pdsplr - プリンタ・スプーラ・デーモンです。
22.2 形式
pdsplr [-a] [-c] [-F] [-e email-address]
[-d ODB-database-directory] spooler-name
次のコマンドで pdsplr のヘルプが表示されます。
pdsplr -h
pdsplr デーモンは,スプーラ・サービスを行うサーバ・プロセスです。
スプーラ・プロセスには,ユーザがプリント・ジョブを実行する際に直接の対話相手となる論理プリンタが格納されます。さらに,スプーラには,着信ジョブの保持領域となるキューが定義されます。スプーラからジョブとプリンタの監視や管理を行うこともできます。実行されたジョブが,正常終了,取消し,強制終了のいずれかによって終了すると,スプーラは,ジョブ課金情報をログ・ファイルに書き込みます。
22.4 オプション
pdsplr でサポートされるオプション,関連する引数,および属性は以下のとおりです。
22.4.1 -a
破損している可能性のあるデータベースを使用してサーバがスタートアップすることを防ぐために,サーバ・オブジェクトの属性値が正しいかどうかをチェックするよう管理者に要求します。
-a スイッチは,クラッシュ回復の手順として,サーバでオブジェクト・データベースを修復する必要が生じた後に,サーバをスタートアップする場合にのみ必要なパラメータです。
22.4.2 -c
通常のシャットダウン後のスタートアップ時に,データベースの完全性チェックを強制実行します。
22.4.3 -F
フォアグラウンドで実行します。省略時の設定では,スーパバイザ・プロセスはバックグラウンドで実行されます。
22.4.4 -e email-address
スーパバイザでスタートアップ・エラーが発生した場合に使用する電子メール・アドレスを指定します。
スーパバイザでは,エラーを
/var/syslog
ファイルに記録すると共に,指定したアドレスにエラー・メッセージのコピーを送信します。
電子メールによるエラー・メッセージの例を次に示します。
From root@ithaca.gov (0000-Admin (0000))
Date: Wed, 7 Oct 1998 14:24:04 -0700
To: telemachus@ithaca.gov
Subject: Printer Startup Failure
Sender: Printer@ithaca.gov
Error starting print server "odysseus" on "winedarksea"
due to the following:
pdsplr: database does not exist: ./odysseus
22.4.5 -d ODB-database-directory
スーパバイザの ODB データベースの場所を指定します。
-d オプションを省略すると,スーパバイザは
/var/pd/odb
でデータベース・ファイルを検索します。
ODB-database-directory パラメータには,データベース・ファイル名を含めないでください。スーパバイザ・データベース・ファイルの名前は,pdsplr の supervisor-name 引数で指定します。
このオプションは,pdmakedb 操作で,-d オプションを使用して標準以外の場所にスーパバイザ・データベースを作成した場合にのみ必要です。
22.5 使用例
ODB データベースの場所は省略時の場所,エラー時の電子メール通知はなしという設定で,"odysseus_spl" という名前のスーパバイザを起動します。
/usr/pd/lib/pdsplr odysseus_spl
ODB データベースの場所として
/usr/local/odb
ディレクトリを指定して,"odysseus_spl" という名前のスーパバイザを起動します。
/usr/pd/lib/pdsplr -d /usr/local/odb odysseus_spl
"odysseus_spl" という名前のスーパバイザを起動し,スタートアップ時にエラーが発生した場合は,"telemachus" というユーザ宛に電子メール・メッセージを送信することを指定します。
/usr/pd/lib/pdsplr -e telemachus@ithaca.gov odysseus_spl