Compaq OpenVMS
DCL ディクショナリ


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/HIGHWATER (省略時の設定)

/NOHIGHWATER

Files-11 オンディスク構造レベル 2ディスクにのみ有効です。

ファイルのハイウォータ・マーク(FHM)のボリューム属性を設定します。これによって,まだ何も書き込まれていないデータについては,読み込みができないことを保証します。磁気テープに対して,/NOHIGHWATER 修飾子は指定できません。

/NOHIGHWATER 修飾子は,ディスク・ボリュームの FHM を無効にします。

/HOMEBLOCKS=オプション

この修飾子は,Files-11 ODS--2 ボリュームにのみ適用されます。

この修飾子を使用して,ボリュームのホームブロック,およびホームブロックのコピーを,ディスク上のどこに置くかを指定します。 オプションには,次のいずれか 1 つを指定します。

/INDEX=位置

ボリュームのディレクトリ構造に関する索引ファイルの記憶位置を指定します。指定できる位置は,次のとおりです。

BEGINNING ボリュームの先頭。
MIDDLE ボリュームの中間(省略時の設定)。
END ボリュームの終わり。
BLOCK: n 論理ブロックの先頭を nで指定します。

/INTERCHANGE

磁気テープを,他ベンダーの環境でも使用することを指定します。 /INTERCHANGE 修飾子は,ANSI VOL2 ラベルを省略します。 OpenVMS 環境では,ANSI VOL2 ラベルには OpenVMS 固有の機密保護属性が含まれています。

/INTERCHANGE 修飾子,磁気テープのラベリング,およびテープのインターチェンジについての詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。

/LABEL=オプション

オプションで指定したように,磁気テープ・ボリューム・ラベルの特性を定義します。指定できるオプションを次に示します。

/MAXIMUM_FILES=n

ボリュームが持つことのできるファイルの最大数を設定します。 /MAXIMUM_FILES 修飾子は,省略時の設定の値を上書きします。省略時の設定の値は,次の式から計算できます。

(ボリュームのブロック数)/((クラスタの要素の数 + 1) * 2)

ボリュームに指定できる最大サイズは,次の式から計算できます。

(ボリュームのブロック数)/(クラスタの要素の数 + 1)

最小値は 0 です。最大値を変更するためには,ボリュームを再初期化する必要があります。

注意

/MAXIMUM_FILES 修飾子は,ボリューム上に新しいファイル・ヘッダ用のスペースを予約したり,作成したりしません。ファイル・システムは,新しいヘッダに必要なスペースを動的に割り当てます。

/MEDIA_FORMAT=[NO]COMPACTION

データの圧縮をサポートする装置で,データ・レコードの自動圧縮と自動ブロック化を行うかどうかを制御します。データの圧縮とレコードのブロック化を行うと, 1 つのテープ・カートリッジに格納できるデータ量が増えます。

あるカートリッジでデータの圧縮や非圧縮を選択すると,カートリッジ全体にその指定が適用されます。

/OVERRIDE=(オプション[,...])

重ね書きされないように保護された磁気テープ・ボリュームのデータを無視するように INITIALIZE コマンドに要求します。次のオプションの 1 つまたは複数を指定できます。

ACCESSIBILITY 磁気テープ専用。初期化しようとしているボリュームの場合に,このオプションは,ボリュームの Accessibility フィールドにある任意の文字を上書きします。このオプションの使用は,インストールによって定義されます。つまり,各インストールには,磁気テープ・ファイル・システムがこのフィールドの処理に使うルーチンを指定するオプションがあります。省略時の設定では,OpenVMS は,次の方法でこのフィールドをチェックするルーチンを提供します。磁気テープが ANSI 規格の Version 3 に対応するバージョンの OpenVMS で作成されている場合は,このオプションを使用して, ASCII スペース以外の文字をすべて上書きする必要があります。保護が指定されていて,磁気テープが Version 3 以降の ANSI 規格に対応している場合は,このオプションを使用して,ASCII 1 以外の文字をすべて上書きする必要があります。ACCESSIBILITY オプションを使用するには, VOLPRO 特権を持っているか,または,そのボリュームの所有者でなければなりません。
EXPIRATION 磁気テープ専用。まだ満了日に達していないテープに書き込むことができます。このオプションを実行する必要があるのは,VAX/VMS バージョン 4.0 より前の弊社のオペレーティング・システムで作成され,ボリュームの所有者識別子フィールドに D% 形式を指定している磁気テープです。ボリューム保護を上書きするには,VOLPRO 特権を持っているか,または, INITIALIZE コマンドを実行している UIC が,そのボリュームに書き込まれている UIC と一致している必要があります。
OWNER_IDENTIFIER ボリューム・ラベルの所有者識別子フィールドの処理を上書きできます。

オプションを1つだけ指定する場合は,括弧を省略できます。

/PROTECTION 修飾子を指定して初期化されたボリュームを再初期化するためには, INITIALIZE コマンドを実行している UIC が,そのボリュームに書き込まれている UIC と一致しているか,または VOLPRO 特権を持っている必要があります。

制御アクセス権を持っている場合は,/PROTECTION を指定して,初期化されたボリュームを再初期化できます。

/OWNER_UIC=uic

ボリュームの所有者の利用者識別コード (UIC) を指定します。省略時の設定は,使用しているユーザの省略時の設定の UIC です。『OpenVMS Guide to System Security』に説明されている標準の UIC 形式に従って, UIC を指定します。

磁気テープの場合は,磁気テープに保護が指定されないと,UIC が書き込まれません。保護が指定されて所有者 UIC が指定されない場合は,現在実行中の UIC にボリュームの所有権が割り当てられます。

/PROTECTION=(所有権[:アクセス][,...])

ボリュームに指定した保護を適用します。

省略時の設定は,ユーザの省略時の設定の保護です。/GROUP,/SHARE,および /SYSTEM 修飾子を使用して,ディスク・ボリュームの保護を設定することもできます。

磁気テープの場合は,ボリューム・ラベルの OpenVMS 固有の部分に保護コードが書き込まれます。システムは,読み込み (R) と書き込み (W) のアクセス制約だけを適用します。作成 (C) および削除 (D) のアクセスを指定しても無効です。さらに,システムとオーナには,指定した保護コードにかかわらず,磁気テープに対する読み込み (R) と書き込み (W) のアクセスが与えられます。

保護コードの指定についての詳細は,『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。属性を指定しない場合は,現在の省略時の設定の保護が適用されます。

ディスク・ボリューム全体に対する保護コードでは,E(実行)は作成を意味します。

/SHADOW=(device_name_1, device_name_2, device_name_3) label

将来のシャドウ・セットの複数のメンバを初期化します。この方法で複数のメンバを初期化しておくと,後でシャドウ・セットを作成するときにフル・コピーを行う必要がなくなります。

INITIALIZE コマンドで /SHADOW および /ERASE 修飾子を指定すると,以下の操作が実行されます。

この方法で初期化した装置は,3 つまで新しいホスト・ベースのシャドウ・セットのメンバとしてマウントすることができます。

/ERASE 修飾子の使用を強くお勧めします。/ERASE 修飾子を使用することで,MOUNT コマンドでシャドウ・セットを作成するときにマージ操作を行う必要がなくなります。

Total Blocksは,すべての装置でゼロ以外の同じ値を持っていなければなりません。 Total Blocks の値は,SHOW DEVICE/FULL コマンドを入力することで調べることができます。このシステム上で一度もマウントされていない,あるいは初期化されていない装置に対して SHOW DEVICE/FULL コマンドを実行しても, Total Blocksの値は表示されません。これを避けるには,装置を一度マウントしてからディスマウントするか,装置を初期化してください。これで,SHOW DEVICE/FULL コマンドで Total Blocksの値が表示されるようになります。

既存のシャドウ・セットに追加するディスクを初期化するときは, INITIALIZE/SHADOW コマンドを使用しないでください。これを使用しても何の利点もないからです。

詳細は,『Volume Shadowing for OpenVMS』を参照してください。

/SHARE (省略時の設定)

/NOSHARE

すべての複数のユーザ (システム,オーナ,グループ,ワールド) によって,すべての種類のアクセスを許可します。 /NOSHARE 修飾子は,(/GROUP 修飾子がともに指定されていない限り) グループ,およびワールドのユーザのプロセスへのアクセスを拒否します。

/SIZE=n

使用できるメモリから割り当てられるDECramディスク(装置タイプDT$_RAM_DISK) のサイズを指定します。装置のサイズはディスクの初期化時に指定されます。

領域の割り当てを解除するには,/SIZE=0 を指定します。 DECramディスクのために割り当てられていたすべての資源は,システムに戻されます。

n は,VAX システムあるいは V2.3 よりも前のバージョンの DECram のいずれかでは, 524,280ブロックを超えることができないことに注意してください。 Alpha システムで動作している DECram V2.3 では, 67,108,864 ブロック (32GB) までをサポートします。

/STRUCTURE=レベル

ボリュームをフォーマットする場合に,Files-11 オンディスク構造レベル 1,レベル 2 (省略時の設定),レベル 5 のいずれの形式を使用するかを指定します。

構造レベル 1 では,修飾子 /DATA_CHECK および /CLUSTER_SIZE について互換性がありません。構造レベル 1 のディスクの省略時の設定の保護では,システム,オーナ,およびグループにはフル・アクセス,他のすべてのユーザには読み込み (R) アクセスを許可します。

Alpha システムは Files-11 オンディスク構造レベル 1 のディスクをサポートしていないため, Alpha システムで 1 を指定すると,エラーが発生します。 VAX システムは構造レベル 5 のディスクをサポートしていないため, VAX システムで 5 を指定すると,エラーが発生します。

構造レベル 5 (ODS-5) のディスクについての詳細は,『 Compaq OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。

/SYSTEM

システムUICまたはSYSPRV(システムに関する特権)特権が必要です。

システム・ボリュームを定義します。所有者 UICの省略時の設定は,[1,1]です。省略時の設定の保護では,システム・プロセスだけが最上位ディレクトリを作成できる点を除いて,すべての所有権カテゴリにフル・アクセスを許可します。

/USER_NAME=名前

ボリュームに対応するユーザ名を指定します。ここで指定するユーザ名は 1 〜 12 文字の英数字でなければなりません。省略時の設定は,使用しているユーザのユーザ名です。

/VERIFIED

/NOVERIFIED

ディスクに不良ブロック・データがあるかどうかを指定します。 /NOVERIFIED 修飾子を使用すると,ディスクの不良ブロック・データは無視されます。省略時の設定は,4096 以上のブロックを持つディスクには /VERIFIED 修飾子, 4096 未満のブロックを持つディスクには /NOVERIFIED 修飾子です。

/WINDOWS=n

ファイル・ウィンドウに割り当てられるマッピング・ポインタ (ファイル内のデータへのアクセスに使用) の数を指定します。7 〜 80 の整数の値を指定します。省略時の設定の値は 7 です。

#1

$ INITIALIZE/USER_NAME=CPA $FLOPPY1 ACCOUNTS

$FLOPPY1 のボリュームを初期化して,そのボリュームに ACCOUNT というラベルをつけ,さらに CPA というユーザ名を指定します。

#2

$ ALLOCATE DMA2:  TEMP
  _DMA2: ALLOCATED
$ INITIALIZE  TEMP:  BACK_UP_FILE
$ MOUNT  TEMP:  BACK_UP_FILE
%MOUNT-I-MOUNTED, BACK_UP_FILE mounted on _DMA2:
$ CREATE/DIRECTORY  TEMP:[GOLDSTEIN]
 

この一連のコマンドは,RK06/RK07 ボリュームを初期化する方法を示します。まず装置が割り当てられて,他のユーザはアクセスできないようになります。次に,ボリュームが装置に物理的にマウントされ, INITIALIZE コマンドによって初期化されます。ボリュームが初期化された後, MOUNT コマンドによりファイル構造が使用できるようになります。ボリュームにファイルを配置するには,その前に CREATE/DIRECTORY コマンドを使用して,ディレクトリを作成しなければなりません。

#3

$ ALLOCATE MT:
  _MTB1:  ALLOCATED
$ INITIALIZE MTB1:  SOURCE
$ MOUNT MTB1:  SOURCE
%MOUNT-I-MOUNTED, SOURCE mounted on _MTB1:
$ COPY *.FOR  MTB1:
$ DIRECTORY MTB1:
   .
   .
   .
$ DISMOUNT MTB1:
 

上記のコマンドは,磁気テープを初期化するのに必要な手順を示しています。ドライブを割り当てたら,そのドライブに磁気テープを挿入し, INITIALIZE コマンドを使用してそこにラベル SOURCE を書き込みます。次に,MOUNT コマンドで磁気テープをマウントして,ファイルの書き込みができるようにします。

#4

$ BACKUP filespec MUA0: ... /MEDIA_FORMAT=NOCOMPACTION-
_$/REWIND
 

この例では,圧縮とレコードのブロック化を禁止して,BACKUP テープを作成します。

#5

$ INITIALIZE/ERASE/SHADOW=($4$MDA1300, $4$MDA1301) VOLATILE
 
$MOUN/SYS DSA42 /SHAD=( $4$MDA1300 , $4$MDA1301 ) VOLATILE
%MOUNT-I-MOUNTED, VOLATILE MOUNTED ON _DSA42:
%MOUNT-I-SHDWMEMSUCC, _$4$MDA1300: (WILD3) IS NOW A VALID MEMBER OF THE SHADOW SET
%MOUNT-I-SHDWMEMSUCC, _$4$MDA1301: (WILD4) IS NOW A VALID MEMBER OF THE SHADOW SET
$SHO DEV DSA42:
 
DEVICE              DEVICE          ERROR    VOLUME         FREE  TRANS MNT
 NAME               STATUS          COUNT     LABEL        BLOCKS COUNT CNT
DSA42:              MOUNTED             0  VOLATILE       5799600     1   1
$4$MDA1300: (WILD3) SHADOWSETMEMBER     0  (MEMBER OF DSA42:)
$4$MDA1301: (WILD4) SHADOWSETMEMBER     0  (MEMBER OF DSA42:)
 
 

この例は,INITIALIZE/ERASE/SHADOW コマンドの正しい使い方を示しています。同じ行で複数の装置を指定している点に注意してください。


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