Software Product Description _____________________________________________________________________________ ANET+ for OpenVMS AXP Version 2.8 SPD 48.73.01 ソフトウェア仕様書 仕様書の包含する範囲 この文書は,ANET+ for OpenVMS AXPのソフトウェア機能仕様を述べたものです。 1 ANET+の概要 ANET+ for OpenVMS AXP (以下ANET+)はOpenVMS AXPシステムをインターネット・コン ピュータ・ネットワーク上の1ノードとして機能させるための通信ソフトウエアです。 ANET+は通信プロトコルとして,米国国防総省(DoD)が規定し業界標準といわれている 『TCP/IP』,『UDP/IP』を採用しています。 本ソフトウエアにより,異機種/異なるオペレーティングシステムから構成されるマル チベンダー環境のネットワークの構築,またはマルチベンダー環境のネットワークへ のOpenVMS AXPシステムの追加が容易に実現可能です。 ANET+は以下の機能を備えています。その機能を実現するにあたってサポートするプロ トコルを続けて示します。 o ファイル転送ユーティリティ(FTP) ASCIIファイルとBINARYファイルの送受信のためのユーティリティです。 OpenVMS AXPでオペレーションをしてファイルを転送する場合と,異機種で オペレーション をしてファイル転送をする場合の両方のモードを備えています。 o 電子メイルユーティリティ(SMTP) 電子メイル送受信のためのユーティリティです。 メイルの送信はメイル送信用プ ログラムを使います。 受信したメイルはVMS MAILで読みます。 o 仮想端末ユーティリティ(TELNET) リモートログインのためのユーティリティです。 OpenVMS AXPから異機種へリモー トログインする場合と,異機種からOpenVMS AXP へリモートログインする場合の両 方のモードを備えています。 DIGITAL 1994年8月 ANET+ for OpenVMS AXP Version 2.8 SPD 48.73.01 ソフトウェア仕様書 o リモートWHO (RWHO) 隣接ホストの会話型ログインユーザを表示するユーティリティです。 o リモートSHELL (RSH) リモートでコマンドを実行させ,その標準出力をローカルホスト上に表示する ユー ティリティです。 異機種からOpenVMS AXPのDCLコマンドを実行させるためのサー バプログ ラムも備えています。 o リモートコピー(RCP) ホスト間のファイルのコピーをするためのユーティリティです。 リモート/ローカ ルの各方向でファイル転送が出来ます。 o リモートログイン(RLOGIN) リモートログインのためのユーティリティです。 OpenVMS AXPからRLOGINサーバの あるホストへのログインが出来ます。 TELNETと違い, UNIXホスト(サーバ)側の 設定により ユーザ名・パスワードの入力なしにログインする事が出来ます。 クラ イアントプログラムのみですので, リモートホストからOpenVMS AXPへのログイン は,出来ません。 o リモートプリントユーティリティ(LPR) OpenVMS AXPから異機種のプリンタに出力する場合と,異機種からOpenVMS AXP が 持つプリンタに出力する場合の両方が可能です。 o 簡易ファイル転送ユーティリティ(TFTP) UDP/IPプロトコルを使用した簡易型のファイル転送ユーティリティです。 FTPと同 様,OpenVMSでオペレーションをしてファイルを転送する場合と, 異機種でオペレ ーションをしてファイル転送をする場合の両方のモードを 備えています。 o ネットワークステータス表示ユーティリティ(DIAG) ANET+の稼動状況をモニターするためのユーティリティです。 送受信パケット数, エラー発生回数,エラーの詳細も表示しますから 障害発生時解析ツールとしても 使う事ができます。 o プログラムインターフェース TCP/IPプロトコル,UDP/IPプロトコルへのプログラムインターフェースを QIOシス テムサービスで提供します。高級言語による異機種との通信プログラム を作成す る事が可能です。 o ソケットライブラリ UNIXのソケットインターフェースに可能な限り互換性をもたせた ライブラリを提 供します。 C言語によるUNIX流の異機種との通信プログラムを作成することが可能 です。 2 ANET+ for OpenVMS AXP Version 2.8 SPD 48.73.01 ソフトウェア仕様書 o フィルタルーチン JIS,シフトJIS,及びEUC漢字コードとDEC漢字コードとの 相互変換をするルーチン を提供します。 このフィルタルーチンは,FTP, TELNET, SMTP, LPRの各クライア ントプロ グラム及びSMTP,FTP,LPRの各サーバプログラムで使用することが出来ま す。 o DECwindows Transport DECwindowsのTransportとしてTCP/IPを使用することが出来ます。 o BIND (resolver) BINDプロトコルをサポートしていますので,設定によりアドレス/ホスト名を 他ホ ストのname serverに問い合せることが出来ます。 これによりHOSTSデータベース の管理をローカルホストで個々に行う必要がなくなります。 o セキュリティ管理 o ANET+をIPルータとして使用する場合にIPパケッ トのフォワードを適切に許可 および禁止できます。 o ANET+の各ユーティリティへのアクセス をホスト又はネットワーク単位で許可 および禁止できます。 o NFS OpenVMS AXP上でNFS (Network File System)のサーバ機能を可能とするオ プショ ンソフトウェアです。 NFSの利用にはANET+/NFS for OpenVMS AXPオプションが必要です。 o DECnetリンク 通信媒体としてDECnetリンクが使用できます。 DECnetリンクの利用にはANET+/DNL for OpenVMS AXPオプションが必要です。 2 サポートするプロトコル o IP: Internet Protocol - RFC791等に準拠しています。 o ICMP: Internet Control Message Protocol - RFC792等に準拠しています。 o TCP: Transmission Control Protocol - RFC793等に準拠しています。 o UDP: User Datagram Protocol - RFC768等に準拠しています。 o ARP: Ethernet Address Resolution Protocol - RFC826等に準拠しています。 3 ANET+ for OpenVMS AXP Version 2.8 SPD 48.73.01 ソフトウェア仕様書 o TRAILER ENCAPSULATIONS: - RFC893等に準拠しています。 o RIP: Routing Information Protocol - RFC1058等に準拠しています。 o FTP: File Transfer Protocol - RFC765等に準拠しています。 ファイル転送機能 o SMTP: Simple Mail Transfer Protocol - RFC821等に準拠しています。 電子メイル機能 o TELNET: Telnet Protocol - RFC854等に準拠しています。 仮想端末機能 o RWHO o RSH o RCP o RLOGIN o TFTP: Trivial File Transfer Protocol - IEN133等に準拠しています。 o LPR リモートプリントユーティリティ o BIND: Berkeley Internet Name Domain service (resolver) o NFS: Network File System 3 DECnet, LATとの共存 ANET+ for OpenVMS AXPはEthernet/FDDIデバイスを通信インターフェースとして使用 しますが,一つのEthernet/FDDIデバイスをDECnet, LATと共有使用する事が可能で す。 逆に複数のEthernet/FDDIデバイスを持つプロセッサの場合,TCP/IPによる通信専用の Ethernet/FDDIデバイスを割り当てて使用する事も可能です。 4 ANET+ for OpenVMS AXP Version 2.8 SPD 48.73.01 ソフトウェア仕様書 4 ソース・コード情報 次に示すソースコードモジュールが提供されます。 o ANET+ for OpenVMS AXP固有のI/Oファンクションコード定義 o メッセージコード定義 o ソケットライブラリ用のヘッダファイル 5 インストレーション 本ソフトウエアにはインストレーションサービスを別途用意していますので,ご利用 下さい。 6 必要なハードウェア 『システム・サポート付加情報(SSA 48.73.01-A)』に指定された構成のAlpha AXPシ ステムが必要です。 7 必要なソフトウェア 日本語OpenVMS AXPオペレーティング・システムを必要とします。必要なソフトウ ェア/オプションソフトウェアのバージョンは『システム・サポート付加情報(SSA 48.73.01-A)』を参照してください。 8 注文情報 最寄りの日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 9 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは日本DEC標準販売約款中のライセンス規定に基づいて提供されます。 日本DECのライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本DECの各支店/営 業所にお問い合わせください。 5 ANET+ for OpenVMS AXP Version 2.8 SPD 48.73.01 ソフトウェア仕様書 10 ライセンス管理機能 本ソフトウェアはOpenVMSライセンス管理機能(LMF)をサポートしています。 ライセンス単位には,無制限ユーザ・システム,パーソナル・ユースおよびコンカレ ント・ユースがあります。パーソナル・ユースでは,登録された1人のみが利用できま す。コンカレト・ユースでは,規定された人数内で同時にだれでも利用できます。 ライセンス管理機能についての詳細は『OpenVMS AXP Operating System Software Product Description』またはOpenVMS AXPオペレーティング・システムのドキュ メント・セットの中の『OpenVMS System Manager's Manual』,『OpenVMS System Management Utilities reference Manual』を参照してください。 11 ソフトウェア製品サービス 日本DECでは,様々なサービス・オプションを提供しています。詳細については,最寄 りの日本DEC各支店/営業所にお問い合わせください。 12 保証 本ソフトウェアについては,日本DEC所定のソフトウェア保証基準に定められた保証が 提供されます。 _______________________ [TM] UNIXオペレーティング・システムは,UNIXシステムラボラトリーズ社が開発し, ライセンスしています。 [TM] NFSは米国Sun Microsystems社の商標です。 [TM] AXP, Alpha AXP, DEC, DECnet, DECwindows, DIGITALロゴ, OpenVMS, OpenVMS AXP, OpenVMS VAX, VAX,およびVMSは米国Digital Equipment Corporationの商標です。 6