Software Product Description SPD 25.T5.02 日本語 ALL-IN-1 バージョン 3.0 ソフトウェア仕様書 1 日本語 ALL-IN-1 の概要 日本語 ALL-IN-1 は,カスタマイズ可能なメニュー方式のソフトウェアです。汎用のオ フィス・アプリケーションを標準で備えている上に,ほかの様々なビジネス・アプリケ ーションを統合するための機能を備えています。ALL-IN-1 に統合されたアプリケーシ ョンはすべて共通のメニュー方式で呼び出すことができるため,ユーザに対して一貫し たユーザ・インタフェースを提供できます。 日本語 ALL-IN-1 は,次のものから構成されています。 ・ 日本語 ALL-IN-1 オフィス・アプリケーション ・ 日本語 VAX FMS ・ 日本語 VAX Notes ・ VAX Message Router ・ VAX Message Router VMSmail Gateway ・ CDA Converter Library ALL-IN-1 の電子メール機能と DEC のネットワーク機能を使用することにより,異なる システム間のユーザであっても情報の送信および受信を行うことができます。 ユーザの作成した文書はファイル・キャビネット内のフォルダに格納され,それぞれの オフィス・アプリケーションからアクセスできます。 ALL-IN-1 を使用している環境のもとで,アプリケーションの開発やカスタマイズを行う ことができます。 ALL-IN-1 のフォームやメニューの各フィールドには日本語を入力できます。日本語を 入力する場合には,ローマ字かかなで入力し,コントロール・キー方式またはキーパッ ド・キー方式で日本語変換を行います。ただし,半角カナの入力はできません。 2 オフィス・アプリケーション 2.1 ファイル・キャビネット管理 ALL-IN-1 のファイル・キャビネットはオフィスで一般に利用されているファイル・キ ャビネットとよく似ています。ドロア (引き出し) にはフォルダが格納され,フォルダ には文書が格納されます。フォルダはアルファベット順に並べられ,フォルダ内の文書 は新しいものを先頭に作成日順に並べられます。ただし,受信済フォルダでは最新の文 書 (メール) が一番最後に並べられます。 すでに作成されているフォルダはすべて MAIN ドロアに格納されます。このドロアには 電子メール用フォルダである受信済フォルダ,送信済フォルダ,作成済フォルダ,開封 済フォルダも格納されます。ユーザは必要に応じて他のドロアを作成でき,これらのド ロアを共有ドロアまたは非共有ドロアとして設定できます。 文書は,ユーザが指定したフォルダに整理することができます。各文書は,文書名,作 成日,文書番号,作成者,キーワード,タイプといった情報とともにファイル・キャビ ネットの中に格納されます。1つの文書を複数のキャビネットに登録 (共有化) すること も可能です。 文書を削除すると,その文書は屑かごフォルダの中に入り,ユーザが屑かごフォルダを 空にするまで文書はその中に残っています。 メモ用紙機能を使用して,ユーザが表示している画面や文書の一部をメモ用紙にコピー することができます。メモ用紙の情報は,ほかの作業の実行中に参照したり,あとで別 の文書に挿入することができます。必要に応じて内容を編集することもできます。 ファイル・キャビネット内の文書はすべて,その形式にかかわらず,共通の方法でアク セスされます。標準にサポートされている文書形式は,ASCII形式や WPS-PLUS 形式な どです。ファイル・キャビネットには,文書を管理するための便利な機能が豊富に備わ っています。たとえば,索引機能を利用して,一度に複数の文書を印刷したり削除した りすることもできます。 文書のフォルダ名を変更したり,1 つの文書を複数のフォルダに登録 (共有化) したり 別のフォルダにコピーすることができます。これらの作業は文書単位に行えるだけでな く,フォルダごとにまとめて行うこともできます。また文書名やキーワードなど,各文 書に付けられた情報を変更することもできます。 ユーザおよび ALL-IN-1 マネージャは,共有領域またはファイル・キャビネットから文 書を保存したり回復したりできます。ユーザは, どの文書またはフォルダを保存の対 象にするかを指定できます。 2.2 共有ファイリング 他のユーザと文書を共有 (表示,変更など) するために,共有ドロアを作成します。ユ ーザはアクセス制御機能を使用して,どのユーザに対してドロアのアクセスを許可する かを設定します。並列処理制御機能を使用すれば,誰かが共有文書を変更している間, 特定の処理を禁止することができます。たとえば,あるユーザが共有文書を変更して いるときに他のユーザが同じ文書を変更しようとすると,文書が使用中であることと, その文書を誰が変更しているかが通知されます。 ALL-IN-1 Distributed Sharing Option を別途購入し,インストールすることにより, 他ノード間でファイル・キャビネットを共有することが可能になります。詳しくは ALL-IN-1 Distributed Sharing Option のソフトウェア仕様書 (SPD 36.79.xx)を参照し てください。 2.3 グループ・サービス 複数のユーザを1つのグループとして定義できます。複数のグループを作成することも 可能です。各グループに対して文書の共有またはドロアのアクセス特権を設定すること ができます。グループにはいつでもメンバーを追加あるいは削除できます。その場合, 適切なアクセス権が自動的に割り当てられたり,または自動的に解除されます。 2.4 SFCPマイグレーション 旧バージョンにおいて ASSETS 製品の SFCP を使用していた場合には,SFCP ファイル・ キャビネットを共有ドロアに変換するためのユーティリティが用意されています。変換 された各共有ドロアは,アクセスが許可されているユーザのファイル・キャビネットに 追加されます。ユーザのアクセス権はそのまま保存されます。 2.5 電子メール 電子メール・アプリケーションを使用して, ほかのユーザとの間でメールを交換できま す。メールを作成,変更,印刷,削除,表示,送受信するための機能が用意されていま す。 メールの宛先は 1 人または複数指定することができ,写し宛先も指定できます。宛 先の指定を簡単にするためにニックネームや配布リストが利用できます。受信したメー ルに対して返信を出したり,そのまま他の人に転送することもできます。返信は,メー ルの送信者宛にするか,そのメールを受信したすべての人宛にするかを選択できます。 送信したメールが正しく相手に受信されたかどうか,さらに,相手がメールを読んだか どうかの確認もできます。 メールには,速達,普通,不急の 3 種類の優先順位を指定できます。指定した時刻に送 信するように設定することもできます。 メールも文書の 1 つですが,送信したメールや受信したメールを格納するために特別な フォルダ (受信済,開封済,作成済,送信済) が準備されています。メールを送信する と,そのメールは共有領域にコピーされ,送信者および同じノード上の受信者はすべて このコピーを共有します。そのため,送信または受信したメールは変更できません。メ ールは,ファイリング (別のフォルダにコピーする)または共有化 ( 1 つのメールを複 数のフォルダに登録)できます。 受信したメールを自動転送することもできます。また,あらかじめ返信用のメールを用 意しておけば, 受信したメールに対して自動的に返信することもできます。たとえば 「現在,出張中です。」などのメッセージを自動返信したい場合に便利です。 他ユーザ・アクセス設定 (SMU) オプションを使用すれば,自分の代わりにメール操作を 実行できるユーザを設定することができます。たとえば,秘書が上司の代わりにメール操 作を実行できます。代行したユーザがメールを送信するときに,メール・ヘッダに両方の ユーザの名前が表示されます。他のユーザに対してメール・アクセスを許可するには,メ ール・アクセス許可 (GMA) オプションを使用します。このオプションを実行することに より,ユーザは自分のメールを処理できるユーザを指定できます。 受信したメールの宛先情報から配布リストを作成できるようになりました。これまでより 長いニックネームを使用できるようになりましたので,ゲートウェイを経由して他のメー ル・システムとの間で送受信されるメールに対して宛先を指定する際に便利です。受信し たメールの送信者情報を取り出し,ニックネームに定義することもできます。 Message Router によって,DECnet ネットワーク上の異なるシステムの ALL-IN-1 ユーザ 間でメーセージ交換ができます。また,Message Router VMSmail Gateway により,VMS の Mail ユーティリティを使用するユーザとの間でもメッセージ交換ができます。詳しく は,VAX Message Router のソフトウェア仕様書 (SPD 26.33.xx) を参照してください。 2.6 文書処理 文書処理アプリケーションを利用することにより,ユーザは文書を作成,変更,印刷,削 除,表示することができます。使用できる日本語エディタには EVEJ,LEIA,JEDI,TARO の4種類があります。これらは日本語 EVE の提供するモード切替えを利用しています。そ のほかに英語エディタとして,EDT,WPS および WPS-PLUS も使用できます。 EVEJ を使用して日本語変換を行う場合には,ローマ字入力,またはかな入力した文字列 に対してコントロール・キー方式の日本語変換を行います。LEIA および JEDI の場合に はローマ字入力,またはかな入力した文字列に対してキーパッド・キー方式の日本語変換 を行います。TARO を使用して日本語変換を行う場合には,ローマ字入力,またはかな入 力した文字列に対して SPACE キーやファンクション・キーで日本語変換を行います。た だし,半角カナの入力はできません。詳しくは,日本語 EVE ユーザーズ・ガイドを参照 してください。 EVEJ の主な特徴は次のとおりです。 ・ 3通りの日本語入力 (かな,ローマ字,漢字)方法が選択できます。 ・ 2通りのかな漢字変換 (逐次,候補) 方法が選択できます。 ・ 2通りのコマンド・インタフェース(キーパッド,ライン) があります。 ・ 2通りのテキスト入力 (重ね書き,挿入) モードが選択できます。 ・ カット/ペースト機能があります。 ・ マージン設定やセンタリングを行えます。 ・ キー定義によって,キーパッド編集機能を変更したり,拡張することができます。 2.7 スケジュール管理 スケジュール管理アプリケーションを使用すれば, 個人のイベントやタスクのカレンダ 管理ができます。イベント一覧を選択すると,その日の会議やアポイントメントなどを 見やすい形式で表示したり,スケジュールを画面上で簡単に変更することができます。タ スク一覧を選択すると,タスク (行わなければならない作業) を表示したり簡単に変更 することができます。イベントとタスクを選択すると,イベントとタスクの両方が同時 に表示され,スケジュール管理のあらゆるオプションを指定できます。 ユーザがよく使用する画面やオプションだけを選択できるように,画面表示の形式とオ プションの種類を独自のスタイルにカスタマイズすることも可能です。 ユーザは,イベントを設定したり,変更したり,キャンセルすることができ,また,ほ かのユーザにそのイベントを通知することができます。この場合,電子メール機能を使 用して自動的に会議通知が送信され,出席の確認をとることができます。会議に参加で きない時間を個人的にあらかじめ設定しておくこともできます。スケジュールを他のユ ーザに読まれたくない場合には極秘扱いにできます。出席予定者が出席を承諾すると, その人のカレンダにも会議の日程が登録されます。 会議のスケジュールを立てる前に出席予定者の空いている時間を調べることができます。 これは調べたい相手のカレンダが同じノード上になくても,リアルタイムに実行できま す。 タスク管理は 実行しなければならない作業などのリストを管理するものです。「タスク 」とは特定の日時にとらわれない作業のことで,オープン状態やクローズ状態,開始日 や締め切り日などの情報を設定できます。 2.8 電子会議 電子会議を利用することにより,地理的に離れている人どうしが自分の都合の良い時間 に会議に参加することができます。出張や忙しい時間を無理に調整する必要もありませ ん。 電子掲示板や文書の共同執筆,あるいは技術情報の共有の場として利用することができ ます。メンバー制の会議も設定できます。 2.9 CDAサポート CDA 文書をファイル・キャビネットに格納したり,電子メールを利用して送信や受信す ることができます。さらに,表示,印刷,複写,変換などができます。 次のようなデータ・タイプの CDA 文書をサポートします。 ・ DDIF − 標準的な CDA フォーマット ・ DOTS − CDA 文書をパックし,転送するためのフォーマット ・ DTIF − テーブル (表) のための CDA フォーマット ・ PS − 最終形式の PostScript フォーマット 外部参照をもつ DDIF ファイルも扱うことができます。ただし,サポートする CDA 文書 は,VMS および CDA ライブラリ等のバージョンに依存します。 CDA 文書を印刷する場合には,PostScript をサポートするプリンタを使用します。 PostScript をサポートしないプリンタに出力した場合には,テキストに変換後,印刷さ れます。 新しいデータ・タイプとの間で文書を変換するには,CDA 変換機能が使用されます。 ユーザが標準エディタを使用して CDA 文書を変更しようとした場合には,文書フォーマ ットがエディタでサポートされないことがユーザに通知されます。しかし,ユーザは変更 に適したフォーマットに CDA 文書を変換し,その後,適切なエディタを使用できます。 ただし,変換形式によっては,フォーマット属性が失われる場合もあります。 アプリケーション・プログラマは API 機能を使用することにより,CDA ツールにアクセ スできます。 2.10 コミニュケーション コミュニケーション機能を使用すれば,通信技術に関する知識のないユーザでも他のコ ンピュータ・システムにアクセスできます。 コミュニケーションを制御する特殊なコマンド群を含んだ文書を制御文書として用意し ておけば,通信セッションを自動的に実行することができます。特に,自動ダイアル式 モデムを使用しているか,ハードウェア的に直接接続されている場合には,ほかのコン ピュータ・システムとの接続を完全に自動化できます。RS232 タイプの端末をサポート しているコンピュータ・システムであれば,VAX の端末ポート (RS232タイプ) からの 接続が可能です。 ファイル・キャビネット中の文書やメールを VMS (または DECmate) に転送したり,逆 に,VMS ファイルをファイル・キャビネットに転送することができます。 2.11 卓上計算器 卓上計算器アプリケーションを使用して,計算結果を文書に取り込むことができます。 卓上計算器には,単純計算モードと計算式モードがあります。計算式モードでは,三角 関数や算術関数を組み合わせた数式演算ができます。単純計算モードは簡単な算術演算 用です。卓上計算器の中では,キーパッドを使用して数字を入力できます。 2.12 名簿管理 名簿管理サブシステムを使用して,ユーザの様々な名簿を管理することができます。電 話番号や住所などの情報はシステム管理者によって管理され,ユーザはこれをいつでも 参照できます。また,ほかのユーザの電話番号帳を参照することもできます。 個人用電話番号帳,ニックネーム,配布リストなどを登録したり検索することもできま す。 Message Router の DDS (Distributed Directory Service)機能を利用することにより, メール・ディレクトリと呼ばれる名簿を利用することもできます。メール・ディレクトリ には社員番号,名前,所属,役職,会社の電話番号,自宅の電話番号など様々な情報が 登録できます。ただし,日本語によるメール・ディレクトリの利用はできません。 3 システムの特徴 3.1 メニュー方式 各アプリケーションへのアクセス方法は階層構造のメニュー形式になっています。使い 慣れたユーザは,途中のメニュー表示をとばしてアクセスすることができます。 現在行っている作業を中断し,新しく受信したメールを読んだり,現在の時刻を表示した り,スケジュール管理,名簿管理,卓上計算機,メモ用紙などのアプリケーションにアク セスしたりできます。 ユーザ・インタフェースには 2 種類あります。画面表示を効果的に行うスクリーン・モ ードと電話回線を利用した場合に有用なハードコピー・モードです。 3.2 ヘルプ HELP キーを押せばいつでもヘルプ情報を得ることができます。その都度マニュアルを参 照しなくても,このヘルプ機能により基本的な ALL-IN-1 機能に関する情報を得ることが できます。 3.3 トレーニング トレーニング機能を利用すれば,ALL-IN-1 の機能と使い方を会話型で学習できます。 3.4 ユーザ定義処理 ユーザが頻繁に行うキー・ストロークを 1 つの処理にまとめておくことができます。こ れをユーザ定義処理と呼びます。ユーザ定義処理はいくつでも作成することができます。 また,その中で指定するキー・ストロークの数には制限ありません。あるユーザ定義処 理の中から別のユーザ定義処理を呼び出すこともできます。 3.5 文書の扱い 文書の予約機能により,各ユーザは文書を変更するときにその文書を独占的に使用でき るようになります。 文書ハンドリングは,変更可能形式の文書と最終形式の文書を区別します。フォーマッ ト処理と印刷処理も区別されます。文書のフォーマット処理は印刷とは別に実行できま す。 バックグラウンド・フォーマッタは CDA フォーマット機能を備えており,フォアグラウ ンドとバックグラウンドの両方で CDA フォーマット機能を処理できます。 プリンタ・レベル・チェック機能により,プリンタが文書の最終形式をサポートするか どうかを確認できます。プリンタで最終形式がサポートされない場合には,可能であれ ば文書はサポートされるフォーマットに変換されます。また,別のプリンタで印刷する ようにユーザに指示する場合もあります。 3.6 印刷 印刷を行う場合には,出力プリンタ,印刷部数,出力形式を指定できます。出力先とし てプリンタ以外に文書やユーザ端末も指定できます。また,英文文書に Runoff という ハンドリングを指定すると,その文書は,DSR (Digital Standard Runoff) 処理されて から印刷されます。印刷処理は,印刷フォーマッタへの割り込み処理が必要でないかぎ り,バックグラウンド・ジョブとして独立に行われるため,印刷中であっても端末から 他の作業を実行できます。 プリンタ・レベルのチェック機能により,指定したプリンタが文書の最終形式フォーマ ットをサポートしているかどうかが確認されます。 印刷時の設定を簡単にするために,システム定義印刷形式とユーザ定義印刷形式が用意 されました。印刷レイアウトの設定が強化され,印刷方向,用紙方向,上部余白,下部 余白などの指定,さらにはメール文書を印刷する際の宛先リストの印刷設定も可能にな りました。 3.7 ジョブ・サービス 印刷キュー,バッチ・キュー,サーバ・キューに登録されたジョブの情報を参照したり 変更できます。索引から複数項目用オプションを使用すれば,一度に複数のジョブを表 示,削除,変更したり,現在実行中のジョブを再起動することができます。 キューとジョブの管理は ALL-IN-1 内から行えます。キューを管理する担当者を任命す ることもできます。 3.8 プロフィール 各ユーザのプロフィール中には,ユーザの個人情報である名前,住所,電話番号,役職 などの情報が含まれます。ユーザは,これらの情報を参照または変更できます。 就業日,就業時間,使用エディタ,メール受信通知や受信確認などの作業環境情報は, 各ユーザが自分で設定や変更することができます。 ユーザの特権, ディレクトリ,フォーム・ライブラリなどの情報は,ALL-IN-1 マネー ジャによって管理されます。 3.9 索引 索引機能を利用すれば,索引から特定の文書を選択したり取り消すことができます。複 数の文書を選択すれば,単一の文書を扱うときと同じように印刷,削除,文書の共有化 など様々な処理を実行できます。索引メニューには,現在選択中の文書に対して操作可 能なすべてのオプションが表示されます。索引は順方向,逆方向のどちらにもスクロー ルできます。 3.10 半角カナ 半角カナを扱うことができるようになりました。以下の機能で,半角カナを含む文書を 従来の ASCII 文書と同様に扱うことができます。 ・ 文書の表示 ・ 文書の印刷 ・ メール送受信 ・ 文書転送 (VMS への送信および受信) ・ 文書保存 上記以外の半角カナを扱うことはできません。たとえば,以下においては従来通りの扱 いとなります。 ・ 文書の作成/変更 ・ 電子会議 ・ CDA コンバータ ・ フォームのフィールドへの表示/入力 ・ ALL-IN-1 のデータ・ファイル なお,文書中の半角カナは,以下の形式で表現されていなければなりません。 (1) シングル・シフト形式 半角カナの各コードの前にシングル・シフト (SS2) を挿入します。 例 : ナ 8Eh B6h 8Eh C0h 8Eh B6h 8Eh C5h 注 : のコードは 8 ビット系 (8Eh) のみをサポートします。7 ビット 系の 2 バイト・コード (1Bh 4Eh) はサポートしません。 (2) ロッキング・シフト形式 半角カナの単語の前後にロッキング・シフト (LS2R,LS3R) を挿入します。 例 : カ タ カ ナ 1Bh 7Dh B6h C0h B6h C5h 1Bh 7Ch シングル・シフト形式とロッキング・シフト形式は,ALL-IN-1 内部では区別されませ ん。また,1 つの文書中にシングル・シフト形式とロッキング・シフト形式が混在して も,ALL-IN-1 は半角カナを正しく認識します。 4 他言語の利用 日本語 ALL-IN-1 V3.0 でサポートされる他言語については,日本語 ALL-IN-1 V3.0 シ ステム・サポート付加情報をご覧ください。 5 システム管理 システム管理者は,システム管理用ユーティリティを使用することによって,ハウス・キ ーピング作業 (ファイル・キャビネット再編成作業や屑かごの整理など) のスケジュール 管理,プリンタ管理,ネットワークや DDS のプロフィール管理,性能測定,共有領域の クォータ管理などを行うことができます。ALL-IN-1 マネージャは,管理作業の一部を補 佐する目的で,非 VMS 特権ユーザをアドミニストレータとして任命することができます。 アドミニストレータは,ユーザ・アカウントの管理(作成,削除,移動,変更),文書保存 ,システム配布リストの管理,ハウスキーピング作業のスケジュール管理,ALL-IN-1 障 害の監視,ALL-IN-1 のシャットダウンなどを行うことができます。 ALL-IN-1 マネージャとアプリケーション開発者のために,性能測定機能も備わっていま す。この機能を利用すれば,測定回数をはじめ,CPU の利用状況,ダイレクト I/O,バッ ファード I/O,ページ・フォルトなど特定のアプリケーションに必要な資源を測定できま す。 DECtrace がシステムにインストールされている場合には,測定された情報を集計し,使 用状況のレポートを作成することができます。 6 カスタマイズ ALL-IN-1 は,アプリケーションの開発や統合のためのプラット・フォームを提供します。 日本語 FMS と ALL-IN-1 のアプリケーション開発ユーティリティにより ALL-IN-1 シス テムをカスタマイズしたり,ほかのアプリケーションを統合することができます。ユー ザに対しては,一貫したインタフェースとメカニズムが提供できます。 レポート機能が強化され,マネージャへの待ち状態要求の通知,要求終了の通知機能など が追加されました。アプリケーション・メインテナを任命することにより,ALL-IN-1 マ ネージャ以外の人がアプリケーション開発 (カスタマイズ) を管理できるようになりまし た。 さらに,カスタマイズ管理機能を利用すれば,カスタマイズ作業を行うだけでなく,カス タマイズ来歴の管理も可能です。 7 ドキュメント 日本語 ALL-IN-1 のキットには,次に示すドキュメ ントが含まれています。 ・ 日本語 VAX FMS ドキュメント・セット ・ 日本語 VAX Notes ドキュメント・セット ・ 英語版 ALL-IN-1 ドキュメント・セット − Read Me First − ALL-IN-1 Installation Guide − Management Guide − Mail Management Guide − CDA Converter Library Documentation − Message Router Documentation − VMSmail Gateway Documentation − VAX FMS V2.4 Installation Guide − VAX Notes Installation Guide − Application Programming: Getting Started − Application Programming: Guide − Application Programming: Using Customization Management − Application Programming: Reference Volume 1,2 − Application Programming: FMS Reference − Application Programming: User Interface Standards − Application Programming: Mini Reference − Application Programming: Index − ALL-IN-1 User's Handbook − ALL-IN-1 WPS-PLUS Mini Reference − Keyboard Cards − ALL-IN-1 User's Reference − ALL-IN-1 WPS-PLUS User's Reference − ALL-IN-1 Administration Guide − ALL-IN-1 WPS-PLUS Printer Characteristics ・ 日本語 ALL-IN-1 ドキュメント・セット − ユーザ・ハンドブック − ユーザーズ・ガイド − アドミニストレーション・ガイド − マネージメント・ガイド − メール・マネージメント・ガイド − リリース・ノート − インストレーション・ガイド これらのドキュメント・セットは別途注文することもできます。 8 ソース・コード情報 日本語 ALL-IN-1 のキットの中には,いくつかのソース・コードが含まれます。これら を変更して,ALL-IN-1 をカスタマイズすることも可能です。ただし,ソース・コードの 変更に関しては,その使用および信頼性に関して,日本 DEC は一切責任を負いません。 注 : BLISS 言語で記述されたソース・コード部分(.B32,.BLI,.REQ) をカスタマイ ズする場合には,コンパイルのために,VAX BLISS-32 ソフトウェアを別途購入 する必要があります。 9 インストレーション 日本語 ALL-IN-1 のインストレーション作業には特別な知識が必要です。当社のインス トレーション・サービスをご利用になることをお勧めします。 9.1 CART (Conflict Checking and Resolution Tool) このツールは旧バージョンの日本語 ALL-IN-1 をV3.0 にアップグレードする前に実行し ます。このツールは既存のシステムのカスタマイズ状況を確認し,アプリケーションと カスタマイズ部分の移行のためにどのような変更が必要であるかを示します。このツー ルには,変更されたメッセージや必要な変更,コンフリクト・チェック文書から作成さ れたチェックリストを確認する多くのプロシージャが含まれています。ALL-IN-1 のオプ ションを使用すれば,日本語 ALL-IN-1 V3.0 にアップグレードする前に,コンフリクト ・チェック文書を印刷できます。 9.2 共存システム この機能を使用すれば,すでに日本語 ALL-IN-1 V2.3 または V2.4 を実行しているシス テムに日本語ALL-IN-1 V3.0 をインストールできます。この機能により,お客様は新たに 提供される機能を評価し,既存のアプリケーションの移行を計画できます。データは共有 されませんが,日本語 ALL-IN-1 V3.0 システムは完全に機能します。 注 : 共存システムをマージすることはできません。カスタマイズ部分を転送するため の適切な方法については,日本語 ALL-IN-1 インストレーション・ガイドを参照 してください。 10 必要なハードウェア サポートされる VAX,MicroVAX,VAXstation については,日本語 ALL-IN-1 V3.0 シス テム・サポート付加情報をご覧ください。 11 必要なソフトウェア ・ 日本語 VMS (CDAをサポートする場合には日本語 DECwindows も必要です) ・ DECnet-VAX (マルチ・ノードをサポートする場合に必要です。) ・ 日本語 VAX FMS なお,必要なソフトウェアの名称およびバージョンについては,日本語 ALL-IN-1 V3.0 システム・サポート付加情報をご覧ください。 12 オプション・ソフトウェア サポートされるオプション・ソフトウェアの名称およびバージョンについては,日本語 ALL-IN-1 V3.0 システム・サポート付加情報をご覧ください。 13 注文情報 ライセンス: QL-AAA**-** ソフトウェア媒体: QA-AAAJA-** 日本語ドキュメント: QA-AAAJA-GZ 英語版ドキュメント: QA-AAAAA-GZ SPS サービス: QT-AAAJ*-** 詳細ならびに,ご不明な点がございましたら最寄りの日本 DEC の各支店または営業所に お問い合わせください。 14 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは,日本 DEC 標準販売条件 (DIGITAL's Standard Term and Conditions of Sales) のライセンス規定に基づいて提供されます。 日本 DEC のライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本 DEC の各支店 または営業所にお問い合わせください。 15 ライセンス管理機能 本ソフトウェアは VMS ライセンス管理機能 (LMF) をサポートしています。ライセンス は CPU の性能に応じたキャパシティ・ライセンスまたは必要ユーザ数に応じて購入でき るパーソナル・ユース・ライセンスを準備しています。 ライセンス管理機能についての詳細は,VMS オペレーティング・システムのソフトウェ ア仕様書 (SPD 25.01.XX) または VMS オペレーティング・システムのドキュメント・セ ット中の「License Management Utility Manual」を参照してください。 日本 DEC のライセンス契約の条項についての詳細は,最寄りの日本 DEC の各支店また は営業所にお問い合わせください。 16 SPS サービス 日本 DEC では,様々なサービスを提供しております。詳細につきましては最寄りの日本 DEC の各支店または営業所にお問い合わせください。 17 保証 本ソフトウェアには,日本 DEC 所定のソフトウェア保証基準に定められた保証が提供さ れます。 注 : PostScript は,米国 Adobe Systems 社の商標です。