デバイスをインストールして構成するために必要な情報のほとんどは,デバイスに添付されているオーナーズ・マニュアルに記載されています。オーナーズ・マニュアルには,デバイスのインストール手順のほか,Tru64 UNIX オペレーティング・システムのリリースに対応する特別な構成要件や使用上の制限事項などが指定されています。この情報に関しては多くの場合,オペレーティング・システムのリリースごとの『リリース・ノート』に追加の情報が記載されています。
『リリース・ノート』には,デバイスの使用にあたって知っておくべき既知の問題や一時的な制限についての説明があります。本章では,構成オプション,永続的な構成上の要件,使用上の制限事項に関する情報を提供し,次の項目について取り上げます。
注意
本章では,特定のデバイス・オプションとオペレーティング・システム・オプションの構成方法を説明します。これらのデバイスには,プラットフォーム依存のものもあります。 つまり,デバイスが特定のプロセッサ・モデルだけでサポートされているということです。同様に,オペレーティング・システム機能の中には,特定のプロセッサ・モデルだけで利用できるものがあります。これら以外のオペレーティング・システム・オプションについては,構成によって異なります。詳しくは,システムのハードウェア・ドキュメントを参照してください。
新しいオプションを追加したり,システムのハードウェアを変更したりするときは,『インストレーション・ガイド』および,ハードウェアまたはファームウェアのドキュメントの指示に従ってください。ただし,新しいオプションがオペレーティング・システムの最新のバージョンだけでサポートされている場合には,次の手順でアップグレードを実施します。
オペレーティング・システム・ソフトウェアをアップデートします。
ファームウェアをアップグレードします。
ハードウェアをアップグレードするか,新しいオプションをインストールします。
Tru64 UNIX 『インストレーション・ガイド』の指示に従ってシステム・カーネルを再構築します。
この節では,Tru64 UNIX においてストレージ・デバイスおよびストレージ・アレイを構成し,管理する方法について具体的な情報を提供します。以下の項目について取り上げます。
パラレル・スキャニング。大規模なストレージ構成でも短い時間でブートできるようにする機能です (7.1.1 項)
コンソール・レベルのマルチパス・サポートに関する制限事項 (7.1.2 項)
クラッシュ・ダンプを得るためにブート・デバイスとスワップ・デバイスを正しく指定するファイバ・チャネル・システムの構成 (7.1.3 項)
ディスクを RAID アレイから取り外したときに,そのディスク・ラベルを利用できるようにする方法 (7.1.4 項)
故障した HSZ40 コントローラと HSZ50 コントローラの交換方法 (7.1.5 項)
故障した HSZ70 コントローラの交換方法 (7.1.6 項)
HSZ80 コントローラと HSG80 コントローラの下のディスク上にある永続的予約をクリアする方法 (7.1.7 項)
フロッピィ・ディスク・ドライブの代わりに CD 書き込みドライブを使用することに関する制限事項 (7.1.8 項)
UFS フォーマットまたは DOS フォーマットのフロッピィを使えるようにフロッピィ・ディスク・ドライブを構成する方法 (7.1.9 項)
注意
HSZ コントローラまたは HSG コントローラを管理するには,SWCC (StorageWorks Command Console) Version 2.3 以上を使う必要があります。Version 2.3 以前のバージョンは,Tru64 UNIX Version 5.0 以上ではサポートされていません。
HSZ シリーズの一部のコントローラは,Tru64 UNIX Version 5.1B から利用できなくなりました。廃止されたハードウェア・オプションについては,『リリース・ノート』を参照してください。
パラレル・スキャニングは,Tru64 UNIX Version 5.1B の新しい機能で,システムの起動時間を短縮することを目的としています。システム構成の省略時の設定では,パラレル・スキャニングは無効になっています。この機能を有効にするには,この節で後述するように,ある構成変数の値を設定する必要があります。
SCSI バスとファイバ・チャネル・バスのパラレル・スキャニングを有効にすると,システムはすべてのバスのスキャンを (順番にではなく) 同時に開始します。これによって,デバイスを検出する時間が短縮されます。これによって,ストレージ・デバイスがある程度の量または大量に接続されているシステムでは,ブートの時間を大幅に短縮できることがあります。
ただし,パラレル・スキャニングは新しく追加されるデバイスに対するデバイス名の割り当てに影響を与えます。スキャンによってバスが同時並列に照会されるため,新しいデバイスに割り当てられる名前は順番が無作為になります。システムは,スキャンのときにデバイスを検出した順番に従ってデバイス名を生成します。
たとえば,ストレージ・アレイに
/dev/disk/dsk8
から
/dev/disk/dsk32
までの名前が付いているディスクがあったとします。そこに新しいデバイスを追加すると,スキャンによって検出されるタイミングによっては,そのデバイスに
/dev/disk/dsk159
というデバイス名が付きます。これが問題になるのは,ストレージ構成のデバイスに順番に名前を与えたい場合だけです。
したがって,デバイス名を特定の順番にしておく必要があるなら,システムが新しく追加されたデバイスをスキャンする前に,パラレル・スキャニングを無効にしておく必要があります。パラレル・スキャニングを有効または無効にする方法はいくつかあります。設定の内容は,設定の方法に応じて,再設定するまで,またはシステムをリブートするまで有効です。パラレル・スキャニングを一時的に有効または無効にするには,次の手順に従います。
システムをシャットダウンします。
シャットダウンのオプションについては,『システム管理ガイド』と
shutdown
(8)
新しいホスト・バス・アダプタと新しいデバイスをインストールします。
次のコマンドを使ってシステムを対話的にリブートします。
P0>>> boot -flag ai UNIX boot - Friday December 15, 2000 Enter: <kernel_name> [option_1 ... option_n] or: ls [name][help] or: quit to return to console Press Return to boot vmunix
システムが対話プロンプト (#
) を表示します。
次のコマンドを使ってパラレル・スキャニングを (このブートだけで) 無効にします。
# vmunix io:parallel_edt_scan=0
システムが起動していて稼動中の場合,次のコマンドを使ってパラレル・スキャニングを無効にできます。
# sysconfig -r io_parallel_edt_scan=0
システムが起動していて,特定のバス・イベント (バス・リセットなど) をより高速に処理させたければ,次のコマンドを使ってパラレル・スキャニングを有効にします。
# # sysconfig -r io parallel_edt_scan=1
パラレル・スキャニングを永続的に有効にするには (つまり,システムのブートがあっても設定が維持される),sysconfigdb
コマンドか
dxkerneltuner
ユーティリティを使います。次の手順に従ってください。
root ユーザになって,次の
io
サブシステム・スタンザ・ファイルを作成します。
io:parallel_edt_scan=1
このファイルを
parallel.stanza
という名前にします。io
スタンザ・ファイルがすでにある場合には,新しいファイルを作成せずに,既存のファイルに前記の行を追加します。
次のコマンドを使って,io
サブシステムに対応する既存のエントリがないか確認します。
# sysconfigdb -l io
この手順の結果に応じて,手順 3 で使用するコマンド・オプション (-a
または
-u
) が決まります。
次のいずれかのコマンドを使ってパラレル・スキャニングを構成します。
ターゲット・ファイルにエントリを追加するには,次のコマンドを使います。
# sysconfigdb -a -f parallel.stanza io
既存の
io
サブシステム・エントリを,スタンザに指定されているサブシステム・エントリと置き換えるには,次のコマンドを使います。
# sysconfigdb -u -f parallel.stanza io
7.1.2 コンソール・レベルのマルチパス・サポートに関する制限事項
AlphaServer 1000,AlphaServer 1000A,および AlphaServer 2x00 の各システムのコンソール・ファームウェアは,複数バスによるフェールオーバ・モードが有効になっている HSZ70,HSZ80,または HSG80 RAID Array コントローラのストレージ・ユニットについては,複数のブート・デバイスまたはダンプ・デバイスの選択をサポートしていません。
コンソールは,ブート元またはダンプ先のストレージ・ユニットへの可視のパスがなければなりません。複数バスによるフェールオーバ・モードによって,コントローラが別のコントローラにフェールオーバした場合,故障したコントローラのサービスを受けていたデバイスはすべて,代替パスを通じてのみ可視となります。したがって,システムをブートする前に,コンソール環境変数
bootdef_dev
を,ブート・デバイスに可視のパスに設定してください。
オペレーティング・システムのブートが完了すると,マルチパス・サポートが完全に利用できる状態となります。
7.1.3 ファイバ・チャネルのダンプの構成
システムの構成にファイバ・チャネル・デバイスが含まれている場合には,オペレーティング・システムで定義されているブート・ディスクとスワップ・ディスクの WWID (ワールドワイド識別子) を使ってそのコンソール・ポートを構成する必要があります。この構成は,クラッシュ・ダンプを可能にするために必要です。
システムの要件と構成設定については,次の手順で示します。
システムには,最低 1.25 GB から物理メモリの 2 倍のサイズまでに構成されたスワップ領域が必要です。たとえば,物理メモリが 4GB なら,ディスク上のスワップ領域は最低 5GB とします。スワップ・パーティションの追加とスワップ領域の構成方法については,『システム管理ガイド』を参照してください。
ブート・デバイスとスワップ・デバイスはすべて,4 つのコンソール・ポートのどれかを使うように構成する必要があります。各ブート・デバイスまたはスワップ・デバイスのコンソール WWID 番号が,次の手順に従って表示される WWID 番号に一致することを確認します。
次のように
consvar
コマンドを使って,コンソール・ポート (Nn) と WWIDn
のマッピングを調べます。
# consvar -g N1 # consvar -g wwid0
4 つのポートと WWID 値のすべてについて,このコマンドを繰り返します。
ファイバ・チャネルの各ブート・デバイスとスワップ・デバイスのデバイス名を探します (dev/disk/dsk
N)。それは,/etc/fstab
ファイルを調べ,AdvFS ルート・ドメインについては
showfdmn
を使い,スワップ・デバイスについては
swapon -s
コマンドを使います。
または,『システム管理ガイド』の説明に従って SysMan Station を使います。
ファイバ・チャネルの各ブート・デバイスとスワップ・デバイスのハードウェア識別子 (HWID) を探すには,前の手順で取得したデバイス名を使います。たとえば次のようにします。
# /sbin/hwmgr view devices | grep devname
ファイバ・チャネルの各ブート・デバイスとスワップ・デバイスの WWID を取得するには,それぞれの HWID を指定して次のコマンドを実行します。
# /sbin/hwmgr show scsi -id HWID -full
ファイバ・チャネルの各ブート・デバイスとスワップ・デバイスについて,hwid
コマンドによって表示される WWID がコンソール・ポートにマップされている WWID に一致することを確認します。
デバイスの WWID とコンソール・ポートの WWID が一致しなければ,次の手順に従います。
次のコマンドを使用して,システムをシャットダウンし停止します。
# /sbin/shutdown +5 "system going down for console reconfiguration"
wwidmgr
ユーティリティを『Wwidmgr Users Manual』の説明に従って使って,コンソールの WWID の設定をデバイスの WWID に一致させる。このマニュアルは,システムの Firmware CD-ROM の
../documentation
ディレクトリにあります。
新しい LSM ユニットを RAID アレイに構築したとき,または,RAID アレイの 1 つ以上のディスクをホスト・バス・アダプタに直結したとき,ディスクのラベルが使用できない状態の場合があります。これによって,ディスクの新しいブロック・ゼロが,以前のユニットの旧ブロック・ゼロと同じブロックになることがあります。システムは,この不完全なラベルが,ディスクの領域をはみ出していても,有効なものとして扱ってしまいます。ディスク・ラベルを修正するには,次の手順を実行します。
ディスク・ラベルを修正するには,次の手順を実行します。
# disklabel -z dsk
NN
新しい省略時のラベルを作成するか,プロト・ファイルに基づいて事前構成されたラベルを適用するには,次のいずれかのコマンドを使います。
# disklabel -rwn dskNN # # disklabel -Rr dskNN PROTOFILE
7.1.5 故障した HSZ40 コントローラと HSZ50 コントローラの交換
本節では,次のデュアル・ユニット・モデルの故障したデュアル冗長コントローラを交換する方法を説明します。
HSZ40 と HSZ50。シングル・フェールオーバ・モードまたは透過フェールオーバ・モードのどちらでも可能。ただし,マルチバス・モードは不可です。
HSZ70。シングル,透過,マルチバスの各フェールオーバ・モードが可能。デュアル冗長構成でない構成に場合には,シングル・スピンドル・ディスクの場合の手順に従います。
コントローラが故障したら,次の手順に従って故障したコンポーネントを交換して,構成を再スタートします。
注意
HSOF コマンドについて,コントローラのドキュメントにいくつかの注意書きが記載されています。データ喪失のリスクを避けるために,先に進む前に次の CLI コマンドをよく理解してください。
SET FAILOVER COPY=configuration-source
SET NOFAILOVER
SET MULTIBUS_FAILOVER COPY=configuration-source
Tru64 UNIX オペレーティング・システムが,コンソール・プロンプト (P0>>>
) を表示している状態でないことを確認します。表示されている場合には,次の手順に進む前にシングル・ユーザ・モードにシステムをブートします。
正常な (機能する) コントローラで,HSOF CLI を使って,故障したコントローラを停止します。
HSZnn>
set nofailover
故障したコントローラが停止したことを確認するために,緑色に光る状態表示 LED が点滅していないことを確認します。
ハードウェアのドキュメントの説明に従って,故障したコントローラを物理的に取り外します。
UNIX のコマンド・プロンプトに対して,次のコマンドを入力します。
#
/sbin/hwmgr scan scsi -bus N
-scan
オプションは,非同期処理を指示します。このコマンドを実行すると,すぐにプロンプトに戻りますが,特にシステムに多数のデバイスが接続されている場合には,スキャンがカーネルの中で実行を続けている場合があります。故障デバイスの検出されたかどうかを知るには,次のように Event Manager (EVM)
evmwatch
コマンドを使ってハードウェア・イベントを監視します。
#
evmwatch -A -f '[name sys.unix.hw.*]'
テープ・デバイスが接続されていると,スキャンが終了するまで時間がかかる場合があります。スキャンの対象となるバスを指定するには,-bus
修飾子を使います。次のコマンドの出力の中で,場所を示すフィールドを調べて正しいバス番号を確認します。
#
hwmgr view devices
HSZ ユニットがデュアル構成からシングル構成に移行する様子が表示されます。
ハードウェアのドキュメントに従って,交換用のコントローラをインストールします。
ハードウェアのドキュメントに従って,交換用のコントローラを開始します。
手順 4 に示した
hwmgr -scan scsi
コマンドを再度実行します。
正常なコントローラで,次のいずれかの HSOF CLI コマンドを入力して,コントローラを適切なフェールオーバ・モードでデュアル冗長構成に戻します。
>
set failover copy=this
>
set multibus_failover copy=this
HSZ ユニットがシングル構成からデュアル構成に移行することを示すメッセージが表示されれば,操作は正常に行われました。
7.1.6 故障した HSZ70 コントローラの交換
環境によっては,非常に厳密な回復手順または故障手順が要求され,システムが I/O パスを回復できないとき,HSZ70 コントローラが非常に短い時間でフェールオーバしなければならないことがあります。しかし,故障したコントローラの置き換えなど,稼動中の構成を変更したい場合には,この短いフェールオーバ時間が問題を引き起こすことがあります。回復手順または故障手順の制限を避けて,システムが障害回復にかける時間を長くするには,一時的にあるシステム構成パラメータを設定します。
次の点に注意してください。
透過フェールオーバ構成では,回復または故障の状態になる運用モードに置くことはできません。回復モードまたは故障モードは,マルチバス構成にのみ適用されます。HSZ70 コントローラはこのマルチバス構成をサポートします。HSZ80 コントローラもマルチバス構成をサポートしますが,回復時間の短さの影響を受けません。
HSZ40 と HSZ50 コントローラは,シングル・フェールオーバ・モードまたは透過フェールオーバ・モードの場合にのみ構成できます。したがって,HSZ40 と HSZ50 コントローラは,回復時間の短さの影響を受けません。コントローラの構成手順については,7.1.5 項 などに記載されている一般の手順に従ってください。
次の手順は,マルチバス・フェールオーバ・モードの HSZ70 コントローラを交換するために一時的に回復時間を再設定する方法を示します。交換する HSZ70 コントローラのペアに対するシステム I/O が非常に多いときにコントローラの交換を行うと,デバイスのファントム・エントリができてしまうことがあります。これを避けるには,コントローラのペアに対する I/O を減らすか完全になくしてからコントローラを交換します (コントローラのポート静止ボタンについては,HSZ70 のハードウェア・ドキュメントを参照してください)。
注意
コントローラのコマンド行インタフェース (HSOF) に関するドキュメントに,データの喪失についていくつかの警告が記載されています。データ喪失のリスクを避けるために,先に進む前に次の HSOF コマンドをよく理解してください。
SET FAILOVER COPY
=configuration-source
SET NOFAILOVER
SET MULTIBUS_FAILOVER COPY
=configuration-source
Tru64 UNIX のシステム・プロンプトで,移行の手順の間だけ,もう一方の回復時間の設定にしておくために,次のコマンドを入力して切り替えを行います。
# /sbin/sysconfig -r cam_disk rec_use_alt_params=1
次のコマンドを実行して,EVM (Event Manager) のバックグラウンド・タスクを設定して,ハードウェア・イベントを監視します。
# evmwatch -A -f '[name sys.unix.hw.*]' 6771
このタスクによって,後述の手順で
hwmgr
コマンドの結果として生成されるハードウェア・イベントが表示されます。タスクに割り当てられたプロセス ID を記録しておきます。上の例では,6771
です。
正常な (機能する) コントローラで,HSOF CLI を使って,故障したコントローラを停止します。
HSZ70> set nofailover
緑色に光る状態表示 LED が点滅していなければ,故障したコントローラは停止しており,次の手順に進むことができます。
ハードウェアのドキュメントの説明に従って,故障したコントローラを物理的に取り外します。
Tru64 UNIX のシステム・プロンプトに対して,次のコマンドを入力します。
# /sbin/hwmgr scan scsi
コンソールには,HSZ70 コントローラがデュアル構成からシングル構成に移行する様子を示すメッセージが表示されます。
scan
オプションは,非同期処理を指示します。このコマンドを実行すると,すぐにプロンプトに戻りますが,特にシステムに多数のデバイスが接続されている場合には,スキャンがカーネルの中で実行を続けている場合があります。バックグラウンドで動作中の EVM タスクは,交換用コントローラの登録に関係するメッセージがあれば表示します。
スキャンが可能な限り短時間で終わるようにするには,hwmgr
コマンドを使ってコントローラが接続されているバスを調べ,そのバスだけを対象とするスキャンを実行します。次のコマンドの出力の中で,場所を示すフィールドを調べて正しいバス番号を確認します。
# /sbin/hwmgr view devices
ハードウェアのドキュメントの説明に従って,交換用の HSZ70 コントローラをインストールしてスタートします。
Tru64 UNIX のシステム・プロンプトに対して,次のように
scan
コマンドを再度入力します。
# /sbin/hwmgr scan scsi
正常なコントローラ (交換したばかりのコントローラではなく) で次の HSOF コマンドを入力します。
hsz70> set multibus_failover copy=this
このコマンドによって,コントローラのペアが適切なフェールオーバ・モードで冗長デュアル・モードに戻ります。
Tru64 UNIX のシステム・プロンプトで,省略時の回復時間に戻すために,次のコマンドを入力して切り替えを行います。
# /sbin/sysconfig -r cam_disk rec_use_alt_params=0
HSZ70 コントローラがシングル構成からデュアル構成に戻るとき,コンソールに表示されるメッセージによって処理が正常に行われたことがわかります。
7.1.7 HSZ80 コントローラと HSG80 コントローラの下のディスク上にある永続的予約のクリア
TruCluster Server のクラスタ・メンバは,共用ストレージへのアクセスを調整するために永続的予約を使用します。これらの永続的予約は,デバイスや論理ボリュームへのアクセスを制御し,現在のクラスタに属さないシステムに対する防護壁を築きます。基盤のオペレーティング・システムは,これらの永続的予約を扱い方法を知りません。基盤オペレーティング・システムが,永続的予約のあるディスクにアクセスしようとすると,I/O エラー・メッセージが返されます。そして I/O はすべて失敗します。
以前に HSZ80 または HSG80 コントローラのもとでクラスタ化されていたディスクにアクセスしようとするシステムの基盤オペレーティング・システムをブート (または再インストール) すると,基盤オペレーティング・システムからそれらのディスクが見えないことがあります。多くの場合,これはディスクが以前にクラスタに属していて,クラスタのメンバのどれかがそのディスクに対する予約を設定し,共用バスの他のホスト (または,このクラスタに属さないメンバ) がディスクにアクセスできないようにしたからです。この問題は,クラスタのメンバまたはクラスタ自身がシャットダウンされたときに予約がクリアされていなかったことによります。
予約を削除するには,/usr/sbin/cleanPR clean
コマンドを使います。cleanPR
スクリプトは,接続されている HSZ80 および HSG80 デバイスにある永続的予約をすべて探し出してクリアします。
注意
クラスタに属しているシステムで
cleanPR
スクリプトを実行してはなりません。稼動中のクラスタがディスク・アクセスを制御するために使用している予約を削除するべきではありません。削除するとデータが失われることがあります。
次の 2 つの例を考えてみましょう。
最初の例では,基盤オペレーティング・システムを含むディスクをブートし,cleanPR
コマンドを実行します。
以前にクラスタの中で使われていたストレージにアクセスしようとして永続的予約に遭遇した場合には,オペレーティング・システムをブートして,/usr/sbin/cleanPR clean
コマンドを入力して予約をクリアします。
2 つ目の例では,HSG80 または HSZ80 コントローラに制御されるディスクにオペレーティング・システムをインストールしようとしており,ディスクに永続的予約があり,基盤オペレーティング・システムがインストールされていないものとします。
この例は,cleanPR
スクリプトを実行できるオペレーティング・システムがないので,前の例より複雑です。しかし,cleanPR
スクリプトは Tru64 UNIX Operating System CD-ROM に含まれています。したがって,インストールを CD-ROM から開始し,シングル・ユーザ・シェルを起動して
/usr/sbin/cleanPR clean
コマンドを実行して予約をクリアできます。
システムによっては,CD-ROM リーダと 1.44 MB のフロッピィ・ディスク・デバイスの代わりに,CD-R/W 書き込みデバイスがコンソール・ストレージとして搭載されています。フロッピィ・ディスク・デバイスとは異なり,CD-R/W デバイスは,コンソールでのシステム構成の保存などのコンソール操作では利用できません。しかし,マルチユーザ・モードでは,記録可能な CD-R と CD-RW 媒体にファイルを書き込むことができます。
DC-R/W
の書き込み方法については,
cdrecord
(1)mkisofs
(8)
フロッピィ・ディスク・デバイスの代わりに CD-R/W デバイスを装備するシステムには,次の制約が適用されます。
CD-R/W デバイスだけを装備するシステムでは,フロッピィ・ドライブを使う必要のある手順は当てはまらない。
mtools
コマンド・オプションと CDE の
dxmtools
ユーティリティを使って DOS フォーマットのフロッピィ・ディスクを読み書きすることはできない。
CD-ROM
をマウントする際のコマンド・オプションについては,
mount
(8)
次の手順は,フロッピィ・ディスクを Tru64 UNIX で使うために構成する方法を示します。
次のコマンドを使って,フロッピィ・ドライブの種類とそのデバイス特殊ファイルを調べます。
# hwmgr view devices | grep floppy 69: /dev/disk/floppy0c 3.5in floppy fdi0-unit-0
このコマンド出力は,1 つだけあるフロッピィ・ドライブが SCSI デバイスではなく,fdi 接続デバイスであることを示します。そのデバイス特殊ファイルの名前は
floppy0c
です。ただし,ドライブでフォーマットをするときはその
a
パーティション (floppy0a
) を使います。
未使用のフロッピィ・ディスクをドライブに挿入し,次のコマンドを入力してディスクをフォーマットします。
# /sbin/fddisk -fmt -f /dev/rdisk/floppy0a Disk type: 3.50 inch, HD (1.44MB) Number of sectors per track: 18 Number of surfaces: 2 Number of cylinders: 80 Sector size: 512 interleave factor: 2:4 Formatting disk... Percentage complete: Format complete, checking... Quick check of disk passes OK.
フロッピィ・ディスクにディスク・ラベルを書き込みます。
# disklabel -rw /dev/rdisk/floppy0a /dev/rdisk/floppy0a: 2880 sectors in 80 cylinders of 2 tracks, 18 sectors 1.4MB in 5 cyl groups (16 c/g, 0.28MB/g, 64 i/g) super-block backups (for fsck -b #) at: 32, 640, 1184, 1792, 2336,
フロッピィ・ディスク上に UFS ファイル・システムを作成します。
# newfs /dev/rdisk/floppy0a
フロッピィ・ディスクを使用できるようにマウントします。
# mount /dev/disk/floppy0a /mnt
このコマンドは,/mnt
ディレクトリが存在し,現在使われていないと想定しています。マウント・ディレクトリがなければ,次のコマンドを実行して作成します。
# mkdir /floppy_disk
詳細については,
fddisk
(8)
DOS フォーマットのフロッピィ・ディスクには,mtools
コマンド群を使ってアクセスできます。それには,適切なソフトウェア・サブセットがインストールされており,プログラムが
/usr/ucb
ディレクトリに存在する必要があります。オプション・ソフトウェア・サブセットの詳細については,『インストレーション・ガイド』を参照してください。
mtools
コマンド群でフロッピィ・ディスクを使う前に,次のようにしてターゲット・デバイスを作成する必要があります。
/dev/disk
ディレクトリには,/dev/disk/floppyNa
,および
/dev/disk/floppyNc
という名前の 2 つのデバイス特殊ファイルがフロッピィ・ディスク・パーティションとして含まれている必要があります。これらのファイルがない場合には,dsfmgr -n
コマンドを使って作成します。
次のようにして,フロッピィの
c
パーティションを
mtools
のターゲット・ファイルにリンクします。
# ln -s /dev/disk/floppy0c /dev/disk/floppy
フロッピィ・ドライブの構成をテストするために,DOS フォーマットのディスクを挿入し,次のコマンドを実行します。
# /usr/ucb/mtools/mdir Volume in drive A is "volume_name." Directory for A:/ file type size date time file type size date time
/usr/ucb/mtools
ディレクトリにあるコマンドを使って,MS-DOS フォーマットのフロッピィ・ディスクを管理できます。SCSI
接続のフロッピィ・ドライブについては,
mtools
(1)7.2 ホスト・バス・アダプタ (HBA) の管理
本節では,SCSI アダプタなど,特定のホスト・バス・アダプタ (HBA) の管理についての情報を提供します。HBA の管理方法と HBA に関する情報の入手方法を説明します。また,HBA の特定のモデルの構成方法や操作方法に関する情報のほか,構成時の制限についても説明します。
7.2.1 AlphaServer 1000A および 2100A システム上の KZPSA
KZPSA は,PCI/Single ChannelのFWD,SCSI-2 アダプタです。AlphaServer 1000A および 2100A クラスのシステムでは,KZPSA SCSI アダプタが PCI/PCI ブリッジを介して接続されている場合には,ファームウェアのアップデートはサポートされません。詳細については,ハードウェアのインストール・マニュアルを参照してください。
7.2.2 KZPBA (Qlogic ISP1040B) の構成
Qlogic ISP1040B オプションを含むシステムでは,システムのブート時に次のような CAM エラーが発生することがあります。
pci2000 at pci0 slot 8 isp0 at pci2000 slot 0 isp0: QLOGIC ISP1020A cam_logger: CAM_ERROR packet cam_logger: bus 0 isp_probe NVRAM parameters invalid, using driver Fast10 defaults
このエラーを修正するには,eeromcfg
ユーティリティを使って NVRAM のパラメータを正しい設定にする必要があります。eeromcfg
ユーティリティは,Alpha Systems Firmware Update
CD-ROM の
/mnt-pnt/utility
ディレクトリにあります。ユーティリティの使用法については,同じディレクトリにある
readme.txt
ファイルを参照してください。
注意
KZPBA SCSI コントローラには 2 つの種類があります。KZPBA-CA/CX は,Qlogic 製の ISP1020/1040 平衡 PCI/UltraSCSI シングル・チャネル・コントローラです。KZPBA-CB/CY は,Qlogic 製の ISP1020/1040 不平衡 PCI/UltraSCSI コントローラです。どちらのコントローラも,SRM コンソールでは Qlogic ISP1020/1040 コントローラと識別されます。
システムに含まれているのがどちらであるかを識別するには,外部コネクタの 68 ピン (HD) の付近にある記号を探します。外部コネクタの左側にある記号が
-< >>
なら,コントローラは ISP1020/1040 不平衡コネクタです。平衡 PCI コントローラは,-< >
という印が付いています。
本節では,システムにインストールされているグラフィックス・アダプタに関する情報を取得する方法を説明します。また,特定のモデルのグラフィックス・アダプタを構成する方法についても説明します。
注意
本節で取り上げるオプション設定の変更を加える前に,使用しているビデオ・モニタがその設定をサポートしていることを確認してください。Tru64 UNIX『QuickSpecs』のサポート対象リストに含まれているモニタについては,オーナーズ・マニュアルの「Video Resolutions」と題する節を参照してください。
グラフィックス・アダプタの構成についての詳細は,以下のドキュメントを参照してください。
『X Window System Administrator's Guide』 - X ディスプレイを構成する方法について一般的な情報を提供する。
Xdec
(1X)
comet
(7)
sys_attrs_s3trio
(5)sys_attrs_vga
(5)
グラフィックスに関わる Best Practices ドキュメントは,オンラインで Web 上の次の場所で入手できます。 http://h30097.www3.hp.com/docs/best_practices/
最新のドキュメントは次のとおりです。
現在インストールされ,使われているグラフィックス・コントローラのモデルを知るには,次のコマンドを入力します。
# /usr/sbin/sizer -gt
COMET
hwmgr
コマンドを使用して,次の例のようにグラフィックス・コントローラに関する情報を表示することもできます。
# /sbin/hwmgr get attribute -category graphics_controller
57:
name = comet0
category = graphics_controller
sub_category = 3D
model = COMET
power_mgmt_capable = 1
video_memory_size = 4 MB
num_planes = 8
num_colors = 256
X_resolution = 1024
Y_resolution = 768
registration_time = Thu Jul 25 13:12:24 2002
user_name = (null) (settable)
location = (null) (settable)
software_module = (null)
state = available
state_previous = unknown
state_change_time = none
event_count = 0
last_event_time = none
access_state = online
access_state_change_time = none
capabilities = 0
indicted = 0
indicted_probability = (null)
indicted_urgency = (null)
disabled = 0
この例では,最初のコマンドがグラフィックス・アダプタの名前を示します。2 つ目のコマンドが,アダプタに関連付けられている属性 (プロパティ) を表示します。アダプタの名前 (comet0
) とそのハードウェア識別子 (HWID) である 57 という値を使って,ハードウェア階層のどの位置にあるかなど,グラフィックス・アダプタに関する他の情報を取得できます。
# /sbin/hwmgr view hierarchy 52: connection pci3slot6 57: graphics_controller comet0
上の出力例は,わかりやすいように表示内容の一部を省略しています。SysMan Station を使用して,グラフィックス・アダプタの場所を調べたり,属性を表示させたりすることもできます。第 2 章を参照してください。
7.3.3 3Dlabs OXYGEN VX1 PCI/AGP グラフィックス・コントローラ
3Dlabs OXYGEN VX1 PCI グラフィックス・コントローラ (システム・オプション SN-PBXGF-AB) は,3Dlabs GLINT R3 グラフィック・チップを使用した 2D コントローラです。このコントローラは,デュアル・ディスプレイと 24 のカラー・プレーンをサポートします。最大解像度は,垂直走査周波数 70Hz で 1920 × 1200 ピクセル (16ビット),垂直走査周波数 85 Hz で 1280 × 1024 ピクセル (24ビット)。カードには,15 ピンの VGA コネクタが 1 つ付いています。
3DLabs OXYGEN VX1 AGP グラフィックス・コントローラ・アクセラレータ・モジュールは,単一の拡張スロットを持つ,32 ビット AGP グラフィックス・オプションで,サポート対象システムで 2D グラフィックスを高速化します。このモジュールは,3DLabs の GLINT R3 グラフィックス・チップを使用しています。
これらがサポートする Tru64 UNIX のリリースにおけるインストールと構成の方法については,『3Dlabs OXYGEN VX1 PCI Graphics Controller Installation Guide』に記載されています。このマニュアルは,次の場所からダウンロードできます。http://www.compaq.com/alphaserver/download/ek-vx1gc-ig.pdf
Tru64 UNIX に関して,次の制限事項がハードウェアのドキュメントに詳しく記述されています。
シングル・ヘッド構成の PCI グラフィックス・コントローラをサポートする Tru64 UNIX のファームウェアのバージョンは V5.8 以上,マルチヘッド構成の場合は V5.9 以上です。
シングル・ヘッド構成の AGP グラフィックス・コントローラをサポートする Tru64 UNIX のファームウェアのバージョンは V6.0 以上です。
複数のカラーマップはサポートされていません。アプリケーションがカラーマップをインストールしたり,インストール解除したりしてはなりません。
3DLabs OXYGEN VX1 コントローラは,一度に 1 つのビジュアル・タイプ (8 ビット PseudoColor) だけをサポートします。
特に指定しなければ,バッキング・ストアとセーブ・アンダーは有効です。
7.3.4 Radeon 7500 PCI/AGP グラフィックス・コントローラ
ATI Radeon 7500 AGP および PCI (システム・オプション 3X-PBXGG-AB および 3X-PBXGG-AA) は,ATI の RV200 グラフィックス・チップを使った 3D/2D グラフィックス・コントローラです。AGP の方は,シングル・スロットの 32 ビット・カードで,2 倍速/4 倍速で AGP Specification 2.0 に準拠します。PCI の方は,シングル・スロットの 32 ビット・カードで,66MHz のバス速度で,PCI 2.2 および hot-plug 1.1 標準規格に準拠します。
Radeon 7500 カードは,64 MB のオンボード DDR ビデオ・メモリを搭載し,2 つの独立のディスプレイ・コントローラを持ち,Digital Flat Panel Monitors (DVI-I) をサポートします。標準の CRT モニタ用のコネクタを持つ主ビデオ出力ポートは,75 Hzの垂直走査周波数で 2048 × 1536 ピクセル,24 ビット・ピクセルの解像度まで対応します。二次ビデオ出力ポートは,Digital Flat Panel Monitor を 75 Hz の垂直走査周波数で 1280 × 1024,24 ビット・ピクセルの解像度まで,または,CRT モニタを 75 Hz で 2048 × 1536,24 ビット・ピクセルの解像度までサポートします。
7.3.4.1 Radeon 7500 の識別
システムのブート時に,システムにインストールされているコントローラの数によって異なりますが,Radeon 7500 によって次のようなメッセージが表示されます。
radeon0 at pci0 slot 13 AGP 0.99 on Titan @ 0x00000000 16777216MB radeon_initialize: Initialized radeon 1.0.0 20010105
システムがシングル・ユーザ・モードまたはマルチユーザ・モードのときに,次の
hwmgr
コマンドを使ってハードウェア識別子 (-id
オプションに指定する) を調べ,コントローラの属性 (プロパティ) を表示します。
# /sbin/hwmgr view hierarchy | grep graphics_controller 57: graphics_controller radeon0 # /sbin/hwmgr get attributes -id 57 name = radeon0 category = graphics_controller sub_category = 2D model = radeon power_mgmt_capable = 1 video_memory_size = 0 MB num_planes = 8 num_colors = 256 X_resolution = 1280 Y_resolution = 1024 registration_time = Fri Jul 19 09:00:33 2002 user_name = (null) (settable) location = (null) (settable) software_module = (null) state = available state_previous = unknown state_change_time = none event_count = 0 last_event_time = none access_state = online access_state_change_time = none capabilities = 0 indicted = 0 indicted_probability = (null) indicted_urgency = (null) disabled = 0
この出力はあくまでも例です。コマンドによる実際の出力は,オペレーティング・システムによって決まるコントローラの現在の設定に一致しないことがあります。構成の詳細については,7.3.4.4 項および7.3.4.5 項を参照してください。実行中のシステムでコントローラの解像度を知るには次のコマンドを使います。
# /usr/sbin/sizer -gr 1024x768
次の制限事項は Tru64 UNIX の最新のリリースに適用されます。
カラーマップ情報
Radeon 7500 グラフィックス・コントローラが一度にサポートできるインストール済みカラーマップは 1 つだけです。複数のカラーマップはサポートされていません。これについては,省略時のビジュアル・モードが PseudoColor である 8 ビットの色深度に切り替えるときに気を付ける必要があります。一度に 2 つ以上の PseudoColor カラーマップを使おうとすると,カラーマップのちらつきが発生します。
アプリケーションがカラーマップをインストールしたり,インストール解除したりしてはなりません。これらの操作を実行できるのは,ウィンドウ・マネージャだけです。 ただし,インストールまたはインストール解除するカラーマップに関する情報は,アプリケーションがウィンドウ・マネージャに提供しなければなりません。この情報を提供するには,Xlib
関数である
XSetWMColormapWindows()
を使用します。この関数は,指定したウィンドウの
WM_COLORMAP_WINDOWS
プロパティを設定します。呼び出しの構文については,
XSetWMColormapWindows
(3X11)
バッキング・ストアとセーブ・アンダーに関する情報
バッキング・ストアとセーブ・アンダーは無効になっています。アプリケーションは,これらの機能が利用できると想定してはなりません。また,露出イベントを処理できなければなりません。たとえば,
DefaultColormapOfScreen
(3X11)DoesBackingStore
) を参照してください。
詳細については,Radeon 7500 のハードウェア・ドキュメントを参照してください。
7.3.4.3 Radeon 7500 のビデオ・モード
表 7-1Radeon 7500 グラフィックス・コントローラ (アダプタ) によってサポートされているビデオ・モードの一覧を次に示します。
表 7-1: Radeon 7500 のビデオ・モード (解像度)
解像度 (ピクセル) | 色深度 (ビット・ピクセル) | 垂直走査周波数 (Hz) |
640x480 | 24, 16, 8 | 60, 72, 75, 85 |
800x600 | 24, 16, 8 | 60, 72, 75, 85 |
1024x768 | 24, 16, 8 | 60, 70, 75, 85 |
1152x864 | 24, 16, 8 | 60 |
1280x1024 | 24, 16, 8 | 60, 75, 85 |
1600x1200 | 24, 16, 8 | 60, 65, 75, 85 |
1920x1440 | 24, 16, 8 | 60, 75 |
2048x1536 | 24, 16, 8 | 60, 65, 70, 75 |
Radeon 7500 グラフィックス・コントローラが一度にサポートできるインストール済みカラーマップは 1 つだけです。省略時のビジュアル・モードは次のとおりです。
ビデオ・モードは,Xserver の構成設定ファイルである
/usr/var/X11/Xserver.conf
ファイルに指定されています。詳細は
Xdec
(1X)
次の手順は,グラフィックス・モードの変更方法を示します。
変更を加えるには,リモート端末ログインまたはコンソールのキャラクタ端末を使います。CDE で root としてログインして作業を行うと,ビデオ解像度が変わったときに問題に遭遇する可能性があります。
/usr/var/X11/Xserver.conf
ファイルのオリジナルを保存しておき,変更を加えた新しいバージョンで問題が生じたときに元に戻せるようにします。たとえば次のようにします。
# cp /usr/var/X11/Xserver.conf /usr/var/X11/Xserver.confORIG
元の
/usr/var/X11/Xserver.conf
を編集して必要な変更を加えます。ファイルの終わりに,ユーザ・コマンド・オプションを指定する
args
の指定があります。
! you specify command line arguments here args < -pn >
たとえば,省略時のビデオ・モードを,解像度 1280 × 1024,8 ビット・ピクセル,PseudoColor,75 Hz で動作するように変更するには,Xserver.conf
ファイルの
args
セクションを次のように変更します。
args < -pn -screen 1280x1024 -depth 8 -vclass PseudoColor -vsync 75
Xserver.conf
ファイルを保存します。
# /usr/sbin/init.d/xlogin stop # /usr/sbin/init.d/xlogin start
CDE ユーザ環境については,/var/dt/Xservers
ファイルを次のように変更することによって省略時のビデオ・モードを変更できます。この手順は,CDE にのみ当てはまるもので,他の X 互換のユーザ環境では使用できません。
リモート端末から root ユーザとしてログインします。
/etc/dt/config
ディレクトリが存在することを確認します。存在しない場合には,次のようにして作成します。
# mkdir /etc/dt/config # chmod 755 /etc/dt/config
省略時の
Xservers
ファイルを次のようにコピーします。
# cp /usr/dt/config/Xservers etc/dt/config/Xservers
ファイルの終わりに,ユーザ・コマンド・オプションを指定する次のような箇所があります。
:0 Local local@console /usr/bin/X11/X :0
/etc/dt/config/Xservers
ファイルを編集して適切なオプションを追加します。たとえば,省略時のビデオ・モードを,解像度 1280 × 1024,8 ビット・ピクセル,PseudoColor,75 Hz で動作するように変更するには,Xservers ファイルを次のように変更します。
:0 Local local@console /usr/bin/X11/X :0 -screen 1280x1024 -depth 8 -vclass PseudoColor -vsync 75
この行に改行が含まれていてはなりません。上の指定例では,わかりやすくするために 2 行に分けています。
次のようにして
Xserver
を再起動します。
# /usr/sbin/init.d/xlogin stop # /usr/sbin/init.d/xlogin start