COMPAQ Software Product Description _____________________________________________________________________________ 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 1 概要 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,日本語OpenVMS Alphaおよび日本語 OpenVMS VAXシステムで業界標準のTCP/IPプロトコル体系とインターネット・サービス を実装するためのソフトウェア製品です。カーネル・ソフトウェアは,Compaq Tru64 UNIXから移植されています。この製品は,BSD (Berkeley Software Distribution)バ ージョン4.3および4.4をベースとし,弊社による機能の拡張が行われたものです。 TCP/IPを使用したインターネットワーキングにより,個々のネットワークのハードウ ェアの詳細が隠され,物理的なネットワーク接続に依存しないコンピュータ間の通信 が可能になります。インターネットワーキングでは,TCP/IPに対応したネットワー ク・メディアを使用するすべてのノードのインターネット上でのふるまいを,統一さ れたプロトコル・セットを使用して定義します。TCP/IPは,ソフトウェア・アプリケ ーション用に,標準トランスポート・メカニズムと全二重,高信頼性ストリーム通信 サービスの両方を提供します。 2 ソフトウェア・ライセンス 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSには,数種類のソフトウェア・ライセン スが用意されています。 _____________________________________________________________________________ ライセン スの種類_____説明____________________________________________________________ クライア クライアント・コンポーネントのみを必要とするユーザ向けのライセ ント ンスです。FTP [クライアントおよびサーバ],IMAP,LPD,TELNET, SNMP,NTP,NFSクライアント,Metric Server,POP,FINGER,RLOGIN, REXEC,RSH,RMT/RCDおよびXDMを利用することができます。 2002年9月 AE-PUL0L-TE 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 _____________________________________________________________________________ ライセン スの種類_____説明____________________________________________________________ サーバ 製品の完全な機能を必要とするユーザ向けのライセンスです。全クライ アント・コンポーネントに加えて,BIND,BOOTP,DHCP,TFTP,NFSサー バ,PC-NFSおよびLoad Brokerを利用することができます。 クライア クライアント・ライセンスをすでに取得しているユーザ向けに提供され ント・ア るライセンスで,完全なサーバ機能が必要になったときに利用できま ップグレ す。 ード_________________________________________________________________________ 3 ネットワーク・インタフェース層のサポート 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,各物理ネットワーク・コントローラ で複数のネットワーク・インタフェースをサポートするため,日本語OpenVMSシステム では,次に示すような,種類の異なるネットワーク上にあるどのホスト・コンピュー タにも接続することができます。 o IPv4およびIPv6用のEthernet o IPv4およびIPv6用の光ファイバ分散データ・インタフェース(FDDI) o IPv4用のトークン・リング o IPv4用の非同期転送モード(ATM) (Alphaシステムのみ) 個々のホスト・コンピュータは,シリアル回線インターネット・プロトコル(SLIPまた はCSLIP)やポイント・ツー・ポイント・プロトコル(PPP)を使用して,シリアル回線経 由で他のホストやネットワークに接続することもできます。 4 インターネット層のサポート 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,インターネットを利用したデータの 移動に,それぞれ固有の役割を果たす次のインターネット層プロトコルをサポートし ています。 o インターネット・プロトコル(IP) - IPv4およびIPv6用にコネクションレスのパケ ット伝送サービスを提供します。 o インターネット制御メッセージ・プロトコル(ICMP) - IPv4およびIPv6用に診断機 能を提供し,エラーや制御メッセージを処理します。 o アドレス解決プロトコル(ARP) - IPv4用のIPアドレスを物理ハードウェア・アドレ スに動的にマッピングします。 o 近隣探索(Neighbor Discovery) -同じリンク内の近隣を探索し,動的にルータを検 出して,すべてのIPアドレスをIPv6用の物理ハードウェア・アドレスに動的にマッ ピングし,アクティブな近隣へのパスに関する情報の保守を行います。 2 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 o TCPおよびUDPのためのPath MTU -ネットワーク間のデータ転送に最も効率的な手段 を判断します。 o クラスレス・インタードメイン・ルーティング(CIDR) -経路選択テーブルのサイズ を減らして,IPアドレス空間をより効率的に使用できるようにします。 o IPv6モバイル・コレスポンデント・ノード- OpenVMSホストがモバイル・ノードお よび他のコレスポンデント・ノードと通信できるようにします。 o 経路選択プロトコルと経路選択デーモン-ゲートウェイ間で,ホストおよび直接接 続しているネットワークに関する現在の経路選択情報を交換できるようにします。 サポートするプロトコルは次のとおりです。 - IPv4用のRouting Information Protocol (RIP) Version 1 (RFC 1058)とRIP Version 2 (RFC 1388),およびIPv6用のRIPng (RFC 2080) - Open Shortest Path First (OSPF) Version 2 (RFC 1583) - Exterior Gateway Protocol (EGP) (RFC 904) - Border Gateway Protocol (BGP) (RFC 1163,RFC 1267) - IPv4用のRouter Discovery (RFC 1256) 経路選択デーモンのROUTEDとGATEDは,カーネルと通信を行って,新しい経路を追加し たり,既存経路の削除,変更を行います。拡張ゲートウェイ経路選択デーモン(GATED) はGateD Unicast Version 4.0.6をベースとして,拡張経路選択オプションが追加され ています。 5 トランスポート層のサポート 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,2つのホスト(ローカルまたはリモー ト)間のコネクション指向とコネクションレスのデータ転送を提供するために,TCPと UDPの両方のプロトコルをサポートしています。これらのプロトコルは,アプリケーシ ョン層とインターネット層を橋渡しするブリッジを構成します。 o トランスミッション・コントロール・プロトコル(TCP)は,データ受け渡しの保証 (確認応答)を要求されるアプリケーションに,コネクション指向で,順序制御され た高信頼なデータ転送を提供します。 o ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)は,データ受け渡しの確認を必要としな いアプリケーションにコネクションレスの高速データ転送を提供します。 本リリースでは,TCP Extensions for High Performance (RFC 1323)および, 低帯域幅で高遅延のワイヤレスおよび周辺ネットワーク上での輻輳のためにIETF Wireless TCP Standardsをサポートしています。標準のワイヤレスTCPセットには, TCP Extensions for High Performance (RFC 1323),SACK (RFC 2018),Path MTU Discovery for IPv4 (RFC 1191)およびIPv6 (RFC 1981)が含まれています。 3 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 RFC 1323にはPAWS (Protection Against Wrapped Sequence)番号のサポートとTCPウィ ンドウ・スケールのサポートが含まれています。PAWS番号は,シーケンス番号が重な り合うのを防ぐため,トランザクションにタイムスタンプを提供し,TCPウィンドウ・ スケールは,TCP接続に対してウィンドウ・スケール・ファクタを提供します。 RFC 2018は,TCPの選択確認オプションを定義して,複数の受信確認ウィンドウをサポ ートすることにより,シーケンス番号が順番どおりでなくても,未処理の受信確認に 対応することができるようにします。 6 アプリケーション層のサポート 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,アプリケーション層の各種プロトコ ルをサポートし,日本語OpenVMSユーザに次の機能を提供します。 o リモート・システム上でのソフトウェアの実行 o ローカルとリモート・システム間のデータ・ファイル転送 o ディスク記憶領域やプリンタなど,リモート・システムのリソースの共有-ユーザ のローカル・システムに接続しているのとまったく同じように操作できます。 o 電子メールの送受信-ローカルでの送受信と,世界規模のインターネット経由での 送受信が可能です。 o インターネット上のすべてのユーザに対する,一貫性と信頼性のある効率的なネッ トワーク・サービスの提供 リモート・コンピューティング 日本語OpenVMSユーザは,TELNETを使用してネットワークのリモート・ホストにログイ ンすることができます。TELNETには次の機能があります。 o 同時に複数のセッションを確立可能 o IBM 3270モデルのターミナル・エミュレーション(TN3270) o OpenVMSとUNIXの両形式のインタフェースのサポート o ウィンドウのサイズ変更機能(行と列)と位置オプションのサポート o Kerberos認証 日本語OpenVMSユーザは,Rコマンドと呼ばれるUNIXの標準的なリモート・コマンドを 使用して,リモート・インターネット・ホスト(UNIXまたはOpenVMSシステム)上のアカ ウントで作業することができます。日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは, RLOGIN,RSH,REXEC,およびRMT/RCDコマンドをサポートしています。 FINGERユーティリティを使用して,ローカルまたはリモート・システムにログインし ているユーザの情報を得ることもできます。この情報には,ユーザ名,アカウント 名,およびユーザが実行中のプログラムが含まれます。 X Display Manager Control Protocol (XDMCP)により,ディスプレイ装置はログイ ン・サーバに対してログイン画面の表示を要求することができます。 4 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 ファイル転送 日本語OpenVMSユーザは,次の構成要素を使用して,ローカルとリモート・システム間 でデータ・ファイルを転送することができます。 o ファイル転送プロトコル(FTP) -ホスト間でファイルおよびディレクトリの作成, 削除およびコピーを行います。 o 単純ファイル転送プロトコル(TFTP) - UDPプロトコルを使用し,認証なしでファイ ルを転送します。通常,これは,ディスクレス・システムのブートストラップ・プ ロセス中に使用されます。 o リモート・コピー(rcp)コマンド-ローカル・ホストとリモート・ホスト間または2 つのリモート・ホスト間でファイルのコピーを行います。 FTPは,ODS-5ディスクのOpenVMS Extended File Specifications (長いファイル名, 深いディレクトリ階層,および拡張文字セット)をサポートしています。 リソース共有 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,ライン・プリンタ/ライン・プリン タ・デーモン(LPR/LPD)と,TELNETプリント・シンビオント(TELNETSYM)を通して,ネ ットワーク印刷機能を提供します。 o LPDは,ローカルとリモートのプリント・キューを通じて,UNIXとOpenVMSクライア ント・ホストにリモート・プリント・サービスを提供します。システム管理者によ りプリント・キューの設定が行われた後,OpenVMSクライアント・ユーザはDCLコマ ンドのPRINTを入力し,UNIXクライアント・ユーザはlprコマンドを入力します。 LPDは,クラスタ単位で使用可能なようにコンフィギュレーションを行う と,OpenVMSホスト上にあるLPD制御によるプリント・キューに対して,負荷分散 および自動フェイルオーバを提供することができます。 o TELNETSYMは,LPR/LPDではできないOpenVMS標準の印刷機能を利用できるリモー ト・プリント・サービスを提供します。 ネットワーク・ファイル・システム ネットワーク・ファイル・システム(NFS)サーバ・ソフトウェアを使用すると,NFSク ライアント・ユーザは,リモート・ファイル・サービスに透過的にアクセスすること ができるようになります。NFSがローカルとリモート・システム間のオペレーティン グ・システム,ハードウェア,アーキテクチャの違いを吸収するため,ファイルやデ ィレクトリは,リモート・システムからアクセスしても,ローカル・システムにいる のとほとんど見分けがつきません。PC-NFSデーモンは,PC-NFSクライアントに対して 認証サービスを提供します。 TCP/IP Servicesは,NFSサーバでNFSバージョン2およびバージョン3のサポートを提供 しています。NFSクライアントはバージョン2に制限されています。NFSバージョン3の 主な利点は最大ファイル・サイズの増加です。OpenVMSファイル・システムでは1テラ バイトまでのファイルがサポートされ,コンテナ・ファイル・システムでは4ギガバイ トまでのファイルがサポートされます。 5 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 性能の向上は,処理するファイル・サイズの改善と,ファイルが実際にディスクに書 き込まれる前に,NFSサーバが書き込み操作の受信確認を行うことができるという書き 込みパフォーマンスの強化によるものです。その後,コミット・メッセージに対する サーバの応答によって,データがディスクに書き込まれたことが確認されます。 NFSサーバは,TCPおよびUDPの両方を経由した通信をサポートします。NFS over TCPで は,ワイド・エリア・リンクを経由したファイル・アクセスが可能になります。NFSク ライアントはUDPだけに制限されています。 NFSサーバおよびクライアントは,OpenVMS Extended File Specificationsをサポート しており,これには,ODS-5ファイル構造上での長いファイル名,深いディレクトリ階 層,および拡張文字セットが含まれます。 電子メール 日本語OpenVMSユーザは,簡易メール転送プロトコル(SMTP)を使用して,ローカルとリ モート・ホスト間で電子メールを送受信することができます。日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSに実装されているSMTPは,日本語OpenVMSのMail機能を使用しま す。これにより,SMTPホストのアドレスが自動的にsmith@widgets.com形式で認識され ます。SMTPでは,SFF (Send From File)および発信別名指定のサポートを提供してい ます。 次のメール・システムはSMTPとともに動作して,クライアントに対して信頼できるサ ーバ・ベースのメール・リポジトリを提供します。 o Post Office Protocol (POP)サーバ o IMAP Mailサーバ(Alphaシステムのみ) ネットワーク・サービス 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSに用意された次の管理構成要素を利用す ることで,ネットワーク管理者やシステム管理者は,システムの中断を最小限に押さ え,一貫した,高信頼性,高効率のサービスをユーザに提供することができます。 o 簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)バージョン2は,ネットワーク上の管理ス テーションから日本語OpenVMSシステムを管理できるようにするマスタ・エージェ ントとサブエージェントです。このバージョンでは,Compaq Tru64 UNIX SNMPv2に 実装されたバージョンと同じ機能が含まれる他,いくつかの機能が改善されていま す。 o ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)バージョン4は,TCP/IPネットワーク上の ホスト間で時間を同期させて調整する方法を提供します。NTPは,TCP/IPネットワ ーク上のOpenVMSホストに対して信頼のおける正確な時刻を提供します。 o Berkely Internet Name Domain (BIND)は,各ホストがインターネット上の他のす べてのホストのアドレスを知らなくても済むように,ホスト情報を配布,管理する 分散データベース・システムです。BIND 9サーバ(Alphaシステムのみで利用可能) は,Internet Software Consortium (ISC) BIND 9.2の実装に基づき,動的な更新 およびBINDサーバ・クラスタ・フェイルオーバを含んでいます。BINDサーバ・クラ スタ・フェイルオーバは,複数のBINDマスタ・サーバが同じデータベースを共有で 6 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 きるようにして,いずれかのサーバが使用不能になった場合に冗長性とフェイルオ ーバ・メカニズムを提供します。VAXおよびAlphaの両方のシステム上のBINDリゾル バ,およびVAXシステム上のBINDサーバは,ISC BIND 8.2.1の実装に基づいていま す。 o ロード・ブローカは,クラスタの負荷分散,ラウンド・ロビン(総当たり)のスケジ ューリング,および自動フェイルオーバ機能を提供します。 o Metricサーバは,ローカル・ホスト上のDNS負荷を計算して報告します。これに は,CPUレーティング,計算間隔,デバッグ・レベルのために定義可能な論理名の 動的コンフィギュレーションに加えて,複数のIPアドレスに渡る着信トラフィック の負荷分散を可能にするマルチホーム・システムのサポートがあります。 o ポートマップ機能は,システム管理者が各サービスのポート番号をクライアント・ アプリケーションに事前に設定しなくて済むように,ポートを自動的に割り当てる データベース・システムです。 o Auxiliary (補助)サーバ・プロセスは,UNIXのインターネット・デーモン(inetd) を日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS用に実装したサーバ・プロセスで す。Auxiliaryサーバは,アプリケーションのプログラミングを大幅に簡素化し, 同時サーバ・プロセスを減らすことによりオーバーヘッドを管理します。また,サ ービス要求の認証を通じてシステム・セキュリティを提供し,イベントとエラーの ログ収集機能もサポートします。 o Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP)は,ブートストラップ・プロトコル (BOOTP)のスーパーセットです。DHCPは,BOOTPの機能(ブートストラップ要求への 応答)に加え,IPアドレス,サブネット・マスク,および省略時のゲートウェイな どを含む堅牢なコンフィギュレーション・サービスを提供します。DHCPサーバは BOOTPクライアントをサポートするように設定することができます。BOOTPがDHCPな しで有効にされている場合,DHCPの機能は使用できません。 o DHCPクライアントが登録名でコンフィギュレーションできるようにする機能を使用 して,DHCPは動的にBINDを更新します。DHCPは,BINDデータベースを更新するとき に,この名前を使用してアドレスを割り当てます。さらに,本リリースでは,DHCP クライアントおよびサーバの両方を提供することにより,IPアドレス空間のコンフ ィギュレーションおよび保守に対して集中型アプローチを提供しています。DHCPサ ーバを使用すると,システム管理者はOpenVMSホストからIPアドレスを動的に割り 当てることができます。 7 管理制御プログラム 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,おなじみのOpenVMSのDCLコマンド構 文に基づいた,使いやすい汎用ネットワーク管理ツールである管理制御プログラムを 提供します。システム管理者は,これらのコマンドを使用して,製品の構成要素をロ ーカルに設定,監視することができます。 自由度の高いコンフィギュレーション・プロセスには,対話形式のコンフィギュレー ション手順が組み込まれています。 7 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 個々のサービスのために提供されているスタートアップ・ファイルとシャットダウ ン・ファイルを使用すると,システム管理者は,他のTCP/IP Servicesソフトウェアの 操作を妨げることなく,個々のサービスの停止または起動を行うことができます。 DCLまたはUNIXの管理コマンドで,ネットワーク接続とTCP/IP Servicesソフトウェア のコンフィギュレーションと管理のための方法を選択することができます。 8 UNIXのネットワーク管理ユーティリティ 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,UNIXネットワーク・サブシステムの 管理およびトラブルシューティングに慣れたシステム管理者のために,UNIXのネット ワーク管理ユーティリティを用意しています。サポートしているユーティリティに は,次のものがあります。 o arp o finger o ifconfig o netstat o ping o ripquery o route o sysconfig o sysconfigdb o tcptrace o traceroute サブシステムは,sysconfigtabデータベース内に構成することができます。 ただし,UNIXの一部のフラグとパラメータはサポートされていない場合があります。 9 エラー・メッセージのドキュメント 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSでは,TCP/IPの機能および構成要素に関 するエラー・メッセージのためのオンライン・ヘルプが提供されています。この情報 は,日本語OpenVMS Help Messageユーティリティ(MSGHLP)の一部として含まれていま す。 8 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 10 アプリケーション・プログラミング・インタフェース(API) 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSには,カスタマイズされたアプリケーシ ョンを開発するプログラマ用に次のAPIが用意されています。 o Berkeleyソケットおよびソケット・ライブラリ- C言語で書かれたアプリケーショ ンがUNIXと同様の方法でTCP,UDP,およびraw IPにアクセスできるようにします。 ライブラリには,次のサポートが含まれています。 - IPv6用のIPv4およびIPv6の基本ソケット・インタフェース拡張 (RFC 2553およ びIETFのアップデート) - IPv6用の拡張ソケットAPI (RFC 2292およびIETFのアップデート) o $QIOインタフェース- OpenVMSシステム・サービスをソケット通信用に拡張し,サ ポート対象のプログラミング言語で作成されたアプリケーションに対してTCP, UDP,およびIPへのアクセスを提供します。 o SRI $QIOインタフェース-旧式の非互換SRI $QIOインタフェースを$QIOインタフェ ースに変換します。 o ONC RPC -ネットワーク・プロトコルに精通していないプログラマのために業界標 準の移植可能なAPIを提供します。ソケットを使用しないでアプリケーションを開 発できる効率的な方法です。 o 拡張簡易ネットワーク管理プロトコル(eSNMP) - SNMPサブエージェント構築用のル ーチンを提供します。 11 PATHWORKS,Advanced Server,およびDECnet over TCP/IP 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,PATHWORKS/Advanced ServerとTCP/IP との緊密な統合をさらに進めるために,PATHWORKS IP (PWIP)ドライバとPWIP補助制御 プロセス(PWIP_ACP)をサポートしています。 PWIPドライバにより,PATHWORKS Advanced ServerとTCP/IP Servicesソフトウェア の両方を実行しているOpenVMSシステムと,PATHWORKS 32クライアント・ソフトウ ェアを実行しているパーソナル・コンピュータ間の通信が可能になります。また, DECnet-Plus for OpenVMSに付属しているDECnet-over-TCP/IP機能も使用できるように なります(詳細については,DECnet-Plus for OpenVMSのドキュメントを参照してくだ さい)。 12 インストールと設定 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSのインストールには,POLYCENTERソフト ウェア・インストレーション・ユーティリティを使用します。メニュー形式の簡単な 設定手順により,すべての構成要素とサービスを一括してインストールすることも, 必要な構成要素を選択してインストールすることもできます。 9 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 13 必要なハードウェア サポート対象CPU 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,日本語OpenVMSを実行するCPUをサポ ートします。サポート対象ハードウェアの完全なリストについては,OpenVMSオペレー ティング・システムの各リリースに付属しているSPDを参照してください。 必要なネットワーク・コントローラ 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,OpenVMS for AlphaおよびVAXオペレ ーティング・システムのソフトウェア仕様書に記載されているすべてのネットワー ク・デバイスをサポートしています(SPD 25.01.xx)。 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,DECnet-Plus for OpenVMSなどの他の 弊社ネットワーク製品とEthernetインタフェースを共有することができます。 必要なメモリ容量 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSを使用するには,ライセンスの種類(クラ イアントまたはサーバ・ライセンス)に関係なく,最小限次のメモリ容量が必要です。 _____________________________________________________________________________ システム_______________必要なメモリ容量______________________________________ 日本語OpenVMS VAX 32 MB 日本語OpenVMS_Alpha____64_MB_________________________________________________ 必要なディスクの空き領域 次に示す数字は,日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSを動作させるのに,計 算上最小限必要と思われるシステム・ディスクの空き領域です。実際のサイズは,シ ステムの環境,コンフィギュレーションの内容,選択するソフトウェア・オプション により異なる場合があります。 _____________________________________________________________________________ システム_______________必要な空きブロック・サイズ____________________________ 日本語OpenVMS VAX 80,000 日本語OpenVMS_Alpha____136,000_______________________________________________ 14 クラスタ・サポート 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは,正規にライセンスされたOpenVMSクラ スタ構成にインストールする場合には,完全にサポートされます。 10 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 15 必要なソフトウェア 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSの実行には,次のバージョンの日本語 OpenVMSオペレーティング・システムが必要です。 o 日本語OpenVMS VAXシステムでは,バージョン7.2または7.3 o 日本語OpenVMS Alphaシステムでは,バージョン7.2-2または7.3 クライアント・アクセスには,NFSバージョン2.0またはバージョン3.0に規定されたプ ロトコルとTCP/IPのRequest for Comments (RFC)に定義されたすべてのTCP/IPアプリ ケーション・プロトコルをサポートするシステムが必要です。 XDMCPを実行するシステムの場合:日本語DECwindows Motif for OpenVMSバージョン 1.2-5 (以降) 16 バージョンアップについて 本製品の将来のバージョンでは,必要なハードウェア,ソフトウェアの最小構成が変 更されることがあります。 17 提供メディア 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS製品は,『日本語OpenVMSソフトウェア・ ライブラリ』として提供されます。ハードコピーのマニュアルが必要な場合は別途ご 注文ください。 18 注文情報 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Alphaサーバ ソフトウェア・ライセンス:QL-0LXJ*-** ソフトウェア・マニュアル:QA-0LXJA-GZ 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Alphaクライアント ソフトウェア・ライセンス:QL-0M2J*-** ソフトウェア・マニュアル:QA-0LXJA-GZ 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Alphaクライアント・アップグレード ソフトウェア・ライセンス:QL-0PHJ*-** ソフトウェア・マニュアル:QA-0LXJA-GZ 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS VAXサーバ ソフトウェア・ライセンス:QL-VHRJ*-** ソフトウェア・マニュアル:QA-0LXJA-GZ 11 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS VAXクライアント ソフトウェア・ライセンス:QL-GL7J*-** ソフトウェア・マニュアル:QA-0LXJA-GZ 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS VAXクライアント・アップグレード ソフトウェア・ライセンス:QL-OPJJ*-** ソフトウェア・マニュアル:QA-0LXJA-GZ * この部分の値は変化します。提供されているライセンス,サービス,メディアにつ いての詳細は,該当する価格表を参照してください。この注文情報は,リリース時 点で有効な情報です。最新の注文情報については,弊社の最寄の支店/営業所にお 問い合わせください。 19 ソフトウェア・ライセンス 本ソフトウェアは,弊社の標準販売約款中のライセンス規定に基づいて提供されま す。Compaqのライセンス条件とその方針についての詳細は,弊社の最寄の支店/営業所 にお問い合わせください。 クライアント・ライセンスは,次のサーバ構成要素を除き,製品の完全な機能を提供 します:NFSサーバ,BINDサーバ,PC-NFSサーバ,リモートBOOTサーバ,DHCPサーバお よびRMT/RCDサーバ。 20 ライセンス管理機能のサポート 本製品は,OpenVMSライセンス管理機能(LMF)に対応しています。 ライセンス管理機能についての詳細は,『OpenVMS Operating System for Alpha and VAX Software Product Description』またはOpenVMSのマニュアルを参照してくださ い。 21 保証 本製品には,弊社の所定のソフトウェア保証基準に定められた90日間の保証が付きま す。 22 ソフトウェア製品サービス 弊社からさまざなサービス・オプションが提供されています。サービス・オプション についての詳細は,弊社の最寄の支店/営業所にお問い合わせください。 このSPDに記載されている製品情報は,製品のリリース時点で有効な情報です。最新の 製品情報については,弊社の最寄の支店/営業所にお問い合わせください。(c) 2002 Compaq Computer K.K. Compaq,Compaqロゴ,Alpha,OpenVMS,Tru64,VAX,VMS,およびDigitalロゴは, Compaq Information Technologies Group, L.P.の商標です。 12 日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Version 5.3 SPD 28.B4.10 ソフトウェア仕様書 その他,ここに記載されているすべての製品名はそれぞれの会社の商標または登録商 標です。 本書に記載されている事項は,予告なく変更されることがありますので,あらかじめ ご承知おきください。万一,本書の記述に誤りがあった場合でも,コンパックは一切 その責任を負いかねます。 13