3    日本語入力システムの設定

Tru64 UNIX では,ウィンドウ環境における標準の日本語入力システムとして日本語入力サーバ dxjim を提供しています。また,オプションの日本語入力システムとして,VJE-Deltaおよび WX3 も提供しています。

3.1    dxjim

日本語入力サーバ dxjim は,X11R6 で採用された国際化入力方式である XIM に対応した日本語入力サーバです。

OSF/Motif V1.2.5 をベースにした Tru64 UNIX の日本語ウィンドウ環境では,XmText および DXmCSText ウィジェットで日本語入力ができます。

日本語入力を行うには,アプリケーションが表示されるディスプレイ・サーバ上にあらかじめ dxjim が起動されている必要があります。

本バージョンの dxjim は,従来の DECXim プロトコルに加えて,X11R6 で業界標準となった R6 XIM プロトコルをサポートしています。

3.1.1    dxjim の起動

セッション・マネージャや各アプリケーションで日本語入力を行うには,それらを表示しているディスプレイ上で日本語入力サーバが動作している必要があります。

1 つの日本語入力サーバが同一ディスプレイ上の複数のアプリケーションに対して日本語入力機能を提供します。この場合,リモート・ノードからネットワークを経由して同一ディスプレイに表示されているアプリケーションも日本語入力サーバによる日本語入力を受けることができます。

dxjim の起動は,CDE のログイン画面から日本語を選択してログインすることにより自動的に行われます。また,以下のコマンドで明示的に起動することもできます。

% /usr/bin/X11/dxjim &
 

3.1.2    dxjim による日本語入力の概要

dxjim が動作しているディスプレイでアプリケーションを起動し,文字入力領域にフォーカスをあてると,dxjim のタイトルが入力スタイルを表示するよう変化します。この状態で,日本語入力が可能です。dxjim は on-the-spot,over-the-spot,root-window の 3 つの入力スタイルをサポートしており,省略時のスタイルは over-the-spot です。dxjim の使用方法については 第 7 章 を参照してください。

3.2    VJE-Delta

VJE-Delta for Tru64 UNIX は,PC 上の FEP として実績のある VJE-Delta [脚注 8] のベース機能を X Window System 上の入力サーバとして Tru64 UNIX 上に実装したものです。Tru64 UNIX 上で動作するアプリケーションに,日本語入力変換サービスを提供するための IM (インプット・メソッド)です。

VJE-Delta のキットは,Tru64 UNIX のインストレーション・キットに含まれている「日本語入力システム VJE-Delta」CD-ROM で提供されています。インストレーションおよび使用方法については,VJE-Delta のユーザーズ・ガイドを参照してください。

3.3    WX3

WX3 for Tru64 UNIX は,PC 上の FEP として実績のある WX3を X Window System 上の日本語入力サーバとして日本語 Tru64 UNIX 上に実装したものです。

WX3 for Tru64 UNIX をご使用いただくためには,オペレーティング・システムとは別のライセンスが必要になります。

WX3 のキットは「日本語入力システム WX3」CD-ROM で提供されています。インストレーションおよび使用方法については,『WX3 for DIGITAL UNIX ユーザーズ・ガイド』を参照してください。