本書では,AlphaServer 上で稼働する
Tru64TM UNIX オペレーティング・システムの管理作業について説明します。
本書の対象読者
本書は,システム管理者だけを対象としています。
本書は,読者がシステム管理者として,UNIX オペレーティング・システムの概念,コマンド,およびサポートされているハードウェア構成とソフトウェア構成に関する知識があることを前提に説明しています。
管理者は,UNIX のシステム管理操作に慣れており,UNIX システムの可用性を高く保つために必要な手順をすべて知っていなければなりません。
本書は,システム管理者の教育や UNIX システムのインストールを目的としたマニュアルではありません。
新しい機能および変更された機能
本書の改訂内容は,以下のとおりです。
第 5 章は,この章の以前のバージョンのサブセットです。 削除した項目は,『ハードウェア管理ガイド』に移しました。
第 8 章は,TCP/IP を使用したプリンタ構成に焦点を当てるように改訂されました。
この章では,アップデートされた
lprsetup
手順と,lpc
コマンドも説明しています。
9.7.5 項が改訂されました。
11.3 節は,HP Insight Manager の一部としてコマンド行で使用する環境モニタリングの説明と,センサ・モニタリング (一部の最新のハードウェア・プラットフォームのみで使用可能) の使用方法が改訂されました。
第 13 章は,Event Manager の起動と停止,イベントの紛失を防ぐための構成,リモート認証,リモート・ロギング,およびイベント接続でのメッセージ容量の増加について改訂されました。
第 14 章では,必要に応じてクラッシュ・ダンプを構成するためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースの説明と,システム・メモリのスナップショットをダンプ・ファイルに保存する方法が追加されました。
古いバージョンの UNIX オペレーティング・システムからアップデートする場合は,中間のリリースで実装されたすべての変更についての情報を参照することもできます。 この情報は,ソフトウェア・ドキュメント CD-ROM 上の HTML ファイル (特に,『New and Changed Features from Previous Releases』) にあります。 また,以下のオンライン・リソースもご利用になれます。
本書の旧バージョンは,下記の URL の Tru64 UNIX の Web サイトにあります。
http://h50146.www5.hp.com/products/software/oe/tru64unix/manual/
本書の改訂履歴は,これらの旧バージョンの「新しい機能および変更された機能」の項を参照してください。
前述の Web サイトでは,メディアで配布されるドキュメントには含まれていない,技術的な更新情報を入手できます。
オペレーティング・システムの管理に関する多くのコマンドとユーティリティに,新機能が追加されています。
本書のコマンド例と手順については,正しいことが確認されています。
場合によっては,関連のリファレンス・ページが完全に改訂されています。
また,一部の情報をリファレンス・ページに移して,重複した内容をなくし,本書のサイズを小さくしました。
本書の構成
第 1 章 | システム管理作業を実行するために使用するメソッドやツールについて説明します。 |
第 2 章 | オペレーティング・システムの起動方法とシャットダウン方法について説明します。 また,不意のシステム・シャットダウンから回復する方法についても説明します。 |
第 3 章 | オペレーティング・システム環境を最適化するために,オペレーティング・システムのファイルやオペレーティング・システムのコンポーネントをカスタマイズする方法について説明します。 |
第 4 章 | オペレーティング・システムのカーネルを動的および静的に構成する方法について説明します。 |
第 5 章 | ディスクのパーティション分割,ディスクのコピー,およびディスクのモニタリングを含む,ディスク管理に関連するシステム管理タスクについて説明します。 |
第 6 章 | UNIX ファイル・システム (UFS) を管理する方法について説明します。 |
第 7 章 | オペレーティング・システムのユーザ・アカウントおよびユーザ・グループの管理方法について説明します。 |
第 8 章 | プリント・サービス・システムの管理とプリンタの構成方法について説明します。 |
第 9 章 | オペレーティング・システムのアーカイブ・サービスの管理を行って,大容量ストレージ・デバイスのバックアップとリストアを行う方法について説明します。 |
第 10 章 | オペレーティング・システムのリソース課金サービスの管理について説明します。 |
第 11 章 | モニタリング・ユーティリティおよびテスト・ユーティリティについて説明します。 |
第 12 章 | オペレーティング・システムの基本的なイベント・ロギング・サービスのセットアップ方法および管理方法について説明します。 |
第 13 章 | EVM,拡張イベント管理,およびログ・メカニズムのセットアップ方法および管理方法について説明します。 |
第 14 章 | クラッシュ・ダンプのセットアップ方法および管理方法について説明します。 |
付録 A | 管理ユーティリティの一覧を示します。 |
以下のドキュメントには,本書の各章の説明を補足する重要な情報が含まれています。
『インストレーション・ガイド』および『インストレーション・ガイド -- 上級ユーザ編』
オペレーティング・システムのインストレーションについて説明しています。 これらのマニュアルでは,ソフトウェアのインストールやインストレーションのクローニングなどの重要な管理作業について,詳細に説明します。
『ハードウェア管理ガイド』
本書の姉妹編です。 『ハードウェア管理ガイド』では,Tru64 UNIX オペレーティング・システムで制御されるシステム・ハードウェアを保守するために必要な作業を説明しています。
ストレージ構成についての重要な情報 (ストレージ・アレイの構成と保守など) は,StorageWorks のドキュメントを参照してください。 オペレーティング・システムで提供されるユーティリティの他に,SWCC (StorageWorks Command Console) のような StorageWorks ソフトウェア・アプリケーションを使用します。 Web 上にあるリソースについては,関連資料を参照してください。
『ネットワーク管理ガイド:サービス編』および『ネットワーク管理ガイド:接続編』
ネットワークの設定,構成,トラブルシューティングについて説明しています。
Advanced Server for UNIX (ASU) の『Advanced Server for UNIX コンセプトとプランニング・ガイド』および『Advanced Server for UNIX インストレーション/管理ガイド』
Windows ドメイン・アカウントの管理,PC ユーザとのプリンタの共用について説明しています。 これらのマニュアルは,ASU ソフトウェアの「Associated Products, Volume 2」CD-ROM に入っています。
『セキュリティ管理ガイド』
アカウント管理およびファイル・システムの共有に影響のあるセキュリティついて説明しています。
『AdvFS 管理ガイド』および『Logical Storage Manager』
『システムの構成とチューニング』
『リリース・ノート』
オペレーティング・システムの機能を使用する上での制限事項などの,重要な情報について説明しています。
本書で説明する手順の大半は,システム・ハードウェアや,ストレージ・デバイスなどの周辺機器の管理に関連します。 特に,付属のソフトウェアの使用方法や,デバイスの管理に必要な情報については,ハードウェア・デバイスのオーナーズ・マニュアルを参照してください。
オーナーズ・マニュアルに説明されている,プロセッサのコンソール・コマンドを使用することがあります。 デバイス特有の制限についての情報は,『リリース・ノート』で説明されています。 次のオンライン・リソースが利用できます。
Alpha Systems Technology の Web サイトのハードウェア・ドキュメント
URL は下記のとおりです。
http://www.compaq.com/alphaserver/technology/index.html
Alpha ファームウェアのダウンロードを含む,ソフトウェアおよびドライバ
URL は下記のとおりです。
http://www.compaq.com/support/files
AlphaServers の一般的リソース
URL は下記のとおりです。
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/alpha/
本書では,以下の表記法を使用します。
MBN は,項目を選択する際,あるいはアクションを開始するために押す,マウス・ボタンを意味します。
%
$
パーセント記号は,C シェルのシステム・プロンプトを表します。ドル記号は, Bourne シェル,Korn シェル,および POSIX シェルの場合の システム・プロンプトを表します。
#
番号記号は root としてログインした場合のシステム・プロンプトを表します。
イタリック体 (斜体) は,変数値,プレースホルダ,および関数の引数名を示します。
構文定義では,大カッコはオプションの項目を示し,中カッコは必須項目を示します。 大カッコまたは中カッコの中の項目を縦線で区切っている場合は, そこに併記されている項目の中から1つの項目を選択することを示します。
colored
text
構文定義では,リテラル要素(コマンド名など文字通り入力する要素)は緑色で表示され,変数値,数式/論理式記号,関数の引数名は赤色で表示されます。 構文説明以外の場所では,色付きのテキストは使用しません。
構文定義では,水平の反復記号は,前の項目を1回以上繰り返して使用できることを示します。
垂直の反復記号は,実際には存在する例の一部が省略されていることを示します。
cat
(1)リファレンス・ページの参照には,該当するセクション番号をカッコ内に示します。
たとえば,
cat
(1)cat
コマンドについての情報が,
リファレンス・ページのセクション1に記載されていることを示します。
この記号は,スラッシュの前に指定されているキーを押しながら, スラッシュの後のキーまたはマウス・ボタンを押すことを示します。 例中では,このようなキーの組み合わせは, 四角あるいは大カッコで囲まれて示されます(たとえば,[Ctrl/C] )。
四角で囲まれたキー名はユーザがそのキーを押すことを示します。