Software Product Description _____________________________________________________________________ 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 仕様書の包含する範囲 この文書は,日本語DECnet/SNA VAX CDD/Plusソフト CDD DTFのソフトウェア機能仕様を説明 ウェア_______________________ したものです。 本文では,製品の名称について以 1 日本語DECnet/SNA DTFの概要 下の略称を使用します。 日本語DECnet/SNA DTFは,SNA _____________________________ (システム・ネットワーク・ 製品名______________略称_____ アーキテクチャ)環境におけ DTF for IBM DTF for IBM るIBM MVSおよびVMシステム ソフトウェア (DTF for MVS と,DECnetネットワーク内の とDTF for VMの DECnetノードとの間のデータ転送 総称) 機能を提供するソフトウェア製品 です。DTFは,次のDECnetノードを サポートします。 DTF for MVS DTF for MVS o DECnet-VAXノードのVMSシステム ソフトウェア o DECnet-ULTRIXノードの ULTRIXシステム DTF for VM DTF for VM o PATHWORKS for DOSノード ソフトウェア のMS-DOSシステム VMS/DTFソフトウェ VMS/DTF DEC環境とIBM環境間のアクセス ア は,以下のいずれかを介して行わ れます。 日本語DECnet/SNA DTF o DECnet/SNA Gateway DTFソフトウェア o VMS/SNA 日本語DECnet/SNA 日本語 《主な機能》 DTFサーバ・ソフト DECnet 次にDTFの主な機能を簡単に説明し ウェア /SNA DTF ます。詳しい説明は,第4節を参照 サーバ してください。これらの機能は, 日本語DECnet/SNA 日本語 特に注意のない限り,MVSとVMの両 DTFユーティリテ DECnet 方に提供されています。 ィ・ソフトウェア /SNA DTF ユーティ リティ DIGITAL 1992年2月 AE-PNH0A-TE 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 1.1 クライアント/サーバ形式のオ 動的に変換することができます。 ペレーション DEC-IBM間の文字コード体系の違い DTFのオペレーションはクライアン を考慮した,様々な変換情報が設 ト/サーバ形式になっています。 定できます。また,外字管理ファ 日本語VMS/DTFサーバは,IBM MVS イルにより,ユーザ定義文字の対 およびIBM VMのクライアントと, 応付けも可能です。さらに,CDD DECnet VMS,ULTRIX, MS-DOSの (共通データ辞書)を用いてフィ クライアントとの間で,ファイ ールド単位の変換を行うことも可 ル・オペレーションをサポート 能です。イメージ・ファイル等の します。DECnetクライアント上で 転送のために,変換を行わないよ は,DECnetソフトウェア以外の追 うにも設定できます。 加ソフトウェアは必要ありません (VMSリカバブル・コピー操作を使 1.5 負荷分散と性能を考慮したデ 用する場合を除く)。詳しい説明 ータ転送 は,第3節を参照してください。 DTFでは,DMCS-EBCDIC間のデータ 変換を行うシステム(IBMシステム 1.2 使い慣れたユーザ・インター または日本語VMS/DTFサーバ・ノー フェイス ドのどちらか)をユーザが指定でき DTFでは,DECユーザ るため,両システム間での負荷分 (VMS,MS-DOS,ULTRIX)とIBM 散と性能を考慮した調整が可能で ユーザのそれぞれが使い慣れたユ す。多くの場合,IBMシステム側で ーザ・インターフェイスを提供し 変換を行った方が,日本語VMS/DTF ています。したがって,ユーザが サーバのよりよい性能が得られま 新たなコマンドを覚える必要はな す。ただし,日本語変換は日本語 く,アプリケーションの開発がスム VMS/DTFサーバ・ノードでしか行え ーズに行えます。 ません。 1.3 サポートする全クライアント 1.6 チェックポイント・リカバリ からの包括的,双方向アクセス 機能 DTFのサポートするすべてのDECnet DTFでは,VMSユーザとIBMユーザの ノードと,IBM MVS,IBM VMシステ 双方に,システム事象またはネッ ム間の双方向のファイル転送を実 トワーク障害におけるチェックポ 現します。 イント・リカバリ機能が提供され ています。この機能は,中断され 1.4 データ変換機能 てしまったリカバブル・コピー操 作を,ネットワークが回復した時 DTFは,データ変換のために3つの にDTFが再開するというものです。 オプションを提供しています。 この機能によって,大容量のファ o レコード単位の変換 イルを転送する場合には,転送時 o フィールド単位の変換 間とシステム資源をかなり節約で きます。 o 無変換 レコード単位の変換では,ASCII のスーパーセットであるDMCS (DIGITALマルチナショナル文字 セット)とEBCDIC間のテキスト変 換を行います。また,使用するサ ーバ・アカウントに変換情報を設 定することで,日本語データを自 2 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 1.7 ファイルのバックアップ 1.8 遠隔ジョブ・サブミッション DTFを使用すれば,VMSまたは DTFを使用すると,すべてのDECnet ULTRIXのシステムを使用しなが クライアント(VMS,MS-DOS, ら,IBMのディスクやテープに対し ULTRIX)から遠隔的にジョブをサ てバックアップ操作やリストア操 ブミットできます。 作を行うことができます。DECと IBM両方のシステムが混在する大規 1.9 転送後実行 模なネットワーク・システムにお DTFを使用すると,VMSおよびIBM いては特に,この機能によってシ システム間でファイル転送が終了 ステム資源の有効利用がはかれま した後に実行される,転送後実行 す。 ファイルを指定することができま す。この機能によって,VMSおよび IBMシステムの間で,DTFによるフ ァイル転送の正常終了後に,バッ チ・ジョブを実行することが可能 です。したがって,この機能を利 用することで,より簡単に,分散 処理機能を実現し,IBMアプリケー ションとVAX DECnetベースのアプ リケーション間の同期を取ること ができます。 1.10 レコード単位のアクセス DTFは,VMSシステムからIBM MVS またはIBM VMシステムへのレコー ド単位のアクセスをサポートしま す。 1.11 サポートされるファイル形式 DTFは複数のファイル形式(RMS, VSAM,BSAM,CMS)をサポートして いるので,アプリケーション開発 が簡単です。 1.12 階層記憶管理(HSM)のサポ ート DTFは,IBMの階層記憶管理機能を サポートしています。これは,DTF for MVSに限定された機能です。 3 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 1.13 IBMエンタープライズ・アー 2 コンポーネント キテクチャと記憶管理サブシステ DTFは,次の4つのソフトウェアか ム(SMS)のサポート ら構成されています。 DTF for MVSは,IBMエンタープラ o 日本語VMS/DTFサーバ イズ・アーキテクチャ(MVS/ESA) に準拠して稼働し,記憶管理サブ o 日本語VMS/DTFユーティリテ システム管理によるデータ・セッ ィ トをサポートします(第4.13項を o DTF for MVS 参照してください)。これは,DTF o DTF for VM for MVSに限定された機能です。 1.14 データ機密保護 2.1 日本語VMS/DTFサーバ DTFのすぐれた機密保護機能は,ア 日本語VMS/DTFサーバは,DECnet クセスを制御し,価値あるデータ /SNA Gatewayを含むDECnetネット を保護します。DTFでは,IBMマシ ワーク内のすべてのVMSシステム, ン上で実行される,次のような業 または,VMS/SNAの実行されている 界標準機密保護インターフェイス VMSシステムにインストールできま をサポートしています。  す。日本語VMS/DTFサーバの実行さ れているノードをサーバ・ノード o RACF と呼びます。DTFのすべてのファ o CA-ACF2 イル転送要求は,このサーバ・ノ o SAF ードを通して実行に移されます。 サーバ・ノードは,DECnet/SNA o VMSECURE GatewayまたはVMS/SNAを介して, 該当するDTF for IBMシステムと通 1.15 サーバの管理 信を行います。 DTFには,日本語VMS/DTFサーバを 日本語VMS/DTFサーバは,DMCS- 管理するための管理ユーティリテ EBCDIC間のコード変換を行いま ィが含まれています。 す。ただし,選択によって,コー ド変換をDTF for IBMで実行するこ 1.16 ログ情報の管理 ともできます。日本語データ変換 DTF for IBMは,履歴照会や会計処 の場合は,変換情報データベース 理に必要となるような情報をログ への登録が必要となります。DEC, に保存します。DTFのログ機能を使 IBM間の文字コード体系の違いを考 うことで,システム・プログラマ 慮した,様々な設定が可能です。 は,特定の会計や課金情報の報告 日本語VMS/DTFサーバ・ノードでフ 書を簡単に作成することができま ィールド単位の変換を行うには, す。これは,DTF for MVSに限定さ CDDが必要です。日本語VMS/DTFサ れた機能です。 ーバには,日本語VMS/DTFユーティ リティの機能が含まれています。 詳しい説明は,次の第2.2項を参照 してください。 4 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 2.2 日本語VMS/DTFユーティリティ ユーザ・インターフェイスは,次 日本語VMS/DTFユーティリティは, の3つが提供されています。 ユーザがリカバブル・コピー機能 o TSOコマンド・プロセッ を使ってファイルを転送したい場 サ 合に必要なオプション・コンポー o 単一行コマンド・インタ ネントです。これは,どのVMSシス ーフェイス(REXXが必要 テムにもインストールできます。 です) また,IBMユーザがVMSノードに対 するリカバブル・コピー機能を使 o ISPFダイアログ 用したい場合にも,日本語VMS/DTF ユーティリティをインストールす 2.4 DTF for VM る必要があります。日本語VMS/DTF DTF for VMは,VMオペレーティ ユーティリティは,サーバ管理 ング・システムが稼動する,ど ユーティリティとチェックポイ のIBMS/370クラスのマシンにもイ ント・リカバリ・ユーティリティ ンストールできます。DTF for VM (TRANSFER/DTF)から構成されて は,日本語VMS/DTFサーバからファ います。日本語VMS/DTFユーティリ イル操作コマンドを受け取り,操 ティは,データを転送するため, 作を行うVMファイル・コマンドに 日本語VMS/DTFサーバと通信しま 対応づけます。また,インターフ す。日本語VMS/DTFユーティリティ ェイスも提供されており,CMSユー の機能は日本語VMS/DTFサーバに含 ザは,リカバブル・コピー・コマ まれているため,サーバ・ノード ンドあるいは非リカバブル・コピ に日本語VMS/DTFユーティリティを ー・コマンドを会話型またはバッ インストールする必要はありませ チ型で実行できます。DTF for VM ん。 は,次の3つの部分から構成されて います。 2.3 DTF for MVS 1.VTAMアプリケーション・プ DTF for MVSは,MVSオペレーティ ログラム ング・システムが稼動する,どの 日本語VMS/DTFサーバ・ノードとの IBMS/370クラスのマシンにもイン 通信を制御する。 ストールできます。DTF for MVS は,日本語VMS/DTFサーバからファ 2.ファイル転送のためのCMSア イル操作コマンドを受け取り,操 プリケーション 作を行うMVSファイル・コマンドに 3.ユーザ・インターフェイス 対応づけます。また,インターフ ェイスも提供されており,TSOユー ユーザ・インターフェイスは,次 ザは,リカバブル・コピー・コマ の3つが提供されています。 ンドあるいは非リカバブル・コピ o TSOコマンド・プロセッ ー・コマンドを会話型またはバッ サ チ型で実行できます。DTF for MVS o 単一行コマンド・インタ は,次の2つの部分から構成されて ーフェイス(REXXが必要 います。 です) 1.VTAMアプリケーション・プ o ISPFダイアログ ログラム ファイル転送のために日本語VMS /DTFサーバ・ノードとの通信を制 御する。 2.ユーザ・インターフェイス 5 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 3 構成 IBMシステム間のデータ交換を行う ユーザが通信を行いたいIBMシステ ことができます。 ムのそれぞれに,DTF for IBMコン IBM MVSユーザは,TSO DTFコマ ポーネントをインストールする必 ンド・プロセッサ,TSO ISPFパネ 要があります。DECnetネットワー ル,または単一行インターフェイ ク上では,VMSシステムにインスト スを使って,アクセスやデータ転 ールされた日本語VMS/DTFサーバが 送を行えます。IBM VMユーザは, 1つ必要です。また,DTFの使用量 CMS DTFコマンド・プロセッサ, によっては,サーバ・コンポーネ CMS ISPFパネル,または単一行イン ントを複数のVMSシステムにインス ターフェイスを使って,アクセス トールした方がよい場合もありま やデータ転送を行えます。TSOコマ す。 ンド・プロセッサとCMSコマンド・ DECnetネットワーク上 プロセッサは,バッチ型でも起動 のVMS,ULTRIX,MS-DOS できます。 等の他のノードには,追加ソフ ULTRIXユーザは,標準 トウェアは必要ありません。なぜ のDECnet-ULTRIXファイル なら,DTFでは,ユーザが標準の 転送コマンドを使ってファ DECnetファイル転送コマンドを使 イルにアクセスできます。 ってIBMファイルにアクセスできる MS-DOSユーザは,標準のPATHWORKS からです。 for DOS NFTコマンドを実行すれば 日本語VMS/DTFユーティリティは, よいだけです。 特定のVMSシステムのユーザがリカ バブル・コピー機能を必要とする 4.2 VMSクライアントからのDTFア 場合,またはIBMユーザが,特定の クセス VMSシステムに対してリカバブル・ VMS DTFユーザは,リカバブル・フ コピー操作を行いたい場合に限っ ァイル転送,非リカバブル・ファ て必要となります。リカバブル・ イル転送,および双方向ファイル コピー機能は,日本語VMS/DTFサー 転送を,IBM DTFクライアントと バまたは日本語VMS/DTFユーティリ VMS DTFクライアントの間で開始で ティのインストールされているVMS きます。DTFは,次のVMS DCLコマ ノードに対してのみ有効です。 ンドをサポートしています。ただ し,これらのDCLコマンドの修飾子 4 日本語DECnet/SNA DTFの機能 には,DTFで使用する際に制限のあ 4.1 使い慣れたユーザ・インター るものがありますので,注意して フェイス ください。 DTFにはユーザが使い慣れた多く APPEND DELETE SEARCH のインターフェイスが備わってい るため,ユーザの生産性を高めま BACKUP DIFFERENCES SUBMIT す。ユーザが新たにコマンドや手 /REMOTE 順を学習する必要はありません。 VMS環境のユーザは,COPY,TYPE, CLOSE DIRECTORY TYPE DIRECTORY等の標準のDCLコマンド CONVERT EXCHANGE WRITE を発行できます。あるいは,RMS /NETWORK (レコード管理システム)プログ ラミング・インターフェイス,ま COPY OPEN たはTRANSFER/DTFユーティリティ を使って,DECnetネットワークと 6 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 4.5 IBMクライアントからのDTFア CREATE READ クセス IBM DTFユーザは,リカバブル・ 4.3 MS-DOSクライアントからのDTF ファイル転送,非リカバブル・フ アクセス ァイル転送,双方向ファイル転送 MS-DOS DTFユーザは,非リカバ をVMS DTFクライアントの日本語 ブル・ファイル転送,双方向ファ VMS/DTFユーティリティとIBMクラ イル転送をIBM DTFクライアント イアントの間で開始できます。さ とMS-DOS DTFクライアントの間で らにIBM DTFユーザは,非リカバブ 開始できます。IBM側で開始するフ ル・ファイル転送,双方向ファイ ァイル転送は,PATHWORKS for DOS ル転送をすべてのDTFクライアント ファイル・アクセス・リスナ(FAL) (IBMシステムを含む)とIBMクラ が稼動している場合,MS-DOSシ イアント間で開始できます。 ステムによってサポートされてい MVS TSOとVM CMSのユーザは,以下 ます。DTFは,次のPATHWORKS for のコマンドを使用して,DECnetネ DOS NFTコマンドをサポートしてい ットワーク内の日本語VMS/DTFユー ます。ただし,いくつかのコマン ティリティへのファイル転送,あ ドには,DTFで使用する際の制限が るいはDTF for MVSが稼動している あることに注意してください。 IBM MVSシステムへのファイル転送 APPEND DELETE SUBMIT を行えます。 DTFSEND DTFRECV DTFRESUM COPY DIRECTORY TYPE DTF DTF ISPF DTF 4.4 ULTRIXクライアントからのDTF command panels non- アクセス processor ISPF ULTRIX DTFユーザは,非リカバブ panels ル・ファイル転送,双方向ファイ ル転送をDTF for IBMとULTRIX DTF クライアントの間で開始できま 4.6 チェックポイント・リカバリ す。DTFは,次のDECnet-ULTRIXコ 機能 マンドをサポートしています。た チェックポイント・リカバリ機能 だし,いくつかのコマンドには, は,システム障害やネットワーク DTFで使用する際の制限があること 障害があった場合でもデータを正 に注意してください。 確かつ完全に保存する機能です。 dcat dcp dls drm VMSユーザがTRANSFER/DTFユーティ リティを使用してファイルを転送 する場合,送り側と受け取り側の 通信が再確立されるときに,中断 されたファイル転送プロセスを, データの損失なく自動的に再開し ます。チェックポイント・リカバ リ機能は,ディスク常駐またはテ ープ常駐の非VSAMファイルとCMS ファイルをサポートしています。 VSAMファイルには,この機能がサ ポートされていません。 7 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 IBMユーザも,チェックポイント・ 4.9 転送後実行機能 リカバリ機能に類する機能を使用 転送後実行機能は,DCLコマンド・ できます。IBMシステム集合環境変 プロシージャ,MVS JCLプロシージ 数(MVSのCLIST,VMのREXX)から ャ,またはVM REXXプロシージャ 実行されるリカバブル・コピー操 を,ファイル転送が終了してから 作が,これに相当します。ネット サブミットできるようにする機能 ワーク障害によって転送が中断さ です。IBMユーザは,コマンド・プ れた場合,IBMシステム集合環境変 ロセッサまたはパネル・インター 数に含まれた情報を使って,ユー フェイスのいずれかから転送後実 ザが転送を再開することができま 行機能を使用できます。VMSユーザ す。 は,TRANSFER/DTFユーティリティ を介してのみ転送後実行機能を使 4.7 ファイル・バックアップ 用できます。 DTFを使用すれば,VMSシステムの ディスク内容をIBMシステムのテー 4.10 レコード単位のアクセス プやディスクに,VMS BACKUPコマ DTFでは,VMSユーザは,RMSアプリ ンドを使って直接バックアップ, ケーション,DCLコマンド,日本 リストアすることができます。ま 語VAX DATATRIEVEを用いて,レコ た,ULTRIXユーザも同様に,IBMシ ード単位でIBMのファイルにアクセ ステムのテープやディスクにバッ スできます。ただし,IBM側起動に クアップやリストア操作を行えま よるVMS RMSファイルへのレコード す。 単位のアクセスは,DTFではサポー トされていません。 4.8 遠隔ジョブ・サブミッション VMS,ULTRIXおよびDOSユーザは, 4.11 サポートされるファイル形式 IBMシステム上でJCLあるいはREXX サポートされるファイル形式は, ファイルをサブミットし,JESや VMSのすべてのファイル形式, バッチ・マシンで実行させるこ ULTRIX,およびMS-DOSストリー とができます。この場合,標準の ム・ファイルです。MS-DOSは,ス DECnetファイル操作コマンドを使 トリーム・ファイルのみのサポー 用してジョブ・サブミッションを トです。したがって,MS-DOSシス 開始できます。たとえば,VMSユー テムにコピーされるすべてのファ ザはSUBMIT/REMOTEコマンドを, イルは,ストリーム・ファイルに ULTRIXユーザはdcp-Sコマンドを使 なります。MS-DOSシステムからコ 用できます。ただし,これらのユ ピーされるすべてのファイルは, ーザは,ジョブの終了状態を受け IBMシステム上では順編成データ・ 取ることができません。IBM DTFユ セットになります。 ーザの場合は,転送後実行機能を IBM MVSシステムでは,物理順編 使ってジョブをサブミットできま 成データ・セット構造の非VSAM す。詳細は,次の第4.9項を参照し ファイル形式をサポートしてい てください。 ます。これには,区分データ・ セット・メンバの他に通常の順編 成ファイルも含まれます。また, ディスク常駐の非VSAMファイルと テープ常駐の非VSAMファイルの両 方がサポートされています。VSAM ファイル形式でサポートされて いるものは,入力順データ・セッ ト(ESDS),相対レコード・デー 8 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 タ・セット(RRDS),キー順デー 4.14 データ変換 タ・セット(KSDS)です。 DTFは,データ変換のために3つの IBM VMシステムは,物理順編成デ オプションを提供しています。 ータ・セット構造のCMSファイル形 1.無変換 式をサポートしています。これに ユーザは,DTFがファイル転送中に は,MACLIBメンバの他に通常の順 データを変換しないよう指定でき 編成ファイルも含まれます。ディ ます。このオプションは,イメー スク常駐のファイルとテープ常駐 ジ・ファイルを転送する場合に役 のファイルの両方がサポートされ 立ちます。 ており,ファイル転送できます。 DOS/VSE VSAMファイル形式でサポ 2.レコード単位の変換 ートされているものは,入力順デ オプション指定を省略した場合, ータ・セット(ESDS),相対レコ DTFは,レコード単位でASCIIのス ード・データ・セット(RRDS), ーパーセットであるDMCS(DIGITAL キー順データ・セット(KSDS)で マルチナショナル文字セット)と す。VMでは,空ファイルの作成や EBCDIC間のテキスト変換を行いま ファイル中にヌル・レコードを作 す。さらに,変換情報データベー 成することがサポートされていま スにその使用するサーバ・アカウ せん。そこで,ヌル・レコードを ントが登録されていれば,日本語 ユーザ任意の文字や値を含むレコ データの変換も可能です。変換情 ードに置き換えることで,この制 報はサーバ・アカウント単位で登 限を回避することができます。 録され,DEC-IBM間の文字コード体 系の違いを考慮した設定が可能で 4.12 階層記憶管理(HSM)のサポ す。また,外字管理ファイルによ ート り,ユーザ定義文字の対応付けも DTF for MVSは階層記憶管理機能を 可能です。 サポートしているので,ユーザは DMCS-EBCDIC間のみの変換の場合, 移送したデータ・セットをリコー 特に指定しないかぎり,データ変 ルすることができます。IBMシステ 換は,日本語VMS/DTFサーバ・ノー ム・プログラマは,デバイス・リ ドで実行されます。日本語VMS/DTF コール機能と同様に,並列待機の サーバ上の負荷を軽減するため, 階層記憶管理リクエスト数を調整 サーバ・マネージャは,IBM DTFク できます。 ライアントでデータ変換(DMCS− EBCDIC)を実行するよう選択して 4.13 記憶管理サブシステム 指定することができます。 (SMS)サポート DTF for MVSは,MVS記憶管理サブ システム機能をサポートしていま す。 9 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 3.フィールド単位の変換 使いやすさを考慮し,DTF for IBM ユーザは,CDDを用いてDTFがフ では,IBMシステム上にあるユーザ ィールド単位で変換を行うよう 自身のファイルを,パスワードを 指定できます。この場合,日本語 入力することなくファイル転送で VMS/DTFサーバは,バイナリ,整 きます。 数,浮動小数点,パック10進数, 数値ストリングといったデータ型 4.16 日本語VMS/DTFサーバ管理 を,ユーザが指定したCDDレコード VMS/DTFは,日本語VMS/DTFサー 定義を使って変換します。ファイ バのサーバ・アカウント・データ ルにおけるデータのセマンティッ ベース,ファイル定義データベー クスは,ファイル転送を経ても変 ス,DTFプロキシ・データベース, わりません。フィールド単位の変 および情報変換データベースを管 換を行うには,日本語VMS/DTFサ 理する管理ユーティリティを提供 ーバ・ノードにCDD/Plusが必要で しています。 す。 o サーバは,サーバ・アカウ 4.15 データ機密保護 ント・データベースによっ て,多くの異なったIBM DTF 有効なアクセス制御情報を知っ クライアントへのファイ ているDECユーザでなければ,IBM ル転送要求をサポートしま システム上のファイルにアクセス す。 できません。DTF for IBMには, o ファイル定義データベース CA-ACF2,RACF,およびVMSCURE では,ひんぱんにアクセス の各機密保護システムへのインタ するファイルのために,IBM ーフェイスが提供されています。 ファイルのファイル仕様を また,システム・オーソライゼ 定義できます。 イション機能(SAF)インターフ ェイスを通して他の機密保護機構 o プロキシ・データベースで (CA-TOPSECRETなど)への標準ユ は,ユーザがIBMパスワード ーザ出口も提供されています。DEC を指定しなくてもファイル システムの場合,機密保護は,オ 転送要求を入力できるよう ペレーティング・システムの提供 に,サーバ管理者がマッピ する標準ファイル保護機構によっ ングを設定できます。 て守られています。 詳しい説明は,第4.15項を参照し さらに,日本語VMS/DTFサーバ・ノ てください。 ードのプロキシ・データベースを o 変換情報データベースで 使用することで,DECとIBM両方の は,サーバ・アカウント 環境の機密保護をより強固なもの に対する変換情報を登録で にできます。このデータベースを きます。DEC,IBMの文字コ 使用すれば,VMSユーザ,MS-DOSユ ード体系の違いを考慮した ーザ,およびULTRIXユーザは,コ 設定およびユーザ定義文字 マンド行でIBMのパスワードを入力 に関する情報が登録可能で する必要がありません。 す。日本語データの変換に また,DTFでは,標準のIBMシステ は,変換情報データベース ム機密保護パッケージ(CA-ACF2, への登録が必要です。 RACFなど)を使用して,DEC- net形式のプロキシ情報をIBMシ ステムに格納できます。この機能 は,DTF for MVSに限り有効です。 10 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 4.17 事象ロギング DTFには,次の製品のうちいずれか DTF for IBMでは,履歴照会や会 1つが必要です。各製品に必須のソ 計管理に必要な事象をログに保 フトウェア製品,ハードウェア製 存します。履歴ログ情報は,DTF 品については,それぞれの「ソフ for IBMの使用状況を調べるのに トウェア仕様書」を参照してくだ 利用できます。ネットワークやオ さい。 ペレーティング・システムの稼動 o VMS/SNA(SPD 27.01.XX) 時間,性能チューニング,負荷分 o DECnet/SNA Gateway-ST 析などの判断材料として,これら (SPD 29.C6.XX) の情報が役に立ちます。会計ログ 情報は,ユーザがDTF for IBM機 o DECnet/SNA Gateway-CT 能を使って消費した資源の使用状 (SPD 29.76.XX) 況記録となります。また,この情 報をもとに課金報告書を作成でき 6.2 VMSクライアントに必要なソフ ます。会計および課金報告書作成 トウェア 機能の実現は,ユーザ出口で扱わ れ,サイトごとにカスタマイズで o DECnet-VAX きます。この機能は,DTF for MVS に限りサポートされています。 6.3 ULTRIXクライアントに必要な ソフトウェア 5 必要なハードウェア 「システム・サポート付加情報 o 日本語ULTRIX (SSA 26.Z4.00-x)」に指定され o DECnet-ULTRIX たVAX, MicroVAX, VAXstation,あ るいはVAXserver構成 6.4 MS-DOSクライアントに必要な ソフトウェア 6 必要なソフトウェア o PATHWORKS for DOS 本製品に必須のソフトウェア製品 o PATHWORKS for DOS:9800 と,その適用バージョンについて は,「システム・サポート付加情 6.5 IBM MVSクライアントに必要な 報(SSA 26.Z4.00-A)」を参照し ソフトウェア てください。 o MVS/ESAまたはMVS/XA 6.1 日本語VMS/DTFサーバ,日本語 o DFP/ESAまたはDFP/XA VMS/DTFユーティリティに必要なソ o SMP/E フトウェア o Assembler H o 日本語VMSオペレーティン o DTF for MVS グ・システム o DECnet-VAX 6.6 IBM VMクライアントに必要な o 日本語VMS/DTFサーバ ソフトウェア o VTAM o VM/SP5, VM/SP6, VM/XAのう ちいずれか o DTF for VM 11 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 6.7 必要サポート o DECnet/SNA Gatewayと日本 DTFは日本DECのサポート製品で 語VMS/DTFサーバをサポート す。したがって,日本DECがサポー するためにIBM構成要素の トしているDECnet/SNA Gatewayま 生成パラメータを変更でき たはVMS/SNA構成を導入してくださ るようにしておいてくださ い。 い。 上記の事項が満たされていないた 7 インストレーション めに遅延が生じた場合,時間また 日本DECがサポートするDECnet/SNA は使用資材についての費用を別途 Gateway構成を導入していただくた 請求させていただくことがありま め,お客様には,まずゲートウエ すので,あらかじめご了承くださ イ製品のSNAサポート・サービスと い。 日本語DECnet/SNA DTFのインスト レーション,およびSNAサポート・ 8 注文情報 サービスを購入していただくよう 最寄りの日本DECの各支店/営業所 お願いします。 にお問い合わせください。 これらのインストレーションなど 9 ソフトウェア・ライセンス のサービスは,日本DEC技術部の専 任技術者が担当します。 本ソフトウェアは日本DEC標準契約 日本語VMS/DTFサーバをインストー 条項中のライセンス規定に基づい ルする前に,次のことを行ってく て提供されます。日本DECのライ ださい。 センス条件とその方針についての 詳細は,最寄りの日本DECの各支 o ターミナルを含む,すべて 店/営業所にお問い合わせくださ の必要なソフトウェアとハ い。 ードウエアを前もってイン 10 ライセンス管理機能 ストールしておいてくださ 本ソフトウェアはVMSライセンス管 い。 理機能(LMF)をサポートしていま o DECnet/SNA Gatewayを使用 す。ライセンス単位は,CPUの性能 して日本語VMS/DTFサーバと に応じて割り当てられます。 通信するために,DTF for ライセンス管理機能についての IBMを含むIBMホスト・ソフ 詳細は,「VMS Operating System トウェアを導入しておいて Software Product Description ください。 (SPD 25.01.xx)」またはVMS o お客様と日本DECの最終的 Operating Systemのドキュメ な合意が得られるまでの期 ント・セットの中の「License 間,インストレーションで Management Utility Manual」を参 使用するすべてのハードウ 照してください。 ェア,通信機器,および端 末を使用可能な状態にして 11 ソフトウェア製品サービス おいてください。 日本DECでは,様々なサービス・オ o DECシステムとIBMシステム プションを提供しています。詳細 の両方のスタッフがインス については,最寄りの日本DEC各支 トール前の作業を協力して 店/営業所にお問い合わせくださ 実行できるように準備をし い。 ておいてください。 12 日本語DECnet/SNA DTF Version 3.0ソフトウェア仕様書 SPD 26.Z4.00 12 保証 本ソフトウェアについては,日本 DEC所定のソフトウェア保証基準に 定められた保証が提供されます。 13