pdmoddb - 既存のオブジェクト・データベースを変更します。
11.2 形式
pdmoddb [-v] [-n server-name]
[-A access-control-list]
[-R serverruntime-directory]
[-r authentication-type] [-O source-OID-directory]
[-d ODB-directory] [-s spool-directory]
[-e executable-directory]
次のコマンドで pdmoddb のヘルプが表示されます。
pdmoddb -h
pdmoddb ユーティリティは,既存のオブジェクト・データベースを変更します。
指定したデータベースが存在しない場合,またはそのデータベースを使用するサーバが稼働中の場合は,pdmoddb はエラー・メッセージを表示して終了します。
管理者
pdmoddb でサポートされるオプション,関連する引数,および属性は以下のとおりです。
11.4.1 -v
コマンド行属性の確認中にメッセージを表示します。
たとえば,コマンド行に -A (後述),-r (後述),および -v スイッチを指定すると,次のようなメッセージが表示されます。
Validating requested server attributes: Checking attribute: access-control-list Checking attribute: cfg-rpc-auth-type All requested server attributes are valid
-v スイッチを指定すると,オブジェクト・データベースの変更完了後に,すべてのサーバ属性のすべての値も出力されます。たとえば,次のようになります。
Current server attributes are: achilles_spl: server-state = ready achilles_spl: server-internal-state = 2 achilles_spl: object-classes-supported = server achilles_spl: enabled = FALSE achilles_spl: conformance-levels-supported = level-1 level-1M level-2 level-2M achilles_spl: cfg-src-odb-path = /usr/pd/share/odb achilles_spl: cfg-src-oid-path = /usr/pd/share/oid achilles_spl: cfg-spool-path = /var/spool/pd/achilles_spl achilles_spl: cfg-server-runtime-dir = /var/spool/pd/achilles_spl achilles_spl: cfg-acct-log-file-path = /var/pd/acct/achilles_spl achilles_spl: access-control-list = administrator:sysadmin achilles_spl: server-type = spooler achilles_spl: cfg-rpc-auth-type = SYS achilles_spl: cfg-max-log-backups = 4 achilles_spl: cfg-days-to-keep-acct-logs = 3 achilles_spl: cfg-safe-size-for-acct-logs = 1000000 achilles_spl: cfg-time-for-new-acct-log = 03:15:00
メモ
接頭辞 "cfg" が付く構成属性は,主として,通常はアクセスされない内部属性です。
-v スイッチを省略すると,pdmoddb はエラー・メッセージのみを表示します。
11.4.2 -n server-name
変更するサーバ・データベースの名前を指定します。
-n スイッチを省略すると,省略時の名前が使用されます。省略時の名前は,pdmoddb ユーティリティが動作しているホストの名前と,変更するのがスーパバイザ・データベースかスプーラ・データベースかによって決まります。スプーラなら <hostname>_spl,スーパバイザなら <hostname>_sup となります。
11.4.3 -A access-control-list
access-control-list パラメータで指定された値を持つサーバ access-control-list 属性を作成します。
access-control-list パラメータの形式は,次のとおりです。
name name-type
このとき,name
および
name-type
は,付録 A
の access-control-list のパラメータ定義に従って指定する必要があります。
-A スイッチの name-type の省略時の値は group です。-A スイッチには access-control-list の privilege-level 構成要素は含まれません。これは,このスイッチ自体が管理者の特権レベルを指定するものだからです。-A スイッチを省略すると,サーバのアクセス制御リスト (ACL) の省略時の値が作成されます。
-A スイッチによって,そのサーバ・オブジェクトの初期の管理者が指定されます。サーバが動作し,DPA 要求に応答した後に,オペレータとユーザだけでなく,管理者についても他の値を追加できます。
11.4.4 -R server-runtime-directory
サーバの実行時ディレクトリの場所を指定します。
サーバは,起動時にサーバの実行時ディレクトリに移動します。相対パスはすべて,サーバの実行時ディレクトリからのパスと解釈されます。
省略時の設定では,サーバのコアダンプ・ファイルは実行時ディレクトリにあります。
実行時ディレクトリとして,任意の正規 UNIX ディレクトリ・パス名を指定できます。
省略時の実行時ディレクトリは,/var/spool/pd/server-name
になります。
11.4.5 -r authentication-type
サーバで使用する RPC 認証タイプを指定します。
authentication-type に指定できる値は,NONE または SYS です。省略時の値は SYS です。
11.4.6 -O source-OID-directory
OID データベースの場所を指定します。
サーバでは,OID データベースを使用して,特定の属性の特性をチェックします。source-OID-directory には正規の OID データベースを参照するパス名を指定する必要があります。指定した場所に OID データベースが存在しない場合,pdmoddb はエラー・メッセージを表示して終了します。
省略時の OID パス名は,/usr/pd/share/oid
になります。
11.4.7 -d destination-ODB-directory
オブジェクト・データベース・ファイルの場所を指定します。
実行するユーザ ID には,ODB パスに対する書き込み許可が設定されている必要があります。指定したディレクトリが存在しない場合,またはユーザに書き込み許可がない場合は,pdmoddb はエラー・メッセージを表示して終了します。
オブジェクト・データベースは,実際には,いくつかのデータ・ファイルを含むディレクトリです。
11.4.8 -s spool-directory
印刷するドキュメントをサーバがスプールする場所を指定します。
spool-directory には任意の正規 UNIX ディレクトリ・パス名を指定できます。省略時のディレクトリは,/var/spool/pd/server-name
になります。
11.4.9 -h
使い方のメッセージを表示します。
-h スイッチを指定すると,他のスイッチを指定していても,使い方のメッセージが表示されるだけで,その他の処理は何も行われません。
11.5 使用例
achilles_spl の省略時の実行時ディレクトリを変更します。
pdmoddb -R /var/spool/newdir_spl -n achilles_spl