この章では,Tru64 UNIX から削除された機能,あるいは今後のリリースで廃止または変更が予定されている機能について説明します。
現在,この章で記述する機能を使用しているユーザおよび開発者は,他の機能への移行を検討してください。
2.1 本リリースで廃止された機能
以下の項では,本リリースで廃止された機能について説明します。
これらの機能は,以前のリリースで廃止を予告していたものです。
2.1.1 Performance Manager の CDE GUI
Performance Manager の CDE GUI は本リリースからサポートされていません。
性能の管理には,collect
ユーティリティを使用してください。
collect
ユーティリティには,コマンド行インタフェースとグラフィカル・ユーザ・インタフェースが用意されています。
2.1.2 COM for Tru64 UNIX
COM for Tru64 UNIX は本リリースからサポートされていません。
2.1.3 DECmigrate
DECmigrate は本リリースからサポートされていません。
これに伴い,mxr
コマンド,libmxr.so
ライブラリ,mxr
(1) リファレンス・ページは提供されていません。
2.1.4 iPlanet Directory Server
iPlanet Directory Server は本リリースからサポートされていません。
この製品の代替機能は OpenLDAP Directory Server です。
2.1.5 AdvFS サブシステム属性
次の AdvFS サブシステム属性は,本リリースではサポートされていません。
AdvfsCacheHashSize
AdvfsCacheMaxPercent
AdvfsMinFreeAccess
AdvfsMaxFreeAccessPercent
AdvfsFavorBlockingQueue
AdvfsMaxDevQLen
こららの属性で提供されていた機能は,システムの性能を最適化するための新しい動的カーネル・アルゴリズムで提供されます。
2.1.6 AdvFS のフラグメント属性
AdvFS サブシステム属性
AdvfsMinFragGrps
および
AdvfsMaxFragGrps
は,本リリースではサポートされていません。
2.1.7 C++ 実行時ライブラリ libtask および libcomplex
libtask
および
libcomplex
C++ 実行時ライブラリは,「Associated Products, Volume 2」CD-ROM 内の廃止サブセット用のディレクトリ (Tru64_UNIX_Retired
) へ移動されています。
libcomplex
ライブラリで定義されている標準でない complex クラスを使用しているコードがある場合は,C++ 標準ライブラリで定義しているテンプレート complex クラスを使用することをお勧めします。
また,libtask
を使用しているコードがある場合は,POSIX スレッド・ライブラリを使用することをお勧めします。
2.1.8 サポートされていないカーネル・オブジェクト・サブセット
以下のカーネル・オブジェクト・サブセットは,「Associated Products, Volume 2」CD-ROM の古いサブセット用のディレクトリ (Tru64_UNIX_Obsolete
) に移されています。
OSFBINOBJECT540 | メイン・カーネル・オブジェクト |
OSFHWBINOBJECT540 | ハードウェア・カーネル・オブジェクト |
OSFADVFSOBJECT540 | AdvFS カーネル・オブジェクト |
OSFLSMOBJECT540 | LSM カーネル・オブジェクト |
OSFATMOBJECT540 | ATM カーネル・オブジェクト |
この節では,Tru64 UNIX の今後のリリースで廃止または変更が予定されている機能について説明します。
現在,これらの機能を使用しているユーザおよび開発者は,他の機能への移行をご検討ください。
2.2.1 emxmgr ユーティリティ
emxmgr
ユーティリティは,オペレーティング・システムの将来のリリースで廃止されます。
このユーティリティの代替機能は
hwmgr
ユーティリティ (hwmgr show fibre
) でサポートされています。
詳細については,
hwmgr_show
(8)hwmgr -help show
コマンドを入力してヘルプ情報を参照してください。
2.2.2 automount ユーティリティ
automount
ユーティリティは,将来のリリースではサポートされなくなる予定です。このユーティリティの代替機能として,autofs
ユーティリティが提供されています。
automount
から
autofs
への移行方法については,『ネットワーク管理ガイド:サービス編』を参照してください。
2.2.3 POSIX スレッドの計測
POSIX スレッド・ライブラリの計測機能は,オペレーティング・システムの将来のリリースで廃止される予定です。
これらの機能については 『Guide to the POSIX Threads Library』 で説明しています。
同期オブジェクトについての統計情報と履歴情報を収集するには,マルチスレッド・プログラムの分析とデバッグを行う Visual Threads ツールを使用してください。
2.2.4 SCSI デバイス名
rz
および
tz
の SCSI デバイス名のサポートは,将来のリリースで廃止されます。
これにより,ASCII 名またはマイナー番号によってデバイスを認識するすべてのコードが影響を受ける可能性があります。
バイナリ互換性を保証するメカニズムが提供されているため,現在のネームスペースを使用するコードはすべて,このメカニズムが廃止されるまで互換性があります。
ただし,互換性のあるネームスペースは,古い,制限のあるアドレス空間でのみデバイスにアクセスでき,新しいデバイス名は新しい拡張されたアドレス空間でのみデバイスにアクセスできることに注意してください。
2.2.5 XIE Version 3.0 X クライアント拡張
Tru64 UNIX は XIE V5.0 をサポートしています。
XIE V3.0 サーバ拡張のサポートは,V4.0 で廃止されていますが,クライアント・サポートは将来の Tru64 UNIX リリースで廃止される予定です。
2.2.6 ATM IP スイッチング
Tru64 UNIX では,Ipsilon Networks 社のリファレンス・モデル (RFC 1953 および 1954) に基づき,ATM 経由での IP スイッチング機能のサポートを限定して提供しています。この機能は将来のリリースでは廃止される予定です。
IP スイッチングのサポートは,下位互換性を維持する目的でサポートされています。
新しいアプリケーションの開発には使用しないでください。
Classical IP や LAN Emulation など,ATM 経由で IP を使用するメソッドは,今後も引き続きサポートされる予定です。
2.2.7 ogated ルーティング・デーモン
ogated
(古いバージョンの
gated
ルーティング・デーモン) は,Tru64 UNIX の将来のリリースではサポートされない予定です。
ogated
ルーティング・デーモンを使用している場合は,ogated
デーモンの機能を完全にサポートする
gated
ルーティング・デーモンへの移行を検討してください。
2.2.8 DEC Ada RTL
DEC Ada (UPI - 0HM) および DEC Ada PDO (UPI - 0VS) は,Tru64 UNIX の将来のリリースではサポートされなくなります。
2.2.9 イベント・レポート・フォーマッタ (uerf)
イベント・レポート・フォーマッタ (uerf
) は,将来のリリースで廃止される予定です。
uerf
コマンドは,西暦 2000 年問題への対応が確認されていません。
使用するシステムに応じて,Compaq Analyze または DECevent を使用してください。
2.2.10 Tcl Version 7.6 および Tk Version 4.2
Tcl Version 7.6 および Tk Version 4.2 は,将来のリリースで廃止される予定です。 本リリースには Tcl/Tk Version 8.2 が含まれています。
Tcl Version 7.6 と Tk Version 4.2 はオプションのサブセット
OSRETIREDTCL76510
と
OSRETIREDTK42510
に移動されています。
これらのサブセットは,/usr/opt/obsolete
ディレクトリにインストールされ,実行時環境のみを含んでいます。
ヘッダ・ファイルとリファレンス・ページは含まれていません。
2.2.11 dxlsm インタフェース
CDE/X11 のグラフィカルな LSM ツール,dxlsm
は,将来のリリースで廃止される予定です。
dxlsm
インタフェースの代わりに,新しい LSM Storage Administrator,lsmsa
が,オペレーティング・システムの Version 5.0 で導入されています。
dxlsm
および
lsmsa
インタフェースは,いずれも
OSFLSMX11
サブセットからインストールされます。
LSM 構成の管理には
lsmsa
インタフェースを使用することをお勧めします。
2.3 将来のリリースでサポートされなくなるハードウェア
オペレーティング・システムをさらに進化させ機能を強化するために,既存のいくつかのハードウェアをサポート対象から外すことが必要になります。
この節では,本リリースからサポートされなくなったハードウェア,および将来のリリースでサポートされなくなるハードウェアについて説明します。
2.3.1 本リリースからサポートされないハードウェア
以下の項では,本リリースからサポートされないハードウェアについて説明します。
2.3.1.1 ネットワーク・アダプタ
Tru64 UNIX Version 5.1B 以降,4 Mbps および 16 Mbps ネットワーク用の DETRA Token Ring ネットワーク・アダプタはサポートされません。
ほとんどのカスタマは Token Ring ネットワークのインフラストラクチャを標準の 100 Mbps Fast Ethernet あるいは 1000 Mbps Gigabit Ethernet ネットワークにアップグレードしているため影響が出るケースはあまりないと思われますが,Token Ring ネットワークを Ethernet ネットワークにブリッジするための種々のソリューションがさまざまなベンダーから用意されています。
2.3.1.2 アレイ・コントローラ
本リリースから,以下のストレージ・アレイ・コントローラはサポートされていません。
HSZ10
HSZ20
HSZ40
HSZ50
HSZ70
本リリースから,以下のディスク・デバイスはサポートされていません。
RZ55
RZ56
RZ57
RZ58
RZ73
RZ74
2.3.2 将来のリリースでサポートされなくなるハードウェア
ここでは,将来のリリースでサポートされなくなるハードウェアについて説明します。
2.3.2.1 VME バス
VME バスのサポートは,将来のリリースでは提供されなくなる予定です。
サポートの廃止は,VME バス技術を使用したシステムおよびオプションの両方が対象となります。
2.3.2.2 アレイ・コントローラ
以下のストレージ・アレイ・コントローラは,オペレーティング・システムの将来のリリースではサポートされなくなる予定です。
HSG60
HSZ22
HSZ80
将来のリリースでは,以下のネットワーク・アダプタがサポートされなくなります。
DE500-FA -- PCI-to-100 BASE-FX (Fast Ethernet) ネットワーク・インタフェース・カード
DE500-BA -- シングルポート Ethernet (copper)
DE450-CA -- シングルポート Ethernet (twisted pair)
DE435 -- PCI Ethernet
DE425 -- EISA Ethernet
DE422 -- EISA Ethernet
DEFEA -- EISA FDDI
将来のリリースでは,DEFAA FDDI アダプタがサポートされなくなります。