この付録には,/usr
ファイル・システム,ルート・ファイル・システム,およびデータ・ファイル・システムを AdvFS に変換するために使用できる手順を記載しています。
また,システム全体を AdvFS から UFS に変換する方法についても扱っています。
この付録で説明している変換方法は,変換プロセスを説明するためのガイドラインです。 具体的なファイル名,テープ・ドライブ,およびディスク・パーティションはシステムごとに異なります。
vdump
および
vrestore
のファイル・フォーマットは,オペレーティング・システム・ソフトウェアの Version 4.0 と Version 5 の間で互換性があります。
システムを Version 5 にアップグレードし,ドメインを再作成し,バックアップからデータをリストアすると (第 4 章を参照),AdvFS ファイル・セットおよびドメインは新しい構造を持つことになります (2.3.3 項を参照)。
C.1 /usr ファイル・システムの AdvFS への変換
AdvFS の初期インストール時に,/usr
ファイル・システムに AdvFS を使用できます。
UFS のファイル・システム
/usr
を AdvFS に変換すると,障害時のシステム停止時間を短縮することができます。
/usr
を AdvFS にインストールしていない場合は,バックアップ・テープ,中間ファイル,別のディスクのいずれかを使用して実行できます。
C.1.1 バックアップ・テープの使用
既存のファイル・システムをテープにバックアップした後 AdvFS 環境にリストアすることにより,/usr
(UFS) ファイル・システムを同等な AdvFS ファイル・システムに変換できます。
この処理には次のものが必要になります。
root ユーザ特権
バックアップ・デバイスおよびメディア
変換されたファイル・システムの 5% 増しのディスク・スペース
システムにインストールされた AdvFS
次のようなシステム構成を想定します。
既存の UFS 構成
ファイル・システム
/usr
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk3g
新しい AdvFS 構成
ファイル・システム
/usr
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk3g
ドメイン
usr_domain
ファイルセット
usr
次のような手順で,ファイル・システムを変換します。
/usr
ファイル・システムを含むシステムに root としてログインします。
AdvFS
vdump
コマンドを使用して,/usr
ファイル・システムを省略時のテープ・ドライブである
/dev/tape/tape0
にバックアップします。
# mt rewind # cd /usr # vdump -0 .
次の手順で
/etc/fstab
ファイルを編集します。
/usr
を UFS ファイル・システムとしてマウントする次のようなエントリを検索します。
/dev/disk/dsk3g /usr ufs rw 1 2
上記の行を,/usr
を AdvFS ファイル・システムとしてマウントする次のようなエントリに置換します。
usr_domain#usr /usr advfs rw 1 0
次のコマンドを入力することにより,システムをシャットダウンします。
# shutdown -h now
システムをシングルユーザ・モードにリブートします。 シングルユーザ・モードへのブート方法については,『システム管理ガイド』を参照してください。
Iシングルユーザ・モードで,ルート・ファイル・システムを
rw
としてマウントし,usr_domain
ドメインを作成し,さらに
usr
ファイルセットを作成します。
mkfdmn
コマンドに
-F
オプションを指定してパーティション・ラベルを UFS から AdvFS に強制的に変更し,警告メッセージを回避します。
# mount -u / # mkfdmn -F /dev/disk/dsk3g usr_domain # mkfset usr_domain usr
次のコマンドを入することにより,usr
ファイルセットを
/usr
ディレクトリにマウントします。
# mount -t advfs usr_domain#usr /usr
/usr
ファイル・システムをテープから
usr
ファイルセットにリストアします。
# vrestore -x -D /usr
システムをマルチユーザ・モードにブートします。
システム・プロンプトが戻った時点で,変換された
/usr
ファイル・システムが使用できる状態になります。
既存のファイル・システムをファイルにバックアップした後 AdvFS 環境にリストアすることにより,/usr
(UFS) ファイル・システムを同等な AdvFS ファイル・システムに変換できます。
この処理には次のものが必要になります。
root ユーザ特権
中間ファイルのためのディスク・スペース (中間ファイルを含むファイル・システムは,同一ディスク,異なるディスクのどちらでも構いません。)
変換されたファイル・システムの 5% 増しのディスク・スペース
システムにインストールされた AdvFS
次のようなシステム構成を想定します。
既存の UFS 構成
ファイル・システム
/usr
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk3g
中間ファイル
/tmp/usr_bck
新しい AdvFS 構成
ファイル・システム
/usr
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk3g
ドメイン
usr_domain
ファイルセット
usr
次のような手順で,/usr
ファイル・システムを変換します。
/usr
ファイル・システムを含むシステムに root としてログインします。
AdvFS
vdump
コマンドを使用して,/usr
ファイル・システムを中間ファイルである
/tmp/usr_bck
にバックアップします。
# cd /usr # vdump -0f /tmp/usr_bck /usr
次の手順で
/etc/fstab
ファイルを編集します。
/usr
を UFS ファイル・システムとしてマウントする次のようなエントリを検索します。
/dev/disk/dsk3g /usr ufs rw 1 2
上記の行を,/usr
を AdvFS ファイル・システムとしてマウントする次のようなエントリに置換します。
usr_domain#usr /usr advfs rw 1 0
次のコマンドを入力することにより,システムをシャットダウンします。
# shutdown -h now
システムをシングルユーザ・モードにリブートします。 シングルユーザ・モードへのリブートについては,『システム管理ガイド』を参照してください。
シングルユーザ・モードで,ルート・ファイル・システムを
rw
としてマウントし,usr_domain
ドメインを作成し,さらに
usr
ファイルセットを作成します。
mkfdmn
コマンドに
-F
オプションを指定してパーティション・ラベルを UFS から AdvFS に強制的に変更し,警告メッセージを回避します。
# mount -u / # mkfdmn -F /dev/disk/dsk3g usr_domain # mkfset usr_domain usr
次のコマンドを入力することにより,usr
ファイルセットを
/usr
ディレクトリにマウントします。
# mount -t advfs usr_domain#usr /usr
/usr
ファイル・システムを中間ファイルから
usr
ファイルセットにリストアします。
# vrestore -xf /tmp/usr_bck -D /usr
システムをマルチユーザ・モードにブートします。
システム・プロンプトが戻った時点で,変換された
/usr
ファイル・システムが利用できるようになります。
あるディスク上の
/usr
(UFS) ファイル・システム変換して,同等な
/usr
(AdvFS) ファイル・システムとして異なるターゲット・ディスク上に配置することができます。
この処理には次のものが必要になります。
root ユーザ特権
変換されたファイル・システムの 5% 増しのディスク・スペースを持つ別のディスク
システムにインストールされた AdvFS
次のようなシステム構成を想定します。
既存の UFS 構成
ファイル・システム
/usr
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk3g
新しい AdvFS 構成
ファイル・システム
/usr
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk2c
マウント・ディレクトリ
/usr.advfs
ドメイン
usr
_domain
ファイルセット
usr
次のような手順で,/usr
ファイル・システムを変換します。
/usr
ファイル・システムを含むシステムに root としてログインします。
ドメインとファイルセットを作成します。
# mkfdmn /dev/disk/dsk2c usr_domain # mkfset usr_domain usr
マウント・ポイント・ディレクトリを作成し,ディレクトリに新しいファイルセットをマウントします。
# mkdir /usr.advfs # mount -t advfs usr_domain#usr /usr.advfs
/usr
ディレクトリに移動します。
# cd /usr
システム上で他のユーザが作業していないことを確認して (システムをシングルユーザ・モードにすると確実です),UFS ファイル・システムの内容を AdvFS ファイル・システムにコピーします。
# vdump -0f - -D . | vrestore -xf - -D /usr.advfs
次の手順で
/etc/fstab
ファイルを編集します。
/usr
を UFS ファイル・システムとしてマウントするために,次のようなエントリを検索します。
/dev/disk/dsk3g /usr ufs rw 1 2
上記の行を,/usr
を AdvFS ファイル・システムとしてマウントするための次のようなエントリと置換します。
usr_domain#usr /usr advfs rw 1 0
次のコマンドを実行してテンポラリ・ディレクトリを削除します。
# umount /usr.advfs # rmdir /usr.advfs
システムをシャットダウンおよびリブートします。
システム・プロンプトが戻った時点で,変換された
/usr
ファイル・システムが使用できるようになります。
ルート・ファイル・システムを AdvFS に変換することにより,システムを AdvFS ドメインからブートしてルート (/) ファイル・システムとして AdvFS を使用することができるようになります。 AdvFS ルート・ドメインは,単一ディスクに置かれていなければなりません。 オペレーティング・システムの初期インストレーション時に,AdvFS ファイル・システム上にルートをインストールすることができます。 それ以外の方法としては,次のような方法があります。
注意
対象となる AdvFS のルート・ドメインは,ボリュームを 1 つだけ含むことができ,また変換されたルート・ファイル・システムを格納するのに十分なサイズでなければなりません。
この処理には,root ユーザ特権,別のブート可能ディスク (パーティション
a
または
c
を使用),システムにインストールされた AdvFS ファイル・システムが必要です。
次のようなシステム構成を想定します。
既存の UFS 構成
ファイル・システム
root
マウント・ディレクトリ /newroot
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk1a
新しい AdvFS 構成
ファイル・システム
root
マウント・ディレクトリ
/newroot
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk2a
ドメイン
root_domain
ファイルセット
root
次のような手順で,ルート・ファイル・システムを変換します。
この例では
disk_name
というディスクを対象とします。
ルート・ファイル・システムを含むシステムに root としてログインします。
ドメインとファイルセットを作成します。
# mkfdmn -r /dev/disk/dsk2a root_domain # mkfset root_domain root
次のコマンドを入力することにより,マウント・ポイント・ディレクトリを作成し,ディレクトリに新しいファイルセットをマウントします。
# mkdir /newroot # mount -t advfs root_domain#root /newroot
システム上で他に処理が行われていないことを確認し (システムをシングルユーザ・モードにすると確実です),UFS ルート・ファイル・システムをルート・ファイルセットにリストアします。
# vdump 0f - / | (cd /newroot; vrestore -xf -)
次のコマンドを使用して,ルート・ドメインを伴うディスクをブート可能なディスクにします。
# disklabel -r /dev/rdisk/dsk2a > /tmp/dsk2label # disklabel -t advfs -r -R /dev/rdisk/dsk2a \ /tmp/dsk2label disk_name
AdvFS ルート・ファイルセット内の
/etc/fstab
ファイルを編集して,新しいルート・エントリを示すようにします。
/newroot/etc/fstab
ファイルで,UFS ファイル・システムとしてルートをマウントしている次のようなエントリを検索します。
/dev/disk/dsk1a / ufs rw 1 1
上記の行を,AdvFS ファイル・システムとしてルートをマウントする次のようなエントリと置換します。
root_domain#root / advfs rw 1 0
編集が完了したら,次のコマンドを入力することにより,システムをシャットダウンします。
# shutdown -h now
省略時のブート・デバイスである
BOOTDEF_DEV
を再設定して,新しいルート・ドメインを伴うディスクに変更します。
この手順は,使用しているハードウェアによって異なります。
ハードウェア・マニュアルを参照してください。
システムをリブートして,AdvFS ルート・ファイル・システムを使用できるようにします。
T変換されたルート・ファイル・システムを使用するための準備がこれで整いました。
AdvFS ルート・ドメインは 1 つのディスクに制限されていますので,addvol
コマンドを使用してルート・ドメインを拡張することはできません。
C.3 ファイル・システムの AdvFS への変換
ファイル・システムを AdvFS に変換することにより,リブート時間を短縮することができます。 また,システム要求条件の変更に合わせてファイル・システム構成を簡単に修正することができます。
ファイル・システムを UFS から AdvFS に変換するには,バックアップ・テープ,中間ファイル,別のディスク,別のシステムのいずれかが必要です。
C.3.1 バックアップ・テープの使用
既存のファイル・システムを
vdump
コマンドでテープにバックアップし,vrestore
コマンドで AdvFS 環境にリストアすることにより,UFS ファイル・システムを同等な AdvFS ファイル・システムに変換することができます。
この処理には次のものが必要になります。
root ユーザ特権
バックアップ・デバイスおよびメディア
変換されたファイル・システムの 5% 増しのディスク・スペース
システムにインストールされた AdvFS
次のようなシステム構成を想定します。
既存の UFS 構成
ファイル・システム
/staff2
マウント・ディレクトリ
/staff2
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk2c
新しい AdvFS 構成
ファイル・システム
/staff2
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk2c
ドメイン
staff_domain
ファイルセット
staff2
次のような手順で,/staff2
ファイル・システムを変換します。
/staff2
ファイル・システムを含むシステムに root としてログインします。
AdvFS
vdump
コマンドを使用して,/staff2
ファイル・システムを省略時のテープ・ドライブである
/dev/tape/tape0
にバックアップします。
# mt rewind # mount /staff2 # vdump -0f /dev/tape/tape0 /staff2 # umount /staff2
staff_domain
ドメインと
staff2
ファイルセットを作成します。
mkfdmn
コマンドに
-F
を使用してパーティション・ラベルを UFS から AdvFS に強制的に変更し,警告メッセージを回避します。
# mkfdmn -F /dev/disk/dsk2c staff_domain # mkfset staff_domain staff2
新しいファイルセットをディレクトリにマウントします。
# mount -t advfs staff_domain#staff2 /staff2
次のコマンドを入力することにより,/staff2
ファイル・システムをテープから
staff2
ファイルセットにリストアします。
# vrestore -xvf /dev/tape/tape0 -D /staff2
次の手順で
/etc/fstab
ファイルを編集します。
/staff2
を UFS ファイル・システムとしてマウントするためのエントリを検索します。
/dev/disk/dsk2c /staff2 ufs rw 1 2
上記の行を,/staff2
を AdvFS ファイル・システムとしてマウントするための次のようなエントリと置換します。
staff_domain#staff2 /staff2 advfs rw 1 0
変換された
/staff2
ファイル・システムを使用するための準備がこれで整いました。
C.3.2 中間ファイルの使用
既存のファイル・システムをファイルにバックアップした後 AdvFS 環境にリストアすることにより,UFS ファイル・システムを同等な AdvFS ファイル・システムに変換できます。
この処理には次のものが必要になります。
root ユーザ特権
中間ファイルのためのディスク・スペース (中間ファイルを含むファイル・システムは,同一ディスク,異なるディスクのどちらでも構いません。)
変換されたファイル・システムの 5% 増しのディスク・スペース
システムにインストールされた AdvFS
次のようなシステム構成を想定します。
既存の UFS 構成
ファイル・システム
/staff2
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk3g
中間ファイル
/tmp/staff_bck
新しい AdvFS 構成
ファイル・システム
/staff2
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk3g
ドメイン
staff_domain
ファイルセット
staff2
次のような手順で
/staff2
ファイル・システムを変換します。
/usr
ファイル・システムを含むシステムに root としてログインします。
AdvFS
vdump
コマンドを使用して,/staff2
ファイル・システムを中間ファイルである
/tmp/staff_bck
にバックアップします。
# vdump -0f /tmp/staff_bck /staff2
staff_domain
ドメインと
staff2
ファイルセットを作成します。
mkfdmn
コマンドに
-F
オプションを指定してパーティション・ラベルを UFS から AdvFS に強制的に変更し,警告メッセージを回避します。
# mkfdmn -F /dev/disk/dsk3g staff_domain # mkfset staff2
次の手順で
/etc/fstab
ファイルを編集します。
/staff2
を UFS ファイル・システムとしてマウントするための次のようなエントリを検索します。
/dev/disk/dsk3g /staff2 ufs rw 1 2
上記の行を,/staff2
を AdvFS ファイル・システムとしてマウントするための次のようなエントリに置換します。
/staff_domain#staff2 /staff2 advfs rw 1 0
次のようなコマンドを入力して,staff2
ファイルセットを
/staff2
ディレクトリにマウントします。
# mount -t advfs staff_domain#staff2 /staff2
中間ファイルから
staff2
ファイルセットへ
/staff2
ファイル・システムをリストアします。
# vrestore -xf /tmp/staff_bck -D /staff2
これで,変換された
/staff2
ファイル・システムが使用できる状態になります。
C.3.3 別のディスクの使用
あるディスク上の UFS ファイル・システムを変換して,同等な AdvFS ファイル・システムとして異なるターゲット・ディスク上に配置することができます。
この処理には次のものが必要になります。
root ユーザ特権
変換されたファイル・システムの 5% 増しのディスク・スペースを持つ別のディスク system
システムにインストールされた AdvFS
次のようなシステム構成を想定します。
既存の UFS 構成
ファイル・システム
/staff2
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk3g
新しい AdvFS 構成
ファイル・システム
/staff2
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk2c
マウント・ディレクトリ
/staff2
ドメイン
staff_domain
ファイルセット
staff2
次のような手順で,/staff2
ファイル・システムを変換します。
/staff2
ファイル・システムを含むシステムに root としてログインします。
ドメイン
staff_domain
およびファイルセット
staff2
を作成します。
# mkfdmn /dev/disk/dsk2c staff_domain # mkfset staff_domain staff2
マウント・ポイント・ディレクトリを作成し,そのディレクトリに新しいファイルセットをマウントします。
# mkdir /new_staff2 # mount -t advfs staff_domain#staff2 /new_staff2
システム上で他の作業が行われていないことを確認し,UFS ファイル・システムの内容を AdvFS ファイル・システムにコピーします。
# vdump -0f - -D /staff2 | vrestore -xf - -D /new_staff2
次の手順で
/etc/fstab
ファイルを編集します。
/staff2
を UFS ファイル・システムとしてマウントするための次のようなエントリを検索します。
/dev/disk/dsk3g /staff2 ufs rw 1 2
上記の行を,/staff2
を AdvFS ファイル・システムとしてマウントするための次のようなエントリと置換します。
staff_domain#staff2 /staff2 advfs rw 1 0
/new_staff2
をアンマウントします。
# umount /new_staff2
/staff2
をアンマウントします。
# umount /staff2
古いディレクトリを削除します。
# rmdir /staff2
新しいファイルセットをマウントします。
# mount /staff2
既存のファイル・システムを新しいファイル・システムに移動し,さらにそのファイル・システムを AdvFS に変換することができます。
この処理には次のものが必要になります。
2 つのシステムと
tar
ユーティリティなどのファイル転送のための機能
(
tar
(1)
ターゲット・システムの root ユーザ特権
変換されたファイル・システムの 5% 増しのディスク・スペース
ターゲット・システムにインストールされた AdvFS
次のようなシステム構成を想定します。
既存の UFS 構成
ファイル・システム
/staff4
新しい AdvFS 構成
ファイル・システム
/staff4
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk2c
マウント・ディレクトリ
/staff4
ドメイン
staff_domain
ファイルセット
staff4
次のような手順で,staff4
ファイル・システムを変換します。
/staff4
ファイル・システムを含むシステムにログインし,次のコマンドを使用してファイル・システムのバックアップを取ります。
# tar c /staff4
ターゲット・システムの root としてログインします。
staff_domain
ドメインと
staff4
ファイルセットを作成します。
# mkfdmn /dev/disk/dsk2c staff_domain # mkfset staff_domain staff4
マウント・ポイント・ディレクトリを作成し,そのディレクトリに新しいファイルセットをマウントします。
# mkdir /staff4 # mount -t advfs staff_domain#staff4 /staff4
省略時テープ・ドライブ
/dev/rmt0h
から
/staff4
ファイル・システムをリストアします。
# mt rewind # tar x /staff4
/etc/fstab
ファイルを編集します。
/staff4
を UFS ファイル・システムとしてマウントするための次のような行を追加します。
staff_domain#staff4 /staff4 advfs rw 1 0
これで,staff_domain
ドメインに,使用可能状態の
staff4
ファイルセットが含まれることになります。
C.4 AdvFS から UFS への変換
ファイル・システム全体を AdvFS から UFS への変換する場合は,2 段階のステップを踏むことになります。
最初に,AdvFS ルート・ファイル・システムを UFS に変換します。
次に,各 AdvFS ファイルセットを UFS ファイル・システムに変換します。
C.4.1 ルート・ファイル・システムの UFS への変換
ルート・ファイル・システムの変換を行う場合,AdvFS ルート・ファイルセットがマウントされている状態で UFS ディスクをマウントしなければなりません。
この処理には次のものが必要になります。
root ユーザ特権
別のブート可能ディスク (パーティション
a
を使わなければならない)
次のようなシステム構成を想定します。
既存の AdvFS 構成
ファイル・システム
root
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk1a
ドメイン
root_domain
ファイルセット
root
新しい UFS 構成
ファイル・システム
root
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk2a
ファイル・システムの変換は,次のような手順に従って行います。
root としてログインします。
UFS ファイル・システムを作成します (ここで
disk_name
と呼ぶデバイスに作成)。
# newfs /dev/disk/dsk2a disk_name
マウント・ポイント・ディレクトリを作成し,UFS ファイル・システムをマウントします。
# mkdir /newroot # mount -t ufs /dev/disk/dsk2a /newroot
AdvFS ルート・ファイル・システムを
/dev/disk/dsk2a
UFS ファイル・システムにリストアします。
# vdump -0f - / | (cd /newroot; vrestore -xf -)
UFS ファイル・システムを含むディスクをブート可能なディスクにします。
# disklabel -r /dev/rdisk/dsk2a > /tmp/dsk21abel # disklabel -t ufs -r -R /dev/rdisk/dsk2a \ /tmp/dsk2label <disk>
UFS ファイル・システムの
/etc/fstab
ファイルを編集して,新しいルート・エントリを参照するようにします。
/newroot/etc/fstab
を検索して,AdvFS ファイル・システムのルートとしてマウントするための次のようなエントリを探します。
root_domain#root / advfs rw 1 0
上記のエントリを,ルートを UFS ファイル・システムとしてマウントするための次のようなエントリと置換します。
/dev/disk/dsk2a / ufs rw 1 1
次のコマンドを入力して,システムをシャットダウンします。
# shutdown -h now
ブート省略時デバイス,BOOTDEF_DEV
を新しいルート・ディスクに再設定します (特定の情報については,ハードウェア・マニュアルを参照してください)。
システムをリブートして,UFS ルート・ファイル・システムを使用可能にします。
ルート・ファイル・システムを UFS に変換したら,ファイルセットを USF に変換することができます。
この処理には次のものが必要になります。
root ユーザ特権
バックアップのためのテープあるいはディスク
次のようなシステム構成を想定します。
既存の AdvFS 構成
マウント・ディレクトリ
/staff2
ドメイン
staff_domain
ファイルセット
staff2
新しい UFS 構成
マウント・ディレクトリ
/staff2
ディスク・パーティション
/dev/disk/dsk2c
次の例では,AdvFSドメインに 1 つのボリューム,1 つのファイルセットが含まれるものとします。 AdvFS ドメインに複数のファイルセットが含まれる場合には,ファイルセットごとに別々の UFS ファイル・システムを作成しなければなりません。
注意
変換を開始する前に,必ずすべての AdvFS ファイルセットのフル・バックアップを取ってください。
AdvFS ファイルセットのバックアップを取ります。
# vdump -0f /dev/tape/tape0 /staff2
ファイルセットをアンマウントします。
# umount /staff2
ファイルセットを削除します。
# rmfset staff_domain staff2
ドメインを削除します。
# rmfdmn staff_domain
指定されたディスク・タイプの UFS ファイル・システムを作成します (ここで <disk>
と呼ぶデバイスに作成)。
作成しているパーティションの現在のラベルが AdvFS の場合,警告メッセージが表示されます。
yes
と応答して AdvFS の指定を無視します。
# newfs /dev/disk/dsk2c <disk>
次の手順で
/etc/fstab
ファイルを編集します。
/staff2
を AdvFS ファイルセットとしてマウントするための次のようなエントリを検索します。
staff_domain#staff2 /staff2 advfs rw 1 0
上記の行を,/staff2
を UFS ファイル・システムとしてマウントするための次のようなエントリと置換します。
/dev/disk/dsk2c /staff2 ufs rw 1 2
UFS ファイル・システムをマウントします。
# mount -t ufs /dev/disk/dsk2c /staff2
vrestore
コマンドを使用して,ファイルをバックアップから UFS ファイル・システムにロードします。
# vrestore -xvf /dev/tape/tape0 -D /staff2
ドメインに複数のボリュームが含まれる場合には,ファイルセットに割り当てられたディスク・スペースが,UFS ファイル・システム・ディスク・パーティションの限界値を超えていないかをチェックしなければなりません。 複数の UFS ファイル・システムを作成して,ドメイン内にファイルセットを保持する必要があるかもしれません。