まえがき

本書では,システムで以下のような処理を行うための HP Tru64 UNIX のコマンドおよびユーティリティについて説明します。

本書の対象読者

本書は主としてプログラマを対象としたものですが,grep (第 1 章), awk (第 2 章), sed (第 3 章),および RCS と SCCS (第 6 章) で説明するコマンドとユーティリティは,プログラミングだけでなく,文書作成やほかの作業のために使用しても便利です。

新しい機能と変更された機能

バージョン 5.0 リリースからの変更点は,以下のとおりです。

本書の以前のバージョンは,次の Web サイトにあります。


http://h50146.www5.hp.com/products/software/oe/tru64unix/manual/
 

本書の改訂状況を知りたい場合は,各バージョンの「新しい機能と変更された機能」の項を参照してください。

本書の構成

本書の構成は以下のとおりです。

第 1 章 正規表現の概念と規則を紹介し,正規表現を使用してテキスト・ファイルを探索する grep コマンドについて説明します。
第 2 章 awk コマンドの概要と awk コマンドで処理するテキスト処理プログラムの作成方法について説明します。
第 3 章 sed ストリーム・エディタについて説明します。 このツールは,複雑で,繰り返しの多い編集作業を高速に実行するための非対話型ツールです。
第 4 章 lex プログラムと yacc プログラムについて説明します。 これらのプログラムは,プログラムへの入力を処理するための字句解析プログラムおよびパーサを作成します。
第 5 章 m4 マクロ・プリプロセッサについて説明します。 また,プログラムや,ドキュメント・ソースなど,その他のファイルにも使用可能なマクロの作成方法についても説明します。
第 6 章 ソース・コード・コントロール・システム (SCCS) またはリビジョン・コントロール・システム (RCS) を使用した,ソース・ファイル・ライブラリの管理方法について説明します。
第 7 章 複雑なプログラムおよびアプリケーションの作成および保守を行う,make ユーティリティの使用方法について説明します。

関連資料

本書は,『プログラミング・ガイド』 を補足するものです。 いずれのマニュアルの場合も,その内容を使用するにあたって,他方のマニュアルを参照する必要はありません。

Tru64 UNIX のドキュメントは次の URL でアクセスできます:


http://h50146.www5.hp.com/products/software/oe/tru64unix/manual/

本書で使用する表記法

本書では,次の表記規約を使用します。

%
$

パーセント記号は,C シェルのシステム・プロンプトを表します。ドル記号は, Bourne シェル,Korn シェル,および POSIX シェルの場合の システム・プロンプトを表します。

#

番号記号は root としてログインした場合のシステム・プロンプトを表します。

% cat

対話式の例における太字(ボールド体)は,ユーザが入力する文字を示します。

file

イタリック体 (斜体) は,変数値,プレースホルダ,および関数の引数名を示します。

[ | ]
{ | }

構文定義では,大カッコはオプションの項目を示し,中カッコは必須項目を示します。 大カッコまたは中カッコの中の項目を縦線で区切っている場合は, そこに併記されている項目の中から1つの項目を選択することを示します。

colored text

構文定義では,リテラル要素(コマンド名など文字通り入力する要素)は緑色で表示され,変数値,数式/論理式記号,関数の引数名は赤色で表示されます。 構文説明以外の場所では,色付きのテキストは使用しません。

. . .

構文定義では,水平の反復記号は,前の項目を1回以上繰り返して使用できることを示します。

cat(1)

リファレンス・ページの参照には,該当するセクション番号をカッコ内に示します。 たとえば, cat(1) は,cat コマンドについての情報が, リファレンス・ページのセクション1に記載されていることを示します。

[Return]

四角で囲まれたキー名はユーザがそのキーを押すことを示します。

[Ctrl/x]

この記号は,スラッシュの前に指定されているキーを押しながら, スラッシュの後のキーまたはマウス・ボタンを押すことを示します。 例中では,このようなキーの組み合わせは, 四角あるいは大カッコで囲まれて示されます(たとえば,[Ctrl/C] )。