_日本語DIGITAL_TCP/IP_Services_for_OpenVMS____
                      インストレーション/
                     コンフィギュレーション・ガイド

                     AA-QUL7D-TE


                      1999年4月

                     本書は,日本語DIGITAL TCP/IP for OpenVMS (UCX)のイ
                     ンストレーションとコンフィギュレーションの方法を説
                     明します。





                      改訂情報:                   本書は改訂版です。

                      オペレーティング・システム: 日本語OpenVMS
                                                 Alpha V7.1,V7.2
                                                 日本語OpenVMS VAX
                                                 V7.1,V7.2

                      ソフトウェア・バージョン:   日本語DIGITAL TCP/IP
                                                 Services for OpenVMS
                                                 V5.0



                     コンパックコンピュータ株式会社

 






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           1999年4月

           本書の著作権はコンパックコンピュータ株式会社が保有してお
           り,本書中の解説および図,表はコンパックの文書による許可な
           しに,その全体または一部を,いかなる場合にも再版あるいは複
           製することを禁じます。

           また,本書に記載されている事項は,予告なく変更されることが
           ありますので,あらかじめご承知おきください。万一,本書の記
           述に誤りがあった場合でも,コンパックは一切その責任を負いか
           ねます。

           本書で解説するソフトウェア(対象ソフトウェア)は,所定のライ
           センス契約が締結された場合に限り,その使用あるいは複製が許
           可されます。

           (c) Compaq Computer K.K. 1999 All rights reserved.
           Printed in Singapore.

           以下は他社の商標です。

           NFS,PC-NFSは米国Sun Microsystems社の商標です。

           UNIXはX/Openカンパニーリミテッドがライセンスしている米国な
           らびに他の国における登録商標です。

           本書は,日本語VAX DOCUMENT V 2.1を用いて作成しています。

 











   ________________________________________________________________

                                                               目次



    まえがき................................................      v


    1     TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュ
         レーションを行う前の準備作業

          1.1   関連する主な作業の確認......................    1-1

          1.2   インストール前の作業........................    1-2
          1.2.1     配布キットの検査........................    1-3
          1.2.2     リリース・ノートの抽出..................    1-3
          1.2.3     システム・ディスクのバックアップと日本語
                   OpenVMSのアップグレード..................    1-3
          1.2.4     ライセンス製品登録キーの登録............    1-4
          1.2.5     ディスクの空き領域の確認................    1-5
          1.2.6     物理メモリの確認........................    1-5
          1.2.7     システム・パラメータの確認..............    1-6
          1.2.7.1     グローバル・ページレットとグローバル・
                     セクション.............................    1-6
          1.2.7.2     非ページング動的プール................    1-6
          1.2.7.3     割り込みスタック・ページ(OpenVMS VAXの
                     み)....................................    1-7
          1.2.8     ユーザ識別コードの割り当て..............    1-7

          1.3   コンフィギュレーション情報の収集............    1-8

    2     TCP/IP Servicesのインストレーション

          2.1   インストレーション手順......................    2-1







                                                                iii

 






      3     TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

            3.1   推奨するTCP/IP Servicesのコンフィギュレーシ
                 ョン手順.....................................    3-1

            3.2   TCPIP$CONFIGの実行..........................    3-2
            3.2.1     既存のTCP/IP Servicesコンフィギュレーシ
                     ョン・ファイルの変換(アップグレードの場合
                     のみ)....................................    3-3
            3.2.2     新しいTCP/IP Servicesコンフィギュレーシ
                     ョン・ファイルの作成.....................    3-4
            3.2.3     コンフィギュレーション・メニューについ
                     て.......................................    3-5
            3.2.4     コア環境とクライアントおよびサーバ構成要
                     素のコンフィギュレーション...............    3-6
            3.2.5     オプションの構成要素のコンフィギュレーシ
                     ョン.....................................   3-12

            3.3   TCPIP$CONFIGオプション・コマンドの使用......   3-13

            3.4   TCP/IP Servicesの起動.......................   3-15

            3.5   コンフィギュレーションの検証................   3-15

            3.6   追加のコンフィギュレーション作業............   3-17

            3.7   TCP/IP Servicesの自動起動とシャットダウン...   3-18

            3.8   TCP/IP ServicesをDECwindowsアプリケーション
                 のトランスポートに指定.......................   3-19

      例

            2-1      TCP/IP Servicesのインストレーション:
                     POLYCENTER Software Installationユーティ
                     リティのプロシージャ(例).................    2-3










      iv

 






         表

               1        日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS
                        のドキュメント...........................    vii

               1-1      主な作業:インストールとコンフィギュレー
                        ション...................................    1-1

               1-2      コンフィギュレーション・プラニング・ワー
                        クシート.................................    1-9

               3-1      手順:TCP/IP Servicesのコンフィギュレーシ
                        ョン.....................................    3-2

               3-2      IVPエラーのトラブルシューティング........   3-17































                                                                       v

 










        ________________________________________________________________

                                                                まえがき



              日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSは,TCP/IPネット
              ワーキング・プロトコル体系とインターネット・サービスを日本
              語OpenVMS Alphaおよび日本語OpenVMS VAXシステム用に実装した
              弊社の製品です。

              レイヤード・ソフトウェア製品である日本語DIGITAL TCP/IP
              Services for OpenVMSは,異種ネットワーク通信とリソース共有
              のための業界標準プロトコルをサポートする包括的な機能とアプ
              リケーションのセットを提供します。

              本書は,日本語OpenVMSシステム環境で,日本語DIGITAL TCP/IP
              Services for OpenVMS (TCP/IP Services)ネットワーキング・ソ
              フトウェアをインストール,設定する方法について説明していま
              す。



        対象読者

              本書は,ネットワークキング・ソフトウェアのインストールと設
              定を担当するOpenVMSのシステム管理者,ネットワーク管理者を
              対象としています。本書の説明は,TCP/IPネットワークとその用
              語を理解していることを前提に書かれています。


        新機能と変更された機能

              日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS V5.0は,DIGITAL
              UNIX Version 4.0Dから移植されたIPv4カーネルに基づく新しい
              カーネルを搭載しています。[1]

        ________________________________
        [1]このカーネルは,BSD (Berkeley Software Distribution)バージョ

           ン4.3と4.4をベースに,弊社が機能の拡張を行ったものです。

                                                                       v

 






           その他の新機能としては次のものがあります。

            o  Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP)。システム
               管理者は,1台のOpenVMSホストから,IPアドレスを動的に
               割り当てることができます。

            o  ゲートウェイ経路選択デーモン(GATED)サーバと,高度な経
               路選択オプションを提供する内部および外部の経路選択プ
               ロトコルの包括的なセット。

            o  クラスレス・インタードメイン・ルーティング(CIDR)。可
               変長のサブネットワークを含むネットワークを構築するこ
               とができます。

            o  PathMTUディスカバリ。IPホストは,ソース・ホストとデス
               ティネーション・ホスト間の特定のパスで,最適なパケッ
               ト・サイズを決定することができます。

            o  UNIXとOpenVMSの混在環境で,OpenVMSシステムの管理を支
               援するUNIX管理ユーティリティ。

            o  NTP,SNMP,およびBINDの新しい実装。

            o  改善されたオンライン・ヘルプと,OpenVMS Help Message
               ユーティリティ(MSGHLP)用の新しいメッセージ・データベ
               ース。

           本書に含まれる情報は変更されている場合があります。詳細につ
           いては,『日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSリリー
           ス・ノート』を参照してください。

           本書は改訂版です。改訂の主な理由は,日本語DIGITAL TCP/IP
           Services for OpenVMS V5.0のインストールと設定手順の変更を
           反映させたことです。

     本書の構成

           本書は3つの章で構成されています。

            o  第1章では,TCP/IP Servicesのインストレーションとコン
               フィギュレーションを行う前の準備作業について説明して
               います。




      vi

 






               o  第2章では,POLYCENTER Software Installationユーテ
                  ィリティを使用して,日本語OpenVMSシステムにTCP/IP
                  Servicesをインストールする方法について説明していま
                  す。

               o  第3章では,ソフトウェアを正常にインストールした後に,
                  TCP/IP Servicesの構成要素およびサービスのコンフィギ
                  ュレーションを行う方法について,ガイドラインを示しま
                  す。


        関連資料

              表 1に,日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSバージョ
              ン5.0に付属するドキュメントを示します。


        表 1 日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSのドキュメント
        ________________________________________________________________
        ドキュメント______________内容__________________________________

        『日本語DIGITAL TCP/IP    このテキスト・ファイルは,このソフトウ
        Services for OpenVMSリリ  ェアの新機能と変更点について説明し,ソ
        ース・ノート』            フトウェアのインストールとアップグレー
                                  ド,およびコンフィギュレーションに必要
                                  な情報や互換性に関する情報を載せていま
                                  す。また,ソフトウェアの新旧の問題と制
                                  限事項,ソフトウェアとドキュメントの訂
                                  正箇所についても触れています。

                                  日本語DIGITAL TCP/IP Services for
                                  OpenVMSのインストールを実際に始める前
                                  に,このテキスト・ファイルを印刷して,
                                  ひととおり目を通しておいてください。

        『日本語DIGITAL TCP/IP    このドキュメントは,日本語DIGITAL TCP
        Services for OpenVMSイン  /IP Services for OpenVMSレイヤード・ア
        ストレーション/コンフィ   プリケーション製品のインストレーション
        ギュレーション・ガイド』  とコンフィギュレーションの方法について
                                  説明しています。

        ________________________________________________________________
                                                        (次ページに続く)



                                                                     vii

 






     表 1 (続き) 日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSのドキュメ
                 ント
     ________________________________________________________________
     ドキュメント______________内容__________________________________


     『日本語DIGITAL TCP/IP    このドキュメントは,日本語DIGITAL TCP
     Services for OpenVMS日本  /IP Services for OpenVMSの日本語機能の
     語機能の手引き』          概要と,漢字フィルタの使用方法及び,漢
                               字フィルタのプログラミングについて説明
                               しています。

     『DIGITAL TCP/IP          このドキュメントは,リモート・ファイル
     Services for OpenVMS      操作,電子メール,TELNET,TN3270,ネッ
     User's Guide』            トワーク印刷など,日本語DIGITAL TCP/IP
                               Services for OpenVMSで利用できるアプリ
                               ケーションの使用方法について説明してい
                               ます。また,これらのサービスを使って,
                               プライベート・インターネットや世界規模
                               のインターネット上のシステムと通信を行
                               う方法についても説明しています。

     『DIGITAL TCP/IP          このドキュメントは,日本語DIGITAL TCP
     Services for OpenVMS      /IP Services for OpenVMS製品のコンフィ
     Management』              ギュレーションと管理の方法について説明
                               しています。

                               このドキュメントは,『DIGITAL TCP
                               /IP Services for OpenVMS Management
                               Command Reference』と併用してくださ
                               い。

     『DIGITAL TCP/IP          このドキュメントは,日本語DIGITAL TCP
     Services for OpenVMS      /IP Services for OpenVMSの管理コマンド
     Management Command        について説明しています。
     Reference』               このドキュメントは『DIGITAL TCP/IP

                               Services for OpenVMS Management』と併
                               用してください。

     ________________________________________________________________
                                                     (次ページに続く)




      viii

 






        表 1 (続き) 日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSのドキュメ
                    ント
        ________________________________________________________________
        ドキュメント______________内容__________________________________


        『DIGITAL TCP/IP          このドキュメントは,オープン・ネットワ
        Services for OpenVMS      ーク・コンピューティングのリモート・プ
        ONC RPC Programming』     ロシージャ・コール(ONC RPC)を使った高
                                  水準プログラミングについて概説していま
                                  す。また,RPCプログラミング・インタフ
                                  ェースや,RPCGENプロトコル・コンパイラ
                                  を使ったアプリケーションの作成方法につ
                                  いても説明しています。

        『DIGITAL TCP/IP          このドキュメントは,OpenVMSシステム・
        Services for OpenVMS      サービスとCソケット・プログラミング・
        System Services and C     インタフェースを使って,ネットワーク・
        Socket Programming』      ベースのアプリケーションを開発する方法
                                  について説明しています。

        『DIGITAL TCP/IP          このドキュメントは,拡張簡易ネットワー
        Services for OpenVMS      ク・プロトコル(eSNMP),eSNMPアプリケー
        eSNMP Programming and     ション・プログラミング・インタフェース
        Reference』               (API),および新たなサブエージェントを
                                  構築してベンダ固有の機器を管理する方法
        __________________________について説明しています。______________


              日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS製品とサービス
              についての詳細な情報は,次のURLに置かれたDIGITAL OpenVMS
              World Wide Webサイトで入手できます。

              http://www.openvms.digital.com

              TCP/IPプロトコル体系全般の概要を知りたい場合には,
              Douglas Comer著『Internetworking with TCP/IP: Principles,
              Protocols, and Architecture』が参考になります。








                                                                      ix

 






     用語

           日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSでは,数リリース
           前に製品名が"ULTRIX Connection(UCX)"から"DIGITAL TCP/IP
           Services for OpenVMS"に変わったときから始まった変更が,こ
           のバージョン5.0で完了しました。この変更に伴い,以下に関連
           する記述で,"UCX"という識別子が"TCPIP"に置き換えられていま
           す。

            o  登録されたプロダクト・ファシリティ・コード

            o  管理コマンド・プロンプト

            o  すべてのメッセージ,例,およびバナー

            o  すべての製品ファイル名,キュー,およびデータベース

            o  すべての論理名(互換性のために残されているものを除く)

            o  すべての関連する製品ドキュメント

           日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSには,次の両方の
           製品が含まれます。

            o  日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Alpha

            o  日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS VAX

           Auxiliary(補助)サーバとは,UNIXインターネット・デーモン
           (inetd)の機能を日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS用
           に実装したものです。

           NFSとは,NFSサーバ,NFSクライアントおよびPC-NFSを含むネッ
           トワーク・ファイル・システム(NFS)プロトコルを日本語DIGITAL
           TCP/IP Services for OpenVMS用に実装したものです。

           TN3270は,IBM3270モデル・ターミナルをエミュレートする
           TELNETクライアント・ソフトウェアです。

           UNIXという用語は,DIGITAL UNIXオペレーティング・システムを
           意味しています。DIGITAL UNIXオペレーティング・システムは,
           Berkeley Software Distribution (BSD) V4.3およびV4.4と完全
           な互換性があります。



      x

 






              ホストとノードは,両方ともインターネットに接続されたシステ
              ムを意味します。


              「Internet」は,RFC 1208で定義されたネットワークを意味し,
              TCP/IPプロトコル体系を使用する大規模ネットワークを含みま
              す。Internetは世界規模の接続を提供し,その範囲は,国防総省
              高等研究企画局(DARPA) Internet,MILNET,NSFnet,CERN,およ
              び多くの世界中の大学,政府開発機関,軍事施設,一般企業にま
              で及びます。

              「インターネット」は,TCP/IPプロトコルを用いた,1つの仮想
              ネットワークとして機能している,内部接続されたネットワーク
              を意味します。


        表記法

              本書では,以下の表記法に従っています。

              __________________________________________________________
              表記法___________意味_____________________________________

              UPPERCASE TEXT   OpenVMSおよび日本語DIGITAL TCP/IP
                               Services for OpenVMSのコマンド,オプ
                               ション,ユーティリティ,ファイル,ディレ
                               クトリ,ホストおよびユーザの名前を示しま
                               す。

              lowercase        UNIXシステムからの出力,またはユーザの入
              special type     力,コマンド,オプション,ファイル,ディ
                               レクトリ,ユーティリティ,ホストおよびユ
                               ーザの名前を示します。

              italic type      変数を示します。

              <Return>         ユーザがReturnキーを押すことを示します。

              <Ctrl/x>         ユーザがCtrlキーと文字キーを同時に押すこ
                               とを示します。






                                                                      xi

 





           __________________________________________________________
           表記法___________意味_____________________________________


           [ ]              コマンド書式で使用され,[ ]内の値がオプシ
                            ョン入力であることを示します。

           { }              コマンド書式で使用され,{ }内の1つ以上あ
                            るいはすべての値を指定する必要があること
           _________________を示します。_____________________________


           本書の中のすべてのノード名およびアドレスは架空のもので,例
           として示しています。

































      xii

 








                                                                       1
        ________________________________________________________________

         TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュレーションを行
                                                          う前の準備作業


              本章では,日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSソフト
              ウェアのインストレーションとコンフィギュレーションに必要な
              準備作業について説明します。


        ___________________________________________________________

        1.1   関連する主な作業の確認

              TCP/IP Servicesソフトウェアのインストールは数分で完了しま
              す。このソフトウェアは,OpenVMSオペレーティング・システム
              のインストール手順の一環として同時にインストールすること
              も,レイヤード・プロダクトとして別個にインストールすること
              もできます。

              TCP/IP Servicesのインストールが終了したら,次の作業とし
              て,構成要素を使用可能にし,メニュー方式のTCPIP$CONFIGコン
              フィギュレーション手順を実行して,コンフィギュレーションの
              内容を検証します。この作業は,通常15分程度で終了します。

              表 1-1に,TCP/IP Servicesソフトウェアのインストールとコン
              フィギュレーションに関係する主な作業を示します。

              表 1-1 主な作業:インストールとコンフィギュレーション
              __________________________________________________________
              手
              順___作業________________________________参照先___________

              1    インストールとコンフィギュレーショ  第1.2.1項- 第1.3
                   ンを行う前の準備作業                節

              __________________________________________________________
                                                        (次ページに続く)




のインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業       1-1

 






           表 1-1 (続き) 主な作業:インストールとコンフィギュレーシ
                         ョン
           __________________________________________________________
           手
           順___作業________________________________参照先___________


           2    TCP/IP Servicesのインストレーショ   第2章
                ン

           3    TCP/IP Servicesのコンフィギュレー   第3章
                ション(それぞれのネットワーク環境
                に合わせて行う必要があります)

           4    コンフィギュレーションの内容の検証  第3章

           5    必要に応じて,追加のコンフィギュレ  第3章
                ーションおよびセットアップ作業を実
           _____行___________________________________________________


     ___________________________________________________________

     1.2    インストール前の作業

           システムにTCP/IP Servicesをインストールする前に,以下の作
           業を完了しておく必要があります。

            o  配布キットの検査(第1.2.1項)

            o  TCP/IP Servicesリリース・ノートの抽出と一読(第1.2.2
               項)

            o  システム・ディスクのバックアップ(第1.2.3項)

            o  必要に応じて,OpenVMSオペレーティング・システムのアッ
               プグレード(第1.2.3項)

            o  TCP/IP ServicesライセンスPAKの登録(第1.2.4項)

            o  ディスクの空き領域,メモリの容量,およびシステム・パ
               ラメータのチェック第1.2.5項~第1.2.7項)

            o  必要に応じて,ユーザ識別コードの割り当て(第1.2.8項)

            o  コンフィギュレーション情報の収集(第1.3節)

      1-2  TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業

 






        1.2.1  配布キットの検査


              ソフトウェア配布キットが全部そろっていることを確認します。
              日本語OpenVMSソフトウェア・ライブラリをお持ちの場合は,
              CDのマスター・インデックスでキットの場所を確認してくださ
              い。磁気テープまたはTK50版キットをご使用の場合は,TCP/IP
              Serviceをインストールするためのコマンドを入力するときに,
              該当するメディアのデバイス名を入力してください。

              一覧表(BOM)を参照して,すべての項目がキットに含まれている
              か確認します。不足している項目や破損項目がある場合には,
              Compaqの担当窓口にお問い合わせください。


        1.2.2  リリース・ノートの抽出

              『日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSリリース・ノー
              ト』には,製品をインストールする前に知っておく必要がある重
              要な情報が含まれています。

              リリース・ノートをテキスト・ファイルに抽出するには,
              POLYCENTER Software Installationユーティリティ・コマン
              ドを次のように入力します。

              $ PRODUCT EXTRACT RELEASE_NOTES TCPIPJA/FILE=file_name.txt

              file_name.txtは,出力先となるファイル名で,ユーザが指定し
              ます。ファイル名を指定しないと,リリース・ノートは現在のデ
              ィレクトリのDEFAULT.PCSI$RELEASE_NOTESという名前のファイル
              に書き出されます。


        1.2.3  システム・ディスクのバックアップと日本語OpenVMSのアップ
               グレード


              TCP/IP Servicesのインストールを行う前に,ご自分の環境で使
              用しているバックアップ手順に従って,システム・ディスクのバ
              ックアップをとることをお勧めします。バックアップ操作が完了
              したら,必要に応じて日本語OpenVMSオペレーティング・システ
              ムをアップグレードします。




のインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業       1-3

 






           システム・ディスクのバックアップ方法については,『OpenVMS
           システム管理者マニュアル』を参照してください。


           日本語OpenVMSのアップグレード方法については,OpenVMSの該当
           するアップグレードおよびインストレーション用マニュアルを参
           照してください。


     1.2.4  ライセンス製品登録キーの登録

           新規にライセンスされたノードやクラスタ上でTCP/IP Services
           ソフトウェアのインストールを行うときには,OpenVMSライセン
           ス管理機能(LMF)を使ってライセンス製品登録キー(PAK)を登録す
           る必要があります。PAKがない場合は,DECwindows TCP/IPトラン
           スポート・ソフトウェアのみ使用できます。

           対象のノードまたはクラスタにTCP/IP Servicesライセンスがす
           でに登録されており,TCP/IP Servicesのインストールがアップ
           グレード・インストールの場合は,ライセンスPAKの登録は不要
           です。

           ライセンスとメディアを同時に注文した場合には,PAKは納品さ
           れる配布キットに含まれています。それ以外の場合は,ライセン
           スの注文内容に応じて,ライセンスだけが納品されます。


           TCP/IP Servicesと同時に必須またはオプションのソフトウェア
           をインストールする場合には,そのソフトウェアのPAKの状態を
           確認し,もし登録されていなければ,PAKを登録してからTCP/IP
           Servicesのインストールを行ってください。

           ライセンスを登録するには,SYSTEMアカウントにログインし,以
           下のいずれかの操作を行います。

            o  SYS$UPDATE:VMSLICENSE.COMを実行し,ライセンスPAKから
               データを入力する。

            o  DCLプロンプトからLICENSE REGISTERコマンドおよび適当な
               修飾子を入力する。

           OpenVMS Clusterの各ノードでライセンスを登録します。




      1-4  TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業

 






              LMFについての詳細は,『OpenVMS License Management Utility
              Manual』を参照してください。



        1.2.5  ディスクの空き領域の確認

              システム・ディスクに,インストールに必要な空き領域があるか
              確認します。以下に,両システムにそれぞれ必要なディスクの空
              き領域を示します。

              __________________________________________________________
              システム___________最小ブロック・サイズ___________________

              OpenVMS Alpha      57,000

              OpenVMS_VAX________42,000_________________________________

              実際に必要なディスクの空き領域は,システム環境,コンフィギ
              ュレーションの内容,使用するソフトウェア・オプションによっ
              て異なります。

              システム・ディスクに残された空きブロックを表示するには,次
              のコマンドを入力します。

              $ SHOW DEVICE SYS$SYSDEVICE

        1.2.6  物理メモリの確認


              システムに,インストールに必要な容量の物理メモリが搭載され
              ているか確認します。以下に,各システムの必要な物理メモリ容
              量を示します。

              __________________________________________________________
              システム___________最小メモリ_____________________________

              OpenVMS Alpha      32 MB

              OpenVMS_VAX________24_MB__________________________________

              メモリの容量を確認するには,次のコマンドを入力します。




のインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業       1-5

 






           $ SHOW MEMORY/FULL



     1.2.7  システム・パラメータの確認

           TCP/IP Servicesソフトウェアのインストールに関しては,ほとん
           どのシステムが必要な条件を満たすシステム・リソースを備えて
           います。しかし,次項以下で説明するシステム・パラメータにつ
           いては,設定内容を確認したうえで,MODPARAMS.DATファイルに
           必要な変更を加えることをお勧めします。MODPARAMS.DATファイ
           ルを変更した場合は,AUTOGENを使用してシステムをリブートす
           る必要があります。

     1.2.7.1  グローバル・ページレットとグローバル・セクション

           TCP/IP Servicesソフトウェアを動作させるには,80のグローバ
           ル・セクションと10,500のグローバル・ページレットが必要で
           す。

           使用できるグローバル・ページレットとグローバル・セクション
           数を確認するには,F$GETSYIレキシカル関数でWRITEコマンドを
           入力します。以下に例を示します。

           $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLPAGES")
           1234

           $ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS")
           189

           グローバル・ページレットとグローバル・セクション数を追加す
           るには,システム・パラメータのGBLPAGESとGBLSECTIONSの値を
           増やすステートメントをMODPARAMS.DATファイルに追加します。

     1.2.7.2  非ページング動的プール

           TCP/IP Servicesソフトウェアを動作させるには,次の手順に従
           って,非ページング動的プールを少なくとも500,000バイト追加
           します。

            1. SYSTEMアカウントにログインします。





      1-6  TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業

 






               2. ご使用のシステムで,非ページング・プールをどの程度追
                  加する必要があるかを確認します。推定値の500,000バイト
                  に,各ソケットに必要なバイト数をそれぞれ2,000バイトと
                  して,使用する最大ソケット数に相当するバイト数を加算
                  します。

               3. 次の例を参考に,MODPARAMS.DATファイルを編集し,
                  NPAGEDYNパラメータとNPAGEVIRパラメータを適切な値に
                  変更します。

                  ! Add nonpaged pool for DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS.
                  !
                  ADD_NPAGEDYN=500000
                  ADD_NPAGEVIR=500000

              非ページング動的プールについての詳細は,『OpenVMSシステム
              管理者マニュアル』を参照してください。

        1.2.7.3 割り込みスタック・ページ(OpenVMS VAXのみ)

              OpenVMS VAXシステムでPATHWORKSインターネット・プロトコ
              ル(PWIP)を使用している場合は,割り込みスタック・ページ
              (INTSTKPAGES)の数を10以上に増やして,システム・スター
              トアップ時の警告とクラッシュを抑止する必要があります。
              PATHWORKSについての詳細は,PATHWORKSのマニュアルを参照して
              ください。

              割り込みスタック・ページ数を増やすには,INTSTKPAGESシステ
              ム・パラメータの値を増やすステートメントをMODPARAMS.DATフ
              ァイルに追加します。


        1.2.8  ユーザ識別コードの割り当て

              OpenVMSユーザまたはユーザ・グループは,[group,member]の書
              式を割り当てられた一意のユーザ識別コード(UIC)で識別されま
              す。groupおよびmemberは数字または英数字の文字列です。たと
              えばUICは,[306,210],[GROUP1,JONES],単にJONESなどのいず
              れにもなります。UICは,ユーザおよびグループ特権を決定する
              システム定義の権利データベースにリンクされています。






のインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業       1-7

 






           TCPIP$CONFIGコンフィギュレーション・プロシージャでは,グル
           ープUICを使用して構成要素のためのアカウントを作成します。
           ユーザ指定のUICが既存のコンフィギュレーションになかった場
           合には,8進数3655 (サービス・アカウントの省略時のUICグルー
           プ番号)が使用されます。これがこの製品の最初のコンフィギュ
           レーションでも,3655が使用中であることをプロシージャが検出
           すると,TCPIP$CONFIGを実行したときに新しいUICグループ番号
           を入力するように要求するプロンプトが表示されます。


           新しいグループUICを割り当てる前に,次のコマンドを入力し
           て,選択する番号が未使用であることを確認します。

           $ RUN SYS$SYSTEM:AUTHORIZE

           UAF> SHOW /BRIEF [your_group_number,*]

           UAF> SHOW /IDENTIFIER /VALUE=UIC:[your_group_number,*]

           新しいUICグループ番号を指定するには,論理名TCPIP$ASK_
           GROUP_UICにTRUEの値を代入します。これにより,TCP/IP
           Servicesのコンフィギュレーションを行う際に,TCPIP$CONFIGが
           グループUICを入力するよう要求します。

     ___________________________________________________________

     1.3    コンフィギュレーション情報の収集

           表 1-2のワークシートを利用して,コンフィギュレーション情報
           を収集します。

           そのシステムで初めてTCP/IP Servicesのコンフィギュレーショ
           ンを行う場合は,TCPIP$CONFIGプロシージャは,表 1-2に示した
           情報を入力するよう要求します。製品のアップグレード後に再度
           コンフィギュレーションを行う場合は,プロシージャは前のコン
           フィギュレーション情報を,新しいコンフィギュレーション情報
           の省略時の値として使用します。

           コンフィギュレーション・ワークシートの個々の質問に関す
           る具体的な情報は,『DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS
           Management』の該当する章を参照してください。





      1-8  TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業

 






              表 1-2 コンフィギュレーション・プラニング・ワークシート
              __________________________________________________________
              質問______________________________________回答____________

              システムのホスト名(MYNODEなど)            ________________



              システムのInternetドメイン名(widgets.com  ________________
              など)



              システムのアドレスとマスクについて

               o  IPアドレス(19.112.139.14など)         ________________

               o  サブネット(ネットワーク・マスク)ア    ________________

                  ドレス(255.0.0.0など)                 ________________

               o  ブロードキャスト・アドレス
                  (19.255.255.255など)


              システムのネットワーク・インタフェース    ________________
              (SE0など)



              TCP/IP ServicesのグループUIC(第1.2.8項を  ________________
              参照)([GROUP1,JONES]など)


              __________________________________________________________
                                                        (次ページに続く)










のインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業       1-9

 






           表 1-2 (続き) コンフィギュレーション・プラニング・ワーク
                         シート
           __________________________________________________________
           質問______________________________________回答____________


           NFSプロキシー・データベース(TCPIP$PROXY.DAT)______________
           へのワールドREADアクセス権を非特権ユーザ
           に与えたいかどうか

               NFSプロキシー・データベースは,シス
               テムへのアクセスを許可するかどうか
               を決定するために使用されるレジスト
               リで,TCP/IP Services製品を実行して
               いるすべてのOpenVMSクラスタ・ホスト
               間で共有されます。システムを保護す
               るには,このデータベースにファイル
               保護を設定して,このファイル自体へ
               のアクセスを制限してください。

           __________________________________________________________
                                                     (次ページに続く)
























      1-10  TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業

 






              表 1-2 (続き) コンフィギュレーション・プラニング・ワーク
                            シート
              __________________________________________________________
              質問______________________________________回答____________


              SNMPを使用するかどうか。使用する場合:

               o  SNMP管理クライアントがSet要求を発行
                  することでMIBを変更できるようにする   ________________

                  かどうか

               o  マスタ・エージェントが,不法なコミ    ________________
                  ュニティ文字列を指定するSNMP要求を
                  受信したときに,認証トラップを有効
                  にするかどうか                        ________________

               o  システムの担当者の名前と,システ
                  ムの設置場所(Sam Spade; Falcon        ________________
                  Building, Los Angeles, CAなど)

               o  ネットワーク管理者がシステムをリモ    ________________
                  ート管理できるようにするかどうか。
                  可能にする場合には,「public」コミ
                  ュニティ名のコンフィギュレーション
                  を行う必要があります。

               o  追加のコミュニティ名とアドレスを提
                  供するかどうか(セットとトラップを実
                  装するため)

              __________________________________________________________
                                                        (次ページに続く)












のインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業      1-11

 






           表 1-2 (続き) コンフィギュレーション・プラニング・ワーク
                         シート
           __________________________________________________________
           質問______________________________________回答____________




           ネットワークに適した経路選択の種類

            o  静的-経路に変更がない簡単なネットワ   ________________

               ーク

               静的な経路選択を使用する場合には,
               省略時のゲートウェイのホスト名とア    ________________
               ドレス(GATWY1; 19.112.0.65など)

            o  動的-柔軟性が要求される複雑なネット   ________________

               ワーク

               動的な経路選択を使用する場合には,
               ROUTEDとGATEDのどちらの経路選択を使
               用するか

           BINDリゾルバを使用するかどうか。使用する
           場合:

            o  リゾルバに使用するBINDサーバの名前    ________________

               (MAINSVなど)                          ________________

            o  BINDサーバのIPアドレス(19.112.139.10
               など)                                 ________________

            o  ドメイン名(mainsv@widgets.comなど)

           __________________________________________________________







      1-12  TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業

 








                                                                       2
        ________________________________________________________________

                                     TCP/IP Servicesのインストレーション


              本章では,日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSソフト
              ウェアをPOLYCENTER Software Installationユーティリティを使
              用して,レイヤード・プロダクト・アプリケーションとしてイン
              ストールする方法を説明します。ここで説明する方法は,初めて
              のインストールとアップグレード・インストールの両方に適して
              います。

              OpenVMS Alpha CD-ROMメニューから製品を直接インストールする
              方法については,OpenVMS Alphaの『Upgrade and Installation
              Manual』を参照してください。


              POLYCENTER Software Installationユーティリティについての詳
              細は,『OpenVMSシステム管理者マニュアル』を参照してくださ
              い。

        ___________________________________________________________

        2.1   インストレーション手順

              第1章で推奨したインストレーション前の準備作業が終了し,リ
              リース・ノートに目を通したら(第1.2.2項),TCP/IP Servicesの
              アップグレードまたはインストール作業に進むことができます。

              製品をアップグレードする場合には,既存のコンフィギュレーシ
              ョン・ファイルが保存されるので,このファイルを使って,新し
              いバージョンのコンフィギュレーションを行うことができます。

              TCP/IP ServicesソフトウェアをOpenVMS VAXまたはAlphaシステ
              ムにインストールするには,次の手順に従います。

               1. SYSTEMアカウントにログインします。

               2. システムに誰もログオンしていないことを確認します。




                                 TCP/IP Servicesのインストレーション 2-1

 






            3. SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COMファイルを編集し,@SYS$STARTUP:UCX$STARTUPコ
               マンドが定義されているかどうかを確認します。定義され
               ている場合には,システムの起動時に自動的に新しい
               バージョンの製品が起動するように,このファイルを
               TCPIP$STARTUPという名前に変更します。

            4. 前のバージョンのソフトウェアがシステムにインストール
               されている場合には,次のコマンドを入力して,前バージ
               ョンのシステムをシャットダウンします。

               $ @SYS$MANAGER:UCX$SHUTDOWN

               ヒント TCP/IP Servicesバージョン5.0のシャットダウン・
               プロシージャはSYS$STARTUP:TCPIP$SHUTDOWN.COMです。

            5. そのシステムでDECnetを使用しており,インストレーショ
               ン・プロシージャのログを作成したい場合には,次のコマ
               ンドを入力して,システム・アカウントに再度ログインし
               ます。

               $ SET HOST 0/LOG=file-name

               file-nameには,ログの書き込み先となるファイル名を指定
               します。

            6. システムに応じたディレクトリ・パスを指定してPRODUCT
               INSTALLコマンドを入力し,POLYCENTER Software
               Installationユーティリティを起動します。次に例を示
               します。

               $ PRODUCT INSTALL TCPIPJA /SOURCE=device-name

               ここで,device-nameは,TCP/IP Servicesキットを含んで
               いるソース・ドライブのディレクトリ・パスです(たとえ
               ば,/SOURCE=DKA1)。

               sourceの修飾子を指定しなかった場合,POLYCENTER
               Software Installationユーティリティは,論理名
               PCSI$SOURCEで定義された場所を検索します。何も定義
               されていなかった場合には,ユーティリティは現在の省略
               時ディレクトリを検索します。

            7. 対話式のインストレーション・プロシージャが開始され,
               情報を入力するよう要求されます。


      2-2  TCP/IP Servicesのインストレーション

 






                  OpenVMS Alphaシステム上でのサンプルのインストレーショ
                  ン・スクリプトを例 2-1に示します。応答が必要なものに
                  は番号が付いています。スクリプトの最後に番号ごとの説
                  明があります。

                  システム上で実際に表示されるインストレーション・スク
                  リプトには,現在のコンフィギュレーションに応じて,こ
                  れ以外の質問や情報が含まれていることがあります。

                _______________________  注意 _______________________

                インストレーションを中断する場合は,随時Ctrl/Yを押し
                てください。インストレーション・プロシージャは,その
                時点までに作成されたファイルをすべて削除してから終了
                します。

                _____________________________________________________

              例 2-1 TCP/IP Servicesのインストレーション:POLYCENTER
                     Software Installationユーティリティのプロシージャ
                     (例)

              The following product has been selected:
                  DEC AXPVMS TCPIPJA V5.0-9              Layered Product

            1 Do you want to continue? [YES] <Return>

              Configuration phase starting ...

              You will be asked to choose options, if any, for each selected product and for
              any products that may be installed to satisfy software dependency requirements.

              DEC AXPVMS TCPIPJA V5.0-9: DIGITAL TCP/IP Services/Japanese for OpenVMS.

                  (c) Compaq Computer Corporation 1999. All rights reserved.

                  Compaq Computer Corporation

                  DIGITAL TCP/IP Services/Japanese for OpenVMS offers several license options.

            2 Do you want the defaults for all options? [YES] <Return>

            3 Do you want to review the options? [NO] YES <Return>

              DEC AXPVMS TCPIPJA V5.0-9: DIGITAL TCP/IP Services/Japanese for OpenVMS.

                                                        (次ページに続く)

                                 TCP/IP Servicesのインストレーション 2-3

 






           例 2-1 (続き) TCP/IP Servicesのインストレーション:
                         POLYCENTER Software Installationユーティ
                         リティのプロシージャ(例)

               Applications: YES

         4 Are you satisfied with these options? [YES] <Return>

           Execution phase starting ...

           The following product will be installed:
               DEC AXPVMS TCPIPJA V5.0-9              DISK$ALPHASYS:[VMS$COMMON.]

           Portion done: 0%...10%...20%...30%...40%...50%...60%...70%...80%...90%

           Portion done: 100%

           The following product has been installed:
               DEC AXPVMS TCPIPJA V5.0-9              Layered Product

                1   インストレーション手順を続けるには,Returnキーを
                    押します。

                2   POLYCENTER Software Installationユーティリティの
                    省略時の設定を選択する場合は,YESを,他のオプショ
                    ンを選択する場合は,NOを選択します。

                3   POLYCENTER Software Installationユーティリティの
                    オプションを調べる場合は,YESを選択します。

                4   リストされたオプションを受け入れる場合は,Return
                    キーを押し,オプションを変更する場合は,NOを選択
                    します。

            8. インストレーションが完了したら,次の作業を行ってくだ
               さい。

               -    『日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS
                    リリース・ノート』に目を通してください(オン
                    ラインで,または印刷して読みます)。ファイルは
                    SYS$HELP:TCPIPJA050.RELEASE_NOTESです。





      2-4  TCP/IP Servicesのインストレーション

 






                  -   インストールされたTCP/IP Servicesファイルのリス
                      トを表示して,確認します。次のコマンドを入力しま
                      す。

                      $ PRODUCT SHOW OBJECT */PRODUCT=TCPIPJA/VERSION=V5.0-9

               9. システムに前のバージョンのTCP/IP Servicesがある場合

                _______________________  重要 _______________________

                前のバージョンのファイルは削除しないでください。
                TCPIP$CONFIGは,これらのファイルの多くを使用して,既
                存のコンフィギュレーションを新しいコンフィギュレーシ
                ョンに変換します(第3章)。

                _____________________________________________________

                  -   TCPIP$CLEANUP_HELPLIB.COMプロシージャを実行し,プ
                      ロンプトに答えていくことで,OpenVMS Helpファイル
                      からTCP/IP Servicesの古い情報を削除します。次のコ
                      マンドを入力します。

                      $ @SYS$UPDATE:TCPIP$CLEANUP_HELPLIB

                  -   システムをリブートして,新しいTCP/IP Servicesソフ
                      トウェアを有効にします。

               10.SYSTEMアカウントからログアウトします。

               11.SYSTEMアカウントに再度ログインし,第3章に進んで,TCP
                  /IP Servicesのコンフィギュレーションを行います。















                                 TCP/IP Servicesのインストレーション 2-5

 








                                                                       3
        ________________________________________________________________

                                 TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション


              日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMSのインストールが
              終了したら,次は,そのシステムに必要な構成要素と特性のコン
              フィギュレーションを行う必要があります。コンフィギュレーシ
              ョン作業は,メニュー方式のTCPIP$CONFIGプロシージャを使用し
              て行います。

              本章では,TCPIP$CONFIGのメニューについて説明し,サンプル・
              スクリプトを見せながら,追加で行うコンフィギュレーションと
              各種設定作業の概要を示します。


        ___________________________________________________________

        3.1   推奨するTCP/IP Servicesのコンフィギュレーション手順

              表 3-1に,TCP/IP Servicesの構成要素と機能のコンフィギュレ
              ーション手順を示します。





















                             TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-1

 






           表 3-1 手順:TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション
           __________________________________________________________
           手
           順__作業_____________________________________参照箇所_____

           1   TCPIP$CONFIGを実行する前の準備作業とし   第1.3節
               てシステム情報を収集する

           2   TCPIP$CONFIGを実行し,プロンプトに答え   第3.2節
               ることで,既存データベースを変換する
               か,または新しいデータベースを作成する

           3   TCPIP$CONFIGを使用して,メインの構成要   第3.2.4項
               素と機能のコンフィギュレーションを行う

           4   必要に応じて,TCPIP$CONFIGを使用して,   第3.2.5項
               オプションの構成要素のコンフィギュレー
               ションを行う

           5   TCP/IP Servicesを起動する                第3.4節

           6   コンフィギュレーションを検証する         第3.5節

           7   システムをリブートし,必要に応じて,追   第3.6節
           ____加のコンフィギュレーションを実行する__________________


     ___________________________________________________________

     3.2    TCPIP$CONFIGの実行

           TCPIP$CONFIGプロシージャでは,表示されたメニューで次の操作
           を行うことができます。

            o  システムで構成要素を使用できるように選択を行う

            o  TCP/IP Servicesソフトウェアを起動または終了する

            o  コンフィギュレーションを検証する

           最初に,次のコマンドを入力します。

           $ @SYS$MANAGER:TCPIP$CONFIG



      3-2  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






        3.2.1  既存のTCP/IP Servicesコンフィギュレーション・ファイルの
               変換(アップグレードの場合のみ)


              前のバージョンのTCP/IP Servicesコンフィギュレーションが存
              在する場合,プロシージャは,Convert the old configuration
              files [Y]のプロンプトに対してNOと答えない限り,既存のコン
              フィギュレーション・ファイルを新しいコンフィギュレーショ
              ン・ファイルに変換します。

              次のサンプル・スクリプトは,TCPIP$CONFIGプロシージャの先頭
              部分と,以前のコンフィギュレーションの変換を確認する部分を
              示しています。

                            TCP/IP Network Configuration Procedure

                      This procedure helps you define the parameters required
                      to run DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS on this system.

                      NOTE:
                      TCP/IP has been previously configured from an earlier version
                      of this product.  You can avoid a complete reconfiguration of
                      TCP/IP by allowing this procedure to automatically convert the
                      old configuration files.  If you choose not to do this now, you
                      will not be asked again.  At the end of the conversion you will
                      be able to further modify your configuration.

              Convert the old configuration files [Y]: <Return>
              Preparing files for conversion...

                   UCX$SERVICE.DAT        --> TCPIP$SERVICE.DAT
                   UCX$HOST.DAT           --> TCPIP$HOST.DAT
                   UCX$NETWORK.DAT        --> TCPIP$NETWORK.DAT
                   UCX$ROUTE.DAT          --> TCPIP$ROUTE.DAT
                   UCX$PROXY.DAT          --> TCPIP$PROXY.DAT
                   UCX$CONFIGURATION.DAT  --> TCPIP$CONFIGURATION.DAT
                   UCX$EXPORT.DAT         --> TCPIP$EXPORT.DAT
                   UCX$PRINTCAP.DAT       --> TCPIP$PRINTCAP.DAT

                      No new database files were created.

              FTP SERVER Configuration

              LPD SERVER Configuration

              Service is not defined in the SYSUAF.
                Nonprivileged user access is not enabled.

                             TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-3

 






           By default, DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS configures
           LPD such that nonprivileged users cannot modify queue entries.

           Creating TCPIP$AUX identifier with a value of 3655

                   DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS supports Line Printer Daemon
                   Protocol (see RFC 1179).

                   LPD requires the following:
                      - Name of the local queue
                      - Name of the remote queue
                      - Name of the remote host
                      - Spooling directory for the local queue

                   To add or delete printers in the TCPIP PRINTCAP database, use the
                   $RUN SYS$SYSTEM:TCPIP$LPRSETUP command.
           .
           .
           .

     3.2.2  新しいTCP/IP Servicesコンフィギュレーション・ファイルの
            作成

           前のバージョンのTCP/IP Servicesコンフィギュレーション・フ
           ァイルが存在しない場合には,プロシージャは,次のスクリプト
           例に示されているように,最初にコンフィギュレーション・ファ
           イルを作成します。

                  TCP/IP Network Configuration Procedure

                  This procedure helps you define the parameters required
                  to run DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS on this system.

                  Checking TCP/IP Services for OpenVMS configuration database files.

                  Creating SYS$COMMON:[SYSEXE]TCPIP$SERVICE.DAT
                  Creating SYS$COMMON:[SYSEXE]TCPIP$HOST.DAT
                  Creating SYS$COMMON:[SYSEXE]TCPIP$NETWORK.DAT
                  Creating SYS$COMMON:[SYSEXE]TCPIP$ROUTE.DAT

           For security purposes, the Proxy Database is created with no
           world access.  This denies nonprivileged users the use of
           commands that access the Proxy Database.

           Creating SYS$COMMON:[SYSEXE]TCPIP$PROXY.DAT

      3-4  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






              * Do you want to grant world read access to nonprivileged users [NO]:

              Creating SYS$COMMON:[SYSEXE]TCPIP$CONFIGURATION.DAT

              DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS requires a definition for at
              least one interface.  There are no interfaces defined on this
              system.

              Please select the Interface option from the Core Environment Menu.

              NFSプロキシー・データベースへのワールド・アクセスを許可し
              たい場合には,プロンプトに対してYESと答えます。許可したく
              ない場合は,Returnキーを押します。

        3.2.3  コンフィギュレーション・メニューについて

              コンフィギュレーション・ファイルの変換または作成が完了する
              と,メインのコンフィギュレーション・メニューが表示されま
              す。

              DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Configuration Menu

              Configuration options:

                      1  -  Core environment
                      2  -  Client components
                      3  -  Server components
                      4  -  Optional components
                      5  -  Shutdown DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS
                      6  -  Startup DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS
                      7  -  Run tests

                      A  -  Configure options 1 - 4
                     [E] -  Exit configuration procedure

              Enter configuration option:

              メニューでは次のオプションを選択できます。

               o  Core Environment (コア環境) - TCP/IPアーキテクチャの
                  ネットワーク,インターネット,およびトランスポート層
                  に関連付けられたソフトウェア

               o  Client Components (クライアント構成要素) -アプリケー
                  ション・ソフトウェアおよび関連する構成要素

                             TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-5

 






            o  Server Components (サーバ構成要素) -サーバ・ソフトウ
               ェアおよび関連する構成要素

            o  Optional Components (オプション構成要素)

            o  Shutdown DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS (シャッ
               トダウン)

            o  Start up DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS (スター
               トアップ)

            o  Run Tests (テストの実行)

           TCP/IP Services製品を始めて使用する場合には,コンフィギュ
           レーション・メニューの使用をお勧めします。TCP/IP Services
           のコンフィギュレーションの経験がある場合は,TCPIP$CONFIGを
           実行するときに1つ以上のコマンド・パラメータを追加すること
           で,メニューをバイパスすることができます。コマンド・パラメ
           ータについては,第3.3節を参照してください。

     3.2.4  コア環境とクライアントおよびサーバ構成要素のコンフィギュ
            レーション

           メインのコンフィギュレーション・メニューでオプションAを入
           力して,オプション1~4のコンフィギュレーションを実行しま
           す。

              _______________________  注意 _______________________

              この節に示したスクリプトは,構成要素のコンフィギュレ
              ーションをグループとしてまとめて行う選択をした場合の
              プロシージャの動作を示しています。構成要素を1つずつ
              指定して,コンフィギュレーションを行うオプションも選
              択できます。

              _____________________________________________________

           コア環境メニューが最初に表示されます。オプションAを入力し
           て,オプション1~5のコンフィギュレーションを実行します。
           Domain,Routing,およびInterfacesのオプションは必須のオプ
           ションです。BIND ResolverとTime Zoneは任意のオプションで
           す。




      3-6  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






              DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Core Environment Configuration Menu

              Configuration options:

                      1  - BIND Resolver
                      2  - Domain
                      3  - Routing
                      4  - Interfaces
                      5  - Time Zone

                      A  - Configure options 1 - 5
                     [E] - Exit menu

              Enter configuration option: A <Return>

              次のスクリプトは,TCP/IP Services製品を新規にインストール
              した場合のものです。既存のコンフィギュレーションが存在する
              場合には,多少異なるスクリプトになります。

              準備したコンフィギュレーション・プラニング・ワークシート
              (第1.3節)の情報を使用して,メニューの質問に対する応答を入
              力してください。

              BIND RESOLVER Configuration

              A BIND resolver has not been configured.

                DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS supports the Berkeley Internet Name
                Domain (BIND) resolver.  BIND is a network service that enables clients to
                name resources or objects and share information with other objects
                on the network.

                Before configuring your system as a BIND resolver, you should
                first be sure that there is at least one system on the network
                configured as either a BIND primary or secondary server for
                this domain.

                You can specify a BIND server by its address or name;
                however, if specified by name, an entry for it must
                exist in the TCPIP$HOST database.

                You will be asked one question for each server.
                Press Return at the prompt to terminate the list.

              Enter your BIND server name:  MAINSV <Return>

                   MAINSV is not in the local host database.

                             TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-7

 






           Enter Internet address for MAINSV:  19.112.139.14 <Return>

                You must provide the domain name in order to run
                the BIND resolver.  This information should be available
                from your Internet network administrator.

           DOMAIN Configuration

           Enter Internet domain: widgets.com <Return>

           INTERFACE Configuration

                   The Ethernet device(s) on your system are: ESA0:  * Not Configured. *

                   Start of configuration questions for Internet interface SE0.
                   SE0 is the Ethernet device ESA0:
                   SE0 has not been configured.

           * Do you want to configure SE0 [YES]: <Return>

           Enter unqualified host name:  WIDGTS

                   Host WIDGTS exists in the database.

           Enter Internet address [19.112.139.15]:  <Return>
           Enter Internet network mask for widgts [225.255.0.0]:  <Return>
           Enter broadcast mask for widgts [19.225.225.225]: <Return>

                   The following parameters will be used to define the
                   Internet Interface SE0:

                       Host name:         widgets.com
                       Internet address:  19.112.139.15
                       Network mask:      255.255.0.0
                       Broadcast mask:    19.225.225.225

           * Is the above correct [YES]:  <Return>

                   End of configuration questions for Internet interface SE0.

           DYNAMIC ROUTING Configuration

                   You can configure dynamic ROUTED or GATED routing.  However,
                   you cannot enable both at the same time.  If you want
                   to change from one to the other, you must disable the
                   current routing first, then enable the desired routing.

      3-8  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






                      If you enable dynamic ROUTED routing, this host will use the
                      Routing Information Protocol (RIP) - Version 1 to listen
                      for all dynamic routing information coming from other
                      hosts to update its internal routing tables.
                      It will also supply its own Internet addresses to
                      routing requests made from remote hosts.

                      If you enable dynamic GATED routing, you will be able to
                      configure this host to use any combination of the following
                      routing protocols to exchange dynamic routing information
                      with other hosts on the network:
                          Routing Information Protocol (RIP) - Version 1 & 2
                          Router Discovery Protocol (RDISC)
                          Open Shortest Path First (OSPF)
                          Exterior Gateway Protocol (EGP)
                          Border Gateway Protocol (BGP-4)
                          Static routes

              * Do you want to configure dynamic ROUTED or GATED routing [NO]: YES <Return>

              * Do you want to enable GATED routing configuration [NO]: <Return>

                      ROUTED option

                      If you enable the 'supply' option of dynamic routing,
                      this host will supply dynamic routing information to
                      other hosts on the network whether it is acting as an
                      internetwork gateway or not.

              * Do you want this host to supply its dynamic routing information [NO]: <Return>

              TIME ZONE Configuration

                      TCPIP uses time zone information provided by the OpenVMS Operating
                      System. No additional time zone configuration is needed for TCPIP
                      when the operating system is configured correctly.

                      This section verifies the current OpenVMS time zone configuration.
                      A warning message (TCPIP-W-) indicates that corrective action should
                      be taken. TCPIP will appear to operate but components may display
                      either the wrong time or a time inconsistent with other applications.

              %TCPIP-I-INFO, Logical name SYS$TIMEZONE_RULE found.
              -TCPIP-I-INFO, Software for automatic Summer/Winter time (TDF) change
              -TCPIP-I-INFO, is present.
              -TCPIP-I-INFO, Further action to ensure TDF change is not necessary.

                             TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-9

 






           %TCPIP-I-NORMAL, time zone information verified

           Press Return to continue ...

           オプション1~5のコンフィギュレーションを終了すると,コア環
           境メニューに戻るので,オプションEを入力して,このオプショ
           ンを終了します。続いて,クライアント構成要素メニューが表示
           されます。

           次のスクリプトに示されたメニューでは,各構成要素が
           Disabled(使用不能-省略時設定)になっていることに注意し
           てください。実際には,コア環境メニューでこれまでに行ったコ
           ンフィギュレーションや選択によっては,Enabled(使用可能)と
           表示される構成要素もあります。


           DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Client Components Configuration Menu

           Configuration options:

                   1  - FTP              Disabled
                   2  - LPR/LPD          Disabled
                   3  - NFS Client       Disabled
                   4  - REXEC and RSH    Disabled
                   5  - RLOGIN           Disabled
                   6  - SMTP             Disabled
                   7  - TELNET           Disabled

                   A  - Configure options 1 - 7
                  [E] - Exit menu

           Enter configuration option: A <Return>

           使用するクライアント構成要素を使用可能にするか,またはオプ
           ションAを選択して,オプション1~7のコンフィギュレーション
           を実行します。次のFTPクライアント・スクリプトは,クライア
           ント構成要素の1つを表示した例です。

           FTP CLIENT Configuration

           Service is not enabled.

                    FTP CLIENT configuration options:

                            1 - Enable service on this node

      3-10  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






                              [E] - Exit FTP_CLIENT configuration

              Enter configuration option: 1 <Return>

              The FTP SERVER is enabled.

              * Do you want to configure the FTP SERVER [NO] ? <Return>

              クライアント構成要素と関連するサーバ構成要素(必要な場合)の
              コンフィギュレーションを終了すると,サーバ構成要素メニュー
              が表示されます。

              DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Server Components Configuration Menu

              Configuration options:

                       1  -  BIND              Disabled
                       2  -  BOOTP             Disabled
                       3  -  TFTP              Disabled
                       4  -  FTP               Disabled
                       5  -  LPR/LPD           Disabled
                       6  -  NFS               Disabled
                       7  -  PC-NFS            Disabled
                       8  -  PORTMAPPER        Disabled
                       9  -  TELNET/RLOGIN     Disabled
                      10  -  SNMP              Disabled
                      11  -  NTP               Disabled
                      12  -  METRIC            Disabled
                      13  -  POP               Disabled
                      14  -  FINGER            Disabled
                      15  -  RMT               Disabled
                      16  -  LBROKER           Disabled
                      17  -  DHCP              Disabled
                       A  -  Configure options 1 - 17
                      [E] -  Exit menu

                      Enter configuration option: A <Return>

              使用するサーバ構成要素を使用可能にするか,またはオプション
              Aを選択して,オプション1~17のコンフィギュレーションを実行
              します。





                            TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-11

 






           次のBINDサーバ・コンフィギュレーション・スクリプトは,サー
           バ構成要素の1つを表示した例です。別の構成要素の場合,これ
           以外の情報を要求されることがあります。


           BIND SERVER Configuration

           Service is not defined in the SYSUAF.
           Service is not defined in the TCPIP$SERVICE database.
           Service is not enabled.

                   BIND SERVER configuration options:

                           1 - Enable service on this node

                          [E] - Exit BIND configuration

           Enter configuration option: 1 <Return>

           The TCPIP$AUX identifier already exists with value 3655.

             Checking for BIND template files in SYS$SPECIFIC:[TCPIP$BIND]
             Creating template SYS$SPECIFIC:[TCPIP$BIND]TCPIP$BIND_CONF.TEMPLATE
             Creating file SYS$SPECIFIC:[TCPIP$BIND]127_0_0.DB
             Creating file SYS$SPECIFIC:[TCPIP$BIND]ROOT.HINT

           サーバ構成要素のコンフィギュレーションが終了したら,Return
           キーを押してメイン・コンフィギュレーション・メニューに戻り
           ます。オプション4の「Optional Components」を選択します。

     3.2.5  オプションの構成要素のコンフィギュレーション

           次のことを行うためには,オプションの構成要素のコンフィギュ
           レーションが必要になる場合があります。

            o  PATHWORKSまたはDECnet over TCP/IPを実行する

            o  Stanford Research Institute (SRI)が提供するQIOアプリ
               ケーション・プログラミング・インタフェース(API)を使用
               するアプリケーションを実行または開発する

            o  Anonymous FTPアクセスを許可する




      3-12  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






              メイン・コンフィギュレーション・メニューからオプション4を
              選択すると,オプション構成要素メニューが表示され,次のメニ
              ュー・オプションを選択できます。


              DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Optional Components Configuration Menu

              Configuration options:

                      1 - Configure PWIP Driver (for DECnet-Plus and PATHWORKS)
                      2 - Configure SRI QIO Interface (INET Driver)
                      3 - Set up Anonymous FTP Account and Directories

                      A - Configure options 1 - 3
                     [E] - Exit menu

              PWIPドライバ,SRI QIOインタフェース,Anonymous FTPアカウン
              ト,またはディレクトリの中からシステムに適切なオプションを
              選択します。

               o  PATHWORKSまたはDECnet over TCP/IPを実行する場合は,オ
                  プション1を選択して,PWIPドライバのコンフィギュレーシ
                  ョンを行います。

               o  SRI QIO APIを使用するアプリケーションを実行または開発
                  する場合は,オプション2を選択します。別の方法として,
                  次のコマンドを入力してインタフェースをロードすること
                  もできます。

                  $ @SYS$MANAGER:TCPIP$LOAD_INETDRIVER

               o  Anonymous FTPアクセスを許可する場合は,オプション3を
                  選択して,Anonymous FTPアカウントとディレクトリを設定
                  します。必要なユーザ識別コード(UIC; 第1.2.8項を参照)
                  を取得して,ゲスト・ユーザのアクセス権の判定を必ず行
                  ってください。

        ___________________________________________________________

        3.3   TCPIP$CONFIGオプション・コマンドの使用

              TCP/IP Services製品に精通しているユーザであれば,次の手順
              を実行することで,コンフィギュレーション・メニューをバイパ
              スして,直接機能を使用可能または使用不能に設定することがで
              きます。

                            TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-13

 






            1. SYSTEMアカウントにログインします。

            2. コマンド・プロシージャを実行し,コマンド行に適切なオ
               プションとキーワードを入力します。

               $ @SYS$MANAGER:TCPIP$CONFIG [option] {DISABLE | ENABLE} [CLUSTER]

               使用できるオプションとキーワードは次のとおりです。

               ALL           コア環境とすべてのクライアントおよびサ
                             ーバ構成要素のコンフィギュレーションを
                             行う。

               CLUSTER       クラスタ全体を対象に,指定したすべての
                             構成要素のコンフィギュレーションを行う
                             (クラスタ単位のコンフィギュレーションが
                             できないBINDサーバとSMTPを除く)。
     )

               CLIENT        すべてのクライアント構成要素と関連する
                             ソフトウェアのコンフィギュレーションを
                             行う。

               ENABLE        指定した構成要素を使用可能にする。

               DISABLE       指定した構成要素を使用不能にする。

               MINIMUM       ドメイン,Internetインタフェース,リモ
                             ート・ログイン,FTPクライアント,FTPサ
                             ーバ,TELNETクライアント,およびTELNET
                             サーバのコンフィギュレーションを行う。

               SERVER        すべてのサーバ構成要素と関連するソフト
                             ウェアのコンフィギュレーションを行う。

               WORKSTATION   BINDリゾルバ,ドメイン,動的経路選択,
                             Internetインタフェース,標準時間帯,
                             リモート・ログイン,リモート・シェル,
                             リモート実行,FTPクライアント,FTPサー
                             バ,TELNETクライアント,TELNETサーバ,
                             およびSMTPのコンフィギュレーションを行
                             う。




      3-14  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






                  たとえば,次のコマンドはクラスタ全体のクライアント構
                  成要素を使用可能にします。

                  $ @SYS$MANAGER:TCPIP$CONFIG CLIENT ENABLE CLUSTER

                _______________________  注意 _______________________

                このプロシージャは,クラスタ単位とシングル・ノード単
                位の2つのレベルで使用可能と使用不能の設定ができるよ
                うに実装されています(ノード単位のコンフィギュレーシ
                ョンのみ可能なBINDサーバとSMTPは例外です)。

                _____________________________________________________

        ___________________________________________________________

        3.4   TCP/IP Servicesの起動

              標準ソフトウェアとオプション構成要素のコンフィギュレーショ
              ンが終わったら,TCP/IP Servicesを起動する必要があります。
              コンフィギュレーションの検証や環境のカスタマイズを行うのは
              その後です。

              TCP/IP Servicesを起動するには,次の手順に従います。

               1. メイン・コンフィギュレーション・メニューを開きます。

                  $ @SYS$MANAGER:TCPIP$CONFIG

               2. オプション6(Startup DIGITAL TCP/IP Services for
                  OpenVMS)を選択します。

        ___________________________________________________________

        3.5   コンフィギュレーションの検証

              インストレーション検証プロシージャ(IVP)を実行することで,
              コンフィギュレーションを検証することができます。

              次のいずれかに該当する場合は,IVPを実行してください。

               o  製品登録キー(PAK)を組み込んだ環境で,下層ソフトウェア
                  とポートマップ・サービスが正しくインストールされてい
                  ることを確認したい場合


                            TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-15

 






            o  PAKは組み込んでいないが,TCP/IP Servicesのインストー
               ルが正常に行われ,TCP/IP Servicesアプリケーションが
               DECwindowsに表示されるか確認したい場合

            o  送信側と受信側で,サイズが絶えず変化するデバイス・ソ
               ケット・パケットを転送するソフトウェアを必要とする場
               合

            o  1組のクライアント/サーバ・プログラムでポートマップ・
               サービスをテストする必要がある場合。IVPは,テストの実
               行に要した時間をSYS$OUTPUTに報告します。

           IVPを実行する前に,TCP/IP Servicesソフトウェアが起動さ
           れていることを確認してください。IVPを実行するユーザは,
           SYSPRV,OPER,NETMBX,およびTMPMBX特権を持っていなければな
           りません。

           以下の手順に従ってIVPを実行します。

            1. 次のコマンド・プロシージャを実行します。

               $ @SYS$MANAGER:TCPIP$CONFIG

            2. オプション7 (Run tests)を選択し,テスト・メニューから
               オプション1 (Internet IVP)を選択します。IVPが正常に終
               了しなかった場合は,プロシージャがエラー・メッセージ
               を表示します。IVPエラーは,OpenVMSシステム・メッセー
               ジと同じ書式を使用します。次にIVPエラーの出力例を示し
               ます。

               %TCPIP-E-IDENT, explanation of error.

               表 3-2に,IVPエラー・メッセージの原因となる一般的な問
               題を示します。推奨される処置を行っても問題が解決しな
               い場合には,Compaqの最寄りの支店/営業所にお問い合わせ
               ください。










      3-16  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






              表 3-2 IVPエラーのトラブルシューティング
              __________________________________________________________
              問題____________________処置______________________________

              ネットワーク・コンフィ  TCP/IP Servicesをシャットダウン
              ギュレーションに問題が  し,コンフィギュレーション・プロシ
              ある。                  ージャを再度実行します。

              起動に失敗した。        MODPARAMS.DATファイル中のシステ
                                      ム・パラメータをチェックし,必要に
                                      応じて値を調整します(第1.2.7項を参
                                      照)。

                                      TCP/IP Servicesをシャットダウ
                                      ンして再起動します。

              インストレーション・キ  キットの交換をお申し出ください。
              ットに欠陥がある。

              PAKがないためにIVPが失  日本語DIGITAL TCP/IP Services for
              敗した。________________OpenVMS_PAKを登録してください。___

               3. コンフィギュレーション・プロシージャを終了した後にIVP
                  を実行するには,次のIVPコマンド・プロシージャを実行し
                  ます。

                  $ @SYS$TEST:TCPIP$IVP

        ___________________________________________________________

        3.6   追加のコンフィギュレーション作業

              TCPIP$CONFIGを実行して,ネットワークに必要な機能と構成要素
              を使用可能にした後は,製品アプリケーションへのアクセスを可
              能にするため,追加のコンフィギュレーション作業を終了させる
              必要があります。TCP/IP Servicesには,環境に合わせてソフト
              ウェアを変更したり,カスタマイズできる管理コマンド・インタ
              フェースと論理名が用意されています。

              追加のコンフィギュレーション作業には次のようなものがありま
              す。

               o  データベースのポピュレート(たとえば,BINDやDHCP用に)



                            TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-17

 






            o  ユーザ・アカウントの設定

            o  通信およびNFSプロキシーの設定

            o  プリント・キューの定義

            o  ファイル・システムの設定,エクスポート,および保守

            o  最適なパフォーマンスを得るためのシステムのチューニン
               グ

           上記のコンフィギュレーション作業の詳細は,『DIGITAL TCP/IP
           Services for OpenVMS Management』を参照してください。この
           ガイドには,上記以外のコンフィギュレーション作業についても
           説明があります。

     ___________________________________________________________

     3.7    TCP/IP Servicesの自動起動とシャットダウン

           TCP/IP Servicesソフトウェアをシステムの起動時に自動的に起
           動させるには,SYS$COMMON[SYSMGR]:SYSTARTUP_VMS.COMファイル
           を編集して,次のコマンドを追加します。

           @SYS$STARTUP:TCPIP$STARTUP

           システムのシャットダウン時にTCP/IP Servicesを自動的にシャ
           ットダウンするには,SYS$COMMON[SYSMGR]:SYSHUTDWN.COMファイ
           ルに次のコマンドを追加します。

           @SYS$STARTUP:TCPIP$SHUTDOWN

           UCX$STARTUP.COMとUCX$SHUTDOWN.COMファイルは使用し
           ないため,これらのファイルに関係する定義はすべて,
           SYS$COMMON[SYSMGR]:SYSTARTUP_VMS.COMから削除してくださ
           い。

           TCP/IP Servicesが,OpenVMSアカウントへのログインと同時に起
           動するためには,OpenVMSのシステムワイドなログイン・プロシ
           ージャ(通常SYS$MANAGER:SYLOGIN.COM)の読み取りと実行保護に
           Worldが設定されていなければなりません(W:RE)。





      3-18  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 






              現在の保護を表示するには,次のコマンドを入力します。

              $ DIRECTORY SYS$MANAGER:SYLOGIN.COM /PROTECTION

              保護がW:REに設定されていない場合には,次のコマンドを入力し
              ます。

              $ SET PROTECTION=(W:RE) SYS$MANAGER:SYLOGIN.COM


        ___________________________________________________________

        3.8   TCP/IP ServicesをDECwindowsアプリケーションのトランスポー
              トに指定

              TCP/IP ServicesをDECwinsowsアプリケーションのトランス
              ポート・インタフェースとして使用可能にするには,次の行
              をSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COMコマンド・プロ
              シージャに追加します。

              $ DECW$SERVER_TRANSPORTS == "DECNET,LOCAL,TCPIP"

              続いて,次のコマンドを入力してDECwindowsを再起動します。

              $ @SYS$STARTUP:DECW$STARTUP RESTART

              システムで,DECnetまたはDECnet-Plusソフトウェアを使用して
              いる場合には,これも起動します。

              DECwindowsクライアント(リモート・ホスト)で実行されている
              DECwindowsアプリケーションをDECwindowsサーバ(あなたが使用
              しているワークステーション)に表示するには,次の手順に従い
              ます。

               1. リモート・ホストのセキュリティを設定します。

               2. ローカル・ホスト・データベースにリモート・クライアン
                  トを追加します。

               3. 次の行をSYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COMに追
                  加します。

                  $ DECW$SERVER_TRANSPORTS == "DECNET,LOCAL,TCPIP"



                            TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 3-19

 






            4. アプリケーションの表示をリモート・ホストに設定しま
               す。

               $ SET DISPLAY/CREATE/NODE=remote_host/TRANSPORT=TCPIP










































      3-20  TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション

 




































             日本語DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS
             インストレーション/コンフィギュレーション・ガイド

        ________________________________________________________________

                 1999年4月 発行

                   コンパックコンピュータ株式会社

                   〒140-8641 東京都品川区東品川2-2-24天王洲セントラルタワ
                 ー

                        電話 (03)5463-6600 (大代表)

        ________________________________________________________________

                                                             AA-QUL7D-TE