Hewlett-Packard BA322-90103 日本語HP_OpenVMS_Integrity_V8.4をご使用のお客様へ 2010年10月 ご使用の前に必ずお読みください。 HP OpenVMSシステムをお使いいただきありがとうございます。ここで は,日本語HP OpenVMS Integrity V8.4をご使用の際にご留意いただき たい点についてご説明いたします。 1 日本語HP OpenVMS Integrity V8.4キットの内容 ここでは,日本語HP OpenVMS V8.4 for Integrity Serversのインスト レーション・キットに含まれているメディアおよびドキュメントについ て説明します。インストレーション・キットで提供するメディアの詳細 については,『日本語HP OpenVMS V8.4 CD/DVDユーザーズ・ガイド』を 参照してください。 1.1 DVDおよびCD インストレーション・キットには,以下のメディアが含まれています。 o 「HP OpenVMS Version 8.4 for Integrity Servers Operating Environment」DVD o 「HP Operating Environments Update for HP OpenVMS on HP Integrity Servers」DVD o 「HP Layered Products Library for HP OpenVMS on HP Integrity Servers」DVD o 「日本語HP OpenVMS Version 8.4ドキュメント」CD o 「HP OpenVMS V8.4 Online Documentation Library」CD o 「HP OpenVMS Layered Products Online Documentation Library for HP OpenVMS on HP Integrity Servers」CD (Vol.1および2 ) 上記のメディアの他,インストレーション・キットにはオープンソー ス・ツールのCDが含まれてます。 日本ヒューレット・パッカード株式会社 1.2 ドキュメント インストレーション・キットには,以下のドキュメントが含まれていま す。 o 『日本語HP OpenVMS V8.4をご使用のお客様へ』(現在お読みのレタ ー) o 『日本語HP OpenVMS V8.4 CD/DVDユーザーズ・ガイド』 o 『日本語HP OpenVMS V8.4インストレーション・ガイド』 o 『日本語HP OpenVMS V8.4リリース・ノート』 o 『HP OpenVMS V8.4インストレーション・ガイド[翻訳版]』 o 『HP OpenVMS V8.4リリース・ノート[翻訳版]』 o 『HP OpenVMS V8.4新機能説明書』 o 『Cover Letter for HP OpenVMS Version 8.4』 o 『HP OpenVMS License Management Utility Manual』 「日本語HP OpenVMS Version 8.4ドキュメント」CDには,OpenVMSのす べての日本語ドキュメントがPDFおよびHTML形式で含まれています。 2 2 日本語HP OpenVMS V8.4で提供する機能 HP OpenVMS V8.4で提供する新機能については,『HP OpenVMS V8.4新機 能説明書』を参照してください。 3 インストレーションの概要 ここでは,日本語HP OpenVMS Integrity V8.4のインストレーションの 概要について説明します。 実際にインストレーションを行う際には,『HP OpenVMS V8.4インスト レーション・ガイド[翻訳版]』および『日本語HP OpenVMS V8.4インス トレーション・ガイド』を必ずお読みください。 3.1 新規インストールの手順 日本語HP OpenVMS V8.4を新規にインストールする際の手順は以下のと おりです。 1. 「HP OpenVMS Version 8.4 for Integrity Servers Operating Environment」DVDでブートし,標準版OpenVMS V8.4をインストール してください。 2. 上記のDVDからVMSI18Nキットをインストールしてください。 3. 「HP Operating Environments Update for HP OpenVMS on HP Integrity Servers」DVDから日本語OpenVMS V8.4のキットをイ ンストールしてください。 4. 必要に応じてレイヤード・ソフトウェアをインストールしてくださ い。 3.2 以前のバージョンからアップグレードする場合 HP OpenVMS V8.4では,V8.2-1,V8.3あるいはV8.3-1H1からのアップグ レード・インストレーションをサポートしています。これらのバージョ ンからV8.4へのアップグレードの手順は以下のとおりです。 1. 古いバージョンの日本語DECwindows Motif (JDECWキットおよび DWMOTIF_I18Nキット)がインストールされている場合は削除してくだ さい。 3 2. システム・ブート時に日本語OpenVMSの古いバージョンのドライバが ロードされないように,SYS$UPDATE:JSY$REMOVE.COMを実行してくだ さい。 3. SYSTARTUP_VMS.COMを編集して,JSY$STARTUP.COMを自動起動するた めのコマンド行をコメントアウトしてください。 4. 標準版HP OpenVMS V8.4へアップグレードしてください。 5. 「HP OpenVMS Version 8.4 for Integrity Servers Operating Environment」DVDからVMSI18Nキットをインストールしてください。 6. 「HP Operating Environments Update for HP OpenVMS on HP Integrity Servers」DVDから日本語OpenVMSのキットをインスト ールしてください。 7. ウィンドウ環境を利用する場合は,続いて日本語DECwindows Motif をインストールしてください 4 インストレーションに関する注意事項 4.1 PCSIキットのSecure Delivery対応 OpenVMSでは,配布するPCSIキットの正統性を保障するためにSecure Delivery機能を提供しています。このため,配布メディアにはPCSI キットと共に検証用のファイルが含まれています。検証用のファイル は,PCSIキット名の最後に文字列_ESWまたは_HPCが付いたファイル名 となっています。キットによって最後の文字列が異なるのは,Secure Deliveryで使用するメカニズムがV8.4で変更されたためです。詳細は 『V8.4新機能説明書』を参照してください。 4.2 オペレーティング・システムの修正キット OpenVMSエンジニアリングではOpenVMS Integrity V8.4に対する修正キ ットを提供しています。修正キットにはOpenVMS Integrity V8.4で発見 された問題の修正が含まれていますので,OpenVMS V8.4が動作するすべ てのシステムに最新の修正キットをインストールすることをお勧めしま す。 4 修正キットは下記のURLからダウンロードできます。 http://itrc.hp.com なお,修正キットのダウンロードには適切なサポートサービスが締結さ れていることが必要になります。 5 BL860c i2,BL870c i2,BL890c i2サーバ・ブレードにインストール する際の注意事項 BL860c i2,BL870c i2,BL890c i2でOpenVMS V8.4をご利用の場合は, これらのハードウェアをサポートするための修正キットのインストール が必要です。 5.1 ハードウェア・サポート・キットのインストール BL860c i2,BL870c i2,BL890c i2などのIntel Itanium 9300プロ セッサを搭載したHP Integrityサーバ・ブレードは,修正キット VMS84I_UPDATE-V0200でサポートされています。これらのハードウ ェアでOpenVMSをご使用の場合は,OpenVMS V8.4をインストールした後 にVMS84I_UPDATE-V0200もしくはそれより新しい修正キットをインスト ールしてください。 修正キットは下記のURLからダウンロードできます。 http://itrc.hp.com なお,修正キットのダウンロードには適切なサポートサービスが締結さ れていることが必要になります。 5 5.2 VMS84I_UPDATE-V0200に関する注意事項および制限事項 VMS84I_UPDATE-V0200で提供されるBL860c i2,BL870c i2およびBL890c i2のサポート機能には,以下のような注意事項および制限事項がありま す。 o vMediaを接続した状態でSASディスクからOpenVMSをブートする際の 注意事項 BL860c i2,BL870c i2,あるいはBL890c i2サーバ・ブレードのSAS ディスクからOpenVMS Integrity V8.4をブートする際,vMediaが接 続されているとシステムがクラッシュする場合があります。SASディ スクからOpenVMSをブートする場合はvMediaの接続を外すことをお勧 めします。 o データ交換時に偶発的に通信が切れるとINVEXCEPTNエラーでクラッ シュする問題 vMediaとOpenVMSとの間でデータ交換が行なわれているときにネット ワークの接続が切れると,OpenVMSシステムがINVEXCEPTNエラーでク ラッシュします。また,外部DVDデバイスとOpenVMSとの間でデータ 交換が行なわれているときに外部DVDドライブのケーブルを引き抜く とOpenVMSシステムは INVEXCEPTNエラーでクラッシュします。 o VMS84I_UPDATE-V0200適用前のシステム状態に関する注意事項 VMS84I_UPDATE-V0200修正キットをインストールする前にBL8x0c i2 サーバ・ブレードでOpenVMS V8.4をブートした状態では,次のよう な問題があります。 - VGAコンソールがサポートされません。 - DECwindowsがサポートされません。 - デフォルトではSYSGENパラメータSYSTEM_CHECKがゼロになってい ます。このSYSGENパラメータをゼロ以外の値に設定した場合, SWIS_LOGを8に設定する必要があります。この設定は,ブート時 にスピンロックで激しいコンテンションが発生するのを避けるた めに必要になります。 6 - OpenVMSのインストレーション中に次のプロンプトに応答して追 加したブート・オプションは,9300シリーズのIntegrityブレー ドでは無効です。 Do you want to create or validate boot options? (Yes/No) [Yes] VMS84I_UPDATE-V0200修正キットをインストールした後に,BOOT_ OPTIONS.COMコマンド・プロシージャでブート・オプションを作 成してください。あるいは,vms_bcfgユーティリティやbcfgユー ティリティなどで作成したブート・オプションは有効です。 o WindowsシステムからのvMedia接続が切れた場合にサーバ・ブレード がハングする問題 Windowsシステムから接続されたvMediaがBL8x0c i2サーバ・ブレー ドで使用されている場合にWindowsシステムでネットワーク接続が切 れると,BL8x0c i2サーバ・ブレードがハングします。ハング状態か ら回復するためには,MP CMコマンドXD-Rを使用してBL8x0c i2サー バ・ブレードのMPをリセットしてください。 o 10 Gb LANポート経由でのInfoServerブートに関する注意事項 メモリ・ディスクを使用しないBL8x0c i2サーバ・ブレードの InfoServerブートは10 Gb LANポート経由ではサポートされてお らず,実行するとクラッシュが発生します。10 Gb LANポートから のInfoServerブートの実行方法については,『HP OpenVMS Version 8.4インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照してください。 o 不適切なダンプ・ファイル・サイズ 物理メモリ・サイズが大きなシステムでは,AUTOGENによる適切 なサイズでのページ,スワップ,およびダンプ・ファイルの作成 に失敗する場合があります。AUTOGENフィードバック・レポート SYS$SYSTEM:AGEN$PARAMS.REPORTを確認して,必要なサイズのペー ジ,スワップ,およびダンプ・ファイルをシステム・ブート後に手 動で作成することをお勧めします。 AGEN$FEEDBACK.REPORTを確認しAUTOGENがエラー・メッセージを出力 している場合は,このレポートに記述されている必要な対処を実施 してください。 7 o BL890c i2サーバ・ブレードで96のすべてのメモリ・スロットに4 GB メモリDIMMが装着されている場合の注意事項 96のすべてのメモリ・スロットに4 GBのデュアル・インライン・メ モリ・モジュール(DIMM)が装着されているBL890c i2サーバ・ブレー ド(96 * 4 GB = 384 GB)で,システム・メモリがMostlyNUMAあるい はBalancedでインターリーブ構成の場合,システムが不安定になり クラッシュする場合があります。 このようなシステム構成の場合は,OpenVMSシステムで利用できる以 下のいずれかのオプションを使用してシステム・メモリのインター リーブ構成を変更することをお勧めします。 - MaxNUMA - MostlyUMA - MaxUMA この変更は,EFIシェルで上記のいずれかのオプションを指定して memconfig -mi