett-Packard Development Company, L.P.が 保有しており,本書中の解説および図,表はHewlett-Packard Development Company, L.P.の文書による許可なしに,その全体 または一部を,いかなる場合にも再版あるいは複製することを禁 じます。 また,本書に記載されている事項は,予告なく変更されることが ありますので,あらかじめご承知おきください。万一,本書の記 述に誤りがあった場合でも,日本ヒューレット・パッカードは一 切その責任を負いかねます。 本書で解説するソフトウェア(対象ソフトウェア)は,所定のライ センス契約が締結された場合に限り,その使用あるいは複製が許 可されます。 (c) 2005 Hewlett-Packard Development Company, L.P. MicrosoftおよびWindowsは米国Microsoft社の商標です。 このドキュメントに記載されているその他の会社名および製品名 は,各社の商標または登録商標です。 本書は,日本語VAX DOCUMENT V 2.1を用いて作成しています。 ________________________________________________________________ 目次 まえがき................................................ vii 1 英語版DCPSと日本語DCPSとの対応 2 日本語DCPS V2.4について 2.1 新しいプリンタのサポート.................... 2-1 2.2 日本語DCPS V2.4に含まれない機能............. 2-2 2.3 対応ソフトウエア............................ 2-2 2.4 日本語ドキュメント.......................... 2-3 3 英語版DCPS V2.4について 3.1 DCPS V2.4の変更点........................... 3-1 3.1.1 Integrityサーバのサポート............... 3-1 3.1.2 新しいプリンタのサポート................ 3-1 3.1.3 メディア・タイプ・セレクション機能の追 加....................................... 3-2 3.1.4 新しいインストーション・プロシージャ.... 3-4 3.1.5 OpenVMS V6.1のサポートの終了............ 3-5 3.1.6 クラスタワイドの論理名.................. 3-5 3.1.7 LPD製品名の変更......................... 3-6 3.1.8 他社製トレイ・オプションのサポート...... 3-6 3.1.9 サポートされていないプリンタにおけるPCL インタプリタ............................. 3-7 3.2 DCPS Version 2.4で修正された問題点.......... 3-7 3.2.1 ホチキス止めのエラー.................... 3-7 3.2.2 トレイの選択............................ 3-8 iii 4 プリンタ固有の情報 4.1 HP 9085 MFP................................. 4-1 4.1.1 ファームウェア・パッチ.................. 4-1 4.1.2 キュー起動時の問題...................... 4-1 4.1.3 デフォルト・サイズ以外の用紙の選択...... 4-1 4.1.4 サポートされるTCP/IPプロトコル.......... 4-2 4.2 Xerox Phaser 4500, 6250, 7300, 7750および 8400......................................... 4-2 4.2.1 サポートされるプロトコル................ 4-2 4.2.2 メディア・タイプ・セレクション機能の制 限....................................... 4-2 4.3 キューの起動に関する問題.................... 4-3 5 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.1 HP LaserJetプリンタにおける日本語ファイルの 出力に関する注意事項......................... 5-1 5.1.1 LaserJetプリンタでの日本語出力に関する制 限事項................................... 5-1 5.2 A4用紙にランドスケープ・モードで印刷する場 合........................................... 5-2 5.3 半角英数字フォント.......................... 5-2 5.4 テキスト・トランスレータ.................... 5-3 5.5 日本語版DCPSに関するその他の情報............ 5-9 5.5.1 カラー・セパレータ・ページと日本語 PrintServer 17/600給紙トレイ切り替えの相 互作用................................... 5-9 6 DCPSの制限事項 6.1 OpenVMS V8.2およびそれ以降のバージョンにおけ るAppleTalk ................................. 6-1 6.2 自動検出機能の付いたプリンタ................ 6-2 6.3 Raw TCP/IPまたはLATキューでのジョブの "Starting"状態............................... 6-2 6.4 Raw TCP/IPキューでのジョブの"Starting"状態.. 6-3 6.5 Raw TCP/IPキューの接続の切断................ 6-3 iv 6.6 使用不能なRaw TCP/IPプリンタについての NOT_READY警告メッセージ...................... 6-4 6.7 カラーPostScriptを生成できないトランスレー タ........................................... 6-5 6.8 PostScript Level 2プリンタでのジョブのトレー ラ・ページのシフト排紙....................... 6-5 6.9 特定のプリンタでのANSIトレイ選択不可........ 6-5 6.10 ホストにステータス・メッセージを送信しないい くつかのプリンタ............................. 6-6 6.11 常に正しく出力されるとはかぎらないプリンタ 名........................................... 6-7 6.12 DECwindowsソフトウェアあるいはDECimage Application Servicesを必要とするDDIF出力..... 6-7 6.13 NUMBER_UPおよびPostScriptドライバの互換性... 6-7 6.14 PAGE_SIZEパラメータを無視するLISTトランスレ ータ......................................... 6-8 6.15 挿入されたPJLコマンドの無視,バイナリ・モー ドは避けるべきこと........................... 6-8 6.16 いくつかのプリンタでのエラー後の信頼性のない 通信......................................... 6-9 6.17 接続を拒否しているPrintServerプリンタに対す るSTOP /QUEUE /RESETの使用を避けること....... 6-9 6.18 DELETE /ENTRYでのジョブのトレーラ・ページの 出力......................................... 6-10 6.19 /COPIESを指定した出力時のPostScriptファイル の問題....................................... 6-10 6.20 /JOB_COUNTを指定した場合のPAGE_LIMIT使用の問 題........................................... 6-10 6.21 I/Oバッファ設定が小さすぎる場合のOPCOMエラー 発生の可能性................................. 6-11 v 7 DCPSに影響を与えるその他の制限事項 7.1 DCPSプロセスによるCPUの消費................. 7-1 7.2 キューの起動による無効なデバイス名のエラー.. 7-2 7.3 マルチストリーム・シンビオントでのキュー起動 の問題....................................... 7-2 7.4 シリアル接続プリンタのI/Oエラー............. 7-3 7.5 アクセス違反あるいは不正パラメータ・エラーに よるシンビオントの強制終了................... 7-3 A Raw TCP/IPポート番号 B システムにインストールされるファイル一覧 表 1 日本語DECprint Supervisorドキュメント.... viii 3-1 メディア・タイプ・エラー・メッセージ..... 3-3 3-2 PCSIパッチ・キット....................... 3-5 4-1 推奨される最小ファームウェア・バージョン. 4-3 A-1 raw TCP/IPポート番号..................... A-1 vi ________________________________________________________________ まえがき 本書の対象読者 このドキュメントでは,本バージョンの日本語DECprint Supervisorにおける新機能,問題点の修正,使用上のヒント,制 限事項,およびその他の情報について説明します。このドキュメ ントは,DCPSをインストールするシステム管理者,および実際に 使用する一般ユーザを対象としています。 本書の構成 本書の構成は以下のとおりです。 o 第1章,DCPSの英語版と日本語版の関係について説明してい ます。 o 第2章,日本語版DCPS V2.4の新機能および変更点について 説明しています。 o 第3章,英語版DCPS V2.4における変更点について説明して います。 o 第4章,DCPSで特定のプリンタを使用する場合の注意事項に ついて説明します。 o 第5章,日本語DCPS V2.4の制限事項について説明します。 o 第6章,英語版DCPS V2.4の制限事項について説明します。 o 第7章,DCPSに影響を与えることが判明しているOpenVMSオ ペレーティング・システムの問題について説明します。 o 付録 A,IPプリンタを設定する際に使用されるポート番号 を示します。 vii o 付録 B,OpenVMSシステムにインストールされるDCPS V2.4 のファイル一覧です。 関連資料 DCPSについては下記のドキュメントを参照してください。 表 1 日本語DECprint Supervisorドキュメント __________________________________________________________ 『リリース・ノート』 DCPSの使用上の注意事項について説明し ています。 『インストレーショ DCPSのインストール方法について説明し ン・ガイド』 ています。 『システム管理者ガイ システム管理者,データセンタ・オペレ ド』 ータ,アプリケーション・プログラマ が,DCPSプリント・キューをどのように 作成/管理し,印刷に関する問題を解決 するかを説明します。 『ユーザーズ・ガイ DCPSを使用してPostScriptプリンタに印 ド』 刷する方法について説明しています。 『ソフトウェア仕様書 DCPSがサポートするプリンタの一覧, (SPD 48.27.xx)』 DCPS V2.4の機能と動作環境について説 ______________________明しています。______________________ HP OpenVMSの製品およびサービス情報については,下記のURLの Webサイトを参照してください。 http://www.hp.com/jp/openvms/ (日本語) http://www.hp.com/go/openvms/ (英語) viii 本書の表記法 このドキュメントでは以下の表記法を使用します。 __________________________________________________________ 表記法______意味__________________________________________ Ctrl/x Ctrl/xという表記は,Ctrlキーを押しながら別のキ ーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押す ことを示します。 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には, キーボード上でそのキーを押すことを示します。テ キストの中では,キー名は四角で囲まれていませ ん。 HTML形式のドキュメントでは,キー名は四角ではな く,括弧で囲まれています。 . . . 例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示 します。 o 文中のオプションの引数が省略されている。 o 前出の1つまたは複数の項目を繰り返すことが できる。 o パラメータや値などの情報をさらに入力でき る。 . 垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式 . の中の項目が省略されていることを示します。この . ように項目が省略されるのは,その項目が説明して いる内容にとって重要ではないからです。 ( ) コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオ プションを選択した場合に,選択したオプションを 括弧で囲まなければならないことを示しています。 ix __________________________________________________________ 表記法______意味__________________________________________ [ ] コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた 要素は任意のオプションです。オプションをすべて 選択しても,いずれか1つを選択しても,あるいは1 つも選択しなくても構いません。ただし,OpenVMS ファイル指定のディレクトリ名の構文や,割り当て 文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧に囲ま れた要素は省略できません。 [|] コマンド形式の説明では,括弧内の要素を分けてい る垂直棒線はオプションを1つまたは複数選択する か,または何も選択しないことを意味します。 { } コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた 要素は必須オプションです。いずれか1のオプショ ンを指定しなければなりません。 太字 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,条件 を示しています。 italic イタリック体のテキストは,重要な情報を示し text ます。また,システム・メッセージ(たとえば内 部エラーnumber),コマンド・ライン(たとえば /PRODUCER=name),コマンド・パラメータ(たとえ ばdevice-name)などの変数を示す場合にも使用され ます。 UPPERCASE 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,フ TEXT ァイル名,ファイル保護コード名,システム特権の 短縮形を示します。 Monospace モノスペース・タイプの文字は,コード例および会 type 話型の画面表示を示します。 Cプログラミング言語では,テキスト中のモノスペ ース・タイプの文字は,キーワード,別々にコンパ イルされた外部関数およびファイルの名前,構文の 要約,または例に示される変数または識別子への参 照などを示します。 x __________________________________________________________ 表記法______意味__________________________________________ - コマンド形式の記述の最後,コマンド・ライン,コ ード・ラインにおいて,ハイフンは,要求に対する 引数がその後の行に続くことを示します。 数字 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて10進数 です。10進数以外(2進数,8進数,16進数)は,その ____________旨を明記してあります。________________________ xi 1 ________________________________________________________________ 英語版DCPSと日本語DCPSとの対応 日本語DECprint Supervisor V2.4 for OpenVMSは,英語版 DECprint Supervisor V2.4 for OpenVMSを日本語用に拡張し た製品です。本製品によって,さまざまな日本語PostScriptプリ ンタがサポートされます。 なお,英語版DECprint Supervisor V2.4は,現時点では日本でサ ポートされていないプリンタ製品もサポートしています。日本 語DECprint Supervisor for OpenVMSではそれらのプリンタをサ ポートするための機能を削除してはいませんが,それらの機能 に対する弊社からのサポートは受けられません。また,日本語 DECprint Supervisor for OpenVMSには,HP PCLトランスレータ など,日本語に対応していないコンポーネントもそのまま含まれ ています。今後,サポートされるプリンタ製品および日本語機能 が追加された場合には,その時点の『ソフトウェア仕様書』およ び『リリース・ノート』に記述します。 1-1 2 ________________________________________________________________ 日本語DCPS V2.4について この章では,日本語DCPS V2.4で変更された機能について概要を 説明します。いくつかの変更点については,本書の別の箇所でも 詳細に説明しています。 日本語DCPS V2.4は英語版DCPS V2.4をもとに開発されており,英 語版V2.4の機能に加え,日本語機能の拡張が行なわれてます。 英語版DCPS V2.4の機能変更については,第3章を参照してくださ い。 ___________________________________________________________ 2.1 新しいプリンタのサポート 日本語DCPS V2.4では,新たに次のプリンタがサポートされま す。 o HP LaserJet 4250 o HP LaserJet 4350 o HP LaserJet 9050 o HP Color LaserJet 4650 o HP Color LaserJet 5550 _______________________ 注意 _______________________ HP LaserJetプリンタまたはHP Color LaserJetプリンタで 日本語を印字するためには,別売の日本語PostScriptフォ ント・メモリ・モジュール(DIMM)またはコンパクト・フラ ッシュ・メモリ・カードが必要になります。詳細は第5.1 節を参照してください。 _____________________________________________________ 2-1 日本語DCPS V2.4について 2.2日本語DCPS V2.4に含まれない機能 ___________________________________________________________ 2.2 日本語DCPS V2.4に含まれない機能 次の機能は,日本語DCPS V2.4では提供しません。 o セパレータ・ページへの日本語ファイル名の印刷 o パンチ機能のサポート ___________________________________________________________ 2.3 対応ソフトウエア 日本語DCPS V2.4は下記のソフトウェアバージョンに対応しま す。 o オペレーティングシステム o 日本語OpenVMS Alpha V6.2, V7.3-2, V8.2 o 日本語OpenVMS I64 V8.2 o 日本語OpenVMS VAX V5.5-2, V6.2, V7.3 o 日本語PrintServer構成の場合: 日本語PrintServerソフトウェアV5.0以降と,次のいずれか のソフトウエア: o HP DECnet for OpenVMS o HP DECnet-Plus for OpenVMS o HP TCP/IP Services for HP OpenVMS o Process Software MultiNet for OpenVMS[3] o Process Software TCPware for OpenVMS[3] o TCP/IP構成の場合: 次のいずれかのTCP/IPソフトウエア o HP TCP/IP Services for HP OpenVMS o Process Software MultiNet for OpenVMS[3] ________________________________ [3]MultiNet for OpenVMSおよびTCPware for OpenVMSは,米国Process Software社の製品です。 [3]MultiNet for OpenVMSおよびTCPware for OpenVMSは,米国Process Software社の製品です。 2-2 日本語DCPS V2.4について 2.3対応ソフトウエア o Process Software TCPware for OpenVMS[3] o AppleTalk構成の場合: o PATHWORKS for OpenVMS (Macintosh) V1.3以降(Alpha およびVAX) 各ソフトウェアのサポート・バージョンについては次の表を参照 してください。 __________________________________________________________ TCP/IP OpenVMS________Services______DECnet________DECnet-Plus____ Alpha V6.2 V4.2 V6.2 V6.3 Alpha V7.3-2 V5.4 V7.3-2 V7.3-2 Alpha V8.2 V5.5 V8.2 V8.2 I64 V8.2 V5.5 V8.2 V8.2 VAX V5.5-2 V4.0 V5.5-2 - VAX V6.2 V4.2 V6.2 V6.3 VAX_V7.3_______V5.3__________V7.3__________V7.3___________ ___________________________________________________________ 2.4 日本語ドキュメント 日本語DCPS V2.4では以下のドキュメントを改訂しています。 o 『ソフトウェア仕様書』(SPD) o 『リリース・ノート』 o 『インストレーション・ガイド』 o 『ユーザーズ・ガイド』 o 『システム管理者ガイド』 o オンライン・ヘルプ 2-3 日本語DCPS V2.4について 2.4日本語ドキュメント 本リリースでは,以下のドキュメントについては改訂していませ ん。前バージョンのものがそのままご利用いただけます。 o 『日本語トランスレータ・リファレンス・マニュアル』 2-4 3 ________________________________________________________________ 英語版DCPS V2.4について ここでは,DCPS V2.4における変更点について説明します。これ らの変更点の多くは,本書以外でも説明されていますので適宜参 照してください。 ___________________________________________________________ 3.1 DCPS V2.4の変更点 3.1.1 Integrityサーバのサポート DCPS V2.4では,AlphaシステムおよびVAXシステムに加え, OpenVMS I64 V8.2がインストールされたHP Integrityサーバをサ ポートします。 3.1.2 新しいプリンタのサポート 英語版DCPS V2.4では,新たに以下のプリンタをサポートしま す。 HP 9085 MFP[1] HP Color LaserJet 2550 HP Color LaserJet 4650 HP Color LaserJet 5550 HP Color LaserJet 9500 MFP HP LaserJet 2410 HP LaserJet 2420 HP LaserJet 2430 HP LaserJet 4250 HP LaserJet 4345 MFP HP LaserJet 4350 HP LaserJet 9040 MFP HP LaserJet 9050 ________________________________ [1]Raw TCPのみ 3-1 英語版DCPS V2.4について 3.1 DCPS V2.4の変更点 HP LaserJet 9050 MFP Xerox Phaser 4500[2] Xerox Phaser 6250[2] Xerox Phaser 7300[2] Xerox Phaser 7750[2] Xerox Phaser 8400[2] 3.1.3 メディア・タイプ・セレクション機能の追加 DCPSでは,トレイ番号と用紙サイズによる用紙の選択に加えて, メディア・タイプによる用紙の選択が可能になりました。 メディア・タイプは,特定のトレイでロードされる用紙のタイプ を指定するためにプリンタに対して設定されます。通常,デフォ ルトはPLAINです。その他のメディア・タイプとして,COLOR, LETTERHEAD,PREPRINTED,PREPUNCHEDおよびRECYCLEDが選択でき ます。ある用紙トレイが特定のメディア・タイプに設定されてい る場合は,そのトレイの用紙を使用して印刷を行うのは,そのメ ディア・タイプを要求しているジョブだけです。 DCPSジョブでメディア・タイプを選択するには,次の例のように MEDIA_TYPEパラメータを使用します。 $ PRINT /PARAMETERS=MEDIA_TYPE=media-type file-name MEDIA_TYPEパラメータには,任意の値を指定することができま す。メディア・タイプは,プリンタのフロント・パネルあるいは webページではではしばしは省略形で表記される点に注意してく ださい。たとえば,メディアLETTERHEADの設定はLTRHEADと省略 されることがあります。ほとんどの場合は,完全な名前でも省略 名でも,どちらでも指定できます。 プリンタで現在使用中のメディア・タイプを指定する必要があり ます。ご使用のプリンタでそのメディア・タイプが利用できない 場合は,次のいずれかの結果になります。 o 指定したメディア・タイプがそのプリンタで利用できない ことを示すDCPSエラー・メッセージが表示される。 ________________________________ [2]LPDおよびAppleTalkのみ 3-2 英語版DCPS V2.4について 3.1 DCPS V2.4の変更点 o 指定したメディア・タイプをロードするようにプリンタの フロント・パネルにメッセージが表示される。 どちらの動作になるかは,プリンタの特性によって異なります。 たとえば,Deferred Media Selectionが有効になっているHPプリ ンタでは,指定したメディア・タイプをロードするようにプロン プトが表示されます。それ以外のほとんどのプリンタでは,DCPS はジョブを印刷せず,代わりにエラーメッセージを返します。 メディア・タイプ・セレクション機能の利点は,ジョブに使用し たい用紙が含まれているトレイのトレイ番号を知らなくても,用 紙のサイズとメディアのタイプによって用紙の選択が可能な点で す。INPUT_TRAYおよびMEDIA_TYPEパラメータの両方を指定し,指 定のトレイにそのタイプの用紙が含まれていない場合,DCPSはエ ラー・メッセージを表示します。 メディア・タイプ・セレクションは,PostScript Level 2および Level 3プリンタでのみサポートされます。PostScript Level 1 プリンタに対してメディア・タイプを指定した場合,DCPSはエラ ー・メッセージを表示します。 MEDIA_TYPEパラメータを使用した場合に表示されるエラー・メッ セージとしては,次のようなものがあります。 表 3-1 メディア・タイプ・エラー・メッセージ __________________________________________________________ エラー・メッ セージ_________説明_______________________________________ MEDIATYPENOSUP PostScript Level 1プリンタでは,メディア・ タイプ・セレクションはサポートされません。 MEDIATYPENOTAVLprinter nameではmediatypeタイプのメディアは ロードされていません。 MEDIATYPENOTRAYprinter nameのtrayトレイには,mediatypeタイ _______________プのメディアはありません。_________________ メディア・タイプ・セレクション機能についての詳細は『DCPSユ ーザーズ・ガイド』を参照してください。 3-3 英語版DCPS V2.4について 3.1 DCPS V2.4の変更点 3.1.4 新しいインストーション・プロシージャ 本バージョンでは,VMSINSTALではなくPOLYCENTER Software Installation Utility (PCSI)を使用してインストールを行うよ うに変更されています。これによりインストレーション処理が速 くなり,インストールしたソフトウェアの管理がより簡単になり ます。 DCPS V2.4のインストレーションは次のコマンドで実行します。 $ PRODUCT INSTALL DCPS [/SOURCE=device:[directory]] deviceおよびdirectoryにはDCPSキットの場所を指定します。 /DESTINATION修飾子の使用,あるいは論理名PCSI$DESTINATIONの 定義による代替インストール先の指定は行わないでください。 DCPSはシステム・ディスクのクラスタ共通領域にインストールす る必要があるため,代替インストール先の指定に関係なく,シス テム・ディスクのクラスタ共通領域にインストールされます。 PCSIユーティリティの詳細およびPRODUCTコマンドの使用方 法については,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』および 『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュ アル』,あるいはオンライン・ヘルプを参照してください。 古いバージョンのOpenVMSを使用している場合,DCPSをインスト ールする前にPCSIパッチ・キットのインストールが必要になる場 合があります。表 3-2を参照して,PCSIパッチのインストールが 必要かどうかを判断してください。このパッチ・キットをインス トールすることにより,ご使用のシステムのPCSIがアップグレー ドされます。 3-4 英語版DCPS V2.4について 3.1 DCPS V2.4の変更点 表 3-2 PCSIパッチ・キット __________________________________________________________ OpenVMSバージョン___PCSIパッチ・キット____________________ Alpha V6.2〜V7.1-2 DEC-AXPVMS-VMS62TO71U2_PCSI-V0200-4 Alpha V7.2以降 必要なし I64 V8.2 必要なし VAX V5.5-2 提供されていない。 DCPSのVMSINSTALキッ トについてはHPにご相談ください VAX V6.2〜V7.1 DEC-VAXVMS-VMS62TO71_PCSI-V0200-4 VAX V7.2 DEC-VAXVMS-VMS72_PCSI-V0101-4 VAX_V7.3____________必要なし______________________________ これらのパッチは下記の場所から入手できます。 o HPカスタマー・サポート・センター o HP ITリソース・センター(ITRC):http://www.itrc.hp.com 3.1.5 OpenVMS V6.1のサポートの終了 OpenVMS Alpha V6.1およびOpenVMS VAX V6.1システムにおける DCPSのサポートは終了しました。 3.1.6 クラスタワイドの論理名 DCPSは,さまざまな論理名を使用してアプリケーションおよびプ リント・キューの動作を制御します。DCPSは論理名をクラスタワ イドには定義しませんが,システム・テーブルに加えてクラスタ ワイドの論理名テーブルから,論理名を読み取ります。クラスタ 論理名テーブルで定義されているDCPS論理名は,システム・テー ブルで提供されている論理名よりも優先されます。 3-5 英語版DCPS V2.4について 3.1 DCPS V2.4の変更点 この機能は,クラスタ論理名テーブルでDCPS論理名を定義してい るユーザのために提供されます。 3.1.7 LPD製品名の変更 LPDを使用して,DCPSがサポートするプリンタに対して出力を行 う場合,『DCPSシステム管理者ガイド』で説明されているように 論理名DCPS$queue-name_PRODUCT_NAMEを定義する必要がありま す。この論理名の値として,プリンタのPostScript製品名が使用 されます。 DCPS V2.3でLPD機能が導入された際には,末尾のスペースや大文 字/小文字の違いも含め,プリンタの製品名を正確に指定する必 要がありました。本バージョンから,PRODUCT_NAME論理名の値が 正確に一致する必要はなくなり,末尾のスペースや大文字/小文 字の違いは無視されます。 たとえば,キューMYPRINTERでLPDを使用してHP LaserJet 9000 MFPプリンタに出力する場合,以前はPRODUCT_NAME論理名を次の ように定義する必要がありました。 $ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$MYPRINTER_PRODUCT_NAME - _$ "HP LaserJet 9000 MFP " 本バージョンは次のように,論理名の値の末尾のスペースの有無 や大文字/小文字の違いは気にせずに定義できます。 $ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$MYPRINTER_PRODUCT_NAME - _$ "HP LaserJet 9000 mfp" 3.1.8 他社製トレイ・オプションのサポート 新たな給紙トレイを追加するための他社製のオプションである TowerFeed 444が,HP LaserJet 9000シリーズ・プリンタでサポ ートされるようになりました。 3-6 英語版DCPS V2.4について 3.1 DCPS V2.4の変更点 3.1.9 サポートされていないプリンタにおけるPCLインタプリタ これまでは,DCPSでサポートしないプリンタについては,PCLイ ンタプリタを持っていないものとしてジョブを処理していまし た。現在ではほとんどのプリンタがこの機能をサポートしている ため,DCPSでサポートしないプリンタについても,PCLインタプ リタを持っているものと想定して動作するというのがデフォルト の動作となっています。 サポートされていないプリンタに対して送られたPCLジョブは, DCPS PCL 4トランスレータによるPostScript変換の代りに,その プリンタのPCLインタプリタを使用して印刷されます。これによ り,より速く,より正確な出力が行われ,サポートされていない プリンタにおけるPCL 5およびPCL 6ファイルの印刷が可能になっ ています。 PCLインタプリタを持っていないDCPS非サポート・プリンタに対 してPCLファイルを印刷するには,NUMBER_UPあるいはPAGE_LIMIT パラメータのいずれかを指定することにより,PCL 4トランスレ ータを使用するようにDCPSに指示することができます。 ___________________________________________________________ 3.2 DCPS Version 2.4で修正された問題点 以下の問題はDCPS V2.4で修正されています。 3.2.1 ホチキス止めのエラー デフォルトでジョブに対してホチキス止めを設定する特定のプリ ンタでは,DCPSのSTAPLE=NONEパラメータは効果がなくDCPSジョ ブは常にホチキス止めされていました。本バージョンでは,それ らのプリンタのデフォルトのホチキス止め設定がSTAPLE=NONEの 指定により正しく変更され,ホチキス止め無しで正しくジョブが 処理されるようになりました。 3-7 英語版DCPS V2.4について 3.2 DCPS Version 2.4で修正された問題点 3.2.2 トレイの選択 DCPS V2.4ではトレイの選択処理が改善されているため,HP LaserJet 2100,2200およびColor LaserJet 2500などで,給紙ト レイと用紙サイズが制限なしで選択できるようになりました。 この変更によりいくつかのHP製プリンタで発生していた次のよう な問題が解決されています。 o INPUT_TRAYパラメータを使用して給紙トレイを選択した時 に,そのトレイの用紙がそのプリンタのデフォルトの用紙 サイズとは異なる場合,指定外のトレイの用紙が使用され る場合がありました。 3-8 4 ________________________________________________________________ プリンタ固有の情報 この章では,特定のプリンタに対して適用されるDCPSの使用方 法について説明します。『DCPSシステム管理者ガイド』および 『DCPSユーザーズ・ガイド』に,その他のプリンタ固有情報は含 まれてます。 ___________________________________________________________ 4.1 HP 9085 MFP 4.1.1 ファームウェア・パッチ DCPSは,このプリンタ用のプリンタ・ファームウェア・パッチ 1-FBSB1が適用されていることを必要とします。このパッチが適 用されていないと,DCPSジョブが正常終了しません。パッチが適 用されているかどうかは,構成情報ページを出力して確認するこ とができます。 4.1.2 キュー起動時の問題 このプリンタは,ジョブの最初のDCPS同期要求に応答しませ ん。このため,このプリンタのキューを起動する前に論理 名DCPS$queue-name_NO_SYNCを定義しないと,DCPSジョブが 開始されません。詳細は,第6.3節あるいは『DCPSシステム管理 者ガイド』を参照してください。 4.1.3 デフォルト・サイズ以外の用紙の選択 このプリンタは,プリント・ジョブの間にDCPSによって要求され たすべての情報を返しません。特に要求したトレイの用紙サイズ は,その時にはDCPSにはわかりません。このため,トレイ内の用 紙がそのプリンタのデフォルト・サイズではない場合,トレイ名 だけで用紙を選択することはできません。そのプリンタのデフォ 4-1 プリンタ固有の情報 4.1 HP 9085 MFP ルト・サイズ以外の用紙が含まれているトレイをINPUT_TRAYに指 定した場合,プリンタは要求したサイズの用紙を補給するように プロンプトを表示します。 そのプリンタのデフォルト・サイズ以外の用紙が含まれているト レイを選択する場合は,INPUT_TRAYの代わりに,MEDIA_TYPE, PAGE_SIZE,あるいはSHEET_SIZEパラメータを組み合わせて使用 してください。 4.1.4 サポートされるTCP/IPプロトコル TCP/IP経由でこのプリンタに出力する場合は,Raw TCPプロトコ ルを使用してください。このプリンタで,ポート9101を使用する Direct Queueを有効にしておく必要もあります。 このプリンタにDCPSプリント・ジョブを出力するのにLPDプロト コルを使用することはできません。この制限実行は,将来のバー ジョンのDCPSで解決される予定です。 ___________________________________________________________ 4.2 Xerox Phaser 4500, 6250, 7300, 7750および8400 4.2.1 サポートされるプロトコル これらのプリンタへTCP/IP経由で出力する場合は,LPDプロトコ ルを使用してください。これらのプリンタはDCPSへジョブ終了情 報を返さないため,これらのプリンタでRaw TCPプロトコルを使 用することはできません。Raw TCP経由で出力されるジョブは, 印刷状態からホールド状態になった後,ストールします。 4.2.2 メディア・タイプ・セレクション機能の制限 これらのプリンタでは,メディア・タイプで用紙を選択すること はできません。MEDIA_TYPEパラメータに値を指定しても,その要 求は無視されます。 4-2 プリンタ固有の情報 4.3キューの起動に関する問題 ___________________________________________________________ 4.3 キューの起動に関する問題 いくつかのHPプリンタは,ジョブの最初のDCPS同期要求に応答し ません。このため,これらのプリンタのキューを起動する前に, プリンタのファームウェアを表 4-1に示すバージョンにアップグ レードするか,あるいは論理名DCPS$queuename_NO_SYNCを定義し ておく必要があります。この処理を行っていないと,DCPSジョブ は開始されません。詳細は,本書の第6.3節,あるいは『DCPSシ ステム管理者ガイド』を参照してください。 また,プリンタのパーソナリティ設定はPS (PostScript)に設定 することをお勧めします。ただし,プリンタのパーソナリティを PS (PostScript)に設定するだけではこれらのプリンタの問題は 解決できません。 この問題は,以下のバージョンのプリンタ・ファームウェアで解 決されます。 表 4-1 推奨される最小ファームウェア・バージョン __________________________________________________________ プリンタ______________ファームウェア______________________ HP Color LaserJet 20030605 04.016.2 5500 HP LaserJet 2300 20030530 04.047.2 HP LaserJet 4200 20030530 04.016.1 HP_LaserJet_4300______20030530_04.016.1___________________ ご使用のプリンタのファームウェア・バージョンは,プリンタの パネル・メニューから表示可能な設定情報,プリンタにインスト ールされている情報ページ,あるいはWebJetAdminプリンタ管理 ユーティリティで"Firmware Datecode"として参照できます。 ファームウェアのダウンロードとプリンタへのインストール方 法については,HPのwebサイトから入手することができます。製 品ページのトップ・ナビゲーション・バーからサポート&ドライ バを選択したあと,HPドライバ&ダウンロードを選択してくださ い。 4-3 5 ________________________________________________________________ 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 この章では,日本語版のDECprint Supervisorに固有の注意事項 および制限事項について説明します。 ___________________________________________________________ 5.1 HP LaserJetプリンタにおける日本語ファイルの出力に関する注 意事項 HP LaserJetおよびHP Color LaserJetプリンタで日本語を含んだ データ(テキストあるいはPostScript)を印刷するには,日本語 PostScriptフォントをプリンタにインストールする必要がありま す(日本語PCLフォントでは印刷できません)。 LaserJetの日本語PostScriptフォントは,プリンタの機種ごとに 別売のメモリ・モジュール(DIMM)またはコンパクト・フラッシ ュ・メモリ・カードで提供されています。注文番号や購入方法な ど,詳細は弊社営業担当までお問い合わせください。 5.1.1 LaserJetプリンタでの日本語出力に関する制限事項 日本語フォントをインストールしたLaserJetプリンタには次の制 限事項があります。 o 縦書きフォントはサポートされません。 o Shift JIS (RKSJ)エンコーディングのPostScriptフォント は提供されていないため,正しく出力できません。 5-1 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.2 A4用紙にランドスケープ・モードで印刷する場合 ___________________________________________________________ 5.2 A4用紙にランドスケープ・モードで印刷する場合 日本語DECprint Supervisor V1.2以前のANSIトランスレータはA4 用紙へのランドスケープ・モードで66行出力する場合に問題があ りました。サポートされているプリンタのなかにはA4用紙への印 刷可能領域が平均的な印刷領域より少し狭くなっているものが あります。これらのプリンタでは,66行目の内容が失われてし まうか,切れてしまいました。これはプリント・パラメータが PAGE_SIZE=A4, PAGE_ORIENTATION=LANDSCAPEのときに発生しま す。 日本語DECprint Supervisor V1.2以降に添付されるANSIトランス レータはA4用紙へのランドスケープ・モードでの印刷で66行目も 正しく出力できます。これを行うためにANSIトランスレータは使 用するフォント(SGR 15)の縦方向のスペーシングを変更し,A4用 紙の最大印刷可能領域の値を修正しました。従来のトランスレー タの出力結果の方を使いたい場合,DCPSキュー論理名を次の例の ように定義します。 $ DEFINE/SYSTEM DCPS$_OLD_ANSI_PAGE_SIZES TRUE なお,漢字ANSIトランスレータでは,この修正は行なわれていま せん。もし,漢字トランスレータ使用時に,66行目が正常に印刷 されない場合は,FULL_A4_LANDSCAPEのレイアップ定義ファイル を使用して印刷してください。 ___________________________________________________________ 5.3 半角英数字フォント Ryumin-Light.RomanおよびGothicBBB-Medium.Romanなどの日本語 フォントには,JISローマ字セット以外の文字は含まれていませ ん。このため,装置制御ライブラリ,DCPS$DEVCTL.TLBにある拡 張されたfindfontオペレータを用いて,これらのフォントに対し てISOLatin1およびDECマルチナショナル文字セットを使用するこ とはできません。 5-2 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.4テキスト・トランスレータ ___________________________________________________________ 5.4 テキスト・トランスレータ 1. フォーム定義 漢字LN05の標準設定では,フォーム・データ用のメモリは 16ページあわせて64 Kバイトとなっています。この値は, グラフィック・オプションなどの使用で増やすことがで きます。トランスレータによるフォーム・オーバーレイで は,1ページあたり64 Kバイトまでのフォーム・データを登 録することができます。1ページあたり64 Kバイトを越える フォーム・データを登録しようとすると,DECLKFシーケン スそのものが無効になります。PRINTコマンドでマルチフ ァイル指定をした場合,あるファイル内で登録したフォー ム・データを他のファイルで使用することはできません。 複数のファイルで共通のフォームを使用したい場合は, フォーム・データをセットアップ・モジュールとして登録 し,そのモジュールをPRINTコマンドの /SETUP修飾子で指 定してください。 2. 複数ファイルの印刷 複数ファイルを1つのプリント・ジョブで印刷する場合,各 ファイルの先頭で初期設定が行われます。このため,ある ファイルの中で行った設定を,次のファイルで利用するこ とはできません。このようなときは,セットアップ・モジ ュールに必要なエスケープ・シーケンスを登録しておくこ とにより,各ファイルの初期状態を制御することができま す。 3. LN82Rでの外字と斜体(イタリック)属性の混在 LN82Rに印刷されるファイルに外字が含まれ,かつイタリッ ク属性が漢字に対して指定されると,PostScriptのFATALエ ラーになる場合があります。この場合,プリント・キュー を停止し,キューからジョブを削除し,プリンタの電源を 入れ直してください。 4. テキスト・トランスレータの性能 テキスト・トランスレータで日本語文書を印刷する場合, 必ずしもプリンタ・ハードウェアの最高速度では印刷で きません。白黒反転や網かけ,倍角文字,縦書き,外字が あるとき,および1バイト文字と2バイト文字が頻繁に交互 5-3 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.4テキスト・トランスレータ に現われるような場合には,印刷速度はさらに遅くなりま す。 5. テキスト・トランスレータの外字と内蔵フォント 日本語PostScriptプリンタの内蔵漢字フォントは, PostScriptのアウトライン・フォントです。外字は日本 語VMSのFEDITユーティリティ,またはCHARACTER_MANAGERユ ーティリティで作成することができますが,このフォント は,40ドット×40ドットまたは32ドット×32ドットのビッ トマップ・フォントです。したがって,外字の倍角文字は 内蔵フォントの倍角文字に比べて,印字品質が劣ります(ギ ザギザが見えます)。 6. 罫線文字 テキスト・トランスレータで使用している罫線文字は,文 字間隔/行間隔が文字サイズに比べてかなり大きいときには つながりません。 また,この罫線はPostScriptフォントを使用して表示して いるため,表示される位置やサイズによっては装置上で1ピ クセル程度のずれを生じることがあり,結果として,罫線 が一直線にならない場合があります。 7. SIXELと文字の重ね合わせ SIXELとテキストを座標指定(VPA,HPAなど)で位置を指定 して,同じページ上で重ね合わせるとき,印刷可能領域上 端付近(通常トップ・マージンの位置)の座標を指定した場 合,結果として表示される文字やSIXELの縦方向(Y座標)の 位置がLN03/漢字LN03 とテキスト・トランスレータでは異 なります。SIXELでは,どちらも通常はSIXELの上端の座標 が,指定されたY座標から70ピクセル上になるように表示 しますが,LN03/漢字LN03では,この表示方法を取ったとき にSIXELが印刷可能領域上端を超える場合には,SIXELの上 端の座標が,印刷可能領域上端になるように位置を下げて 表示します。このため,印刷可能領域上端付近の座標を指 定して文字とSIXELを重ねた場合に,LN03/漢字LN03とテキ スト・トランスレータの出力を比べると,LN03/漢字LN03 の SIXELはテキスト・トランスレータよりもやや下にずれ ます。印刷可能領域上端から離れた位置を指定した場合に は,両者に違いは見られません。 8. テキスト・トランスレータのプロローグ処理 5-4 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.4テキスト・トランスレータ テキスト・トランスレータは,印刷ジョブの開始時に, 大量のPostScriptプロローグ処理(初期設定)を行います。 この処理は印刷ジョブの内容によらず常に同じなので, 初めからプリンタに常駐させておけば,ジョブの最初の 1ページが出力されるまでの時間を短縮することができま す。デフォルトでは,プロローグを常駐させることにして いますが,このことはテキスト・トランスレータ以外の印 刷ジョブにとっては,利用できるPostScript VM (Virtual Memory)が減少していることを意味します。弊社では, PostScriptアプリケーションがVMを400KB以上使わないよ うにお勧めしますが,もしもこの制限を守っていないソ フトウェアがあると,PrintServerプリンタではVMが足り ないというエラーで実行できなくなる場合があります。 PrintServerプリンタとシリアル・プリンタではプロローグ を常駐させる処理が異なります。 o 日本語DEC PrintServerサポーティング・ホスト・ソ フトウェアV4.2または日本語PrintServer Software V5.0, V5.1を使用している場合 このサポーティング・ホスト・ソフトウェアを使って ブートされたPrintServerでは,DCPSと互換性のある プロローグが常駐しているので,特別に処理をする必 要はありません。また,このサポーティング・ホスト では,プロローグは必ず常駐していなければなりませ ん。 o PostScriptシリアル・プリンタの場合 PostScriptシリアル・プリンタでは,プリンタの電源 投入後の最初のプリント・ジョブで,プロローグが常 駐しているかどうかをチェックし,していなければダ ウンロードします。この時,PostScriptパスワードが プリンタ出荷時の設定になっていない場合(LN82Rでは0 でない場合),プロローグは常駐されません。つまり, PostScriptパスワードをデフォルト以外の値に設定す ることによって,常駐をやめることができます。 9. PostScriptフォントUniqueID テキスト・トランスレータでは,使用するPostScriptフォ ントに対して,UniqueIDを指定しています。3658490から 4194312のUniqueIDは他のPostScriptアプリケーションでは 使用しないでください。 10.半角ローマ字フォントの制限 5-5 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.4テキスト・トランスレータ PrintServerでは,内蔵PostScriptフォントのRyumin- Light.Romanおよび GothicBBB-Medium.Romanの半角ローマ 字フォントは,JISローマ字以外の文字セットをサポートし ません。このため,テキスト・トランスレータでは明朝体 半角ローマ字フォントをPostScript Courierフォントで代 用しています。 ゴシック体半角ローマ字はPostScriptの半角ローマ字を使 用しているため,JISローマ字またはASCII文字セット以外 の文字セットを指定した場合,存在しない文字は空白(スペ ース)文字で置き換えられます。 11.SETUPモジュールでの印刷 ANSI(ASCII),KANJI,KANJI78またはLA_KANJIデータ・タイ プのSETUPモジュールを作成し,その中で文字を印刷するこ とができますが,この文字をPRINTコマンドで指定したファ イルの先頭ページに印刷することはできません。SETUPモジ ュールの中で印刷した場合には,PRINTコマンドのファイ ルを印刷する前に改ページが行われます。ANSI(ASCII), KANJI,KANJI78またはLA_KANJIデータ・タイプでSETUPモジ ュールを作成し,その中でフォント・ローディング命令ま たはピッチ指定命令を使用したときには,空白(スペース) 文字を含む実際の文字の印刷をSETUPモジュールの中で行う ことはできません。 12.DECVPFSとマージン 可変ページ・フォーマット選択命令(DECVPFS)でページ・オ リエンテーションを変更する場合,オリエンテーション変 更後のページ・マージン(上下マージン,左右マージン) も 同時に指定してください。 マージンを新たに指定しない場合,従来のマージンの値が 採用され,シートの外にマージンが設定された状態になる ことがあります。 13.DECVERP,DECSHORPのパラメータPs=0 漢字LN05とテキスト・トランスレータの8ポイント・フォン トの高さは,それぞれ768 centipointと922 centipointと して定義されています。このため,フォントの高さをもと に位置を制御する命令を使うと,出力結果が異なってしま います。これを避けるため,行ピッチの指定はSPIなどで明 示的に行うようにしてください。また,8ポイント・フォ ントを使っていないファイルでもGSM (文字サイズ指定命 5-6 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.4テキスト・トランスレータ 令)の後に,DECVERP,DECSHORPのパラメータで0を指定する と,漢字LN05とテキスト・トランスレータで行ピッチ/文字 ピッチの違いが生じることがあります。この場合もSPIなど で行ピッチ/文字ピッチを明示的に指定する事により,同様 に互換性を保つことができます。 14.A4ページ・サイズでの文字ピッチ A4ページ・サイズに対して,デフォルト状態での文字属性 指定命令(SGR)で,Ps=10または11によりフォント指定後, 文字ピッチ指定命令(DECSHORP)のPs=0を指定した時の文字 ピッチは,10cpiでなく10.3cpiとなります。 15.SS2とSS3 SS2またはSS3に続いてコントロール・コードがあった時の 処理が,LN05などと異なる場合があります。SS2またはSS3 は,対象となる文字コードの直前に入れるようにしてくだ さい。 16.SUB SUBコードが漢字コードの1/2バイト間に割り込んだ場合の 処理が,LN05などと異なります。LN05ではSUBコードを漢字 の2バイト目とみなして全角のリバース・クエスチョンを出 力しますが,テキスト・トランスレータはSUBコードを先に 処理するため,漢字は正常に出力されます。 17.DEC DUTCHとDEC FRENCH DEC DUTCH文字セットの4/0と7/11およびDEC FRENCH文字セ ットの7/14は,マニュアルの記述と違う文字が出力されま す。 18.PLDとPLU 下線,上線,二重下線は,PLD,PLUを行っても移動しませ ん。 19.垂直タブ VTによって次の垂直タブ位置まで移動する場合,行間隔が 狭すぎるとさらに次の垂直タブ位置まで移動することがあ ります。このときには,行間隔をひろげるか,または今よ り小さいフォントを使うことにより,所要のタブ位置に移 動することができます。 20.DECVERPと垂直タブ位置 5-7 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.4テキスト・トランスレータ DECVERP (行ピッチ選択命令)を行った場合,垂直タブはホ ーム・ポジションを基準とした位置にすべて再設定されま す。このため,最初のVTによる垂直方向の移動量は,現在 の位置によって変化しますが,次のVTからはDECVERPによっ て設定された行ピッチと等しくなります。 21.DECDHLTとDECDWLの組み合せ LA_KANJIデータ・タイプで,DECDHLT (行拡大命令・4倍角) がすでに有効となっている行でDECDWL (行拡大命令・横倍 角)を指定した場合,DECDWLは無視されます。同じ行のなか で行拡大命令を組み合わせることは避けてください。 22.DECSTBMとDECVERP LA_KANJIデータ・タイプでは,DECSTBM (上下マージン設定 命令)で設定されたマージンはDECVERP (行ピッチ選択命令) ではクリアされません。この場合,DECSTBMによってマージ ンを再設定してください。 23.SHSとDECSHORPまたはGSMとDECSHORP SHS (水平ピッチ選択命令)とDECSHORP (水平ピッチ選択 命令)の組み合わせ,または GSM (文字サイズ指定命令)と DECSHORPの組み合わせで,水平タブ位置がLN05などと合わ ないことがあります。この場合,水平タブのかわりにスペ ースを使うことにより,同じ出力を得ることができます。 24.JFY JFY (行揃え)をオフに設定した行は,その1行すべてが行揃 えされなくなります。 25.DECVERPとDECSLPP DECVERP (行ピッチ選択命令)によって行ピッチが指定され ていた場合,DECSLPP (用紙長設定命令)で設定した行数よ り1行早く改ページする場合があります。このときには,行 間隔をひろげるか,または今より小さいフォントを使うこ とにより,指定した行数で改ページするようになります。 26.DECVERPによる縦倍角のクリア LA_KANJIデータ・タイプでは,GSM(文字サイズ変更命令)に よる縦倍角指定は,DECVERP (行ピッチ選択命令)によって 解除されます。 27.ファイルの先頭にある改ページまたは改行+改ページ 5-8 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.4テキスト・トランスレータ テキスト・ファイルの先頭が,改ページ・コードまたは改 行+改ページで始まる場合,漢字LN03に比べて余分な白紙 が1枚多く出力されることがあります。このようなときは, 先頭の不要な改ページ・コードを取り除くか,またはファ イル・フォーマットをstream_LFに変更することにより,漢 字LN03と同様な動きになります。 28.DEClaser2400 (漢字LN10)との違い DEClaser 2400で提供されている以下の機能は,テキスト・ トランスレータでは利用できません。 o 漢字アウトライン・フォント・オプションによる,フ ォントのスケーリング 29.文字属性 文字属性にアンダーライン,二重アンダーライン,抹消ラ イン,反転,または網かけが設定されている場合,文字ピ ッチの設定およびそのときに使用される文字フォントの組 み合せによっては漢字と英数字との間で文字属性に1ピクセ ル程度のずれを生じることがあります。 テキスト・トランスレータと他のプリンタとの上記以外の機能の 違いは,「日本語トランスレータ リファレンス・マニュアル」 を参照してください。 ___________________________________________________________ 5.5 日本語版DCPSに関するその他の情報 この節では,日本語DCPS製品に関する一般的な情報で,他のドキ ュメントに含まれないものを示しています。 5.5.1 カラー・セパレータ・ページと日本語PrintServer 17/600給紙 トレイ切り替えの相互作用 日本語PrintServer Software V5.0, V5.1では,日本語 PrintServer 17/600プリンタに給紙トレイの自動切り替え機 能を提供しています。これにより,現在の給紙トレイが空になっ たとき,プリンタは同じサイズの用紙が入っている別の給紙トレ イに,自動的に切り替えます。この機能は省略時設定で有効で す。 5-9 日本語DCPSの使用上の注意事項および制限事項 5.5日本語版DCPSに関するその他の情報 現在色つきの紙のフラグ・ページを使用している場合,この給紙 トレイ切り替え機能を無効にできます。以下のステップを実行し てください。 1. LPS$SUPPORT:LPSDEFAULTS.printer-name を編集する 2. /TraySwitchパラメータを検索する /TraySwitch true % Controls input tray failover. % false = disable % true = enable 3. /TraySwitchパラメータの値を,「true」から「false」へ 変更する。必ず小文字で「true」か「false」と記述してく ださい。 /TraySwitch false % Controls input tray failover. % false = disable % true = enable 4. 新しい値を有効にするために,日本語PrintServer 17/600 プリンタを再構成またはリブートする 詳しくは『DEC PrintServer Supporting Host Software for OpenVMS Management Guide』を参照してください。 5-10 6 ________________________________________________________________ DCPSの制限事項 この章では,DECprint Supervisorに関する注意事項および制限 事項について説明します。日本語版のDECprint Supervisorに固 有の制限事項については,第5章で説明しています。また,プ リンタ固有の制限事項については,第4章,『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSシステム管理者ガイド』,および『日本 語DECprint Supervisor for OpenVMSユーザーズ・ガイド』を参 照してください。 ___________________________________________________________ 6.1 OpenVMS V8.2およびそれ以降のバージョンにおけるAppleTalk DCPSが使用するネットワーク・プロトコルの1つとして,OpenVMS AlphaおよびVAXシステム上のレイヤード製品であるPATHWORKS for OpenVMS (Macintosh)で提供されるAppleTalkがあります。こ の製品はすでにリタイヤしておりサポートされていませんが, DCPSはその後もAppleTalkキューとの動作が可能でした。 しかし,OpenVMS V8.2でオペレーティング・システムに対して行 われた変更により,AppleTalkプロトコルは開始できなくなりま した。このため,OpenVMS V8.2以降,DCPSはAppleTalkキューと 動作することはできません。 OpenVMS V8.2以降は,次のようなメッセージが表示され,キュー の起動に失敗します。 %DCPS-F-CANNOTSTART, cannot start queue queue_name %DCPS-F-TRANSPORTNOTSUP, transport not supported - AppleTalk %SYSTEM-F-IVPARAM, invalid parameter specified OpenVMSクラスタ環境でAppleTalkプロトコルを使用したい場合 は,可能であれば,キューを実行するノードをOpenVMS V8.2より 前のバージョンに変更してください。 6-1 DCPSの制限事項 6.2自動検出機能の付いたプリンタ ___________________________________________________________ 6.2 自動検出機能の付いたプリンタ 多くのプリンタでは,プリント・ジョブのデータ・タイプを検出 することができます。このようなプリンタでは,フロント・パネ ルまたはプリンタ管理ソフトウェアを使用して,接続チャネル毎 に自動検出の状態と自動検出機能が有効になっているかどうかを 調べることができます。 この機能を提供するほとんどのプリンタについては,プリンタ が"PostScript"モードあるいは"Auto-Sensing"モードに設定され ている場合,日本語DECprint Supervisorソフトウェアは正しく 動作します。このようなプリンタは,DCPSキューを起動する前 に,上記のモードのいずれかのモードで動作するように設定して おかなければなりません。プリンタが"PCL"モードに設定されて いる場合は,DCPSソフトウェアは正しく動作しません。 詳細については,本書の第4章および『DCPSシステム管理者ガイ ド』を参照してください。 ___________________________________________________________ 6.3 Raw TCP/IPまたはLATキューでのジョブの"Starting"状態 ほとんどのプリンタはDCPSジョブの冒頭でPostScript同期化コマ ンドに応答しますが,応答しないプリンタもあります。あるキュ ーのすべてのジョブがStarting状態のままの場合には,次のいず れかの処置を講ずる必要があります。 o プリンタの言語設定を変更する ほとんどの場合,プリンタの言語識別モードを, PostScriptとPCLの自動検出ではなく,PostScriptに設 定すると,この問題は解決されます。適切なポートに対し て言語を変更する手順については,ご使用のプリンタのド キュメントを参照してください。これが,この問題を回避 するための推奨方法です。 o NO_SYNC論理名を定義する プリンタの設定を変更しても問題が解決されない場合に は,論理名DCPS$queuename_NO_SYNCを定義し,キューを再 起動することにより,DCPSにPostScript同期化コマンドを スキップするように通知することができます。これは,組 6-2 DCPSの制限事項 6.3 Raw TCP/IPまたはLATキューでのジョブの"Starting"状態 み込みネットワーク・インタフェース・カード(NIC)上で Raw TCP/IPまたはLAT接続を使用するプリンタで機能しま す。他の相互接続を経由して接続されているプリンタを使 用している場合には,何の効果もありません。 ___________________________________________________________ 6.4 Raw TCP/IPキューでのジョブの"Starting"状態 Raw TCP/IP接続を使用するDCPSキューを設定する際にプリンタに 不正なTCPポート番号を指定した場合,そのキューに出力したプ リント・ジョブは"Starting"状態のままとなります。これは, DCPSがネットワーク障害とプリンタのビジー状態あるいはオフラ イン状態を区別できないため,DCPSがユーザによる不正なポート 番号指定であるかどうかを判断することができないことが原因で す。 これ以外の理由によってもRaw TCP/IPキュー内のプリント・ジョ ブが"Starting"状態のままとなる場合があることに注意してくだ さい。 プリンタ,ネットワーク・インタフェース・カード,プリント・ サーバ,ターミナル・サーバのドキュメントをチェックし,正し いTCPポート番号を使用していることを確認してください。TCPポ ート番号については,本書の表 A-1にも記述されています。 ___________________________________________________________ 6.5 Raw TCP/IPキューの接続の切断 HP Color LaserJet 9500,LaserJet 9055mfp,あるいはLaserJet 9065mfpなどのデータ・スプール用に大きなメモリあるいはディ スクを備えたプリンタでは,Raw TCP/IP接続を使用している場合 に,長いプリント・ジョブでCONTERMINATEDエラーが発生する可 能性があります。 単一のファイルから構成されるジョブあるいはプリンタのネイテ ィブPostScript互換機能のみを使用している場合,このエラーは ジョブの最後で発生する傾向があり,(キューに対してトレーラ を指定している場合)トレーラ・ページは出力されず,(プリン ト・ジョブのアカウント機能を有効としている場合)アカウント 情報は消失します。これ以外のジョブについてはジョブの中間で 6-3 DCPSの制限事項 6.5 Raw TCP/IPキューの接続の切断 発生する可能性があり,トレーラ・ページと同様に以降のドキュ メントは出力されず,(プリント・ジョブのアカウント機能を有 効としている場合)アカウント情報は消失します。DCPSは中断さ れたジョブを再度キューに登録して"Holding"状態とし,ユーザ による問題解決後に再度そのジョブを出力できるようにします。 HP JetDirectカードを含むいくつかのネットワーク・デバイスで は,指定された時間内にホスト・システムから入力を受け取らな い場合には,TCP/IP接続が切断されます。これは,ホスト・ソフ トウェアによるデバイスの専有を防ぐための機能です。ただし DCPSは,プリンタがPostScriptから別のネイティブ・プリンタ言 語に切り替える場合,あるいはトレーラ・ページの出力およびア カウント情報の収集を行う場合,その前に出力したドキュメント をプリンタが出力したことという通知を受け取るまで待ちます。 この場合はたとえプリンタがビジー状態であっても,指定された タイムアウト時間が経過するまで,NICはDCPSからのそれ以上の 入力を受け取ることができません。 NICのTCP/IPアイドル・タイムアウト時間の変更が可能である場 合は,タイムアウトを無効とすること,あるいはタイムアウト 時間を長くすることによってこの問題を回避することができま す。NICのドキュメントをチェックして,これが可能であるかど うか,また可能であればその方法を確認してください(最近のHP のプリンタでは,この設定をTCP/IPのアイドル・タイムアウトと 呼んでいます)。続いて,必要な出力が得られないため,キュー に再登録されたジョブを解除し,キューに再登録されているその 他のジョブを削除してください。 重要なのはジョブのサイズではなく,その処理にかかる時間であ ることに注意してください。たとえば,非常に小さなPostScript プログラムであっても,出力に非常に長い時間がかかる場合があ ります。このため,どの程度のタイムアウト時間が適当であるの かを予想することは一般的に困難です。 ___________________________________________________________ 6.6 使用不能なRaw TCP/IPプリンタについてのNOT_READY警告メッセ ージ Raw TCP/IP接続を使用するプリンタのキューにジョブを登録した 際に,そのプリンタがビジー状態あるいはオフライン状態である 場合は,そのプリンタについてNOT_READY警告メッセージが表示 6-4 DCPSの制限事項 6.6使用不能なRaw TCP/IPプリンタについてのNOT_READY警告メッセージ されます。プリンタがビジー状態にあることが確実である場合 は,このメッセージを無視することができます。DCPSは,プリン タがビジー状態であるか,オフライン状態であるか,その他の理 由により使用不能であるかを区別することができません。 ___________________________________________________________ 6.7 カラーPostScriptを生成できないトランスレータ DCPSで提供されているトランスレータ(たとえばReGIS)は,カ ラー情報を含んでいるソース・ファイルであっても,カラー PostScriptコマンドを生成することはできません。カラー情報 は,グレースケールに変換されます。 ___________________________________________________________ 6.8 PostScript Level 2プリンタでのジョブのトレーラ・ページの シフト排紙 PostScript Level 2プリンタで各ジョブを分離して出力するよう にジョブ・シフト排紙を有効にしている場合,ジョブ本体とその トレーラ・ページ間でシフト排紙が発生します。 ___________________________________________________________ 6.9 特定のプリンタでのANSIトレイ選択不可 トレイ選択のエスケープ・シーケンスを含むANSIファイルを出力 する場合,使用しているプリンタによっては出力できない可能性 があります。この場合,offendig command is "setpapertray"と いうPostScript構成エラーが発生してジョブが中断されます。 また,Compaq Laser Printer LN16などのいくつかのプリンタで は,PostScriptトレイ番号0の給紙トレイを持っています。トレ イを選択するためにANSIエスケープ・シーケンスDECASFCが使用 されますが,0という値はトレイの変更がないという意味であ り,トレイ0の選択はできません。たとえば,次のANSIエスケー プ・シーケンスはトレイ0を選択せず,トレイの変更なしを示し ます。 0!v 6-5 DCPSの制限事項 6.9特定のプリンタでのANSIトレイ選択不可 この問題の回避策は,TRN$XLATE_DICTディレクトリ内に settoptray,setbottomtray,setlcittrayというPostScript コマンドを再定義するセットアップ・モジュールを作成して起動 することです。 たとえば,Compaq Laser Printer LN16,DIGITAL Laser Printer LN15あるいはLN15+の場合は,settoptray,setbottomtray, setlcittrayを次のように定義するセットアップ・モジュールを 作成します。 TRN$XLATE_DICT begin /settoptray { statusdict begin 0 setpapertray end } def /setbottomtray { statusdict begin 1 setpapertray end } def /setmanualfeedtray { statusdict begin 3 setpapertray end } def end たとえばHP LaserJet 4M Plusの場合には,settoptray, setbottomtray,setlcittrayを次のように定義するセットア ップ・モジュールを作成します。 TRN$XLATE_DICT begin /settoptray { statusdict begin 3 setpapertray end } def /setbottomtray { statusdict begin 0 setpapertray end } def /setlcittray { statusdict begin 1 setpapertray end } def end PostScriptトレイ番号は,『DCPSユーザーズ・ガイド』に記述さ れています。 ___________________________________________________________ 6.10 ホストにステータス・メッセージを送信しないいくつかのプリ ンタ 内部的なアーキテクチャのため,いくつかのプリンタではプリン タと通信しているホスト・システムではなく,プリンタ・コンソ ールにステータス情報を通知するものがあります。このためDCPS はいくつかのステータス状態(たとえば紙切れ,紙詰まり,複雑 すぎるページ,カバーの開放など)を検出できないため,ユーザ にその状態を通知することができません。その代わり,その後に DCPSがそのプリンタと通信しようとした場合に,DCPSキューは "Stalled"状態となります。これは最初にこの問題が発生したジ 6-6 DCPSの制限事項 6.10ホストにステータス・メッセージを送信しないいくつかのプリンタ ョブで表示されることも,その後のジョブで表示されることもあ ります。 この問題が発生するプリンタは次のとおりです。 o DEClaser 5100プリンタ o LN17psプリンタ o いくつかのHP LaserJet IIIプリンタおよびIVプリンタ (ただし,紙詰まりの回復機能が無効となっている場合, HP PostScript-Plus Level 2カートリッジの付いたHP LaserJet IIIおよびHP LaserJet IIISiでは発生しませ ん。) ___________________________________________________________ 6.11 常に正しく出力されるとはかぎらないプリンタ名 各国語対応文字がPostScript "printername"で使用されている場 合,セパレータ・ページの下部に出力されるプリンタ名が間違っ た文字セットで出力される可能性があります。 ___________________________________________________________ 6.12 DECwindowsソフトウェアあるいはDECimage Application Servicesを必要とするDDIF出力 DDIFエンコード2値イメージを出力するには,DCPSはDECwindows ソフトウェアあるいはDECimage Application Services (DAS)が システムにインストールされていることを必要とします。DASは OpenVMS VAXシステムだけで使用可能です。 ___________________________________________________________ 6.13 NUMBER_UPおよびPostScriptドライバの互換性 ユーザ・アプリケーションでLaserWriter 8.0または8.1.1ドライ バ,あるいはAdobe 2.1.1 Windowsドライバを使用して作成され たPostScriptファイルは,1より大きなNUMBER_UPが指定された場 合に正しく出力されません。 6-7 DCPSの制限事項 6.13 NUMBER_UPおよびPostScriptドライバの互換性 この場合,ページが抜けたり,NUMBER_UPページ位置とは異なる 位置に出力されたり,間違った拡大縮小率で出力されるという現 象が発生します。 ___________________________________________________________ 6.14 PAGE_SIZEパラメータを無視するLISTトランスレータ LISTトランスレータは,ページのフォーマットの際にPAGE_SIZE パラメータを無視します。この場合,LISTトランスレータはA (レター用紙)およびA4用紙に適合する最大サイズのページを作成 します。 ポートレートの場合: 80カラム,70行 ランドスケープの場合: 150カラム,66行 PAGE_SIZEおよびSHEET_SIZEパラメータの両方を指定して,論理 ページを拡大縮小して異なるサイズの用紙に出力することが可能 です。 ___________________________________________________________ 6.15 挿入されたPJLコマンドの無視,バイナリ・モードは避けるべ きこと DEClaser 5100およびHP LaserJet IVファミリーなどのPJLプ リンタ用のファイルを作成するドライバは,HP Printer Job Language (PJL)内にプリンタ制御コマンドを含んでいます。DCPS はそのデータを検出して無視します。このため,そのようなドラ イバによって選択されたプリンタ・オプションはプリンタ・ジョ ブに影響を与えません。 これらのドライバを使用する場合は,バイナリ・モードを選択し てはなりません。バイナリ・モードでは,DCPSを経由して出力す る場合に不正な動作を引き起こす可能性のあるコマンドをファイ ルに追加するからです。DCPSトランスレータを経由してジョブが 渡されたかどうかに関わらず,出力フォームはキューに実際に接 続されているプリンタに依存しています。 6-8 DCPSの制限事項 6.16いくつかのプリンタでのエラー後の信頼性のない通信 ___________________________________________________________ 6.16 いくつかのプリンタでのエラー後の信頼性のない通信 AppleTalk接続を使用していくつかのプリンタに出力した場合, プリント・ジョブの最後で予測できないエラーが発生する可能 性があります。この問題が発生するプリンタには,LaserWriter Pro 600,LaserWriter Pro 630,LaserWriter IIg,LaserWriter IIfなどが含まれます。一般に,プリント・ジョブで特定の理由 の明確なエラー,たとえばPostScriptインタプリタに"Flush to the EOJ"を発生させるPostScriptエラー,あるいは手差しによる 給紙を待つ間にタイムアウト・エラーなどが発生した場合,予測 できないエラーが発生します。次のような現象が発生します。 o 第2のPostScriptエラーあるいはタイムアウト・エラーの発 生 o DCPSとプリンタ間の通信の切断 o ジョブのトレーラ・ページが指定されている場合に出力さ れない o アカウント情報ファイル内のページ・カウントの不正 o ジョブが完了するまでに最大1分の遅延 プリント・ジョブのユーザによる出力部分は正しく出力されま す。DECprint Supervisorによって処理されるジョブの最後(たと えば,ページ・カウントの取得あるいはトレーラ・ページの出 力)で,予測できないエラーが発生します。不正なジョブが終了 すると,以降のジョブは正しく出力されます。システム・オペレ ータが介在しなければならない処理は必要とされません。 ___________________________________________________________ 6.17 接続を拒否しているPrintServerプリンタに対するSTOP /QUEUE /RESETの使用を避けること ジョブが"Starting"状態であり,プリンタが接続を拒否している 場合(たとえば,そのPrintServerの電源が落ちている,あるいは ブート中である場合)に,弊社のPrintServerプリンタのキューに 対してSTOP /QUEUE /RESETコマンドを実行すると,そのキュー は停止します。まれに,そのシンビオント・プロセスが停止す る可能性があります。PrintServerプリンタが使用可能となるま で,このコマンドを実行することは避けてください。ジョブが "Starting"状態であり,PrintServerプリンタのジョブ・キュー 6-9 DCPSの制限事項 6.17接続を拒否しているPrintServerプリンタに対するSTOP /QUEUE /RESETの使用を避けること に登録されている場合,STOP /QUEUE /RESETコマンドは正しく実 行されます。 ___________________________________________________________ 6.18 DELETE /ENTRYでのジョブのトレーラ・ページの出力 プリンタでジョブのトレーラ・ページ出力中にDELETE /ENTRYコ マンドを実行した場合,このページの出力を削除することは可能 です。また,ファイルのすべてのデータを転送してPrintServer プリンタにジョブを出力している場合であっても,そのジョブに 対するDELETE /ENTRYコマンドを実行して,そのジョブのトレー ラ・ページが出力されないようにすることは可能です。 ___________________________________________________________ 6.19 /COPIESを指定した出力時のPostScriptファイルの問題 PostScriptファイルに/COPIES修飾子を指定した場合,DCPSは各 ファイルの前後にPostScriptの"save"および"restore"を追加し て,プリンタ内の仮想メモリの消費を避けるようにします。 ただし,まれに不正なrestoreエラー・メッセージを表示してプ リント・ジョブが中断する場合があります。この現象が発生し た場合は,/COPIESではなく/JOB_COUNT修飾子を使用してくださ い。 ___________________________________________________________ 6.20 /JOB_COUNTを指定した場合のPAGE_LIMIT使用の問題 /JOB_COUNT修飾子を指定した場合にPAGE_LIMITパラメータを使用 すると,期待していない出力となる可能性があります。特に,ジ ョブの最初の何ページかを出力しないように指定した場合,DCPS は最初のコピーについては指定されたページを出力しませんが, 以降のコピーについてはすべてのページを出力してしまいます。 ジョブの最後の何ページかを出力しないように指定した場合, DCPSは最初のコピーについては指定されたページを出力しません が,以降のコピーについては指定を無視して出力してしまいま す。 6-10 DCPSの制限事項 6.20 /JOB_COUNTを指定した場合のPAGE_LIMIT使用の問題 いくつかのページを出力しないで複数のコピーを必要とする場合 は,/JOB_COUNT修飾子を使用するのではなく,必要な回数だけ PRINTコマンドを実行するようにしてください。 ___________________________________________________________ 6.21 I/Oバッファ設定が小さすぎる場合のOPCOMエラー発生の可能性 SYSGENパラメータのMAXBUFで設定されたI/Oバッファのサイズが 小さすぎる場合,プリンタ・キューが停止し,OPCOMに次のメッ セージが表示されます。 %SYSTEM-E-EXQUOTA, process quota exceeded このエラーが発生した場合は,SYSGENパラメータのMAXBUFの値を 増やしてください。 6-11 7 ________________________________________________________________ DCPSに影響を与えるその他の制限事項 この章では,日本語DECprint Supervisorに影響を与えることが 確認されているその他の問題,ならびにその問題を処理する必須 パッチ・キット(ECO)についての情報を提供します。その他のバ ージョン用のパッチ・キットが提供されている場合もあります が,ここでは,サポートされるバージョンのOpenVMSのパッチ・ キットを示します。 必須パッチ・キットは,次のような方法で入手することが可能で す。 o 弊社のカスタマ・サポート・センターに問い合わせて入手 する。 o 次のURLのHP IT Resource Center (ITRC)からダウンロード する。http://www.itrc.hp.com ___________________________________________________________ 7.1 DCPSプロセスによるCPUの消費 特定の状況で,DCPSシンビオント・プロセスがCPU時間を過剰に 消費する場合があります。たとえば,南半球で10月の夏時間調整 のために時刻を進めた場合,DCPSなどのマルチスレッド・プロ セスは急なCPUループに入ります。この問題はプロセスを停止さ せ,再起動することにより回避できます。この問題は,OpenVMS Alpha V7.3およびV7.3-1システムでのみ発生します。 下記のパッチを適用することで,次回の夏時間調整時に同じ問題 が発生することを回避できます。 o VMS731_TDF-V0100 (OpenVMS Alpha V7.3-1システム用) o VMS73_TDF-V0100 (OpenVMS Alpha V7.3 システム用) 7-1 DCPSに影響を与えるその他の制限事項 7.2キューの起動による無効なデバイス名のエラー ___________________________________________________________ 7.2 キューの起動による無効なデバイス名のエラー Raw TCPプロトコルを使用する自動起動DCPSキューを初期化して 起動する場合,キュー・マネージャが"invalid device name"エ ラーで処理に失敗する場合があります。 %%%%%%%%%%% OPCOM 26-SEP-2002 09:33:42.58 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on LATEST %QMAN-I-QUENOTSTART, queue TEST4 could not be started on node LATEST %%%%%%%%%%% OPCOM 26-SEP-2002 09:33:42.58 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on LATEST -QMAN-I-QUEAUTOOFF, queue TEST4 is now autostart inactive %%%%%%%%%%% OPCOM 26-SEP-2002 09:33:42.58 %%%%%%%%%%% Message from user SYSTEM on LATEST -SYSTEM-F-IVDEVNAM, invalid device name この問題は下記のパッチ・キットで解決することができます。 o VMS731_QMAN-V0100 (OpenVMS Alpha V7.3-1システム用) ___________________________________________________________ 7.3 マルチストリーム・シンビオントでのキュー起動の問題 マルチストリーム・プロセスとして日本語DECprint Supervisor を起動している場合は,Queue Manager必須アップデートを必ず インストールしなければなりません。 Queue Manager必須アップデート・キットは次のとおりです。 o ALPQMAN03_062, OpenVMS Alpha V6.2システム用 o VAXQMAN05_062, OpenVMS VAX V6.2システム用 o VAXQMAN03_070, OpenVMS VAX V5.5-2システム用 上記のアップデートは,マルチストリーム・シンビオントを起動 している特定の環境下でSTART /QUEUEコマンドがハングするとい う問題を解消します。キットで提供されているリリース・ノート には,このアップデートによって解消されるすべての問題につい て記述しています。このアップデートをインストールした後に は,システムをリブートして変更を有効にする必要があります。 7-2 DCPSに影響を与えるその他の制限事項 7.3マルチストリーム・シンビオントでのキュー起動の問題 このアップデートをインストールしていないシステムでは,マ ルチストリーム・プロセスで実行しているキューをSTOP /QUEUE /RESETで停止した後,直ちにSTART /QUEUEで起動すると,ハング する可能性があります。さらに,次のメッセージがOPCOMに書き 込まれることがあります。 %DCPS-F-STREAMUSE, Request 4 for Stream Id n ignored. Not consistent with symbiont state ハング状態から回復するには,Ctrl/Yを押してDCLプロンプト表 示に戻り,続いて再度STOP /QUEUE /RESETを実行し,数秒待って から再度キューを起動するようにします。この問題を回避するに は,Queue Managerアップデートをインストールしてください。 ___________________________________________________________ 7.4 シリアル接続プリンタのI/Oエラー OpenVMSターミナル・ドライバに問題があり,OpenVMSシステム のシリアル・ポートに接続したプリンタがI/Oエラーを通知する 場合があります。この問題は,使用しているシリアル・ポート の種類に依存していますが,OpenVMS Alpha V6.2〜V7.0および OpenVMS VAX V5.5〜V7.0で発生します。 問題は,プリンタのデータ消失防止用のXOFF要求に対して,ター ミナル・ドライバの応答が遅くなる場合があることです。この問 題はOpenVMS Alpha V7.1で解消されました。 この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。 o ALPOPDR04_062, OpenVMS Alpha V6.2システム用 ___________________________________________________________ 7.5 アクセス違反あるいは不正パラメータ・エラーによるシンビオ ントの強制終了 DCPSシンビオントは,CMA (DECthreads)機能に問題があること を示していると思われるACCVIOあるいはBADPARAMエラーが発生 して,フェールする可能性があります。TCP/IP Services for OpenVMSやDECthreads機能をベースにしたその他レイヤード製品 など,システム上のその他のソフトウェアもフェールする可能性 があります。 7-3 DCPSに影響を与えるその他の制限事項 7.5アクセス違反あるいは不正パラメータ・エラーによるシンビオントの強制終了 この問題は,デルタ時間が10,000日よりも短いという長年の OpenVMSの制限に関連しています。特に,UNIX基準時間として 1970年1月1日を使用しているPOSIX関連のソフトウェアは,この 制限に遭遇する可能性があります。 この問題は,次のパッチ・キットで解消されます。 o ALPLIBR07_070, OpenVMS Alpha V6.2システム用 o VAXLIBR06_070, OpenVMS VAX V5.5-2およびV6.2システム用 7-4 A ________________________________________________________________ Raw TCP/IPポート番号 raw TCP/IPプロトコルを使用してDCPSキューを設定する場合は, 使用しているNIC (ネットワーク・インタフェース・カード),プ リント・サーバ,ターミナル・サーバのいずれかのドキュメント を参照して,そのraw TCP/IPポートの番号を決定してください。 表 A-1に,一般的に使用されるデバイスのポート番号を示しま す。 表 A-1 raw TCP/IPポート番号 __________________________________________________________ 20nn DECserverターミナル・サーバ("nn"は物理ポート番号) 2501 DIGITAL LN17psおよびDIGITAL Laser Printer LN17+ps Emulex NIC 3001 DIGITAL Laser Printer LN15およびLN15+ DIGITAL RapidPrint 500プリント・サーバ 6869 Compaq Laser Printer LNC02 DIGITAL Laser Printer LN20,LN40,LNC02 9100 Compaq Laser Printer LN16,LN32,LNM40 GENICOM Intelliprint mL,LNおよびmicroLaserプリン タ GENICOM RapidPrint MPS1000プリント・サーバ HP Color LaserJetプリンタ HP LaserJetプリンタ IBM InfoPrintプリンタ Lexmark C,Optra S,Optra T,TおよびWシリーズ・プ リンタ Tektronix Phaserプリンタ Xerox DocuPrint Nプリンタ HP JetDirect,LexmarkおよびXCDプリント・サーバ OKI MICROLINE RICOH IPSiO ___9101__HP_9085_MFP______________________________________ A-1 B ________________________________________________________________ システムにインストールされるファイル一覧 日本語OpenVMS オペレーティング・システムのに,以下のファイ ルがインストールされます。 DCPSJ024.RELEASE_NOTES [SYSHLP] DCPS$HELP.HLP [SYSHLP] DCPS$SMBSHR.EXE [SYSLIB] DCPS$SMB.EXE [SYSEXE] DCPS$MSG.EXE [SYSMSG] DCPS$TRNPRC.EXE [SYSLIB] DCPS$BE_SERIAL.EXE [SYSLIB] DCPS$BE_CPAP.EXE [SYSLIB] DCPS$BE_APPLETALK.EXE [SYSLIB] TRN$DDIF_PS.EXE [SYSLIB] TRN$DDIF_IMAGE.EXE [SYSLIB] TRN$ANSI_PS.EXE [SYSLIB] TRN$PROPRINTER_PS.EXE [SYSLIB] TRN$PCL_PS.EXE [SYSLIB] TRN$LIST_PS.EXE [SYSLIB] TRN$REGIS_PS.EXE [SYSLIB] TRN$TEK4014_PS.EXE [SYSLIB] DCPS$DEVCTL.TLB [SYSLIB] DCPS$STARTUP.TEMPLATE [SYS$STARTUP] DCPS$REQUIRED.COM [SYS$STARTUP] DCPS$GET_VERSION.COM [SYS$STARTUP] DCPS$EXECUTION_QUEUE.COM [SYS$STARTUP] DCPS$GENERIC_QUEUE.COM [SYS$STARTUP] DCPS$IVP.COM [SYSTEST] DCPS$IVP_ANSI.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$IVP_POST.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$IVP_PCL.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$IVP_PROPRINTER.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$IVP_LIST.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$IVP_REGIS.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$IVP_TEK4014.DAT [SYSTEST.DCPS] LPS$SINGLEHOLES.LUP DCPS$LAYUP: B-1 システムにインストールされるファイル一覧 LPS$DOUBLEHOLES.LUP DCPS$LAYUP: LPS$HOLES.LUP DCPS$LAYUP: LPS$NUP.LUP DCPS$LAYUP: COLOR-PRINTER-FULL-PAGE.LUP DCPS$LAYUP: COLORWRITER-2000-FULL-PAGE.LUP DCPS$LAYUP: PROPRINTER-FULL-PAGE.LUP DCPS$LAYUP: FULL-A4-LANDSCAPE.LUP DCPS$LAYUP: CPS_TO_DCPS_STARTUP.COM [SYS$STARTUP] LPS_ANSI_PROLOGUE.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] UPDATE-ANSI-PROLOGUE.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] FONT_DOWNLOADER.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] LPS$SET_PRINTER_NAME.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] LPS$SET_TIMEOUT.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCW1000_CONFIG.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCW1000_DEVPARAM.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCW1000_STARTPG.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCW1000_NOSTRTPG.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCW1000_PRNTCNFG.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCW1000_PSCRIPT.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] FAX_3500_PRINTME.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DL3500_SEND_FAX_PS.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DL3500_SEND_FAX_PS_SENDPS.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DL3500_SEND_FAX_TEXT.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DL3500_SEND_FAX_TEXT_SENDPS.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$FILE_EXTENSION_DATA_TYPE.DAT_DEFAULT [SYSLIB] UNSOLICITED-PJL-FIX.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] IGNORE-A-SIZE.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$COMMON-PORT-SETTINGS.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$CONFIG-PRINTER-PORT.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$DS100-PORT-SETTINGS.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$DS200-PORT-SETTINGS.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$DS500-PORT-SETTINGS.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$GET-DS100-PORT-GROUPS.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$SET-DS-GROUPS.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$SET-DS100-GROUPS.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS$SAVE-DS500-PORT.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] LPS$STATUSDICT.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] CONFIDENTIAL.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] INSTALL-PS-SUPPLEMENT.COM [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] PS_SUPPLEMENT.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] NETPRX11.ZIP [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS.NETPRINT] README.TXT [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS.NETPRINT] UNZIP50.EXE [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS.NETPRINT] B-2 システムにインストールされるファイル一覧 DCPS$IVP_KANJI.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$IVP_KANJI78.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$IVP_LA_KANJI.DAT [SYSTEST.DCPS] DCPS$USERSTART.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] DCPS-USER-CARD.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] LPS$KANJI_TABLE.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] LPS$PRINTERMARGIN.LUP [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] LPS_DECKANJI_PROLOGUE.PS [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] TRN$CMGR_CONVERT.FDL [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] TRN$KANJI_CONVERT.FDL [SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] TRN$DECKANJI_PS.EXE [SYSLIB] B-3 日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS リリース・ノート ________________________________________________________________ 2005年2月 発行 日本ヒューレット・パッカード株式会社 〒140-8641 東京都品川区東品川2-2-24天王洲セントラルタワ ー 電話 (03)5463-6600 (大代表) ________________________________________________________________