ここでは,AdvFS コマンドについて要約します。
個々のコマンドの詳細については,リファレンス・ページを参照してください。
B.1 AdvFS ベース・システム・コマンド
次の表では,AdvFS の基本的なコマンドを示します。
これらのコマンドは Tru64 UINX のライセンスに含まれており,
レイヤード・ソフトウェアのライセンスは必要ありません。
Tru64 UINX システムにリファレンス・ページのサブセットをインストールしてある場合は,man
コマンドを使用して,各コマンドのリファレンス・ページにアクセスすることができます。
表 B-1: AdvFS 構成コマンド
コマンド名 | 説明 |
chfile |
ファイルの属性を変更します。 |
chvol |
ボリュームの属性を変更します。 |
defragment |
ドメインのファイルを,より連続的に作成します。 |
mkfdmn |
ドメインを作成します。 |
mkfset |
ドメイン内にファイルセットを作成します。 |
renamefset |
既存のファイルセットの名前を書き換えます。 |
rmfdmn |
ドメインを削除します。 |
rmfset |
ドメインからファイルセットを削除します。 |
/sbin/advfs/switchlog |
AdvFS ログ・ファイルをドメイン内の別のボリュームに移動します。 |
コマンド名 | 説明 |
advfsstat |
ファイル・システムの統計値を表示します。 |
ncheck |
ファイル・システム内の各ファイルのタグと絶対パス名を表示します。 |
showfdmn |
ドメインの属性を表示します。 |
showfile |
ファイルの属性を表示します。 |
showfsets |
ドメイン内のファイルセット属性を表示します。 |
/sbin/advfs/vdf |
ファイルセットまたはドメインの使用済みディスク容量と空きディスク容量を表示します。 |
コマンド名 | 説明 |
rvdump |
全体および追加型ファイルセット・バックアップをリモートで実行します。 |
rvrestore |
バックアップ・メディアからファイルをリモートでリストアします。 |
vdump |
全体および追加型ファイルセット・バックアップを実行します。 |
vrestore |
バックアップ・メディアからファイルをリストアします。 |
コマンド名 | 説明 |
/sbin/advfs/advscan |
ディスク上の AdvFS パーティションを検索します。 |
/sbin/advfs/fixfdmn |
ディスク上のメタデータの損傷を修復します。 |
/sbin/advfs/mountlist |
マウントされている AdvFS ファイルセットをチェックします。 |
/sbin/advfs/salvage |
損傷のある AdvFS ドメインからファイル・データを取り込みます。 |
/sbin/advfs/tag2name |
タグ番号に対応するファイルのパス名を出力します。 |
/sbin/advfs/verify |
ファイル・システムの一貫性のチェックおよび修復を行います。 |
コマンド名 | 説明 |
chfsets |
ファイルおよびブロックのクォータの変更と,オブジェクト・セーフティ,フラグ処理,およびデータ管理 API のオン/オフの切り替えを行います。 |
edquota |
ユーザおよびグループ・クォータを編集します。 |
quot |
ファイルセットの所有権を要約します。 |
quota |
ユーザまたはグループ別にディスク使用状況と限界値を表示します。 |
quotacheck |
ファイル・システム・クォータの矛盾をチェックします。 |
quotaoff |
クォータの適用を無効にします。 |
quotaon |
クォータの適用を有効にします。 |
repquota |
ファイル・システムのクォータを要約します。 |
コマンド名 | 説明 |
/sbin/advfs/nvbmtpg |
フォーマットされたビットファイル・メタデータ・テーブル (BMT) のページを表示します。 |
/sbin/advfs/nvfragpg |
フラグ・ファイル情報を表示します。 |
/sbin/advfs/nvlogpg |
フォーマットされたログのページを表示します。 |
/sbin/advfs/nvtagpg |
フォーマットされたタグ・ディレクトリのページを表示します。 |
/sbin/advfs/savemeta |
ドメインのメタデータを取得します。 |
/sbin/advfs/shblk |
フォーマットされていないディスク・ブロックを表示します。 |
/sbin/advfs/shfragbf |
フラグ・ファイル情報を表示します。 |
/sbin/advfs/vfilepg |
マウントされていないドメインのファイルの内容を表示します。 |
/sbin/advfs/vsbmpg |
ストレージ・ビットマップのページを表示します。 |
以下の表では,AdvFS Utilities のコマンドについて説明します。
これらのコマンドは,オプションの AdvFS Utilities のライセンスを必要とします。
AdvFS Utilities のリファレンス・ページ・サブセットをインストールしてある場合は,man
コマンドを使用して,これらの各コマンドのリファレンス・ページにアクセスできます。
表 B-7: AdvFS Utilities コマンド
コマンド名 | 説明 |
addvol |
既存のドメインにボリュームを追加します。 |
advfsd |
AdvFS GUI エージェント (デーモン) を起動します。 |
balance |
ボリューム間で使用スペース率を平均化します。 |
clonefset |
ファイルセットの読み取り専用コピーを作成します。 |
dmapi |
データ管理アプリケーション・プログラミング・インタフェース (DMAPI) にアクセスします。 |
dtadvfs |
AdvFS GUI を起動します。 |
lsmsa |
LSMSA (Logical Storage Manager Storage Administrator) を起動します。 |
migrate |
ファイルをドメイン内の別のボリュームに移動します。 |
mktrashcan |
ディレクトリを,削除されたファイルを格納するゴミ箱ディレクトリに接続します。 |
rmtrashcan |
ゴミ箱ディレクトリから指定ディレクトリを切り離します。 |
rmvol |
既存のドメインからボリュームを削除します。 |
shtrashcan |
特定のディレクトリに接続されるゴミ箱ディレクトリがあれば,それを表示します。 |
stripe |
ファイルのストレージ割り当てを,ドメイン内の 2 つ以上のボリューム間で分散します。 |
vfast |
ファイルの断片化を減らし,ボリューム間で空き領域と I/O 負荷のバランスをとります。 |
次の表に,AdvFS コマンドと,同等または類似の UFS ファイル・システム・コマンドをリストします。
すべての AdvFS コマンドとすべての UFS コマンドが 1 対 1 に対応しているわけではありません。
表 B-8: AdvFS コマンドと UFS コマンドの比較
AdvFS コマンド | UFS コマンド |
addvol |
なし。 UFS はボリュームを使用しません。 |
advfsd |
なし。 UFS には GUI はありません。 |
advfsstat |
iostat
か,sys_check
や Collect for Tru64 UNIX などのシステム監視ツールを使用します。
ファイル・システム・イベントを監視するには,イベント監視ツールを使用します。 |
advscan |
なし。 UFS はボリュームを使用しません。 |
balance |
なし。 UFS はボリュームを使用しません。 |
chfile |
なし。 変更できる属性は,所有権と保護だけです。 |
chfsets |
なし。 変更できる属性は,所有権と保護だけです。 |
chvol |
なし。 UFS はボリュームを使用しません。 |
clonefset |
なし。 |
defragment |
なし。 |
dtadvfs, lsmsa |
なし。 UFS には GUI はありません。 |
migrate |
cp
および
mv
を使用します。 |
mkfdmn, mkfset |
newfs
を使用します。 |
mktrashcan, rmtrashcan, shtrashcan |
延期削除機能のある CDE ウィンドウ環境を使用します。 |
mountlist |
mount
を使用します。 |
ncheck |
AdvFS と同じです。 |
fixfdmn, nvbmtpg, nvfragpg, nvlogpg, nvtagpg, savemeta, shblk, shfragbf, vfilepg, vsbmpg |
なし。 類似の UFS コマンドはありません。 |
quota, edquota, quot, quotacheck, quotaoff, quotaon, repquota |
AdvFS と同じです。 |
renamefset |
なし。 |
rmfdmn, rmfset |
umount
を使用してファイル・システムをアンマウントし,/etc/fstab
ファイルからエントリを削除します。 |
rmvol |
なし。 UFS はボリュームを使用しません。 |
vdump, rvdump, vrestore, rvrestore |
dump ,rdump ,restore ,および
rrestore
を使用します。
AdvFS コマンドを使用できます。 |
salvage |
なし。 |
showfdmn |
なし。 |
showfile |
file
および
ls -l
を使用します。 |
stripe |
なし。 |
switchlog |
なし。 |
tag2name |
なし。 |
vdf |
df
および
du
を使用します。 |
verify |
fsck
および
bcheckrc
を使用します。 |