G    トラブルシューティング

この付録では,インストレーション中に問題が発生した場合に表示されるエラー・メッセージと,対処方法を示します。 できる限り多くのエラーを網羅していますが,ここに記載されていないエラーが発生する可能性もあります。

この付録はエラー・メッセージ別ではなく,トピック別に構成されています。

G.1    フル・インストレーションのエラー・メッセージ

フル・インストレーションの際に発生する一般的なエラー・メッセージについて,次に説明します。

Broken pipe
(パイプが壊れています。)

このメッセージは,ソフトウェアのロード時や構成時に誤って表示されることがあります。 このメッセージは無視して構いません。

The firmware revision on this system could not be detected
(このシステムのファームウェア・リビジョンが検出できませんでした。)

一部のタイプのプロセッサでは,現在インストールされているファームウェア・レベルが,フル・インストレーションの手法では検出できません。 推奨するリビジョン番号と,システムのファームウェアをアップデートする方法については,『Alpha AXP Systems Firmware Update Release Notes Overview』を参照してください。

The following error occurred, causing the "ping" command to fail for disk_name: <Specific error>
(次のエラーが発生して,disk_name に対する ping コマンドが失敗しました: <Specific error>)

フル・インストレーションでテキスト・ベース・インタフェースを使用しているときに,ping コマンドを入力して入出力ライトを点滅させて,デバイス名と物理ディスクの対応を調べようとしました。 何らかの原因により,この ping コマンドが失敗しました。 このディスクが使用できないために ping が失敗したわけではありません。 単に,この方法でのディスクの識別ができないだけです。

No free partitions are remaining on this system, therefore the installation process cannot continue with this configuration. Either choose the "Default File System Layout", or choose a new "Custom File System Layout." If you cannot alter the layout, you may need to edit your disk partitions. Refer to the "Installation Guide -- Advanced Topics" for more information about editing disk partitions from the UNIX shell.
(システム上に空きパーティションがないため,インストレーション処理はこの構成を続行できません。 「省略時のファイル・システム・レイアウト」,または新しい「カスタム・ファイル・システム・レイアウト」を選択してください。 レイアウトを変更できない場合は,ディスク・パーティションを編集する必要があります。 UNIX シェルからのディスク・パーティションの編集については,『インストレーション・ガイド - 上級ユーザ編』を参照してください。)

フル・インストレーション中に,未使用の空きディスク・パーティションがなくなりました。 ハードディスクのディスク・ラベルが,パーティション a だけでディスク全体を占めるようになっていて,他に利用可能なディスクがないことが考えられます。 この場合,ディスクを再分割してセグメントのサイズを正しくしなければなりません。 グラフィカル・ユーザ・インタフェースを使用している場合は,ディスク構成ユーティリティを呼び出して,この作業を行います。 テキスト・ベース・インタフェースを使用している場合は,終了して UNIX シェルへ戻り,disklabel コマンドを使用してディスクを再分割します。

ただし,もっと難しい修正が必要になるケースもあります。 たとえば,システムに RZ25 ディスク (推奨のディスク・ラベルを使用するには小さすぎる) が 2 つあり,両方とも CD タイプのラベルを持ち (つまり,パーティション a とパーティション c が同じ大きさのパーティションで,他のパーティションが割り当てられていない),1 つのディスクを / ファイル・システムに,もう一方を /usr に使用し,他には利用できる領域がないとします。 このような場合には,ディスク・ラベルを編集しなければなりません。

The partition you selected for [usr] takes up the entire disk, and leaves no space for the LSM private region. Therefore, you must choose a different partition.
([usr] 用に選択したパーティションがディスク全体を占めており,LSM プライベート・リージョン用のスペースがありません。 このため,別のパーティションを選択しなければなりません。)

LSM (Logical Storage Manage) のインストレーションと構成が選択されています。 各ディスクに LSM プライベート・リージョン用のパーティションが必要ですが,このディスクには空きがありません。 このディスクを再分割して,LSM プライベート・リージョン用に最低 2 MB のサイズのパーティションを用意しなければなりません。 再分割できない場合は,他のディスクを選択してください。

Unable to get a list of software subsets available for installation.
(インストレーションで利用可能なソフトウェア・サブセットのリストが取得できません。)

配布メディアが壊れている場合に,このメッセージが表示されることがあります。 弊社の各支店/営業所に連絡して,新しいオペレーティング・システム CD-ROM セットを入手してください。 RIS サーバからインストレーションを行っている場合は,RIS 環境を再構築しなければならない可能性があります。 RIS 管理者にこの問題について連絡してください。

Unable to determine the available software due to the following error: <Specific error>
(次のエラーにより,利用可能なソフトウェアを確認できませんでした: <Specific error>)

配布メディアが壊れている場合に,このメッセージが表示されることがあります。 弊社の各支店/営業所に連絡して,新しいオペレーティング・システム CD-ROM セットを入手してください。 RIS サーバからインストレーションを行っている場合は,RIS 環境を再構築しなければならない可能性があります。 RIS 管理者に連絡して,この問題について報告してください。

G.1.1    ディスク・ラベル,ファイル・システム,および LSM の構成のエラー・メッセージ

フル・インストレーション時のディスク・ラベルファイル・システム,または LSM (Logical Storage Manager) の構成でエラーが発生した場合は,次の指示が表示されます。

Please inspect the file /var/tmp/install.FS.log to identify the
source of the failure

/var/tmp/install.FS.log ファイルは /var メモリ・ファイル・システム (MFS) に書き込まれるため,システムのリブート時に削除されます。 次のコマンドを使用して,このファイルの内容を参照してください。

# more /var/tmp/install.FS.log
 

対処方法は,失敗したコマンドから返されたエラー・メッセージによって異なります。 一般的な手順として,インストレーションのターゲット・ディスクが接続され,正しく動作していることを確認します。 正しく動作している場合は,インストレーション・プロシージャを再スタートし,可能であれば別のディスクを選択します。 弊社の各支店/営業所に連絡して,ディスク障害の原因を究明してください。

LSM 構成フェーズ中のエラーは,既存の LSM 構成の問題によって発生することもあります。 可能であれば,失敗したコマンドから返されたエラー・メッセージを分析し,既存の構成を確認,修正してから,インストレーションを再スタートします。 LSM の問題の修正方法についての詳細は,『Logical Storage Manager』,または関連する LSM コマンドのリファレンス・ページを参照してください。

この項では,次のトピックについて説明します。

G.1.1.1    LSM 構成エラーの修正

LSM インストレーション・エラーの詳細 (実際のエラー・メッセージを含む) は,/var/tmp/install.FS.log ファイルに記録されます。 このファイルは /var メモリ・ファイル・システム内に置かれるため,システムをリブートするまでの間だけ利用できます。 通常,ログの最後のエントリがエラーの原因です。

LSM 構成の現在の状態の詳細は,表 G-1 に示すコマンドを使用して表示できます。

表 G-1:  LSM 表示コマンド

表示コマンド 表示される LSM の構成要素
voldisk list ディスク,ディスク・メディア
voldisk -s list 拡張 voldisk リスト出力
volprint ボリューム,プレックス,サブディスク,プライベート・リージョン
volprint -t 拡張 volprint 出力
voldg list rootdg ディスク・グループ,プライベート・リージョン
disklabel -r name パーティション fstype

問題の原因が特定できたら,LSM 構成の構成要素を手作業で削除することができます。 LSM の構成要素を削除するコマンドを,表 G-2 に示します。

表 G-2:  LSM の削除コマンド

削除コマンド 削除される LSM 構成要素
voldisk rm name ディスク
voldg rmdisk name ディスク・メディア,プライベート・リージョン
voledit -rf rm name ボリューム,プレックス,サブディスク

voldisk rm コマンドは,LSM ディスクを削除し,ディスク・ラベル上のパーティション fstype を,unused に変更します。 何らかの原因で,このコマンドの実行後にディスク・ラベルが変更されていない場合は,次のコマンドを入力して,手作業で fstype を unused に変更します。

# disklabel -s unused /dev/disk/dsk0

問題の原因を取り除いたら,restart コマンドを入力するかインストレーション・メディアからリブートして,インストレーションを再スタートすることができます。

既存の LSM 情報を維持する必要がない場合は,インストレーション・プロシージャを開始する前に,システム上の各ディスクに対して disklabel -z コマンドを実行して,LSM を完全に削除することもできます。 この方法は,既存の LSM 構成が正しいかどうか分からない場合にお勧めします。

注意

既存のディスク・ラベルを削除すると,元の構成に戻すことはできません。 システム上にある既存のデータは,すべて失われます。

ここに記載している情報は,LSM のフル・インストレーションに固有のものであり,一般的な LSM の概要を説明しているわけではありません。 詳細については,『Logical Storage Manager』または関連する LSM リファレンス・ページを参照してください。

G.1.1.2    既存の LSM 構成での多重 hostid エラーの修正

LSM では,rootdg ディスク・グループに hostid を 1 つだけ定義する必要があります。 さまざまな原因 (オリジナルのシステムから正しくエクスポートして新しいシステムにインポートするという手順を踏まずに,LSM システム間でディスクを交換するなど) で,既存の LSM 構成は,rootdg ディスク・グループに対して複数の hostid が存在する状態になっていることがあります。

hostid が複数ある LSM 構成のシステムに LSM をインストールしようとすると,フル・インストレーション時に次のメッセージが表示されます。

LSM could not be initialized on this system due to the
following error:
lsm:voldctl: ERROR: enable failed:
Multiple hostid's found for rootdg
 
o Choose "Continue" if you want the install process
  to create all file systems without LSM.  Refer
  to the Logical Storage Manager documentation for
  instructions on how to configure LSM after
  the installation.
o Choose "Exit Installation" if you would like to
  attempt recovery from the LSM failure.  You will
  be placed in single-user mode at the UNIX
  shell  with superuser privileges.  Refer to the
  Logical Storage Manager documentation for any
  additional information regarding the error.
 
  1) Continue
  2) Exit Installation
 
Enter your choice:
 
 

rootdg ディスク・グループに対して hostid が複数検出されたシステムでは,フル・インストレーション中に LSM を選択することはできません。 この問題はインストレーション環境に固有ではないため,フル・インストレーション処理が自動的に解決することはできません。 LSM をインストールしたい場合は,手作業で問題を解決してからフル・インストレーションを再スタートします。

この問題を解決するには,以下の方法を試さなければなりません。

  1. この問題を解決する最初の方法は,既存のシステムをブートして,LSM の現在の状態を調べ,不正な hostid を削除することです。 hostid が複数存在するシステムではシステムのブート中に LSM が初期化されるときに,次のメッセージが表示されます。

    starting LSM in boot mode
    lsm:vold: WARNING: Disk dsk1d names group rootdg, but group ID differs
    lsm:vold: WARNING: Disk dsk2d names group rootdg, but group ID differs
    lsm:vold: WARNING: Disk dsk4h names group rootdg, but group ID differs
    lsm:vold: WARNING: Disk dsk5h names group rootdg, but group ID differs
    lsm:vold: WARNING: Disk dsk6h names group rootdg, but group ID differs
     
     
    

    この例では,5 つの LSM プライベート・リージョンが,パーティション dsk1ddsk2ddsk4hdsk5h,および dsk6h に置かれています。

    システムの動作中は,voldisk -s list コマンドを使用して,LSM 制御下の各ディスクの詳細を表示します。 この情報には,各プライベート・リージョンの hostid がリストされます。 誤っている hostid が特定できたら,その hostid を含むプライベート・リージョンを削除し,フル・インストレーション処理を再スタートします。 既存の LSM 構成を調べるために使用するコマンドや,問題の原因を手作業で取り除く方法についての詳細は,G.1.1.1 項を参照してください。

    注意

    LSM プライベート・リージョンには,既存の LSM 構成にとって重要な情報が入っています。 LSM プライベート・リージョンの削除は慎重に行わなければなりません。 また,LSM と既存の構成の詳細を理解している人だけが行ってください。 この作業を実行する上で不明な点がある場合は,システム管理者の助けを借りるか,『Logical Storage Manager』を参照してください。

  2. システムがブートできない状態か,システムはブートするものの既存の LSM 構成が壊れていて LSM を使用可能にできない場合は,エラーとなっているプライベート・リージョンが置かれているディスクを物理的に取り除いて,この問題を修復しなければなりません。 この場合,システム自体に関する知識や,システムに対して最近何を行ったかという情報が役立ちます。 エラーになっているプライベート・リージョンは,別のシステムから当該システムへ最近追加されたディスク上にあることが多いためです。 たとえば,システム管理者が,以前のシステムの LSM 情報がディスク上に残ったままになっていることに気付かないで,システム間でディスクを入れ換えた場合が考えられます。

  3. 疑わしいディスクを削除しても,正しいディスクが特定できず,問題が解決しない場合は,既存の LSM 構成をシステムから完全に削除した後,フル・インストレーションを再スタートしなければなりません。 この作業を実行するには,配布メディアからブートし,UNIX シェルへ抜けます。 そして,disklabel -z コマンドを使用して,LSM プライベート・リージョンがあるすべてのディスクについて,ディスク・ラベルを消します。

    どのディスクに LSM プライベート・リージョンがあるか調べるには,各ディスクのディスク・ラベルのパーティション fstype 値を分析します。 LSM fstype 値の詳細については, disklabel(8) を参照してください。 LSM プライベート・リージョンがあるディスクを特定できない場合は,システム上のすべてのディスクのディスク・ラベルを消します。 システム上のすべてのディスクのディスク・ラベルを消すのが適当でない場合は,LSM が選択できるようになるまで,1 つずつ疑わしいディスクのディスク・ラベルを消し,フル・インストレーション処理を再スタートする操作を繰り返します。 disklabel -z コマンドを使用して既存の LSM 構成を削除する方法の詳細は,G.1.1.1 項を参照してください。

G.1.1.3    LSM の再スタート

システムのリブート時に LSM デーモン vold および voliod が再スタートできないか,LSM 構成データベースが壊れている場合は,/ (ルート) ファイル・システムが存在する LSM ボリュームにはアクセスできません。 このような状況では,システムをマルチユーザ・モードで起動することはできません。 /etc/vol/volboot ディスク・グループや rootdg ディスク・グループで考えられる原因を取り除くには,LSM コマンドを使用して問題を修正します。

システムのブート中に LSM がスタートできない場合は,以下の手順を使用して LSM を再スタートします。

  1. LSM デバイス特殊ファイルを作成します。

    # volinstall
    

  2. LSM 構成デーモンを,disable モードでスタートします。

    # vold -k -r reset -m disable -x nohostid
    

  3. /etc/vol/volboot ファイルを初期化します。

    # voldctl init
    

  4. voldenabled モードにし,すべての LSM ディスク・グループをインポートします。

    # voldctl enable
    

  5. LSM が認識しているすべてのディスクのリストを取得します。

    # voldisk list
    

    /dev/disk に,すべてのディスクのデバイス特殊ファイルがあることを確認してください。

  6. volprint コマンドを実行して,LSM 構成についての情報を取得します。

    # volprint -htA
    

  7. LSM ボリュームをスタートします。

    # volume -g diskgroup start volume_name
    

    diskgroup パラメータの値は,システム・ディスクを表す rootdg が一般的です。

  8. ファイル内の問題を修正するには,ボリュームをマウントする必要があります。 たとえば,/etc/vol/volboot ファイルや /etc/inittab ファイルを修正するには,/ ファイル・システムをマウントしなければなりません。

    / ファイル・システムのファイル・システム・タイプが AdvFS の場合は,このファイル・システムをマウントするために,次のようなコマンドを入力します。

    # mkdir -p /etc/fdmns/root_domain
    # cd /etc/fdmns/root_domain
    # ln -s /dev/vol/rootdg/rootvol rootvol
    # mount root_domain#root /mnt
    

    / ファイル・システムのファイル・システム・タイプが UFS の場合,LSM ボリューム rootvol は,次のようにマウントします。

    # fsck /dev/rvol/rootdg/rootvol
    # mount /dev/vol/rootdg/rootvol /mnt
    

LSM を使用可能にする際や,LSM ボリュームを開始する際に発生した問題を解決する方法については,『Logical Storage Manager』を参照してください。

G.1.2    構成記述ファイル (CDF) のチェック・エラー

クローン・インストレーションを開始する前に,インストレーション・プロシージャが install.cdf のチェックでエラーを検出すると,次のメッセージが表示されます。

The Configuration Description File (CDF) validation procedure has found the following errors: <List of specific errors>
(構成記述ファイル (CDF) チェック・プロシージャが,次のエラーを検出しました。 <List specific errors>)

このエラーが発生すると,フル・インストレーションが停止します。 CDF チェック・エラーのリストには,CDF で検出されたエラーについて説明するメッセージが 1 つ以上含まれています。

修正作業は,インストレーション・プロシージャから返されたチェック・エラーにより異なります。 RIS サーバからのインストレーションを行っている場合は,インストール中のシステムが適切な CDF で登録されていることを,RIS サーバ管理者に確認しなければなりません。 クローン・インストレーションを続行するには,RIS サーバの管理者は,正しい CDF でシステムを再登録するか,チェックのエラー・メッセージを基にして現在の CDF を修正しなければなりません。

問題点を修正したら,次のいずれかを行って,フル・インストレーションを再スタートします。

エラー・メッセージは,システムをリブートするまで,ユーザが参照できるように,/var/tmp/install.log に保存されます。

G.1.3    ソフトウェア・サブセットのロード・エラー

ソフトウェアのロード・プロシージャは,いろいろな原因で失敗することがあります。 この原因には,配布メディアが壊れていることによるソフトウェア・インベントリの不整合の問題や,RIS インストレーション中のネットワーク・エラー,CD-ROM インストール中の CD-ROM 読み取りエラーなどがあります。 発生した問題が一時的なものである可能性があるため,ソフトウェア・ロード・プロシージャは,ソフトウェアのロードを 2 回試みます。 1 回目のロードが失敗した場合,1 回目にロードできなかったソフトウェア・サブセットをロードするために 2 回目のロードが行われます。

The installation procedure was not able to correctly install the product_name software subsets. This may be the result of a corrupted distribution. Another attempt will be made to install this software.
(インストレーション・プロシージャが,product_name ソフトウェア・サブセットを正しくインストールできませんでした。 配布メディアが壊れている可能性があります。 このソフトウェアのインストールを再度試みます。)

このメッセージは,1 回目のロード中に,1 つ以上のサブセットのロードに失敗した場合に表示されます。 サブセット・ロード・プロシージャは,失敗したサブセットを再度ロードしようとします。 詳細については,/var/adm/smlogs/install.log ファイルを調べてください。

The installation procedure successfully installed the mandatory software subsets. One or more optional subsets were not installed correctly. This may be the result of a corrupted distribution. The installation will continue.
(インストレーション・プロシージャは,必須ソフトウェア・サブセットのインストールに成功しましたが,正しくインストールできなかったオプション・サブセットがあります。 配布メディアが壊れている可能性があります。 インストレーションは続行されます。)

このメッセージは,2 回ロードを行ってもオプション・サブセットがロードできなかった場合に表示されます。 修正作業は,インストレーション・プロシージャから返されるソフトウェア・ロード・エラーにより異なります。 インストレーションの完了後,この問題の詳細を参照することができます。 more コマンドを使用して,/var/adm/smlogs/fverify.log ログ・ファイルと /var/adm/smlogs/setld.log ログ・ファイルの内容を表示し,ソフトウェア・ロード・エラーの原因を調べます。 問題が解決したら,setld ユーティリティを使用して,ロードに失敗したサブセットをロードします。 インストレーション後のオプション・サブセットのインストレーションについては,第 9 章を参照してください。

The installation procedure was not able to correctly install the mandatory software subsets. This may be the result of a corrupted distribution. This error is fatal, and causes the installation procedure to stop. Additional information regarding this error can be found in the following log files: /var/tmp/install.log and /var/tmp/fverify.log
(インストレーション・プロシージャは,必須ソフトウェア・サブセットを正しくインストールできませんでした。 配布メディアが壊れている可能性があります。 このエラーは致命的で,インストレーション・プロシージャは停止します。 このエラーの詳細は,ログ・ファイル /var/tmp/install.log および /var/tmp/fverify.log に記録されています。)

このメッセージは,必須サブセットのロードが 2 回とも失敗した場合に表示されます。 必須サブセットのロードの失敗は致命的なエラーなので,この問題が解決するまでインストレーション処理は続行できません。 more コマンドを使用して,/var/tmp/install.log ログ・ファイルと /var/tmp/fverify.log ログ・ファイルの内容を表示し,ソフトウェア・ロード・エラーの詳細を参照します。 これらのファイルは,/var メモリ・ファイル・システムに書き込まれるため,インストレーションを再スタートするかシステムをリブートすると参照できなくなります。

G.2    アップデート・インストレーションのエラー・メッセージ

以降の項では,アップデート・インストレーション中に発生する可能性があるエラー・メッセージについて説明します。

G.2.1    アップデート・インストレーションのスタートアップ

次のエラー・メッセージは,installupdate コマンドの呼び出し後,アップデート・インストレーション・インタフェース (グラフィカルまたはテキスト・ベース) の表示前に,表示されることがあります。

You must have superuser privileges to run installupdate. You must be the user root to run the update install.
(installupdate を実行するには,スーパユーザの特権が必要です。アップデート・インストレーションを実行するには,root ユーザでなければなりません。)

/sbin/installupdate コマンドは,シングルユーザ・モードroot ユーザとして実行しなければなりません。 第 3 章で説明している手順でシャットダウンしてシングルユーザ・モードにし,アップデート・インストレーションを再スタートします。

*** WARNING: Incorrect system state detected. *** Please shut down system to single user mode before attempting an update installation.
(*** 警告: 不正なシステム状態が検出されました。 *** システムをシャットダウンしてシングルユーザ・モードに移行してから,アップデート・インストレーションを実行してください。)

アップデートを実行するには,システムがシングルユーザ・モードでなければなりません。 shutdown コマンドを使用すると,シングルユーザ・モードに移行できます。 詳細については,第 3 章shutdown(8) を参照してください。

G.2.1.1    CD-ROM からのアップデート・インストレーション

この項で説明するエラーは,CD-ROM からのアップデート・インストレーションの際に発生する可能性があります。

Please specify a block-special device file.
(ブロック型特殊ファイルを指定してください。)

installupdate コマンドの引数は,ブロック型特殊ファイルでなければなりません。 Version 5.1Bより前のバージョンのオペレーティング・システムを実行しているシステムでは,ブロック型特殊ファイルの名前は rz で始まります。

<mount point> is an invalid update installation mount point.
(<mount point> は,不正なアップデート・インストレーション・マウント・ポイントです。)

アップデート・インストレーション・プロシージャは,指定された位置でインストレーション情報を見つけることができませんでした。 位置が誤っているか,その位置にあるメディアがオペレーティング・システムのメディアではありません。

Cannot locate update information on /updmnt
(/updmnt 上でアップデート情報を見つけることができません。)

アップデート・インストレーション・スクリプトが,省略時の位置 /updmnt に見つかりませんでした。 メディアまたはメディアの位置が,無効か誤っています。

Update installation mount point already mounted: <mount-point search listing>
(アップデート・インストレーションのマウント・ポイントは,すでにマウントされています: <mount-point search listing> 手作業で /updmnt をアンマウントしてください。)

アップデート・インストレーション・プロシージャが,アップデート・インストレーションのマウント・ポイントにすでに何かがマウントされていることを検出しました。 次のコマンドを入力してください。

# cd /
# umount /updmnt

installupdate コマンドを再入力します。

Could not unmount: <umount attempt error listing> Please unmount /updmnt manually.
(アンマウントできませんでした: <umount attempt error listing>。 手作業で /updmnt をアンマウントしてください。)

何らかの理由でアップデート・インストレーションの完了前に終了すると,アップデート・インストレーション・プロシージャは配布メディアを正しくアンマウントできないことがあります。 次のコマンドを入力してください。

# cd /
# umount /updmnt

Cannot mount <media location supplied by user> on /updmnt. Consult with the system manager of your host server.
(/updmnt 上に <media location supplied by user> をマウントできませんでした。 ホスト・サーバのシステム管理者に相談してください。)

installupdate の引数で指定された配布メディアの位置が誤っています。 位置を確認して,installupdate を再実行してください。

G.2.1.2    リモート・インストレーション・サービス (RIS) からのアップデート・インストレーション

この項では,RIS サーバからのアップデート・インストレーションの際に発生する可能性のあるエラーについて説明します。

Cannot find <RIS client> in risdb file. Consult with the system manager of <RIS server>.
(risdb ファイル中に <RIS client> が見つかりませんでした。 <RIS server のシステム管理者に相談してください。)

クライアント・システムが,RIS サーバ上に登録されていません。 RIS サーバ上にクライアント・マシンを登録してから,アップデート・インストレーションを再スタートしてください。

Could not retrieve RIS area information on <RIS_server>. Exiting procedure...
(<RIS_server> 上の RIS 領域情報が取り出せません。 プロシージャを終了します...)

アップデート・インストレーション・プロシージャがネットワークをスタートできなかったか,RIS サーバの RIS 領域にアクセスできなくなっています。 前者の場合は,クライアント・マシンのネットワーク設定を確認してください。 後者の場合は,RIS 管理者に相談してください。

Error starting <inet route gateway> Cannot continue with update installation.
(<inet route gateway> がスタートできません。 アップデート・インストレーションを続行できません。)

ネットワーク・デーモンをスタートできませんでしたが,ネットワーク・ファイル・システム (NFS) または RIS が配布メディアとして指定されました。 アップデートするシステムからネットワークにアクセスできることを確認してから,アップデート・インストレーションを再スタートしてください。

G.2.2    分析フェーズのエラー・メッセージ

アップデート・インストレーションの分析フェーズの実行中に,以下のメッセージが表示されることがあります。

Cannot create directory /var/tmp/update/risupdinfo
(/var/tmp/update/risupdinfo ディレクトリを作成できません。)

アップデート・インストレーション・プロシージャは,性能を向上するために,サブセット・インベントリ・ファイルのローカル・コピーを /var/tmp/update/risupdinfo ディレクトリに作成します。 このエラーは,ファイル・システムの領域の 99 パーセント以上が使用されているために,アップデート処理がディレクトリを作成できないことを示します。 core ファイル,余分なカーネル・ファイル,その他の不要なファイルの削除などのディスク・スペースの回復手順を行って,ディスクに空きスペースを確保してください。

Cannot locate the product mapping file <RIS product directory/rp_mapping> on the RIS server <RIS server name>. Consult with the system manager of the RIS server.
(RIS サーバ <RIS server name> 上に,プロダクト・マッピング・ファイル <RIS product directory/rp_mapping> が見つかりません。 RIS サーバのシステム管理者に相談してください。)

rp_mapping ファイルは,プロダクト名をマウント・ポイントに対応付けます。 このファイルがないと,アップデート・インストレーション・プロシージャは登録されているプロダクトを見つけることができません。 このメッセージは通常,RIS 領域が壊れていることを示します。

<Operating system version> is currently installed on this system.
(<Operating system version> は,すでにこのシステムにインストールされています。)

このメッセージは,システムにすでにインストールされているオペレーティング・システムと同じバージョンのオペレーティング・システムにアップデートしようとしたことを示します。 このメッセージが表示されたら,アップデートを続けるか,終了するかを選択してください。

You must have one of the following products loaded on your system before you can update to <new operating system version>. <List of products> Please refer to the Installation Guide for additional information on these releases.
(<new operating system version> にアップデートする前に,システムに次のプロダクトのいずれかをロードしなればなりません。 <List of products> これらのリリースについての詳細は,『インストレーション・ガイド』を参照してください。)

アップデート・インストレーション・プロシージャは,現在のバージョンのオペレーティング・システムを,新しいバージョンのオペレーティング・システムにアップデートできません。 新しいバージョンにアップデートするには,必要なアップデートを繰り返すか,フル・インストレーションを行わなければなりません。

No installable subsets for this system found.
(このシステムにインストールできるサブセットが見つかりません。)

アップデート・インストレーション・プロシージャは,配布メディア上に,インストール可能なソフトウェア・サブセットを見つけることができませんでした。 メディアが壊れている可能性があります。 CD-ROM を使用している場合は,弊社の各支店/営業所に連絡して,新しい CD-ROM を入手してださい。 RIS サーバを使用している場合は,管理者に連絡して,インストールしたいプロダクトの RIS 環境を新たに構築してもらってください。

Error: Unable to retrieve the /tmp/updinfo file
(エラー: /tmp/updinfo ファイルを取り出せません。)

このファイルには,インストレーション・スクリプトで使用されるデータが含まれています。 システムをマルチユーザ・モードに戻して,アップデート・インストレーションを再スタートしてください。

A non-zero return status <actual return code > has been detected after execution of the <user supplied script name> program. This is fatal and causes the Update Installation procedure to stop.
(<user supplied script name> プログラムを実行して,ゼロ以外のリターン・ステータス <actual return code> が返されました。 このエラーは致命的なので,アップデート・インストレーション・プロシージャは停止します。)

update_preinstall ファイルまたは update_postload ファイルでスクリプトを指定した場合,このメッセージはスクリプトが 0 (ゼロ) 以外の値を返して失敗したことを示します。 スクリプトを確認して,アップデート・インストレーションを再スタートしてください。

Error opening file: updpblock.dat
(ファイル・オープン・エラー: updpblock.dat)

updpblock.dat ファイルには,支障のあったレイヤード・プロダクトの 3 文字のプレフィックスが含まれています。 このエラーは,配布メディアが壊れているために発生しました。 CD-ROM を使用している場合は,弊社の各支店/営業所に連絡して,新しいメディアを入手してください。 RIS サーバを使用している場合は,管理者に連絡して,インストールするプロダクトの RIS 環境を新たに構築してもらってください。

次のエラーは,十分なディスク・スペースがないためにアップデート・インストレーションを完了できない場合に発生することがあります。

The Update Installation cannot save your kernel option selections. The kernel will be built with all mandatory and all optional kernel components. Use the /usr/sbin/doconfig command to select the desired optional kernel components and rebuild the kernel after the Update Installation completes.
(アップデート・インストレーション・プロシージャが,カーネル・オプションの選択内容を保存できません。 カーネルは,すべての必須カーネル構成要素とすべてのオプション・カーネル構成要素を使用して構築されます。 アップデート・インストレーションの完了後,/usr/sbin/doconfig コマンドを使用して希望のオプション・カーネル構成要素を選択し,カーネルを再構築してください。)

オプションのカーネル構成要素の選択内容を保存するスペースが足りませんでした。 インストレーションの完了後に doconfig コマンドを使用して,オプション構成要素をカーネルに組み込んでください。

An error occurred when attempting to write to the INIT_OPS_FILE. This is most likely due to insufficient disk space in the root file system
(INIT_OPS_FILE への書き込み時にエラーが発生しました。 ルート・ファイル・システムのディスク・スペース不足が原因だと考えられます。)

core ファイル,余分なカーネル・ファイル,その他の不要なファイルが / (ルート) ファイル・システムのディスク・スペースを占めていないか調べ,空きスペースを確保するために削除してください。 その他にも,サイトで実行可能なディスク・スペース回復手順を実行してください。 空きスペースを十分確保したら,アップデート・インストレーションを再スタートしてください。

An error occurred while trying to open the input or output files in the call to updmore.
(updmore の呼び出し中に,入力ファイルまたは出力ファイルのオープンでエラーが発生しました。)

このエラー・メッセージは,テキスト・ベース・インタフェースでのみ表示されます。 このメッセージは,入力ファイル (利用可能な選択肢リスト),または出力ファイル (ユーザの選択内容のリスト) がオープンできなかったことを示します。

G.3    ソフトウェア構成のエラー・メッセージ

ソフトウェア構成はシステムのリブート後に実行される,フル・インストレーションアップデート・インストレーションの両方に共通の処理です。 ソフトウェア構成フェーズでは,以下のエラー・メッセージが表示されることがあります。

c_install: Cannot find /sbin/it.d/data/cinst.data
(c_install: /sbin/it.d/data/cinst.data が見つかりません。)

構成対象となるインストール済みソフトウェア・サブセットのリストが格納されているデータ・ファイルが見つかりません。 このファイルは setld ユーティリティが作成し,setld ユーティリティの破損や,ソフトウェアがインストールされたシステム・ディスクの破損,システム・ディスクのスペース不足を示します。 このエラーは致命的です。

dn_fix: name database [/etc/dfsc.dat] does not exist dn_fix: name database [/etc/dfsl.dat] does not exist
(dn_fix: ネーム・データベース [/etc/dfsc.dat] が存在しません。) (dn_fix: ネーム・データベース [/etc/dfsl.dat] が存在しません。)

古いスタイルのデバイス名 (rz* など) と新しいスタイルのデバイス名 (dsk* など) の対応などのハードウェア・デバイス属性が格納されるデバイス・ファイル・ステータス [クラスタ,ローカル] ファイルが見つかりません。 これらのファイルは dsfmgr プログラムが動的に作成し,dsfmgr プログラムの破損や,ソフトウェアがインストールされたシステム・ディスクの破損,システム・ディスクのスペース不足を示します。

dn_fix: cannot create copy of <file> for recovery purposes
(dn_fix: <file> の回復用のコピーが作成できません。)

dn_fix プログラムは,このファイル内のデバイスの新旧デバイス名変換を実行する前に,このファイルのバックアップ・コピーを作成できませんでした。 システム・ディスクが壊れているか,システム・ディスクのスペース不足が考えられます。

dn_fix: cannot create copy of <directory> for recovery purposes
(dn_fix: <directory> の回復用のコピーが作成できません。)

dn_fix プログラムは,このディレクトリ内のデバイスの新旧デバイス名変換を実行する前に,このディレクトリのバックアップ・コピーを作成できませんでした。 システム・ディスクが壊れているか,システム・ディスクのスペース不足が考えられます。

An error was encountered when trying to convert from the old device names to the new device names in file: <file_name>. No modifications have been made to the file. If you wish to use the new device names the file will have to be converted manually. The sed conversion script has been saved as: <file_name>.CNVTsed The failed conversion file has been saved as: <file_name>.CNVTfailThe error which occurred was: <specific_error>
(<file_name> ファイル内の古いデバイス名を新しいデバイス名に変換するときに,エラーが発生しました。 このファイルは変更されていません。 新しいデバイス名を使用したい場合は,手作業で変換してください。 sed 変換スクリプトは,<file_name>.CNVTsed という名前で保存されました。 失敗した変換ファイルは,<file_name>.CNVTfail という名前で保存されました。 発生したエラーは <specific_error> です。)

dn_fix プログラムは,このファイル中のすべての古いデバイス名を新しいデバイス名に変換することはできませんでした。 このエラーは,参考のために表示されます。 このエラーは致命的ではないために,古いデバイス名が継続して使用されます。 インストレーション処理の完了後,失敗したファイルの変換を手作業で再実行してください。

An error was encountered when trying to convert from the old device names to the new device names in directory: <directory_name> No modifications have been made to this directory. If you wish to use the new device names the directory will have to be converted manually. The failed conversion file has been saved as: <file_name>.CNVTfail The error which occurred was: <error>
(ディレクトリ <directory_name> 内の古いデバイス名を新しいデバイス名に変換するときに,エラーが発生しました。 このディレクトリは変更されていません。 新しいデバイス名を使用したい場合は,ディレクトリを手作業で変換してください。 失敗した変換ファイルは,<file_name>.CNVTfail という名前で保存されています。 発生したエラーは,<error> です。)

dn_fix プログラムは,このディレクトリ中の古いデバイス名を,新しいデバイス名に変換できませんでした。 このエラーは,参考のために表示されます。 このエラーは致命的ではないため,このディレクトリ内の古いデバイス名が継続して使用されます。 インストレーション処理の完了後,失敗したディレクトリの変換を手作業で再実行してください。

The merge routines which have failed are logged in /var/adm/smlogs/dnconvert.FailCNVT. To re-execute any of these routines, change directory to <script_location> and re-execute all the routines in this directory.
(失敗したマージ・ルーチンが,/var/adm/smlogs/dnconvert.FailCNVT に記録されています。 これらのルーチンを再実行するには,ディレクトリを <script_location> に変更し,そのディレクトリ内のすべてのルーチンを再実行してください。)

このメッセージは,古いデバイス名を新しいデバイス名に更新する変換スクリプトが失敗したときに表示されます。 失敗した変換スクリプトのリストが /var/adm/smlogs/dnconvert.FailCNVT ファイルに入っていますので,インストレーション・プロシージャの完了後,失敗の原因が特定できたら,手作業で再実行してください。

The version switch from "active-version" to "new-version" could not be completed successfully. This error is not fatal, and the installation will continue. The following message was received from /usr/sbin/versw -switch: <details of error>
(「動作中のバージョン」から「新しいバージョン」へのバージョン切り換えが正常に終了しませんでした。 このエラーは致命的ではないため,インストレーションは続行されます。 /usr/sbin/versw -switch で次のメッセージが出力されました。 <details of error>)

新しくインストールされたオペレーティング・システムのバージョン識別子を設定する /usr/sbin/versw -switch コマンドが,失敗しました。 失敗のメッセージ・テキストも表示されます。 インストレーションの完了後,失敗の原因が特定できたら,このコマンドを手作業で再実行してください。

Failed to configure one or more mailserver files. Please verify that the 'pop' and 'imap' user accounts have been set up in either the local or NIS password database and run this command again to complete the installation phase of the mailserver setup.
(1 つ以上の mailserver ファイルの構成に失敗しました。 'pop' ユーザ・アカウントと 'imap' ユーザ・アカウントがローカル・パスワード・データベースまたは NIS パスワード・データベースにセットアップされていることを確認してから,このコマンドを再実行し,mailserver セットアップのインストレーション・フェーズを完了させてください。)

このメッセージは,POP 固有ファイルおよび IMAP 固有ファイルのモード・エントリ,許可エントリ,およびインベントリ・エントリの更新に失敗したことを示します。 これらのファイルは,オプションの追加ネットワーク・サービス (OSFINET540) サブセットで出荷されています。 このエラーは致命的ではありません。 インストレーション処理完了後,初めてログインするときに,次のコマンドを再実行してください。

setld -c OSFINET540 MAILSERVERSETUP

G.4    インストレーション後処理のエラー・メッセージ

以下の項では,インストレーション後のソフトウェアのロードまたは削除操作中に発生する可能性のあるエラーについて説明します。

G.4.1    setld によるソフトウェアのロードおよび削除の失敗からの回復

ソフトウェアのロードおよび削除の失敗からの回復手順は,問題となっているソフトウェア・サブセットの現在のステータスにより異なります。 回復手順を,次の表に示します。

ソフトウェア・サブセットの状態については, setld(8) を参照してください。

一部の回復手順では,setld コマンドがまだ動作しているかどうかを調べてから回復処理を開始するように求めています。 すべてのクラスタ・メンバで,setld コマンドが動作していないことを確認しなければなりません。

注意

表 G-3 の一部の回復手順では,回復処理の一部で setld ユーティリティの -f (強制) フラグを使用するように勧めています。 -f フラグを指定すると,削除操作中のサブセットの SCP フェーズで生成されるエラーが無視されるため,このフラグは最後の手段として使用してください。 SCP フェーズでエラーが報告された場合,このエラーを解決してから setld -d 操作を再度実行する必要があります。 サブセットをシステムから削除しなければならないが,エラーを解決できない場合にだけ,-f フラグを使用してください。

表 G-3:  ソフトウェア・ロードの回復手順

サブセットの状態 ロードの回復手順
not installed setld -l コマンドを実行して,ソフトウェア・サブセットをロードします。
deleting

削除コマンド (setld -d) が動作していないことを確認します。 まだ動作している場合は,終了させます。 動作していない場合は,setld -d コマンドを使用してソフトウェアの削除を完了させます。 削除が正常に完了しない場合は,-f (強制) フラグを指定します。

ソフトウェアの削除が完了したら (つまり,not installed 状態になったら),setld -l コマンドでソフトウェアをロードします。

クラスタ上で setld -d -f を実行すると,ダウンしているメンバ以外のすべてのメンバから,ソフトウェアが削除されます。 ダウンしている各クラスタ・メンバに対しては,復帰後 setld -Z コマンドを実行してください。 setld -Z コマンドが失敗した場合,必要であれば setld -Z -f を実行してください。

pre-load failed SCP の PRE_L フェーズで生成されたエラー・メッセージを調べ,エラーを解決してから setld -l コマンドでソフトウェアをロードします。
pre-load complete setld -l コマンドが動作していないことを確認します。 まだ動作している場合は,終了させます。 動作していない場合は,setld -l コマンドをもう一度実行してロードを再度開始します。
load failed /var/adm/smlogs/fverify.log ファイルに記録されているエラーや画面上に表示されたエラー・メッセージを解決してから,setld -l コマンドでロードをもう一度実行します。
load completed setld -l コマンドが動作していないことを確認します。 まだ動作している場合は,終了させます。 動作していない場合は,setld -l コマンドをもう一度実行してロードを再度開始します。
post-load failed エラー・メッセージを調べて問題を解決してから,setld -l コマンドでサブセットのロードを再度開始します。
post-load completed

setld -l コマンドが動作していないことを確認します。 動作している場合は,終了させます。 動作していない場合は,setld -C コマンドを実行して,インストレーションを完了させます。

クラスタでは,ソフトウェアが post-load completed 状態にあるすべてのクラスタ・メンバで setld -C コマンドを実行しなければなりません。

c-install failed

エラー・メッセージを調べて問題を解決してから,setld -C コマンドでサブセットの構成を実行します。

クラスタでは,ソフトウェアが c-install failed 状態にあるすべてのクラスタ・メンバで setld -C コマンドを実行しなければなりません。

installed 操作は必要ありません。 ソフトウェア・サブセットはインストールされています。
member load failed この状態にあるすべてのクラスタ・メンバで,各メンバのエラー・メッセージを調べ,問題を解決します。 メンバのエラーが解決したら,setld -u コマンドを実行して,クラスタ・メンバへのロードを再度開始します。 この際,-m フラグでクラスタ・メンバ ID を指定します。
member loaded

setld -l コマンドおよび setld -u コマンドが動作していないことを確認します。 いずれかのメンバ上で setld -l が動作しているか,現在のメンバ上で setld -u コマンドが動作している場合,そのコマンドを終了させます。 動作していない場合は,setld -C コマンドを実行してインストレーションを完了させます。

クラスタでは,ソフトウェアが member loaded 状態のすべてのクラスタ・メンバで setld -C コマンドを実行しなければなりません。

unknown

ソフトウェア・サブセットの状態は,全く不明です。 システムにそのソフトウェアをロードするには,まず setld -d コマンドで古いソフトウェアを削除します。

削除操作が失敗したら,エラーを解決します。

エラーを解決してもサブセットが削除できない場合は,setld -d -f コマンドを使用します。 -f フラグは,サブセットの削除を強制します。 ソフトウェアが削除されたら (つまり,not installed 状態になったら),setld -l コマンドでソフトウェアをロードします。

クラスタ上で setld -d -f を実行すると,ダウンしているメンバ以外のすべてのメンバから,ソフトウェアが削除されます。 ダウンしている各クラスタ・メンバに対しては,復帰後 setld -Z コマンドを実行してください。 setld -Z コマンドが失敗した場合,必要であれば setld -Z -f を実行してください。

表 G-4 では,サブセットの状態ごとに,サブセット削除の失敗からの回復方法を示します。 明記されている場合以外は,どの状態でも削除処理は同じです。

表 G-4:  ソフトウェア削除の回復手順

サブセットの状態 削除の回復手順
この表で個別に説明していないすべての状態

削除失敗からの一般的な回復手順:

setld -d コマンドを再度実行して,サブセットの削除に必要な内部ステップをすべて実行します。 この内部ステップでは,インストールされているすべてのファイルが削除され,サブセットの SCP の C_INSTALL,POST_L,および PRE_L フェーズで行われた変更をそれぞれ元に戻す,SCP の C_DELETE,PRE_D,および POST_D フェーズが実行されます。

not installed 操作は必要ありません。 ソフトウェア・サブセットはすでに削除されています。
deleting

setld の削除操作が完了しているか確認します。 完了していない場合は,完了させます。 完了している場合は,削除操作 (setld -d) を再度実行し,エラーが発生すればそれを解決します。 削除操作の失敗が続く場合は,setld -d -f コマンドを使用します。 -f フラグは,サブセットの削除を強制します。

 

クラスタ上で setld -d -f を実行すると,ダウンしているメンバ以外のすべてのメンバから,ソフトウェアが削除されます。 ダウンしている各クラスタ・メンバに対しては,復帰後 setld -Z コマンドを実行してください。 setld -Z コマンドが失敗した場合,必要であれば setld -Z -f を実行してください。

 

注意

-f フラグを指定すると,削除操作中のサブセットの SCP フェーズで生成されるエラーが無視されるため,このフラグは最後の手段として使用してください。 SCP フェーズでエラーが報告された場合,このエラーを解決してから setld -d 操作を再度実行する必要があります。 サブセットをシステムから削除しなければならないが,エラーを解決できない場合にだけ,-f フラグを使用してください。

unknown

ソフトウェア・サブセットの状態は,全く不明です。 そのソフトウェアを削除するには,setld -d コマンドを実行します。

削除操作が失敗したら,エラーを解決します。

エラーを解決してもサブセットが削除できない場合は,setld -d -f コマンドを使用します。 -f フラグは,サブセットの削除を強制します。 サブセットの削除の強制についての詳細は,この表の「注意」を参照してください。

クラスタ上で setld -d -f を実行すると,ダウンしているメンバ以外のすべてのメンバから,ソフトウェアが削除されます。 ダウンしている各クラスタ・メンバに対しては,復帰後 setld -Z コマンドを実行してください。 setld -Z コマンドが失敗した場合,必要であれば setld -Z -f を実行してください。

G.4.2    クラスタ・メンバ上でのサブセットのロードまたは削除の失敗からの回復

サブセットのロードまたは削除に失敗したクラスタ・メンバが存在する場合,そのサブセットのインストレーション状態は,クラスタ全体で整合性がとれていない状態になります。

いずれかのクラスタ・メンバでロード操作や削除操作が失敗した場合は,操作を開始したメンバに失敗が表示されます。 失敗からの回復を行った後で,表 G-5 に示す適切な回復オプションを指定して setld ユーティリティを起動し,クラスタ内のすべてのメンバのクラスタ・インストレーション状態を整合させます。

クラスタ上で setld -d -f を実行すると,ダウンしているメンバ以外のすべてのメンバから,ソフトウェアが削除されます。 ダウンしている各クラスタ・メンバに対しては,復帰後 setld -Z コマンドを実行してください。 setld -Z コマンドが失敗した場合,必要であれば setld -Z -f を実行してください。

表 G-5 に,個々のクラスタ・メンバ上でのロード失敗または削除失敗からの回復に使用する setld のフラグを示します。

表 G-5:  setld ユーティリティの,クラスタでのロードおよび削除の回復オプション

オプション 説明

-m

クラスタ内の 1 つ以上のメンバでロードまたは削除操作が失敗した場合に,回復するクラスタ・メンバ ID を指定します。 このフラグは,-C フラグや -Z フラグとともに使用します。

clu_get_info コマンドを使用して,クラスタ・メンバのメンバ ID を調べます。

注意

このオペランドは,特定のメンバ上のソフトウェアのインストールや削除を行う目的では使用しないでください。 このフラグは回復専用であり,クラスタ上のソフトウェアのインストールや削除を行う手段としてはサポートされていません。

-C

指定したクラスタ・メンバ上の,指定したソフトウェア・サブセットの SCP の構成インストール・フェーズを実行します。

たとえば,3 つのクラスタ・メンバのうちの member1 上の OSFDCMT540 サブセットのロード失敗から回復するには,次のコマンドを入力します。

# setld -m member1 -C OSFDCMT540

-Z

指定したクラスタ・メンバ上の,指定したソフトウェア・サブセットの SCP の構成削除フェーズを実行します。

たとえば,3 つのクラスタ・メンバのうちの member1 上の OSFDCMT540 サブセットの削除操作の失敗から回復するには,次のコマンドを入力します。

# setld -m member1 -Z OSFDCMT540

ソフトウェア・サブセットのロード回復操作の場合,コマンドの構文は次のとおりです。

setld [-m member-ID] -C [subset-id [ subset-id... ] ]

ソフトウェア・サブセットの削除回復操作の場合,コマンドの構文は次のとおりです。

setld [-m member-ID] -Z [subset-id [ subset-id... ] ]

ソフトウェア・サブセット制御プログラム (SCP) についての詳細や setld ユーティリティのフェーズについての詳細は,『Guide to Preparing Product Kits』を参照してください。