Software Product Description _____________________________________________________________________________ 日本語TeamRoute for OpenVMS Version1.0 SPD 50.32.00 ソフトウェア仕様書 1 概要 日本語TeamRoute for OpenVMS(以下,日本語TeamRouteと記す)は電子文書の発信・回 覧・承認・追跡システムであり,ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)またはローカ ル・エリア・ネットワーク(LAN)上で結ばれた組織の構成員間で情報を交換することが できます。このシステムは紙ファイルの文書システムが持つ基本的な特長を備えてい るだけでなく,高度情報処理システムに共通の柔軟性,機密性,および効率性も備え ています。このように日本語TeamRouteは,組織管理用システムに対して多様に変化す るニーズを十分考慮した設計となっています。 TeamRouteでは,情報の収集,配布,処理,提示用のモデルとしてマスタ・パッケー ジを使用しています。マスタ・パッケージを使用することでテンプレート・ライブラ リからのテンプレートの選択,テンプレートからパッケージの新規作成,回覧リスト の指定,必要なフィールドへの情報入力が可能となります。その上,関連情報を添付 しマスタ・パッケージとその添付文書をユーザまたは他のアプリケーションに回覧し て,処理や承認/否認を求めることができます。 日本語TeamRouteではクライアント/サーバ・モデルを採用しています。こうすること で,異なるグループのクライアント間や複数のサーバ・ドメイン間で対話処理が可能 となります。日本語TeamRouteは日本語Microsoft[R]Windows[TM]クライアントおよび 日本語VMS VTクライアントをサポートしています。 ALL-IN-1/TeamRouteはALL-IN-1/TeamRouteクライアントをサポートしていま す。ALL-IN-1/TeamRouteについての詳細は『ALL-IN-1/TeamRoute Version 1.1ソ フトウェア仕様書』(SPD 50.33.00)を参照してください。 日本語Microsoft Windowsをプラットフォームとした場合,TeamRouteの機能はTeam- Linksプロダクト・セットの一部としてのみ利用できます。TeamLinks for Windows についての詳細は『TeamLinks for Windows Version 1.0ソフトウェア仕様書』(SPD 46.33. 00)を参照してください。 DIGITAL 1993年6月 AE-PX1AA-TE 日本語TeamRoute for OpenVMS Version1.0 SPD 50.32.00 ソフトウェア仕様書 TeamRouteパッケージは電子メールで受信します。このとき電子メールは着信通知機構 として動作するため,ユーザはTeamRouteパッケージを日本語DEC MAILworksのファイ ル・キャビネット内に保管し整理しておきます。なお,日本語TeamRouteのニックネー ムは日本語DEC MAILworksと共用できます。 TeamRouteサーバとTeamRouteクライアント間での送受信はVAX Message Routerで行い ます。したがってTeamRouteでは,部署内のLANだけでなく蓄積/転送方式のWANを通じ て文書を回覧することもできます。 機能 クライアント/サーバ・モデル TeamRouteのクライアントとの対話処理により,ユーザはパッケージ・マスタの作成, または承認用コピーへの応答を行います。サーバは文書の回覧,マスタの更新,およ び追跡コピーの送信処理を実行します。これらの機能ではすべて日本語処理が可能に なっています。 ランタイム・ライブラリ TeamRouteランタイム・ライブラリを使用すると,パッケージ内のデータに対してア クセス可能なアプリケーションを開発できます。ユーザがパッケージの読出しを開始 すると,TeamRouteクライアントからアプリケーションが起動されます。そのアプリ ケーションには,パッケージとデータベース間でデータ交換を行うように指示できま す。あるいは,パッケージからデータを取り出して,そのデータを呼出し可能なフォ ーム・パッケージを通じてフォーム・フィールド・データとしてユーザに表示するよ う指示することもできます。 テンプレート マスタ・パッケージは変更可能なテンプレートから生成されます。テンプレートには 割当て可能な役割が用意されており,これによりユーザは回覧の方針や,マスタ・パ ッケージに対する着信動作を規定できます。 アプリケーション例 TeamRouteには,定義済みテンプレートの形式でいくつかのアプリケーション例が用意 されています。アプリケーション例はTeamRouteの機能を示しており,ユーザはこれら をそのまま,あるいは必要に応じて変更を加えて利用できます。アプリケーション例 には,作業依頼,グループ校正,電話受信メモ,アカウント申請,会議開催,質問, 出張申請,回覧板などがあります。 2 日本語TeamRoute for OpenVMS Version1.0 SPD 50.32.00 ソフトウェア仕様書 パッケージ パッケージとは発信者が作成するものであり,発信者はこれを受信者に回覧できま す。パッケージを作成するにはまず最初にテンプレートを選択し,回覧リストに受信 者の名前を指定します。それに添付文書をつけサインをしてから受信者宛に送信しま す。この時点でパッケージは「マスタ」となり,発信者のファイル・キャビネットに 格納されます。承認用コピーは,添付文書をつけたり,マスタ・コピーの回覧リスト を変更し,さらに(または)パスワードを入力することによりサインを追加したりでき る受信者宛に送信されます。受信者はこのコピーを自分の個人用ファイル・キャビネ ットに保管できます。マスタ・コピーは,そのパッケージが有効である間は常に更新 されます。 ユーザの役割と方針 パッケージが有効である間,すべての関係者は1つまたは複数の定められた役割を担い ます。たとえば,ある段階では承認者となるユーザも別の段階では閲覧用コピー(cc:) の受信者となる場合があります。こういった役割は通常,そのパッケージの発信者ま たはテンプレートの設計者が割り当てます。その割当て方法はそのユーザに与えたい 権利(ユーザができること),義務(ユーザがすべきこと),場合によっては起動するア プリケーションの名前に応じて決定されます。 パッケージの追跡 ユーザのファイル・キャビネットに格納された任意のパッケージに対してその履歴を 追跡できます。追跡するよう指示すると,サーバは現状のマスタに関して閲覧用コピ ーを新規に作成し,それを送信します。 パッケージ履歴は,パッケージの進捗状況を監視するためにあります。パッケージ履 歴に記録される事象はサインをした日時,アプリケーション実行の有無,閲覧用コピ ーを送信した日時,および更新をした日時です。 回覧 回覧は回覧リストに沿って行われます。サーバは回覧リストに示された順番に受信者 にパッケージを送信します。受信者から改訂されたコピーを受信した後,サーバはマ スタを更新し新しいコピーをリスト中の次の受信者に送信します。 回覧リストはパッケージの発信者またはテンプレートの設計者が作成します。ただ し,回覧の途中で受信者によりリストが変更される場合があるので,パッケージが有 効な間に通過する経路は最初の回覧リストで指定された経路とは異なるかもしれませ ん。回覧は順番に行われるが,それと並行して閲覧用コピーを送ることもできます。 3 日本語TeamRoute for OpenVMS Version1.0 SPD 50.32.00 ソフトウェア仕様書 添付文書 添付文書とは,マスタ・パッケージといっしょに回覧される追加ファイルまたは追加 文書です。ファイルまたは文書が添付されると,サーバは添付文書を追加したユーザ 名,添付文書ID,追加した日時,ユーザが付けた表題ラベル,および添付文書のデー タ型をその文書に付けます。追加した日時は現地時間です。 サイン サインとはパスワードで保護された機能であり,パッケージの承認,否認,または確 認を示します。サイン後に添付文書が削除されたり,キー・フィールドの数値が変更 されたりするとそのサインは無効となります。 パッケージにサインを行うと,TeamRouteはサインをしたユーザの名前,サインをした 日時,そのユーザにより追加されたコメント,そしてそれらが承認されたことを示す 内容を追加します。受信者がサイン状況を参照すると,そのサインが現在も有効かど うかを表示させることができます。 ヘルプ ヘルプ機能を使用してTeamRouteのヘルプを参照することができます。ヘルプにより, マニュアルを見なくても知りたい機能の基本的な説明を読むことができます。すべて のヘルプは日本語で提供されています。 印刷 TeamRouteでは,日本語DEC MAILworksから提供される印刷機能も利用できます。ユー ザは出力先とオプションを指定できます。 編集 TeamRouteでは,日本語エディタを含む日本語DEC MAILworksから提供される複数のエ ディタの中から希望のエディタを選択し使用できます。 システム管理 日本語TeamRouteでは,独立した管理ユーティリティを提供しています。これらのユー ティリティを起動することで,クラスタ全体のシステム管理操作を集中管理すること が可能です。 4 日本語TeamRoute for OpenVMS Version1.0 SPD 50.32.00 ソフトウェア仕様書 ファイル・キャビネットのメンテナンスのために特にユーティリティを実行する必要 はありません。ユーザ・エリアのバック・アップやリカバリは標準のVMSユーティリテ ィを使用して行います。 ドキュメント インストレーション,システム管理,操作方法などに関する日本語ドキュメントはキ ットに入っています。 コンポーネント o 日本語TeamRoute 日本語TeamRouteには,VMSサーバ,システム管理ユーティリティ,テンプレート作 成ユーティリティ,およびVTクライアントが含まれています。日本語TeamRouteに は専用のライセンスとメディア・キット(メディアおよびドキュメント)がありま す。 日本語端末上でVTクライアントを使用すると,TeamRouteの各機能にアクセスでき ます。また,端末エミュレーション・モードで任意のデスク・トップ・デバイス からもアクセスできるので,TeamLinksのユーザは自宅で仕事をすることもできま す。 o 日本語TeamRoute for MS-Windows 日本語Microsoft Windows上で動くTeamRouteを実行する場合,TeamLinks for Windowsを実行していることが前提条件となります。また,その際は日本語 TeamRouteが必要となります。TeamLinks for Windowsについての詳細は, 『TeamLinks for Windows Version 1.0ソフトウェア仕様書』(SPD 46.33.00) を参照してください。 2 必要なハードウェア 『日本語TeamRoute for OpenVMS Version 1.0システム・サポート付加情報』(SSA 50.32.00-A)に指定されている,適切に構成されたプロセッサまたはハードウエアが必 要です。 5 日本語TeamRoute for OpenVMS Version1.0 SPD 50.32.00 ソフトウェア仕様書 3 必要なソフトウェア 日本語TeamRouteを実行するには以下のソフトウェアが必要です。 o 日本語OpenVMS o DECnet-VAX o 日本語DEC MAILworks VMSサーバ TeamRoute VTクライアントを使用する場合,さらに以下のソフトウェアが必要です。 o 日本語DEC MAILworks VTクライアント 必須ソフトウェアおよびオプション・ソフトウェアの情報と必要なバージョンについ ては日本語DEC MAILworksのシステム・サポート付加情報 (SSA 27.P7.00-x)を参照し てください。 また,他のサーバ上にいるユーザとの間でTeamRouteパッケージを送受信するにはVAX Message Router (SPD 26.33.xx)が必要です。 4 注文情報 最寄りの日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 5 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは日本DEC標準販売約款中のライセンス規定に基づいて提供されます。 日本DECのライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本DEC各支店/営業 所にお問い合わせください。 6 ライセンス管理機能 本ソフトウェアはVMSライセンス管理機能(LMF)をサポートしています。 日本語TeamRouteのライセンス単位は,無制限のシステム使用と個人使用を基準に割り 当てられています。 個人用ライセンスでは,特定の個人として識別されたユーザがレイヤード・プロダク トを使用できます。 6 日本語TeamRoute for OpenVMS Version1.0 SPD 50.32.00 ソフトウェア仕様書 ライセンス管理機能についての詳細は『VMS Operating System Software Product Description』(SPD 25.01.xx)またはVMS Operating Systemのドキュメント・セット中 の『License Management Facility Manual』を参照してください。 7 ソフトウェア製品サービス 日本DECでは,様々なサービス・オプションを提供しています。詳細については,最寄 りの日本DEC各支店/営業所にお問い合わせください。 8 ソフトウェア保証 本ソフトウェアについては,日本DEC標準販売約款中のライセンス規定に定められた保証 が提供されます。 _______________________ [R] Microsoftは米国Microsoft社の登録商標です。 [TM] Windowsは米国Microsoft社の商標です。 [TM] ALL-IN-1,CDA, CI,DECnet,MicroVAX, PATHWORKS,TeamLinks, TeamRoute,TK,VAX,VAX MAILGATE,VAXcluster,VAXft, VAXserver,VAXstation, VMSは米国Digital Equipment Corporationの米国における商標です。 7