11    古い外部終端の方法を使用した構成

この章では,旧式の外部終端を採用している TruCluster Server 構成を使用する場合の共用バスの要件に関して説明します。

サポートされるハードウェアのみを使用し,この章で説明されている要件に従えば,クラスタは確実に正常動作します。

この章で説明する項目は以下のとおりです。

SCSI バス構成の概念 (SCSI バス速度,データ・パスなど) および SCSI バスの構成要件についての基本的な説明は第 3 章にあります。

11.1    SCSI バス・シグナル変換器の使用

SCSI バス・シグナル変換器により,ディファレンシャル・バス・セグメントとシングルエンド・バス・セグメントを接続し,ディファレンシャル・デバイスとシングルエンド・デバイスを 1 つの SCSI バス上に混在させ,保守作業時にはそれらのバス・セグメントを孤立化させることができます。

SCSI シグナル変換器には,次のようなシングルエンド側,およびディファレンシャル側があります。

注意

UltraSCSI のマニュアルには,DWZZB および UltraSCSI シグナル変換器のことを UltraSCSI 用語でバス・エクスパンダと呼んでいるものや,一部の UltraSCSI 製品をバス・エクステンダ/変換器と呼んでいるものがあります。

TruCluster Server では,スタンドアロン・タイプの UltraSCSI バス・エクスパンダ (DWZZC) をサポートしません。

本書では,ディファレンシャル・シグナルをシングルエンド・シグナルに変換するデバイスをすべてシグナル変換器と呼んでいます。DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールには,オン・チップ DWZZA,つまり DOC チップが搭載されています。

SCSI シグナル変換器は,異なる伝送モードのデバイス間を接続するのに必要です。

11.1.1    SCSI バス・シグナル変換器の種類

シグナル変換器には,スタンドアロン・ユニット・タイプと,ストレージ・シェルフのディスク・スロットにインストールする StorageWorks ビルディング・ブロック (SBB)・タイプがあります。実際のハードウェア構成に合ったシグナル変換器モジュールを使用してください。

たとえば,Wide ディファレンシャル・ホスト・バス・アダプタを Narrow シングルエンドの BA350 ストレージ・シェルフに接続するには,DWZZA-VA シグナル変換器を使用しますが,Wide ディファレンシャル・ホスト・バス・アダプタを Wide シングルエンドの非 UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフに接続するには,DWZZB-VW シグナル変換器を使用します。DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールは,UltraSCSI BA356 にインストールして UltraSCSI ホスト・バス・アダプタを UltraSCSI BA356 内のシングルエンド・ディスク群に接続するのに使用します。DWZZB-VW を UltraSCSI BA356 にインストールすることもできますが,ディスク・スロットが無駄になる上,ストレージ・シェルフに UltraSCSI ディスクが 1 つでもあると,KZPBA と協調して動作しなくなります。

以降では,DWZZA/DWZZB シグナル変換器および DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールについて説明します。

11.1.2    SCSI バス・シグナル変換器の使用

DWZZA および DWZZB シグナル変換器は,BA350 および BA356 ストレージ・シェルフ内で使用され,リムーバブルな終端設定が可能です。DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールは,UltraSCSI BA356 内で使用され,ディファレンシャル終端を選択できるスイッチがあります。アクティブな終端はシングルエンド終端です。

以降の各項では,これらのシグナル変換器の終端設定の詳細について説明します。

11.1.2.1    DWZZA および DWZZB シグナル変換器の終端

DWZZA および DWZZB シグナル変換器では,シングルエンド側,ディファレンシャル側の両方にリムーバブルな終端が設定されています。シグナル変換器を使用する前に,ディファレンシャル側の終端を解除し,トライリンク・コネクタを取り付ける必要があります。ディファレンシャル終端を解除するには,シグナル変換器のディファレンシャル・エンドの近くにある 5 個の 14 ピン終端抵抗 SIP を取り外します。ディファレンシャル・バスの終端は,トライリンク・コネクタにターミネータを取り付けることによって設定できます。シグナル変換器からこのトライリンク・コネクタを取り外しても,終端電源がある限り,共用バスの終端設定は有効です。

シングルエンド側の終端は,BA350 または BA356 のシングルエンド SCSI バス・セグメントの一方の端の終端を設定するために,付けたままにしておく必要があります。その終端がアクティブになっていることを確認してください。DWZZA ではジャンパ J2 が,DWZZB ではジャンパ W1 および W2 が,それぞれインストールされている必要があります。

図 11-1 に,ディファレンシャル側にトライリンク・コネクタが取り付けられたスタンドアロン SCSI シグナル変換器の内部終端の状態を示します。

図 11-1:  スタンドアロン SCSI シグナル変換器

図 11-2 に,ディファレンシャル側にトライリンク・コネクタが取り付けられた SBB SCSI シグナル変換器の内部終端の状態を示します。

図 11-2:  SBB SCSI シグナル変換器

11.1.2.2    DS-BA35X-DA の終端

UltraSCSI BA356 シェルフでは,UltraSCSI BA356 内の UltraSCSI ディファレンシャル・バスと UltraSCSI シングルエンド・バス間のインタフェースとして,16 ビット・ディファレンシャル UltraSCSI パーソナリティ・モジュール (DS-BA35X-DA) を使用します。

このパーソナリティ・モジュールは,外部ディファレンシャル UltraSCSI バス・セグメント,および内部シングルエンド・バス・セグメントの両端における終端の設定を制御します。

通常のクラスタ操作では,パーソナリティ・モジュール・コネクタ JA1 にトライリンク・コネクタをインストールするので,ディファレンシャル終端を無効にする必要があります。これにより,バスの中ほどで 1 台または 2 台の UltraSCSI BA356 を使用したり,バスの端にある UltraSCSI BA356 で外部終端を設定できるようになります。

パーソナリティ・モジュールのディファレンシャル終端を無効にするには,スイッチ・パック 4 のスイッチ S4-1 および S4-2 をオンに設定します。これらのスイッチは,BA356 の内部シングルエンド UltraSCSI バス終端には影響を及ぼしません。

注意

S4-3 および S4-4 は,DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールでは使用しません。

UltraSCSI BA356 内のデバイスの SCSI ID の選択方法については,11.3.2.2 項を参照してください。

図 11-3 に,DS-BA35X-DA の 2 つのスイッチ・パックの位置を示します。

図 11-3:  DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールのスイッチ

11.2    共用 SCSI バスの終端

デバイスは共用バスに正しく接続する必要があります。終端が設定できるのは,シングルエンドかディファレンシャルかにかかわらず,各 SCSI バス・セグメントの始点と終点だけです。

SCSI バスを終端する場合は,次の 2 つの規則に従ってください。

デバイスは可能な限り,バスから孤立化できるように共用バスに接続してください。これにより,保守作業時にバスの終端およびクラスタの動作に影響を与えることなく,デバイスをバスから切断することができます。また,バスの終端に影響を与えることなく,後日,追加のデバイスを接続できるように共用バスをセットアップすることも可能です。

注意

TZ885,TZ887,TL890,TL891,および TL892 を除いて,テープ・デバイスは共用バスの端にしかインストールできません。これらのテープ・デバイスだけで外部終端の使用がサポートされています。

テープ・ローダのない共用バスで標準の終端設定ができるように,テープ・ローダは別の共用バスにまとめて接続することをお勧めします。

ほとんどのデバイスには内部終端があります。たとえば,KZPSA/KZPBA ホスト・バス・アダプタ,BA350/BA356 ストレージ・シェルフ,および DWZZA/DWZZB SCSI バス・シグナル変換器は,内部終端を備えています。共用バスのセットアップ方法にもよりますが,デバイスでの終端を有効または無効にする必要が生じる場合があります。

UltraSCSI ハブを使用しない構成で,デバイスの内部終端を使って共用バスの終端を設定している場合,そのデバイスからバス・ケーブルを取り外すと,バスの終端が無効になりクラスタが正常に動作しなくなります。したがって,UltraSCSI ハブを使わない場合は,バスの終端に影響を与えることなくデバイスを取り外せるようにするために,外部終端を使用する必要があります。UltraSCSI デバイスと組み合わせた UltraSCSI ハブの使用については,3.5 節および3.6 節を参照してください。

バスを外部で終端して,バスの終端に影響を与えることなくデバイスを接続/切断できるようにするには,デバイスの終端を解除し,Y ケーブルまたはトライリンク・コネクタを使用して,デバイスを共用 SCSI バスに接続します。

終端されていないデバイスに Y ケーブルまたはトライリンク・コネクタを取り付けると,そのデバイスは共用バスの中ほど,端のいずれにも配置できます。デバイスをバスの端に配置する場合は,H879-AA ターミネータを BN21W-0B Y ケーブルまたは H885-AA トライリンク・コネクタに取り付けて,バスを終端します。UltraSCSI デバイスの場合は,H8863-AA ターミネータを H8861 トライリンク・コネクタに取り付けます。この Y ケーブルまたはトライリンク・コネクタとデバイスとの接続を切断しても,共用バスの終端は有効のままで,共用バスは正常に動作し続けます。

Y ケーブルまたはトライリンク・コネクタは,正常に終端された共用バスに取り付けることができ,その際,Y ケーブルまたはトライリンク・コネクタをデバイスに接続する必要はありません。このようにしておくと,後日,バスの終端に影響を与えることなく,新しいデバイスをこの Y ケーブルまたはトライリンク・コネクタに接続できる,つまり,クラスタをシャットダウンすることなく,構成を拡張できます。

図 11-4 に,BN21W-0B Y ケーブルを示します。これを,オンボード終端が解除された KZPSA-BB または KZPBA SCSI アダプタに接続できます。BN21W-0B Y ケーブルは,SCSI シグナル変換器の終端されていないディファレンシャル側に接続できます。

注意

Y ケーブルは通常,H885-AA トライリンクを装着する余裕がない KZPSA-BB/KZPBA ホスト・バス・アダプタ,および他の場所のトライリンク・コネクタに接続します。

図 11-4:  BN21W-0B Y ケーブル

図 11-5 に,HD68 トライリンク・コネクタ (H885-AA) を示します。これは,オンボード終端が解除された KZPSA-BB または KZPBA アダプタ,または SCSI シグナル変換器の終端されていないディファレンシャル側に接続できます。

図 11-5:  HD68 トライリンク・コネクタ (H885-AA)

注意

トライリンク・コネクタを SCSI バス・アダプタに接続すると,隣接する PCI スロットを塞いでしまうことがあります。その場合は,トライリンク・コネクタの代わりに Y ケーブルを使ってください。これは,一部の AlphaServer システム上の KZPBA および KZPSA-BB SCSI アダプタで生じます。

BN21W-0B Y ケーブルまたは H885-AA トライリンクの一方の脚に終端を設定するには,H879-AA ターミネータを使用します。

2 つの UltraSCSI BA356 をデイジー・チェイン接続する場合,および UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフの外部で終端する場合は,DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールに H8861-AA VHDCI トライリンク・コネクタ (図 3-1 を参照) を装着してください。H8861-AA トライリンク・コネクタには,H8863-AA VHDCI ターミネータを使用します。

11.3    ディスク・ストレージ・シェルフの概要

ここでは,BA350,BA356,および UltraSCSI BA356 ディスク・ストレージ・シェルフの概要を説明します。

11.3.1    BA350 ストレージ・シェルフ

BA350 には,最大 7 個の Narrow (8 ビット) シングルエンド StorageWorks ビルディング・ブロック (SBB) をインストールできます。各 SSB の SCSI ID は,それらがインストールされたスロット位置に基づいて決まります。たとえば,BA350 のスロット 0 にインストールされたディスクは SCSI ID 0,BA350 のスロット 1 にインストールされたディスクは SCSI ID 1 です。

注意

ホストの SCSI ID に対応するスロット (2 ノード・クラスタでは通常,SCSI ID 6 および 7) にはディスクをインストールしないでください。

DWZZA-VA は,Wide ディファレンシャル共用バスと BA350 Narrow シングルエンド SCSI バス・セグメント間のインタフェースとして使用します。

注意

DWZZB-VW を BA350 で使用しないでください。Narrow シングルエンド・バス上で Wide DWZZB-VW を使うと,DWZZB-VW のデータ・ラインに終端が設定されず,SCSI バスのエラーの原因になります。

BA350 ストレージ・シェルフは,内部 SCSI バス終端および SCSI バス・ジャンパを備えています。通常の操作中は,ジャンパは取り外しません。

BA350 は 2 バス構成としてもセットアップできますが,共用バスではあまり有用ではないので,本書では説明していません。

図 11-6 に,BA350 の SCSI バス・ターミネータと SCSI バス・ジャンパの位置を示します。アクセスは筐体の背面から行います。TruCluster Server クラスタで動作させるには,J ジャンパ,T ターミネータの両方をインストールする必要があります。

図 11-6:  BA350 の内部 SCSI バス

11.3.2    BA356 ストレージ・シェルフ

TruCluster Server クラスタで使用される BA356 には,BA356 (非 UltraSCSI BA356) と UltraSCSI BA356 の 2 種類があります。

非 UltraSCSI BA356 の例として,Wide シングルエンド内部 SCSI バスを持つ BA356-KC が挙げられます。BA356-KC は,BA35X-MH 16 ビット・パーソナリティ・モジュール (SCSI ID の選択のみに使用) と 150W 電源装置を備えています。本書では,BA356-KC を非 UltraSCSI BA356 または BA356 と呼びます。DWZZB-VW は,Wide ディファレンシャル共用バスと BA356 Wide シングルエンド SCSI バス・セグメント間のインタフェースとして使用します。

11.3.2.1    非 UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフ

非 UltraSCSI BA356 には,BA350 と同様に,最大 7 個の StorageWorks ビルディング・ブロック (SBB) をインストールできます。ただし,BA350 とは異なり,これらの SBB は Wide デバイスなので最大 14 ディスク (BA356 シェルフ 2 台) までサポートできます。各 SBB の SCSI ID は,BA350 と同じくそれらがインストールされたスロット位置に基づいて決まります。パーソナリティ・モジュール (BA35X-MH) 上のスイッチを使って,ディスク群が SCSI ID 0〜6 に対応する (スロット 7 が電源装置) か,8〜14 に対応する (スロット 15 が電源装置) かを指定します。SCSI ID 0〜6 を選択するには,パーソナリティ・モジュールのアドレス・スイッチ 1〜7 をオフに設定します。SCSI ID 8〜14 を選択するには,パーソナリティ・モジュールのアドレス・スイッチ 1〜3 をオンに,4〜7 をオフに設定します。

図 11-7 に,BA356 の SCSI バス・ジャンパ,BA35X-MF の位置を示します。このジャンパは筐体の背面にあります。TruCluster Server クラスタで動作させるには,J ジャンパを通常の位置,つまりスロット 6 の後ろにインストールする必要があります。SCSI バス・ジャンパの位置は BA356 と BA350 とは異なります。

BA356 シングルエンド・バスの終端はパーソナリティ・モジュール上で設定されます。この終端は,ケーブルを JB1 にインストールし,2 つの BA356 ストレージ・シェルフのシングルエンド SCSI バスをデイジー・チェインで連結しない限り,アクティブです。この場合,ケーブルが JB1 に接続されると,パーソナリティ・モジュールのターミネータが無効になります。

クラスタでは,2 つの BA356 間のシングルエンド・バスのデイジー・チェインは使用されません。その代わりに,H885-AA トライリンク・コネクタを装着した DWZZB-VW を各 BA356 にインストールし,ホスト・アダプタからの Wide ディファレンシャル接続を両方の BA356 に並列に接続します。一方の BA356 のパーソナリティ・モジュール上のスイッチは SCSI ID 0〜7 に,もう一方の BA356 のパーソナリティ・モジュール上のスイッチは SCSI ID 8〜14 に設定します。

注意

SCSI ID 8〜14 に設定した BA356 に Narrow ディスクをインストールしないでください。Narrow ディスクは Wide アドレスを認識できないので,SCSI バスが正しく動作しません。

BA350 と同様,BA356 は,SCSI バス・ジャンパの代わりに SCSI バス・ターミネータ (BA35X-ME) をインストールすることにより,2 バス構成としてセットアップできます。ただし,BA350 と同じく,BA356 の 2 バス構成は TruCluster Server クラスタではあまり有用ではありません。

BA356 のスロット 1 の後ろの位置を SCSI バス・ターミネータまたはジャンパの保管に使用することができます。

図 11-7 に,BA356 の SCSI バス・ジャンパの位置と,ターミネータをインストールする場合の SCSI バス・ジャンパの保管場所を示します。TruCluster Server クラスタで動作させるには,J ジャンパをインストールする必要があります。

図 11-7:  BA356 の内部 SCSI バス

JA1 と JB1 はパーソナリティ・モジュール上 (縦に設置したときの筐体の最上部) にあります。JB1 はモジュールの前面にあるので見えますが,JA1 は BA356 の正面に向かってパーソナリティ・モジュールの左側にあるので,正面からは見えません。

BA356 にジャンパ・モジュールまたはターミネータ・モジュールがインストールされているかどうかを調べるには,スロット 1 および 6 からデバイスを取り外し,以下のピン位置をチェックします (図 11-8)。

図 11-8:  BA356 のジャンパおよびターミネータ・モジュール識別ピン

11.3.2.2    UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフ

UltraSCSI BA356 (DS-BA356-JF または DS-BA356-KH) には,シングルエンド Wide UltraSCSI バスがあります。DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールは,内部シングルエンド UltraSCSI バス・セグメントと共用 Wide ディファレンシャル UltraSCSI バス間のインタフェースを提供します。UltraSCSI BA356 は 180W 電源装置を使用します。

BA35X-HH 180W 電源装置と DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールを装備するように改装された旧型の非 UltraSCSI BA356 は,Fast 10 構成に関しては,まだ FCC による認定しかありません (バス速度については 3.2.4 項を参照)。

UltraSCSI BA356 には,最大 7 個の StorageWorks ビルディング・ブロック (SBB) をインストールできます。これらの SBB は,UltraSCSI シングルエンド Wide デバイスです。各ディスクの SCSI ID は,それらがインストールされたスロット位置に基づいて決まります。パーソナリティ・モジュール (DS-BA35X-DA) 上の S3 スイッチ群を使って,ディスク群が SCSI ID 0〜6 に対応する (スロット 7 が電源装置) か,8〜14 に対応する (スロット 15 が電源装置) かを指定します。SCSI ID 0〜6 を選択するには,スイッチ S3-1〜S3-7 をオフに設定します (図 11-3)。SCSI ID 8〜14 を選択するには,パーソナリティ・モジュールのアドレス・スイッチ S3-1〜S3-3 をオンに,スイッチ S3-4〜S3-7 をオフに設定します。

ジャンパ・モジュールの位置は,非 UltraSCSI BA356 の図 11-7 で示されているのと同じく,スロット 6 の後ろです。TruCluster Server クラスタ内で動作させるには,J ジャンパをインストールする必要があります。ジャンパまたはターミネータ・モジュールのインストールの有無を調べる方法は,非 UltraSCSI BA356 の図 11-8 で示されているのと同じです。適切に照明を当てれば,ピンの差し込み穴の近くに J または T が見えます。

UltraSCSI BA356 の内部シングルエンド・バスの両端の終端は,パーソナリティ・モジュールで設定され,常にアクティブです。ディファレンシャル UltraSCSI バスの終端もパーソナリティ・モジュールで設定され,SCSI バス終端スイッチ群であるスイッチ・パック S4 によって制御されます。DS-BA35X-DA の終端については,11.1.2.2 項を参照してください。

11.4    外部終端を使用する構成のストレージの準備

TruCluster Server クラスタでは,クラスタ・ファイル・システム (CFS),デバイス要求ディスパッチャ,CAA (Cluster Application Availability) サブシステムによるサービス・フェイルオーバ,ディスクのミラーリング,およびファイル・システムの高速回復の各機能を使用して,高いデータ可用性を実現します。TruCluster Server では,メンバ固有のブート・ディスク,およびクラスタ・クォーラム・ディスクの,ハードウェア RAID のみを使用したミラーリングをサポートします。 クラスタ単位のルート(/),/usr/var ファイル・システム,およびデータ・ディスクやスワップ・ファイル・システムは,LSM (Logical Storage Manager) テクノロジを使ってミラーリングできます。ストレージ構成は実際のニーズに合わせて決定する必要があります。2 つの共用バス間でディスクのミラーリングを行うと,データの可用性は最も高くなります。

共用バス上で使用するディスク装置は,サポートされるストレージ・シェルフ内に配置する必要があります。ユニットへのディスクのインストールは,ストレージ・シェルフを共用 SCSI バスに接続する前に行う必要があります。RAID アレイ・コントローラを共用バスに接続する前に,ディスクのインストールとストレージセットの構成を行ってください。インストールおよび構成の詳細については,ご使用のストレージ・シェルフまたは RAID アレイ・コントローラのマニュアルを参照してください。

以降の各項では,共用バス,および次のデバイスの外部終端を使用するストレージの準備について説明します。

BA350 または非 UltraSCSI BA356 を UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフと組み合わせて使用する必要がある場合は,11.4.1 項および 11.4.3 項に基づいて必要な情報を推定してください。

11.4.1    外部終端を使用する TruCluster Server 構成での BA350,BA356,および UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフの準備

TruCluster Server 構成では,次のように BA350,BA356,または UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフを使用する場合があります。

以降の各項では,個々のストレージ・シェルフの準備に必要な手順を説明してから,2 つのストレージ・シェルフを接続してストレージを拡張する手順を説明します。

注意

この部分の説明は,ストレージに直接接続されるディスクを使用する TruCluster Server 構成は,すべて 2 メンバ・システムであるという前提で書かれています。この前提に加えて,これら 2 つのメンバ・システムが SCSI ID 6 および 7 を使用することを前提にしているため,SCSI ID 0〜6 に割り当てられたストレージ・シェルフ・ハウジング・ディスクで使える SCSI ID は,0〜5 だけになります。

クラスタが 3 メンバ以上のシステムを持っている場合には,メンバ・システムの増加分の SCSI ID を設定するため,追加のディスク・スロットが必要になります。

11.4.1.1    共用 SCSI で使用する BA350 ストレージ・シェルフの準備

共用バスで使用する BA350 ストレージ・シェルフを準備するには,次の手順に従います。

  1. BA350 ストレージ・シェルフの内部終端およびジャンパがインストールされていることを確認します (11.3.1 項および図 11-6 を参照)。

  2. BA350 には DWZZA-VA シグナル変換器が必要です。DWZZA-VA のシングルエンド終端ジャンパ J2 がインストールされていることを確認します。5 個の 14 ピン・ディファレンシャル終端抵抗 SIP を取り外して,ディファレンシャル・エンドの終端を解除します。

  3. H885-AA トライリンク・コネクタを DWZZA-VA の高密度 68 ピン・コネクタに取り付けます。

  4. DWZZA-VA を BA350 のスロット 0 にインストールします。

11.4.1.2    共用 SCSI で使用する BA356 ストレージ・シェルフの準備

共用バスで使用する BA356 ストレージ・シェルフを準備するには,次の手順に従います。

  1. DWZZB-AA または DWZZB-VW シグナル変換器のいずれかが必要です。DWZZB-VW の方が一般的です。次のように,シグナル変換器の終端を確認してください。

  2. H885-AA トライリンク・コネクタを DWZZB の高密度 68 ピン・コネクタに取り付けます。

  3. BA356 パーソナリティ・モジュールのスイッチを次のように設定します。

    DWZZB-AA を使用する場合は,次の手順でケーブルを取り付けるまで,パーソナリティ・モジュールを交換しないでください。

  4. DWZZB-AA シグナル変換器を使用する場合は,BN21K-01 (1 m; 3.3 フィート) または BN21L-01 (1 m; 3.3 フィート) ケーブルを使って,DWZZB-AA のシングルエンド側を BA356 のパーソナリティ・モジュール上にある入力コネクタ JA1 に接続してください。コネクタ JA1 は,BA356 の正面に向かってパーソナリティ・モジュールの左側にあるので,正面からは見えません。この接続により,DWZZB のシングルエンド終端とパーソナリティ・モジュールによる BA356 の終端が設定されたシングルエンド・バス・セグメントが形成されます。1 m (3.3 フィート) ケーブルを使用することにより,シングルエンド SCSI バス (ケーブルおよび BA356) の長さが 3 m (9.8 フィート) の制限以下に保たれるので,引き続き高速な動作が可能です。

    DWZZB-VW を使用する場合は,BA356 のスロット 0 にインストールしてください。

11.4.1.3    TruCluster 構成で使用する UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフの準備

UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフは共用 UltraSCSI バスに接続され,内部シングルエンド Wide UltraSCSI バス上の UltraSCSI デバイス群へのアクセスを実現します。UltraSCSI BA356 にインストールされた DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールがバス間のインタフェースになります。

共用バスで使用する UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフを準備するには,次の手順に従います。

  1. BA35X-MJ ジャンパ・モジュールがスロット 6 の後ろにインストールされていることを確認します (11.3.2.1 項図 11-7 および 図 11-8 を参照)。

  2. UltraSCSI BA356 パーソナリティ・モジュール (DS-BA35X-DA,図 11-3) 上の SCSI バス ID のスイッチを次のように設定します。

  3. UltraSCSI BA356 のディファレンシャル終端を無効にします。パーソナリティ・モジュール (DS-BA35X-DA) のスイッチ・パック 4 のスイッチ S4-1 および S4-2 が ON になっていることを確認してください (図 11-3 を参照)。

    注意

    S4-3 および S4-4 は,DS-BA35X-DA では使用しません。

  4. UltraSCSI BA356 パーソナリティ・モジュールに H8861-AA VHDCI トライリンク・コネクタを取り付けます。

11.4.2    シングル・ストレージ・シェルフのケーブル接続

シングル・ストレージ・シェルフのクラスタは,ディスク容量が少ないためあまり使われません。しかし,クラスタを使う主目的が Memory Channel の API であれば,ディスクは重要ではありません。TruCluster Server の要件を満たす共用バスがあれば十分です。 したがって,ここではシングル・ストレージ・シェルフを備えたクラスタの構成図は示していません。11.4.3 項の構成図が参考になります。

11.4.2.1    1 台の BA350 ストレージ・シェルフのケーブル接続

1 台の BA350 ストレージ・シェルフをクラスタにケーブル接続するには,BN21K,BN21L,BN31G または 328215-00X HD68 ケーブルを使って,各システムのホスト・バス・アダプタの BN21W-0B Y ケーブルと,BA350 のスロット 0 に実装されている DWZZA-VA の H885-AA トライリンク・コネクタ間を接続します。図 11-9 の左半分を参考にしてください。

11.4.2.2    1 台の BA356 ストレージ・シェルフのケーブル接続

1 台の BA356 ストレージ・シェルフをクラスタにケーブル接続するには,BN21K,BN21L,BN31G または 328215-00X HD68 ケーブルを使って,各システムのホスト・バス・アダプタの BN21W-0B Y ケーブルと,BA356 のスロット 0 に実装されている DWZZB-VW の H885-AA トライリンク・コネクタ間を接続します。図 11-10 を参照してください。

11.4.2.3    1 台の UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフのケーブル接続

1 台の UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフをクラスタにケーブル接続するには,BN38C (または BN38D) を使うか,または,BN38E-0B テクノロジ・アダプタ・ケーブルと BN37A ケーブルを組み合わせて,各システムの BN21W-0B Y ケーブルと UltraSCSI BA356 のパーソナリティ・モジュールの H8861-AA VHDCI トライリンク・コネクタ間を接続します。図 11-11 を参照してください。

11.4.3    複数のストレージ・シェルフの接続

11.4.1 項では,BA350,BA356,および UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフを共用バスで使用するための準備に必要な手順を説明しました。しかし,1 つのストレージ・シェルフでは,ストレージ容量のニーズをまかないきれなくなることは十分に考えられ,その場合には,共用バス上に 2 つのストレージ・シェルフが必要になります。

注意

BA350 が備えているのは Narrow (8 ビット) シングルエンド SCSI バスなので,SCSI ID 0〜7 しかサポートされません。したがって,6 個以上のディスクを使用する場合は,BA356 または UltraSCSI BA356 を BA350 と組み合わせる必要があります。

ここでは,次に示す 2 つのストレージ・シェルフ,および 2 つのメンバ・システムを共用バス上で接続するのに必要な手順について説明します。

11.4.3.1    共用 SCSI バスで使用する BA350 と BA356 の接続

TruCluster Server 構成の共用バスのストレージに BA350 と BA356 を使用する場合は,BA356 の方を SCSI ID 8〜14 に構成する必要があります。

共用バスで使用する BA350 および BA356 を準備するには,次の手順に従います (図 11-9)。

  1. 11.4.1.1 項および 11.4.1.2 項で説明した手順を実行して,BA350 と BA356 を準備します。必ず,BA356 の方を SCSI ID 8〜14 に構成してください。

  2. いずれかのストレージ・シェルフを共用バスの端に配置する場合は,端にする方のストレージ・シェルフの DWZZA または DWZZB にある H885-AA トライリンクに H879-AA ターミネータを装着します。どちらのストレージ・シェルフをバスの端にしてもかまいません。

  3. BN21K または BN21L を使って,DWZZA (BA350) 上の H885-AA トライリンクと DWZZB (BA356) 上の H885-AA トライリンクを接続します。

  4. KZPSA-BB または KZPBA ホスト・バス・アダプタがインストール済みの場合は,次の作業を行います。

図 11-9 に,ストレージに BA350 と BA356 を使用する TruCluster Server の 2 メンバ構成を示します。

図 11-9:  BA350 および BA356 を共用 SCSI バスで使用するためのケーブル接続

表 11-1 に,図 11-9 および図 11-10 のクラスタの作成に使用する構成要素を示します。

表 11-1:  図 11-9 および図 11-10 の構成に使用するハードウェア構成要素

図中の丸で囲んだ番号 説明
1 BN21W-0B Y ケーブル
2 H879-AA ターミネータ
3 BN21K,BN21L,BN31G または 328215-00X ケーブル [脚注 64]
4 H885-AA トライリンク・コネクタ

11.4.3.2    共用 SCSI バスで使用する 2 つの BA356 の接続

TruCluster 構成の共用バスで 2 台の BA356 ストレージ・シェルフを使用する場合は,一方の BA356 を SCSI ID 0〜6 に,もう一方の BA356 を SCSI ID 8〜14 に構成する必要があります。

共用 SCSI バスで使用する 2 つの BA356 ストレージ・シェルフを準備するには,次の手順に従います (図 11-10)。

  1. 各 BA356 に対して 11.4.1.2 項で説明した手順を実行します。必ず,一方の BA356 パーソナリティ・モジュールのアドレス・スイッチを SCSI ID 0〜6 に,もう一方の BA356 パーソナリティ・モジュールのアドレス・スイッチを SCSI ID 8〜14 に設定してください。

  2. いずれかの BA356 ストレージ・シェルフを SCSI バスの端に配置する場合は,端にする方の BA356 の DWZZB にある H885-AA トライリンクに H879-AA ターミネータを装着します。

  3. BN21K または BN21L ケーブルを使って,2 台の H885-AA トライリンク間を接続します。

  4. KZPSA-BB または KZPBA ホスト・バス・アダプタがインストール済みの場合は,次のいずれかの作業を行います。

図 11-10 に,ストレージに 2 台の BA356 を使用する TruCluster Server の 2 メンバ構成を示します。

図 11-10:  2 つの BA356 を共用 SCSI バスで使用するためのケーブル接続

表 11-1 に,図 11-10 のクラスタの作成に使用する構成要素を示します。

11.4.3.3    共用 SCSI バスで使用する 2 つの UltraSCSI BA356 の接続

TruCluster 構成の共用バスで 2 台の UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフを使用する場合は,一方のストレージ・シェルフを SCSI ID 0〜6 に,もう一方のストレージ・シェルフを SCSI ID 8〜14 に構成する必要があります。

共用バスで使用する 2 つの UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフを準備するには,次の手順に従います (図 11-11)。

  1. 各 UltraSCSI BA356 に対して 11.4.1.3 項で説明した手順を実行します。必ず,一方の UltraSCSI BA356 のパーソナリティ・モジュールのアドレス・スイッチを SCSI ID 0〜6 に,もう一方の UltraSCSI BA356 パーソナリティ・モジュールのアドレス・スイッチを SCSI ID 8〜14 に設定してください。

  2. H8861-AA VHDCI トライリンク・コネクタが 2 つ必要です。いずれかの UltraSCSI BA356 ストレージ・シェルフを SCSI バスの端に配置する場合は,H8861-AA トライリンク・コネクタの 1 つに H8863-AA ターミネータを装着します。ターミネータを装着したトライリンクを,SCSI バスの端に接続する方の UltraSCSI BA356 にある DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールのコネクタ JA1 にインストールします。もう 1 つの H8861-AA トライリンクを,もう一方の UltraSCSI BA356 にある DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールの JA1 にインストールします。

  3. BN37A VHDCI-to-VHDCI ケーブルを使って,2 台の UltraSCSI BA356 にある H8861-AA トライリンク・コネクタ間を接続します。

  4. KZPSA-BB または KZPBA がインストールされている場合は,次のいずれかの作業を行います。

図 11-11 に,ストレージに 2 台の UltraSCSI BA356 を使用する TruCluster Server の 2 メンバ構成を示します。

図 11-11:  2 つの UltraSCSI BA356 を共用 SCSI バスで使用するためのケーブル接続

表 11-2 に,図 11-11 のクラスタの作成に使用する構成要素を示します。

表 11-2:  図 11-11 の構成に使用するハードウェア構成要素

図中の丸で囲んだ番号 説明
1 BN21W-0B Y ケーブル
2 H879-AA HD68 ターミネータ
3 BN38C または BN38D HD68 - VHDCI ケーブル [脚注 65] [脚注 66]
4 H8861-AA VHDCI トライリンク・コネクタ
5 BN37A VHDCI ケーブル [脚注 66]

11.4.4    外部終端を使用する RA3000 のケーブル接続

RAID アレイ 3000 (RA3000) は,低価格スタンドアロン型の UltraSCSI RAID サブシステムです。これは RAID レベル 0,1,0+1,4,5 と JBOD (just a bunch of disks) ディスクをサポートします。

RA3000 ストレージ・サブシステムには,完璧な冗長機能を持つ構成要素があり,1 箇所で発生した障害を回避できます。標準の無停電電源装置 (UPS) を装備しているので,停電時にキャッシュ・データを保護できます。

RA3000 はデュアル・ポートの HSZ22 コントローラを使用します。ミラー化したライトバック機能を備えた,オプションのデュアル冗長コントローラを使用すると,データの完全性が最大限保証されます。

RA3000 についての詳細は,3.7.1.5 項を参照してください。

注意

RA3000 は KZPBA UltraSCSI ホスト・バス・アダプタの使用時のみ,共用バスで使用できます。

表 11-3 に,TruCluster Server メンバ・システムを,外部終端と Y ケーブルを使って,RA3000 ストレージ・サブシステムに接続する手順を示します。

表 11-3:  外部終端と Y ケーブルを使用して,RA3000 システムを構成するケーブル接続

作業 参照先
SCSI バス・ケーブルのインストール:  
アクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能を備えた RA3000 ペデスタル: BN38C または BN38D HD68-VHDCI ケーブルを使って,1 つのメンバ・システムの終端されていない BN21W-0B Y ケーブルと RA3000 の Host 0 ポート間を接続します。 [脚注 67] 図 11-12
他の全メンバ・システムの BN21W-0B Y ケーブル間を,BN21K,BN21L,BN31G または 328215-00X のケーブルで接続します。 [脚注 68] --
アクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能を備えた RA3000 コントローラ・シェルフ: BN38C または BN38D HD68-VHDCI ケーブルを使って,1 つのメンバ・システムの BN21W-0B Y ケーブルと RA3000 の Host 0 I/O モジュールの Host In ポート間を接続します。 [脚注 67] 図 11-13
他の全メンバ・システムの BN21W-0B Y ケーブル間を BN21K,BN21L,BN31G または 328215-00X のケーブルで接続します。 [脚注 68] --
アクティブ/アクティブ,またはアクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能を備えた RA3000 コントローラ・シェルフ: BN38C または BN38D HD68-VHDCI ケーブルを使って,1 つのメンバ・システムの BN21W-0B Y ケーブルと RA3000 の Host 0 I/O モジュールの Host In ポート間を接続します。 [脚注 67] 図 11-14
BN37A-0E 50 cm (19.7 インチ) VHDCI ケーブルを使って,RA3000 コントローラ・シェルフの Host 0 I/O モジュールの Host Out ポートと,Host 1 I/O モジュールの Host In ポート間を接続します。 --
他の全メンバ・システムの BN21W-0B Y ケーブル間を,BN21K,BN21L,BN31G または 328215-00X のケーブルで接続します。 [脚注 68] --
アクティブ/アクティブ,またはアクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能を備えた RA3000 ミッドバス・コントローラ・シェルフ: BN38C または BN38D HD68-VHDCI ケーブルを使って,1 つのメンバ・システムの BN21W-0B Y ケーブルと,RA3000 の Host 0 I/O モジュールの Host In ポート間を接続します。また BN38C または BN38D HD68-VHDCI ケーブルを使って,別のメンバ・システムの BN21W-0B Y ケーブルと,RA3000 の Host 1 I/O モジュールの Host Out ポート間を接続します。これで,Host 1 I/O モジュールの終端が無効になります。 [脚注 67] 図 11-15
BN37A-0E 50 cm (19.7 インチ) VHDCI ケーブルを使って,RA3000 コントローラ・シェルフの Host 0 I/O モジュールの Host Out ポートと,Host 1 I/O モジュールの Host In ポート間を接続します。Host 0 I/O モジュールの Host Out ポートを接続することによって,その Host I/O モジュールでの終端が無効になります。 --
他の任意のメンバ・システムの BN21W-0B Y ケーブル間を,BN21K,BN21L,BN31G または 328215-00X のケーブルで接続します。 [脚注 68] --

注意

RA3000 ペデスタルでは,ミッドバス構成は作れません。Host 0 ポートに接続された SCSI バス・セグメント上のメンバ・システムが見られるデバイスは,Host 1 ポートに接続された他の SCSI バス・セグメント上のメンバ・システムでは,見ることができないからです。

図 11-12 (ペデスタル) と図 11-13 (コントローラ・シェルフ) は,RA3000 を使った外部終端の TruCluster Server 構成を示しています。RA3000 のコントローラ・シェルフとペデスタルは内部終端されています。表 11-4 に,図 11-12図 11-13図 11-14 のようなクラスタを作成する場合に使用する構成要素を示します。

図 11-12:  アクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能を備えた RA3000 ペデスタルを使った,外部終端の TruCluster Server 構成

図 11-13:  アクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能を備えた RA3000 コントローラ・シェルフを使った,外部終端の TruCluster Server 構成

図 11-14 は,RA3000 コントローラ・シェルフを使った,外部終端の TruCluster Server 構成を示しています。この構成では,Host 0 I/O モジュールが Host 1 I/O モジュールにデイジー・チェイン接続されているので,デュアル HSZ22 コントローラを,アクティブ/アクティブ,またはアクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能で使うことができます。

図 11-14:  アクティブ/アクティブ,またはアクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能を備えた RA3000 コントローラ・シェルフを使った,外部終端の TruCluster Server 構成

表 11-4 は,図 11-12図 11-13図 11-14 のようなクラスタを作成する場合に使用する構成要素を示します。

表 11-4:  図 11-12,図 11-13,図 11-14 のような TruCluster Server 構成で使われるハードウェア構成要素

図中の丸で囲んだ番号 説明
1 H879-AA ターミネータ
2 BN21W-0B Y ケーブル
3 BN21K,BN21L,BN31G または 328215-00X HD68 ケーブル [脚注 69]
4 BN38C または BN38D-HD68-VHDCI ケーブル [脚注 69]
5 BN37A-0E 50 cm (19.7 インチ) VHDCI ケーブル [脚注 70]

図 11-15 は,共用バスの中間に RA3000 コントローラ・シェルフを使った,外部終端の TruCluster Server 構成を示しています。この構成では,Host 0 I/O モジュールが Host 1 I/O モジュールにデイジー・チェイン接続されているので,デュアル HSZ22 コントローラを,アクティブ/アクティブ,またはアクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能で使うことができます。

図 11-15:  アクティブ/アクティブ,またはアクティブ/パッシブのフェイルオーバ機能を備えた,ミッドバス RA3000 コントローラ・シェルフを使った,外部終端の TruCluster Server 構成

表 11-5 は,図 11-15 のクラスタを作成する場合に使われる構成要素です。

表 11-5:  図 11-15 の構成で使われているハードウェア構成要素

図中の丸で囲んだ番号 説明
1 H879-AA ターミネータ
2 BN21W-0B Y ケーブル
3 BN38C または BN38D HD68-VHDCI ケーブル [脚注 71]
4 BN37A-0E 50 cm (19.7 インチ) VHDCI ケーブル [脚注 67]