pdls - プリント・オブジェクトの属性を表示します。
8.2 形式
pdls [-c class_name]
[-f filter text] [-F] [-g] [-r requested_attributes]
[-s style_name][-x extended_attribute_string...]
[-X attribute_filename...][object_instance...]
次のコマンドで pdls のヘルプが表示されます。
pdls -h
pdls ユーティリティは,オブジェクトの属性と値を表示します。pdls では,以下のものの属性を表示できます。
指定したオブジェクト。
指定したクラス (server を除く) のすべてのオブジェクト。クラスが server の場合は,指定したサーバの属性のみが表示されます。
フィルタで限定したすべてのオブジェクトのサブセット。
エンド・ユーザ。他のユーザに属するジョブの情報を表示するには,権限が必要です。ユーザが適切なアクセス制御レベルを持つサーバ上のオブジェクトに関する情報のみが標準出力に表示されます。
pdls でサポートされるオプション,関連する引数,および属性は以下のとおりです。
8.4.1 -c class_name
属性を標準出力に書き込むオブジェクトのクラス,つまりタイプを指定します。
class_name には次の値を指定できます。
document
initial-value-document
initial-value-job
job (省略時の値)
printer
queue
server
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
class=class_name
8.4.2 -f filter text
フィルタでは,オブジェクト値のグループのサブセットを定義する条件テンプレートを,論理式またはテキスト文字列の形で指定できます。pdls ユーティリティは,指定されたフィルタ式に合致するオブジェクト値だけを出力します。
フィルタ・テキストの省略時の値はオブジェクト・クラスによって決まり,以下のいずれかになります。
オブジェクトが job の場合,filter_text の値は次のようになります。
job-owner==userName
オブジェクトが job 以外の場合,フィルタ式はありません。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
-f filter_text オプションが指定されていない場合の省略時のフィルタリングを含め,すべてのフィルタリングを無効にします。
-F オプションは,コマンド行に指定されたすべての -f filter_text オプションに優先します。
8.4.4 -g
カラム見出しの出力を抑制します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
headings=no
8.4.5 -r requested_attributes
pdls によって,指定した属性を含む属性レポートを生成し,書き込みます。
requested_attributes には次の値を指定できます。
verbose -- 属性の拡張セットを出力に書き込みます。
brief -- 属性の verbose リストのサブセットを出力に書き込みます。これが省略時の値です。
all -- 値の設定されたすべての属性を出力に書き込みます。
none -- 属性を出力に書き込みません。
"属性のリスト" -- 表示したい属性を複数まとめて指定できます。属性のリストは引用符で囲んでください。リスト中の属性と属性の間はスペースで区切ります。たとえば,次のように指定します。
-r "descriptor physical-printers-ready
locales-supported"
1 つの属性 -- 属性を 1 つだけ指定することもできます。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
requested-attributes=requested_attributes
8.4.6 -s style_name
-r requested_attributes オプションで要求された出力の書式を定義します。
style_name には次の値を指定できます。
column -- 要求された属性ごとに 1 つのカラムを使用して表示します。これが省略時の値です。
line -- 各属性値を 1 行に表示します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
style=style_name
8.4.7 -x extended_attribute_string
pdls ユーティリティで処理するコマンド行に一連の attribute_type=value の組を指定するのに使用します。
-x オプションではオブジェクト属性は使用できません。
次のコマンド属性を指定できます。
attributes
class
filter
headings
requested-attributes
style
time-limit
time-limit=n -- この属性では,n 秒ごとに出力に書き込みます。出力に時間のかかる要求を何回かに分割できます。
count-limit
count-limit=n -- この属性では,オブジェクト n 個ごとに出力に書き込みます。出力に時間のかかる要求を何回かに分割できます。
scope (この属性は class=job の場合のみ使用可)
scope=0 -- ジョブの属性のみが表示されます。これが省略時の値です。
scope=1 -- ジョブおよびドキュメントの属性が表示されます。
ユーティリティが読み取る属性ファイルを指定します。pdls ユーティリティを実行すると,このオプションのコマンド行中の記述位置でファイル内の属性データが処理され,-x オプションで直接指定した場合と同じ結果になります。
-X オプションではオブジェクト属性は使用できません。使用できるコマンド属性については,-x オプションを参照してください。
オペランド object_instance の値は,-c class_name オプション,または class=class_name 属性の値に基づいて指定します。
class_name=job の場合,ジョブの属性のうち要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。これが省略時の値です。job_id の値は,対象のジョブの一意の識別子です。たとえば,
big-spooler:120.2
は,big-spooler というサーバ上の 120 という識別子を持つジョブを指します。
class_name=document の場合,job_id.doc_int で指定されたドキュメントの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。ドキュメント識別子 (doc_int) は,ドキュメントのジョブ内での位置を表す数字です。たとえば,
big-spooler:120.2
は,big-spooler というサーバ上の 120 という識別子を持つジョブにある,2 番目のドキュメントを指します。
class_name=initial-value-document の場合,ivdoc_name で指定された初期値ドキュメントの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。
class_name=initial-value-job の場合,ivjob_name で指定された初期値ジョブの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。
class_name=printer の場合,printer_name で指定されたプリンタの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。
printer_name には論理または物理プリンタの名前を指定できます。
printer_name を省略すると,サーバ上のすべてのプリンタの情報が表示されます。
class_name=queue の場合,queue_name で指定されたキューの属性のうち要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。
class_name=server の場合,server_name で指定されたスプーラまたはスーパバイザの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。
PDPRINTER 環境変数に指定された省略時のサーバ (省略時の論理プリンタのホストとなるサーバ) 上の当該ユーザに属するすべてのジョブを表示します。
pdls
PDPRINTER 環境変数に指定された省略時のサーバ (省略時の論理プリンタのホストとなるサーバ) 上の全ユーザのジョブをすべて表示します。
pdls -F
PDPRINTER 環境変数に指定されたプリンタを保持するスプーラ・サーバ上のすべてのキューを表示します。
pdls -c queue
LP1,PP2 という 2 つのプリンタの属性を表示します。
pdls -c printer LP1 PP2
job3 のジョブ属性およびドキュメント属性を表示します。
pdls -c job -x "scope=1" spooler1:job3