Software Product Description _____________________________________________________________________________ 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 使用書の包含する範囲 この文書は,日本語DEC DATATRIEVEのソフトウェア機能仕様を述べたものです。ここ で日本語DEC DATATRIEVEは,日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS VAXお よび日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS AXPを指します。 ここで記述されている内容は,2つの製品に共通です。2つの製品間の機能的な違いに ついては,それぞれ場合分けをして記述してあります。他製品のサポートに関する違 いについては,『システム・サポート付加情報(SSA 25.J6.02-A)』を参照してくださ い。 1 日本語DEC DATATRIEVEの概要 日本語DEC DATATRIEVE for OpenVMS VAXシステムおよび日本語DEC DATATRIEVE for OpenVMS AXPシステムは,OpenVMSオペレーティング・システム上での問合せ,レポー ト,およびデータを管理します。OpenVMS上のRMS, DEC Rdb, DEC DBMSファイルに格納 されたデータ,およびRdbAccessによりアクセスできる他のデータベース上のデータへ アクセスすることができます。DEC DATATRIEVEを使用すると,経験を積んだユーザだ けでなく初心者でも,データ・ファイルの編成や物理的な記憶場所を意識することな く,データの検索や変更を行えます。 【操作のモード】 日本語DEC DATATRIEVEは,さまざまな形式で情報を表示します。簡単な指定で情報を 表示できますし,レポート・ライタを用いてよりきめこまかに情報を出力することも できます。出力方法としては,ターミナルやワークステーション上に表示したり,ハ ード・コピー装置にプリントしたり,あるいは,ファイルに書き込むことができま す。また,グラフ形式で表示したり,日本語VAX FMSあるいはVAX TDMS形式を用いて, ユーザが定義した形式で情報を表示することもできます。グラフ形式の出力はREGISで す。これは,REGIS対応の装置,あるいはコンバータにより制御されます。日本語DEC DATATRIEVEは,DECnetでリンクした他のAXP, VAX,およびPDP-11システムに格納された 情報に効率的にアクセスできます。 DIGITAL 1993年10月 AE-PLP3B-TE 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 日本語DEC DATATRIEVEは,簡単なコマンドを使って会話形式で,データを検索,修 正,格納,および削除することができます。頻繁に使用するコマンドの組み合せは, プロシージャとして格納しておき,そのプロシージャ名を指定して起動させることも できます。また,日本語DEC DATATRIEVEは,データ・ファイルの編成や物理的な格納 場所を意識することなく,他のDEC製の言語で書かれたプログラムから呼び出すことが できます。 日本語DEC DATATRIEVEでは, DECwindows Motif[R]インターフェイスが提供されています。このインターフェイスに よってユーザは,メニュー・バー,スクロール・バー,ポップアップ・メニュー,メ ニュー,プルダウン・メニュー,およびボタンを使って,日本語DEC DATATRIEVEの機 能を実行することができます。ユーザはナビゲータを使用して,CDD/Repositoryのメ タデータをよみ,オブジェクトを選び,ポップアップ・メニューから直接コマンドを 実行することもできます。 【データ辞書】 日本語DEC DATATRIEVEは辞書駆動方式です。データ定義はCDD/Repository for OpenVMSに格納され,そこから検索されます。日本語DEC DATATRIEVEには,辞書の 定義を格納,調査,修正,および削除するためのコマンドが用意されており,DEC DBMSスキーマ定義やDEC Rdb for OpenVMSデータベース定義のような他のVAXまたはAXP レイヤードプロダクトに格納された定義を使用することができます。 日本語DEC DATATRIEVEでは,CDO形式辞書のレコード定義,およびドメイン定義に対す るサポートも提供されています。このサポートには,共有可能イメージへのアクセス も含まれます。これらの実体に対して,ピース・トラッキングもサポートされていま す。また,日本語DEC DATATRIEVEでは,DMU形式辞書に対する完全なサポートが提供さ れています。 【保護機能】 データ保護は,CDD/Repository for OpenVMSによって行われます。日本語DEC DATATRIEVEは, CDD/Repository for OpenVMSの定義を通じてのみ,データにアクセスできます。した がって,定義をロックすることによって,そのデータに対する他のユーザのアクセス を防ぐことができます。CDO形式辞書ではアクセス制御リストに基づいてアクセスを制 御するのに対して,DMU形式辞書ではユーザ名とログイン・アカウントに基づいて,ア クセスを制御することができます。パスワードやターミナル・クラウス(ローカル, リモート,またはダイアルアップ)を使用する,より多様な制御は,DMU形式辞書に対 して指定できます。 2 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 【リモート・データ・アクセス】 リモート・システムにも日本語DEC DATATRIEVEがインストールされている場合には, リモートのAXP, VAX,あるいはPDP-11システム上のデータにアクセスすることができま す。日本語DEC DATATRIEVEは,リモート・ノードのローカル・データを使って,ホス トとリモート・システムとの間で処理を分割することによって,通信量の負荷を減ら すようにしています。 【プログラマ以外の方のために】 日本語DEC DATATRIEVEには,初心者を対象にしたガイド・モードと呼ばれる学習モー ドが用意されています。 経験を積んだユーザには,データ構造を定義するために,ADT(Application Design Tool)が用意されています。ADTを使用すると,RMSデータ・ファイルに基づいてドメイ ンの定義を段階を追って進めることができます。 経験を積んだユーザと初心者が同じ情報について日本語DEC DATATRIEVEを使用する場 合には,経験を積んだユーザが作成したプロシージャを起動すれば,初心者でも日本 語DEC DATATRIEVEを最大限に活用することができます。 【プログラマの方のために】 日本語DEC DATATRIEVEは,アクセスの最適化やデータ型の変換,データの正当性確認 を自動的に行う高度に構造化された言語です。IF THEN ELSE, BEGIN END, REPEAT, WHILE, CHOICEおよびFOR(各レコード)のようなループ構造と制御構造を組み合せた り,入れ子にしたりして,より複雑で高度なコマンドを作成することができます。 日本語DEC DATATRIEVEは,プログラミング・エラーに対して,はっきりとした分かり やすいエラー・メッセージを出力します。ユーザは,EDITコマンドを発行し,エラー のある文を入力テキストとしてテキスト・エディタを起動して,間違いを修正しコマ ンドを再度実行することができます。起動するエディタは,日本語XTPU,JTPU,JEDI, JLSEのいずれでもよく,論理名の割り当てによって制御されます。 【データ定義】 日本語DEC DATATRIEVEは,各レコードの属性をレコード定義に格納します。日本語DEC DATATRIEVEでは,COBOL風の属性に加えて,正当性確認基準,実行時に計算される値を 持つフィールド,消失値の式,および省略時の値を扱えます。 3 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 日本語DEC DATATRIEVEは,DEC FORTRAN, DEC COBOL, VAX PL/1, DEC C,およ びVAX BASICで使用されるほとんどのデータ型をサポートします。また,日本語DEC Rdb for OpenVMSデータベース内の可変長文字列とセグメント化された文字列のデータ 型もサポートします。 【ビュー】 ビューは,データ集計形式の1つです。ビューを使用することによって,レコード中の データ項目の一部に対して,ユーザのアクセスを許可することができます。また,レ コードに一部のデータ項目だけを入れることによってユーザを限定したり,複数のフ ァイルのデータ項目を結合したりすることもできます。共通のデータで情報をリンク して(DEC DBMSでは,リンクを設定して),複雑な階層構造を構築することもできま す。前もってビューを定義し,それを使用することによって,1つのファイルに対する 場合と同じコマンドで,複数のファイルのデータに一度にアクセスし,それを表示す ることができます。ビューを通じてデータにアクセスし,それをプリントしたり,修 正したりすることはできますが,ビューを使ってデータを格納したり,消去したりす ることはできません。 【プログラム・アクセス】 日本語DEC DATATRIEVEは,OpenVMSプロシージャ呼び出し標準規則をサポートするすべ ての言語から呼び出すことができます。また,データをその格納形式からプログラム が処理できる形式に自動的に変換します。会話型の日本語DEC DATATRIEVEの機能を, 呼び出しインターフェイスでも利用できますし,会話型の場合と同じ構文を使用する ことができます。 【格納方法】 日本語DEC DATATRIEVEは単一の構文を使って,RMS for OpenVMS順編成ファイルまた は索引つき順編成ファイル(RMS相対編成ファイルは,照会に関してのみサポートさ れています),DEC DBMS,および日本語DEC Rdbデータベースに格納された情報にアク セスします。また,VIDA for DB2[TM]を介してIBM[R]メインフレーム・データベース に格納された情報に対して,RdbAccessを介してOpenVMSのORACLE[TM]に格納された情 報に対して,読み込み専用アクセスを行うこともできます。これらのすべてのソース のデータを結合して,1つのビューにすることもできます。VAXおよびAXPプラットフ ォームでのRdbAccessとVIDAの使用に関しては,『システム・サポート付加情報(SSA 25.J6.02-A)』を参照してください。 4 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 DEC DBMSデータベースへのアクセスに明示的なセットのサーチが含まれていたり,あ るいは,レコードを手動でセットに接続したり,切り離したりしなければならない場 合には,DEC DBMSアクセス専用の日本語DEC DATATRIEVE言語機能を使用することがで きます。しかし,ビューまたは暗黙のセットのサーチを使用する場合には,RMSファイ ルのデータにアクセスする場合と同じ構文を使って,DEC DBMSデータベースの情報に アクセスすることができます。 【レポート生成】 日本語DEC DATATRIEVEのREPORT文を使うと,特に書式を指定しなくても書式化された レポートを作成することができます。さらに複雑なレポートを作成する必要がある場 合には,標準書式を書き換えることもできます。レポートは,ページ形式のプリント 可能なドキュメント,あるいはスプレッドシートにより入力される表形式のデータで す。 欄見出し,ページ形式レポートのページ・ヘッダ・タイトル,日付,およびページ 番号は自動的に生成されます。簡単な文(AT TOP, AT BOTTOM)を使って,ページ・ ヘッダとトレーラ,あるいはレポートの要約を作成することもできます。日本語DEC DATATRIEVEの統計関数と値式はすべて,REPORT文内で使用できます。 さまざまな形式でレポートを出力することができます。表形式レポートは,DTIFで, ページ形式レポートはDDIF, Postscript[R]およびテキスト形式に出力できます。DDIF およびPostscriptを使用すると,様々なテキスト属性(サイズ,フォント・タイプ, 装飾)をレポートのどの場所にも使うことができ,高品質の出力を得ることができま す。これらの属性,およびページ・サイズ,ページの向きなどのプリント特性は,グ ラフィック・ターミナルを使用しなくてもDEC DATATRIEVEから指定できます。テキス ト形式を使用すると,簡単な文字セルに基づいたレポートを作成することができま す。CDA converter libraryを使用すると,DTIFおよびDDIFレポートは様々な出力形式 に変換されます。 レポート・ライタは,2つの出力整形方法を提供しています。行と列の格子状に様々な フォント・タイプを用いて整形する方法と,ヘッダ,フッタやデータ部を配置してペ ージをレイアウトする方法です。 また,REPORT文の構文を変更することなく,DEC RMSファイル,DEC DBMSデータベー ス,DEC Rdb/VMSデータベース,およびVIDA for DB2によりアクセスできるIBMメイン フレーム・データベースに格納されたデータ,または,それらを使用したDATATRIEVE のビューのデータを使用してレポートを作成できます。 【グラフィック】 5 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 日本語DEC DATATRIEVEには,標準レコード選択式の形で引数に指定された情報から, あらかじめ決められた形の棒グラフ,円グラフ,折れ線グラフ,および相関グラフを 作成するコマンドが用意されています。プロットは,VT340のような当社のグラフィッ ク・ターミナルに表示することができます(サポートされるターミナルの一覧につい ては,『システム・サポート付加情報(SSA 25.J6.02-A)』のオプション・ハードウェ アの項を参照してください)。SIXELプロトコルをサポートする当社のデバイス(たと えば,LA50やLA75)を接続することによって,ターミナルからハードコピーを入手で きます。DECwindowsを使用している場合には,DECtermウィンドウにグラフィックを表 示できます。 【互換性】 日本語DEC DATATRIEVEのほとんどの機能は, DATATRIEVE-11に対して上位互換性を有します。 DATATRIEVE-11に対しては,辞書の内容を CDD/Repository for OpenVMSに格納できる形式で取り出すためのユーティリティが用 意されています。 DATATRIEVE-11と日本語DEC DATATRIEVEとでは,その構文と意味にいくつかの違いがあ ります。したがって,EXTRACTユーティリティでコピーされるプロシージャは,修正を 必要とすることがあります。 日本語DEC DATATRIEVE for OpenVMS VAXシステムおよび日本語DEC DATATRIEVE for OpenVMS AXPシステムは,浮動小数点定義のサポートを除いて上位互換性を有します。 VAXおよびAXPプラットフォームで日本語DEC DATATRIEVEと併用できる他のプロダク ト,および言語については『システム・サポート付加情報(SSA 25.J6.02-A)』を参照 してください。 2 ソース・コード情報 提供媒体には,バイナリの単独使用ライセンス・オプション付きで下記のソース・コ ード・モジュールが用意されています。 o 関数定義 o テキスト定義 o 関数と定義のためのマクロ・ライブラリ o メッセージ・テキスト 6 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 o 呼び出し可能なDATATRIEVEプログラムのサンプル o DATATRIEVE辞書オブジェクトの定義 - プロット - ドメイン - レコード - プロシージャ - テーブル o DATATRIEVEアクセス・ブロックのための各言語用INCLUDEファイル(呼び出し可能 DATATRIEVEで使用する) o リテラル値,外部シンボル,およびルーチン・エントリ・ポイント定義のための各 言語用INCLUDEファイル o 日本語VAX LSEで使用する言語TEMPLATEファイル このソース・コードは,ユーザの便宜のために提供するもので,ソフトウェア保証の 対象とはなりません。 3 必要なハードウェア 『システム・サポート付加情報(SSA 25.J6.02-A)』に指定されたVAXシステム,あるい はAXPシステム。 4 必要なソフトウェア 4.1 《Alpha AXPシステム》 〈ターミナル使用のシステムの場合〉 o 日本語OpenVMS AXPオペレーティング・システム o CDD/Repository for OpenVMS AXP 〈DECwindows Motifの搭載されたワークステーションの場合〉 o 日本語OpenVMS AXPオペレーティング・システム 7 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 o 日本語DECwindows Motif for OpenVMS AXP o CDD/Repository for OpenVMS AXP CDA出力形式(PostScript, DDIF,DTIF)を使用するためには,ターミナルを使用し ている場合でも,OpenVMS DECwindows Motif ベース・キットおよびCDA converter library をインストールする必要があります。 4.2 《VAXシステム》 〈ターミナル使用のシステムの場合(日本語DECwindowsインターフェイスなし)〉 o 日本語OpenVMSオペレーティング・システム o 日本語CDD/Repository for OpenVMS VAX 〈日本語DECwindows Motifの搭載されたワークステーションを使用する場合〉 o 日本語OpenVMSオペレーティング・システム(および必要な日本語DECwindows Motif for OpenVMSの構成要素) o 日本語CDD/Repository for OpenVMS VAX CDA出力形式(PostScript, DDIF,DTIF)を使用するためには,ターミナルを使用してい る場合でも,OpenVMS DECwindows Motifベース・キットおよびCDA converter library をインストールする必要があります。 本製品に必須のソフトウェア製品と,その適用バージョンについて,またOpenVMS DECwindows Motifのコンポーネントについては,『システム・サポート付加情報(SSA 25.J6.02-A)』を参照してください。 5 注文情報 最寄りの日本DECの各支店/営業所にお問い合わせください。 8 日本語DEC DATATRIEVE Version 6.1 for OpenVMS SPD 25.J6.02 ソフトウェア仕様書 6 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは日本DEC標準販売約款中のライセンス規定に基づいて提供されます。 日本DECのライセンス条件とその方針についての詳細は,最寄りの日本DECの各支店/営 業所にお問い合わせください。 7 ライセンス管理機能 本ソフトウェアはVMSライセンス管理機能(LMF)をサポートしています。 ライセンス単位には,無制限ユーザ・システム,パーソナル・ユース,およびコンカ レント・ユースがあります。 パーソナル・ユースでは,登録された1人のみが利用できます。 コンカレント・ユースでは,規定された人数内で同時に利用できます。 ライセンス機能についての詳細は,『VMS Operating System Software Product Description (SPD 25.01.xx)』またはVMSオペレーティング・システムのドキュメ ント・セットの中の『License Management Utility Manual』を参照してください。 8 ソフトウェア製品サービス 日本DECでは,様々なサービス・オプションを提供しています。詳細については,最寄 りの各支店/営業所にお問い合わせください。 9 保証 本ソフトウェアについては,日本DEC所定のソフトウェア保証基準に定められた保証が 提供されます。 _______________________ [R] MotifはOpen Software Foundation社の商標です。 [R] IBMおよびDB2は米国International Business Machines社の商標です。 [R] ORACLEはORACLE社の商標です。 [R] PostScriptは米国Adobe Systems社の商標です。 9