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HP Tru64 UNIX: パッチ・キット・インストレーション・ガイド > 第3章 パッチのインストールおよび削除手順

3-8 パッチの削除

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Tru64 UNIX V5.1B-4 ライブラリ

目次
用語集
索引
まえがき
第 1 章:概要
第 2 章:準備
第 3 章:適用手順
第 4 章:クラスタでの適用
付録 A:ログ・ファイル
付録 B:エラー・メッセージ
付録 C:dupatch コマンド
付録 D:過去のリリースでの変更点
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Tru64 UNIX ホーム
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システムからパッチを削除するには,dupatch メイン・メニューで Patch Deletion を選択します。以下の各項では,パッチ・キットを削除するための操作について説明します。

3-8-1 概要

Version 5.1B-3 キットに含まれている dupatch から,パッチの削除操作は,包括パッチ・キットと呼ばれる新しい形式のパッチ・キットをインストールしているかどうかによって異なります。包括パッチ・キットは Version 5.1B-2 以降に含まれています。

包括パッチ・キットを使用する場合は,個々のパッチではなくパッチ全体を削除する必要があります。ただし,システムにインストールされている包括パッチ・キットを一度削除した後,従来のキットから個々のパッチを削除することができます。

これを行うために,dupatch はインストールされているキットの種類を認識します。Patch Deletion (パッチの削除) メニューを選択すると,dupatch はシステムにインストールされている一番新しい包括パッチ・キットと, そのキットに依存するカスタマー固有パッチ (CSP) のリストを表示します。

キットを削除してシステムをリブートした後,さらに dupatch を実行して,次に古い包括パッチ・キットとそのパッチに依存する CSP を削除することができます。

包括パッチ・キットをすべて削除した後にパッチ削除プログラムを実行すると,dupatch はシステム上のすべてのパッチのリストを表示し,その中から任意のパッチを選択して削除できます。

警告:

従来のパッチ・キットの場合,Patch Deletion メニューには,どのパッチ・キットからインストールされたかとは無関係に,システムのすべての setld 形式のパッチが表示されます。したがって,ALL of the above メニュー項目を選択すると,すべての setld 形式のパッチがシステムから削除されます。そのため,パッチ・キットからすべてのパッチを削除したいけれども,setld 形式のパッチを削除したくない場合には,削除したいすべてのパッチの ID を指定する必要があります。

最新バージョンの dupatch も,シングルユーザ・モードとマルチユーザ・モードのどちらにおいても,パッチ削除のオプションを提供しています。インストール・プロセスの場合と同様に,シングルユーザ・モードを使用したほうが安全であり,シングルユーザ・モードで行うことをお勧めします。詳細は,1-7-1 項 「シングルユーザ・モードが適切な場合」を参照してください。

マルチユーザ・モードでパッチを削除すると,dupatch ユーティリティは次のような警告を表示します。

*** Multi-User Deletion Warning ***

You have chosen to delete patches from this system while it is running in
Multi-User mode. Some patches may directly affect core operating system
operations. To ensure the proper operation of all applications, it is
strongly suggested that you delete these patches while the system is in
Single-User mode. If this cannot be done, delete these patches when the
system is as lightly loaded as possible (i.e. not running production
environments, no users logged on, etc.).

Do you want to continue? (y/n):

続行する場合は yes と答えます。マルチユーザ・モードでパッチ・キットを削除したくない場合は,no と答え,3-3-1 項 「シングルユーザ・モードからのパッチのインストール」 の説明に従ってシステムをシングルユーザ・モードに変更します。

3-8-2 パッチの削除とシステムのリブートの前に必要な重要な作業

パッチ削除プロセスを実行する前に,以下の各項で説明している作業を実行する必要があります。

3-8-2-1 新しいスタイルのパッチ・キットに対する必須スクリプトの実行

包括パッチ・キットを対象に 3-7-1 項 「新しいスタイルのパッチ・キットにおけるバージョン・スイッチのインストール後の有効化」 の説明に従ってバージョン・スイッチを有効にした場合には,パッチ・キットを削除する前に /usr/sbin/versw_enable_delete スクリプトを実行する必要があります。このスクリプトを実行する手順の中では,クラスタまたは単体のシステムを完全にシャットダウンする必要があります。したがって,シャットダウンによる業務への影響が最小限の時間帯を選んでください。以下に,手順を示します。

  1. パッチ・キットのインストール・プロセスの全フェーズが完了していることを確認します。

  2. /usr/sbin/versw_enable_delete を実行します。

    # /usr/sbin/versw_enable_delete
  3. クラスタ全体またはシステム単体をシャットダウンします。

  4. クラスタ全体またはシステム単体をリブートします。

  5. dupatch を単体システム上で,または,ローリング・アップグレードの手順を使用してクラスタ上で実行し,パッチ・キットを削除します。

    注意:

    次の手順では,パッチ・キットを削除するために,クラスタの各メンバをリブートする必要があります。ノーロール手順では,パッチの削除後にシステムが自動的にリブートされるので,以降の手順を要求されているようには実施できません。したがって,このパッチ・キットを削除するためにノーロール手順を使用することはできません。

  6. 単体システム,または,クラスタの各メンバをリブートします。

3-8-2-2 システムに加えた変更の解除が必要な場合

パッチ・キットのインストール後にシステムに次の変更を加えた場合には,パッチ・キットを削除するためにそれらの変更を元に戻す必要があります。

  • ハードウェア構成を変更した場合 (たとえば,新規ディスクの追加など) に,パッチ・キットのインストール前のシステム構成が新しいデバイスを認識しなかったり,サポートに必要な機能を提供しないことがあります。

  • クラスタに新しいメンバを加えた場合,パッチ・キットを削除しようとすると,新しいメンバは戻るべき以前の状態がありません。

このような場合,パッチ・キットを削除するには,以下の手順を実行します。

  1. パッチ・キットのインストール後に追加した新しいハードウェアおよび新しいクラスタ・メンバをすべて削除します。

  2. dupatch ユーティリティを実行してパッチ・キットを削除します。

  3. パッチ・キットが正常に削除されたことを確認します。

確認後,削除したクラスタ・メンバを追加し,削除したハードウェアに対するサポートがパッチ適用前のシステムに存在すれば,ハードウェアを再インストールできます。また,パッチ・キットを再インストールすることも可能です。

3-8-2-3 特定の Version 5.1B システムでのリブートの前に実行する必要があるスクリプト

PK4 以上のパッチ・キットを削除して,パッチ適用前の Version 5.1B システムを復元する場合は,パッチ削除プロセスの中でシステムをリブートする前に,/etc/dn_fix_dat.sh スクリプトを実行する必要があります。この状況は,削除する包括パッチ・キットが,お使いの Version 5.1B システムにインストールされている唯一のパッチ・キットである場合に生じます。

Version 5.1B の以前のパッチ・キットが,システムにインストールされている唯一のパッチ・キットである場合,当該キットの特定のパッチを削除するときもこのスクリプトを実行する必要があります。当該キットの関係するパッチは,dupatch を使用したインストールおよび削除のプロセスを実行したときに表示されるパッチ固有情報に記載されます。

このスクリプトを実行しなかった場合,システムが正常にブートしないことがあります。正常にブートしない場合,次の操作を実行します。

  1. システムをシングルユーザ・モードでブートします。

     >>> boot -fl s 
  2. スクリプトを実行します。

    # /etc/dn_fix_dat.sh
  3. 通常通りにリブートします。

3-8-2-1 項 「新しいスタイルのパッチ・キットに対する必須スクリプトの実行」 で説明したようにバージョン・スイッチを解除する必要がある場合には,当該プロセスの手順 5 に続いて /etc/dn_fix_dat.sh スクリプトを実行します。

3-8-3 dupatch を使用したパッチの削除

パッチを削除するプロセスは,インストールのプロセスと似ています。

以下の手順は,シングルユーザ・モードで実行しているシステムでの,包括パッチ・キットのパッチ削除プロセスについて説明しています。マルチユーザ・モードでは,手順は同じですが,3-8-1 項 「概要」 で説明したようにマルチユーザの削除についての警告が表示される点が異なります。

システムをシングルユーザ・モードに変更する手順については,3-3-1 項 「シングルユーザ・モードからのパッチのインストール」 を参照してください。

  1. dupatch を実行し,パッチを削除するために 2 を選択します。

    # /patch/pk4/patch_kit/dupatch
    
    Tru64 UNIX Patch Utility (Rev. 48-00)
    ==========================
            - This dupatch session is logged in /var/adm/patch/log/session.log
    
        Main Menu:
        ---------
    
        1)  Patch Kit Installation
        2)  Patch Kit Deletion
        3)  Patch Kit Documentation
        
        4)  Patch Tracking
        5)  Patch Baseline Analysis/Adjustment
        
        h)  Help on Command Line Interface
        
        q)  Quit
    
    Enter your choice: 2
  2. 現在のパッチ・キットを選択します。包括パッチ・キットがインストールされていない場合は,このメニューは変わります。

    There may be more patches than can be presented on a single
         screen. If this is the case, you can choose patches screen by screen
         or all at once on the last screen. All of the choices you make will
         be collected for your confirmation before any patches are deleted.
    
         1) CSP C688.00  drag-and-drop or cut-and-paste may fail
         2) CSP C718.00  Debug version of ping 
         3) CSP C752.00  page on o/h list panic 
         4) CSP C882.00  Fix for memory leak and slowdown in rpc.lockd
         5) T64V51BB26AS0005-20050215 and all CSP's dependent upon it 
    
    Or you may choose one of the following options:
    
         2) ALL of the above 
         3) CANCEL selections and redisplay menus
         4) EXIT without deleting any patches 
    
    Enter your choices or press RETURN to redisplay menus.
    
    Choices (for example, 1 2 4-6): 7
    
    You are deleting the following patches:
    
            T64V51BB26AS0005-20050215 and all CSP's dependent upon it               
    
    Is this correct? (y/n):y
    
                    ***  Start of Special Instructions  ***
    
    
    
    If you delete this patch kit, you MUST run the following script prior to 
    rebooting your system:  /etc/dn_fix_dat.sh
    .
    .
    .
    
  3. パッチを削除した人物として自分の名前を記録し,今後の参考用にログ・ファイルに保存しておきたいコメントを追加するためのプロンプトが表示されます。たとえば,次のようになります。

    Your name: Betty

    次に,この作業について記録しておきたいことをコメントとして入力します。入力を終了するには,ピリオド (.) を入力してリターン・キーを押します。

    : Uninstalling V5.1B-3
    : . Return
    
    Checking patch dependency...
      (depending upon the number of patches you select, this may take awhile)
    
    
       *** The Patch Kit will delete 67 patches ***
    
    ************************** CAUTION ************************************ 
    
    	Interruption of this phase of the operation will corrupt your 
    	operating system software and compromise the patch database 
    	integrity. 
    
    	DO NOT Ctrl/C, power off your system, or in any other way 
    	interrupt the patch operation. The patch operation is complete 
    	when you are returned to the Patch Utility menus.
    
    ***********************************************************************
    Deleting "Patch: SP05 OSFEXER540" (OSFPAT02603100540).
    Deleting "Patch: SP05 OSFEXAMPLES540" (OSFPAT02603000540).
    Deleting "Patch: SP05 OSFENVMON540" (OSFPAT02602800540).
    .
    .
    .
    
  4. カーネルを再構築します。この手順は,インストール時の手順と同じです。詳細は,3-5 項 「カーネルの再構築」を参照してください。

  5. セッション・ログを調べて,正常に削除されたことを確認します。パッチ固有の情報,情報メッセージ,エラー・メッセージに留意します。これは特に,システムをリブートする前に実行する必要のある操作 (スクリプトの実行など) があるか知るのに重要です。

  6. 3-8-2-3 項 「特定の Version 5.1B システムでのリブートの前に実行する必要があるスクリプト」 の説明に従って,スクリプトを実行します。

  7. システムをリブートします。詳細は,3-6 項 「システムのリブート」を参照してください。

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