D    uucp メッセージ

この付録では,次の uucp メッセージおよびそれに対する対処について説明します。

D.1    状態およびログ・ファイルのメッセージ

この節では,uucp の状態として表示されるか, またはログ・ファイル内に記録されることがあるエラー・メッセージを示します。 uulog または uustat コマンドを使用して, 状態メッセージを参照してください。

ASSERT ERROR

ASSERT エラーが発生しました。 これは,システム管理者だけが解決できる状態です。 ASSERT エラーは,次のような形式で /usr/spool/uucp/.Admin/errors ファイルに格納されます。

ASSERT ERROR (prog) pid: xxxx (date/time) error error-location

各変数は次のような意味を示します。

prog エラーが発生したプログラムの名前。
xxxx プログラムのプロセス ID (PID)。
date/time エラーが発生した日付と時刻。
error エラーの内容を説明するメッセージ。 メッセージには引数が含まれている場合があります。 メッセージの後ろにカッコに囲まれた値がある場合,この値は通常エラー番号(errno)です。
error-location ソース・ファイルの名前とバージョン,およびエラーが発生したソース・ファイル内の行。

表 D-1 に,ASSERT エラー・メッセージをリストします。

表 D-1:  ASSERT エラー・メッセージ

エラー・メッセージ 説明および対処
BAD LINE line (num) /usr/lib/uucp/Devices ファイルに不正な行があります。 line は不正な行で, num はその行にあるフィールドの数です。
  ファイルの不正なエントリを修正してください。 ファイル・エントリについての説明は, Devices(4) を参照してください。

BAD LOGIN_UID (-1)

BAD UID (-1)

CAN NOT FIND UID (num)

プロセスに使用されているユーザ ID が,現在ログインされていません。 /etc/passwd ファイルに定義されていないか,または NIS を使用する場合は networks データベースに定義されていません。
  id コマンドを使用してユーザ ID を確かめて, /etc/passwd ファイルを変更するか,または NIS を使用する場合は networks データベースを変更してください。
BAD SPEED (num) サポートされていないボー・レート(num) が指定されました。
  コマンドの引数または uucp 構成ファイルを確かめてください。 次に uucpsetup を実行して,ボー・レートを変更してください。
CAN'T CHDIR dir (num) ディレクトリ dir を変更するコマンドが異常終了しました。 uucp プログラムがディレクトリへの読み取りアクセスを要求しました。
  ディレクトリの許可を確かめてください。 ディレクトリが存在しない場合は, スプール・ディレクトリの許可を確かめてください。
CAN'T CLOSE file (num) エラー番号 num によりファイルをクローズできませんでした。
CAN'T CREATE file (num) エラー番号 num によりファイルをオープンできませんでした。 uucp プログラムには,ファイルまたはディレクトリへの書き込みアクセスが必要です。
  ファイルおよびディレクトリの許可を確かめてください。
CAN'T LINK file (num) エラー番号numにより, uucp スプール・ディレクトリの作業ファイル file に, ソース・ファイルをリンクできませんでした。
  スプール・ディレクトリの許可を確かめてください。
CAN'T LOCK LCK.SQ. sys (0) システム sys/var/spool/locks/LCK.SQ. sys ファイルをロックできませんでした。
  ファイルの時刻および許可を確かめてください。 古い場合はそのファイルを削除してください。
CAN'T OPEN file (num) エラー番号 num により,ファイルをオープンできませんでした。 uucp プログラムには,ファイルまたはディレクトリへの書き込みアクセスが必要です。
  ファイルおよびディレクトリの許可を確かめてください。
CAN'T STAT file (num) uucico デーモンが, エラー番号 num によりファイルについての情報を獲得できませんでした。
  ファイルの許可を確かめてください。
CAN'T UNLINK file (num) エラー番号 num により,ファイルのリンクを解除できませんでした。
  ファイルの許可を確かめてください。
CAN'T WRITE file (num) エラー番号 num によりファイルをオープンできませんでした。 uucp プログラムには,ファイルまたはディレクトリへの書き込みアクセスが必要です。
  ファイルおよびディレクトリの許可を確かめてください。
FILE EXISTS file (num) ファイルがすでに存在していて,そのファイルに対する access() 呼び出しによってエラー番号 num が返されました。 このファイルは,別の uucp プロセスによってクリーン・アップされなかった uucp 作業ファイルです。
No uucp server (0) uucp サービスが/etc/services ファイルに定義されていません。
  etc/services ファイルを編集して, uucp エントリを追加してください。
SYSLST OVERFLOW (num) 単一のシステムとしては,キューに登録されているジョブが多過ぎます。 ジョブの数は num です。
  uustat -q コマンドを使用して,キューを確認してください。 ジョブが古くない場合には,要求を再試行してください。 キューに古いジョブがある場合は, uucleanup コマンドを使用してキューをクリーン・アップしてください。 詳細については, uucleanup(8) を参照してください。
TOO MANY LOCKS (num) ロック・ファイル num の作成中に,ロック・ファイル数がシステムの限界を超えました。
  現在の処理が終了したらその要求を再試行してください。
XMV ERROR file (num) uuxqt デーモンが,実行ファイルを uucp スプール領域内の .Xqtdir ディレクトリに移動できず, エラー番号 num により異常終了しました。
  ls -l コマンドを使用して,.Xqtdir ディレクトリが uucp によって所有され,775 許可を持っていることを確認してください。

BAD LOGIN/MACHINE COMBINATION

説明: このエラーの原因としては次の 2 つが考えられます。

対処: リモート・システムの管理者に依頼して,そのユーザ名の LOGNAME エントリを追加するか,または Systems ファイルを編集して,既知のユーザ名を使用できるようにリモート・システムのエントリを変更してください。

BAD SEQUENCE CHECK

説明: ローカル・システムとリモート・システムとで, /usr/lib/uucp/SQFILE ファイルの情報が一貫していません。 このエラーの原因としては次のことが考えられます。

CALLBACK REQUIRED

説明: ローカル・システムが,呼び出しを開始して, リモート・システムのためのタスクを持ち合わせていることをリモート・システムに通知しました。 リモート・システムは現在, ローカル・システムへの呼び出しを開始する場合にだけタスクを受け付けるように構成されています。 タスクは,リモート・システムがローカル・システムを呼び出すまでは,キューに入ったままです。

対処: キューを監視して,すべてのジョブの完了を確認します。

CALLER SCRIPT FAILED

説明: Systems ファイルに定義されているチャット・スクリプトの処理中に, エラーが発生しました。

対処: 要求を再試行してください。 エラーが再発する場合は, uutry remote_system コマンドを使用して, リモート・システムから出されるプロンプトを観察してください。 プロンプトをチャット・スクリプトと比べます。 違いがある場合は, uucpsetup スクリプトを実行してチャット・スクリプトを変更してください。

CAN'T ACCESS DEVICE

説明: このエラーの原因としては次のことが考えられます。

CANNOT OPEN SYSTEMS FILE FOR READ

説明: uucp プログラムが /usr/lib/uucp/systems ファイルを読み取ることができません。

対処: モードを 650 に,所有者およびグループを uucp に変更してください。

CONN FAILED (string)

説明: リモート・システムへの接続が失敗しました。 string の位置に,失敗の原因の説明があります。 必要に応じて,システムは再接続されます。

対処: キューを監視して,すべてのジョブの完了を確認します。 問題が解決しないようであれば,構成をチェックしてください。

CONVERSATION FAILED

説明: リモート・システムとの会話が異常終了しました。 考えられる原因は,モデムのエラーまたはシステムのクラッシュです。 部分的に実行されたジョブは,キューに再登録された後で処理されます。

対処: キューを監視して,すべてのジョブの完了を確認します。

DEVICE LOCKED

説明: 別のユーティリティ(tipcuuugetty,または uucico のうちいずれか)によって, すでにデバイスが使用されています。

対処: 要求を再試行してください。 このメッセージは,他のユーティリティがデバイスの使用を終了しない限り,繰り返し表示されます。

DIAL FAILED

説明: モデム・ダイアリング・シーケンスが異常終了したか,またはタイム・アウトになりました。

対処: コマンドを再試行してください。

LOGIN FAILED

説明: リモート・システムへのログインを試みているときに,uucico デーモンがタイム・アウトになりました。

対処: その要求について uutry コマンドを実行して, ログインが失敗する原因を判定してください。

チャット・スクリプトの処理中にエラーが発生する場合は, uucpsetup スクリプトを実行して, リモート・システムによって実際に返されたメッセージを反映するようにチャット・スクリプトを変更してください。 たとえば,ログイン・プロンプトの待機中にチャット・スクリプトが停止した場合は, チャット・スクリプトが,ログイン・プロンプトを取得する前にキャリッジ・リターンを送信して遅延するように, チャット・スクリプトを変更してください。

リモート・システムへのログインが成功してもエラーが発生する場合は, リモート・システムの uucico デーモンが,起動に失敗したか, または,ローカル・システムへの Shere メッセージの送信に時間がかかり過ぎました。

LOST LINE (LOGIN)

説明: ログイン処理中に接続が切断されました。

対処: 要求を再試行してください。

NO DEVICES AVAILABLE

説明: このシステムには,要求されたタイプまたは速度のデバイスがありません。

対処: システムで可能な場合は,システムに追加のデバイスを取り付けます。 または,要求を変更して, /usr/lib/uucp/Devices ファイルにある使用できるデバイスのうちいずれか 1 つを使用します。

REMOTE DOES NOT KNOW ME

説明: リモート・システムの Systems ファイルに, ローカル・システムのエントリがありません。

対処: リモート・システムの管理者に依頼して, Systems ファイルにご使用のシステムのエントリを作成してもらってください。

REMOTE HAS A LCK FILE FOR ME

説明: リモート・システムがローカル・システムに接続しようとしているときに, ローカル・システムがリモート・システムに接続しようとしています。 uucp ユーティリティでは,2つのシステムが互いに同時に接続することはできません。

対処: その要求を後で再試行します。 または,リモート・システムがローカル・システムに接続したときに, キューされていた要求が実行されるかどうか,待機して調べます。

REMOTE REJECT AFTER LOGIN

説明: リモート・システムに正常にログインした後で, ローカルおよびリモート・システムが会話を開始できませんでした。 リモート・システムからも, BAD LOGIN/MACHINE COMBINATION のメッセージが返されます。

対処: 両方のシステムで接続用の構成をチェックしてください。

REMOTE REJECT, UNKNOWN MESSAGE

説明: リモート・システムによって,ローカル・システムからの接続要求がリジェクトされましたが, 認識できるエラー・メッセージは返されませんでした。

対処: 操作を再実行してください。

STARTUP FAILED

説明: リモート・システムにログインすることはできたが, ローカルおよびリモート・システムが会話を開始できませんでした。 両システムでプロトコルが一致していないか,またはプロトコルを開始できなかったかのいずれかです。

対処: ローカルおよびリモートの両方のシステムが, /usr/lib/uucp/systems ファイルで同じプロトコルを指定していることを確認してください。

SUCCESSFUL

会話が正常に完了しました。

SYSTEM NOT IN Systems FILE

説明: リモート・システムが /usr/lib/uucp/systems ファイルにありません。

対処: uuname コマンドを使用して, 既知の uucp システムのリストを表示してください。

TALKING

説明: ローカル・システムがリモート・システムと会話しています。

WRONG MACHINE NAME

説明: リモート・システム名が, /usr/lib/uucp/systems ファイルに記述されているリモート・システムのエントリと一致しません。

対処: システム名を確認し,uucpsetup を実行して必要な変更を行ってください。

WRONG TIME TO CALL

説明: 現在,リモート・システムを呼び出すことができません。 ジョブは,キューされた後で実行されます。

対処: 時間を変更する場合は,uucpsetup を実行してください。

D.2    tip エラー・メッセージ

次のメッセージは,tip ユーティリティの使用時に表示される可能性があるメッセージです。

all ports busy

説明: すべてのポートが使用中です。

対処: 後で要求を再試行してください。

can't open log file '/var/log/aculog' for updatecontact your administrator

説明: /var/log/aculog ファイルが存在しません。

対処: モードに 664,および所有者とグループに uucp を指定して,ファイルを作成してください。

/etc/phones: can't open phone numbers file

説明: /etc/phones ファイルが存在しないか,または tip ユーティリティが phones ファイルを読み取ることができません。

対処: phones ファイルが存在しており,壊れていないことを確認します。 必要であれば,phones ファイルを新たに作成します。 詳細については, phones(4) を参照してください。

link down

説明: ターミナル・ライン (tty) がオープンできません。

対処: tty デバイスのモードが 666 であることを確かめてください。

missing phone number

説明: リモート・システムの電話番号が /etc/phones ファイルにありません。

対処: /etc/phones ファイルを編集して, リモート・システムの電話番号を追加してください。

system_name: missing device spec

説明: ターミナル・ライン (dv パラメータ) が, /etc/remote ファイルに定義されていません。

対処: /etc/remote ファイルを編集して,パラメータを追加してください。

tip: unknown host sysname

説明: リモート・ホスト・システムが /etc/remote ファイルにありません。

対処: 次のいずれかを実施してください。

tip: can't open host description file

説明: /etc/remote ファイルが存在しないか,または tip ユーティリティが remote ファイルを読み取ることができません。

対処: remote ファイルが存在しており,壊れていないことを確認します。 必要であれば,新しい remote ファイルを作成します。 詳細については, remote(4) を参照してください。

tip: unknown host tipspeed

説明: tip ユーティリティが,コマンド行に指定された speed を使用するように構成されていません。

対処: ハードウェアが指定された速度をサポートしているかどうかを確認してください。 可能な場合には,別の tipspeed エントリをモデルとして使用して, /etc/remote ファイルに速度の tipspeed エントリを作成してください。 さらに,対応する UNIX-speed および dialspeed のエントリを,そのファイルに作成してください。 dialspeed エントリ内の at および dv フィールドを使用して, モデム・タイプおよびモデムを接続するシリアル・ポートを指定してください。

Unknown ACU type

説明: モデムがサポートされていません。

対処: /etc/remote ファイルにあるホスト・システム・エントリの at フィールドを確かめてください。 エントリが正しい場合は, /etc/acucap ファイルにモデムのエントリを作成してください。 詳細については, acucap(4) を参照してください。

xxx: unknown parity value

説明: /etc/remote ファイルのパリティ値(pa パラメータ) が誤っています。

対処: /etc/remote ファイルを編集して,有効な値を入力してください。 詳細については, remote(4) を参照してください。