HP Software Product Description _____________________________________________________________________________ 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 1 製品概要 hp DECforms for OpenVMS (DECforms)は,OpenVMSシステム上で動作する会話型アプリ ケーション用にフォーム・ベースのユーザ・インタフェースを開発して実行するため のソフトウェア製品です。DECformsは,完全なユーザ・インタフェース管理システム (UIMS)であり,フォーム・インタフェースのルック・アンド・フィールのみならず, アプリケーション実行時におけるユーザ・インタフェースを制御するための一連のダ イアログ管理機能および検証機能を提供します。 DECformsでは,アプリケーション・プログラマに対し,以下のエンド・ユーザ環境で フォーム・ベースのユーザ・インタフェースを作成するためのフォーム開発ツール一 式を提供します。 o VTベースの文字セル端末 o Webブラウザ(オプションのDECforms Web Connector製品と一緒に使用) o MotifベースのワークステーションおよびX端末 o PostScriptプリンタ より強力なMotifベースのデスクトップ・デバイスのビットマップ・ディスプレイを最 大限に利用するために,アプリケーション開発者が既存のVTベースのDECformsアプリ ケーションをアップグレードできるツール群も含まれています。 DECformsには,次の基本原理が盛り込まれています。 o フォームと機能の完全な分離 o フォーム処理の効率的な分散 o 使い易さ o ユーザ・インタフェース制御の柔軟性 o プログラミング言語からの独立 2003年1月 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 DECformsアーキテクチャに反映された最も強力な原理の1つは,フォームと機能の完 全な分離です。ユーザ・インタフェース処理は,アプリケーション・プログラムから 完全に排除され,フォーム自体の内部に分離されています。DECformsでは,フォーム はただ単にフォームの体裁を記述するフィールドやバックグラウンド・テキストの集 まりではありません。DECformsのフォームには,外観に関連する要素だけではなく, ユーザとフォームとの会話処理を制御するデータおよび手続き型要素も含まれていま す。アプリケーション・プログラムは,ユーザ・インタフェースにおけるデータの収 集および表示を気にせず,データ処理だけに専念できます。これにより,アプリケー ション・プログラムの開発は簡略化され,保守が容易になります。また,単一のアプ リケーションが,デバイスの性能やエンド・ユーザの要求に合致したユーザ・インタ フェースを備えた複数のエンド・ユーザ・デバイス環境をサポートすることが可能に なります。すなわち,単一のアプリケーション・プログラムがDECformsを使用するこ とにより,文字セル端末,Motifデバイス,およびWebブラウザ上のユーザと会話でき るようになります。 フォームは,幅と高さを(VT端末では,物理的な表示装置の枠内で)自由に設定できる1 つ以上のパネルで構成されます。アプリケーション・プログラムのリクエストを満足 するために必要なデータが1つの画面に物理的あるいは外観的に適さない場合は,必要 なフィールドおよびバックグラウンド・テキストをすべて含むために,複数のパネル を1つのフォーム内に定義することができます。このようにして,フォームは必要なだ け大きくすることができます。 パネルが画面に表示されるとき,画面のどこにでも配置することのできるビューポー ト(ウィンドウ)に表示されます。VTデバイスでは,DECformsによりこれらのビューポ ートを管理する完全なウィンドウ・システムが提供されます。Motifベースのデバイス またはWebブラウザでは,関連するウィンドウ・システムのサービスが使用されます。 このとき,各ビューポートは,別々のウィンドウに関連付けられています。VTデバイ スでは,ビューポートは静的であり,ユーザが移動することはできません。一方, MotifデバイスまたはWebブラウザでは,ユーザは必要に応じてビューポートを移動し たり,サイズを変更したり,アイコン化したりできます。DECformsは,関連するパネ ルを使用してビューポートを自動的に表示させたり削除したりすることによって,ア プリケーション・プログラムで必要なデータをすべて集めて表示します。 フォームは,フォーム記述言語(IFDL)によって記述されます。IFDLは,本質的には宣 言文構造ですが,手続き型構成要素も含まれます。フィールド・レベル制御,画面移 動,パネル管理,クロス・フィールドおよび関連の確認は,アプリケーション・プロ グラムに戻らなくても,IFDLによって実行可能な多くのフォーム処理アクティビティ の中で行われます。 DECformsでは,1つのアプリケーションが多数のタイプのユーザを,個々のエンド・ユ ーザ環境に適合化させたインタフェースでサポートすることができます。この場合, それら個々の環境は,デスクトップ・デバイスや自然言語のような要因によって異な ります。この適合化は,レイアウトと呼ばれる別のDECformsの構成要素を利用するこ とによって実現されます。特定の環境のために適合化された一連のパネルは,レイア ウト内でグループ化することができます。1つのフォームを異なる環境のために適合化 された複数のレイアウトで構成することができます。たとえば,1つのフォームにVTデ バイスとMotifデバイスのためのレイアウトを含めるとともに,英語のユーザ,フラン ス語のユーザ,およびドイツ語のユーザのための各レイアウトを含めることができま 2 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 す。簡略化のため,WebブラウザではVT用のレイアウトを使用します。DECformsは,実 行時に,エンド・ユーザ環境に適したフォームから1つのレイアウトを選択します。 1.1 特長 アプリケーション・プログラムは,ごく簡単な6つの呼び出しのレコード・レベルのイ ンタフェースを介してDECformsと会話します。単一のレコードも複数のレコードも1回 のリクエストで転送することができます。 すべてのフィールド・レベルの処理は,アプリケーション・プログラムによってでは なく,DECformsの実行時システムによって実行されます。DECformsの実行時システム では,幅広い種類のフォーム,パネル,およびフィールド・レベルの制御と,次の処 理能力が提供されます。 o 複数行テキスト・フィールド o フォーム内での簡単な数値演算 o 次の特性を持ったスクロール領域 - 垂直方向あるいは水平方向へのスクロール - 1次元または2次元配列を含む - 部分的または全行のスクロール - スクロールされる項目ごとの複数行 o フィールドの条件付き保護,強調表示,および非表示 o リアルタイム事象に基づくビデオ属性の動的な変更 o カーソルが存在するときのフィールドの強調表示 o ビデオ属性へのマッピングを介したVT241およびVT340端末上でのカラーのサポート o フォーマット確認 - 文字タイプ - 必須項目 - 最小限の長さ - フィールドを満たす - データ入力なし o 内容確認 - 範囲のチェック - リストのチェック o 状況確認 - 一般的な表現との対比 3 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 - クロス・フィールドの確認 o ファイル・ルックアップなどの,より複雑な確認処理を行うための,ユーザ定義ル ーチン(手続き型エスケープ・ルーチン)の呼び出し o VT上の組み込み型の柔軟なフィールド移動機能による,オペレータの自由なフィー ルド間の移動 o 文字セル端末およびMotifデバイス上でのフィールド項目のタイムアウト o 文字セル端末およびMotifデバイス上での挿入/重ね書きモードの切り替え Motifデバイスでは,DECformsは次のようなグラフィカル・ユーザ・インタフェース (GUI)の制御および表示機能を追加で提供します。 o ランダムなフィールド間移動やその他の画面機能のためのマウスの使用 o 完全なフォントおよびカラー・サポート o プッシュ・ボタン o スライダ・フィールド(スケール・ウィジェット) o データ配列,複数行テキスト・フィールド,およびパネル上での水平および垂直方 向のスクロール・バー o フィールド内,フィールド間,パネル間,およびウィンドウ間でのテキストのカッ ト・アンド・ペースト o 3D表示における影と境界 o 異なるライン・スタイルの開いた/閉じたポリライン o グレイ・スケールの塗りつぶしパターン Webブラウザでは,DECformsは,次のGUI制御および表示機能を追加で提供します。 o 選択可能なパネル表示スタイル o ランダムなフィールド間移動およびその他の画面機能のためのマウスの使用 o 変更可能なバックグラウンドおよびフォアグラウンド・カラー,画面サイズ,およ びフォント・サイズ o プッシュ・ボタン o 複数行テキスト・フィールドおよびパネル上での水平および垂直方向のスクロー ル・バー DECformsでは,オペレータの環境に合わせて機能を定義したり,キーボードを再定義 したりするための非常に柔軟なメカニズムも提供します。これには,多重キー機能定 義のサポートも含まれています。 o Motifデバイス上では,組み合わさったキー機能がサポートされています。 4 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 o Webブラウザ上では,PCキーボード上にないファンクション・キー(たとえばF13か らF20)用に異なる省略時のマッピングが提供されています。 DECformsはほとんどのOpenVMSデータ・タイプをサポートします。このことは,ほとん どの場合,アプリケーション・プログラムでデータ・タイプ変換を行う必要がないこ とを意味します。 DECformsでは,HP DATATRIEVEを使用して,RMS,Oracle Rdb,およびOracle CODASYL DBMSファイルに格納されているデータについて問い合わせたりレポートするための, 強力かつウィンドウ・ライクなフォームのインタフェースを実現できます。 DECformsでは,日本語OpenVMS V5.5-2からサポートしている日本語入力プロセス(FIP) による日本語入力をサポートします。 国際化機能 DECformsには,アプリケーションで多国語環境におけるユーザ・インタフェースのサ ポートを可能にする多数の国際化機能があります。これらの機能には,次のものがあ ります。 o 1つのフォームに数か国語のレイアウト o 国際データ・フォーマット o 小数点をカンマに置換することを含む数値データのフォーマッティング o 複数の文字通貨記号 o 複数の文字セット o 翻訳できるようにフィールドおよびリテラルが柔軟な位置にある o 翻訳が可能なOpenVMSメッセージ・ファイル o 文字セル端末およびMotifデバイス上での右から左へのテキスト方向を含むヘブラ イ語のフォーム開発および処理のための統合されたサポート 出力サポート 出力レイアウトを使用することにより,DECformsはPostScriptプリンタ出力用とし て,高品質なビットマップ・ハードコピー・フォームのレンダリング機能を提供しま す。出力レイアウトにはユーザ・インタフェースの指定を含みます。このインタフェ ースは出力専用であり,物理デバイスではなくファイルとして出力デバイスを指定し ます。このファイルは,最終出力あるいは複合文書への取り込みのために,他のDDIF 対応アプリケーションへの入力として使用できます。 出力レイアウトを使用することにより,DECformsは「バッチ出力」のコンセプトもサ ポートします。これにより,アプリケーションはDECformsを使用して,物理的な表示 装置を用いることなく,大量のフォーム出力を行うことができます。 5 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 1.2 構成要素 フォーム・マネージャ フォーム・マネージャは,アプリケーション・プログラムと表示装置との間のインタ フェースであり,端末上でのフォームの表示およびオペレータ入力を制御する実行時 システムです。フォーム・マネージャには,フォームとアプリケーションとの間の通 信を行うための6つのリクエストがあります。これらのリクエスト(フォーム・マネ ージャ内のルーチン)によって,アプリケーションでフォームの使用を許可したり, (別々にまたは1つの呼び出しで)フォームとの間でデータの送受信を行ったり,セッシ ョンの終わりにフォームを無効にしたり,あるいは非同期でリクエストを取り消した りできます。 フォーム・マネージャはDECformsの開発システムに含まれています。また,これとは 別に,オプションのDECforms実行時システムでも提供されています。このオプション で提供される唯一のDECforms構成要素はフォーム・マネージャです。実行時システム を使用すれば,アプリケーションの開発に使用するマシン以外のマシン上でDECforms を使用するアプリケーションを実行することができます。 Server Wrapper Object (SWO)プロセスは,フォーム・マネージャの実行時機能に対す る拡張であり,DECforms Web Connectorと一緒に使用されます。 フォーム開発環境(FDE) FDEは,フォーム設計者がフォームを会話式に作成できるようにするとともに,設計者 のフォーム作成および変更の多様な作業を支援するメニューを提供します。FDEは,フ ォームの外観を作成するために,VTベースまたはMotifベースのパネル・エディタと ともに使用されます。また,FDEでは,HP DECset for OpenVMS Systemsの一部である Language Sensitive Editor (LSE)を含め,テキスト・エディタを利用して,設計者が DECformsフォームを記述するフォーム記述言語(IFDL)で命令文を記述できるようにし ます。 フォーム記述言語(IFDL) IFDLは,DECformsのフォームを完全に記述する半手続き型言語です。これを使用する ことにより,フォーム設計者は,フォームの外観および機能を指定して,フォームを (非会話形式で)作成することができます。フォームの外観はパネル・エディタで完全 に作成できますが,ファンクション・キーへの特殊な応答や特殊なデータの確認な ど,フォームの手続き的な面は,IFDL文で直接指定しなければなりません。IFDLソー ス・ファイルは,任意のテキスト・エディタで作成または変更することができるテキ スト・ファイルです。 LSEテンプレートはIFDL言語で利用でき,IFDLソース・コードの作成および保守を支援 するのに役立ちます。DECformsでは,LSEのコンパイルおよびレビュー機能もサポート します。 また,IFDLには,Oracle CDD/Repositoryからレコードおよびフィールド定義を複 写するためのCOPY文も用意されています。DECformsは,特定のフォームがあるレ コードを使用したことを示す辞書中の情報を格納することによって,Oracle CDD /Repositoryの部分トラッキングをサポートします。DECformsでは,BASED ON属性で 6 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 定義されたOracle CDD/RepositoryレコードおよびRDB$RELATIONSを通して参照される CDD/Repositoryレコードを使用することもできます。 IFDLトランスレータ IFDLトランスレータは,IFDLソース・ファイルをバイナリ形式のフォーム・ファイル にコンパイルします。これで,フォーム・ファイルはそのアプリケーションで使用で きるようになります。その外観は,端末の画面上でテストしたり,印刷したりするこ とができます。バイナリ形式のフォーム・ファイルは,他のDECformsユーティリティ で分析したり,FDEまたはパネル・エディタで編集したりすることができます。 逆トランスレータ 逆トランスレータは,バイナリ形式のフォーム・ファイルをIFDLソース・ファイルに 変換します。つまり,IFDLトランスレータの逆の機能を行います。この逆トランスレ ータを使って,FDEまたはパネル・エディタで作成または変更されたフォームのIFDLソ ースを編集できるようになります。逆トランスレータが生成するIFDLソース文には, フォームの完全なテキストの説明も含まれます。 パネル・エディタ VTベースおよびMotifベースのパネル・エディタでは,ユーザは会話式に「WYSIWYG (What You See Is What You Get」方式で図形のフォーム要素を作成することができま す。パネル・エディタでは,フォームのパネルの視覚的な要素(バックグラウンド・テ キストとグラフィックス,およびフィールドの位置,サイズ,属性)を会話形式で作成 することができます。 VT-to-Pixelレイアウト・コンバータ VT-to-Pixelレイアウト・コンバータは,文字セル・レイアウトを含 むDECformsの.FORMバイナリ・ファイルを入力として読み込み,もとの文字セル・ レイアウトに加えてピクセル・レイアウトも含む.IFDLソース・ファイルを出力として 生成します。この新しいレイアウトはピクセル・レイアウトの「原型」であり,マウ スおよびフォントや色の使用のような,ピクセル・デバイスに追加された特性を効果 的に活用するために,手作業でのいくつかの修正が必要です。 出力ユーティリティ 出力ユーティリティは,次の3つの機能を行います。 o フォーム・ファイルからフォームのパネルの印刷可能な表現形式を生成します。 o フォームを含むオブジェクト・モジュールを作成します。これらのオブジェクト・ モジュールは,実行可能イメージ内で,メモリ常駐フォームとしてプログラムにリ ンクすることができます。これにより,1つのプログラムが1つのセッションまたは 複数のセッションでフォームを使用することができます。モジュールも,複数のプ ロセスからの複数のセッションによって使用するために,共用可能イメージ内にリ ンクすることができます。 7 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 o フォーム・ファイルで命名された手続き型エスケープ・ルーチンへのポインタまた はベクタを含むオブジェクト・モジュールを生成します。エスケープ・ルーチン は,フォームの外で追加の処理を行うために作成されたユーザ提供のサブルーチン へのフォームからの呼び出しです。 テスト・ユーティリティ テスト・ユーティリティを使用すると,フォームの外観をアプリケーション・プログ ラムとは別にテストすることができます。これにより,フォーム設計者は,最初にプ ログラムを作成しなくても,フォームのパネルの外観をチェックすることができま す。 サンプル・アプリケーションおよびデモンストレーション・フォーム サンプル・アプリケーションは,フォームおよびアプリケーション・プログラムがど のように会話するのかを示します。サンプルのうちの1つは,数個のパネルをもつ単 純なフォームと,フォーム・マネージャを介してフォームのリクエストを作成する単 純なアプリケーション・プログラムです。この入門的なサンプル・アプリケーション は,FORTRANおよびCのみで利用できます。 いくつかのフォームのリクエストを作成するアプリケーション・プログラムに加え, 多数のパネルとさまざまな事象への多数の応答を持ったフォームを含む,より複雑な サンプル・アプリケーションもあります。このアプリケーションは,Ada,BASIC,C, COBOL,DIBOL,FORTRAN,Pascal,およびPL/Iで利用できます。 サンプル・アプリケーションに加えて,DECformsの開発者用キットには,デモンスト レーション・フォーム,そのソース,およびDECformsの多数の重要な機能を説明する デモンストレーション・ガイドのパッケージが含まれています。 FMSコンバータ FMSコンバータは,HP FMS for OpenVMS (フォーム管理システム)で作成されたフォー ムまたはフォーム・ライブラリをDECforms IFDLソース・ファイルに変換する移行ツー ルです。この処理により,FMSフォームの外観をDECforms IFDLで記述された類似した 外観に変換します。ただし,FMSコンバータは,FMSフォームに関連するアプリケーシ ョン・プログラムまたはユーザ処理ルーチン(UAR)は変換しません。このコンバータ は,FMS V2.0以降で作成されたフォームで動作します。 TDMSコンバータ(OpenVMS VAXのみにて使用可能) TDMSコンバータは,Praxa社から提供されています。このコンバータは,HP TDMS for OpenVMS VAX (ターミナル・データ管理システム)で作成されたフォームとリクエスト 定義をDECformsのIFDLに変換します。このツールには,COBOLアプリケーション・プロ グラム内のTDMS呼び出しを同等なDECforms呼び出しに変換するためのCOBOLトランスレ ータも含まれています。詳細はTDMS@praxa.com.auにお問い合せ願います。 IBM 3270端末用のフォームの開発 8 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 DECforms V1.4の特別なバージョン(HP SNA 3270アプリケーション・サービス・ソフト ウェアの一部としてのみ提供) では,SNAネットワーク接続されたリモートのIBM 3270 端末およびPCのユーザが,フォームを使用したVAXおよびAlphaアプリケーションにア クセスできます。このDECformsの特別バージョンでは,3270データ・ストリームの生 成および解釈を行うことができるOpenVMS VAXおよびOpenVMS Alphaの両方で,3270ク ラスのデバイスおよび実行時システム上で表示するフォームの開発および保守を行う ユーザのために,OpenVMS VAX開発ツールに追加の機能が提供されています。DECforms のこのバージョンは,独立の製品として利用することはできず,HP SNA 3270アプリ ケーション・サービス・ソフトウェアおよびHP SNAドメイン・ゲートウェイと一緒に のみ使用できます。DECformsのこのバージョンのメディアおよびドキュメントは,HP SNA 3270アプリケーション・サービス製品に含まれていますが,このバージョンを使 用するには,標準のDECforms開発ライセンスが必要です。詳細については,「HP SNA 3270 Application Services Software Product Description (38.70.xx)」を参照して ください。 1.3 ドキュメント DECformsドキュメント・セットはDECforms開発用オプションと一緒に入手すること も,別に入手することもできます。DECforms実行時オプションのみとは入手できませ ん。ドキュメント・セットは,次のもので構成されます。 o Guide to Developing an Application o Guide to Commands and Utilities o Programmer's Reference Manual o IFDL Reference Manual o Style Guide for Character-Cell Devices o Guide to Converting FMS Applications o Installation Guide for OpenVMS Systems o Keypad Card o Release Notes 2 必要なハードウェア 2.1 ハードウェア構成 DECforms for OpenVMSは,日本語OpenVMSバージョン6.2以降を実行するハードウェア をサポートします。サポート対象ハードウェアの完全なリストについては,日本語 OpenVMSオペレーティング・システムの各リリースに付属しているSPDを参照してくだ さい。 9 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 2.2 サポートされる端末[1] VT100 AVO付きVT100 VT101 VT102 VT103 VT125 VT1312 VT220 VT240 VT241 VT282 VT3203 VT3303 VT3403 VT3823 VT80 1 日本語DECformsはVT100,VT200およびVT300シリーズのヘブライ語の端末装置もサ ポートします。 2 VT131はVT102モードでのみサポートされます。 3 日本語DECformsでは25行目のステータス行の使用,およびVT300シリーズ端末のロ ケータ装置の使用をサポートしていません。 2.3 端末エミュレータ ワークステーションやパーソナル・コンピュータ上の端末エミュレータは,端末エミ ュレータがエミュレートしている環境に準拠する範囲においてのみサポートされま す。 2.4 プリンタ DECformsの出力レイアウトは,PostScriptファイルに変換でき,PostScript対応のあ らゆるプリンタに出力できます。 DECformsの文字セル・パネルやフォームは,任意のプリンタで印刷できます。ビデオ 属性は印刷されません。また,線は線画用文字セットではなく"-","+","|"を使用し て描かれます。 10 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 2.5 必要なディスク容量(ブロック・クラスタ・サイズ= 1) これらのディスク容量は,システム・ディスク上で必要となるディスク容量を表した ものであり,概数です。実際の値は,システムの環境,構成,ソフトウェア・オプシ ョンに応じて異なります。 _____________________________________________________________________________ DECformsキット_____VAX__________Alpha________________________________________ 開発システムの 34,000ブ 41,500ブロック インストール時 ロック 17.0 MB 20.8 MB 開発システムの 33,000ブ 40,500ブロック 運用時 ロック 16.5 MB 20.3 MB 実行時システム 3,500ブロ 5,900ブロック のインストール ック 時 1.8 MB 3.0 MB 実行時システム 3,100ブロ 5,400ブロック の運用時 ック ___________________1.6_MB_______2.7_MB_______________________________________ 2.6 DECwindows Motifサポートのためのメモリ要件 同一システム上でのクライアントおよびサーバの両方の実行をともなった,スタンド アロンのDECwindows Motif環境で動作するアプリケーションに必要なメモリの最小値 は16MBです。 DECwindows Motifアプリケーションの性能およびメモリ使用は,システム構成に大き く依存します。サーバ(アプリケーションを表示する構成要素)が別のシステム上にあ る場合は,クライアント・システム(ソフトウェアがインストールおよび実行されるシ ステム)上では,より少ないメモリで済む場合もあります。一方,いくつかのアプリケ ーションを実行している場合は,メモリを増やす必要があったり,あるいはアプリケ ーションの性能を向上した方が望ましい場合があります。 3 必要なソフトウェア 3.1 端末を使用するシステムの場合 o 日本語OpenVMS Alphaオペレーティング・システムV6.2,V7.3およびV7.3-1 o 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV6.2およびV7.3 11 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 3.2 DECwindows Motifが動作するワークステーションの場合 o 日本語OpenVMS Alphaオペレーティング・システムV6.2,V7.3およびV7.3-1 o 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV6.2およびV7.3 o 日本語DECwindows Motif for OpenVMS V1.2-5以上 4 オプション・ソフトウェア o HP DECforms Web Connector V3.0以上 o Oracle CDD/Repository for OpenVMS V5.3-V7.0 o HP DECset for OpenVMS Systemsリリース11.2以降 o OpenVMS呼び出し標準に準拠するプログラミング言語 5 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアはライセンス規定に基づいて提供されます。弊社のライセンス条件と その方針についての詳細は,最寄りの日本HPの各支店/営業所にお問い合せください。 6 ライセンス管理機能(LMF) 本レイヤード製品は,OpenVMSライセンス管理機能(LMF)をサポートしています。 開発システム用のライセンス・ユニットは,ハードウェア階層による能力ベース,ま たはパーソナル・ユーザ・ベースで割り当てられます。各パーソナル・ユース・ライ センスでは,特定の1人の個人がレイヤード製品の使用を許可されます。実行時システ ム用のライセンス・ユニットは,ハードウェア階層による能力ベースまたはコンカレ ント・ユース・ベースで割り当てられます。各コンカレント・ユース・ライセンスで は,一度に任意の1人の個人がレイヤード製品の使用を許可されます。同時使用のユー ザ数をサポートするには,コンカレント・ユース・ライセンスをいくつか購入する必 要があります。 ライセンス管理機能についての詳細は,「OpenVMS Operating System Software Product Description (SPD 25.01.xx)」またはOpenVMSオペレーティング・システ ムのドキュメント・セットに含まれているライセンス管理機能のマニュアルを参照し てください。 7 クラスタ環境 本レイヤード製品は,制限事項がなく,ライセンス契約された有効なVMScluster構成 にインストールされた場合,完全にサポートされます。本ソフトウェア仕様書の必要 なハードウェアの項に,本ソフトウェアで必要とされる特別なハードウェアについて の詳細な記述があります。 12 日本語hp DECforms for OpenVMS V3.3 ソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.06 VMSclusterクラスタ構成については,「VMScluster Software Product Description (SPD 29.78.xx)」に完全に記述されており,CI,イーサネットおよび混在インタコネ クト構成を含みます。 8 提供媒体 本製品は,CD-ROM (OpenVMSソフトウェア・プロダクト・ライブラリの一部として)で 提供されています。 ソフトウェアのドキュメントは,OpenVMSオンライン・ドキュメント・ライブラリの一 部として,CD-ROMでも入手できます。 9 注文情報 最寄りの日本HPの各支店/営業所にお問い合わせください。 10 ソフトウェア製品サービス 日本HPでは,さまざまなサービス・オプションを提供しています。詳細については, 最寄りの日本HPの各支店/営業所にお問い合わせください。 11 バージョン・アップの考慮 本製品の将来のバージョンでは,必要なハードウェアおよびソフトウェアの最小構成 が変更されることがあります。 12 保証 本ソフトウェアには,弊社の所定のソフトウェア保証基準に定められた90日間の保証 が付きます。 上記の情報は,リリース時に有効なものです。最新の情報については,最寄りの日本 HPの各支店/営業所にお問い合わせください。 (c) 2003日本ヒューレット・パッカード株式会社 MotifはThe Open Groupの商標です。 本書に記載されている事項は,予告なく変更されることがありますので,あらかじめ ご承知おきください。万一,本書の記述に誤りがあった場合でも,日本HPは一切その 責任を負いかねます。 13