Software Product Description _____________________________________________________________________________ 日本語VAX COBOL Version 5.4 for OpenVMS VAX ソフトウェア仕様書 SPD 25.B9.08 仕様書の包含する範囲 この文書は,日本語VAX COBOL for OpenVMS VAX (以下,日本語VAX COBOLと記す)のソ フトウェア機能仕様を述べたものです。 1 日本語VAX COBOLの概要 日本語VAX COBOLは,システム機能を最大限に利用した日本語OpenVMS VAXオペレーテ ィング・システムで稼動する事務処理業務のための高級言語です。日本語VAX COBOL は,X.23a-1989改訂版によって修正された1985年のANSI COBOL規格( X3.23-1985)に準 拠しています。 日本語VAX COBOLは,米国の連邦標準COBOL (FIPS PUB 21-3)の上位レベルに準拠する ためにNBS (連邦標準局)によって検証されています。 ユーザはDMLを使用すると,Oracle DBMS (Oracleデータベース管理システム)を介して DBMSデータベースにアクセスするプログラムを書くことができます。この機能を使用 するには,Oracle DBMSをインストールしておく必要があります。 日本語VAX COBOLは様々な業界標準およびDIGITAL拡張機能を含んでいます。DEC拡張機 能には,ソース言語レベルで可能な画面処理,ファイル共有およびレコード・ロック 機能があります。 1.1 DEC拡張機能 o 画面処理は,DISPLAYおよびACCEPT文を使用して実行します。プログラマはDISPLAY 文により,情報またはプロンプトを画面のどこにでも表示することができます。 ACCEPT文は,画面上の任意の場所で入力された情報を受け取り,実行中の日本 語VAX COBOLプログラムにその値を返します。DISPLAY文は,データを内部数値形式 から「ASCII表示形式」に変換します。ACCEPT WITH CONVERSION文は「ASCII表示」 で入力された文字を適切な内部数値形式に変換します。端末の種類は,実行中にオ ペレーティング・システムの情報により認識されます。 o RMSを使用して複合キー,降順キー,および重複主キーに関する処理の拡張など多 くのファイル処理機能を利用できます。 o RMS-STSおよびRMS-STV特殊レジスタは,デバッグを支援するために参照されます。 これらのレジスタは,OpenVMS RMS (レコード管理システム)からの状態値を持って います。 DIGITAL 1998 AE-PPPHE-TE o ファイルの共有およびレコード・ロック機能を使用することにより,複数のユーザ が1つのデータに同時にアクセスできます。 o 条件翻訳によりデバッグが容易になります。 o /INSTRUCTION_SET修飾子は,クラスの異なるVAXプロセッサに対してオブジェク ト・コード生成を最適化し,特殊な全プロセッサ機能を有効にします。 o COPY FROM DICTIONARY文は,DECのもう一つの拡張機能です。ユーザは,この文を 使用してOracle CDD/Repository for OpenVMS VAX (以下,CDD/Repositoryと記す) に格納された共通レコード定義にアクセスできます。この機能を使用するには, Oracle CDD/Repositoryをインストールしておく必要があります。 o 原始プログラムでターミナル正書法を使用できます。 1.2 プログラミングを簡単にする文 日本語VAX COBOLは,日本語OpenVMS for VAX環境でのプログラミングを簡単にするた めの文および拡張機能を提供します。 o CALL文の拡張 - BY VALUE - BY DESCRIPTOR - OMITTED - GIVING o VALUE IS EXTERNAL (実行時定数アクセス) o USAGE IS POINTER (アドレス・データ・タイプ) o VALUE IS REFERENCE (コンパイル時アドレス評価) o SET TO REFERENCE (リンク時アドレス評価) o SUCCESS/FAILURE (字類条件) o 31文字までのユーザ名が指定できる(日本語ユーザ名は15文字まで)。 o ACCEPT AT END文 o 文字定数に単一引用符( ' )が使用できる。 o ユーザ名では,ハイフン( - )とアンダースコア( _ )は同等。 o 文字定数引数受け渡しが可能。 日本語VAX COBOLコンパイラは,原始プログラムからオブジェクト・モジュールを生成 します。また,様々な情報を含むソース・リストも生成できます。このソース・リス トに取り込める情報は,ソース・コード・エラーの行と位置,機械語リスト,ファイ ル名マップ,データ名マップ,手続き名マップ,外部プログラム名マップ,サブスキ ーマ情報,および相互参照表などの診断表示です。相互参照表およびマップは,アル 2 ファベット順または定義された順に出力できます。相互参照表は,書込み可能なデー タと読込み専用のデータを区別します。 日本語VAX COBOLは,DEC LSE/SCA (Language- Sensitive Editor/Source Code Analyzer)に対するエラー・メッセージおよび相 互参照情報をサポートします。さらに日本語VAX COBOLは,低レベルのプログラム設計 のためにDEC LSE/SCAで使用される擬似コードおよび設計注記の処理をサポートしま す。 コンパイラで生成したオブジェクト・モジュールは, VAX BASICおよびDEC Fortranを含む他の言語で生成されたオブジェクト・モジュ ールとリンクすることができます。日本語VAX COBOLは,OpenVMS VAX RTL (実行時ラ イブラリ)とOpenVMS forシンボリック・デバッガの両方で使用できます。 日本語VAX COBOLには,COBOLコンパイラおよびREFORMATユーティリティが含まれてい ます。REFORMATユーティリティは,ソース・プログラムをDECターミナル正書法から ANSI規格COBOL正書法に変換します。また,その逆も可能です。 1.3 日本語機能 日本語VAX COBOLでは,次の日本語機能を提供しています。 o 日本語データ項目の定義 o 日本語定数の定義 o 日本語利用者語の定義 o 日本語COBOL原始プログラム登録集(ただし,COPY文による) o CDD/Repositoryで定義した日本語フィールド名,レコード名をCOPY FROM DICTIONARY文で指定可能。 o CDD/Repositoryで文字セットをKANJIとして定義した項目をCOBOLの日本語データ項 目として使用可能。 o 日本語データ項目を使用した関係条件,条件名条件(EVALUATE,IF,PERFORM, SEARCH文で使用) o 日本語データ項目の転記(MOVE文),初期化(INITIALIZE文) o 日本語文字列操作(INSPECT,STRING, UNSTRING文) o 日本語データ項目を使用したEVALUATE文 o かな漢字変換ACCEPT/DISPLAY文 o 日本語報告書作成 o 日本語注釈 o 日本語コンパイル・エラー・メッセージ o 日本語DCLヘルプ 3 o 英数字定数へのSS2付き半角カナ指定 o 注釈でのSS2付き半角カナ指定 o 英数字項目ACCEPT/DISPLAYでのSS2付き半角カナ入力/出力 o 日本語機能構文のDEC拡張としての検出 o Multivendor Integration Architecture (以下,MIAと記す) 仕様でサポートされ ない機能構文の検出 日本語VAX COBOLプログラムはVT282 (またはVT80),VT284,VT286,VT382端末から作 成できます。 日本語VAX COBOLは,JIS X 3002-1988 COBOLおよびMIA V1.2アプリケーション・プロ グラム・インターフェイス仕様プログラミング言語COBOLに準拠しています。 2 必要なハードウェアの最小構成 2.1 適用プロセッサ VAXft: VAXftモデル110, VAXftモデル310, VAXftモデル410, VAXftモデル610, VAXftモデル612 VAX: VAX 4000モデル50 VAX 4000モデル100, 100A, 105A VAX 4000モデル200 VAX 4000モデル300 VAX 4000モデル500, 500A, 505A VAX 4000モデル600, 606A VAX 4000モデル700A, 705A VAX 6000モデル210, 220, 230, 240 VAX 6000モデル310, 320, 330, 340, 360 VAX 6000モデル400, 410, 420, 430, 440, 450, 460 VAX 6000モデル510, 520, 530, 540, 550, 560 VAX 6000モデル600, 610, 620, 630, 640, 650, 660 VAX 7000モデル610, 620, 630, 640, 650, 660 VAX 7000モデル710, 720, 730, 740, 750, 760 VAX 8200, VAX 8250 VAX 8300, VAX 8350 VAX 8500, VAX 8530, VAX 8550 4 VAX 8600, VAX 8650 VAX 8700 VAX 8800, VAX 8810, VAX 8820, VAX 8830, VAX 8840 VAX 9000モデル110, 110VP VAX 9000モデル210, 210VP VAX 9000モデル310, 310VP VAX 9000モデル320, 320VP VAX 9000モデル330, 330VP VAX 9000モデル340, 340VP VAX 9000モデル410, 410VP VAX 9000モデル420, 420VP VAX 9000モデル430, 430VP VAX 9000モデル440, 440VP VAX 10000モデル610, 620, 630, 640, 650, 660 VAX-11/730, VAX-11/750, VAX-11/780, VAX-11/785 MicroVAX: MicroVAX II MicroVAX 2000 MicroVAX 3100モデル10/10E, 20/20E, 30, 40, MicroVAX 3100モデル80, 85, 90, 95, 96 MicroVAX 3200, MicroVAX 3300 MicroVAX 3400, MicroVAX 3500 MicroVAX 3600, MicroVAX 3800 MicroVAX 3900 VAXstation: VAXstation II/GPX, VAXstation II/QVSS VAXstation 2000/GPX, VAXstation 2000/MFB VAXstation 3100/GPXモデル38, 48, 76 VAXstation 3100/SPXモデル38, 48, 76 VAXstation 3100モデル30, 38, 40, 48, 76 VAXstation 3200 VAXstation 3500, VAXstation 3520 VAXstation 3540 VAXstation 4000モデル60, 90, 95, 96, VLC VAXserver: VAXserver 3100モデル10, 10E, 20, 20E 5 VAXserver 3200, 3300, 3400 VAXserver 3500, 3600, 3800, 3900 VAXserver 4000モデル200, 300, 400, 500,600 VAXserver 6000モデル210, 220 VAXserver 6000モデル310, 320 VAXserver 6000モデル410, 420 VAXserver 6000モデル510, 520 VAXserver 8200, 8250 VAXserver 8300, 8350 VAXserver 8530, 8550 VAXserver 8600, 8650 VAXserver 8700 VAXserver 8800, 8810, 8820, 8830, 8840 2.2 適用されないプロセッサ MicroVAX I,VAXstation I,VAX-11/725, VAX-11/782,VAXstation 8000 2.3 プロセッサ制限事項 スタンドアロンのMicroVAX 2000およびVAXstation 2000システムでは,TK50テープ駆 動装置が必要です。 2.4 必要なディスク容量(Block Cluster Size=1の場合) インストレーション時 約12,000ブロック に必要なディスク容 (6,300Kバイト) 量: インストレーション後 約3,000ブロック に必要なディスク容 (1,600Kバイト) 量: これらのディスク容量はシステム・ディスク上で必要となる数値を示したものであ り,概数です。実際の値はシステムの環境,構成,ソフトウェア・オプションに応じ て異なります。 6 3 オプション・ハードウェア o 日本語定数,日本語利用者語,日本語注釈,かな漢字変換,ACCEPT/DISPLAY文を使 用するためには,以下のハードウェアが必要です。 - VT282 (またはVT80), VT284,VT286,VT382端末などの漢字ディスプレイ装置 o 日本語データのプリントをするためには,以下のハードウェアが必要です。 - LA80またはLA84,LA86,LN03PLUS,LA280,日本語プリント・サーバなどのプリ ンタ 4 クラスタ環境 本レイヤード・プロダクトは,正規のライセンスを持つVAXcluster構成*の上にインス トールされている場合,機能上の制限は受けません。本ソフトウェアで必要とされる ハードウェアについては,本書の「必要なハードウェアの最小構成」の項に記述され ているとおりです。 * バージョン5.xのVAXcluster構成については『OpenVMS Cluster Software Product Description』(SPD 29.78.xx)に詳しく説明されています。また,この構成にはCI, EthernetおよびMixed Interconnect構成が含まれます。 5 必須ソフトウェア ターミナル対応のシステムの場合(日本語DECwindowsインターフェイスなし) o 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV6.1〜V7.1 日本語VWSが動作しているワークステーションの場合 o 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV6.1〜V7.1 o 日本語VMSワークステーション・ソフトウェアV4.4〜V4.5 日本語DECwindowsが動作しているワークステーションの場合 o 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV6.1〜V7.1 日本語VAX COBOLは次のいずれかの方法でも実行できます。 o スタンドアロン実行 X11ディスプレイ・サーバとクライアント・アプリケーションを同一マシン上で実 行します。 7 o リモート実行 X11ディスプレイ・サーバとクライアント・アプリケーションを別のマシン上で実 行します。 OpenVMSテーラリング OpenVMS VAXシステムで本レイヤード・プロダクトの全機能を得るには,次のOpenVMS 構成要素が必要です。 o OpenVMS Required Save Set o Programming Support OpenVMSのクラスおよびテーラリングについては, 『OpenVMS Operating System for VAX and Alpha Software Product Description』 (SPD 25.01.xx)を参照してください。 6 オプション・ソフトウェア 日本語OpenVMS V5.5で以下の機能を使用するためには,DEC Language-Sensitive Editor/Source Code Analyzer V4.3が必要です。 o /DESIGN修飾子 o /ANALYSIS_DATA修飾子 o 日本語VAX LSE 注意: DEC LSE/SCA V4.3は別に入手可能か,またはDECset Release 12.0に含まれて います。また,日本語VAX LSE/SCA V3.1は,日本語VAXset V10.0に含まれています。 また,DEC LSE/SCA V4.0はDECset V11.0に含まれています。詳しくは,SPD 27.07.xx を参照してください。 DML (Data Manipulation Language)機能を使用するために 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV5.4が動作している場合 o Oracle CODASYL DMBS o Oracle CDD/Repository 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV5.5が動作している場合 o Oracle CODASYL DBMS o Oracle CDD/Repository 8 日本語VAX COBOL COPY FROM DICTIONARY機能を使用するために 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV5.4が動作している場合 o Oracle CDD/Repository 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV5.5〜V6.0が動作している場合 o Oracle CDD/Repository 注意: COPY FROM DICTIONARYの日本語機能を使用するためには,日本語CDD /Repository for OpenVMS VAXの日本語機能が必要です。 日本語VAX COBOL Vertical Forms Printing (VFP)機能を使用するために o 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV5.4〜V6.2 7 バージョンアップの考慮 本製品の将来のバージョンでは,必要なハードウェアおよびソフトウェアの最小構成 が変更されることがあります。 8 提供媒体 テープ: 9トラック1600BPI磁気テープ TK50ストリーム・テープ 9 注文情報 最寄りの日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 10 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは日本DEC標準販売約款中のライセンス規定に基づいて提供されます。 日本DECのライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本DECの各支店/営 業所にお問い合わせください。 ライセンス管理機能 本ソフトウェアはOpenVMSライセンス管理機能(LMF)をサポートしています。 ライセンス単位には無制限ユーザ・システム,パーソナル・ユース,およびコンカレ ント・ユースがあります。 コンカレント・ユースでは,規定された人数内で同時にだれでも利用できます。パー ソナル・ユースでは,登録された1人のみが利用できます。 9 ライセンス管理機能についての詳細は,『OpenVMS Operating System for VAX and Alpha Software Product Description』(SPD 25.01.xx)またはOpenVMS VAXオペレー ティング・システムのドキュメント・セットの中の『License Management Facility Manual』を参照してください。 11 ソフトウェア製品サービス 日本DECでは,様々なサービス・オプションを提供しています。詳細については,最寄 りの日本DEC各支店/営業所にお問い合わせください。 12 保証 本ソフトウェアについては,日本DEC所定のソフトウェア保証基準に定められた保証が 提供されます。 [TM] DIGITAL Logo, CI, DECset,日本語DECwindows, Digital, MicroVAX,日本語 OpenVMS, TK, VAX, VAXcluster, VAXft, VAXserver, VAXset, VAXstation, VAX BASIC,日本語VAX COBOL, DEC Fortran, OpenVMS RMS, VMS, VT52, VT100, VT220, VT300はDigital Equipment Corporationの商標です。 [TM] OracleはOracle Corporationの登録商標,Oracle CODASYL DBMS, Oracle CDD /RepositoryはOracle Corporationの商標です。 10