まえがき

本書では,CDE (Common Desktop Environment) の概要について説明します。CDE は,Compaq Tru64 UNIX® (以前の DIGITAL UNIX) オペレーティング・システムとの対話を簡単に行うための手段を提供するグラフィカル・ユーザ・インタフェース (GUI) です。

『CDE ガイドブック』は,次の 2 つのパートで構成されています。

注意

本書で DECwindows と呼ぶ場合は,DECwindows Motif ソフトウェアを意味します。

本書の対象読者

本書は 2 つのパートで構成されており,それぞれのパートで対象としている読者は次のとおりです。

デスクトップ環境を初めて使用するユーザのために,本書では,システムにログインして新しい環境を試し,デスクトップを管理して,統合されたアプリケーションを使用するために必要な情報を提供します。

DECwindows から CDE へ移行するユーザにとっては,新しい環境の概要を理解するために本書を利用することができます。また,今まで DECwindows Motif で実行していた処理を CDE で実行するための方法についても理解することができます。

本書は,『Common Desktop Environment: ユーザーズ・ガイド』 と併用されることをお奨めします。

追加および変更された機能

次に,本書での主な変更について説明します。

本書の構成

本書の構成は次のとおりです。

   
Part 1 共通デスクトップ環境 (CDE) について紹介し,この環境を使い始めるための情報を提供します。
第 1 章 CDE の主なコンポーネントについて説明し,ドキュメント・セット,オンライン・ヘルプ,リファレンス・ページへのアクセス方法について説明します。
第 2 章 マウスおよびキーボードを使用して CDE デスクトップを操作する方法,デスクトップ・セッションを開始/終了する方法について説明します。
第 3 章 フロント・パネルについて紹介し,アプリケーションへのアクセス方法,サブパネルの使用方法,ワークスペースの使用方法について説明します。
第 4 章 デスクトップにおけるファイルの操作,アプリケーションへのアクセス,環境のカスタマイズについて説明します。
第 5 章 デスクトップおよび CDE に統合されているシステム管理ユーティリティの概要を説明するとともに,SysMan Menu および SysMan Station について紹介します。
Part 2 DECwindows Motif 環境から CDE への移行について説明します。
第 6 章 DECwindows Motif と CDE との間の共通のコンポーネントおよび違いについて概要を説明します。
第 7 章 セッションの起動/終了およびアプリケーションへのアクセスに関する,DECwindows Motif と CDE との違いについて説明します。
第 8 章 CDE におけるデスクトップ環境のカスタマイズについて説明します。
第 9 章 DECwindows Motif で使用している国際化機能の CDE への移行について説明します。
第 10 章 DECwindows のメール・フォルダおよびカレンダ・データベースを,CDE のメールおよびカレンダ・アプリケーションが認識できるフォーマットに変換する方法について説明します。
付録 A MH/DXmail と CDE メールの違いについて説明します。

表記法

本書では,次の表記法を使用します。

%
$

パーセント記号は,C シェルのシステム・プロンプトを表します。ドル記号は, Bourne シェル,Korn シェル,および POSIX シェルの場合の システム・プロンプトを表します。

#

番号記号は root としてログインした場合のシステム・プロンプトを表します。

% cat

対話式の例における太字(ボールド体)は,ユーザが入力する文字を示します。

file

イタリック体 (斜体) は,変数値,プレースホルダ,および関数の引数名を示します。

[ | ]
{ | }

構文定義では,大カッコはオプションの項目を示し,中カッコは必須項目を示します。 大カッコまたは中カッコの中の項目を縦線で区切っている場合は, そこに併記されている項目の中から1つの項目を選択することを示します。

colored text

構文定義では,リテラル要素(コマンド名など文字通り入力する要素)は緑色で表示され,変数値,数式/論理式記号,関数の引数名は赤色で表示されます。 構文説明以外の場所では,色付きのテキストは使用しません。

cat(1)

リファレンス・ページの参照には,該当するセクション番号をカッコ内に示します。 たとえば, cat(1) は,cat コマンドについての情報が, リファレンス・ページのセクション1に記載されていることを示します。

[Return]

四角で囲まれたキー名はユーザがそのキーを押すことを示します。

[Ctrl/x]

この記号は,スラッシュの前に指定されているキーを押しながら, スラッシュの後のキーまたはマウス・ボタンを押すことを示します。 例中では,このようなキーの組み合わせは, 四角あるいは大カッコで囲まれて示されます(たとえば,[Ctrl/C] )。