pdcreate - プリンタ,キュー,初期値ジョブ,または初期値ドキュメントを作成します。
3.2 形式
pdcreate [-c class_name]
[-g] [-m message_text][-r requested_attributes]
[-s style_name][-x extended_attribute_string...]
[-x attribute_filename...]object_instance...
次のコマンドで pdcreate のヘルプが表示されます。
pdcreate -h
pdcreate ユーティリティは,論理プリンタ,物理プリンタ,キュー,初期値ジョブ,または初期値ドキュメントの各オブジェクトを作成します。このユーティリティを使用する際には,以下の点に注意してください。
作成したオブジェクトはパーマネント・オブジェクトになり,シャットダウンおよび再スタート操作を行っても削除されません。
Name Service に同名のオブジェクトが既に存在している場合,そのオブジェクト・クラスが異なっていても,操作は失敗します。
NIS の場合,新しいプリンタを NIS NameSpace データベース (printers.conf.byname) に手動で追加し,その変更を同じドメインで動作しているすべての NIS サーバに通知する必要があります。
pdcreate の操作時に属性の値を設定できます。
作成したオブジェクトは初期状態では使用不能になっています。新しいオブジェクトを使用可能にするには pdenable ユーティリティを使用します。
物理プリンタを作成する場合は,次の点に注意してください。
新しいプリンタはスーパバイザ内に作成され,使用不能 (enabled=no) 状態で初期化されます。
新しいプリンタをサポートするスーパバイザが利用可能でなければならず,コマンド行から以下の情報を設定する必要があります。
プリンタ接続属性の printer-address,printer-connection-method,printer-connection-level,printer-address,printer-baud-rate,printer-data-bits,printer-input-flow-control,printer-output-flow-control,printer-parity,printer-stop-bits,printer-timeout-period,printer-tcpip-port-number など。
プリンタ固有属性の printer-model,printer-name など。
物理プリンタの作成時に必要な属性は,printer-model と printer-name の 2 つです。
作成した物理プリンタを使用可能にするには associated-queue 属性が必要です。この属性を pdcreate で指定しなかった場合は,pdenable を実行する前に pdset を使用して追加する必要があります。
新しいプリンタを認識するため,スーパバイザの physical-printers-supported 属性が自動的に更新されます。
コマンド行で associated-queue 属性を使用して指定したキューが存在しない場合,作成操作は失敗します。
copy-from=copy_object_instance 属性を指定すると,コピー元のキューの属性値が,作成するキューの初期値として使用されます。コピー元のオブジェクトと作成するオブジェクトは同じスプーラに存在している必要があります。
論理プリンタを作成する場合は,次の点に注意してください。
新しいプリンタはスプーラ内に作成され,使用不能 (enabled=no) 状態で初期化されます。プリンタが印刷要求を受け付けられるようにするには,そのプリンタに対して pdenable を実行する必要があります。
新しいプリンタを認識するため,スプーラの logical-printers-supported 属性が自動的に更新されます。
コマンド行で printer-initial-value-job 属性または printer-initial-value-document 属性を使用して指定したオブジェクトが存在しない場合,作成操作は失敗します。
copy-from=copy_object_instance 属性を指定すると,コピー元のキューの属性値が,作成するキューの初期値として使用されます。コピー元のオブジェクトと作成するオブジェクトは同じスプーラに存在している必要があります。
キューを作成する場合は,次の点に注意してください。
object_instance でスプーラ名を省略すると,新しいキューは省略時のスプーラに作成されます。
新しいキューは使用不能状態で初期化されるため,このままではジョブを受け付けることができません。キューを使用可能にしてジョブを受け付けられるようにするには,pdenable ユーティリティを使用します。
新しいキューを認識するため,スプーラの queues-supported 属性が更新されます。
copy-from=copy_object_instance 属性を指定すると,コピー元のキューの属性値が,作成するキューの初期値として使用されます。コピー元のオブジェクトと作成するオブジェクトは同じスプーラに存在している必要があります。
初期値ジョブを作成する場合は,次の点に注意してください。
object_instance でスプーラ名を省略すると,新しいオブジェクトは省略時のスプーラに作成されます。
初期値ジョブは論理プリンタでのみ使用されます。
copy-from=copy _object_instance 属性を指定すると,コピー元のオブジェクトの属性値が,作成するオブジェクトの初期値として使用されます。コピー元のオブジェクトと作成するオブジェクトは同じスプーラに存在している必要があります。
論理プリンタが既に存在している場合は,そのプリンタに対して pdset を実行し,作成した初期値ドキュメントを printer-initial-value-document 属性に設定します。
論理プリンタが存在しない場合は,pdcreate で新しい論理プリンタを作成します。その際,作成した初期値ドキュメント名を printer-initial-value-document 属性の値として設定します。
初期値ドキュメントを作成する場合は,次の点に注意してください。
object_instance でスプーラ名を省略すると,新しいオブジェクトは省略時のスプーラに作成されます。
copy-from=copy_object_instance 属性を指定すると,コピー元オブジェクトの属性値が,作成するオブジェクトの初期値として使用されます。コピー元のオブジェクトと作成するオブジェクトは同じスプーラに存在している必要があります。
論理プリンタが既に存在している場合は,そのプリンタに対して pdset を実行し,作成した初期値ドキュメントを printer-initial-value-document 属性に設定します。
論理プリンタが存在しない場合は,pdcreate で新しい論理プリンタを作成します。その際,作成した初期値ドキュメント名を printer-initial-value-document 属性の値として設定します。
管理者
pdcreate でサポートされるオプションは以下のとおりです。
3.4.1 -c class_name
作成するオブジェクトのクラス,つまりタイプを指定します。
class_name には次の値を指定できます。
printer (省略時の値)
queue
initial-value-job
initial-value-document
オペランドのセクションで,各クラスに関連付けられた object_instance について説明します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
行またはカラムの見出し出力を抑制します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
headings=no
3.4.3 -m message_text
作成するオブジェクトについてのメッセージを設定します。たとえば,新しいキューを作成する場合,次のようなメッセージを付加できます。
-m "Queue2 will soon be accepting jobs."
-x extended-attributes-string オプション,または -X attribute_filename オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
message=message_text
たとえば,次のようになります。
-x "message = 'Queue2 will soon be accepting jobs.'"
このタイプのメッセージを取得するには,対象のオブジェクトに対し,次のオプションを指定した pdls ユーティリティを実行します。
-r message
3.4.4 -r requested_attributes
標準出力に書き込まれる属性レポートに含めたい属性を指定します。
requested_attributes には次の値を指定できます。
verbose -- 属性の拡張セットを出力に書き込みます。
brief -- 属性の verbose リストのサブセットを出力に書き込みます。
all -- 値の設定されたすべての属性を出力に書き込みます。
none -- 属性を出力に書き込みません。これが省略時の値です。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
requested-attributes=requested_attributes
3.4.5 -s style_name
-r requested_attributes オプションで要求された出力の書式を定義します。
style_name には次の値を指定できます。
column -- 要求された属性ごとに 1 つのカラムを使用して表示します。これが省略時の値です。
line -- 各属性値を 1 行に表示します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
style=style_name
3.4.6 -x extended_attributes_string
pdcreate ユーティリティで処理するコマンド行に一連の attribute_type=value の組を指定するのに使用します。
設定可能と識別されたすべての属性を指定できます。
-x および -X オプションでは,次のコマンド属性を指定できます。
attributes
requested-attributes
class
message
headings
style
copy-from=copy_object_instance
pdcreate ユーティリティは,copy_object_instance
の値のコピーを作成し,作成した新しいオブジェクトの初期値にコピー元オブジェクトの属性値を使用します。コピー元のオブジェクトと作成するオブジェクトは同じクラスで,同じサーバ上に存在している必要があります。
3.4.7 -X attribute_filename
ユーティリティが読み取る属性ファイルを指定します。pdcreate ユーティリティを実行すると,このオプションのコマンド行中の記述位置でファイル内の属性データが処理され,-x オプションで直接指定した場合と同じ結果になります。
-X オプションではオブジェクト属性は使えません。使用できるコマンド属性については,-x オプションを参照してください。
オペランドの値は,-c class_name オプション,または class=class_name 属性の値に基づいて指定します。
クラスが printer の場合,printer_name には作成するプリンタの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。新しいプリンタに関連付けられているサーバで,プリンタ属性 printer-realization に省略時の値が割り当てられます。スーパバイザでは physical,スプーラでは logical という値をそれぞれ割り当てます。
新しいプリンタのエントリが,Name Service for Local File に作成されます。NameSpace に既に同名の別オブジェクトが存在している場合,プリント・オブジェクトを作成することはできません。
クラスが queue の場合,queue_name には作成するキューの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。
クラスが initial-value-job の場合,ivj_name には作成する initial-value-job オブジェクトの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。作成したオブジェクトは,関連付けられた論理プリンタをパス・スルーするジョブに省略時の属性を設定します。各ジョブは initial-value-job オブジェクトを識別して,属性の省略時の値の設定に使用できます。
クラスが initial-value-document の場合,ivdoc_name には作成する initial-value-document オブジェクトの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。作成したオブジェクトは,関連付けられた論理プリンタをパス・スルーするドキュメントに省略時の属性を設定します。各ドキュメントは initial-value-document オブジェクトを識別することができ,そこから属性の省略時の値を取得します。
環境変数 PDPRINTER によって指定された省略時のサーバ上に,dngbat という名前の論理プリンタを作成します。このプリンタがサポートする用紙は iso-a4-white および a-white です。
pdcreate -x "media-supported=iso-a4-white a-white" dngbat
big-super という名前のスーパバイザに,X4517PS.pp という名前の物理プリンタを作成します。
pdcreate -c printer -X /usr/pd/cap/Xerox4517-Level2ps.paf \
big-super:X4517PS.pp
2 つのドキュメント形式,PostScript と PCL をサポートする dngbat という名前の論理プリンタを作成します。
pdcreate -c printer -x "document-formats-supported='PostScriptPCL'" \
big-super:dngbat