Compq OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


前へ 次へ 目次 索引


HELP

コマンド,パラメータ,修飾子の形式と説明など,AUTHORIZE の使用法に関する情報を表示します。

形式

HELP [キーワード[,...]


パラメータ

キーワード[,...]

AUTHORIZE の HELP コマンドで情報を表示したいトピック,コマンド,修飾子,パラメータを指すキーワードを 1 つ以上指定します。

修飾子

なし

説明

キーワードを指定しない場合,ヘルプが存在するトピックとコマンドについて情報が表示されます。次に,"Topic?" と表示されるので,トピックやコマンド名を入力するか,または Return キーを押します。コマンド名と修飾子を指定すると,そのコマンドの詳細が表示されます。Return キーを押すと,ヘルプが終了します。Ctrl/Z を押しても,ヘルプを終了できます。

修飾子を使用できるコマンドの場合,コマンドのヘルプ情報の後に "Subtopic?" と表示されるので,修飾子名を入力するか,または Return キーを押します。Return キーを押した場合, "Topic?" と表示されます。このレベルでヘルプを直接終了するには,Ctrl/Z を押します。


#1

UAF> HELP ADD

ADD コマンドに関する情報を表示するコマンド例です。


ADD 
 
   Adds a user record to the SYSUAF and corresponding identifiers to 
   the rights database. 
 
   Format 
 
     ADD  newusername 
 
  Additional information available: 
 
  Parameter  Qualifiers 
  /ACCESS    /ACCOUNT   /ADD_IDENTIFIER       /ALGORITHM /ASTLM     /BATCH 
  /BIOLM     /BYTLM     /CLI       /CLITABLES /CPUTIME   /DEFPRIVILEGES 
  /DEVICE    /DIALUP    /DIOLM     /DIRECTORY /ENQLM     /EXPIRATION 
  /FILLM     /FLAGS     /GENERATE_PASSWORD    /INTERACTIVE          /JTQUOTA 
  /LGICMD    /LOCAL     /MAXACCTJOBS          /MAXDETACH /MAXJOBS   /NETWORK 
  /OWNER     /PASSWORD  /PBYTLM    /PGFLQUOTA /PRCLM     /PRIMEDAYS /PRIORITY 
  /PRIVILEGES           /PWDEXPIRED           /PWDLIFETIME 
  /PWDMINIMUM           /REMOTE    /SHRFILLM  /TQELM     /UIC 
  /WSDEFAULT /WSEXTENT  /WSQUOTA 
  Examples   /IDENTIFIER           /PROXY 
 
ADD Subtopic?       

#2

UAF> HELP MODIFY/WSDEFAULT

/WSDEFAULT 修飾子に関する情報を表示するコマンド例です。


MODIFY 
 
  /WSDEFAULT=value 
 
   Specifies the default working set size. This represents the 
   initial limit to the number of physical pages the process can 
   use. (The user can alter the default quantity up to WSQUOTA with 
   the DCL command SET WORKING_SET.) The minimum value is 50 pages 
   (on VAX systems) and 150 pagelets (on Alpha systems). By default, a user 
   has 150 pages (on VAX systems) and 150 pagelets (on Alpha systems). 

LIST

選択した UAF レコードのレポートを,現在の省略時のディレクトリ内の SYSUAF.LIS ファイルに書き込みます。

形式

LIST [ユーザ指定]


パラメータ

ユーザ指定

UAF レコードのユーザ名または UIC を指定します。 ユーザ指定パラメータがない場合,すべてのユーザのユーザ・レコードがリストされます。ユーザ名には,アスタリスク ( * ) とパーセント記号 ( % ) のワイルドカード文字を使用できます。

修飾子

/BRIEF

簡略レポートを SYSUAF.LIS に書き込むことを指定します。 /BRIEF修飾子は,省略時の修飾子です。 SYSUAF.LIS は省略時のディレクトリ内に置かれます。

/FULL

詳細レポートを SYSUAF.LIS に書き込むことを指定します。ユーザが保持する識別子が書き込まれます。 SYSUAF.LIS は SYS$SYSTEM ディレクトリ内に置かれます。

説明

LIST コマンドは,選択した UAF レコードのレポートを格納するリスト・ファイルを作成します。SYSUAF.LIS ファイルを印刷するには, DCL の PRINT コマンドを使用します。

1 つのユーザ名を指定すると,そのユーザだけのレポートが出力されます。LIST コマンドの後にワイルドカード文字のアスタリスクを指定すると,ユーザ名の昇順ですべてのユーザのレポートが出力されます。1 つの UIC を指定すると,その UIC を持つすべてのユーザのレポートが出力されます。複数のユーザが 1 つの UIC を共用している場合は,その UIC を持つすべてのユーザについて表示されます (Compaq は,ユーザごとに一意の UIC を設定することをお薦めします)。 UIC の指定では,ワイルドカード文字のアスタリスクを使用できます。

次の表は,各種レポートを出力するときに LIST コマンドで UIC を指定する方法と,UIC 指定でのワイルドカード文字のアスタリスクの使用方法を示しています。

コマンド 説明
LIST [14,6] グループ 14 に属するメンバ番号 6 のユーザの詳細レポートをリストする。
LIST [14,*] /BRIEF グループ 14 に属するすべてのユーザの簡略レポートを,メンバ番号の昇順でリストする。
LIST [*,6] /BRIEF メンバ番号 6 のすべてのユーザの簡略レポートをリストする。
LIST [*,*] /BRIEF すべてのユーザの簡略レポートを,UIC の昇順でリストする。

1 つの UIC を複数のユーザで共用させている場合があれば,これらのユーザは SYSUAF に追加した順序で出力されます。詳細レポートは,制限値,特権,ログイン・フラグ,コマンド・インタプリタの詳細をリストします。簡略レポートでは,制限値,ログイン・フラグ,コマンド・インタプリタ,および特権も表示されません。アカウントのパスワードが表示されることは,決してありません。

簡略レポートと詳細レポートの例については,SHOW コマンドを参照してください。


#1

UAF> LIST ROBIN/FULL
%UAF-I-LSTMSG1, writing listing file
%UAF-I-LSTMSG2, listing file SYSUAF.LIS complete

ユーザ・レコード ROBIN の詳細レポートをリストするコマンドです。

#2

UAF> LIST *
%UAF-I-LSTMSG1, writing listing file
%UAF-I-LSTMSG2, listing file SYSUAF.LIS complete

ユーザ名の昇順のすべてのユーザの簡略レポートを出力するコマンドです。ワイルドカード文字のアスタリスクを省略したときにも,同じ結果となります。

#3

UAF> LIST [300.*]
%UAF-I-LSTMSG1, writing listing file
%UAF-I-LSTMSG2, listing file SYSUAF.LIS complete

グループ UIC が 300 のすべてのユーザ・レコードについて,簡略レポートをリストするコマンドです。

LIST/IDENTIFIER

識別子の名前,属性,値,保持者を RIGHTSLIST.LIS ファイルに書き込みます。

形式

LIST/IDENTIFIER [識別子名]


パラメータ

識別子名

識別子名を指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク (*) を指定すれば,すべての識別子をリストできます。識別子名を省略する場合,/USER または /VALUE を指定しなければなりません。

修飾子

/BRIEF

識別子の名前,値,属性だけを表示する簡略リストを指定します。

/FULL

識別子の名前,値,属性のほか,識別子の保持者の名前も表示する詳細リストを指定します。 /FULL修飾子は省略時のリスト形式を指定します。

/USER=ユーザ指定

リスト対象の識別子を持つ 1 名以上のユーザを指定します。 ユーザ指定 は,ユーザ名でも UIC でもかまいません。ワイルドカード文字のアスタリスク ( * ) を使用すれば,複数のユーザ名や UIC を指定できます。UIC の形式は,[*,*],[n,*],[*,n],[n,n] のいずれかとします。ワイルドカード文字 (*) を使って指定した場合,ユーザ名の昇順で識別子がリストされます。UIC 指定にワイルドカードを使用した場合 ([*,*]),UIC の番号順で識別子がリストされます。

/VALUE=値指定子

リスト対象識別子の値を指定します。有効な値指定子 形式は,次のとおりです。

IDENTIFIER:n 65,536 〜 268,435,455 の整数値。%X で始まる 16 進値や %0 で始まる 8 進値も指定できる。

一般識別子と UIC 識別子を区別するため,ユーザが指定した値には %X80000000 が追加されます。

UIC:ユーザ識別子 UIC 標準形式による UIC 値。


説明

LIST/IDENTIFIER コマンドは,識別子の名前,属性,値,保持者を表示するリスト・ファイルを作成します。各種の表示形式を,修飾子で指定できます。表示形式のうち 2 種類は,SHOW/IDENTIFIER コマンドの項に記載します。

RIGHTSLIST.LIS ファイルの印刷は,DCL の PRINT コマンドで行います。


#1

UAF> LIST/IDENTIFIER INVENTORY
%UAF-I-LSTMSG1, writing listing file
%UAF-I-RLSTMSG, listing file RIGHTSLIST.LIS complete

識別子 INVENTORY について,16 進数による値,保持者,属性を含む詳細リストを出力するコマンド例です。

#2

UAF> LIST/IDENTIFIER/USER=ANDERSON
%UAF-I-LSTMSG1, writing listing file
%UAF-I-RLSTMSG, listing file RIGHTSLIST.LIS complete

ユーザ ANDERSON の識別子,値,属性をリストしています。ANDERSON の UIC を次のように指定した場合も,結果は同じです。


UAF> LIST/IDENTIFIER/USER=[300,015]


UAF> LIST/IDENTIFIER/VALUE=UIC:[300,015]

LIST/PROXY

NET$PROXY.DAT ネットワーク・データベース・ファイルからネットワーク代理データベース・エントリのリスト・ファイルを作成します。

形式

LIST/PROXY


パラメータ

なし

修飾子

/OLD

省略時の NET$PROXY.DAT ファイルからではなく, NETPROXY.DATファイルから情報を表示するように,AUTHORIZE に要求します。

OpenVMS バージョン 6.1 を実行していないクラスタ・ノード上で代理データベースが変更されている場合は, /OLD 修飾子を使用して以前のデータベース NETPROXY.DAT の内容のリストを作成することができます。


説明

NETPROXY.LIS ファイルを印刷するには,DCL の PRINT コマンドを使用します。出力形式は,SHOW/PROXY コマンドの場合と同じです。出力例については,SHOW/PROXY コマンドの項を参照してください。


UAF> LIST/PROXY
%UAF-I-LSTMSG1, writing listing file
%UAF-I-NETLSTMSG, listing file NETPROXY.LIS complete

この例のコマンドは,NETPROXY.DAT ネットワーク代理データベースのすべてのエントリのリスト・ファイルを作成します。

LIST/RIGHTS

指定した識別子が保持する識別子をリストします。/USER を指定した場合,指定のユーザが保持するすべての識別子がリストされます。

形式

LIST/RIGHTS [識別子名]


パラメータ

識別子名

ユーザに対応する識別子の名前を指定します。識別子名を省略する場合,/USER 修飾子を指定しなければなりません。

修飾子

/USER=ユーザ指定

リスト対象の識別子を持つユーザを指定します。 ユーザ指定 は,ユーザ名でも UIC でもかまいません。ワイルドカード文字のアスタリスクを使用すれば,複数の UIC やすべてのユーザ名を指定できます。UIC の形式は,[*,*],[n,*],[*,n], [n,n] のいずれかとします。ワイルドカード文字によるユーザ名指定 (*) や UIC 指定 ([*,*]) を行った場合,ユーザが保持するすべての識別子がリストされます。ワイルドカード文字を使ってユーザ名を指定した場合は,アルファベット順で保持者のユーザ名がリストされ,ワイルドカード文字を使って UIC を指定した場合は,UIC の番号順で保持者の名前がリストされます。

説明

LIST/RIGHTS コマンドが出力する RIGHTSLIST.LIS ファイルを印刷するには,DCL の PRINT コマンドを使用します。出力例については, SHOW/RIGHTS コマンドの項を参照してください。


UAF> LIST/RIGHTS PAYROLL
%UAF-I-LSTMSG1, writing listing file
%UAF-I-RLSTMSG, listing file RIGHTSLIST.LIS complete

UIC 形式識別子の名前である PAYROLL が保持する識別子をリストするコマンド例です。

MODIFY

SYSUAF ユーザ・レコードの値を変更します。指定しなかった修飾子は,変更されません。

形式

MODIFY ユーザ名 /修飾子[,...]


パラメータ

ユーザ名

SUSUAF に格納されているユーザ名を指定します。アスタリスク( * ) とパーセント記号 ( % ) のワイルドカード文字を,ユーザ名に使用できます。ユーザ名としてアスタリスク 1 つを指定した場合,すべてのユーザのレコードが変更されます。

修飾子

/MODIFY_IDENTIFIER (省略時の設定)

/NOMODIFY_IDENTIFIER

権利データベースの中で,ユーザに関連付けられている識別子を変更するかどうかを指定します。この修飾子は,UAF レコードの中で UIC またはユーザ名を変更する場合にのみ適用されます。省略時には,関連付けられている識別子が変更されます。

ADD コマンドの修飾子も参照してください。


説明

MODIFY コマンドは,SYSUAF ユーザ・レコードの値を変更します。コマンド行に指定しない値は変更されませんが,UIC を変更した場合は,対応する識別子も変更されます。

ユーザ・レコードを変更しても,他への影響はありません。したがって,クォータ値の変更内容は,現在のプロセスではなく,次に作成されるプロセスに適用されます。


#1

UAF> MODIFY ROBIN /PASSWORD=SP0172
%UAF-I-MDFYMSG, user record(s) updated

ユーザ ROBIN のレコード値のうち,パスワードだけを変更するコマンド例です。

#2

UAF> MODIFY ROBIN/FLAGS=RESTRICTED
%UAF-I-MDFYMSG, user record(s) updated

ログイン・フラグ RESTRICTED を追加することによって,ユーザ ROBIN の UAF レコードを変更するコマンド例です。

MODIFY/IDENTIFIER

権利データベースに格納されている識別子名とその値または属性を変更します。

形式

MODIFY/IDENTIFIER 識別子名


パラメータ

識別子名

変更対象となる識別子の名前を指定します。

修飾子

/ATTRIBUTES=(キーワード[,...])

変更対象となる識別子に割り当てる属性を指定します。有効なキーワードは,次のとおりです。

DYNAMIC DCL の SET RIGHTS_LIST コマンドを使用することにより,識別子の保持者は,プロセス権利リストに格納されている識別子を削除し復元できる。
HOLDER_HIDDEN 識別子自体を保有している場合を除き,識別子を保有するユーザのリストを検索することを禁止する。
NAME_HIDDEN 識別子の保有者がバイナリからASCIIへ,またはASCIIからバイナリへ識別子を変換することを許可するが,登録されていないユーザが識別子を変換することは禁止する。
NOACCESS 識別子のアクセス権を空白にし,削除する。ユーザにNo Access属性を持つ識別子が与えられている場合には,その識別子は,オブジェクトへのユーザのアクセス権にまったく影響しない。この属性はResourceまたは Subsystem属性を持つ識別子をさらに修飾する属性である。
RESOURCE 識別子の保持者は,ディスク空間を識別子に対して請求できる。ファイル・オブジェクト専用。
SUBSYSTEM 識別子の保有者が,サブシステムACEをサブシステム内のアプリケーション・イメージに割り当てることによって,保護されたサブシステムを作成し,管理することを許可する。ファイル・オブジェクト専用。

識別子から属性を削除するには,NO 接頭辞を属性キーワードに付けます。たとえば,資源属性を削除するには,/ATTRIBUTES=NORESOURCE と指定します。

注意

NORESOURCE キーワードを指定するときに保持者を指定しない場合,つまり /HOLDER 修飾子を使用しない場合,資源を請求する権利をすべての保持者が失います。

/HOLDER=ユーザ名

変更対象属性を持つ識別子の保持者を指定します。/HOLDER 修飾子は,必ず /ATTRIBUTES 修飾子と併用します。

/HOLDER を指定すると,/NAME と /VALUE の修飾子は無視されます。

/NAME=新識別子名

識別子に割り当てる新しい識別子名を指定します。

/VALUE=値指定子

新しい識別子値を指定します。UIC から UIC 以外に,あるいは UIC 以外から UIC に形式を変更することはできません。有効な値指定子の形式は,次のとおりです。

IDENTIFIER:n 65,536 〜 268,435,455 の整数値。%X で始まる 16 進値や %0 で始まる 8 進値も指定できる。

一般識別子と UIC 識別子を区別するため,ユーザが指定した値には %X80000000 が追加されます。

UIC:ユーザ識別子 UIC 標準形式による UIC 値。


説明

MODIFY/IDENTIFIER コマンドは,権利データベースに格納されている識別子名と対応する値,属性を変更します。コマンド行に指定しない値は,変更されません。

#1

UAF> MODIFY/IDENTIFIER OLD_ID /NAME=NEW_ID
%UAF-I-RDBMDFYMSG, identifier OLD_ID modified

OLD_ID 識別子の名前を NEW_ID に変更するコマンド例です。

#2

UAF> MODIFY/IDENTIFIER/VALUE=UIC:[300,21] ACCOUNTING
%UAF-I-RDBMDFYMSG, identifier ACCOUNTING modified

識別子 ACCOUNTING の旧 UIC 値を新しい値に変更するコマンド例です。

#3

UAF> MODIFY/IDENTIFIER/ATTRIBUTES=NORESOURCE-
_UAF> /HOLDER=CRAMER ACCOUNTING
%UAF-I-RDBMDFYMSG, identifier ACCOUNTING modified

属性 NORESOURCE を,CRAMER の保持者レコードの識別子
ACCOUNTING と割り当てるコマンド例です。識別子 ACCOUNTING は,変更されません。


前へ 次へ 目次 索引