pdpause - 物理プリンタ,キュー,またはスプーラを一時停止します。
12.2 形式
pdpause [-c class_name]
[-m message_text][-x extended_attribute_string...]
[-X attribute_filename...] object_instance...
次のコマンドで pdpause のヘルプが表示されます。
pdpause -h
pdpause ユーティリティは,処理待ちのプリント・ジョブ,物理プリンタ,キュー,またはスプーラを一時停止します。このユーティリティを使用する際には,以下の点に注意してください。
オブジェクトの現在の状態が paused (一時停止) に変わります。オブジェクトの状態は,pdls または pdq ユーティリティで表示することができます。
一時停止したオブジェクトは,pdresume ユーティリティで再開できます。
一時停止したオブジェクトはジョブを処理しませんが,pdls などの要求に対しては引き続き受け付けおよび応答することができます。
一時停止できるサーバはスプーラだけです。スプーラを一時停止オブジェクトにする場合は,次の点に注意してください。
ジョブはスプーラからスーパバイザに転送されません。
スプーラに関連付けられた論理プリンタは引き続き新たなジョブを受け付けることができます。
一時停止できるプリンタは物理プリンタだけです。物理プリンタを一時停止オブジェクトにする場合は,次の点に注意してください。
印刷動作が直ちに停止し,再開時には,停止した箇所から印刷を続けます。
物理プリンタに関連付けられたスプーラでは,プリンタが paused (一時停止) 状態にある間は,新たなジョブのスケジューリングを行いません。
一時停止した時点でプリンタが印刷動作を行っていなかった場合にも,再開操作を行わない限り印刷を開始することはできません。
一時停止できるのは,pending (処理待ち) ジョブと held (保留) ジョブだけです。ジョブを一時停止オブジェクトにする場合は,次の点に注意してください。
ジョブ中の特定のドキュメントを一時停止することはできません。
再開するまでそのジョブの再スケジューリングはできません。
指定したジョブが,印刷のためにスーパバイザに転送済みの場合,一時停止操作は失敗します。
一時停止したキューから,関連する物理プリンタにジョブが送信されることはありません。キューを一時停止オブジェクトにする場合は,次の点に注意してください。
キューに関連付けられた各論理プリンタの状態は変化しません。
一時停止したキュー内にある各ジョブの状態は変化しません。
オペレータ
pdpause でサポートされるオプションは以下のとおりです。
12.4.1 -c class_name
一時停止するオブジェクトのクラス,つまりタイプを指定します。
class_name には次の値を指定できます。
printer (物理プリンタのみ) これが省略時の値。
job
queue
server (スプーラのみ)
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
class=class_name
12.4.2 -m message_text
一時停止するオブジェクトについてのメッセージを設定します。たとえば,物理プリンタを一時停止する場合,次のようなメッセージを付加できます。
-m "Printer1 paused, not currently printing jobs."
-x extended-attributes-string オプション,または -X attribute_filename オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
物理プリンタ,キュー,およびスプーラでは,次のように指定します。
message=message_text
ジョブでは,次のように指定します。
job-message-from-administrator=message_text
たとえば,次のようになります。
-x message="Printer1 paused, not currently printing jobs"
このタイプのメッセージを取得するには,対象のジョブまたはドキュメントに対し,次のオプションを指定した pdls ユーティリティを実行します。
-r message
12.4.3 -x extended_attribute_string
pdpause ユーティリティで処理するコマンド行に一連の attribute type=value の組を指定するために使用します。
-x オプションではオブジェクト属性は使用できません。
次のコマンド属性を指定できます。
attributes
class
message
ユーティリティが読み取る属性ファイルを指定します。pdpause ユーティリティを実行すると,このオプションのコマンド行中の記述位置でファイル内の属性データが処理され,-x オプションで直接指定した場合と同じ結果になります。
-x オプションではオブジェクト属性は使用できません。
次のコマンド属性を指定できます。
attributes
class
message
オペランド object_instance の値は,-c class_name オプション,または class=class_name 属性の値に基づいて指定します。
クラスが printer の場合,printer_name には一時停止するプリンタの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。
論理プリンタは一時停止できませんが,pddisable ユーティリティを使用して,論理プリンタを通したジョブの実行を防ぐことができます。
クラスが job の場合,job_id には一時停止するジョブを指し示す一意の識別子を指定します。server_name の値は省略可能です。
クラスが queue の場合,queue_name には一時停止するキューの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。
クラスが server の場合,server_name には一時停止するサーバの名前を指定します。
スーパバイザ spvi1 上の printer1 でプリンタのサービスを一時停止します。
pdpause -m "fixing jam" spvi1:printer1
スプーラ sp11 上でまだスケジュールされていないジョブ 123 を一時停止します。その他のジョブに影響はありません。
pdpause -m "print this later" sp11:123
キューを一時停止します。ジョブは受け付けられますが,プリンタには送信されません。キューに関連付けられているすべての物理プリンタを停止したい場合に使用します。
pdpause -m "pausing queue2" sp11:q2