Software Product Description ________________________________________________________________ 日本語VAX Message Router X.400 Gateway Version 2.2 SPD 26.H2.01 ソフトウェア仕様書 仕様書の包含する範囲 この文書は,日本語VAX Message Router X.400 Gatewayのソフトウェア 機能仕様について述べたものです。 日本語VAX Message Router X.400 Gatewayの概要 日本語VAX Message Router X.400 Gateway (以降,日本語MRXとする) は,当社のMessage Routerに基づく電子メール・サービスMAILbusと国 際電信電話諮問委員会CCITT X.400 1984年勧告に準拠するメッセージ転 送システム間の相互接続をするVMSのレイヤード・ソフトウェアです。 日本語MRXとMessage Routerを合わせて,CCITT X.400 1984年勧告に準 拠するメッセージ転送エージェント(MTA)が形成され,私設管理領域(私 設メッセージ・ネットワーク),または,主官庁管理領域(公衆メッセー ジ・ネットワーク)として機能します。 日本語MRXを使用すればMAILbusに接続するシステムのユーザ,たとえ ばALL-IN-1 MAILやALL-IN-1 IOSのようなユーザ・エージェントのユー ザは,他のX.400メッセージ転送システムのユーザと通信することがで きます。また,MAILbusに他のゲートウェイを介して接続しているシス テムのユーザも日本語MRXを使用することができ,日本語MRXを介して他 のX.400メッセージ転送システムと通信することができます。日本語MRX は他社製X.400ゲートウェイ,X.400私設管理領域,または,X.400主官 庁管理領域に接続することができます。DEC/EDI(電子データ交換)のよ うなアプリケーション・ソフトウェアも,日本語MRXを使用して公衆と 私設ネットワークへ接続することができます。 DIGITAL 1992年2月 AE-PLX0A-TE 日本語VAX Message Router X.400 Gateway Version 2.2 SPD 26.H2.01 ソフトウェア仕様書 日本語MRXは以下の実装規約(プロファイル)に定義されるCCITT X.400 1984年勧告に準拠するシステムと相互接続します。 o CEPT(欧州郵便通信管理会議) 主官庁管理領域のためのA/311プロファイルです。 o CEN/CENELEC(欧州標準化委員会/欧州電気標準化委員会) 私設管理領域のためのA/3211プロファイルです。 o NIST(米国商務省国家標準技術局,旧NBS) X.400プロファイルです。 o INTAP((財)情報処理相互運用技術協会) 日本語機能のためのJIS X5003-1987参考S005(V2.0) AP.2113プロフ ァイルです。 これらのプロファイルは統一されているわけではないので,相違点があ る場合には,NISTプロファイルに従います。なお,メッセージ転送に関 わるシステムの一部がX.400勧告に準拠していない時には,メッセージ 発信者と受信者間でのサービスに制約を受ける場合があります。 日本語MRXは,MAILbusのNIST/NBSプロトコル・サービス要素とX.400勧 告で規定されるプロトコル・サービス要素間で変換を行います。また 日本語MRXはメッセージ内容の変換を行います。MAILbusからX.400ネ ットワークにメッセージを送信する時は,当社のWPS-PLUS,DECdx, ASCII,DDIF(DEC文書交換形式)のテキスト文書形式をIA5(国際アルファ ベットNo.5)またはテレテックス形式に変換し,X.400ネットワークから MAILbusにメッセージを受信する時には,IA5またはテレテックス文書は ASCII文書に変換します。日本語文書に対してはMAILbusのDEC漢字コー ドとX.400ネットワークのJIS漢字コードの間の変換を行います。 VMSのODA <=> CDAゲートウェイ(SPD 32.10.xx)は,国際標準化機構ISO の文書交換形式(ODA)文書と当社の複合文書体系(CDA)のDDIF文書間の文 書変換を行います。日本語MRXはこのゲートウェイを追加使用すること で,DDIF文書はNISTの"開放型システム間相互接続プロトコルのための 実装規約書,バージョン3,1989年"で定義されている,ODAボディ部(タ グ12)として,X.400ネットワークに送信します。逆に,X.400ネットワ ークのODA文書はDDIF文書に変換されてMAILbusに受信されます。 2 日本語VAX Message Router X.400 Gateway Version 2.2 SPD 26.H2.01 ソフトウェア仕様書 また,日本語MRXはCCITT X.400 1988年勧告とNISTの"開放型システム間 相互接続プロトコルのための実装規約書,バージョン3,1989年"で記述 されているバイナリ・データ・ボディ部(タグ14)を用いた,バイナリ・ ファイルの送受信をサポートします。 DECのMAILbusからX.400へのメッセージ内容と形式の変換は以下の表に まとめられます。 表1 ________________________________________________________________ DECメッセージ形 式__________________省略時の変換________指定時の変換____________ ASCII,WPS-PLUS, 国際アルファベッ テレテックス トNo.5(IA5) DECdxとDDIF 文書 DDIF文書,図形と 米国ボディ部(タ ODAボディ部(タグ12) イメージ グ310) バイナリ・ファイ 米国ボディ部(タ バイナリ・データ・ ル グ310) ボディ部(タグ14) DECボディ部7____________________________________________________ X.400からDECのMAILbusへのメッセージ内容と形式の変換は以下の表に まとめられます。 表2 3 日本語VAX Message Router X.400 Gateway Version 2.2 SPD 26.H2.01 ソフトウェア仕様書 ________________________________________________________________ X.400メッセージ形式_____省略時の変換_______指定時の変換_________ 国際アルファベット ASCII No.5(IA5) テレテックス ASCII ODAボディ部(タグ12) 配信不能通知が DDIF 送信者に返され る バイナリ・データ・ボ DECボディ部7 ディ部(タグ14) 米国ボディ部(タグ DECボディ部7 310)____________________________________________________________ 日本語MRXは米国GOSIP(政府調達仕様)バージョン1.0および英国GOSIPバ ージョン3.1に準拠するように設計されています。 ディレクトリ・サービス(DDS)はMessage Routerの1つの機能であり, メッセージが X.400ネットワークと交換される時X.400の発信者/受信 者名(O/R名)とMAILbus アドレスとのアドレス変換のために使用されま す。また,X.400ネットワークにメッセージを送信する発信者の権限を 調べるために使用されます。 日本語MRXは以下との通信で,X.25広域ネットワーク接続またはIEEE 802.3/ISO 8802-3/Ethernetローカル・エリア・ネットワークを使用す ることができます。 o 同じネットワーク内の他の日本語MRX(バック・ツー・バック) o 同じネットワーク内の他社のX.400メッセージ転送エージェント (MTA) o 私設管理領域(私設管理領域または主官庁管理領域から) o 主管庁管理領域(私設管理領域または主管庁管理領域から) 4 日本語VAX Message Router X.400 Gateway Version 2.2 SPD 26.H2.01 ソフトウェア仕様書 MAILbusとの接続には日本語MRXのソフトウェア・ライセンスと提供媒体 に含まれているVAX Message Routerソフトウェアが必要です。 インストレーション 日本語MRXは異機種間の電子メールシステムを構成しますが,他社のメ ールシステムとの調整,OSIネットワークのパラメータの変更,ディレ クトリ・サービスの登録者エントリの作成や変更,といった重要な作業 は本製品のインストレーションに先だって行わなければなりません。当 社ではこれらの作業を代行する数々のサービスを提供しております。詳 しくは日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 本製品を初めて購入される場合には,当社のインストレーション・サー ビスが提供されます。本製品を引き続き購入される場合には,経験の十 分ある方のみがインストレーションを行ってください。その他のお客様 は当社のインストレーション・サービスの利用をお勧めします。このサ ービスでは,経験豊富な当社のソフトウェア・スペシャリストがソフト ウェア製品のインストレーションを行います。 必要なハードウェア 「システム・サポート付加情報(SSA 26.H2.01-x)」に指定されている VAX,MicroVAX,VAXserver,またはVAXstation構成が必要です。 必要なソフトウェア o 日本語VMS オペレーティング・システム o DECnet-VAX o DECnet-VAX Extensions o VAX Message Router(日本語MRXのソフトウェア・ライセンスと提供 媒体に含まれる) * 必要なソフトウェアのバージョンとそのソフトウェアを使用できる かどうかについては「システム・サポート付加情報(SSA 26.H2.01- x)」を参照してください。 5 日本語VAX Message Router X.400 Gateway Version 2.2 SPD 26.H2.01 ソフトウェア仕様書 注文情報 最寄りの日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは日本DEC標準契約条項中のライセンス規定に基づいて 提供されます。 日本DECのライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本 DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 ライセンス管理機能 本ソフトウェアはVMSライセンス管理機能(LMF)をサポートします。ライ センス単位はCPUの性能に応じて割り当てられます。 ライセンス管理機能についての詳細は「VMS Operating System Software Product Description(SPD 25.01.xx)」またはVMS Operating Systemのドキュメント・セットの中の「License Management Utility Manual」を参照してください。 ソフトウェア製品サービス 日本DECでは様々なサービス・オプションを提供しています。詳細につ いては,最寄りの日本DEC各支店/営業所にお問い合わせください。 保証 本ソフトウェアについては,日本DEC所定のソフトウェア保証基準に定 められた保証が提供されます。 ___________________ [TM] DIGITALロゴ,ALL-IN-1,CDA,CI,DEC,DECdx,DECnet,MicroVAX,RA, RL,ULTRIX,VAX,VAXcluster,VAXft,VAXserver,VAXstation,VMS, およびWPS-PLUSは米国Digital Equipment Corporationの商標です。 6