この章では,Tru64 UNIX オペレーティング・システムを紹介し,その機能の概要を説明します。 この章に記載されている構成要素の多くは,後の章でさらに詳しく説明しています。 この章では,次のトピックについて説明します。
オペレーティング・システムの主要な機能,OSF/1 誕生以来の歴史,このシステムが準拠している規格の要約 (1.1 節)
エンタープライズ・アプリケーション,ハイパフォーマンス・テクニカル・コンピューティング (HPTC),およびインターネット通信を支援する Tru64 UNIX の機能(1.2 節)
コンピューティング環境の要求を満たす Tru64 UNIX のオプション・コンポーネント (1.3 節)
オペレーティング・システムの構成要素とメディア・キットの内容 (1.4 節)
HP Tru64 UNIX は,現在購入できる製品の中で,最も長く使用されているフル 64 ビット・オペレーティング・システムです。 以下のような機能で,最高レベルの性能,スケーラビリティ,および可用性を提供するとともに,システムの管理や操作は簡単に行うことができます。
優れた管理インタフェースを提供することにより,システム管理作業が簡素化されています。
システムのインストレーション,セットアップ,および管理の複雑さが大幅に緩和されています。
使い慣れたインタフェース,一貫したルック・アンド・フィールのユーティリティ群,および処理の自動化により,ユーザのトレーニングの必要性が最小限に抑えられ,さらにはトータルな所有コストの削減につながります。
数テラバイト規模のシステム構成に対応しており,ビジネス・ニーズの増大に柔軟に対応できます。
ファイル・システム,ストレージ管理,およびシステム・ネットワークに関する性能が向上しています。
UNIX と Windows 2000 の高度な統合を実現しています。
TruCluster Server のサポートにより,可用性に対するユーザの厳しいニーズに対応しています。
Tru64 UNIX は,明快で簡潔なシステム管理環境で次のような機能を実現しています。
システム管理作業の簡素化
システム・ファイルを上書きしないアップデート・インストレーション,およびシステムを迅速に起動し実行することができるフル・インストレーションを GUI で実行することができます。
他社製のディスクおよびグラフィック・カードのローダブル・ブート・パス・サポートを含む,ローダブル・ドライバやその他のカーネル・サブシステムのサポート
ディスク,テープ,および CD-ROM のような SCSI ストレージ・デバイスを実質的に自動管理できます。
Tru64 UNIX は,リアルタイム・サポート,SMP (Symmetrical Multiprocessing),データレス・サーバ/クライアントをサポートしています。 また,シェアード・ライブラリ,スレッド,メモリ・マップ・ファイルなどを使用するアプリケーションの開発を支援するための,非常に多くの機能を提供しています。 Tru64 UNIX は,統一 UNIX 仕様,X/Open UNIXブランド,POSIX 1003.1b (リアルタイム),およびPOSIX 1003.1c (DECthreads と呼ばれる POSIX スレッド) に完全に準拠しています。
共通デスクトップ環境
(CDE) は,Tru64 UNIX の標準のユーザ・インタフェースです。
1.1.1 Tru64 UNIX の沿革
Tru64 UNIX は,OSF (Open Software Foundation) V1.0 および V1.2 の機能と Motif V1.2.5 のグラフィカル・ユーザ・インタフェース,およびプログラミング環境を実装した HP のオペレーティング・システムです。 また Tru64 UNIX は,X11R6.5 (X Window System, Version 11, Release 6.5) の機能を完全にサポートしています。
Tru64 UNIX オペレーティング・システムは,カーネギー・メロン大学の Mach V2.5 カーネル・デザインと BSD (Berkeley Software Distribution) V4.3 および V4.4,UNIX System Laboratories の System V Release 4.0,その他のソフトウェアのソース・コード,パブリック・ドメイン,および Hewlett-Packard Company の拡張機能などのコンポーネントをベースに設計されているマルチユーザ/マルチタスクの 64 ビット先進カーネル・アーキテクチャです。
Tru64 UNIX の以前のバージョンは,DIGITAL UNIX と呼ばれていました。
初期出荷時は DEC OSF/1 という名前でした。
1.1.2 標準
Tru64 UNIX は UNIX 98 製品標準に準拠しています。 UNIX 98 製品標準は UNIX 95 製品標準から大幅に拡張されています。
UNIX 98 では,次の機能が拡張されています。
スレッド・インタフェース
マルチバイト・サポート拡張 (MSE)
ラージ・ファイルのサポート
ダイナミック・リンク
ハードウェア・データ長への依存性および制限を取り除くための変更
UNIX 98 は,次の製品標準からなっています。
国際化システム・コールおよびライブラリ拡張 V2
コマンドおよびユーティリティ V3
C 言語
ソケット V2
トランスポート・サービス (XTI) V2
国際化端末インタフェース (XCurses)
Tru64 UNIX の UNIX 98 Conformance Statement Questionnaire (適合性に関する質問) は,次の URL の The Open Group の Web サイトにあります。
Tru64 UNIX では,ソフトウェア管理機能や,リアルタイム・サポート用の API 群などの,UNIX 98 製品標準のオプションの拡張はサポートしていません。
このバージョンの Tru64 UNIX は,UNIX 98 ワークステーション製品標準にも準拠しています。 この製品標準は UNIX 98 製品標準とほぼ同じですが,共通デスクトップ環境製品標準に準拠しなければならないという追加要件があります。
CDE 標準は,X ウィンドウ・システムをサポートしているシステム用の共通のグラフィカル・ユーザ・インタフェース環境である,X/Open 共通デスクトップ環境を定義しています。 この標準は,準拠システムがサポートしなければならない,標準アプリケーション・プログラミング・インタフェース,コマンド行動作,データ交換フォーマット,およびプロトコルだけではなく,機能やサポートするインフラストラクチャの標準セットを定義しています。 この標準は,グラフィカル・ユーザ・インタフェース環境が通常備えている機能 (ウィンドウ,ウィンドウ管理,セッション管理,ファイル管理,電子メール,テキスト編集,カレンダーおよびスケジュール管理,電卓,アプリケーション・ビルダと統合サービス,プリント・ジョブ・サービス,およびヘルプ・サービスなど) の標準形式を定義しています。
このオペレーティング・システムは,Berkeley 4.3 および System V プログラミング・インタフェースと互換性があります。 また,System V Interface Definition (SVID3 Base and Kernel Extensions) でコンパイルすることにより,System V アプリケーションをサポートすることもできます。
Tru64 UNIX がサポートしている標準についての詳細は,付録 A
および『Tru64 UNIX Operating System QuickSpecs』を参照してください。
1.2 Tru64 UNIX の機能と拡張機能
Tru64 UNIX によって,エンタープライズ・アプリケーション,ハイパフォーマンス・テクニカル・コンピューティング (HPTC),ビジネス・インテリジェンス,およびインターネット通信をサポートする多数の重要な機能と拡張機能が提供されます。 これらの機能の大部分は基本オペレーティング・システムに統合されていますが,一部の機能は「Tru64 UNIX Associated Products」CD-ROM に含まれているオプション・コンポーネントおよび別ライセンスの製品で提供されています。 Tru64 UNIX のメディア・キットの詳しい説明は,1.4 節を参照してください。
以降の項では,オペレーティング・システムの主要な機能について説明します。
1.2.1 スケーラビリティ
Tru64 UNIX のスケーラビリティ機能としてクロック周波数の異なる CPU の混在および NUMA アーキテクチャがサポートされています。
クロック周波数の異なる CPU の混在のサポート
クロック周波数が異なる CPU の混在のサポートにより,現在装備されているプロセッサの速度をあまり気にせずに,AlphaServer GS160,および GS320 システムのプロセッサを追加購入できます。AlphaServer GS シリーズのコンピュータは,CPU の数を 1 〜 32 の範囲で簡単に変更でき,最大 256GB のメモリが搭載可能で,異なるオペレーティング・システムの複数のインスタンスを実行することができます。
NUMA (不均等メモリ・アクセス)
AlphaServer GS80,GS160,GS320,ES80,および GS1280 プラットフォームでは,不均等メモリ・アクセス (NUMA) アーキテクチャを採用しており,多数の CPU を搭載したマルチプロセッサ環境を可能にしています。 オペレーティング・システム・ソフトウェアも NUMA に対応しており,従来のアプリケーションをソース・コードの変更なしで,最適な性能で動作させることができます。
また,NUMA プラットフォーム上でより直接的な CPU 管理やメモリ・アクセスを必要とする大規模で複雑なアプリケーションでは,NUMA API を使用できます。
NUMA についての詳細は,5.3 節を参照してください。
Capacity on Demand プログラムを使用すると,将来の拡張に備えて,前もって CPU を追加したシステムを注文しておき,処理能力の拡張が必要になった時点でその分の代金を支払って使用することができます。 拡張用 CPU は最初から装着されているため,システムをリブートすることなしに拡張用 CPU を有効にできます。
Capacity on Demand についての詳細情報および Capacity on Demand キットは次の Web サイトからダウンロードできます。
Tru64 UNIX では,性能に関する機能としてビッグ・ページ,パラレル・バス・スキャニング,VLM (Very Large Memory) をサポートします。
ビッグ・ページのサポート
Tru64 UNIX V5.1B では,プロセスごとのビック・ページのサポートを提供します。 これにより,変換バッファ・ミスによる性能上の不利益を最小限に抑え,アプリケーションの性能を改善することができます。 最大 4MB (512 - 8KB ページ) のページ・サイズがサポートされます。
この機能により,アプリケーションの変更や再ビルドを行わないで,より大きなページ・サイズを利用することができます。 ビッグ・ページ・メモリ割り当てには次のような特性があります。
プロセスのアドレス・スペースにおける仮想ページを,システムの物理メモリがサポートする最も適切なマルチ・ページ密度にマップすることができます。
メモリ割り当て要求に対してページ・サイズの拡張を行うのが適切かどうかは,メモリ・タイプごとに設定されたしきい値によって判断されます。
省略時の設定では,可変メモリ・ページ・サイズの使用は無効になっています。
この機能を有効にする方法については,
sys_attrs_vm
(5)
パラレル・スキャニング
パラレル・スキャニングは,デバイスの認識に必要な時間を短縮することによりブート時間を短縮する Tru64 UNIX Version 5.1B の新機能です。 SCSI および Fibre Channel バスのパラレル・スキャニングを有効にすると,システムはすべてのバスの走査を (1 つずつ順番にではなく) 同時に行います。この機能により,デバイスを検出する時間を短縮できます。多数のストレージ・デバイスを持つシステムでは,この機能によるブート時間の短縮は非常に大きなものになります。
この機能は省略時の設定では無効になっています。この機能を使用するための設定については『ハードウェア管理ガイド』を参照してください。
VLM (Very Large Memory) と大規模ストレージ機能
Tru64 UNIX は,最高 28 GB までのメモリをサポートするため,VLM 構成においてメモリをより効率的に利用できます。 4 TB 以上のファイル・システムおよびストレージ・システムがサポートされます。
動的チューニング
ほとんどのチューニング作業は,システムをリブートすることなくシステムの稼働中に行うことができます。
Tru64 UNIX は,ハードウェア・コンポーネントの追加,取り外しなどを支援する保守機能を提供します。
オンラインでの CPU の追加/交換機能 (OLAR: Online Addition and Removal)
OLAR 技術により,AlphaServer GS160 および GS320 システムの CPU をシステムを停止させることなく交換したりアップグレードすることができます。 「CPU ホット・スワップ」とも呼ばれるこの新しい機能を使用すると,システムを動作させたままで,CPU を高速なものに交換したり,故障または誤動作している CPU を交換することができます。
Compaq Analyze ユーティリティには,交換が望ましい CPU を検出し,オペレーティング・システムに通知する機能が追加されました。 交換すべき CPU のオフライン化を自動的に要求するようにオペレーティング・システムを構成することもできます。 この機能により,障害が発生した CPU が原因でシステム全体が停止する前に,問題を含む CPU を無効にできるため,システムの連続稼働時間を長く保つことができます。 この OLAR 通知機能を使用するためには,WEBES (Web-Based Enterprises Services) キットから Compaq Analyze をインストールする必要があります。
OLAR 機能は,システムの状態を集中管理するためのシステム管理アプリケーション,SysMan ユーティリティ (2.5 節を参照) に統合されています。
OLAR については,『Managing Online Addition and Removal』を参照してください。
デバイスのサポート
オペレーティング・システムがサポートしている SCSI-3 標準により,SCSI バスごとに最高 256 のターゲット・アドレスおよび LUN アドレスが使用でき,デュアル・パス (デバイスへの代替パス) がサポートされています。
デバイス・ネーミング・モデルに柔軟性があり,SCSI バスごとに 256 を超えるデバイス名を使用できます。 このモデルは,SCSI-3 および Fibre Channel をサポートしています。
Tru64 UNIX は,Fibre Channel スイッチ接続,および適応負荷分散機能 (adaptive load balancing) を備えたマルチ・コンカレント・パス (64) をサポートしています。 また,SCSI-2 と SCSI-3 の両方のコマンドをサポートしています。
Tru64 UNIX は,いくつかの方法でインストールできます。 さまざまなユーティリティを使用し,そのプロセスをできるだけ単純にすることができます。 Tru64 UNIX で用意されているインストール方法を以下に説明します。 各インストレーション方法については,2.1 節でさらに詳しく説明しています。
フル・インストレーション
オペレーティング・システムを新規にインストールします。 フル・インストレーションでは,新しいファイル・システムとスワップ領域が作成され,それらがインストールされるディスク・パーティション上の既存のシステムおよびユーザ作成ファイルは上書きされます。 このインストールを実行した後,通常運用のためのシステム設定が必要です。 2.1.1 項 を参照してください。
アップデート・インストレーション
Version 5.1 または Version 5.1A がインストールされているシステムを Version 5.1B にアップデートします。 このタイプのインストールでは,システム上で実行されたディスク・パーティション,ファイル・システム,ファイルのカスタマイズ,ネットワークと印刷の環境,ユーザ・アカウント,ユーザ作成ファイル,およびその他のシステムの設定が維持されます。 2.1.2 項 を参照してください。
クローン・インストレーション
すでにインストールされたモデル・システムから同一または類似のハードウェアで構成された 1 つ以上のシステムへ,フル・インストレーションを複製できます。 インストレーションのクローニングは,同一タイプの多数のシステムにインストレーションを行なう場合,理想的な方法です。 クローニングによって,同一のシステム・インストレーションを複製することができ,システムごとにフル・インストレーションを実行せずに済みます。 2.1.3 項を参照してください。
構成のクローニング
フル・インストレーションの際,すでに構成されているシステムから,ネットワーク環境および印刷環境を複製できます。 2.1.4 項を参照してください。
ローリング・アップグレード
TruCluster Server ソフトウェアは,クラスタ環境においてローリング・アップグレードをサポートしています。 これにより,クラスタ内の各メンバ・システムのソフトウェアのアップグレードをクラスタが機能している状態で行うことができます。 サービスにアクセスしているクライアントは,ローリング・アップグレードが進行中であることは意識せずに引続きサービスを受けることができます。 2.1.5 項 および 2.2 節 を参照してください。
Tru64 UNIX は,システムの設定,構成,およびチューニングを容易にし,日常の保守および管理タスクを単純化するアプリケーションや機能を数多く提供しています。
以下に,システムおよびネットワーク管理機能について概要を説明します。 第 2 章には,さらに詳しい説明があります。
SysMan Menu によるタスクの管理
さまざまなシステム管理タスクを編成するためのフレームワークを提供する SysMan Menu により,種々の管理アプリケーションをこのユーティリティから起動することができます。
SysMan Menu は,CDE,HTML,ASCII テキスト環境のいずれかで実行できます。 すなわち,SysMan Menu で提供するすべての作業は,X11 をサポートするディスプレイ,Microsoft Windows,Linux,または Mac OS が実行されているパソコンや文字セル端末から実行できます。 SysMan Menu についての詳細は,2.5.1 項 を参照してください。
SysMan Station によるタスクの管理
SysMan Station は,Tru64 UNIX システムをグラフィカルに表示し,任意のコンピュータからシステムを遠隔管理するための機能です。 この Java ユーティリティは,TruCluster Server ソフトウェアに完全に統合されています。 SysMan Station についての詳細は,2.5.2 項 を参照してください。
Quick Setup によるシステムの構成
重要かつ一般的に実行されるシステム設定の手順を提供するための機能です。
この機能により,システムを基本的なシステム構成でセットアップするための,迅速かつユーザ・フレンドリな方法が提供されます。
さらに細かな設定を行いたい場合は,カスタム・セットアップ・アプリケーションを使用します。
キャラクタ・セル・インタフェースでアクセスできるクイック・セットアップ・アプリケーションは,システム・セットアップ・アプリケーション (/usr/sbin/setup
コマンド) から利用できます。
詳細については
2.3 節を参照してください。
メモリ巡視機能
メモリ巡視機能 (memory trolling) とは,メモリ・エラーを事前に発見して対処するために,システム・メモリを読み込むプロセスです。
この機能は,ユーザが有効/無効を切り替えることができ,vm_troll_percent
属性により巡視速度を調整することができます。この巡視速度はいつでも変更できます。
メモリ巡視機能についての詳細は,『Managing Online Addition and Removal』および
memory_trolling
(5)
NetWork Setup ウィザードによるネットワークへの接続
Network Setup ウィザードは,システムをネットワークに追加する手順をガイタンスで案内します。 このウィザードは,推奨される順序でアプリケーションを示し,状況に応じてどのアプリケーションが適切かを判断するための情報を提供します。 NetWork Setup ウィザードについては,『ネットワーク管理ガイド:接続編』および SysMan Menu のオンライン・ヘルプを参照してください。
リンク・アグリゲーション
システム管理者は,複数の物理 Ethernet ネットワーク・インタフェース・カード (NIC) を結合して,「リンク・アグリゲーション・グループ」を作成することができます。上位層のソフトウェアには,このリンク・アグリゲーション・グループが 1 つの論理インタフェースに見えます。
リンク・アグリゲーション (「トランキング」とも呼ばれます) により,次の機能が利用できます。
NIC の数とタイプに従った,ネットワーク帯域幅の拡大
リンク・アグリゲーション・グループのすべてのポートへの負荷分散
リンク・アグリゲーションは,サーバ対サーバ接続,サーバ対スイッチのポイント・ツー・ポイント接続でのみサポートされます。 詳細は,3.2.10 項を参照してください。
イベントの分析と管理
collect
ユーティリティ
collect
ユーティリティは,特定のオペレーティング・システム・データの記録や表示を行うシステム監視ツールです。
collect
を使用すると,ファイル・システム,メッセージ・キュー,tty,またはヘッダなどのサブシステムの単位で,データ収集に含めたり除外することができます。
データは端末に表示することも,データ・ファイル (圧縮形式または非圧縮形式) に格納することもできます。
データ・ファイルは,コマンド行,コマンド・スクリプト,またはグラフィカル・ユーザ・インタフェースを使って,読み取ったり操作することができます。
Compaq Analyze を使用すると,システムのイベント・ログ・ファイルに保存されているイベントを分析できます。 この GUI は,規則ベースのハードウェア障害管理診断ユーティリティです。 ユーザは,プログラム・パラメータと構成パラメータを設定し,イベント情報を調べることができます。 Compaq Analyze についての詳細は,2.6.2 項を参照してください。
Event Manager
システムのコンポーネントがイベントや状態の報告に利用できるように,ログ・ファイルのようなさなざまな場所に分散して存在する情報を単一のポイントで提供するためのアプリケーションです。 詳細は 2.6.7 項 を参照してください。
DECevent イベント管理ユーティリティは,エラー報告とバイナリからテキストへの変換の機能を提供します。 DECevent によって,さまざまなプラットフォームに対してシステム指定の診断機能を提供します。 DECevent についての詳細は,2.6.8 項を参照してください。
HP Insight Manager によるシステム監視
HP Insight Manager は,Web-Based Enterprise Services (WEBES) を使用して,システムを監視するための Web ベースの環境を提供します。 HP Insight Manager は,SysMan およびその他の Tru64 UNIX ユーティリティ用の一貫したラッパを提供します。 HP Insight Manager についての詳細は,2.6.1 項を参照してください。
その他の主要なユーティリティ
次の大半のユーティリティは,Sysman Station,SysMan Menu,コマンド行,および共通デスクトップ環境のアプリケーション・マネージャから利用できます。 これらのツールの使用方法については,『システム管理ガイド』と,各リファレンス・ページを参照してください。
hwmgr
ユーティリティを使用すると,ディスクやテープ・ドライブ,プロセッサ,バスなどのハードウェア構成要素を容易に管理できます。
hwmgr
についての詳細は,2.8 節を参照してください。
envconfig
ユーティリティは,AlphaServer システムの温度,ファン,および冗長電源の状態をハードウェア・センサで監視します。
環境モニタリングについての詳細は,2.6.6 項を参照してください。
システム・パラメータの分析 (sys_check
)
sys_check
ユーティリティは,稼働中のシステムの構成,ハードウェア,およびソフトウェアを出力し,それらの情報を HTML 形式で表示します。
また,オペレーティング・システムのパラメータと属性の基本分析も実行し,問題を検出した場合は警告を発します。
クラス・スケジューラを使用すると,システム管理者によるタスクの優先順位付けが可能になります。
カーネル・チューナを使用すると,カーネル・サブシステムのパラメータの表示と変更が可能になります。 詳細は 5.1.1 項を参照してください。
プロセス・チューナは,システム・プロセスを表示,監視,および管理するためのアプリケーションです。
複数のソートおよびフィルタ・オプションが提供されるので,情報の表示を管理することができます。
詳細は
dxproctuner
(8)
spike
ユーティリティを使用すると,リンク後にコードの最適化を行うことができます。
このユーティリティは
om
に代わるものであり,最適化機能は
om
に似ています。
spike
は,プログラム全体を処理対象にできるため,コンパイラでは不可能な最適化を行うことができます。
詳細については,
spike
(1)
Division of Privileges
Division of Privileges ユーティリティを使用すると,管理者は,root
パスワードなしで特権プログラムにアクセスする権利をユーザやグループに与えることができます。
すべての特権システム管理アプリケーションは,SysMan Menu,SysMan Station,デスクトップのアプリケーション・マネージャ,カスタム・セットアップ・チェックリスト,またはコマンド行から起動することができます。
詳細は『セキュリティ管理ガイド』を参照してください。
ブータブル・テープ機能は,システムからディスク・イメージを作成し,回復するための手段を提供します。
ARMTech リソース管理ソフトウェアを使用すると,ミッション・クリティカルなアプリケーションを最高の性能で稼働させるために必要な高度なリソース管理を簡単に実施することができます。 Tru64 UNIX には Aurema 社のリソース管理ソフトウェア製品が含まれています。
Aurema 社のエントリ・レベルのリソース管理ユーティリティである ShareExpress は,ライセンスなしで利用できます。 より強化された Aurema リソース管理製品 ShareExtra および ShareEnterprise は,Aurema 社からライセンスを購入することにより使用可能になります。 これらの製品のキットは Tru64 UNIX の「Associated Products Volume 2」CD-ROM に含まれています。
ARMTech は,CPU システム・リソースの動的な割り当てとバランシングを可能にする強力なシステム・ユーティリティです。
ライセンス・フリーの ShareExpress 製品には,ユーザごとにリソースを公平に配分する拡張 UNIX タイムシェアリング・スケジューラが用意されています。
ShareExtra 製品を使用すると,特定のユーザやアプリケーションに対して CPU リソースの配分を変えることができます。
ShareEnterprise 製品は,グループ単位での CPU リソースの分配,履歴情報と課金情報の収集,その他の強力なリソース管理機能を提供します。
1.2.7 UNIX と Microsoft Windows の相互運用性
Tru64 UNIX では,UNIX と Microsoft Windows が混在する環境におけるソリューションの開発,導入,および管理を単純化するための機能と製品を多数用意しています。
これらの機能によって,さまざまな機能領域で統合に関する問題の解決が容易になります。
詳しい説明は,第 10 章を参照してください。
1.2.8 Advanced Printing Software
Advanced Printing Software は,Tru64 UNIX のプリント・システムです。 このソフトウェアは,Xerox 社の PrintXchange 技術をベースに Xerox 社と共同で開発されました。 Advanced Printing Software は,ワークグループおよびエンタープライズ環境のための分散クライアント/サーバ・プリント・システムです。
Advanced Printing Software には,ジョブ・スケジューリング,ジョブ保留,イベント通知,複数レベルのアクセス制御,プリント・キューのフェイルオーバ,および TruCluster Server 環境で使用する際のホスト透過性などのプリント・スプーリング機能がすべて用意されています。
このソフトウェアは
NIS
(Network Information Service) または
LDAP
(Lightweight Directory Access Protocol) を使用して,ユーザの環境内にプリンタ情報を配布します。
また,インバウンド・ゲートウェイとアウトバウンド・ゲートウェイを使用して,lpd
プリント・サブシステムと連携して動作します。
Advanced Printing Software は,ISO 10175 ドキュメント・プリンティング・アプリケーション標準で定義されているプリント・システム・モデルと,POSIX 1384.7 草案で定義されているコマンド・セットをベースとしています。
詳細は,『Advanced Printing Software リリース・ノート』および『Advanced Printing Software ユーザ・ガイド』を参照してください。
1.2.9 System V のサポート
System V 環境は,コマンド,サブルーチン,およびシステム・コールの代替バージョンで構成されており,ベース・システムおよびカーネル拡張のすべての構成要素に関して,System V インタフェース定義 (SVID) で定義されているソース・コード・インタフェースと実行時動作をサポートしています。 System V 環境を使用すると,省略時のシステム・コマンドとシステム関数の代りに,System V 対応のコマンドおよび関数 (システム・コールとサブルーチン) が使用されます。 Tru64 UNIX System V 環境では,SVID2 と SVID3 のすべての機能がサポートされています。
System V 環境については,『Tru64 UNIX ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
1.2.10 Secure Web Server
Secure Web Server は,業界標準の Apache Software Foundation (ASF) のコードをベースとしています。
HP では,156 ビットまでの暗号化が可能な SSL (Secure Sockets Layer) 機能を含めることにより,ベースとなる ASF 製品を改良しています。
Secure Web Server には,Java Servlets,Java Server Pages,および PHP Hypertext Preprocessor のサポートも含まれています。
1.2.11 Tru64 UNIX のフリーウェア
Tru64 UNIX のメディア・キットには,フリーウェア CD-ROM が含まれています。 この CD-ROM には,Tru64 UNIX システムの性能を利用したマルチメディア・パッケージとグラフィック・パッケージとともに,ユーザ・ユーティリティおよび管理ユーティリティが収められています。 このフリーウェア集を使用すると,HP Tru64 UNIX での動作が確認されたソフトウェアをインターネット上で探す手間を省略することができます。
フリーウェア CD-ROM には,パブリック・ドメイン・フリーウェアおよびシェアウェア・プログラム集の他に,HP が開発したツール (非商用ツールおよび商用パッケージのデモ版) も収められています。
Internet Express for Tru64 UNIX CD-ROM について説明した
1.3.7.1 項も参照してください。
1.2.12 ドキュメント
Tru64 UNIX のドキュメントによって,必要な情報をより使いやすい形式で入手できます。 V5.1B での変更点も含めた Tru64 UNIX のドキュメントに関するすべての情報については,『ドキュメント概要』を参照してください。 以下に,Tru64 UNIX のドキュメントの機能の一部を説明します。
ドキュメントの大部分は,Web ブラウザで見るための HTML 形式,Adobe Acrobat Reader で見たり印刷したりするための PDF 形式,および印刷された書籍の形式で利用できます。
ブラウザの印刷オプションを使用すると,必要なセクションを簡単に印刷できます。 また,内容をカット・アンド・ペーストして,特定のタスクを実行するための独自のドキュメントを作成することができます。 Acorbat Reader を使うと,活字で組んだものとほとんど同等の品質で,節,章,またはドキュメント全体を印刷できます。
Tru64 UNIX のドキュメント CD-ROM は,Tru64 UNIX システムだけでなく,Windows PC または Macintosh のラップトップまたはワークステーションでも使用できます。 また,ISO 9660 レベル 1 の CD-ROM 規格に準拠したシステムならどれでも利用できます。 また,英語版ドキュメント CD-ROM には,各オペレーティング・システム用の Adobe Acrobat Reader が含まれています。
ドキュメント CD-ROM に含まれているマニュアルの中から特定の情報を検索するための機能として,日本語ドキュメント CD-ROM には日本語全文検索機能 midoc が含まれています。 詳細は『日本語機能ガイドブック』を参照してください。
英語版のドキュメント CD-ROM には,HTML 文書のマスター・インデックスとともに AltaVista Search CD-ROM ソフトウェアが入っています。 この AltaVista ソフトウェアは,Windows 95 以降の Windows オペレーティング・システムが稼働する x86 ベースのパソコンで実行できます。
印刷されたハードコピー・ドキュメントは,オプションで注文できるドキュメンテーション・キットとして用意されています。 詳細は,『ドキュメント概要』を参照してください。
Tru64 UNIX のドキュメントは,以下の Web サイトで参照することもできます。
http://h50146.www5.hp.com/products/software/oe/tru64unix/manual/
また,この Web サイトでは,Tru64 UNIX のリファレンス・ページや次のドキュメントにもアクセスできます。
Internet Express for Tru64 UNIX (1.3.7.1 項を参照) のドキュメント
英語版のドキュメント CD-ROM には, isearch という英文ドキュメント用の全文検索ツールが含まれています。 この検索ツールを使用すると,任意のプラットフォーム (UNIX ワークステーション,Macintosh コンピュータ,Windows PC など) で,Web 上やローカル・エリア・ネットワーク上の Tru64 UNIX ドキュメントの検索ができます。
Web 上の Tru64 UNIX ドキュメントにアクセスする場合は,検索ツールに単語を入力するだけで,ドキュメント内でそのトピックについて説明している場所を見つけることができます。
LAN 上で検索ツールを使用するには,システム管理者がローカル・サーバ上に isearch ソフトウェアをインストールしていなければなりません。 インストール後,そのサーバにアクセスしているユーザは,Web の場合と同様の方法でドキュメントを検索できます。 英語版のドキュメント CD-ROM には,isearch データベース,検索エンジン,設定方法を説明したドキュメントが含まれています。
Best Practice ドキュメントでは,それぞれの機能で利用可能なすべてのオプションを説明する代りに,タスク実行のための推奨される方法を要約して提供しています。 これらのドキュメントでは,実行手順を段階的に説明しています。
SysMan および関連するアプリケーションのオンライン・ヘルプは,強力かつタスク指向なので,一定の目的のために必要な情報を容易に検索できます。
Tru64 UNIX オペレーティング・システムで実行できるさまざまなソフトウェア製品が,HP および他社から購入できます。
以下の項で説明する,別ライセンスの製品の大部分は,Tru64 UNIX のメディア・キットに収められています。
これらのオプション・ソフトウェア・パッケージについての詳細は,『Tru64 UNIX Operating System QuickSpecs』か,Tru64 UNIX の Web サイトを参照してください。
1.3.1 TruCluster Server
TruCluster Server は,Tru64 UNIX ソフトウェア,複数の AlphaServer システム,および多数のストレージを高度に統合し,単一のシステムとして稼働させるためのソフトウェアです。 TruCluster Server クラスタは,複数のシステムから構成されていても,単一の仮想システムとして動作します。 クラスタのメンバは,単一のセキュリティと管理ドメインで,リソース,データ・ストレージ,クラスタ単位のファイル・システムを共有する一方,各メンバは,クラスタを中断せずに独立してブートまたはシャットダウンできます。
TruCluster Server 環境は,必要に応じて単純化または多機能化することができます。 必要に応じて,2 ノードから 8 ノードまでのクラスタを構成し,次のような可用性の高いアプリケーションを実行できます。
トランザクション処理システム
ネットワーク・クライアント/サーバ・アプリケーション用のサーバ
ダウンタイムを最小限に抑えなければならないデータ共用アプリケーション
TruCluster Server のアプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) を最大限に利用した分散並行処理アプリケーション
TruCluster Server には,インターネット・プロトコル・セット (TCP/IP) のためのクラスタ別名が含まれているので,ネットワーク・クライアントやピア・システムはクラスタを単一のシステムとして認識します。
TruCluster Server は単一システムの管理機能をクラスタに拡大したものなので,Tru64 UNIX システムの管理方法を理解していれば,TruCluster Server クラスタの管理方法もすでに理解していることになります。 SysMan Menu ユーティリティはこのクラスタ環境全体を統合して表示するので,単一のメンバやクラスタ全体を管理することができます。
詳細については,『クラスタ概要』を参照してください。
1.3.2 Logical Storage Manager
Logical Storage Manager (LSM) は,オプション機能として提供される,統合化された,ホスト・ベースのディスク・ストレージ管理アプリケーションです。 この機能により,ストレージ・デバイス上のデータにアクセスするユーザやアプリケーションに影響を与えることなく,ストレージ・デバイスを管理できます。 LSM が提供する機能には,連結,ストライピング,ミラーリング,および RAID 5 があります。 LSM の管理作業は,グラフィカル・インタフェース,メニュー方式のユーティリティ,または LSM コマンド行を使って実行できます。
LSM グラフィカル・インタフェース
lsmsa
は,LSM オブジェクト,AdvFS ドメイン,およびそれらの関係を階層構造で表示します。
lsmsa
を使用すると,ローカル・システムまたはリモート (クライアント) システム上の LSM オブジェクトおよび AdvFS ドメインを表示して管理できます。
LSM についての詳細は,2.4 節
および『Logical Storage Manager』を参照してください。
1.3.3 Advanced File System Utilities
Advanced File System Utilities は,AdvFS の可用性と柔軟性を向上させます。 このユーティリティを使用すると,次のような効果が期待できます。
ファイル・システム管理時間の簡略化
データ・オンライン状態での日常保守
ファイル容量の拡大
ボリューム間での使用率の平均化
ホット・バックアップのためのファイルのリストア,ストライプ,クローン作成
Developer's Toolkit は,HP Tru64 UNIX のすべての開発用のツール,言語,および環境の前提条件となるものです。 この Toolkit には,次のコンポーネントが含まれています。
ANSI C 準拠の HP C for Tru64 UNIX
Ladebug および dbx デバッガ
Atom API
プログラム分析ツール (プロファイリングと性能分析を行います)
Visual Threads (スレッド関連のプロファイリングとデバッグを行います)
Porting Assistant
詳しい説明は,第 6 章を参照してください。
1.3.5 Advanced Server for UNIX
Advanced Server for UNIX
は,Tru64 UNIX サーバ,Windows NT サーバ,Windows 2000 サーバ,および Microsoft Windows クライアントの間でシームレスな相互運用性を実現します。
Advanced Server によって Tru64 UNIX システムは,Microsoft クライアントに対して Microsoft Advanced Server と同じようにサービスを実行することができます。
1.3.6 Multimedia Services
Multimedia Services ソフトウェアによって,HP Tru64 UNIX ワークステーションにオーディオおよびビデオ機能が提供されます。
また,完全なマルチメディア・プログラミング・ライブラリを開発者に提供します。
Multimedia Services Run-time ライセンスは,基本オペレーティング・システムに含まれています。
1.3.7 その他のソフトウェア
以降の項では,Tru64 UNIX メディア・キットに含まれていないソフトウェアについて説明します。 これらのソフトウェアは,必要に応じて別途購入できます。
1.3.7.1 Internet Express for Tru64 UNIX
Internet Express for Tru64 UNIX CD-ROM には,Tru64 UNIX AlphaServer システム上で動作するようにコンパイルされた,一般的に使用されるインターネット・ソフトウェアが収録されています。 Internet Express の CD-ROM は AlphaServer システムに付属しています。また,HP に別途注文することもできます。
このソフトウェア・パッケージには,HP が開発した,インターネット・コンポーネントを構成/管理するための管理ツールも含まれています。 このパッケージに含まれているソフトウェアの一部を,以下に示します。
オープン・ソース・インターネット・ソフトウェア集 (バイナリとソース)
Tru64 UNIX サーバ (Web,メール,ニュース,ディレクトリ,プロキシ,およびストリーミング・メディア),データベース管理システム,セキュリティ・サービス,およびダイナミック Web コンテント生成用ツール上で動作が確認されています。
オープン・ソース・インターネット・ソフトウェアの自動インストールおよび構成
販売用インターネット製品集 (完全機能版または評価版)
Secure Web Server (Tru64 UNIX のメディア・キットにも含まれています。 1.2.10 項を参照してください。)
Internet Monitor (Web ベースのサービス品質管理ツール)
インターネット・サービスを管理する,Web ベースの管理ユーティリティ
すべてのソフトウェアは,TruCluster Server 上での動作がテストされています。 Internet Express for Tru64 UNIX についての詳細は,次の Web サイトを参照してください。
http://h50146.www5.hp.com/products/software/oe/tru64unix/internet/
Tru64 UNIX のフリーウェア CD-ROM について説明した
1.2.11 項も参照してください。
1.3.7.2 Enterprise Toolkit for Visual Studio
この Enterprise Toolkit for Visual Studio は,Tru64 UNIX サーバ用の C,C++,および Fortran アプリケーションの開発をサポートする Microsoft Visual Studio の拡張機能またはアドインのセットです。 Enterprise Toolkit for Visual Studio を使用すると,開発者は,広く普及している Microsoft Visual Studio ツールを使用して,Tru64 UNIX または Windows 用のアプリケーションの開発,編集,コンパイル,構築,およびデバッグを単一のデスクトップから実行できます。
単一のパソコン・ツール群を使用して,64 ビット Tru64 UNIX Alpha テクノロジを利用しながら,基本的な UNIX アプリケーションの作成および管理や,より強力で複雑なクライアント・サーバ型の分散アプリケーションの作成が可能です。
さらに,Enterprise Toolkit によって,開発者は,性能とメモリを分析するための多数のツールを利用できます。
Enterprise Toolkit は,Visual Studio のマニュアル・ブラウザである HTML Help Viewer を使用して,開発者が Windows のマニュアルを読むのと同じウィンドウから UNIX および製品のマニュアルへアクセスできるようにします。
1.3.7.3 ソース・マテリアル・オプション
ソース・モジュールの検索と修正が必要なユーザ向けに提供されるソース・キットです。
主に,非常に特殊な修正をする場合に利用されます。
1.4 パッケージの内容
Tru64 UNIX メディア・キットには,次の CD-ROM が入っています。
Operating System
Associated Products Volume 1
Associated Products Volume 2
Software Documentation
フリーウェア
Linux and HP Tru64 UNIX Portability Tools
日本語追加機能
関連製品の多くは,基本オペレーティング・システムのオプション・サブセットとなっています。 Developer's Toolkit,TruCluster Server,Logical Storage Manager,および Advanced Server for UNIX などの製品は,オペレーティング・システムのライセンスとは別に個々の製品のライセンスが必要です。 詳しい説明は,1.3.7 項 を参照してください。
インストレーション・キットに含まれる CD-ROM およびドキュメントの詳細は,カスタマー・レター『Tru64 UNIX をご使用のお客様へ』を参照してください。
1.4.1 マニュアル
次の印刷マニュアルが Tru64 UNIX メディア・キットに同梱されています。
『リリース・ノート』
『インストレーション・ガイド』
『インストレーション・ガイド -- 上級ユーザ編』
『Update Installation Quick Reference Card』
『Full Installation Quick Start』カード
『Tru64 UNIX 概要』
『クラスタ概要』
『Quick Reference Card』
『ドキュメント概要』
『日本語機能ガイドブック』
Alpha システムでは,他のすべてのライセンスの前提条件であるオペレーティング・システムのベース・ライセンスに加えて,次の 4 種類のオペレーティング・システム・ライセンスが利用できます。
コンカレント・ユース・ライセンス
無制限ユーザ・ライセンス
ハードウェア・パーティショニング・ライセンス
Tru64 UNIX は,特定のサーバでスタティック・ハードウェア・パーティションをサポートするためのテクノロジを提供しています。 ハードウェア・パーティション機能により,複数のオペレーティング・システムを使用することが可能になり,新規バージョンのテストやアプリケーションの複数のバージョンの実行における柔軟性が向上します。 ハードウェア・パーティションで Tru64 UNIX を使用するには,パーティションごとに Tru64 UNIX ハードウェア・パーティショニング・ライセンスが必要です。 ハードウェア・パーティショニングについての詳細は,『システム管理ガイド』を参照してください。
これらのライセンスについての詳細は,『Tru64 UNIX Operating System QuickSpecs』(以前の『ソフトウェア仕様書』) を参照してください。