本書では,HP TruCluster Server バージョン 5.1B 製品で使用できる機能について,その概要を説明します。
本書の内容は,TruCluster Server の『QuickSpec』に代わるものではありません。『QuickSpec』は,本製品の正式な説明書です。製品の最新情報については,『QuickSpec』を参照してください。
対象読者
本書は,TruCluster Server の機能の概要に関心があるユーザや管理者を対象としています。HP Tru64 UNIX オペレーティング・システムと TruCluster Server 製品の知識が必要です。
新しい機能と変更された機能
本書には,バージョン 5.1A のリリース以降に,次のような変更が行われています。
バージョン 5.1A の『クラスタ LAN インターコネクト』に記述されていた必要な情報は,本書,『クラスタ・ハードウェア構成ガイド』,『クラスタ・インストレーション・ガイド』,および 『クラスタ管理ガイド』 のそれぞれのマニュアルに統合されました。このため,『クラスタ LAN インターコネクト』は TruCluster Server マニュアル・セットの一部ではなくなりました。
1.1 節では,TruCluster Server バージョン 5.1B 製品で使用できる新機能について説明しています。
第 5 章では,このリリースでの CAA (Cluster Application Availability) の新機能の概要を説明しています。この概要では,CAA によりアプリケーション・リソースを分散する方法,ユーザ定義属性を使用してアプリケーション・プロファイルを拡張する方法などについて説明します。
第 6 章では,制限を緩和した
gated
コマンドについて説明しています。制限を緩和したことにより,クラスタ・メンバは
gated
コマンドや
routed
コマンドの実行,または静的ルーティングの使用ができるようになりました。
第 7 章の内容は大幅に書き換えられて,バージョン 5.1A の『クラスタ LAN インターコネクト』に記述されていたクラスタ・インターコネクトの選択に関する情報が追加されました。
第 9 章では,TruCluster Server バージョン 5.1A からローリング・アップグレードを行うとき,複数のクラスタ・メンバのローリングを並列に行う方法を説明しています。
第 1 章 | TruCluster Server 機能の概要を説明します。 |
第 2 章 | サポートしているファイル・システム,クラスタ・ファイル・システム (CFS),コンテキスト依存シンボリック・リンク (CDSL),ストレージ,デバイス命名規則について説明します。 |
第 3 章 | 接続マネージャの概要と,クォーラムとボートによるクラスタの形成と保守における,その役割について説明します。 |
第 4 章 | クラスタ内の高可用性アプリケーションの基本的なタイプを 3 つ (シングル・インスタンス,マルチ・インスタンス,分散型) 定義します。 |
第 5 章 | シングル・インスタンス・アプリケーションをクラスタ単位で管理する CAA (Cluster Application Availability) サブシステムの概要を説明します。 |
第 6 章 | TCP (Transmission Control Protocol) および UDP (User Datagram Protocol) に対してクラスタをシングル・システムのように見せるクラスタ別名サブシステムの概要を説明します。 |
第 7 章 | LAN と Memory Channel のクラスタ・インターコネクトについて概要を説明します。 |
第 8 章 | 分散ロック・マネージャ (DLM) について説明します。DLM には,クラスタ内で連携するプロセスが共用リソースへのアクセスの同期をとるための機能があります。 |
第 9 章 | クラスタのインストレーションおよび管理の概要を説明するとともに,ローリング・アップグレードについても説明します。 |
用語集 | TruCluster Server のドキュメント全体を通して使用される共通の用語を定義します。 |
次のドキュメントおよびマニュアルでは,TruCluster Server 製品の詳細情報が説明されています。
TruCluster Server 『QuickSpec』 -- TruCluster Server バージョン 5.1B 製品の正式な説明書です。『QuickSpec』の最新版は,次の URL から入手できます。
http://www.tru64unix.compaq.com/docs/pub_page/spds.html
『クラスタ・リリース・ノート』 -- TruCluster Server の新機能の概要を紹介するとともに,既知の問題とその回避策について説明しています。
『クラスタ・ハードウェア構成ガイド』 -- クラスタ・メンバのシステムの設定方法と,クラスタ共用ストレージの構成方法について説明しています。
『クラスタ・インストレーション・ガイド』 -- TruCluster Server ソフトウェアのインストール方法について説明しています。
『クラスタ高可用性アプリケーション・ガイド』 -- 既存のアプリケーションを TruCluster Server クラスタで実行する方法と,クラスタ・ベースのアプリケーションの作成方法について説明しています。
『クラスタ管理ガイド』 -- クラスタ特有の管理作業について説明しています。
TruCluster Server の最新ドキュメントは,次の URL から入手することができます。
http://www.tru64unix.compaq.com/docs/pub_page/cluster_list.html
本書では,次の表記法を使用します。
#
番号記号は root としてログインした場合のシステム・プロンプトを表します。
%
cat
対話式の例における太字(ボールド体)は,ユーザが入力する文字を示します。
イタリック体 (斜体) は,変数値,プレースホルダ,および関数の引数名を示します。
cat
(1)リファレンス・ページの参照には,該当するセクション番号をカッコ内に示します。
たとえば,
cat
(1)cat
コマンドについての情報が,
リファレンス・ページのセクション1に記載されていることを示します。