特に指定しなければ,Tru64 UNIX オペレーティング・システムは,アメリカ英語をサポートする状態でインストールされます。 ただし,システム管理者は,1 つ以上のワールドワイド言語サポート (WLS) サブセットをインストールすることもできます。 このサブセットには,英語以外の言語で作業をするためのツールや機能が用意されています。 言語サブセットは,ベースのオペレーティング・システムをインストールした後で追加することもできます。 WLS のインストレーションと,インストールできる言語サブセットについては,Tru64 UNIX の『インストレーション・ガイド』に記載されています。
この章では,英語以外の言語環境でのセットアップ作業の方法と,ソフトウェア機能の使い方について説明します。
この章は,省略時の英語環境での Tru64 UNIX の使い方を読者が熟知していることを前提としています。
1.1 国際化ソフトウェアの使用についての概要
英語以外の言語の入力と表示を可能にするには,プロセスを実行するロケールを必ず設定しなければなりません。
特定の言語のロケールは WLS サブセットとしてインストールされます。
locale
-a
コマンドを使って,利用可能なロケールを表示することができます。
ロケールについての情報と,ロケールの状態を設定または変更する方法については,1.3 節を参照してください。
スーパユーザの特権を持っている場合,SysMan Menu から国際化ソフトウェア構成ユーティリティを使って,省略時のログイン・ロケールを設定したり,その他の国際化作業を実行することができます。 このユーティリティの使い方については,1.2 節または国際化ソフトウェア構成ユーティリティのオンライン・ヘルプを参照してください。
言語によっては,ロケールの設定の他に必要な作業があります。 この章では,以下の作業の実行方法について説明します。
キーボード・タイプの選択 (1.4 節)
言語に固有の特殊なデータや実行可能ファイルの検索パスの定義 (1.5 節)
ローカル言語プリンタに合ったプリンタ制御文字,フィルタ,およびフォントの適用 (1.7 節)
英語以外の言語のメール・テキスト (1.8 節)
リファレンス・ページの表示 (1.9 節)
コードセット間でのデータ・ファイルの変換 (1.10 節)
英語以外の言語のテキストの表示,編集,印刷 (1.11 節)
この章では,これらのトピックについて,特定の言語や言語グループに適用したものとして説明します。
共通デスクトップ環境 (CDE) で実行されるアプリケーションの国際化機能の使い方については,第 3 章と,Tru64 UNIX 『CDE ガイドブック』を参照してください。
1.2 国際化ソフトウェアの構成
この章では,ロケールの設定方法,キーボードのマッピング,システムのユーティリティとコマンドを使ったその他の国際化サポートについて説明します。 ただし,スーパユーザの特権を持つシステム・マネージャや管理者は,国際化ソフトウェア構成ユーティリティを使ってシステム上にワールドワイド言語サポートを構成することができます。
国際化ソフトウェア構成ユーティリティは,SysMan Menu の [ソフトウェア] オプション下から利用できる,メニュー方式で動作するユーティリティです。 システム・マネージャや管理者は,スーパユーザとして国際化ソフトウェア構成ユーティリティを使って,次のタスクを実行できます。
アジア系言語ターミナル・ドライバ・サポートの構成と,システム構成ファイル (/usr/sys/conf/
) への構成のマージ。
このタスクを使うと,システム管理者は次の処理を実行できます。
アジア系言語のコードセット・オプション (繁体字中国語の Big-5,台湾の Telecode,簡体字中国語から繁体字中国語への変換,UTF-8,およびタイ語のサポートなど) の起動。
UTX (UNIX Terminal Extension) サポート・オプションの,アジア系言語のターミナル・ドライバへの追加。 UTX サポート・オプションには,オンデマンド・フォント・ローディング (ODL),カタカナ変換,SIM (Software Phrase Input Method) が含まれます。
システム上で作成される UTX 擬似デバイスの数の指定。
カーネルの再構築。
インストールされているカントリ・サポート・サブセット (ロケール) の削除。 スーパユーザの特権を持っていない場合,インストールされているサブセットを表示することはできますが,削除することはできません。
インストールされているフォントの削除。 スーパユーザの特権を持っていない場合,インストールされているフォントを表示することはできますが,削除することはできません。
省略時のログイン言語の確立,dense コードと Unicode ロケール間の切り替え,複数の入力システムをサポートするロケールでの入力システムの選択。
インストールされているキーボード・マップ・ファイルの表示。 スーパユーザでなくても,インストールされているキーマップを表示できます。
Tru64 UNIX では,ロケールによってローカリゼーションを実現します。 ロケールによって,コンピュータ・システムでサポートされている各言語,文化によって異なるデータ,およびコード化文字セット (コードセット) の組み合わせに固有の情報が決まります。 ロケールは,次の情報を提供します。
利用可能な文字セット。
言語に固有のソート規則。
通貨,数値データ,日付,時刻の言語に固有の規則およびシンボル。
翻訳されたメッセージ・ファイル,アプリケーション・リソース・ファイル,ヘルプ・ファイルへのパス,またはこれらの組み合わせ。
システム上にインストールされているロケールを表示するには,locale
-a
コマンドを使用するか,国際化ソフトウェア構成ユーティリティの Manage Locales オプションを使用します。
Tru64 UNIX
のロケールでサポートされている言語とコードセットについての情報は,
l10n_intro
(5)locale
(4)
システム上にワールドワイド言語サポートをインストールすると,2 種類のロケール (Unicode ロケールと dense コード・ロケール) がローカリゼーション・サポート用にインストールされます。
Unicode ロケールは,Unicode 標準と ISO/IEC 10646 標準に適合しており,ワイド文字のコード化に UTF-32 を使用します。
名前が
UTF-8
で終わる Unicode ロケールでは,これらの標準で定義されているファイルと内部処理コードが使用されます。
他の非
UTF-8
Unicode ロケールでは,ファイル・コードに従来の UNIX コードセットと独自のコードセットが使用され,内部処理コードに UTF-32 が使用されます。
これらのロケールのサブセットには,@ucs4
という修飾子が付きます。
これらのサブセットは旧製品との互換性を保つために提供されており,@ucs4
の付かないロケールと同じです。
CDE ログイン・メニューからは,@ucs4
ロケールは選択できないため,ロケール名を LANG 環境変数で指定しなければなりません。
dense コード・ロケールでは,テーブル・サイズを最小にするため,ワイド文字のコード化に dense コードが使用されます。
dense コード・ロケールと Unicode ロケールの相違点は,プログラマに必要な情報です。 『国際化ソフトウェア・プログラミング・ガイド』を参照してください。 Tru64 UNIX 上の国際化ソフトウェアのユーザにとっては,dense コード・ロケールと Unicode ロケールは機能的に同じで,各 dense コード・ロケールに対応して Unicode ロケールが存在します。 ただし,すべての Unicode ロケールに dense コード・バージョンがあるわけではありません。
Unicode ロケールは,/usr/i18n/lib/nls/ucsloc/
にインストールされます。
dense コード・ロケールは,/usr/i18n/lib/nls/loc
にインストールされます。
省略時のアクティブ・ロケールは,シンボリック・リンク
/usr/i18n/lib/nls/dloc
で決まります。
スーパユーザの場合は,シンボリック・リンクの設定を変更する
(
l10n_intro
(5)
システムで使うロケールを設定するには,インストールされているロケールの 1 つを値として
LANG
環境変数を定義します。
たとえば,C シェルでは,次のようにします。
% setenv LANG en_US.ISO8859-1
このコマンドは,ISO8859-1 コードセットを使うアメリカ英語用としてユーザ環境を設定します。 インストールされていないロケールを設定した場合,国際化アプリケーションは,英語だけがサポートされる POSIX (C) ロケールが設定されたものと見なします。
ロケールの使い方や,システムおよびユーザの設定に関係する変数の定義についての詳細は,『システム管理ガイド』および『Tru64 UNIX ユーザーズ・ガイド』の国際化についての説明を参照してください。
LANG
などのロケール変数については,
i18n_intro
(5)
グラフィカル・アプリケーションの場合,テキスト変換機能と,共通デスクトップ環境 (CDE) や他の Motif アプリケーションで利用可能なローカル言語機能を利用するためには,言語を選択する必要があります。 アジア系言語の場合,次の機能を使用可能にするためには,正しい言語を選択する必要があります。
上記のアプリケーションで適切な入力システムを利用できるようにする。
表意文字を使用するファイル名やその他のパラメータの入力を可能にする。
文字や単語の境界にカーソルを正しく配置できるようにする。
適切な単語境界で行の折り返しを行う。
CDE における言語設定の一般的な情報については,『CDE ガイドブック』を参照してください。
CDE 環境では,1 つのセッション中は,セッションの起動時に設定された言語ですべてのアプリケーションを実行することを前提としています。 Tru64 UNIX システムでは,次の方法で,この制限を回避することができます。
dtterm
ウィンドウで,LANG
または
LC_ALL
環境変数を,新しいアプリケーションを実行するロケールに設定します。
% setenv LANG ko_KR.deckorean
日本語や中国語,韓国語用のロケールを設定するのであれば,アプリケーションを実行する前にコマンド行から適切な入力サーバを起動します。
% /usr/bin/X11/dxhangulim &
アジア系言語の入力サーバについては,2.1 節を参照してください。
ステップ 1 と同じウィンドウ内で,新しいロケールで実行するアプリケーションをコマンド行から実行します。
% /usr/dt/bin/dtterm &
新しいロケールで操作を行うために,キーボード設定を変更する必要がある場合は,新しいアプリケーション・ウィンドウで操作を開始する前に設定を行います。 キーボード・タイプの設定については,1.4 節を参照してください。
英語を入力するときは,標準のキーボード上のキーとシフト・キーを組み合わせることにより,すべての大文字と小文字,数字,および句読点を入力できますが,その他の多くの言語では,キーボード上のキーとシフト・キーを組み合わせただけでは,すべての文字を入力することはできません。
シングルバイト・コードセットで英語以外の文字を入力するには,端末ユーザはローカライズされたキーボードを使用するか,あるいは,キーボードに Compose キーがあれば,Compose キー・シーケンスを使用する必要があります。 また,端末によっては,シングルバイト・コードセットに基づいた言語用のさまざまなキーボード・レイアウトに対応したエミュレーション・ソフトウェアが用意されています。 各端末のユーザ・マニュアルには,キーボードを使用して英語以外の文字を入力する方法が説明されています。 アジア系言語におけるマルチバイト文字の入力には,専用の端末ハードウェアが必要になります。
ワークステーションのユーザは,システム上に適切なサポート・ファイルがインストールされていれば,標準のキーボード・タイプが存在する言語ではキーボード・タイプを言語に合ったものに設定できます。 西ヨーロッパおよび東ヨーロッパの言語,日本語,タイ語,ヘブライ語では,キーボード・タイプの設定が必要です。 ただし,中国語と韓国語では,キーボード・タイプの設定は不要です。
CDE では,「キーボード・オプション」 (デスクトップ・アプリケーションの 1 つ) からキーボードを選択して,キーボード・タイプの変更を行います。 キーボード・タイプの変更については,『CDE ガイドブック』を参照してください。
コマンド行からは,dxkeyboard
コマンドを使って「キーボード・オプション」を起動して,キーボード・マップを選択し,キーボード・タイプを変更します。
言語設定とは異なり,キーボード設定は,すべてのウィンドウに適用されるグローバルな属性です。 そのため,異なる言語設定で作成されたウィンドウで操作を行う場合には,ウィンドウを切り替えるたびにキーボード設定を変更しなければならないことがあります。
なお,CDE アプリケーションで変更した設定は,システム・ログイン時の設定には影響しません。
システム・ログイン時のキーボード設定は,常にシステムの省略時のキーボードになっています。
システムの省略時のキーボードを変更する方法についての詳細は,
keyboard
(5)1.4.1 キーボード・レイアウトの決定
xkbprint
コマンドを使用すると,現在のキーボード設定のキーボード・レイアウトにアクセスすることができます。
たとえば,次のコマンドはキーボード・レイアウトにアクセスし,印刷可能な PostScript ファイルを作成します。
% /usr/bin/X11/xkbprint -label symbols -o mykeyboard.ps :0
xkbprint
コマンドについての詳細は,
xkbprint
(1X)
ハードウェア・キー上に文字が刻印されているキーボード以外のキーボードを使用する場合は,文字とキーのマップ方法,および,文字がモード切り替えキーとキー・シーケンスのいずれを使用して入力されるのかを理解しておかなければなりません。 チェコ語などの言語では,最大 4 種類の文字を 1 つのキーにマップできます。 そのような場合には,モード切り替えに指定されているキーを使用して,同一キーにマップされている文字セットを切り替えます。
dxkeycaps
コマンドを使用すると,ワークステーションに接続されているキーボードのキーボード・マッピングを表示したり,編集することができます。
このコマンドでは,画面上にキーボードが表示され,現在のサーバ・キーマップに従ってキーキャップが表示されます。
マウスを使用すると,オプションのメニューを表示できます。
このメニューには,特定のキーが生成するキー・シンボルを変更するオプションも含まれています。
コマンド・オプションについては,
dxkeycaps
(1X)
モード切り替えは,Compose シーケンスとは異なった文字入力メカニズムです。
キーボード設定によって,Compose シーケンス (あるキーをマルチ・キーに指定する) またはモード切り替え (少なくとも 1 つのキーをモード切り替えに指定する) のいずれか,あるいはその両方がサポートされます。
いずれの入力メカニズムもサポートされない場合もあります。
1.4.2 ユーロ通貨記号の入力
ユーロ通貨は 2002 年に,経済通貨同盟 (EMU) に加盟しているヨーロッパ諸国の基本通貨単位となりました。
ユーロ記号の入力,表示,印刷を行うには,システム上にワールドワイド言語サポート (WLS) がインストールされていなければならず,次の手順を実行しなければなりません。
サポートされているロケール,キーボード・マッピング,およびフォントでシステムを構成する。
正しいキー・シーケンス,コードセット変換,およびプリント・フィルタを使用する。
この項では,これらの手順について説明し,ロケールの設定およびキーボード・タイプの選択の例を示します。
ユーロ通貨記号の使い方についての詳細は,Tru64 UNIX Best Practices の Web ページを参照してください。
Tru64 UNIX 上で記号の入力,表示,および印刷を行うには,その記号を含むコードセットと,その記号を表示できるフォント・セットが必要です。 Compose キーとカット・アンド・ペーストという代替手段もありますが,キーストロークと記号を対応付けるキーボード・マッピングも便利です。 コードセット,フォント・セット,および入力システムの要件は,記号が英語の文字,中国語の文字,またはユーロ通貨記号であってもあてはまります。
Unicode (UTF-8) と ISO/IEC 8859-15 (Latin-9) コードセットには,ユーロ記号が含まれています。 WLS がインストールされている場合,Tru64 UNIX は国固有のロケールによって,これらのコードセットを用意します。 Tru64 UNIX は,各国や Xfont ライブラリに固有のキーボード・マッピングも用意しているため,ユーロ記号の表示が可能となります。
ユーロ通貨記号の入力や表示を行うには,次の手順を実行します。
ユーロ通貨記号をサポートしているロケール下で実行します。 表 1-1 に,ユーロ記号をサポートしているロケールの一覧を示します。 このロケールのいずれかをシステム上で起動するには,次の手順を実行します。
CDE ログイン画面の [オプション] メニューから [言語] を選択します。
この[言語] サブ・メニューから,ロケールを選択します。
選択したユーロ対応ロケールと,使用しているキーボード・タイプに適したキーボード・マップを選択します。 キーボード・マップを選択するには,次の手順を実行します。
コマンド行で
/usr/dt/bin/dxkeyboard
と入力し,dxkeyboard
のダイアログ・ボックスを表示します。
または,CDE の「アプリケーション・マネージャ」の [デスクトップアプリケーション] フォルダから「キーボード設定」を選択して,dxkeyboard
のダイアログ・ボックスを表示することもできます。
dxkeyboard
のダイアログ・ボックスから,使用しているロケールとキーボード・タイプに合ったキーボード・マップを選択します。
キーボード・タイプは通常,キーボードの下面に明記されています。
特定のロケールに対応するキーボード・タイプとキーボード・マップについては,使用している言語のリファレンス・ページ
(たとえば,
Italian
(5)
現在のロケールでのキーの組み合わせを使って,ユーロ通貨記号を入力します。
Compose シーケンスをサポートしているキーボードの場合,Compose キーに続けて C と等号 (=) を押すと,ユーロ記号になります。
(さまざまなロケールでのユーロ記号用の Compose
シーケンス・キーについては,
euro
(5)
システム・マネージャや管理者は,SysMan Menu から利用できる国際化ソフトウェア構成ユーティリティを使っても,システム上のロケールとキーマップを管理することができます。 国際化ソフトウェア構成ユーティリティを使用するためには,スーパユーザでなければなりません。
表 1-1
は国別にまとめられており,ユーロ通貨記号をサポートするロケールの一覧と,ユーロ記号を生成する PC スタイルおよび VT スタイルのキー・コンビネーションの一覧を示します。
この表中のキー・コンビネーションは,xkb フォーマットのキーマップ (CDE の省略時のキーマップ) でサポートされています。
表 1-1: ロケールとキー・コンビネーションの要約
国 | ロケール | ユーロ記号の入力 | |
VT スタイルのキー・コンビネーション | PC スタイルのキー・コンビネーション | ||
カタロニア語 (スペイン) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
中国語 - PRC (簡体字) |
|
中国語用のキー・コンビネーションはありません。 ユーロの Unicode 値 (U+20AC) を入力するには,Qu-Wei 入力システムを使います (Tru64 UNIX 『Technical Reference for Using Chinese Features』のオンライン・マニュアルを参照)。 |
|
デンマーク語 (デンマーク) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
ドイツ語 (オランダ) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
ドイツ語/フラマン語 (ベルギー) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
英語 (イギリスおよびアイルランド) |
|
左 Compose/4 | 右 Alt/4 |
英語 (アメリカ合衆国) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
フィンランド語 (フィンランド) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
フランス語 (フランス) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
フランス語 (ベルギー) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
フランス語 (カナダ) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
フランス語 (スイス) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
ドイツ語 (ドイツ) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
ドイツ語 (スイス) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
アイスランド語 (アイスランド) |
|
左 Compose/E | 左 Compose/E |
イタリア語 (イタリア) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
日本語 (日本) |
|
日本語には,ユーロ記号用の Compose テーブルやキーマップ・サポートはありません。
ユーロ記号を入力するには, |
|
韓国語 (韓国) |
|
韓国語には,ユーロ記号用の Compose テーブルやキーマップ・サポートはありません。
ユーロ記号を入力するには, |
|
ノルウェー語 (ノルウェー) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
ポルトガル語 (ポルトガル) |
|
なし | 右 Alt/E |
スペイン語 (スペイン) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
スウェーデン語 (スウェーデン) |
|
左 Compose/E | 右 Alt/E |
代替ファンクション・キーはこの表中では Alt と記載していますが,一部のキーボードでは Gr と表示されています。
(どちらの場合も,このキーはキーボードの右側にあります。)
キーボード・マッピングとキーボードについての詳細は,使用しているオペレーティング・システムの
keyboard
(5)
WLS と,ユーロ記号をサポートしている言語をインストールすると,テキスト・プリント・フィルタと PostScript プリント・フィルタが利用できるようになります。
これらのフィルタは,システムのロケール設定を意識し,ユーロ通貨記号を含むフォントが用意されています。
たとえば,汎用 PostScript プリント・フィルタ (wwpsof
) は,UTF-8 フォーマットと ISO 8859-15 フォーマットをサポートしています。
ユーロ記号のプリント・サポートで,ユーザが行わなければならない作業はこれだけです。
Tru64 UNIX には,ユーロ記号をロケールの
LC_MONETARY
セクションに代入するロケールが 2 種類 (en_EU.UTF-8@euro
と
en_US.UTF-8@euro
) あります。
これらのロケールは,通貨記号をユーロとして定義する
UTF-8
ロケールと
ISO8859-15
ロケールを補うためのものです
(
euro
(5)LC_MONETARY
を設定すると環境変数
LANG
より優先されるため,LANG
にユーロ記号をサポートしないロケールを設定し,LC_MONETARY
に
en_EU.UTF-8@euro
を設定しても,ユーロ記号がサポートされます。
詳細については,
euro
(5)i18n_intro
(5)1.5 特殊なコンポーネントの検索パスの設定
ヨーロッパ言語のサポートには,システム・デフォルトの位置にインストールされているデータと実行可能ファイルが使用されます。
一部のコマンドとライブラリでは,アジア系言語をサポートするためには,ディレクトリ
/usr/i18n
の下にあるファイルを必要とします。
これらのファイルは,システム・デフォルトの位置にあるファイルを補うか,それらのファイルの代わりとして使用されます。
1 つまたは複数のアジア系言語サブセットをインストールするときは,インストレーション過程で次の変数設定をシステム・レベルで変更します。
I18NPATH
I18NPATH
変数は,アジア系言語のサポートに必要となるファイルで,システム・デフォルトの位置にないファイルの位置を指定します。
次のように設定されます。
/usr/i18n
システム管理者は,アジア系言語をサポートするためのファイルを,/usr/i18n
以外の位置にインストールすることもできます。
ただし,/usr/i18n
ディレクトリには,実際にインストールされている位置へのリンクが含まれていなければなりません。
PATH
PATH
変数はコマンドのある位置を指定し,次のように設定されます。
$I18NPATH/usr/bin:$PATH
/etc/i18n_profile
ファイルは,Bourne シェルと Korn シェルのユーザのために,PATH
変数と
I18NPATH
変数への代入をシステム・レベルで実行します。
C シェル・ユーザの場合,インストレーション・プロセスは,/etc/i18n_login
ファイルと
/etc/csh.login
ファイルをインクルードして,ヘブライ語とアジア系言語のための検索パスを設定します。
コマンドやユーティリティの説明で特に明記されていないかぎり,個々のユーザが,地域化対応のバイナリやユーティリティを見つけるためのプロセス固有の検索パスを変更する必要はありません。
1.6 ユーザ定義文字のサポート
日本,台湾,および中国で使用される文字セットには,アジア地域の場所や人名に使用されることがある一部の文字が含まれていません。 そのような文字はユーザが定義でき,サイト別のデータベースに格納されます。 そのようなデータベースは,ユーザ定義文字 (UDC) データベースと呼ばれます。 表意文字を定義するときは,その文字のフォント・グリフ,照合ファイル,およびその他のサポート・ファイルも定義しなければなりません。
UDC データベースの設定方法および使用方法,UDC データベース構成ファイル
cp_dirs
の編集方法については,『国際化ソフトウェア・プログラミング・ガイド』を参照してください。
1.7 ローカル言語をサポートするプリンタ・インタフェース機能の使用
Tru64 UNIX の言語別サブセットをインストールすると,プリンティング・サブシステムに次ような拡張機能を追加できます。
HP とサード・パーティの両方のプリンタで使用できる,2 種類の汎用の国際化プリント・フィルタ
pcfof
と
wwpsof
ローカル言語用のプリンタで使用されるエスケープ・シーケンスをサポートするプリント・フィルタのセット
プリンタ・コードの変換と,フォント・ファイルのオンデマンド・ローディングをサポートする
/etc/printcap
ファイルのエントリ
ローカル言語用プリンタのエントリを
/etc/printcap
ファイルに追加するための拡張
lprsetup
コマンド
プリントとプリンタ制御のための新しいオプションが追加された
lp
,lpr
,lpc
,lpq
,lprm
,および
lpstat
コマンド
wwpsof
フィルタや他のソフトウェアで使用される PostScript アウトライン・フォントまたは TrueType フォント
以降の項では,これらの機能 について説明します。
1.7.1 汎用の国際化プリント・フィルタ
pcfof
と
wwpsof
プリント・フィルタは,HP のプリンタ,特に,プリンタ固有の解決策がこの章以外から入手できないプリンタを,国際化環境で使用できるようにします。
また,これらのフィルタは,サード・パーティのプリンタを使用する場合にも必要になります。
これらのフィルタはどちらも,プリンタ・カスタマイゼーション・ファイル (.pcf
ファイル) を使用して,デバイス固有の情報を提供します。
オペレーティング・システム・ソフトウェアには,.pcf
ファイルの基本セットが含まれています。
システム管理者は,サイトで使用しているプリンタのための記述を
.pcf
ファイルに追加できます。
1.7.1.1 pcfof プリント・フィルタ
pcfof
フィルタは,HP PCL プリンタなどの PostScript プリンタとテキスト・プリンタの両方に対応します。
PostScript ファイルに対してこのフィルタを使用するには,ローカル言語用の適切な PostScript フォントがプリンタに搭載されていなければなりません。
この要件により,多くのプリンタでは,このフィルタの有用性が制限されてしまいます。
特に,日本語フォントを必要とする PostScript ファイルをプリントする場合には,この制限が顕著になります。
このフィルタは,プリンタ・ロケールがテキスト・ファイルのプリント・ジョブに必要なロケールと異なるときに,コードセット変換を行うように設定できます。
また,このフィルタは,サード・パーティ製のさまざまなテキスト・プリンタ用の
.pcf
ファイルを備えています。
このプリント・フィルタの使用方法については,
pcfof
(8)1.7.1.2 wwpsof プリント・フィルタ
wwpsof
フィルタは,PostScript プリンタでのみ使用します。
このフィルタは,国際化環境で使われているシングルバイト文字とマルチバイト文字を,プリント可能な PostScript 出力に変換します。
このため,ローカル言語フォントが常駐していないプリンタ上にも,ローカル言語文字を含むプリント・ジョブを印刷できます。
このフィルタを使用するためには,プリンタは PostScript レベル 2 以上,またはコンポジット・フォント拡張のある PostScript レベル 1 をサポートしていなければなりません。
PostScript フォントは,システム上にインストールされているアウトライン・フォント,TrueType フォント,または低解像度ビットマップ・フォントとすることができます。 TrueType フォントと低解像度ビットマップ・フォントは,X フォント・サーバにより,フィルタから利用できるようになります。 この場合,X フォント・サーバが実行されている必要があります。 フォントの検索では,フィルタは最初に PostScript アウトライン・フォントを使おうとします。 アウトライン・フォントが利用できない場合,フィルタは高解像度の,ラスタライズされた TrueType フォントを使います。 このフォントも利用できない場合,フィルタは低解像度ビットマップ・フォントを使います。
wwpsof
フィルタは,ロケールの設定を意識します。
文字を処理するときに,フィルタは,文字が現在のロケールでプリント可能な文字かチェックし,ロケール定義の一部であるコードセットを使って適切なフォント (アウトライン,TrueType,または低解像度) を見つけます。
Byte Order Mark を含むファイル・フォーマット (UTF-16 または UTF-32 フォーマット) 以外では,英語以外の言語の文字を含むファイルを印刷する前に,ロケールを適切に設定しておかなければなりません。
たとえば,wwpsof
プリント・フィルタとともに使うプリンタ構成ファイルをセットアップして,UTF-8 エンコーディングのファイルを印刷する際に,他のロケールのビットマップ・フォントを PostScript に変換させることができます。
Unicode にはほとんどすべての言語に対応する文字が含まれており,個々のフォントはいずれも,サポートされる文字セットの小規模なサブセットに限定されています。
このため,プリンタ構成ファイルの
unicode conversion preference
エントリをカスタマイズして,最も多く印刷するテキストの言語で利用されるフォントを優先するようにコードセットの参照順序を指定することができます。
wwpsof
フィルタは,まずテキスト・ファイル内の各文字を,フォントが使用可能な UNIX コードセットの対応する文字に変換し,次にそのテキスト・ファイルを PostScript ファイルに変換することにより,各国語のテキスト・ファイルをプリントします。
またフィルタは,CDE アプリケーションで作成された PostScript ファイルをプリントすることもできます。
wwpsof
プリント・フィルタの使用方法については,
wwpsof
(8)1.7.2 ローカル言語プリンタ用のプリント・フィルタ
プリント・フィルタは,特定モデルのプリンタのためにテキスト・データを処理します。
フィルタはプリンタのデバイス依存性を処理し,デバイス・アカウンティング機能を実行します。
個々のプリント・ジョブが完了すると,プリント・フィルタは,/etc/printcap
ファイル内のプリンタ・エントリの
af
フィールドで指定されているファイルにアカウンティング・レコードを書き込みます。
ローカル言語をサポートするテキスト・プリンタ用のプリント・フィルタは,ASCII 文字とローカル言語文字を含むテキスト・ファイルや,nroff
コマンドで作成された出力ファイルを処理できます。
nroff
出力を処理する場合,フィルタは,ページ境界にまたがるマルチバイト文字を削除し,下線,スーパスクリプト,およびサブスクリプトの
nroff
制御シーケンスを,そのプリンタに合った制御シーケンスに変換します。
ただし,フィルタは,同じ文字に対して適用される複数の
nroff
制御シーケンスはサポートしません。
PostScript プリント・フィルタは,テキストと
nroff
出力ファイルに加えて,PostScript ファイルもプリントできます。
ローカル言語用のプリント・フィルタとして,/etc/printcap
ファイルの
of
と
if
の両方のフィールドで指定されたフィルタが使用できます。
/etc/printcap
エントリの一般的な情報については,『システム管理ガイド』と
printcap
(4)i18n_printing
(5)Japanese
(5)
次のプリント・フィルタは,アジア系言語のテキスト・データを処理します。
言語 | フィルタ | プリンタ |
日本語 | la84of |
LA84-J |
日本語 | la86of |
LA86-J |
日本語 | la90of |
LA90-J |
日本語 | la280of |
LA280-J |
日本語 | la380of |
LA380-J |
日本語 | ln03jaof |
LN03-J |
日本語 | ln05jaof |
LN05-J |
日本語 | ln82rof
(PostScript とテキスト・データの両方を処理) |
LN82R |
中国語 (簡体字) | la88cof |
LA88-C |
中国語 (簡体字) | la380cbof |
LA380-CB |
韓国語 | la380kof |
LA380-K |
韓国語 | dl510kaof |
DL510-KA |
中国語 (繁体字) | cp382dof |
CP382-D |
タイ語 | thailpof |
EP1050+ |
1.7.3 /etc/printcap におけるローカル言語プリンタのサポート
/etc/printcap
ファイルは,システム上の各プリンタの特性を記述するファイルです。
プリンタ特性は,シンボルと値の対で指定され,各シンボルは 2 文字のニーモニックです。
プリント・ジョブを送るたびに,lpd
プリンタ・デーモンとプリンタ・スプーリング・システムは
/etc/printcap
ファイルの情報を使用して,そのジョブの処理方法を決定します。
表 1-2
に,ローカル言語プリンタ・サポートに固有の
/etc/printcap
シンボルを示します。
/etc/printcap
ファイルで使われる他のシンボルについては,
printcap
(4)lprsetup
コマンドを使ってローカル言語プリンタ用に,/etc/printcap
ファイルにこれらのオプションを追加する例については,1.7.4 項を参照してください。
表 1-2: ローカル言語プリンタ用の /etc/printcap ファイル内のシンボル
シンボル | タイプ | 省略値 | 説明 |
ya |
str |
なし | 二重引用符で囲まれたキーワード値の指定リスト。 このリストには,特定の言語サポートに必要なほとんどのプリンタ・オプションを指定します。
この表の後で,オプションのキーワード
|
yp |
str |
NULL |
WoToTo 規格 (タイ語のプリンタ規格) に準拠するプリンタ ID。 |
ys |
num |
NULL |
SoftODL 文字キャッシュのサイズ。
最大限の性能を得るには, |
yt |
str |
fifo |
SoftODL の文字置換方式。
|
Latin-1 文字セットに含まれていない文字を使用する言語では,ya
シンボルを指定しなければなりません。
ya
シンボルに設定される値は,以下のオプションを 1 つ以上含む,引用符で囲まれた文字列です。
flocale=
locale_name
ファイル・テキストを解釈するためのロケールを指定する。
プリント・フィルタはこのロケールを使用して,テキスト内の文字を検証します。
2 つ以上のコードセットのサポートを必要とするアジア系言語では,flocale
値と
plocale
値の違いにより,ファイルをプリントする前にコードセット変換を行うかどうかを決定します。
flocale
が指定されていない場合,フィルタは現在のロケールでファイルを解釈します。
font=
font_name
PostScript ファイルをプリントするためのアウトライン・フォントの名前を指定する。
このフォントは,指定された
plocale
値に合ったものでなければなりません。
line=
number_of_lines
各ページの行数を指定する。
lpr
コマンドの
-w
フラグと組み合わせて使用されたときは,行数により,フォント・サイズとプリント出力の向きを制御できます。
odldb=
odl_database_path
SoftODL データベースのパス名を指定する。
省略時では,プリンタは
cp_dirs
ファイルで指定されているシステム・レベルのデータベースを使用します。
odlstyle=
style-
Nx
N
SoftODL フォントのスタイルとサイズ (たとえば,normal-24x24
) を指定する。
odlstyle
が指定されていない場合,システム・レベルのデータベースの省略時スタイルとサイズが使用されます。
onehalf
タイ語では,より密度が高く読みやすい出力を生成するために,3 行ではなく 1 行半に文字をプリントするように指定する。
onehalf
キーワードは,thailpof
プリント・フィルタでのみ有効です。
plocale=
locale_name
プリンタのロケールを指定する。
プリンタの中には LA380-CB のように,特定のコードセットを対象としてエンコードされた組み込みフォントを備えているために,プリント・フィルタが特定の言語に特化されているものがあります。
そのようなプリンタでは,plocale
を指定しなければなりません。
また,locale_name
のコードセット部は,組み込みフォントのコードセットと一致しなければなりません。
その他のプリンタは汎用プリンタであり,多国語環境でのファイルのプリントに対応します。
そのようなプリンタでは,汎用プリント・フィルタ (wwpsof
など) が使用でき,印刷する言語でのデフォルトでないフォントを使用しない限り,plocale
の値を設定する必要はありません。
spcom
タイ語のようなノンスペーシング文字を含む言語で,スペース補正を可能にする。
これらの文字は,他の文字と組み合わせて表示できるため,スペースを取りません。
テキストの位置合わせを行うほとんどのツールは,ノンスペーシング文字を正しく処理できません。
これらのツールで生成されたタイ語テキスト出力をプリントするときは,spcom
キーワードを指定して,プリント・ファイルでテキストの位置合わせを行うようにします。
このキーワードは,タイ語用のプリント・フィルタまたは
th_TH.TACTIS
plocale
値とともに指定した場合にのみ有効です。
tacdata=
tac_data_path
thailpof
プリント・フィルタで使用されるコード・テーブルの位置を指定する。
省略時では,tac_data_path
は
/usr/lbin/tac_data
です。
tm
タイ語文字をプリントするためのテキスト・モーフィング (text morphing) を有効にする。
テキスト・モーフィングは,ある種の文字を他の文字と置き換えることにより,読みやすいプリント出力を生成するための機能です。
テキスト・モーフィングについては,
Thai
(5)
SysMan Menu の [プリンタ] メニューは,システム上のプリンタの特性を追加,削除,変更するためのデスクトップ・アプリケーションを起動します。
システムで CDE が利用できないときは,同じ操作を行う別の方法として,lprsetup
ユーティリティを使用できます。
いずれの場合でも,このソフトウェアは,プリンタ・スプール・ディレクトリの作成,適切なフィルタとプリンタのリンク,/etc/printcap
ファイルへのプリンタ・エントリの書き込みなどの必要な処理を実行します。
lprsetup
を実行するには,スーパユーザでなければなりません。
サポートされているプリンタの製品名と,プリンタのシステム識別子のマップについては,
lprsetup.dat
(4)
例 1-1
に,lprsetup
コマンドを使用してローカル言語プリンタ (ln03s-ja
) をセットアップする方法を示します。
例 1-1: lprsetup によるローカル言語プリンタのセットアップ
# /usr/sbin/lprsetup [1] Tru64 UNIX Printer Setup Program Command < add modify delete exit view quit help >: add Adding printer entry, type '?' for help. Enter printer name to add [lp11] : [2] Printer Types: 1. Compaq Advanced Server ClientPS 2. Compaq Advanced Server ClientText 3. Compaq LN16 4. Compaq LN32 5. Digital Colormate PS 6. Digital DEClaser 1100 7. Digital DEClaser 1150 8. Digital DEClaser 2100 9. Digital DEClaser 2150 10. Digital DEClaser 2200 11. Digital DEClaser 2250 12. Digital DEClaser 2300 13. Digital DEClaser 2400 14. Digital DEClaser 3200 15. Digital DEClaser 3250 16. Digital DEClaser 3500 17. Digital DEClaser 5100 18. Digital LA100 19. Digital LA120 20. Digital LA210 21. Digital LA280 22. Digital LA30N 23. Digital LA30N A4 24. Digital LA30W 25. Digital LA30W A4 26. Digital LA324 27. Digital LA380 28. Digital LA380CB 29. Digital LA380K 30. Digital LA400 31. Digital LA424 32. Digital LA50 33. Digital LA600 34. Digital LA70 35. Digital LA75 36. Digital LA84 37. Digital LA86 38. Digital LA88 39. Digital LA88C 40. Digital LA90 41. Digital LG02 42. Digital LG04 Plus 43. Digital LG05 Plus Press 'ENTER' to continue scrolling, type '(q)uit' to end scrolling: q Help Types: ? - General help printer? - Specific printer type information Enter index number, help type, '(q)uit', or 'ENTER' [Generic Unknown type]:ln03ja [3]
.
.
.
Enter printer synonym: draft [4] Enter printer synonym: Set device pathname 'lp' [] ? /foo Do you want to capture print job accounting data ([y]|n)? n Set spooler directory 'sd' [/var/spool/printers/lpd11] ? Set printer error log file 'lf' [/var/adm/printers/lp11.lperr] ? Enter the name of the printcap symbol you wish to modify. Other valid entries are: 'q' to quit (no more changes) 'p' to print the symbols you have specified so far 'l' to list all of the possible symbols and defaults The names of the printcap symbols are: af br cf ct df dn du fc ff fo fs gf if lf lo lp mc mj mx nc nf of on pl pp ps pw px py rf rm rp rs rw sb sc sd sf sh st tf tr vf xc xf xn xs ya yd yj yp ys yt Enter symbol name: yt [5] Enter a new value for symbol 'yt'? [none] [Return] Enter symbol name: ? Enter the name of the printcap symbol you wish to modify. Other valid entries are: 'q' to quit (no more changes) 'p' to print the symbols you have specified so far 'l' to list all of the possible symbols and defaults The names of the printcap symbols are: af br cf ct df dn du fc ff fo fs gf if lf lo lp mc mj mx nc nf of on pl pp ps pw px py rf rm rp rs rw sb sc sd sf sh st tf tr vf xc xf xn xs ya yd yj yp ys yt Enter symbol name: q [6] Printer #11 ----------- Symbol type value ------ ---- ----- if STR /usr/lbin/ppdof +OPageSize=Letter +Ctektronix740.rpd lf STR /var/adm/printers/lp11.lperr lp STR /foo mx INT 0 of STR /usr/lbin/ppdof +OPageSize=Letter +Ctektronix740.rpd pl INT 66 pw INT 0 rw BOOL on sd STR /var/spool/printers/lpd11 xf STR /usr/lbin/xf Are these the final values for printer 11 ? [y] [Return] Adding comments to printcap file for new printer, type '?' for help. Do you want to add comments to the printcap file [n] ? : [Return] Setup activity is complete for this printer. Verify that the printer works properly by using the lpr(1) command to send files to the printer. Command < add modify delete exit view quit help >: e [7]
lprsetup
プログラムを起動します。
[例に戻る]
利用可能なプリンタ・タイプを表示します (lprsetup コマンドがサポートしているローカル言語プリンタについては,その言語のリファレンス・ページを参照してください)。 [例に戻る]
プリンタ・タイプを入力します。
個々のプリンタの情報を参照するには,printer?
と入力します。
[例に戻る]
ユーティリティにより,プリンタの別名,デバイス・パス,課金データを収集するかどうか,およびスプーラ・ディレクトリとエラー・ログの選択を指定するためのプロンプトが表示されます。 ヘルプを表示するには,プロンプトに対して疑問符を入力します。 [例に戻る]
printcap
シンボルを入力するためのプロンプトです。
国際化システムで重要なシンボルとパラメータについては,表 1-2
を参照してください。
たとえば,ys
は,SoftODL サービスが使うキャッシュ・サイズを設定します。
特に指定しなければ,この値はプリンタに適したキャッシュ・サイズとなり,/etc/printcap
ファイルの
ys
シンボルの値として格納されます。
[例に戻る]
「lprsetup
」ダイアログを終了します。
このユーティリティは,指定された値を表示し,確認を求めます。
確認を行うと,/etc/printcap
ファイルにコメントを追加するためのプロンプトが表示されます。
[例に戻る]
プログラムを終了し,/etc/printcap
ファイルにこれ以上の変更を加えないようにします。
[例に戻る]
lp
,lpc
,lpd
,lpq
,lpr
,lprm
,および
lpstat
コマンドは,Latin-1 グループに含まれないアジア系言語用のプリント・サブシステムに追加された拡張機能をサポートしています。
たとえば
lpr
コマンドには,-A
オプションと,-O
オプションに指定する値が追加されており,ユーザはこれらのオプションを使用して拡張機能を利用できます。
ローカル言語オプションとその値については,
lpr
(1)1.7.6 PostScript プリンタのためのフォント処理
中国語や韓国語のフォントを PostScript プリンタのメモリに収納するのは,ほとんど不可能です。 タイ語のフォントと一部のヨーロッパ言語のフォントはプリンタ・メモリに収まりますが,他の言語のフォントと一緒に入れるにはその数が多すぎます。
PostScript プリンタに言語特有のフォントが常駐していない場合,wwpsof
プリント・フィルタ (1.7.1.2 項
を参照) を使用して解決します。
その場合,プリンタの構成ファイル内に,使用する複数の言語に対応するフォントの名前を指定します。
また,wwpsof
プリント・フィルタは,特定のコードセットに対する PostScript フォントが使用できない場合に,ビットマップ・フォントから PostScript 出力を作成することもできます。
このプリント・フィルタの使い方については,
wwpsof
(8)
以下に,言語およびコードセットと,PostScript フォント・セットの対応を示します。
Latin-1 言語の PostScript フォントはプリンタに常駐しています。 これらのフォントは,ソフトウェア・サブセットからはインストールされません。
ハンガリー語,チェコ語,スロバキア語,スロベニア語 (*.ISO8859-2
)
Arial-Bold-ISOLatin2 Arial-BoldItalic-ISOLatin2 Arial-Italic-ISOLatin2 Arial-ISOLatin2 ArialNarrow-Bold-ISOLatin2 ArialNarrow-BoldItalic-ISOLatin2 ArialNarrow-Italic-ISOLatin2 ArialNarrow-ISOLatin2 BookAntiqua-Bold-ISOLatin2 BookAntiqua-BoldItalic-ISOLatin2 BookAntiqua-Italic-ISOLatin2 BookAntiqua-ISOLatin2 BookmanOldStyle-Bold-ISOLatin2 BookmanOldStyle-BoldItalic-ISOLatin2 BookmanOldStyle-Italic-ISOLatin2 BookmanOldStyle-ISOLatin2 CenturyGothic-Bold-ISOLatin2 CenturyGothic-BoldItalic-ISOLatin2 CenturyGothic-Italic-ISOLatin2 CenturyGothic-ISOLatin2 CenturySchoolbook-Bold-ISOLatin2 CenturySchoolbook-BoldItalic-ISOLatin2 CenturySchoolbook-Italic-ISOLatin2 CenturySchoolbook-ISOLatin2 Courier-Bold-ISOLatin2 Courier-BoldItalic-ISOLatin2 Courier-Italic-ISOLatin2 Courier-ISOLatin2 MonotypeCorsiva-ISOLatin2 TimesNewRoman-Bold-ISOLatin2 TimesNewRoman-BoldItalic-ISOLatin2 TimesNewRoman-Italic-ISOLatin2 TimesNewRoman-ISOLatin2
Arial-Bold-ISOLatinCyrillic Arial-BoldInclined-ISOLatinCyrillic Arial-Inclined-ISOLatinCyrillic Arial-ISOLatinCyrillic Courier-Bold-ISOLatinCyrillic Courier-BoldInclined-ISOLatinCyrillic Courier-Inclined-ISOLatinCyrillic Courier-ISOLatinCyrillic Nimrod-Bold-ISOLatinCyrillic Nimrod-BoldInclined-ISOLatinCyrillic Nimrod-Inclined-ISOLatinCyrillic Nimrod-ISOLatinCyrillic Plantin-Bold-ISOLatinCyrillic Plantin-BoldInclined-ISOLatinCyrillic Plantin-Inclined-ISOLatinCyrillic Plantin-ISOLatinCyrillic TimesNewRoman-Bold-ISOLatinCyrillic TimesNewRoman-BoldInclined-ISOLatinCyrillic TimesNewRoman-Inclined-ISOLatinCyrillic TimesNewRoman-ISOLatinCyrillic
Arial-Bold-ISOLatinGreek Arial-BoldInclined-ISOLatinGreek Arial-Inclined-ISOLatinGreek Arial-ISOLatinGreek Courier-Bold-ISOLatinGreek Courier-BoldInclined-ISOLatinGreek Courier-Inclined-ISOLatinGreek Courier-ISOLatinGreek TimesNewRoman-Bold-ISOLatinGreek TimesNewRoman-BoldInclined-ISOLatinGreek TimesNewRoman-Inclined-ISOLatinGreek TimesNewRoman-ISOLatinGreek
David-Bold-ISOLatinHebrew David-BoldOblique-ISOLatinHebrew David-ISOLatinHebrew David-Oblique-ISOLatinHebrew FrankRuhl-Bold-ISOLatinHebrew FrankRuhl-BoldOblique-ISOLatinHebrew FrankRuhl-ISOLatinHebrew FrankRuhl-Oblique-ISOLatinHebrew Miriam-Bold-ISOLatinHebrew Miriam-BoldOblique-ISOLatinHebrew Miriam-ISOLatinHebrew Miriam-Oblique-ISOLatinHebrew MiriamFixed-Bold-ISOLatinHebrew MiriamFixed-BoldOblique-ISOLatinHebrew MiriamFixed-ISOLatinHebrew MiriamFixed-Oblique-ISOLatinHebrew NarkissTam-Bold-ISOLatinHebrew NarkissTam-BoldOblique-ISOLatinHebrew NarkissTam-ISOLatinHebrew NarkissTam-Oblique-ISOLatinHebrew
Arial-Bold-ISOLatin5 Arial-BoldItalic-ISOLatin5 Arial-Italic-ISOLatin5 Arial-ISOLatin5 ArialNarrow-Bold-ISOLatin5 ArialNarrow-BoldItalic-ISOLatin5 ArialNarrow-Italic-ISOLatin5 ArialNarrow-ISOLatin5 BookAntiqua-Bold-ISOLatin5 BookAntiqua-BoldItalic-ISOLatin5 BookAntiqua-Italic-ISOLatin5 BookAntiqua-ISOLatin5 BookmanOldStyle-Bold-ISOLatin5 BookmanOldStyle-BoldItalic-ISOLatin5 BookmanOldStyle-Italic-ISOLatin5 BookmanOldStyle-ISOLatin5 CenturyGothic-Bold-ISOLatin5 CenturyGothic-BoldItalic-ISOLatin5 CenturyGothic-Italic-ISOLatin5 CenturyGothic-ISOLatin5 CenturySchoolbook-Bold-ISOLatin5 CenturySchoolbook-BoldItalic-ISOLatin5 CenturySchoolbook-Italic-ISOLatin5 CenturySchoolbook-ISOLatin5 Courier-Bold-ISOLatin5 Courier-BoldItalic-ISOLatin5 Courier-Italic-ISOLatin5 Courier-ISOLatin5 MonotypeCorsiva-ISOLatin5 TimesNewRoman-Bold-ISOLatin5 TimesNewRoman-BoldItalic-ISOLatin5 TimesNewRoman-Italic-ISOLatin5 TimesNewRoman-ISOLatin5
Latin-9 エンコーディングを使用するロケールに対する PostScript フォントは提供されていません。
ただし,Latin-9 では省略時のプリンタ構成ファイル (PCF) が使用できます。
このファイルを
wwpsof
プリント・フィルタに指定すると,Latin-9 ビットマップ・フォントから PostScript への自動変換が可能になります。
詳細は,
wwpsof
(8)
universal.UTF-8
,en_US.UTF-8
,またはアジア系ロケール (中国語,日本語,韓国語) で実行されるアプリケーションが使う X ロケール・データベース・ファイルには,オペレーティング・システムで使うすべてのフォントのフォント定義が入っています。
これにより,en_US.UTF-8
下のアプリケーションは,ワールドワイド言語サポート (WLS) とともにインストールされたすべてのフォント文字を表示できるようになります。
アジア系言語のロケール下のアプリケーションは,WLS とともにインストールされたすべてのフォント文字 (ISO8859-2,-4,-5,-7,-8,-9,および TACTIS を除く) を表示します。
詳細については,
wwpsof
(8)Unicode
(5)
Tru64 UNIX には,PostScript プリンタでの印刷用と,Level II Display Postscript 拡張による表示用に,次の繁体字中国語アウトライン・フォントが用意されています。 これらのフォントを PostScript プリンタ,Display PostScript,またはラスタライザでの表示に使う方法については,『Technical Reference for Using Chinese Features』オンライン・マニュアルを参照してください。
Sung-Light-CNS11643 Hei-Light-CNS11643
Tru64 UNIX には,PostScript プリンタでの印刷用と,Level II Display Postscript 拡張による表示用に,次の簡体字中国語アウトライン・フォントが用意されています。 これらのフォントを PostScript プリンタ,Display PostScript,またはラスタライザでの表示に使う方法については,『Technical Reference for Using Chinese Features』オンライン・マニュアルを参照してください。
XiSong-GB2312-80 Hei-GB2312-80
Munjo
日本語の PostScript フォントは,通常はプリンタに常駐しています。
ソフトウェア・サブセットからはインストールされません。
ただし,wwpsof
プリント・フィルタを用いてプリンタ構成ファイル (PCF) をセットアップすると,日本語のビットマップ・フォントを PostScript に変換して,日本語のエンコーディングを使用するファイルを印刷できるようになります。
詳細は,
wwpsof
(8)
AngsanaUPC-Bold AngsanaUPC-BoldItalic AngsanaUPC-Italic AngsanaUPC-Light CordiaUPC-Bold CordiaUPC-BoldItalic CordiaUPC-Italic CordiaUPC-Light EucrosiaUPC-Bold EucrosiaUPC-BoldItalic EucrosiaUPC-Italic EucrosiaUPC-Light FreesiaUPC-Bold FreesiaUPC-BoldItalic FreesiaUPC-Italic FreesiaUPC-Light IrisUPC-Bold IrisUPC-BoldItalic IrisUPC-Italic IrisUPC-Light JasmineUPC-Bold JasmineUPC-BoldItalic JasmineUPC-Italic JasmineUPC-Light KodchiangUPC-Bold KodchiangUPC-BoldItalic KodchiangUPC-Italic KodchiangUPC-Light LilyUPC-Bold LilyUPC-BoldItalic LilyUPC-Italic LilyUPC-Light WaterlilyUPC-Bold WaterlilyUPC-BoldItalic WaterlilyUPC-Italic WaterlilyUPC-Light YuccaUPC-Bold YuccaUPC-BoldItalic YuccaUPC-Italic YuccaUPC-Light
Tru64 UNIX には,マルチバイト文字コードセットに基づく言語を扱えるように,次のコマンドとユーティリティの拡張バージョンが用意されています。
sendmail
mailx
MH (メール・ハンドラ)
この節では,これらのコンポーネントに加えられた拡張と,comsat
サーバが実行するコードセット変換について説明します。
これらのソフトウェアの詳細については,
sendmail
(8)mailx
(1)mh
(1)comsat
(8)1.8.1 sendmail ユーティリティ
複数のユーザ・コマンドのバックエンドとして機能する
sendmail
ユーティリティは,省略時構成で 8 ビット・データをサポートします。
マルチバイト文字のサポートには,8 ビット・データをサポートする構成が必須です。
8
ビット構成における制限事項については,
sendmail
(8)1.8.2 mailx コマンドと MH コマンド
mailx
コマンドと,MH システムで使用可能なすべてのコマンドは,メール交換コードセット (メッセージを一部のホストに転送するために使用する) と,ユーザのアプリケーション・コードセット間でのメール・メッセージの変換をサポートします。
たとえば,メール交換用のコードセットが ISO-2022-JP で,アプリケーション・コードセットが eucJP である場合,mailx
および
MH
コマンドは,着信メッセージを表示する前に,メッセージのコードセットを日本語 EUC に変換します。
データの紛失を避けるために,着信メッセージは,メール・フォルダに格納される際に,受信されたときのコードセットでエンコードされます。 コードセット変換は,ユーザがメッセージを読み出したり,表示したときに実行されます。
メール交換コード情報を他のシステムに送るために,発信メッセージには次のような 2 つのヘッダが含まれます。
Mime-Version: 1.0 Content-Type: TEXT/PLAIN; charset=ISO-2022-JP
上記の例の
charset
フィールドは,メール交換コードセット (上記の例では ISO-2022-JP) を指定します。
このコードセットは,日本語文字のための ISO 7 ビットの状態依存コードセットです。
ISO 規格に含まれていないコードセットには,コードセット名にプレフィックス
X-
が付けられます。
たとえば,DEC Hanyu がメール交換に使用されるコードセットであれば,次のヘッダ行が発信メール・メッセージに取り込まれます。
Mime-Version: 1.0 Content-Type: TEXT/PLAIN; charset=X-dechanyu
mailx
コマンドや
MH
コマンドは,アプリケーションのコードセットを判定し,着信メッセージおよび発信メッセージのメール交換コードセットを,ある値に基づいて設定します。
以下のリストに,これらのコマンドが使う値を,優先順位の高いものから順に示します。
アプリケーションのコードセットは,次のいずれかの情報から判定される。
着信メッセージに適用されるメール交換コードセットは,次のいずれかの情報から判定される。
ファイル
/usr/lib/mail-codesets
内で,メール交換用のシステム・レベルの省略時コードセットとして指定されているコードセット。
このファイルを作成するときは,ロケールの名前を唯一のエントリとして入力します。
上記の値がどちらも存在しない場合,コードセット変換は実行されません。
発信メッセージに適用されるメール交換コードセットは,次のいずれかの情報から判定される。
ファイル
$HOME/.mailrc
(mailx
ユーザの場合),あるいはファイル
$HOME/.mh_profile
(MH
コマンドのユーザの場合) で定義されている
excode
コンポーネントの設定。
発信メール交換用のコードセットが判定できない場合,メールはコードセット識別子なしで送信されます。
ユーザにメール・メッセージの着信を通知する
comsat
サーバは,常に着信メール・メッセージを,メール交換コードセットからユーザのアプリケーション・コードセットに変換しようとします。
次のリストに,comsat
サーバが,メール交換のコードセットとアプリケーションのコードセットの判定に使う値を示します (優先順位の高いものから順に示します)。
メール交換のコードセット値は,次のいずれかの情報から判定される。
ファイル
/usr/lib/mail-codesets
内で,メール交換用のシステム・レベルの省略時コードセットとして指定されているコードセット。
上記の値がどちらも存在しない場合,コードセット変換は実行されません。
アプリケーション・コードセット値は,次のいずれかの情報から判定される。
Tru64 UNIX では,国際化アプリケーションには一般的にオンライン・リファレンス・ページ (manpage) が用意されており,アプリケーションとそのコンポーネントの説明が記載されています。
Tru64 UNIX には拡張バージョンの
nroff
,tbl
,および
man
が含まれており,このリファレンス・ページの処理に使用されます。
nroff
コマンドと
tbl
コマンドは,リファレンス・ページを作成するために主にプログラマが使用するツールです。
これらのコマンドについては,『国際化ソフトウェア・プログラミング・ガイド』を参照してください。
man
コマンドは,リファレンス・ページをフォーマットして表示します。
また,リファレンス・ページ・ファイル内のマルチバイト文字を扱うことができます。
特に指定しなければ,man
コマンドは自動的に
/usr/share/locale_name
/man
ディレクトリでリファレンス・ページを検索してから,/usr/share/man
ディレクトリと
/usr/local/man
ディレクトリを検索します。
このため,インストールされているロケールが
LANG
環境変数に設定されていて,そのロケール用の翻訳されたリファレンス・ページが利用できる場合,man
コマンドは自動的に適切な言語でリファレンス・ページを表示します。
さらに,特定の言語用のリファレンス・ページの翻訳版が,ユーザのロケールのコードセットと合わないコードセットでエンコードされているときは,man
コマンドは自動的にコードセット変換を適用します (適切なコンバータが利用可能な場合)。
man
コマンドの検索パスの再設定や,コードセット変換の詳細については,
man
(1)1.10 コードセット間でのデータ・ファイルの変換
各ロケールは,特定のコードセットに基づいています。 そのため,あるコードセットでエンコードされているデータを含むファイルを使用するアプリケーションを,別のコードセットに基づくロケールで実行する場合には,文字の解釈が正しく行えないことがあります。 ユーザは,プロセス環境を特定のロケールに設定して,ロケールが基づくコードセットとは異なるコードセットで作成されたデータ・ファイルを使用しなければならない場合があります。 異なる言語環境や,ユーザのロケールとは異なるコードセットでデータ・ファイルが使用される例を,次に示します。
データ・ファイルが,ベンダ固有のコードセットに基づくロケールを使用して,ベンダのシステム上で作成されている場合。 たとえば,PC をエンタープライズ・コンピューティング環境に統合する際に,UNIX ユーザが,MS-DOS コードページ・フォーマットでエンコードされているデータ・ファイルを扱わなければならないことが多々あります。
ロケールが,日本語などの同じアジア系言語をサポートする複数の UNIX ロケールの 1 つである場合。 一般にアジア系言語は,それぞれ異なるコードセットに基づく複数のロケールでサポートされています。
データ・ファイルが,Unicode 変換フォーマット (UTF-8,UTF-16,または UTF-32) でエンコードされている場合。 データ・ファイル内の文字をプリントしたり,画面上に表示するのであれば,利用可能なフォントに対応するエンコーディングに文字を変換しなければなりません。
iconv
コマンドを使用すると,あるコードセットから別のコードセットへデータ・ファイルを変換できます。
次のような例について説明します。
% iconv -f SJIS -t eucJP accounts_local >> accounts_central
この
iconv
コマンドは,次の処理を実行します。
SJIS
コードセットで符号化されている
accounts_local
ファイル内のデータを読み取ります。
データを
eucJP
コードセットに変換します。
結果を
accounts_central
ファイルに追加します。
一方,アプリケーション・プログラマは,iconv_open()
,iconv()
,および
iconv_close()
関数を同じ目的で使うこともできます。
man
コマンドや国際化プリント・フィルタなどの多くのコマンドやユーティリティは,iconv()
関数やそれに対応するコンバータを使って,ユーザの代わりにコードセット変換を実行します。
国際化プログラム内で
iconv
やアルゴリズム/テーブル・コンバータを使用する方法についての詳細は,『国際化ソフトウェア・プログラミング・ガイド』と
iconv
(3)1.11 その他の基本システム・コマンド
従来の UNIX コマンドをローカル言語環境で使用する際の機能と制限事項を,以下に示します。
file
コマンドは,Unicode,つまり ISO 10646 フォーマット (16 ビットの UCS-2 または 32 ビットの UTF-32) でエンコードされたファイルを認識します。
その他のテキスト・ファイルは,文字のエンコーディングが現在設定されているロケールのコードセットで有効な場合に認識されます。
また,file
コマンドは別名
jfile
を持っています。
この別名を使用すると,現在のロケール設定に関係なく,日本語で最も一般的に使用されているエンコーディング (DEC Kanji,日本語 EUC,Shift JIS,および 7 ビット JIS) が認識されます。
詳細については,
file
(1)
rlogin
コマンドを使用して ULTRIX システムから Tru64 UNIX にログインするときは,必ず
-8
フラグを指定して,8 ビット・データをストリップせずに渡してください。
さもないと,端末から ASCII 文字を入力するときに問題が生じます。
リモート・システムにログインしている際に,大きなデータ・ファイルを表示するときは,pg
などのページャ・コマンドを使用してください。
Hold Screen キーは使わないでください。
-8
オプションはホストの端末モードを RAW に設定し,フロー制御を無効にします。
端末が対応できる以上の転送速度でデータを端末に送信した場合,Hold Screen キーを使用すると,データが一部失われます。
rlogin
に関するこの制限は,ULTRIX システムからログインする場合,または 8 ビット・データ・フォーマットを完全にはサポートしていない UNIX システムからログインする場合に適用されます。
オペレーティング・システムには,Free Software Foundation から提供されている多国語対応の Emacs ソフトウェア (Mule) が含まれています。
このエディタを使用する前に,プロセスの検索パスにディレクトリ
/usr/i18n/mule/bin
を追加しなければなりません。
ディレクトリを追加したら,mule
コマンドでエディタを呼び出せます。
vi
および
more
コマンドは,無効なマルチバイト文字の後に続くテキストを無視します。
この問題が発生したときは,表示または編集しているテキストに対して,ロケールが正しく設定されていない可能性があります。
その場合は,テキストに合ったロケールを設定し,コマンドを再実行してください。
タイ語環境で使用すると,vi
エディタは画面の右端の手前で行を折り返してしまうことがあります。
これは,タイ語テキストにノンスペーシング文字が含まれていることに起因しています。
ノンスペーシング文字は文字数に影響しますが,表示幅には影響しません。
エディタは,文字数に基づいて行を折り返します。
たとえば
vi
は,画面上に 80 カラム分の文字がない場合でも,80 文字入力されたときに行を折り返します。
ローカル言語のユーザ名とファイル名の使用
2 番目のバイトまたは後に続くバイトが ASCII のスラッシュ (/
) であるマルチバイト文字は,ファイルや,ユーザ,その他のオブジェクトの名前に使用できません。
これは,UNIX ファイル・システム上の制限です。
移植性に関する理由から,マルチバイト文字をオブジェクトの名前に使用するのは避けてください。