TruCluster Server バージョン 5.1B では,TruCluster Server バージョン 5.1A のすべての機能のサポートに加え,表 1-1
に示すような機能強化が行われています。
表 1-1: TruCluster Server バージョン 5.1B の機能
機能 | 説明 | 参照先 |
クラスタ・ファイル・システム (CFS) の負荷分散 | CFS 負荷分散デーモン (cfsd ) は,ファイル・システムの使用の監視と分析,使用法に関する提言,およびファイル・システムの再配置を自動的に行うことができる。 |
『クラスタ管理ガイド
』,
cfsd.conf (4)cfsd (8) |
並列ローリング・アップグレード | この機能により,ローリング・アップグレードに必要な時間が短縮される。最初のメンバがアップグレードされた後,管理者は残りのクラスタ・メンバを並列でアップグレードすることができる。同時にアップグレードできる数は,クラスタのクォーラム構成によって制限される。 | 『クラスタ・インストレーション・ガイド』 および
clu_upgrade (8) |
mount -o server=node |
mount -o server=node
コマンドを使用すると,管理者はクラスタ・メンバをファイル・システムの最初のサーバとして指定できる (cfsd
デーモンはこのオプションを使用して,ロード指示マウントを実現する)。 |
『クラスタ管理ガイド
』,
mount (2)mount (8) |
AdvFS ファイル・システムの強制アンマウント
|
cfsmgr -U
コマンドを使用すると,管理者は,クラスタ・メンバによってサービスされている AdvFS ドメイン全体を強制的にアンマウントできる。 |
『クラスタ管理ガイド』 および
cfsmgr (8) |
CFS 静止
|
マルチボリューム・ドメインのスナップショットおよびクローン作成を容易にするため,freezefs
コマンドは AdvFS ドメインを,メタデータが一貫したフリーズ状態にして,解凍されるまでその状態にあることを保証する。ファイル・システムは,タイムアウトになるかまたは
thawfs
コマンドを明示的に使用すると,解凍される。 |
『クラスタ管理ガイド
』,
freezefs (8)thawfs (8) |
gated
に関する制約の緩和 |
TruCluster Server の以前のリリースでは,すべてのクラスタ・メンバで
gated
ルーティング・デーモンを実行する必要があった。バージョン 5.1B では,その制約が緩和されて,クラスタ・メンバは,gated
を実行するか,routed
を実行するか,または静的ルーティングを使用することができる。クラスタ・メンバが
gated
を実行する場合,管理者は
gated
ルーティング・エントリをクラスタ別名デーモン
aliasd
で操作するかどうかを制御できる。 |
『クラスタ概要』 および 『クラスタ管理ガイド』 |
CAA アプリケーション・リソースの分散
|
caa_balance
コマンドは,クラスタ上のリソースの現在の状態およびリソースの配置規則に基づいて,CAA にアプリケーション・リソースの配置を再評価させる。アプリケーションの分散は,クラスタ単位,メンバ単位,または指定されたリソースについて行うことができる。 |
『クラスタ高可用性アプリケーション・ガイド』 および
caa_balance (8) |
CAA 可用性の測定
|
CAA は,各アプリケーション・リソースのヒストリを,最初の起動時から保守する。caa_report
コマンドは,現在登録されているすべてのアプリケーション・リソースが ONLINE 状態になっている時間のパーセンテージをまとめたレポートを表示する。データは,CAA に関連するイベント・マネージャのイベントを分析することによって取得する。 |
『クラスタ管理ガイド』 および
caa_report (1) |
CAA ユーザ定義属性 | ユーザ定義属性は,リソース・プロファイル内に置き,リソース処理スクリプトから環境変数としてアクセスできる。 | 『クラスタ高可用性アプリケーション・ガイド』 |
CAA 理由コードおよび環境ロケール | 理由コードは,処理スクリプトが実行された理由を記述する。処理スクリプトは環境変数としてこれを使用できる。 処理スクリプトが実行される環境ロケールは,環境変数を介して処理スクリプトで使用できる。 |
『クラスタ高可用性アプリケーション・ガイド』 |
CAA 処理スクリプトからの出力のリダイレクト | 処理スクリプトからの出力をリダイレクトして,CAA の実行時に表示されるようにすることができる。 | 『クラスタ高可用性アプリケーション・ガイド』 |
cluamgr rpri=100 |
値
100
は,cluamgr
rpri
(ルータの優先度) オプションの特別な場合である。rpri
の 1 から 99 までの値について,aliasd
はホスト・ルート・コスト・メトリックの 14 を公開する。rpri
の 100 の値について,aliasd
はホスト・ルート・コスト・メトリックの 10 を公開する。 |
cluamgr (8) |
clua_active |
clua_active
コマンドは,指定されたクラスタ別名が現在のメンバに対してアクティブで,0 (ゼロ)より大きい選択の重みを持ち,外部ネットワーク・インタフェースを経由して到達可能かどうかを判断する。 |
clua_active (8) |