Software Product Description _____________________________________________________________________________ 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 仕様書の包含する範囲 この文書は,日本語DECforms V2.1A for OpenVMSのソフトウェア機能仕様を述べたも のです。本文中は,日本語DECformsを単に"DECforms"と記述します。 1 DECformsの概要 DECforms for OpenVMSはDECの戦略的な製品であり,OpenVMSシステム上で動作する会 話型アプリケーション用に開発された,フォーム・ベースのユーザ・インターフェイ ス管理システムです。DECformsは,完全なユーザ・インターフェイス管理システム (UIMS)であり,フォーム・インターフェイスの体裁のみならず,アプリケーション 実行時における一連のダイアログ管理機能およびユーザ・インターフェイスを制御す る検証機能を提供します。 DECforms for OpenVMSはアプリケーション開発者に対し,以下のエンド・ユーザ環境 でフォーム・ベースのユーザ・インターフェイスを作成するためのフォーム開発ツー ル一式を提供します。 o Motif[R]ベースのworkstationおよびX端末 o VTベースの文字セル端末 o PostScript [R]プリンタ より強力なMotifベースのデスクトップ・デバイスのビットマップ端末を最大限利用す るために,アプリケーション開発者が既存のVTベースのDECformsアプリケーションを アップグレードできるツール群も含まれています。 DECformsは,フォーム・インターフェイス管理システム(FIMS)(ISO標準11730)の ために提案されたANSI/ISO標準案を当社のOpenVMS環境で実現したものです。フォー ム・インターフェイス管理システムは産業ソフトウェア・システムであり,いかなる 企業あるいは企業グループ,いかなる組織あるいは組織グループの所有物でもありま せん。DECforms for OpenVMSは,CODASYL FIMS Journal of Developmentに説明されて いる全機能のサブセットに,OpenVMS環境用に調整された拡張機能を含めて提供しま す。 ANSI/ISO提案は標準提案プロセスを通して改良されますが,将来的には,当社のFIMS 製品はその提案に従います。DECformsソフトウェアで実現されているFIMS提案の要素 がCODASYL FIMS委員会によって変更された場合,たとえそれらの変更が前のバージョ ンとの互換性をなくすものでも,DECformsの将来のリリースに取り入れられることが あります。 DIGITAL 1995年12月 AE-PMLCD-TE 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 FIMSモデルの基礎となる基本原理は,DECformsで次のように具体的に表現されていま す。 o フォームとプログラムの完全な分離 o フォーム処理の効率的な分散 o 使い易さ o ユーザ・インターフェイス制御の柔軟性 o プログラミング言語からの独立性 DECformsアーキテクチャに反映された最も強力なFI- MS原理の1つは,"フォームとプ ログラムの完全な分離"です。DECformsでは,ユーザ・インターフェイス処理は,ア プリケーション・プログラムから完全に排除され,フォーム自身の中に分離されてい ます。DECformsでは,フォームはただ単にフォームの体裁を記述するフィールドや背 景テキストの集まりではありません。DECformsでは,フォームは外観と関連した単な る要素ではなく,ユーザとフォームとの間の会話処理を制御するデータおよび手続き 型要素を含んでいます。アプリケーション・プログラムは,ユーザ・インターフェイ スにおけるデータの収集および表示を気にせず,データ処理だけに専念できます。こ れにより,アプリケーション・プログラムの開発は簡略化され,保守が容易になりま す。また,単一のアプリケーションが,デバイスの容量やエンド・ユーザの要求に合 致したユーザ・インターフェイスを備えた複数のエンド・ユーザ・デバイス環境をサ ポートすることが可能になります。すなわち,DECformsを使用して,単一のアプリケ ーション・プログラムにより,ユーザはより洗練されたビットマップ・フォームを Motifベースのworkstationで使用するのと同じように,VT上で文字セル・ベースのフ ォームを使用できます。 フォームは,どんな幅および高さ(VT端末では,物理的な表示装置の枠内で)にもな りうる1つもしくは複数のパネルで構成されます。アプリケーション・プログラムのリ クエストを満たすために必要とされるデータが1つの画面に物理的にあるいは見た目に 合わないとき,必要なフィールドおよびバックグラウンド・テキストをすべて含むた めに,多数のパネルを1つのフォーム内に定義することができます。このようにして, フォームは必要なだけ大きくすることができます。 パネルが画面で表示されるとき,それらは画面のどの場所にも配置することができる ビューポート(ウィンドウ)に表示されます。VTデバイスでは,DECformsはこれらの ビューポートを管理する完全なウィンドウ・システムを提供します。Motifベースのデ バイスでは,Motifウィンドウ・システム・サービスが用いられます。ここで各ビュー ポートは別々のMotifウィンドウに割り付けられます。VTデバイスではビューポートは 静的であり,ユーザが移動することはできません。一方,Motifデバイスでは,ユーザ が必要に応じてビューポートを移動したり,サイズを変更したり,アイコン化したり できます。DECformsは,関連するパネルを使ってビューポートを自動的に表示させた り削除したりすることによって,アプリケーション・プログラムに必要なデータをす べて集めて表示します。 2 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 フォームはフォーム記述言語(IFDL)によって記述されます。最初に説明したよう に,IFDLには手続き型構成要素も含まれます。フィールド・レベル制御,画面移動, パネル管理,クロス・フィールドおよび関連の確認は,アプリケーション・プログラ ムにもどらなくても,IFDLによって実行可能な多くのフォーム処理活動の中で行なわ れます。 DECformsでは,1つのアプリケーションが多数のタイプのユーザを,特別なエンド・ユ ーザ環境に応じて調整したインターフェイスでサポートすることが可能です。ここで いうユーザ環境は,デスクトップ・デバイスや自然言語のような要因により異なりま す。この調整は,レイアウトと呼ばれるもうひとつのDECformsの構成要素を利用する ことによって実現できます。特定の環境のために調整された一連のパネルは,レイア ウトの中でグループ化することができます。1つのフォームは異なる環境のために各々 調整された多数のレイアウトで構成することができます。DECformsは,実行時に端末 ユーザに適したレイアウトをフォームの中から選択します。こうして英語,フランス 語およびドイツ語のユーザは,各々のレイアウトから,1つのフォームをVTデバイスと Motifデバイスの両方で使用できます。実行時には,DECformsはエンド・ユーザ環境に 応じて適切なレイアウトを1つ選択します。 アプリケーション・プログラムは,簡単な6つのレコード・レベルのインターフェイス を通してDECformsと会話します。1つのレコードも多数のレコードも,1回のリクエス トで転送することができます。 すべてのフィールド・レベルの処理は,アプリケーション・プログラムによってでは なく,DECformsの実行時システムによって実行されます。 DECformsの実行時システムでは,幅広い種類のフォーム,パネルおよびフィールド・ レベルの制御と,以下の処理能力を提供します。 o フォーム内での簡単な数値演算 o 次の特性を持ったスクロール領域 - 垂直方向あるいは水平方向にスクロールする - 1次元もしくは2次元配列を含んでいる - 部分的もしくは全行がスクロールする - スクロールされる項目ごとに複数の行がある o フィールドを条件付きで保護する,強調表示する,および表示しないようにする o リアルタイム事象に基づいたビデオ属性をダイナミックに変更する o カーソルが存在するときにフィールドを強調表示する o フォーマット確認 - 文字タイプ - 必要とされた項目 - 最小限の長さ - フィールドを満たす 3 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 - データ入力なし o 内容確認 - 範囲のチェック - リストのチェック o 状況確認 - 一般的な表現との対比 - クロス・フィールドの確認 o ファイル・ルックアップなどの,より複雑な確認処理を行うために,ユーザ定義ル ーチン(手続き型エスケープ・ルーチン)を呼び出します。 o 組み込み型の柔軟なフィールド移動機能により,オペレータはフィールド間の移動 を自由に行えます。 o フィールド項目のタイムアウト o 挿入/重ね書きモードの切り替え Motifデバイスでは,DECformsはオプションとして以下のようなグラフィカル・ユー ザ・インターフェイス(GUI)制御および表示機能を提供します。 o マウスを使用してランダムにフィールド間をナビゲートしたり,他の画面の機能を 利用する o 完全なフォントおよびカラー・サポート o プッシュ・ボタン o スライダー・フィールド o データ配列,複数行のテキスト・フィールドおよびパネル上の水平および垂直方向 のスクロール・バー o フィールド内,フィールド間,パネル間およびウィンドウ間でのテキストの切抜き および貼付け o 3D表示における影および境界 o 異なるライン・スタイルの開いた/閉じたポリライン o グレー・スケールの塗りつぶしパターン DECformsは,オペレータ環境に合わせて機能を定義し,キーボードを再定義するため の非常に柔軟なメカニズムも提供します。これは,多重キー機能定義のサポートを含 んでいます。Motifレイアウトでは,組み合わさったキー機能が提供されています。 DECformsはほとんどのOpenVMSデータ・タイプをサポートします。これは,データ・タ イプ変換がほとんどの場合,アプリケーション・プログラムによって実行される必要 がないことを意味します。 4 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 DECformsでは,DEC DATATRIEVEを使用して,RMS,Oracle Rdb[TM] for OPENVMSおよび Oracle CODASYL DBMS[TM]ファイルのデータを問い合わせたりレポートするための,強 力かつウィンドウ・ライクなインターフェイスを実現できます。 DECformsでは,日本語OpenVMS V5.5-2からサポートしている日本語入力プロセス (FIP)による日本語入力をサポートします。 2 国際化機能 DECformsには,アプリケーションが多言語の環境のユーザ・インターフェイスをサポ ート可能にする多数の国際化機能があります。これらには次のものがあります。 o 1つのフォームに数ヵ国語のレイアウト o インターナショナルなデータ・フォーマット o カンマを小数点に置換することを含む数値データのフォーマッティング o 多数の文字通貨記号 o 多数の文字集合 o 翻訳できるようにフィールドおよびリテラルが柔軟な位置にある o OpenVMSシステムでは,すべてのメッセージは翻訳できるようにOpenVMSメッセー ジ・ファイルの中に存在する o 右から左へのテキスト方向を含むヘブライ語のフォーム開発および処理のために統 合されたサポート 3 出力サポート 出力レイアウトを使用することにより,DECformsはPostScriptプリンタ出力用とし て,高品質なビットマップ・コピー・フォームを提供します。出力レイアウトはユー ザ・インターフェイスの指定を含みます。このインターフェイスは出力専用であり, 物理デバイスではなくファイルとして出力デバイスを指定します。このファイルは, 最終出力あるいは複合文書への取り込みのために,他のDDIF対応アプリケーションへ の入力として使用できます。 出力レイアウトを使用することにより,DECformsはまた"バッチ出力"のコンセプトを サポートします。これにより,アプリケーションはDECformsを用いて,物理的な表示 装置を用いずに大量のフォーム出力を行うことができます。 4 構成要素 フォーム開発環境(FDE) FDEは,フォーム設計者がフォームを会話式に作成することを可能にし,設計者のフォ ームの作成および変更の多様な作業を支援するメニューを提供します。FDEは,フォー ムの体裁を作成するために。VTベースあるいはMotifベースのパネル・エディタととも に使用されます。また,FDEではOpenVMS上のDEC Language-Sensitive Editor(そのプ 5 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 ロダクトを購入したユーザのためにも)を含むテキスト・エディタを利用して,フォ ーム記述言語(IFDL)でDECformsのフォームを記述することができます。 パネル・エディタ VTベースおよびMotifベースのパネル・エディタでは,"WYSIWYG(What you see is what you get)"方式で会話式に図形のフォーム要素を作成することができます。パネ ル・エディタでは,フォームのパネルの視覚的な要素(バックグラウンド・テキスト およびグラフィック,そして位置,大きさおよびフィールドの属性)を会話型で作成 することができます。 フォーム記述言語(IFDL) IFDLは,DECformsのフォームを完全に記述する半手続き型言語です。これによって, フォームの外観および機能を明示して,フォームを(非会話形式で)作成することが できます。フォームの外観はパネル・エディタによって完全に作成することができま すが,ファンクション・キーへの特殊な応答や,特殊なデータの確認などのフォーム の手続き的な面は,IFDL文を使用して直接指定しなければなりません。IFDLソース・ ファイルは,どのテキスト・エディタでも作成もしくは変更することができるテキス ト・ファイルです。 Language-Sensitive Editor (LSE)テンプレートは,IFDLソース・コードの作成および 保守を支援するのに役立ちます。DECformsは,Language-Sensi- tive Editorのコンパ イルおよびレビュー機能もサポートします。 IFDLには,Oracle CDD/Repository[TM]からレコードおよびフィールド定義を複写す るためのCOPY文もあります。DECformsは,特定のフォームがあるレコードを用いたこ とを示す辞書中の情報を格納することによって,Oracle CDD/Repositoryの部分トラ ッキングをサポートします。DECformsではまた,BASED ON属性で定義されたOracle CDD/Repositoryレコード,およびRDB$RELATIONSを通して参照されるCDD/Repositoryレ コードを使用することもできます。 IFDLトランスレータ IFDLトランスレータは,IFDLソース・ファイルをバイナリ形式のフォーム・ファイル にコンパイルします。これで,フォーム・ファイルをそのアプリケーションで使用で きるようになります。その外観は,端末の画面でテストしたり,印刷したりすること ができます。バイナリ形式のフォーム・ファイルは,その他のDECformsユーティリテ ィによって分析したり,FDEあるいはパネル・エディタで編集したりすることができま す。 逆トランスレータ 逆トランスレータは,バイナリ形式のフォーム・ファイルをIFDLソース・ファイルに 変換します。つまり,IFDLトランスレータの逆の機能を行います。この逆トランスレ ータを使って,FDEあるいはパネル・エディタによって作成あるいは変更されたフォー ムのIFDLソースを編集します。逆トランスレータが作るIFDLソース文には,フォーム の完全な本文の説明も含まれます。 6 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 出力ユーティリティ 出力ユーティリティは次の3つの機能を行います。 o フォーム・ファイルを印刷可能なテキスト・ファイルの形に変換します。 o フォームを含んでいるオブジェクト・モジュールを作成します。これらのオブジェ クト・モジュールは,メモリ常駐フォームとしてプログラムにリンクすることがで きます。これにより,1つのプログラムが1つあるいは多数のセッションでフォーム を使うことができます。モジュールは,多数のプロセスからの多数のセッションで 使用するために,共用可能イメージにリンクすることもできます。 o フォーム・ファイルで命名された手続き型エスケープ・ルーチンへのポインタある いはベクタを含んでいるオブジェクト・モジュールを作ります。エスケープ・ルー チンは,フォームの外で処理を行うためにユーザが作成する呼び出しです。 テスト・ユーティリティ テスト・ユーティリティでは,フォームの外観をアプリケーション・プログラムとは 別にテストすることができます。これによって,最初にプログラムを書かなくても, フォームのパネルの外観をチェックすることができます。 VT-to-Pixelレイアウト・コンバータ VT-to-Pixelレイアウト・コンバータは,文字セル・レイアウトを含むDECforms の.FORMバイナリ・ファイルを入力として読み込み,もとの文字セル・レイアウト に加えてピクセル・レイアウトをも含む.IFDLソース・ファイルを出力として生成しま す。この新しいレイアウトはピクセル・レイアウトの"原型"であり,マウスやフォン トや色の使用のような,ピクセル・レイアウトに追加された特徴を最大限に活用する ために,いくつかの修正が必要です。 FMSコンバータ FMSコンバータ(VAX,とアルファ版で使用可能)は,FMSフォームあるいはFMSフォー ム・ライブラリ中のフォームをDECformsのIFDLソース・ファイルに変換する移行ツー ルです。このコンバータは,FMSのフォームの外観を,DECformsのIFDLによって記述さ れた類似した外観に変換します。ただし,FMSのフォームに関連したアプリケーショ ン・プログラムあるいはユーザ処理ルーチンは変換しません。このコンバータは,FMS V2.0以降のバージョンで作成されたフォームで動作します。 VAX TDMSコンバータ (VAX版にみにて使用可能) VAX TDMSコンバータは,DECから別売で提供されます。(オーダーナンバー:ベースパ ッケージ QB-270AA-W*)このコンバータは,VAX TDMSフォームの外観およびリクエス ト定義を,DECformsのIFDLに変換します。このコンバータは,COBOLのアプリケーショ ン・プログラムに含まれるTDMS呼び出しを等価なDECforms呼び出しに変換するCOBOLト ランスレータをも含みます。 7 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 サンプル・アプリケーションおよびデモンストレーション・フォーム サンプル・アプリケーションは,フォームおよびアプリケーション・プログラムがど のように会話するかを示します。サンプルのうちの1つは,少数のパネルをもつ単純な フォーム,およびフォーム・マネージャを通してフォームのリクエストを作成する単 純なアプリケーション・プログラムです。この入門的なサンプル・アプリケーション は,OpenVMSシステム上のFORTRANでのみ利用できます。 いくつかのフォームのリクエストを作成するアプリケーション・プログラムと同様, 多くのパネルおよび多様な事象への多くの応答を持ったフォームを含むより複雑なサ ンプル・アプリケーションもあります。このアプリケーションは,OpenVMSシステム上 のAda,BASIC,C,COBOL,DIBOL,FORTRAN,PascalおよびPL/Iで利用できます。 サンプル・アプリケーションに加えて,DECformsのキットには,デモンストレーショ ン・フォーム,それらのソース,およびDECformsの多数のキー機能を説明するデモン ストレーション・ガイドのパッケージが含まれています。 フォーム・マネージャ フォーム・マネージャは,アプリケーション・プログラムと表示装置との間のインタ ーフェイスであり,端末上でのフォームの表示およびオペレータの入力を制御する実 行時システムです。フォーム・マネージャには,フォームとアプリケーションとの間 の通信を行うための6つのリクエストがあります。これらのリクエスト(フォーム・ マネージャ中のルーチン)によって,アプリケーションでフォームの使用を許可した り,(別々にあるいは1つの呼び出しで)フォームとデータを送信/受信したり,セッ ションの終わりにフォームを無効にしたり,非同期でリクエストを取り消したりでき ます。 フォーム・マネージャはDECformsのフル開発キットの中に含まれます。また,これと は別に,オプションのDECforms実行時キットでも提供されます。このオプションで提 供される唯一のDECforms構成要素は,フォーム・マネージャです。実行時キットを用 いれば,アプリケーションを開発したのとは別のマシン上でDECformsを使用してアプ リケーションを実行できます。 DECadmireを使用したDECformsコードの生成 DECforms開発環境とパネルエディタツールを使う代わりに,DECadmireを使って DECforms IFDLソースコードを生成ことができます。DECadmireは,DECformsタイ ムシェアリングおよびアプリケーションのトランザクションのためのプロトタイピン グおよびコード生成ツールです。DECadmireでは,COBOL,PascalおよびFORTRANの3GL コードやOracle CDD/Repositoryのコード,データーベース・アクセスのためのSQL, さらにVAX ACMSのタスクおよびタスク・グループ定義と同様,エラーのないDECforms IFDLソース・コードを生成します。アプリケーション起動時使用に備えた、 .FORMフ ァイルを作成するためには、DECforms開発キットが、必要です。詳しくはDECadmireの SPD(52.65.xx)を参照してください。 8 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 ドキュメント 日本語DECformsのドキュメント・セットは,次のもので構成されます。 o 日本語ドキュメント - 日本語DECformsアプリケーション開発の手引き - 日本語DECformsコマンドおよびユーティリティの手引き - 日本語DECformsプログラマーズ・リファレンス・マニュアル - 日本語DECforms IFDLリファレンス・マニュアル - 日本語DECforms日本語機能の手引き o 英語ドキュメント - DECforms Style Guide for Character-Cell Devices - DECforms Guide to Converting FMS Applications - DECforms Master Glossary and Index - DECforms Keypad Card 5 必要なハードウェア 適用されるアルファプロセッサ Alpha: DEC 2000 モデル300 サーバー DEC 2000 モデル500 サーバー DEC 2100 サーバー DEC 3000 モデル300 ワークステーション DEC 3000 モデル400 ワークステーション DEC 3000 モデル400 サーバー DEC 3000 モデル500 ワークステーション DEC 3000 モデル500 サーバー DEC 3000 モデル600/700 ワークステーション DEC 3000 モデル800 サーバー DEC 3000 モデル900 ワークステーション DEC 4000 モデル500 システム DEC 4000 モデル610 システム DEC 4000 モデル710 サーバー DEC 7000 モデル600 サーバー DEC 7000 モデル700 サーバー DEC 10000モデル610 システム 9 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 適用されるVAXプロセッサ VAX: VAXftモデル110, VAXftモデル310, VAXftモデル410, VAXftモデル610, VAXftモデル810 VAX: VAX 4000モデル50, VAX 4000モデル100/100A/105, VAX 4000モデル200, VAX 4000モデル300, VAX 4000モデル400, VAX 4000モデル500/500A, VAX 4000モデル600A, VAX 4000モデル700A VAX 6000モデル200シリーズ, VAX 6000モデル300シリーズ, VAX 6000モデル400シリーズ, VAX 6000モデル500シリーズ, VAX 6000モデル600シリーズ VAX 7000モデル600シリーズ, VAX 7000モデル700シリーズ VAX 8200, VAX 8250, VAX 8300, VAX 8350, VAX 8530, VAX 8550, VAX 8600, VAX 8650, VAX 8700, VAX 8800, VAX 8810, VAX 8820, VAX 8830, VAX 8840, VAX 8842, VAX 8974, VAX 8978 VAX 9000モデル210, VAX 9000モデル400シリーズ VAX 10000モデル600シリーズ, VAX 10000モデル700シリーズ VAX-11/750, VAX-11/780, VAX-11/785 MicroVAX: MicroVAX II, MicroVAX 2000, MicroVAX 3100モデル10e, MicroVAX 3100モデル20e, MicroVAX 3100モデル40, 10 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 MicroVAX 3100モデル80, MicroVAX 3100モデル90, MicroVAX 3100モデル95, MicroVAX 3300, MicroVAX 3400, MicroVAX 3500, MicroVAX 3600, MicroVAX 3800, MicroVAX 3900 VAXstation: VAXstation II, VAXstation 2000, VAXstation 3100, VAXstation 3200, VAXstation 3500, VAXstation 3520, VAXstation 3540 VAXstation 4000モデル60, VAXstation 4000モデル90, VAXstation 4000 VLC VAXserver: VAXft 110/310/410/610サーバ VAXserver 3100, VAXserver 3300, VAXserver 3400, VAXserver 3500, VAXserver 3600, VAXserver 3602, VAXserver 3800, VAXserver 3900 VAXserver 4000モデル200, VAXserver 4000モデル300, VAXserver 4000モデル500 VAXserver 6000モデル210/220, VAXserver 6000モデル310/320, VAXserver 6000モデル410/420, VAXserver 6000モデル510/520, VAXserver 6000モデル610/620/630 VAXserver 9000モデル110/310/320/330/340 適用されないプロセッサ o MicroVAX I o VAXstation I o VAX-11/725 o VAX-11/730 o VAX-11/782 o VAXstation 8000 11 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 プロセッサ制限事項 スタンドアロンのMicroVAX 2000およびVAXstation 2000では,TK50テープ駆動装置が 必要です。 端末装置[1] VT100 AVO付きVT100 VT101 VT102 VT103 VT125 VT131[2] VT220 VT240 VT241 VT282 VT320[3] VT330[3] VT340[3] VT382[3] VT80 [1]日本語DECformsはVT100, VT200およびVT300シリーズのヘブライ語の端末装置もサ ポートします。 [2]VT131はVT102モードでのみサポートされます。 [3]日本語DECformsでは25行目のステータス行の使用,およびVT300シリーズ端末のロ ケータ装置の使用をサポートしていません。 端末エミュレータ workstationやパーソナル・コンピュータ上の端末エミュレータは,VT100およびVT241 用の端末エミュレータをサポートします。 プリンタ DECforms出力レイアウトは,PostScript [R]ファイルに変換でき,さらにあらゆる PostScript対応のプリンタに出力できます。 日本語DECformsの文字セルパネルやフォームは,当社のプリンタで印刷することがで きます。ビデオ属性は印刷されません。また,線は線画用文字セットではなく"-", "+", "|"を使って描かれます。 12 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 必要なディスク容量- OpenVMS (Block Cluster Size=1の場合) インストール時 フル開発システム: 約42,000ブロック (21Mバイト) 実行時システム: 約38,800ブロック (1.9Mバイト) 運用時 フル開発システム: 約2,500ブロック (1.3Mバイト) 実行時システム: 約2,000ブロック (1.1Mバイト) これらのディスク容量は,システム・ディスク上で必要となるディスク領域を表した ものであり,概数です。実際の値は,システムの環境,構成,ソフトウェア・オプシ ョンに応じて異なります。 DECwindowsサポートにおけるメモリ要件 同一システム上でのクライアントおよびサーバの両方をともなった,スタンドアロン のDECwindows環境で動作するアプリケーションに必要なメモリの最小値は,16メガバ イトです。 DECwindowsアプリケーション実行時の性能およびメモリの消費は,システムのコンフ ィギュレーションに大きく依存します。もしサーバ(アプリケーションを表示する構 成要素)が他のシステム上にある場合は,クライアント・システム(ソフトウェアが インストールおよび実行されるシステム)上では,より少ないメモリで済む場合もあ ります。一方,いくつかのアプリケーションを実行している場合,メモリを増やした 方が望ましい場合があります。あるいはアプリケーションの性能を向上したほうがよ い場合もあります。 6 必要なソフトウェア 必要なソフトウェアは,以下の通りです。 端末(非DECwindowsインターフェイス)を使用する場合 o 日本語OpenVMS VAXオペレーティング・システムV6.1以上 DECwindowsが動作するワークステーションの場合 o 日本語OpenVMSオペレーティング・システムV6.1以上 o 日本語DECwindows Motif V1.1 for OpenVMS 13 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 OpenVMSテーラリング 本レイヤード・プロダクトの全機能を得るには,次のOpenVMS構成要素が必要です。 o OpenVMS Required Saveset o Programming Support o Utilities 7 オプション・ソフトウェア o Oracle CDD/Repository for OpenVMS o DECsetリリース11.2 for OpenVMS o OpenVMS呼び出し標準に準拠するプログラミング言語 o 日本語OpenVMS V5.5-2からサポートされる日本語入力プロセス(FIP) 8 バージョンアップの考慮 本製品の将来のバージョンでは,必要なハードウェアおよびソフトウェアの最小構成 が変更されることがあります。 9 提供媒体 VAXシステム o 9トラック1600BPI磁気テープ o TK50ストリーム・テープ この製品は、OpenVMS統合ソフトウェア配給の一部として、CD-ROMでも入手できます。 本製品のドキュメントは, OpenVMSオンライン・ドキュメントライブラリの一部とし て、CD-ROMでも入手できます。 10 注文情報 最寄りの日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 11 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは,日本DEC標準販売約款中のライセンス規定に基づいて提供されま す。日本DECのライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本DECの各支 店/営業所にお問い合わせください。 14 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 12 ライセンス管理機能のサポート 本ソフトウェアは,以下のOpenVMSライセンス管理機能(LMF)をサポートしていま す。 o フル開発システム - パーソナル・ユース・ライセンス - 無制限ユーザ・システム・ライセンス o 実行時専用システム - コンカレント・ユース・ライセンス - 無制限ユーザ・システム・ライセンス 制約を受けずに自由にアクセスしたいユーザが存在するアプリケーションに対して は,コンカレント・ユース・ライセンスではなく,無制限ユーザ・システム・ライセ ンスを使用してください。特に,ACMSベースのアプリケーションには無制限ユーザ・ システム・ライセンスの使用をおすすめします。 OpenVMSのライセンス管理機能についての詳細は,「OpenVMS Operating System Software Product Description (VAX:SPD 25.01.xx,ALPHA:SPD 41.87.xx)」また はOpenVMSオペレーティング・システムのドキュメント・セットを参照してください。 13 ソフトウェア製品サービス 日本DECでは,様々なサービス・オプションを提供しています。詳細については,最寄 りの日本DEC各支店/営業所にお問い合わせください。 14 保証 本ソフトウェアについては,日本DEC所定のソフトウェア保証基準に定められた保証が 提供されます。 [R] IBMは,米国International Business Machines社の商標です。 [R] Motif Open Software Foundation [R] Oracle Oracle [TM] Oracle CDD/Repository Oracle [R] PostScriptは,米国Adobe Systems社の商標です。 [TM] Oracle CODASYL DBMS Oracle [TM] Oracle Rdb Oracle 15 日本語DECforms Version 2.1Aソフトウェア仕様書 SPD 26.K4.04 [TM] The DIGITAL Logo, ACMS, CI, DATATRIEVE DECforms, DECwindows, Digital, openVMS, TK, VAX, VAXFMS, VAXstation VMS, VT100, VT220, VT300, VT320, VT330, VT340, VT420, VT2000は米国Digital Equipment社の商標です。 16