pddelete - プリント・オブジェクトを削除します。
4.2 形式
pddelete [-c class_name]
[-m message_text][-x extended_attribute_string...]
[-X attribute_filename...]object_instance...
次のコマンドで pddelete のヘルプが表示されます。
pddelete -h
pddelete ユーティリティは,プリンタ,ジョブ,キュー,初期値ジョブ,初期値ドキュメント,およびサーバを削除します。このユーティリティを使用する際には,以下の点に注意してください。
複数のオブジェクトを指定する場合は,すべてクラスが同じでなければなりません。
指定したオブジェクトは,オブジェクト・データベースから削除されます。
オブジェクト・エントリは,NIS 環境を除いて,Name Service から自動的に削除されます。NIS 環境では,管理者がネーム・サービス・データベースからオブジェクトを手動で削除し,そのドメインで動作している NIS サーバを更新する必要があります。
削除するオブジェクトが論理プリンタの場合は,次の点に注意してください。
削除する前にそのプリンタを使用不能にする必要があります。
関連する物理プリンタの printer-associated-printers 属性が更新されます。
関連するサーバおよびキューの logical-printers-supported 属性が更新されます。
削除するオブジェクトが物理プリンタの場合は,次の点に注意してください。
プリンタを使用不能にする必要があります。
現在アクティブなジョブをすべて削除する必要があります。
スーパバイザ,スプーラ,およびキューの physical-printers-supported 属性が更新されます。
関連する論理プリンタの printer-associated-printers 属性が更新されます。
削除するプリンタが,キューに関連付けられた唯一の物理プリンタである場合,スプーラは,そのキューに別の物理プリンタが関連付けられるまで,そのキューに対するジョブのスケジューリングを停止します。
削除するオブジェクトがスプーラの場合は,次の点に注意してください。
スプーラを使用不能にする必要があります。
現在スプーラにあるジョブをすべて削除する必要があります。
関連するサーバ・オブジェクト (キュー,論理プリンタ,初期値ジョブ,初期値ドキュメント,およびスプーラ自体) がすべて削除されます。
スーパバイザは,そのスプーラに関連付けられたすべての物理プリンタの associated-queue 属性および printer-associated-printers 属性を空値に設定します。
サーバが終了します。
削除するオブジェクトがスーパバイザの場合は,次の点に注意してください。
スーパバイザを使用不能にする必要があります。
現在スーパバイザにあるジョブをすべて削除する必要があります。
物理プリンタごとに unregister-printer イベントがスプーラに通知されます。スプーラは,そのプリンタを,対応するすべての属性から削除し,影響を受けるキューおよび論理プリンタを更新します。
物理プリンタがすべて削除されます。
一時ジョブ・データ・ファイル,オブジェクト・データ・ファイルなど,スプーラが作成および保守を行う動的データ・ファイルがすべて削除されます。
スーパバイザが終了します。
削除するオブジェクトがジョブの場合は,次の点に注意してください。
指定したジョブ,およびジョブ内のすべてのドキュメントがその状態にかかわらず削除されます。
指定したジョブが既にスーパバイザに送信済みの場合,そのジョブは取り消され,ジョブの印刷処理は直ちに停止します。
job-retention-period 属性の値は無視されます。この属性の値が有効な pdrm とはこの点で異なります。
ジョブがシステムから削除されます。
削除するオブジェクトがキューの場合は,次の点に注意してください。
キューを使用不能にする必要があります。
キューからすべてのジョブを削除する必要があります。
キューに関連するすべてのプリンタ (論理,物理とも) が更新されます。プリンタ属性 associated-queue, printer-associated-printers,および printers-ready が空値に設定されます。
関連するプリンタがすべて使用不能になります。
スプーラの queues-supported 属性からそのキューが削除されます。
削除するキューのエントリが,NIS NameSpace から削除されます。
削除するオブジェクトが初期値ジョブの場合は,次の点に注意してください。
object_instance でスプーラ名を省略すると,オブジェクトは省略時のスプーラから削除されます。
オブジェクトは,論理プリンタの printer-initial-value-job 属性からは削除されません。
削除するオブジェクトが初期値ドキュメントの場合は,次の点に注意してください。
object_instance でスプーラ名を省略すると,オブジェクトは省略時のスプーラから削除されます。
オブジェクトは,論理プリンタの printer-initial-value-document 属性からは削除されません。
管理者
pddelete でサポートされるオプションは以下のとおりです。
4.4.1 -c class_name
削除するオブジェクトのクラス,つまりタイプを指定します。
class_name には次の値を指定できます。
printer (省略時の値)
job
queue
initial-value-document
initial-value-job
server
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
class type=class_name
value
4.4.2 -m message_text
削除するオブジェクトについてのメッセージを設定します。たとえば,プリンタを削除する場合,次のようなメッセージを付加できます。
-m "Printer1 no longer available."
-x extended-attributes-string オプション,または -X attribute_filename オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
プリンタ,キュー,サーバ,初期値ジョブ,または初期値ドキュメントでは,次のように指定します。
message=message_text
ジョブでは,次のように指定します。
job-message-from-administrator=message_text
たとえば,次のようになります。
-x "message='Printer1 no longer available.'"
このタイプのメッセージを取得するには,対象のオブジェクトに対し,次のオプションを指定した pdls ユーティリティを実行します。
-r message
4.4.3 -x extended_attribute_string
pddelete ユーティリティで処理するコマンド行に一連の attribute_type=value の組を指定するのに使用します。
-x オプションではオブジェクト属性は使用できません。
次のコマンド属性を指定できます。
attributes
class
message (メッセージはオブジェクトと共に削除されます)
ユーティリティが読み取る属性ファイルを指定します。pddelete ユーティリティを実行すると,このオプションのコマンド行中の記述位置でファイル内の属性データが処理され,-x オプションで直接指定した場合と同じ結果になります。
-X オプションではオブジェクト属性は使用できません。使用できるコマンド属性については,-x オプションを参照してください。
オペランド object_instance の値は,-c class_name オプション,または class=class_name 属性の値に基づいて指定します。
メモ
オブジェクトを削除する前に,セットアップおよび初期化のすべての要件を文書化できるよう,そのオブジェクトと関連のあるすべてのオブジェクトのレポートを作成してください。削除したオブジェクトの再作成が必要になったときに役立ちます。
クラスが printer の場合,printer_name には削除するプリンタの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。論理プリンタまたは物理プリンタのいずれでも削除できます。
クラスが server の場合,server_name には削除するサーバの名前を指定します。削除するサーバとして,スーパバイザまたはスプーラを指定できます。最初の server_name は省略可能です。
クラスが job の場合,job_id には削除するジョブを指し示す一意の識別子を指定します。server_name を省略すると,削除要求は省略時のスプーラに送信されます。
クラスが queue の場合,queue_name には削除するキューの名前を指定します。server_name を省略すると,削除要求は省略時のスプーラに送信されます。
クラスが initial-value-job の場合,ivjob_name には削除する初期値ジョブ・オブジェクトの名前を指定します。server_name を省略すると,削除要求は省略時のスプーラに送信されます。
クラスが initial-value-document の場合,ivdoc_name には削除する初期値ドキュメント・オブジェクトの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。
pddelete ユーティリティを使用して,NameSpace から sams-printer という名前のプリンタを検索して,削除します。-c class_name オプションの省略時の値は printer であるため,-c オプションは不要です。
pddelete sams-printer
big-spooler から ivj1 という名前の初期値ジョブを削除します。
pddelete -c initial-value-job big-spooler:ivj1
省略時のスプーラから centralq という名前のキューを削除します。
pddelete -c queue centralq