Software Product Description _____________________________________________________________________________ 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書 SPD 45.92.07 仕様書の包含する範囲 この文書は,日本語DIGITAL COBOL for OpenVMS Alpha (以下,日本語DIGITAL COBOL と記す)のソフトウェア機能仕様を述べたものです。 1 日本語DIGITAL COBOLの概要 日本語DIGITAL COBOLは,日本語OpenVMS Alpha オペレーティング・システムで稼動す る事務処理業務のための高級言語です。日本語DIGITAL COBOL(旧名DEC COBOL)は, X3.23a-1989改訂版によって修正された1985年のANSI COBOL規格( X3.23-1985)に準拠 しており,日本語VAX COBOL for Digital UNIX,日本語DIGITAL COBOL for Digital UNIXおよび日本語DIGITAL COBOL for Windows NT Alphaシステムの三言語とも互換性 があります。 日本語DIGITAL COBOLは,米国の連邦標準COBOL (FIPS PUB 21-3)の上位レベルに準拠 するためにNBS (連邦標準局)によって検証されています。 日本語DIGITAL COBOLには,各種の工業基準およびDIGITAL拡張機能を含まれていま す。DIGITAL拡張機能には,ソース言語レベルで可能な画面処理,ファイル共有,ANSI 報告書作成機能,X/Open機能などがあります。 COPY FROM DICTIONARY文は,DIGITALの拡張機能です。ユーザは,この文を使うこ とによってOracle CDD/Repository [TM] for OpenVMS Alpha (以下,Oracle CDD /Repositoryと記す)に格納された共通レコード定義にアクセスできます。この機能を 使うには,Oracle CDD/Repositoryをインストールする必要があります。 COBOLのもう1つのDIGITAL拡張であるデータ操作言語(DML)を使うと,Oracle DBMSデ ータベース製品からDBMSデータベースにアクセスするプログラムを書くことができま す。この機能を使うには,Oracle CODAYSL DBMS[TM]製品の他にDIGITAL COBOL DBMS プログラミング・ライセンス・オプションを追加でインストールする必要がありま す。また,構文およびOracle CODAYSL DBMSサポートの使用法については,『DIGITAL COBOL DBMS Database Programming』マニュアルをお取り寄せください。 最新のリリースでは、機能強化、バグ修正、条件制限、互換性チャートなどの技術情 報を提供します。DIGITAL COBOL V2.5リリース・ノートをご参照ください。 日本語DIGITAL COBOLは,工業基準であるSCREEN SECTION (X/Open[TM] Portability Guide, Release 3に記載)を支援しています。SCREEN SECTIONにより,ユーザ・インタ ーフェイス画面の設計が楽になり,効率よくなります。さらに,ACCEPT文とDISPLAY文 を(複数の文ではなく)それぞれ1文ずつ使用することで,データを画面全体に使用した り表示したりできるようになります。 DIGITAL 1998年 4月 16日 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書5.92.07 日本語DIGITAL COBOLでは,柔軟性および日本語 VAX COBOLとの互換性がさらに強化さ れ,次に示すようなDIGITAL拡張機能を提供します。 o DISPLAYおよびACCEPT文を使用した画面処理機能。 DISPLAY文は,情報またはプロンプトをビデオ画面上の任意の場所に表示する。 ACCEPT文は,画面上の任意の場所に入力された情報を受け取り,実行中の日本語 DIGITAL COBOLプログラムにその値を渡す。DISPLAY文は,データを内部数値形式か ら「ASCII表示形式」に変換する。ACCEPT WITH CONVERSION文は,\ASCII表示」で 入力された文字を適切な内部数値形式に変換する。端末の種類は,実行時にオペレ ーティング・システムからの情報により認識される。 o RMS-STSおよびRMS-STVの特殊レジスタ。 これらの特殊レジスタはデバッグを支援するために参照され,RMS for OpenVMS (レコード管理システム)からの状態値を持っている。 o ファイルの共有およびレコード・ロック機能。 これらにより,複数のユーザが1つのデータに同時にアクセスできる。 o RMSから使用可能な多様なファイル処理機能。 ファイル処理機能には,降順キーおよび重複主キーに関する処理の拡張が含まれ る。 o 条件コンパイルにより容易になったデバッグ機能。 o Oracle CDD/Repositoryのレコード定義およびフィールド定義へのアクセス。 o 原始プログラムのターミナル正書法。 o VAX COBOL現行リリースと強化算術互換性のあるCIT3 (COBOL Intermediate Temp) が利用可能になっています。 o ACCEPTは4桁年表示をサポートします。 日本語DIGITAL COBOLは,日本語OpenVMS環境でプログラミングを容易にする文をいく つか提供します。 o CALL文の拡張 - BY VALUE - BY DESCRIPTOR - OMITTED - GIVING o VALUE IS EXTERNAL (リンク時定数へのアクセス) o USAGE IS POINTER (アドレス・データ・タイプ) o VALUE IS REFERENCE (コンパイル時アドレス評価) o SET TO REFERENCE (リンク時アドレス評価) o SUCCESS/FAILURE (字類条件) 2 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書5.92.07 この他,次の拡張もあります。 o 31文字までのユーザ名(日本語ユーザ名は15文字まで)。 o ACCEPT AT END文。 o 文字定数に対する単一引用符( ' )の使用。 o ユーザ名におけるハイフン( - )とアンダスコア( _ )の同値化。 o 文字定数引数の受渡し。 o D,F,GおよびIEEE浮動小数点処理。 o X/Open SCREEN SECTION。 o X/Openが指定したRETURN-CODE特殊レジスタ。 o X/Openが指定したASSIGN TO構文。 o X/Openファイル共有およびレコード・ロック機能。 o ACCEPT文およびDISPLAY文によるX/Openコマンド行および論理名への対応。 o X/Open LINE SEQUENTIAL。 o 改善された診断メッセージによりますます強力になった「外部」機能へのサポー ト。 日本語DIGITAL COBOLコンパイラは,原始プログラムから実行用モジュールを生成しま す。また,様々な情報を含むソース・リストも生成できます。このソース・リストに 取り込める情報は,ソース・コード・エラーの行と位置,機械言語リスト,ファイル 名マップ,データ名マップ,手続き名マップ,外部プログラム名マップ,および相互 参照表などの診断メッセージです。相互参照表およびマップは,アルファベット順か 定義された順に出力できます。相互参照表は,書込み可能なデータを読込み専用のデ ータと区別します。 日本語DIGITAL COBOLは,DIGITAL LSE/SCA (Language- Sensitive Editor/Source Code Analyzer) for OpenVMS Alphaに対するエラー・メッセージおよび相互参照情報 をサポートします。 コンパイラで生成した実行用モジュールは,DEC CおよびDIGITAL Fortranなどの他の言語で生成された実行用モジュールとリンク することができます。日本語DIGITAL COBOLは,OpenVMS Alpha実行時ライブラリと OpenVMSデバッガの両方で使用できます。 日本語DIGITAL COBOLには,COBOLコンパイラおよびREFORMATユーティリティが含まれ ています。REFORMATユーティリティは,ソース・プログラムをDIGITALターミナル正書 法からANSI規格COBOL正書法に変換します。また,その逆も可能です。 3 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書5.92.07 実行時ライブラリの再配布 日本語DIGITAL COBOLキットには,更新された実行時ライブラリの共有可能イメージ が入っていることがあります。DIGITAL社では,実行可能な実行時ライブラリである DEC$COBRTL.EXEおよびLIBOTS2.EXE (別称RTL)を再生成して配布する行為に対し,制限 がなく,特許使用料のかからない世界共通のユーザ権利を付与しています。ただし, この権利は,ユーザが次のことを厳守することを条件に付与されます。 o ユーザは,日本語OpenVMS環境において稼動するように開発されたユーザ・ソフト ウェア・アプリケーションと一緒に,またはその一部としてのみRTLを配布するこ と。 o ユーザは,独自に開発したアプリケーション製品を販売する際の戦略として, DIGITAL社の名前,ロゴ,または商標のいずれをも使用しないこと。 o ユーザは,独自に開発したソフトウェア・アプリケーション製品のディスク・ラ ベル上に,および(または)付属マニュアルのタイトル・ページに日本語DIGITAL COBOLがDIGITAL社の商標であることを明記すること。 o 保証に同意し,DIGITAL社に迷惑をかけず,ユーザ独自に開発したソフトウェア・ アプリケーション製品の使用または配布により発生するいかなる損害賠償の請求ま たは訴訟に関する金銭トラブル (弁護士への謝礼金を含む)をも起こさないこと。 DIGITALでは,ここで明示したもの以外の特許,著作権,企業秘密,ライセンス, または他の所有権に基づいた明白なライセンスの使用を承認しません。 日本語機能 日本語DIGITAL COBOLでは,次の日本語機能を提供しています。 o 日本語データ項目の定義 o 日本語定数の定義 o 日本語利用者語の定義 o 日本語COBOL原始プログラム登録集(ただし,COPY文による) o 日本語データ項目を使用した関係条件,条件名条件 (EVALUATE,IF,PERFORM,SEARCH文で使用) o 日本語データ項目の転記(MOVE文),初期化(INITIALIZE文) o 日本語文字列操作(INSPECT,STRING,UNSTRING文) o 日本語データ項目を使用したEVALUATE文 o 日本語データ項目を使用したACCEPT文(書式1)/DISPLAY文 o 日本語報告書作成 o 日本語注釈 o 日本語コンパイル・エラー・メッセージ o 日本語DCLヘルプ o 英数字定数へのSS2付き半角カナ指定 4 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書5.92.07 o 注釈でのSS2付き半角カナ指定 o 英数字項目ACCEPT/DISPLAYでのSS2付き半角カナ入力/出力 o 日本語機能構文のDIGITAL拡張としての検出 o Multivendor Integration Architecture (以下,MIAと記す)仕様でサポートされな い機能構文の検出 日本語DIGITAL COBOLは,JIS X 3002-1988 COBOLおよびMIA V1.2アプリケーション・ プログラム・インターフェイス仕様プログラミング言語COBOLに準拠しています。 2 必要なハードウェアの最小構成 2.1 適用プロセッサ Alpha: AlphaServer 400シリーズ, AlphaServer 1000シリーズ, AlphaServer 2000シリーズ, AlphaServer 2100シリーズ, AlphaServer 8200シリーズ, AlphaServer 8400シリーズ DIGITAL 2100 Serverシリーズ, AlphaStation 200シリーズ, AlphaStation 250シリーズ, AlphaStation 400シリーズ, AlphaStation 600シリーズ DEC 2000モデル300/500 DEC 3000モデル300, 300L, 300LX, DEC 3000モデル400, 400S, DEC 3000モデル500, 500S, 500X, DEC 3000モデル600, 600S, DEC 3000モデル700, 700LX, DEC 3000モデル800, 800S, DEC 3000モデル900, 900LX, DEC 4000モデル600, DEC 4000モデル700 DEC 7000モデル600, DEC 7000モデル700 5 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書5.92.07 DEC 10000モデル600 2.2 必要なディスク容量(Block Cluster Size=1の場合) インストレーション時に 1800ブロック 必要な (0.9 MB) ディスク容量: インストレーション後に 1600ブロック 必要な (0.8 MB) ディスク容量: これらのディスク容量はシステム・ディスク上で必要となる数値を示したものであ り,概数です。実際の値はシステムの環境,構成,ソフトウェア・オプションによっ て異なります。 3 オプション・ハードウェア ACCEPTおよびDISPLAY文への画面処理拡張を使うには,VT100ファミリー,VT200ファミ リー,VT300ファミリー,またはVT400ファミリーの端末が必要です。 4 クラスタ環境 本レイヤード・プロダクトは,正規のライセンスを持つVAXcluster構成の上にインス トールされている場合,フルサポートされ,機能上の制限は受けません。本ソフトウ ェアに必要なハードウェアについては,本書の(必要なハードウェア)の項に記載され ているとおりです。 * VAXcluster構成については『VAXcluster SPD』(SPD 29.78.xx)に詳しく説明されて います。また,この構成にはCI,EthernetおよびMixed Interconnect構成が含まれ ます。 5 必須ソフトウェア o 日本語OpenVMS Alphaオペレーティング・システムV6.1〜V7.1 OpenVMSテーラリング OpenVMS Alphaシステムで本レイヤード・プロダクトの全機能を利用するには,次の OpenVMS構成要素が必要です。 o OpenVMS Required Save Set o Programming Support 6 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書5.92.07 o Utilities 6 オプション・ソフトウェア /ANALYSIS_DATA修飾子またはLSE (Language-Sensitive Editor)構成要素を使用するに は,次の製品をインストールする必要があります。 o DIGITAL LSE/SCA (Language-Sensitive Editor/Source Code Analyzer) V4.5 for OpenVMS Alpha(DECset V12.2に含まれています) DIGITAL COBOL COPY FROM DICTIONARY機能を使用するには次の製品をインストールす る必要があります。 o Oracle CDD/Repository DML拡張を使用するには次の製品をインストールする必要があります。 o Oracle CODASYL DBMS 7 バージョンアップの考慮 本製品の将来のバージョンでは,必要なハードウェアおよびソフトウェアの最小構成 が変更されることがあります。 注意: 製品のバージョン・アップデートとは,DIGITAL COBOLの旧バージョンを新し いバージョンに取り替える完全な提供媒体のことをいいます。アプリケーションを構 成する,ユーザ開発のソース・モジュールは,すべてバージョン・アップデート用の DIGITAL COBOLソフトウェアだけを使用してはじめからコンパイルおよび再構築しなお す必要があります。バージョン・アップデート最新版のDIGITAL COBOLソフトウェアの 個々の構成要素は,旧バージョンの構成要素と併用することができません。 8 配付メディア 日本語DIGITAL COBOL V2.5 for OpenVMS Alpha (バイナリ)が,OpenVMS Alpha追補ソ フトウェア製品ライブラリ (SPL -旧バージョンのConDIST) CD-ROMセットのみに用意 されています。 日本語DIGITAL COBOL V2.5 for OpenVMS Alphaの関連マニュアルが,(Alpha)追補オン ライン・マニュアル・ライブラリ (ODL -旧バージョンのConOLD) CD-ROMセットのみに 用意されています。 9 ご注文情報 ソフトウェア・ライセンス: QL-OJUJ*-** ソフトウェアおよび文書メディア(バイナリ・ファイルとブックリーダ・フォーマ ットの文書ファイルが入った,OpenVMS Alphaレイヤード製品用ライブラリCD-ROM): QA-03XAA-** 7 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書5.92.07 ソフトウェア製品メディア(バイナリ・ファイルが入った,OpenVMS Alphaレイヤード 製品用ソフトウェア製品ライブラリCD-ROM): QA-4KL8A-** ソフトウェア文書(ブックリーダ・フォーマットの文書ファイルが入ったOpenVMS Alphaレイヤード製品用オンライン文書ライブラリCD-ROM): QA-4KM8A-** 10 注文情報 最寄りの日本DIGITALの各支店/営業所にお問い合わせください。 11 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは日本DIGITAL標準販売約款中のライセンス規定に基づいて提供されま す。 日本DIGITALのライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本DIGITALの 各支店/営業所にお問い合わせください。 ライセンス管理機能 本ソフトウェアは,OpenVMS Alphaライセンス管理機能(LMF)をサポートしています。 ライセンス単位には無制限ユーザ・システム,パーソナル・ユース,およびコンカレ ント・ユースがあります。 コンカレント・ユースでは,規定された人数内で同時にだれでもレイヤード・プロダ クトを利用できます。パーソナル・ユースでは,登録された1人のみが利用できます。 ライセンス管理機能についての詳細は,『OpenVMS Operating System for Vax and Alpha SPD』(SPD 25.01.xx)またはOpenVMS Alphaオペレーティング・システムの付属 マニュアルを参照してください。 12 ソフトウェア製品サービス 日本DIGITALでは,様々なサービス・オプションを提供しています。詳細については, 最寄りの日本DIGITAL各支店/営業所にお問い合わせください。 13 保証 本ソフトウェアについては,日本DIGITAL所定のソフトウェア保証基準に定められた保 証が提供されます。 [TM] AlphaServer,AlphaStation,Bookreader,CI,DEC,DEC C,DEC COBOL, DIGITAL Fortran,DECset,DECwindows,Digital,OpenVMS,VAX, VAXcluster,VAX COBOL,VT100,VT220,VT300,VT420,およびDIGITALロゴ は,Digital Equipment Corporationの商標です。 8 日本語DIGITAL COBOL Version 2.5 for OpenVMS Alpha ソフトウェア仕様書5.92.07 [R] POSTSCRIPTはAdobe Systems Incorporatedの登録商標です。 [R] "X" device はX/Open Company Ltdの登録商標です。 X/OpenはX/Open Company Ltdの商標です。 [R] OracleはOracle Corporationの登録商標です。 [TM] Oracle CODASYL DBMSおよびOracle CDD/RepositoryはOracle Corporationの商標 です。 9