用語集

BSD ソケット・インタフェース

単一のシステム,または複数の接続されたシステム上の 2 つの関連のないプロセス間でプロセス間通信を実行する,アプリケーション用に用意されたトランスポート層インタフェース。 このプロセス間通信機能により,プログラムはソケットを使用して,他のプログラム,プロトコルおよびデバイスと通信することができる。

ETSDU

優先トランスポート・サービス・データ・ユニットおよび帯域外データの項を参照。

eSNMP

eSNMP (Extensible Simple Network Protocol) を使用すると,SNMP 管理ステーションによって管理されるサブエージェントを作成することができる。 第 6 章を参照。

ICMP

インターネット制御メッセージ・プロトコルの項を参照。

#include file.h

指定したファイルを,コンパイルしているファイルへ挿入することを指定する C 言語のプリコンパイラ指示文。 挿入するファイルは,(名前を山カッコで囲むことによって示す) 標準のヘッダ・ファイル,または (名前を二重引用符で囲むことによって示す) C 言語コードを含む任意のファイルである。 たとえば,次のように指定する。

#include <header_file.h>
#include "myfile.c"
 

名前を山カッコ (<>) で囲んだヘッダ・ファイルの絶対パス名は,/usr/include/file.h である。

IP マルチキャスト

IP データグラムを,単一の IP デスティネーション・アドレス,つまりホスト・グループによって識別されるホストのグループへ伝送する方式。 ホスト・グループはクラス D IP アドレスによって識別される。 ホスト・グループの項も参照。

ISO

国際標準化機構 の項を参照。

MIB

MIB (Manegement Information Base) 定義は,ネットワーク管理に関するデータ要素の集合です。 第 6 章参照。

OSI

開放型システム間相互接続の項を参照。

OID

OID (Object Identifier) は,名前あるいはシーンケンス番号によって参照される MIB 定義におけるデータ要素です。 第 6 章を参照。

raw ソケット

特権ユーザに,内部ネットワーク・プロトコルおよびインタフェースへのアクセスを提供するソケット。 このソケット・タイプを使用すると,通常のインタフェースでは使用不可能なプロトコル機能を利用したり,ハードウェア・インタフェースと通信したりできる。

SLIP

シリアル回線インターネット・プロトコルの項を参照。

STREAMS

AT&T が規定したカーネル機構であり,デバイス・ドライバおよびネットワーク・プロトコル・スタックのインプリメンテーションをサポートする。 STREAMS フレームワークの項も参照。

STREAMS フレームワーク

AT&T STREAMS 機構の構成要素であり,カーネル内およびカーネルとユーザ・レベル間で文字 I/O 用のインタフェース標準を定義する。 関数,ユーティリティ・ルーチン,カーネル機能,およびデータ構造体から構成される。

TCP

伝送制御プロトコルの項を参照。

TCP/IP

インターネット・プロトコル群の 2 つの基本プロトコルであり,インターネット・プロトコル群の参照に頻繁に使用される頭文字。 TCP は確実なデータ転送を提供するのに対し,IP はデータグラム形式で,ネットワークを介してデータを送信する。 伝送制御プロトコルおよびインターネット・プロトコルの項も参照。

TLI

トランスポート層インタフェースの項を参照。

TSDU

トランスポート・サービス・データ・ユニットの項を参照。

UDP

ユーザ・データグラム・プロトコルの項を参照。

X/Open トランスポート・インタフェース

プロトコルに依存しないアプリケーション用のトランスポート層インタフェース。 XTI は,TLI に基づく C 言語関数のセットから構成される。 TLI は,OSI モデルのトランスポート・サービス定義に基づいている。

XTI

X/Open トランスポート・インタフェースの項を参照。

アクティブ・ユーザ

XTI トランスポート接続において,接続を開始したトランスポート・ユーザ。 クライアント・プロセスおよびパッシブ・ユーザの項も参照。

アドレス解決プロトコル (ARP)

インターネット・アドレスを,物理ハードウェア・アドレスに動的に変更することができるインターネット (TCP/IP) プロトコル。 ARP は,単一の物理ネットワーク,およびハードウェア・ブロードキャスト機能をサポートする複数のネットワークでのみ使用できる。

イーサネット

衝突検出機能付きキャリア検知多重アクセス (CSMA/CD) を使用する,10 M ビットのベースバンドのローカル・エリア・ネットワーク (LAN)。 このネットワークでは,事前に調整しなくても,複数のステーションが自由にメディアにアクセスすることができる。 また,キャリア検知と延期,および検出と転送を使用して,送信権の争奪を回避する。

イベント

トランスポート・ユーザにとって意味のある出現事象または偶発事象。 イベントは,ユーザが行ったアクションの結果として起こらないという点で,非同期である。

イベント管理

トランスポート・プロバイダがトランスポート・ユーザに重要なイベントが起こったことを通知するメカニズム。

インターネット制御メッセージ・プロトコル (ICMP)

インターネット・プロトコル (IP) のオペレーションに関する,エラー・メッセージや情報メッセージを提供する,インターネット・プロトコル群の中のホスト間プロトコル。

インターネット・プロトコル (IP)

ネットワーク上でデータグラムの転送用にコネクションレス・サービスを提供するインターネット・プロトコル。

エラー

XTI において,実行時にシステム・エラーまたはライブラリ・エラーを検出すると,関数によって返されるインディケータ。 これは,アプリケーションが返されたエラー・コードに基づいてアクションをとるためのものである。

オブジェクト識別子

OID を参照。

開放型システム間相互接続 (OSI)

ISO 規格に準拠した,開放型システムの相互接続。

管理情報ベース

MIB を参照。

クライアント・プロセス

通信のクライアント/サーバ・モデルにおいて,サーバ・プロセスからサービスを要求するプロセスのこと。 アクティブ・ユーザの項も参照。

国際標準化機構 (ISO)

89 カ国の標準化機構から構成される国際的な組織。 ISO は,ネットワーキング・ソフトウェアをはじめ,膨大な数の商品およびサービスに関する規格を制定している。

コネクション指向モード

立された接続を通してデータを送信するために,トランスポート終端によってサポートされるサービス・モード。

コネクションレス・モード

データ伝送用に特定の接続を必要としないトランスポート終端によってサポートされるサービス・モード。 データは,データグラムと呼ばれる自己完結型ユニットで配信される。

サーバ・プロセス

通信のクライアント/サーバ・モデルにおいて,クライアント・プロセスに対してサービスを提供するプロセス。 パッシブ・ユーザの項も参照。

状態

XTI では,実行中の関数を反映した現在のプロセスの状態。 XTI は,8 つの異なる状態を使用して,トランスポート終端上の通信を管理する。

シリアル回線インターネット・プロトコル (SLIP)

非同期シリアル回線を介し,IP データグラムをカプセル化して転送する伝送回線プロトコル。

ストリーム・ソケット

トランスポート接続間に双方向のバイト・ストリームを提供するソケット。 帯域外データを処理するための機構も含む。

正常解放

XTI において,トランスポート・ユーザがデータを損失することなく,緩やかにトランスポート接続を終了できるようにするオプション機能。

ソケット

プロセス間通信における通信の終端。 または,ソケットおよびそれに関連するデータ構造体を作成するシステム・コール。

ソケットペア

UNIX ドメインで作成できる双方向通信用のソケットのペア。 ソケットペアは,パイプと同様に,関連付けられた通信プロセスが必要である。 パイプの項も参照。

帯域外データ

緊急時に,通常のデータ・フローとは別に伝送されるデータ。 このデータが取り出せるように,受信プロセスにこのデータの存在が通知される。

通常データ

トランスポート・ユーザにより,帯域内において送信または受信される標準データ。 帯域外データの項も参照。

通信ドメイン

ネットワークのプロパティを定義するシステムのプロセス間通信機能によって使用される抽象的概念。 プロパティには,通信プロトコル,名前の操作および解釈の規則,アクセス権の伝送能力が含まれる。

データグラム

トランスポート・プロバイダのコネクションレス・サービスによって,ネットワークを介して送信されるデータ・ユニット。 データグラムには,ユーザ・データに加えて伝送に必要な情報も含まれる。 前後に伝送されるデータグラムと関係がないという点で,データグラムは自己完結型である。

データグラム・ソケット

コネクションレス・モードにおいて,転送用の各メッセージを構成するデータグラムを提供するソケット。

伝送制御プロトコル (TCP)

アプリケーションに対して,信頼性の高い全二重のコネクション指向サービスを提供するインターネット・トランスポート層プロトコル。 TCP は,IP プロトコルを使用し,ネットワークを介して情報を送信する。

同期実行

トランスポート・ユーザに制御を戻す前に,トランスポート・プリミティブに指定のイベントを待機させる実行モード。

トランスポート・サービス

ユーザ・プロセス間のデータ転送のために,システムのトランスポート層がアプリケーション層に与えたサポート。 提供されるサービスは,コネクション指向型およびコネクションレス型の 2 種類である。 トランスポート層インタフェースの項も参照。

トランスポート・サービス・データ・ユニット (TSDU)

OSI の用語で,トランスポート・ユーザがトランスポート・プロバイダに渡す情報の項目またはメッセージ。

トランスポート・プロバイダ

システムで,トランスポート層のサービスを提供する伝送プロトコル。

トランスポート・ユーザ

別のプログラムまたはネットワーク上のポイントとの間でデータを送受信するために,伝送プロトコルのサービスを必要とするプログラム。 トランスポート層インタフェースの項も参照。

トランスポート終端

トランスポート・ユーザが,トランスポート・プロバイダとデータをやりとりできる通信パス。 トランスポート層インタフェースの項も参照。

トランスポート層インタフェース (TLI)

OSI モデルのトランスポート層へのインタフェースであり,ISO トランスポート・サービス定義に基づいて設計されている。

ネーム・サーバ

クライアント・プロセスが,ホスト・アドレスまたはネットワーク内の他のオブジェクトのアドレスを取得するために交信するシステム上で実行しているデーモン。 このデーモンは,マシンのネットワーク名をそのネットワークの IP アドレスに変換する。

ネーム・サービス

クライアント・プロセスに提供されている,通信のための同等システムを識別するサービス。

パイプ

記述子を持つ I/O ストリームであり,関連付けられプロセス間の単方向の通信に使用される。 ソケットペアの項も参照。

バークレイ版ソフトウェア

カリフォルニア大学バークレイ校のコンピュータ・システム研究グループ (CSRG: Computer System Research Group) がリリースしている UNIX ソフトウェアのこと。

パッシブ・ユーザ

XTI トランスポート接続において,接続要求に応答した対等トランスポート・ユーザ。 アクティブ・ユーザおよびクライアント・プロセスの項も参照。

非同期イベント

イベントの項を参照。

非同期実行

  1. すでに開始されている処理またはスレッドの終了を待たずに処理またはスレッドを実行すること。

  2. XTI では,トランスポート・ユーザを待たせることなくイベントを通知する実行モード。

非ブロッキング・モード

非同期実行の項を参照。

ファイル記述子

UNIX システムがファイルを識別するために使用する,符号なしの小さな整数。 ファイル記述子は,ファイル名に対してオープン・システム・コールを発行するプロセスにより作成される。 ファイル記述子は,それを保持するプロセスがなくなったときに消滅する。

ブロッキング・モード

同期実行の項を参照。

ホスト・グループ

IP マルチキャストのため,単一のクラス D IP デスティネーション・アドレスによって識別される 0 個以上のホストから構成されるグループ。 クラス D IPアドレスは,上位 4 ビットに 1110 を持つ。 IP マルチキャストの項も参照。

優先データ

緊急と考えられるデータ。 このデータの意味は,トランスポート・プロバイダによって定義される。 帯域外データの項も参照。

優先トランスポート・サービス・データ・ユニット

XTI において,データ・ユニットの ID が,トランスポート接続の一端からもう一方の端まで保持される優先メッセージ。

ユーザ・データグラム・プロトコル (UDP)

リモート・マシン上のアプリケーション・プログラムとの間で,データグラムを相互に送信できるようにするインターネット・プロトコル。 UDP は,IP を使用してデータグラムを引き渡す。