本文に進む 日本−日本語
日本HPホーム 製品とサービス お客様サポート/ ダウンロード ソリューション ご購入の方法
≫ お問い合わせ
日本HPホーム
HP Tru64 UNIX: パッチ・キット・インストレーション・ガイド > 第1章 パッチの適用作業の概要

1-7 一般的な問題点および制限事項

≫ 

Tru64 UNIX V5.1B-4 ライブラリ

目次
用語集
索引
まえがき
第 1 章:概要
第 2 章:準備
第 3 章:適用手順
第 4 章:クラスタでの適用
付録 A:ログ・ファイル
付録 B:エラー・メッセージ
付録 C:dupatch コマンド
付録 D:過去のリリースでの変更点
PDF
Tru64 UNIX ホーム
ここから本文が始まります

この項では,パッチのインストールまたは削除の際に気をつけるべき点について説明します。インストレーションに関する問題点および制限事項については,インストールしようとしているキットの 『Patch Summary and Release Notes』 を参照してください。

1-7-1 シングルユーザ・モードが適切な場合

パッチはマルチユーザ・モードでインストールすることもできますが,Tru64 UNIX オペレーティング・システムの動作あるいはパッチを適用しようとしている製品の動作に影響を与えるようなパッチをインストールしようとしている場合は,システムをシングルユーザ・モードにシャットダウンすることをお勧めします。システムをマルチユーザ・モードのまま維持しなければならない場合は,システムの負荷がなるべく低い時にパッチを適用してください。

マルチユーザ・モードにおけるパッチの選択および事前チェックの実行には特に制限事項はありません。パッチの削除はシングルユーザ・モードでのみ可能です。

1-7-2 不要なファイルのないディレクトリを使用したパッチ・キットのインストール

Web からダウンロードしたパッチ・キットをインストールする場合は,不要なファイル (以前のパッチ・キットのファイル) のないディレクトリにファイルを untar します。不要なファイルが存在すると,新しいキットのインストール時に想定外の影響を受けることがあります。

1-7-3 クラスタ構築前のシステムへのパッチ適用

クラスタを構築する前にシステムにパッチを適用すると時間を節約できます。ただし,その場合にはパッチ・キットは削除できません。

以下に,クラスタ構築前のシステムにパッチを適用する手順を説明します。

  1. Tru64 UNIX オペレーティング・システムのインストールと構成を行います。

  2. setld コマンドを使用して,TruCluster softwareのキットをインストールします。パッチの操作の前に TruCluster softwareのキットがロードされていない場合,TruCluster software用のパッチはロードされません。

  3. システムにパッチを適用します。

  4. clu_create コマンドを使用してシングル・メンバ・クラスタを構築します。

オペレーティング・システムのインストールについては Tru64 UNIX の『インストレーション・ガイド』を,クラスタの構築に関する情報は TruCluster の 『クラスタ・インストレーション・ガイド』 を参照してください。

1-7-4 RIS または DMS によるパッチ・インストールの制限

リモート・インストール・サービス (RIS) またはデータレス管理サービス (DMS) によるパッチ・インストールはサポートされていません。ただし,パッチ・キット・インストール・メカニズムでは,NFS 経由のネットワーク・インストールはサポートしています。

1-7-5 setld によるパッチ・サブセットの直接インストールあるいは削除の制限

Tru64 UNIX および TruCluster softwareのパッチは,dupatch を使用してのみインストールおよび削除できます。setld を使ってパッチ・サブセットを直接インストールまたは再インストールすることはできません。この制限により,パッチのトラッキングおよび管理の精度が保たれます。

1-7-6 /var/adm/patch/backup ディレクトリの処理の制限

パッチ管理ユーティリティでは,/var/adm/patch/backup ディレクトリが各システムに 1つ存在することを前提にしています。1 つのディレクトリに複数のシステムからのオリジナル・ファイルをバックアップすることはできません。

1-7-7 インストール・フェーズ実行中の Ctrl/c 入力の禁止

パッチ・キットのインストール・フェーズ実行中は,Ctrl/c コマンドを入力しないでください。

警告:

どのようなシステム更新処理であっても,インストール・フェーズ中に Ctrl/c を入力すると,オペレーティング・システムのソフトウェア環境の一貫性がなくなり,回復不能な状態に陥ります。

1-7-8 カスタマイズ・ファイルを含むパッチの削除

dupatch でカスタマイズ・ファイルを含むパッチを削除すると,セッション・ログ・ファイル /var/adm/patch/log/session.log に次のようなメッセージが出力されることがあります。

- Tru64_UNIX_V5.1B / Network Patches:
        Patch 25020.00 - SP04 OSFCLINET540 (SSRT3653 SSRT2384 SSRT2275 ...)      

        Customization found in ./etc/inetd.conf.

        Before the backup was restored, we had saved a copy of this file in:

                ./etc/inetd.conf.PreDel_OSFPAT02502000540

        Please compare ./etc/inetd.conf with this saved copy. 

        If there are extra customizations you want to keep, you would need 
        to merge them into ./etc/inetd.conf manually. 

        ./etc/inetd.conf.PreDel_OSFPAT02502000540 
        can be removed afterwards.

上記のメッセージは,削除されたパッチにカスタマイズ・ファイル (この例では,ファイル /etc/inetd.conf) が含まれていないかどうかを調べるようにとの警告メッセージです。カスタマイズした内容を維持するには,それらのカスタマイズ・ファイルを手動で追加することが必要です。

このようなカスタマイズ・ファイルの例を次に示します。

  • /usr/var/spool/cron/crontabs/root

  • /etc/sysconfigtab

  • /usr/var/adm/sendmail/sendmail.cf

1-7-9 リリース・パッチによる CSP の置き換え

dupatch 形式のカスタマー固有パッチ (CSP) はリリース・パッチでは自動的には置き換えられません。CSP によってリリース・パッチの適用が阻止された場合,dupatch はメッセージを表示します。詳細は,B-1-7 項 「インストール済みパッチあるいはサブセットが原因でパッチをインストールできない 」を参照してください。新しいスタイルのパッチ・キットに含まれる CSP の一覧については,各パッチ・キットのリリース・ノートを参照してください。Version 5.1B-2 以上に含まれている『Patch Summary and Release Notes』には,パッチ・キットで該当する CSP の一覧が記載されています。

1-7-10 新しいバージョンの Tru64 UNIX へのシステム・アップグレードに対する影響

レイヤード・プロダクトのパッチが存在する場合,Tru64 UNIX の新しいバージョンへシステムをアップグレードするのに使用される特定のプロシージャによって,オペレーティング・システムとレイヤード・プロダクトのオブジェクト間の整合性が失われることがあります。

注意:

Tru64 UNIX の新しいバージョンをインストールしたら,そのバージョンの Tru64 UNIX に適用可能な最新のパッチ・キットを入手して,インストールしてください。

1-7-11 NHD キットがインストールされたシステムで一部のパッチ・キットが削除できない問題

下記の条件のいずれかが該当する場合,New Hardware Delivery-7 (NHD-7) キットがインストールされたシステムからパッチ・キットを削除することはできません。

  • 削除するパッチ・キットが NHD キットの前にインストールされた。

    たとえば,Patch Kit 2 をインストールした後で NHD-7 をインストールした場合,このパッチ・キットは削除できません。 ただし,その後で Patch Kit 4 をインストールした場合は,パッチ・キットを削除できます。

  • NHD-7 でパッチ・キットがインストールされた。

    Patch Kit 3 のリリース以降,パッチ・キットは NHD-7 キットに統合されています。 その結果,NHD-7 をインストールする際に現在のキットが自動的にインストールされます。 これらのパッチ・キットは削除できません。 ただし,その後にインストールされたパッチ・キットは削除できます。 たとえば,NHD-7 で Patch Kit 4 をインストールした後に Patch Kit 5 を単独でインストールした場合,Patch Kit 4 は削除できませんが,Patch Kit 5 は削除できます。

上記の条件に当てはまるパッチ・キットを削除したい場合,唯一の解決策は,Version 5.1B オペレーティング・システムを再インストールし,次に必要なパッチ・キットをインストールして,NHD-7 でインストールされる不必要なパッチ・キットを含まない状態にシステムを復元することです。

1-7-12 パッチ適用システムへの古い NHD キットのインストール

本バージョンのパッチ・キットまたは以前のパッチ・キットがインストール済みの場合は,TruCluster Server システムに NHD-5 や NHD-6 キットをインストールしないでください。 これらの古い NHD キットのインストール・コードは一部のクラスタ・サブセット・ファイルを正しく維持しないため,古い NHD キットをインストールするとシステム構成が誤った状態になります。

1-7-13 システムに加えた変更を変更前の状態に戻す必要がある場合

パッチ・キットのインストール後にシステムに次の変更を加えた場合には,パッチ・キットをアンインストールする前に,それらの変更を元に戻す必要があります。

  • ハードウェア構成を変更した場合(たとえば,新規ディスクの追加など),パッチ・キットをアンインストールすると,パッチ・キットのインストール前のシステム構成では新しいデバイスを認識しなかったり,サポートに必要な機能を提供しないことがあります。

  • クラスタに新しいメンバをしている場合,パッチ・キットをアンインストールしようとすると,そのような新しいメンバは戻るべき以前の状態がありません。

このような状態でキットをアンインストールするには,以下の手順を実行します。

  1. パッチ・キットのインストール後に追加した新しいハードウェアおよび新しいクラスタ・メンバをすべて削除します。

  2. dupatch ユーティリティを実行してパッチ・キットをアンインストールします。

  3. パッチ・キットが正常にアンインストールされたことを確認します。

確認後,削除したクラスタ・メンバを追加し,また,削除したハードウェアがパッチ適用前のシステムでサポートされるものであれば,ハードウェアを再インストールできます。 パッチ・キットを再インストールすることも可能です。

1-7-14 パッチ適用前のシステムに戻すために実行が必要なスクリプト

パッチ・キットを削除して,パッチ適用前の状態にシステムを復元する場合は,パッチ削除プロセスの中でシステムをリブートする前に,/etc/dn_fix_dat.sh スクリプトを実行する必要があります。

この条件が適用されるのは,ご使用の V5.1B システムにインストールされている唯一の Tru64 UNIX パッチ・キットが Version 5.1B-4 である場合です。

注記: ノーロール・パッチによるパッチ適用プロシージャでは,パッチ削除後にシステムが自動的にリブートされるので,この方法を使用してパッチを削除し,システムをパッチ適用前の状態に戻すことはできません。

このスクリプトを実行しなかった場合,システムが正常にブートしないことがあります。 正常にブートしない場合は,次の操作を実行します。

  1. システムをシングルユーザ・モードでブートします。

      >>> boot -fl s 
  2. dn_fix_dat.sh スクリプトを実行します。

    # /etc/dn_fix_dat.sh
  3. 通常通りにリブートします。

3-8-2-1 項 「新しいスタイルのパッチ・キットに対する必須スクリプトの実行」 で説明するように,バージョン・スイッチを解除する必要がある場合には,当該プロセスの手順 5 に続いて /etc/dn_fix_dat.sh スクリプトを実行します。

注記:

dupatch を使用したインストールおよび削除のプロセスを実行したときに /etc/dn_fix_dat.sh スクリプトの実行に関する「パッチ固有情報」が表示された場合,システムがここに記述されている要件を満たしていない場合は,その指示は無視してください。

印刷用画面へ
プライバシー 本サイト利用時の合意事項
© 2007 Hewlett-Packard Development Company, L.P.