この章では,UltraSCSI ハードウェアとその標準の方法である放射状構成を使用する TruCluster Server クラスタのシステムを準備する方法について説明します。各デバイスを TruCluster Server 製品として共用 SCSI バスに接続する方法についても説明します。この章で説明するのは,デバイスの詳細なインストール方法ではなく,TruCluster Server 製品としてのハードウェアのセットアップ方法だけです。したがって,個々の具体的なハードウェアのインストール方法については,それぞれのハードウェアに添付されているマニュアルを参照してください。
この章で説明している項目は次のとおりです。
TruCluster Server ハードウェア構成のプランニング (4.1 節)
ファームウェアのリリース・ノートの取得 (4.2 節)
TruCluster Server 構成におけるハードウェアのインストール (4.3 節)
クラスタ内のすべてのシステムは,クラスタ・インターコネクト (Memory Channel またはプライベート LAN ) 経由で接続する必要があります。すべてのメンバを共用 SCSI バスに接続する必要はありません。
次の目的のために,ディスク,仮想ディスク,またはストレージセット・パーティションを割り当てる必要があります。
Tru64 UNIX オペレーティング・システムを格納するための 1 台以上のディスク。ディスクは,最初のクラスタ・メンバになるシステム上のプライベート・ディスクか,そのシステムがアクセスできる共用バスに接続されているディスクのいずれか。
クラスタ単位のルート (/
),/usr
,および
/var
AdvFS ファイル・システムを格納するための共用 SCSI バスに接続されたディスク (1 つ以上)。
メンバ・ブート・パーティションを格納するために各メンバに 1 台のディスク (通常は共用 SCSI バスに接続する)。
オプションとして,クォーラム・ディスクとして動作する共用 SCSI バス上の 1 台のディスク (1.3.1.4 項を参照)。クォーラム・ディスクについての詳細は,『クラスタ管理ガイド』を参照。
本書で説明する構成はすべて,共用 SCSI バスの使用を前提にしています。
注意
Fibre Channel ストレージを使用する場合は,第 7 章を参照してください。
共用 SCSI バスにデバイスを接続する前に,以下の作業を行う必要があります。
各共用 SCSI バスにどのデバイスを接続するか,どのデバイス群をまとめて接続するか,およびどのデバイスを各バスの両端に配置するかを決定し,ハードウェア構成をプランニングします。
共用 SCSI バスにテープ・デバイスをインストールする場合は,プランニングが特に重要です。TL890,TL891,および TL892 を除いて,テープ・デバイスは共用 SCSI バスの端にしかインストールできないからです。これらのテープ・デバイスだけで外部終端の使用がサポートされています。
デバイス群をできるだけ近くにまとめて配置し,共用 SCSI バス長の制限を超えないようにします。
SCSI コントローラ,UltraSCSI ハブ,トライリンク・コネクタ,および SCSI シグナル変換器のインストールを含め,システムとストレージ・シェルフをバスに適切に接続できるように準備します。
必要なクラスタ・ハードウェアをすべてインストールし,共用 SCSI バスを接続した後,各システムからすべての共用ディスクを認識およびアクセスできることを確認してください (4.3.2 項を参照)。その後,『クラスタ・インストレーション・ガイド』に従って TruCluster Server ソフトウェアをインストールすることができます。
4.1 TruCluster Server ハードウェア構成のプランニング
TruCluster Server ハードウェア構成をセットアップする前に,性能および可用性のニーズを満たす構成をプランニングする必要があります。目的の構成の以下の要素について決定してください。
TruCluster Server には,2〜8 台のメンバ・システムを使用できます。共用 SCSI バスに接続されるメンバ・システムの数が多いほど,アプリケーション性能と可用性は向上します。ただし,すべてのシステムが,I/O 要求に応えるためにバスの制御権を取得しようとして競合するので,システムの数が多いほど I/O 性能は低下します。
各メンバ・システムには,各共用バスに接続するための,サポートされる PCI アダプタが必要です。Memory Channel または LAN クラスタ・インターコネクト,および SCSI または Fibre Channel アダプタ用の十分な数の PCI スロットも必要です。使用できる PCI スロットの数は AlphaServer システムの種類によって異なります。
1 つのクラスタに必要なクラスタ・インターコネクトは 1 つだけです。TruCluster Server バージョン 5.1B では,Memory Channel またはプライベート LAN をクラスタ・インターコネクトとして使用できます (クラスタ・インターコネクトとして Memory Channel を使用する場合の詳細は,第 5 章を参照してください。プライベート LAN をクラスタ・インターコネクトとして使用する場合の詳細は,第 6 章を参照してください)。ただし,インターコネクト障害に備えて,またハードウェア保守を簡単に行えるように,冗長クラスタ・インターコネクトを使用することもできます。メンバ・システムが 3 台以上ある場合は,インターコネクトごとに 1 つの Memory Channel ハブやイーサネットのハブ,またはスイッチが必要です。
共用 SCSI バス,および各共用バス上のストレージの数
複数の共用バスを使用すると,ストレージの可用性が向上します。 1 つのクラスタ・メンバに対し,最大 63 個の共用バスを接続できます (AlphaServer の種類によります)。KZPSA-BB,KZPBA,または Fibre Channel ホスト・バス・アダプタを任意に組み合わせて使用することができます。
さらに,RAID アレイ・コントローラ群を使用すれば,記憶容量が増大するだけでなく,ディスク,コントローラ,ホスト・バス・アダプタ,SCSI バス,Fibre Channel の障害に対する保護になります。共用バス間でデータのミラー化を行うことにより,データの信頼性と可用性が高まります。LSM (Logical Storage Manager) のホスト・ベースのミラーリングは,メンバ固有のブート・ディスクとクォーラム・ディスクを除く,すべてのストレージで利用できます。
単一機器の障害によるシステムダウンを回避できる NSPOF TruCluster Server クラスタ
HSZ80 および HSG80 RAID アレイ・コントローラ,または Enterprise Virtual Array 仮想 RAID ストレージ・システムを使用した多重バス・フェイルオーバとミラー化により,NSPOF TruCluster Server クラスタを構築できます (ただし,残りのハードウェアが適切にインストール済みの場合)。
共用 SCSI バス上のテープ・ローダ
一部のテープ・ローダでは,内部 SCSI ケーブル長 (最大 3 m (9.8 フィート)) が原因で,トライリンク/ターミネータの組み合わせによる外部終端を設定できません。このため,通常は,TL890,TL891,および TL892 以外のテープ・ローダは共用 SCSI バスの端に配置する必要があります。共用 SCSI バス上のテープ・デバイスの構成については,第 9 章を参照してください。
注意
テープ装置が接続されている共用 SCSI バスにストレージを配置するのは,お勧めできません。
TruCluster Server クラスタでは,どのストレージ・デバイスに対しても,それが共用バス上にあるか当該システムのローカル・バス上にあるかにかかわらず,Prestoserve を使用して I/O 操作をキャッシュすることはできません。個々のメンバの Prestoserve バッファ・キャッシュ内のデータは,他のメンバ・システムからアクセスできないため,Prestoserve が使用されていると,TruCluster Server で正しいフェイルオーバを実行できなくなります。
表 4-1
に,TruCluster Server ハードウェア構成の性能,可用性,および記憶容量を最大化する方法を示します。たとえば,I/O 性能を低下させることなく,アプリケーション性能を向上させたい場合は,メンバ・システムの数を増やすか,追加の共用ストレージをセットアップすることができます。
表 4-1: 構成のプランニング
向上対象 | 対応策 |
アプリケーション性能 | メンバ・システムの数を増やす。 |
I/O 性能 | 共用バスの数を増やす。 |
メンバ・システムの可用性 | メンバ・システムの数を増やす。 |
クラスタ・インターコネクトの可用性 | 冗長クラスタ・インターコネクトを使用する。 |
ディスクの可用性 | 共用バス間でディスクをミラー化する。 |
RAID アレイ・コントローラを使用する。 | |
共用ストレージ容量 | 共用バスの数を増やす。 |
RAID アレイ・コントローラを使用する。 | |
ディスク・サイズを大きくする。 |
TruCluster Server のインストール中に,システムまたは SCSI コントローラのファームウェアのアップデートが要求され,ファームウェアのリリース・ノートが必要になる場合があります。
ファームウェアのリリース・ノートは,次のところから取得できます。
次の URL の Web から入手することができます。 http://www.compaq.com/support/
[Software & Drivers] を選択し,次に [Servers] 見出しの下にある [AlphaServer] を選択します。そこで,該当するシステムを [AlphaServer] プルダウン・リストから選択します。
現在の「Alpha Systems Firmware Update」CD-ROM から取得できます。
注意
ファームウェアのリリース・ノートを「Firmware Update Utility」CD-ROM から取得するには,システムのカーネルが,ISO 9660 コンパクト・ディスク・ファイル・システム (CDFS) に対応するように構成されている必要があります。
ファームウェアのアップデートに必要なリリース・ノートを取得するには,次の手順に従います。
コンソール・プロンプトで,または Tru64 UNIX オペレーティング・システムが実行中の場合はシステム・スタートアップ・ログを使用して,CD-ROM のドライブ番号を調べます。
Tru64 UNIX オペレーティング・システムが実行中でない場合は,ブートします。
ルートとしてログインします。
インストールされている (またはこれからインストールする) Tru64 UNIX のバージョンに対応する「Alpha Systems Firmware Update」CD-ROM をドライブに挿入します。
次のように CD-ROM をマウントします (CD-ROM ドライブが
/dev/disk/cdrom0c
の場合)。
# mount -rt cdfs -o noversion /dev/disk/cdrom0c /mnt
該当するリリース・ノートをシステム・ディスクにコピーします。この例では,AlphaServer ES45 のファームウェアのリリース・ノートを Version 6.2 の「Alpha Systems Firmware Update」CD-ROM から取得します。
# cp /mnt/doc/es45_v62_fw_relnote.pdf es45-rel-notes.pdf
次のように CD-ROM ドライブをアンマウントします。
# umount /mnt
必要に応じてリリース・ノートを表示および印刷します。
4.3 TruCluster Server ハードウェアのインストール
メンバ・システムは,PCI (Peripheral Component Interconnect) SCSI アダプタを使用して共用 SCSI バスに接続することができます。メンバ・システムの PCI スロットに PCI SCSI アダプタをインストールする前に,モジュールのハードウェア・リビジョンが正しいことを確認してください。
DS-DWZZH シリーズの UltraSCSI ハブの能力と TruCluster Server クラスタでの使用により,PCI ホスト・バス・アダプタは次の 2 通りの方法でクラスタにケーブル接続することができます。
DWZZH UltraSCSI ハブの放射状接続と内部終端を使用する推奨方法: PCI ホスト・バス・アダプタの内部終端抵抗 SIP は取り外しません。ホスト・バス・アダプタとストレージ・サブシステムは,DWZZH UltraSCSI ハブ・ポートに直接接続します。DS-DWZZH-05 UltraSCSI ハブ・ポートに接続できるメンバ・システムは 1 つだけです。
ケーブル・フォールトの検出の信頼性が向上するので,TruCluster Server クラスタでは DWZZH UltraSCSI ハブを使用することをお勧めします。
外部終端を使う従来の方法: 共用 SCSI バスの終端は PCI ホスト・アダプタの外部に設定されます。これは,PCI ホスト・アダプタをクラスタに接続する古い方法です。アダプタの終端抵抗 SIP を取り外し,Y ケーブルと H879-AA ターミネータをインストールして外部終端を設定します。これにより,SCSI バス終端に影響を与えることなく,SCSI バス・ケーブルをホスト・アダプタから取り外すことができます。
この方法 (詳細は第 11 章と第 10 章を参照) は,DWZZH UltraSCSI ハブがあってもなくても使用できます。ただし,UltraSCSI ハブがある場合には,DS-DWZZH-03 ハブ・ポートに接続された SCSI バス・セグメントに複数のメンバ・システムを配置することができます。DS-DWZZH-05 UltraSCSI ハブ・ポートには,1 つのメンバ・システムのみを接続することができます。
以降の各項では,KZPBA PCI-to-UltraSCSI ディファレンシャル・ホスト・アダプタを設定し,推奨方法である内部終端による放射状接続を使用して TruCluster Server クラスタを構成する方法について説明します。
注意
KZPSA-BB は,任意の構成で KZPBA の代わりに使用できます。KZPSA-BB は UltraSCSI ハードウェアではなく,UltraSCSI 速度で動作できないため,この章では KZPSA-BB の使用については言及していません。
外部終端を使った KZPSA-BB および KZPBA の使用については,第 10 章を参照してください。
ここでの説明は,TruCluster Server 構成の作成に必要なハードウェアのインストールを開始する時点で,TruCluster Server ソフトウェアをインストールできる十分なストレージがあり,すべての RAID ストレージセットのセットアップが完了していることを前提にしています。
TruCluster Server ハードウェアのインストール作業は,表 4-2 に示す手順に従って行ってください。クラスタ・インターコネクトの Memory Channel アダプタまたはイーサネット・アダプタ,冗長ネットワーク・アダプタ (使用できる場合),および KZPBA SCSI アダプタをすべて同時にインストールすると,作業時間を短縮できます。
参照先のマニュアルの指示や参照先の表の手順に従い,参照先の表での手順が完了したら,表 4-2 に戻って作業を続行してください。
警告
静電気により,モジュールや電子部品が損傷することがあります。モジュールを取り扱う際は,接地された静電気防止用リスト・ストラップを使用し,接地された床面で作業することをお勧めします。
表 4-2: TruCluster Server ハードウェアの構成
手順 | 作業 | 参照先 |
1 | 次のクラスタ・インターコネクト・ハードウェアをインストールします。 | -- |
Memory Channel モジュール,ケーブル,およびハブ (ハブが必要な場合) をインストールします。 | 第 5 章 [脚注 26] | |
プライベート LAN のイーサネット・アダプタとハブ,またはスイッチをインストールします。 | 第 6 章 | |
2 | イーサネットまたは FDDI のネットワーク・アダプタをインストールします。 | 該当するイーサネットまたは FDDI アダプタのユーザ・ガイド,および該当するシステムのユーザ・ガイド |
ATM を使用する場合は,ATM アダプタをインストールします。 | ATM アダプタの付属マニュアル | |
3 | 各メンバ・システムから放射状接続される共用 SCSI バスごとに,KZPBA UltraSCSI アダプタをインストールします。 | 4.3.1 項および 表 4-3 |
4 | 最新の「Alpha Systems Firmware Update」CD-ROM から,システムの SRM コンソール・ファームウェアをアップデートします。 | ファームウェア・アップデートのリリース・ノート (4.2 節) |
|
4.3.1 放射状構成用の内部終端を使用する KZPBA のインストール
DWZZH UltraSCSI ハブを使用する場合は,TruCluster Server クラスタのメンバ・システムと共用ストレージをこの方法でケーブル接続してください。少なくとも 1 つのハブ・ポートを共用ストレージ用に予約しておく必要があります。
DWZZH シリーズ UltraSCSI ハブは,メンバ・システムと共用ストレージの間の距離をさらに延ばせるように設計されています。この UltraSCSI ハブを使用すると,ケーブル・フォールトの検出の信頼性を高めることもできます。
この他にも,メンバ・システムの SCSI アダプタを外部終端なしで直接ハブ・ポートに接続できるという利点があります。これにより,ケーブル接続の数を減らして構成を単純化できます。
DWZZH UltraSCSI ハブは以下の場所にインストールできます。
RA8000 または ESA12000 RAID アレイ・サブシステム内の BA370 シェルフにある右下のデバイス・スロット。これが,ケーブル長およびディスクへの干渉を最小限にできる位置です。
DS-BA35X-HH オプションによって 180W 電源装置にアップグレード済みの非 UltraSCSI BA356。
UltraSCSI ハブは,ストレージ・シェルフから必要な電源と筐体を得ます。SCSI バスは,DWZZH とストレージ・シェルフ間では繋がっていません。
DWZZH は,ハブ・ポートごとにディファレンシャル・シングルエンド・シグナル変換器を備えています。これは,オン・チップ DWZZA,または DOC チップと呼ばれることもあります。このチップのシングルエンド側がまとめて接続されて,内部シングルエンド SCSI バス・セグメントを形成します。各ディファレンシャル SCSI バス・ポートは,無効にすることも,取り外すこともできないターミネータによって DWZZH 内部で終端が設定されます。
DWZZH の終端電源 (
termpwr
) は,DWZZH ポートに接続されたホスト SCSI バス・アダプタまたは RAID アレイ・コントローラから供給されます。そのメンバ・システムまたは RAID アレイ・コントローラの電源を切断したり,ケーブルを KZPBA,RAID アレイ・コントローラ,またはハブ・ポートから引き抜くと,
termpwr
を消失した当該ハブ・ポートだけが無効になり,残りのハブ・ポートおよび SCSI バス・セグメントは影響を受けません。外部終端を利用している構成で Y ケーブルを取り外した場合も同じような結果になります。
注意
UltraSCSI BA356 DS-BA35X-DA パーソナリティ・モジュールは,
termpwr
を生成しません。したがって,UltraSCSI BA356 を DWZZH ハブに直接接続することはできません。TruCluster Server クラスタでの UltraSCSI BA356 の使用については,第 11 章を参照してください。
SCSI バス・セグメントのもう一方の端では,KZPBA オンボード終端抵抗 SIP,または RAID アレイ・コントローラにインストールされたトライリンク・コネクタ/ターミネータの組み合わせによって終端が設定されます。
KZPBA UltraSCSI ホスト・アダプタには,次のような特徴があります。
PCI ベースのホスト・システムを 16 ビット Ultrawide ディファレンシャル SCSI バス上のデバイスに接続する高性能 PCI オプションです。
サポートされるメンバ・システムの PCI スロットにインストールします。
シングルチャネルの Ultrawide ディファレンシャル・アダプタです。
以下の速度で動作します。
低速 Narrow SCSI で 5 MB/秒
高速 Narrow SCSI で 10 MB/秒
Wide ディファレンシャル SCSI で 20 MB/秒
Wide ディファレンシャル UltraSCSI で 40 MB/秒
注意
KZPBA は UltraSCSI デバイスですが,HD68 コネクタを持っています。
インストール作業のこの部分を完了する前に,使用するストレージ・シェルフまたは RAID アレイ・サブシステムをセットアップしてください。
KZPBA を,DWZZH UltraSCSI ハブへの放射状接続を使用する TruCluster Server クラスタ用にセットアップするには,表 4-3
に示す手順に従います。
表 4-3: DWZZH UltraSCSI ハブへの放射状接続で使用する KZPBA のインストール
手順 | 作業 | 参照先 |
1 | KZPBA の 8 個の内部終端抵抗 SIP,RM1〜RM8 がインストールされていることを確認します。 | 4.3.3.3 項,図 4-1,および『KZPBA-CB PCI-to-Ultra SCSI Differential Host Adapter User's Guide』 |
2 | システムの電源を切断します。共用 SCSI バスとして使用される論理バスに対応する PCI スロットに,KZPBA PCI-to-UltraSCSI ディファレンシャル・ホスト・アダプタをインストールします。アダプタの数がシステムの制限内で,インストール場所が適切であることを確認してください。 | TruCluster Server の『クラスタ管理ガイド』の 2.3.3 項,および『KZPBA-CB PCI-to-Ultra SCSI Differential Host Adapter User's Guide』 |
3 | KZPBA UltraSCSI ホスト・アダプタと DWZZH ポートとの間に BN38C ケーブルをインストールします。 | -- |
|
||
4 | システムの電源を投入し,show config
および
show device
コンソール・コマンドを使用して,インストール済みのデバイス,および AlphaServer システム上の KZPBA についての情報を表示します。show config
の出力から「
QLogic ISP10x0 」を,show device
の出力から「pkx 」または「isp 」を探し,どのデバイスが KZPBA かを調べます。
|
4.3.2 項,および例 4-1〜例 4-4 |
5 | show pk*
または
show isp*
コンソール・コマンドを使用して KZPBA の SCSI バス ID を調べてから,set
コンソール・コマンドを使ってその SCSI バス ID を設定します。
|
4.3.3 項,および例 4-5〜例 4-7 |
|
||
6 | 他のメンバ・システム上にあって,同じ共用 SCSI バスにインストールされる残りのすべての KZPBA について,手順 1〜5 を繰り返します。 | -- |
7 | DS-DWZZH-03 または DS-DWZZH-05 UltraSCSI ハブを次の場所に接続します: | 3.6 節 |
透過フェイルオーバ・モードの HSZ80 | 3.7.1.3 項 | |
多重バス・フェイルオーバ・モードの HSZ80 | 3.7.1.4 項 | |
RAID アレイ 3000 | 3.7.1.5 項 |
4.3.2 show コンソール・コマンドによる KZPBA アダプタの表示
show config
および
show device
コンソール・コマンドを使用してシステム構成を表示します。これらのコマンドの出力から,KZPBA デバイスとその SCSI バス ID を識別できます。
例 4-1
に,AlphaServer DS20 システムの
show config
コンソール・コマンドの出力例を示します。
例 4-1: AlphaServer DS20 の構成表示
P00>>> show config AlphaServer DS20 500 MHz SRM Console: V6.1-2 PALcode: OpenVMS PALcode V1.93-75, Tru64 UNIX PALcode V1.88-70 Processors CPU 0 Alpha EV6 pass 2.3 500 MHz SROM Revision: V1.82 Bcache size: 4 MB CPU 1 Alpha EV6 pass 2.3 500 MHz SROM Revision: V1.82 Bcache size: 4 MB Core Logic Cchip DECchip 21272-CA Rev 2.1 Dchip DECchip 21272-DA Rev 2.0 Pchip 0 DECchip 21272-EA Rev 2.2 Pchip 1 DECchip 21272-EA Rev 2.2 TIG Rev 4.14 Arbiter Rev 2.10 (0x1) MEMORY Array # Size Base Addr ------- ---------- --------- 0 512 MB 000000000 1 512 MB 020000000 Total Bad Pages = 0 Total Good Memory = 1024 MBytes PCI Hose 00 Bus 00 Slot 05/0: Cypress 82C693 Bridge to Bus 1, ISA Bus 00 Slot 05/1: Cypress 82C693 IDE dqa.0.0.105.0 Bus 00 Slot 05/2: Cypress 82C693 IDE dqb.0.1.205.0 Bus 00 Slot 05/3: Cypress 82C693 USB Bus 00 Slot 07: KGPSA-C pga0.0.0.7.0 WWN 2000-0000-c928-2 Bus 00 Slot 08: DECchip 21152-AA Bridge to Bus 2, PCI Bus 00 Slot 09: QLogic ISP10x0 pkd0.15.0.9.0 SCSI Bus ID 15 dkd0.0.0.9.0 HSZ22 dkd1.0.0.9.0 HSZ22 dkd100.1.0.9.0 HSZ22 dkd101.1.0.9.0 HSZ22 dkd102.1.0.9.0 HSZ22 dkd103.1.0.9.0 HSZ22 dkd104.1.0.9.0 HSZ22 dkd105.1.0.9.0 HSZ22 dkd106.1.0.9.0 HSZ22 dkd107.1.0.9.0 HSZ22 dkd2.0.0.9.0 HSZ22 dkd3.0.0.9.0 HSZ22 dkd4.0.0.9.0 HSZ22 dkd5.0.0.9.0 HSZ22 dkd6.0.0.9.0 HSZ22 dkd7.0.0.9.0 HSZ22 Bus 02 Slot 00: DE500-BA Network Controller ewb0.0.0.2000.0 00-06-2B-00-83-C9 Bus 02 Slot 01: DE500-BA Network Controller ewc0.0.0.2001.0 00-06-2B-00-83-CA Bus 02 Slot 02: DE500-BA Network Controller ewd0.0.0.2002.0 00-06-2B-00-83-CB Bus 02 Slot 03: DE500-BA Network Controller ewe0.0.0.2003.0 00-06-2B-00-83-CC PCI Hose 01 Bus 00 Slot 07: DECchip 21152-AA Bridge to Bus 2, PCI Bus 00 Slot 08: QLogic ISP10x0 pkc0.6.0.8.1 SCSI Bus ID 6 dkc100.1.0.8.1 HSZ80CCL dkc101.1.0.8.1 HSZ80 dkc102.1.0.8.1 HSZ80 dkc103.1.0.8.1 HSZ80 dkc104.1.0.8.1 HSZ80 dkc105.1.0.8.1 HSZ80 dkc106.1.0.8.1 HSZ80 Bus 00 Slot 09: DEC PCI MC mca0.0.0.9.1 Rev: 22, mca0 Bus 02 Slot 00: NCR 53C875 pka0.6.0.2000.1 SCSI Bus ID 6 dka500.5.0.2000.1 RRD47 Bus 02 Slot 01: NCR 53C875 pkb0.6.0.2001.1 SCSI Bus ID 6 dkb0.0.0.2001.1 RZ1CD-CS dkb100.1.0.2001.1 RZ1CD-CS dkb200.2.0.2001.1 RZ1CD-CS Bus 02 Slot 02: DE500-AA Network Controller ewa0.0.0.2002.1 00-06-2B-00-A3-AA ISA Slot Device Name Type Enabled BaseAddr IRQ DMA 0 0 MOUSE Embedded Yes 60 12 1 KBD Embedded Yes 60 1 2 COM1 Embedded Yes 3f8 4 3 COM2 Embedded Yes 2f8 3 4 LPT1 Embedded Yes 3bc 7 5 FLOPPY Embedded Yes 3f0 6 2
例 4-2
に,AlphaServer DS20 システムの
show device
コンソール・コマンドの出力例を示します。
例 4-2: AlphaServer DS20 のデバイス表示
P00>>> show device dka500.5.0.2000.1 DKA500 RRD47 1206 dkb0.0.0.2001.1 DKB0 RZ1CD-CS 0306 dkb100.1.0.2001.1 DKB100 RZ1CD-CS 0306 dkb200.2.0.2001.1 DKB200 RZ1CD-CS 0306 dkc100.1.0.8.1 DKC100 HSZ80CCL V83Z dkc101.1.0.8.1 DKC101 HSZ80 V83Z dkc102.1.0.8.1 DKC102 HSZ80 V83Z dkc103.1.0.8.1 DKC103 HSZ80 V83Z dkc104.1.0.8.1 DKC104 HSZ80 V83Z dkc105.1.0.8.1 DKC105 HSZ80 V83Z dkc106.1.0.8.1 DKC106 HSZ80 V83Z dkd0.0.0.9.0 DKD0 HSZ22 D11O dkd1.0.0.9.0 DKD1 HSZ22 D11O dkd100.1.0.9.0 DKD100 HSZ22 D11O dkd101.1.0.9.0 DKD101 HSZ22 D11O dkd102.1.0.9.0 DKD102 HSZ22 D11O dkd103.1.0.9.0 DKD103 HSZ22 D11O dkd104.1.0.9.0 DKD104 HSZ22 D11O dkd105.1.0.9.0 DKD105 HSZ22 D11O dkd106.1.0.9.0 DKD106 HSZ22 D11O dkd107.1.0.9.0 DKD107 HSZ22 D11O dkd2.0.0.9.0 DKD2 HSZ22 D11O dkd3.0.0.9.0 DKD3 HSZ22 D11O dkd4.0.0.9.0 DKD4 HSZ22 D11O dkd5.0.0.9.0 DKD5 HSZ22 D11O dkd6.0.0.9.0 DKD6 HSZ22 D11O dkd7.0.0.9.0 DKD7 HSZ22 D11O dva0.0.0.0.0 DVA0 ewa0.0.0.2002.1 EWA0 00-06-2B-00-A3-AA ewb0.0.0.2000.0 EWB0 00-06-2B-00-83-C9 ewc0.0.0.2001.0 EWC0 00-06-2B-00-83-CA ewd0.0.0.2002.0 EWD0 00-06-2B-00-83-CB ewe0.0.0.2003.0 EWE0 00-06-2B-00-83-CC pga0.0.0.7.0 PGA0 WWN 2000-0000-c928-2c95 pka0.6.0.2000.1 PKA0 SCSI Bus ID 6 pkb0.6.0.2001.1 PKB0 SCSI Bus ID 6 pkc0.6.0.8.1 PKC0 SCSI Bus ID 6 5.57 pkd0.15.0.9.0 PKD0 SCSI Bus ID 15 5.57
例 4-3
に,AlphaServer 8200 システムの
show config
コンソール・コマンドの出力例を示します。
例 4-3: AlphaServer 8200 の構成表示
>>> show config Name Type Rev Mnemonic TLSB 4++ KN7CC-AB 8014 0000 kn7cc-ab0 5+ MS7CC 5000 0000 ms7cc0 8+ KFTIA 2020 0000 kftia0 C0 Internal PCI connected to kftia0 pci0 0+ QLogic ISP1020 10201077 0001 isp0 1+ QLogic ISP1020 10201077 0001 isp1 2+ DECchip 21040-AA 21011 0023 tulip0 4+ QLogic ISP1020 10201077 0001 isp2 5+ QLogic ISP1020 10201077 0001 isp3 6+ DECchip 21040-AA 21011 0023 tulip1 C1 PCI connected to kftia0 0+ KZPAA 11000 0001 kzpaa0 1+ QLogic ISP1020 10201077 0005 isp4 2+ KZPSA 81011 0000 kzpsa0 3+ KZPSA 81011 0000 kzpsa1 4+ KZPSA 81011 0000 kzpsa2 7+ DEC PCI MC 181011 000B mc0
例 4-4
に,AlphaServer 8200 システムの
show device
コンソール・コマンドの出力例を示します。
例 4-4: AlphaServer 8200 のデバイス表示
>>> show device polling for units on isp0, slot0, bus0, hose0... polling for units on isp1, slot1, bus0, hose0... polling for units on isp2, slot4, bus0, hose0... polling for units on isp3, slot5, bus0, hose0... polling for units kzpaa0, slot0, bus0, hose1... pke0.7.0.0.1 kzpaa4 SCSI Bus ID 7 dke0.0.0.0.1 DKE0 RZ28 442D dke200.2.0.0.1 DKE200 RZ28 442D dke400.4.0.0.1 DKE400 RRD43 0064 polling for units isp4, slot1, bus0, hose1... dkf0.0.0.1.1 DKF0 HSZ80 V83Z dkf1.0.0.1.1 DKF1 HSZ80 V83Z dkf2.0.0.1.1 DKF2 HSZ80 V83Z dkf3.0.0.1.1 DKF3 HSZ80 V83Z dkf4.0.0.1.1 DKF4 HSZ80 V83Z dkf5.0.0.1.1 DKF5 HSZ80 V83Z dkf6.0.0.1.1 DKF6 HSZ80 V83Z dkf100.1.0.1.1 DKF100 RZ28M 0568 dkf200.2.0.1.1 DKF200 RZ28M 0568 dkf300.3.0.1.1 DKF300 RZ28 442D polling for units on kzpsa0, slot 2, bus 0, hose1... kzpsa0.4.0.2.1 dkg TPwr 1 Fast 1 Bus ID 7 L01 A11 dkg0.0.0.2.1 DKG0 HSZ80 V83Z dkg1.0.0.2.1 DKG1 HSZ80 V83Z dkg2.0.0.2.1 DKG2 HSZ80 V83Z dkg100.1.0.2.1 DKG100 RZ26N 0568 dkg200.2.0.2.1 DKG200 RZ28 392A dkg300.3.0.2.1 DKG300 RZ26N 0568 polling for units on kzpsa1, slot 3, bus 0, hose1... kzpsa1.4.0.3.1 dkh TPwr 1 Fast 1 Bus ID 7 L01 A11 dkh100.1.0.3.1 DKH100 RZ28 442D dkh200.2.0.3.1 DKH200 RZ26 392A dkh300.3.0.3.1 DKH300 RZ26L 442D polling for units on kzpsa2, slot 4, bus 0, hose1... kzpsa2.4.0.4.1 dki TPwr 1 Fast 1 Bus ID 7 L01 A10 dki100.1.0.3.1 DKI100 RZ26 392A dki200.2.0.3.1 DKI200 RZ28 442C dki300.3.0.3.1 DKI300 RZ26 392A
4.3.3 コンソール環境変数の表示および KZPBA の SCSI ID の設定
ここでは,show
コンソール・コマンドを使って
pk*
および
isp*
コンソール環境変数を表示し,各 AlphaServer システムで KZPBA の SCSI ID を設定する方法について説明します。以下の例は,実際のシステムのガイダンスとして利用してください。
SCSI オプションとして使用されるコンソール環境変数は,システムによってさまざまに異なります。また,環境変数のクラス (
pk*
,
isp*
など) には,内部オプションと外部オプションの両方が表示される場合があります。
以下の例を,show config
および
show dev
の例に示されたデバイス群と比較して,共用 SCSI バス上の KZPSA-BB デバイスまたは KZPBA デバイスを識別してください。
4.3.3.1 KZPBA の pk* および isp* コンソール環境変数の表示
使用するコンソール環境変数を調べるには,show pk*
および
show isp*
コンソール・コマンドを実行します。
例 4-5
に,AlphaServer DS20 の
pk
コンソール環境変数を示します。
例 4-5: AlphaServer DS20 システムの pk* コンソール環境変数の表示
P00>>>show pk* pka0_disconnect 1 pka0_fast 1 pka0_host_id 6 pkb0_disconnect 1 pkb0_fast 1 pkb0_host_id 6 pkc0_host_id 6 pkc0_soft_term on pkd0_host_id 15 pkd0_soft_term on
例 4-5
の
show pk*
コマンドの出力を例 4-1
の
show config
コマンドの出力と比較してください。例 4-5
の最初の 2 つのデバイス,pkao
と
pkb0
が NCR 53C875 SCSI コントローラに接続されていることがわかります。続く 2 つのデバイス,pkc0
と
pkd0
は,例 4-1
では Qlogic ISP10x0 デバイスとして表示されていますが,KZPBA デバイスです。これらはコンソールの表示内容にかかわらず,実際には Qlogic ISP1040 デバイスです。
pkc0
と
pkd0
について調べてみましょう。
例 4-5
には,2 つの
pk*0_soft_term
環境変数,
pkc0_soft_term
と
pkd0_soft_term
が示され,両方とも「on
」になっています。
pk*0_soft_term
環境変数は,16 ビット Wide SCSI バスを実装し,動的終端を使用する QLogic ISP1020 SCSI コントローラを使用しているシステムに適用されます。
QLogic ISP1020 モジュールには 2 つのターミネータがあり,1 つは下位 8 ビット用,もう 1 つは上位 8 ビット用です。
pk*0_soft_term
は次の 5 つの値をとります。
off
-- 下位 8 ビットと上位 8 ビットをともにオフにします。
low
-- 下位 8 ビットをオンにし,上位 8 ビットをオフにします。
high
-- 上位 8 ビットをオンにし,下位 8 ビットをオフにします。
on
-- 下位 8 ビットと上位 8 ビットをともにオンにします。
diff
-- バスをディファレンシャル・モードにします。
KZPBA は Qlogic ISP1040 モジュールであり,その終端設定は内部終端抵抗 SIP の RM1〜RM8 があるかどうかによって決まります。この場合,
pk*0_soft_term
環境変数は無意味であり,無視してかまいません。
例 4-6
に,show isp
コンソール・コマンドで表示した,AlphaServer 8x00 上の KZPBA に適用されるコンソール環境変数を示します。
例 4-6: AlphaServer 8x00 システムの KZPBA に適用されるコンソール変数の表示
P00>>>show isp* isp0_host_id 7 isp0_soft_term on isp1_host_id 7 isp1_soft_term on isp2_host_id 7 isp2_soft_term on isp3_host_id 7 isp3_soft_term on isp5_host_id 7 isp5_soft_term diff
例 4-3
および例 4-4
には,5 つの
isp
デバイス,
isp0
,
isp1
,
isp2
,
isp3
,および
isp4
が示されています。例 4-6
では,show isp*
コンソール・コマンドにより,
isp0
,
isp1
,
isp2
,
isp3
,および
isp4
が表示されています。
コンソール環境変数を割り当てるコンソール・コードは,KZPAA を含むすべての I/O アダプタをカウントします。KZPAA は
isp3
より後のデバイスなので,論理上
isp4
がナンバリングに組み込まれます。これに対し,show isp
コンソール・コマンドは,KZPAA が QLogic 1020/1040 クラスのモジュールではないので,
isp4
をスキップします。
例 4-3
および例 4-4
は,
isp0
,
isp1
,
isp2
,および
isp3
が内部 KFTIA PCI バス上のデバイスで,共用 SCSI バス上にはないことを示しています。ここでは
isp4
(show isp
コンソール・コマンドでは
isp5
) だけが KZPBA で,共用 SCSI バス上にあります。その他の 3 つの共用 SCSI バスでは KZPSA-BB を使用しています。KZPSA コンソール環境変数を表示するには,show pk*
コンソール・コマンドを使用します。
4.3.3.2 KZPBA の SCSI ID の設定
共用 SCSI バス上の KZPBA のコンソール環境変数がわかったら,set
コンソール・コマンドを使用して SCSI ID を設定します。TruCluster Server クラスタでは,通常,1 つを除くすべての KZPBA UltraSCSI アダプタに SCSI ID を設定する必要があります。DS-DWZZH-05 を使用する場合は,すべての KZPBA UltraSCSI アダプタに SCSI ID を設定する必要があります。
警告
1 つの SCSI バス上に同じ SCSI ID を持つ複数の SCSI アダプタがあると,ストレージのアクセスに問題が発生します。
DS-DWZZH-05 を使用する場合,KZPBA UltraSCSI アダプタに SCSI ID 7 を割り当てることはできません。SCSI ID 7 は DS-DWZZH-05 で使用するために予約されているからです。
DS-DWZZH-05 のフェア・アービトレーションを有効にする場合は,ホスト・アダプタの SCSI ID とハブ・ポートに割り当てられた SCSI ID が一致する必要があります。SCSI ID の不一致または重複は,ハブがハングする原因になります (3.6.1.2 項を参照)。
SCSI ID 7 は,フェア・アービトレーションの有効/無効にかかわらず,DS-DWZZH-05 用に予約されています。
例 4-7
に示すように,set
コンソール・コマンドを使って SCSI ID を設定します。この例では,例 4-5
に示されている AlphaServer DS20 上の KZPBA
pkc
の SCSI ID を設定しています。
例 4-7: KZPBA SCSI バス ID の設定
P00>>> show pkc0_host_id 6 P00>>> set pkc0_host_id 7 P00>>> show pkc0_host_id 7
図 4-1
に示すように,終端抵抗 RM1〜RM8 を取り外すと,KZPBA の内部終端は無効になります。
図 4-1: KZPBA の終端抵抗