8    pdls

8.1    名称

pdls - プリント・オブジェクトの属性を表示します。

8.2    形式

pdls [-c class_name]
[-f filter text] [-F] [-g] [-r requested_attributes]
[-s style_name][-x extended_attribute_string...]
[-X attribute_filename...][object_instance...]

次のコマンドで pdls のヘルプが表示されます。

pdls -h

8.3    機能説明

pdls ユーティリティは,オブジェクトの属性と値を表示します。pdls では,以下のものの属性を表示できます。

アクセス・レベル

エンド・ユーザ。他のユーザに属するジョブの情報を表示するには,権限が必要です。ユーザが適切なアクセス制御レベルを持つサーバ上のオブジェクトに関する情報のみが標準出力に表示されます。

8.4    オプション

pdls でサポートされるオプション,関連する引数,および属性は以下のとおりです。

8.4.1    -c class_name

属性を標準出力に書き込むオブジェクトのクラス,つまりタイプを指定します。

引数

class_name には次の値を指定できます。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

class=class_name

8.4.2    -f filter text

フィルタでは,オブジェクト値のグループのサブセットを定義する条件テンプレートを,論理式またはテキスト文字列の形で指定できます。pdls ユーティリティは,指定されたフィルタ式に合致するオブジェクト値だけを出力します。

省略時の値

フィルタ・テキストの省略時の値はオブジェクト・クラスによって決まり,以下のいずれかになります。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

filter=filter_text

8.4.3    -F

-f filter_text オプションが指定されていない場合の省略時のフィルタリングを含め,すべてのフィルタリングを無効にします。

-F オプションは,コマンド行に指定されたすべての -f filter_text オプションに優先します。

8.4.4    -g

カラム見出しの出力を抑制します。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

headings=no

8.4.5    -r requested_attributes

pdls によって,指定した属性を含む属性レポートを生成し,書き込みます。

引数

requested_attributes には次の値を指定できます。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

requested-attributes=requested_attributes

8.4.6    -s style_name

-r requested_attributes オプションで要求された出力の書式を定義します。

引数

style_name には次の値を指定できます。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

style=style_name

8.4.7    -x extended_attribute_string

pdls ユーティリティで処理するコマンド行に一連の attribute_type=value の組を指定するのに使用します。

属性

-x オプションではオブジェクト属性は使用できません。

次のコマンド属性を指定できます。

8.4.8    -X attribute_filename

ユーティリティが読み取る属性ファイルを指定します。pdls ユーティリティを実行すると,このオプションのコマンド行中の記述位置でファイル内の属性データが処理され,-x オプションで直接指定した場合と同じ結果になります。

属性

-X オプションではオブジェクト属性は使用できません。使用できるコマンド属性については,-x オプションを参照してください。

8.5    オペランド

オペランド object_instance の値は,-c class_name オプション,または class=class_name 属性の値に基づいて指定します。

[server_name:][job_id]

class_name=job の場合,ジョブの属性のうち要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。これが省略時の値です。job_id の値は,対象のジョブの一意の識別子です。たとえば,

big-spooler:120.2 

は,big-spooler というサーバ上の 120 という識別子を持つジョブを指します。

[server_name:][job_id.doc_int]

class_name=document の場合,job_id.doc_int で指定されたドキュメントの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。ドキュメント識別子 (doc_int) は,ドキュメントのジョブ内での位置を表す数字です。たとえば,

big-spooler:120.2 

は,big-spooler というサーバ上の 120 という識別子を持つジョブにある,2 番目のドキュメントを指します。

[server_name:][ivdoc_name]

class_name=initial-value-document の場合,ivdoc_name で指定された初期値ドキュメントの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。

[server_name:][ivjob_name]

class_name=initial-value-job の場合,ivjob_name で指定された初期値ジョブの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。

[server_name:][printer_name]

class_name=printer の場合,printer_name で指定されたプリンタの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。

[server_name:][queue_name]

class_name=queue の場合,queue_name で指定されたキューの属性のうち要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。

[server_name:...]

class_name=server の場合,server_name で指定されたスプーラまたはスーパバイザの属性のうち,要求されたもの (-r requested_attributes) が表示されます。

8.6    使用例

  1. PDPRINTER 環境変数に指定された省略時のサーバ (省略時の論理プリンタのホストとなるサーバ) 上の当該ユーザに属するすべてのジョブを表示します。

    pdls

  2. PDPRINTER 環境変数に指定された省略時のサーバ (省略時の論理プリンタのホストとなるサーバ) 上の全ユーザのジョブをすべて表示します。

    pdls -F

  3. PDPRINTER 環境変数に指定されたプリンタを保持するスプーラ・サーバ上のすべてのキューを表示します。

    pdls -c queue

  4. LP1PP2 という 2 つのプリンタの属性を表示します。

    pdls -c printer LP1 PP2

  5. job3 のジョブ属性およびドキュメント属性を表示します。

    pdls -c job -x "scope=1" spooler1:job3