この章では,ASU に関連したいくつかの一般的な問題の解決方法について説明します。問題の解明に使用できるさまざまなツールを示すとともに,一般的な問題に対する解決策を提供します。
8.1 問題発生の予防
ASU のコマンドを使用して,ASU サーバの状態を追跡し,監視することができます。こうすることによって,通常の状態での ASU サーバの動作状況を知り,問題が発生する前に ASU ソフトウェアが調整を必要としている兆候に気付くことができます。
8.1.1 統計情報の表示
net statistics
コマンドを使用して, ASU の現在の利用状況と一定期間の累積利用状況についての詳細な統計情報を表示することができます。ASU の統計情報を定期的にレビューすれば,ASU の変化に気付いて,すぐに対処することができます。表 8-1
に,ASU サーバが保持する統計情報を示します。
表 8-1: ASU の統計情報
統計情報 | 内容 |
統計開始 | この統計が開始された日付 (最後の ASU が起動された時間または統計が最後にクリアされた時間) |
受諾セッション | ユーザが ASU サーバへ接続した回数 |
タイム・アウト・セッション | 非アクティブのためクローズされたユーザ・セッション数 |
エラー・アウト・セッション | エラーのため終了したユーザ・セッション数 |
送信キロバイト | ASU サーバが転送したデータのキロバイト数 |
受信キロバイト | ASU サーバが受信したデータのキロバイト数 |
平均応答時間 (ミリ秒) | リモート・サーバの要求の処理にかかった平均応答時間。Tru64 UNIX システムのサーバでは常にゼロ (0) に設定。 |
システム・エラー | この統計情報は,Tru64 UNIX システム・サーバには適用されない。 |
アクセス許可違反 | ユーザが必要な許可なしで,資源へのアクセスを試行した回数 |
パスワード違反 | 不正パスワードの試行回数 |
ファイル・アクセス | 利用されたファイル数 |
共通デバイス・アクセス | この統計情報は,ASU サーバでは未サポート |
スプール・プリント・ジョブ | サーバのプリンタ・キューにスプールされたプリント・ジョブ数 |
バッファ不足回数 | ビッグ・バッファおよびリクエスト・バッファの不足数。Tru64 UNIX システム・サーバでは常にゼロ (0) に設定。 |
省略時の設定では,トランザクション統計情報は,lanman.ini
ファイル内の
countbeans
パラメータによって収集されます。
このパラメータを無効にするには,lanman.ini
ファイルを編集し,countbeans
の値を
no
に設定します。countbeans
パラメータが存在しない場合は,それを
lanman.ini
ファイル内の
lmxserver
セクションの下に追加します。たとえば,countbeans
パラメータを無効にするには,次のように入力します。
[ lmxserver ] countbeans=no
countbeans
パラメータを有効にするには,その値を
yes
に設定します。
トランザクション統計情報を表示する場合は,lmstat
-n
コマンドを使用します。countbeans
パラメータが無効になっている場合には,次のメッセージが表示されます。
The gathering of transaction statistics has been disabled.
8.1.3 スクリプトの使用
Tru64 UNIX オペレーティング・システムから提供されるスクリプト機能を,ASU のデータ収集ツールと組み合わせて利用することにより,任意の時間に ASU サーバの状態にアクセスできる強力なツールを作成することができます。
たとえば,Tru64 UNIX システムのジョブ・スケジューリング機能 (CRON
),ASU のデータ収集ツール,およびファイル・システムの完全性と空き領域をチェックする標準 Tru64 UNIX システムのコマンドをいくつか使用して,さまざまなチェックを実行し,結果を定期的に Tru64 UNIX システムの管理者に送信するスクリプトを作成することができます。
8.1.4 警告メッセージの生成
ASU サーバは,管理警告が発生した場合に,リストにある特定のユーザにメッセージを送信します。管理警告は,システムによって生成され,ASU サーバおよび資源の利用に関係があります。管理警告は,セキュリティとアクセスの問題,ユーザ・セッションの問題,サービスに伴う問題,電源断によるサーバ・シャットダウン,プリンタの問題,およびレジストリ・パラメータの制限超過について警告します。
次に,警告メッセージが生成される状況の例を示します。
エラーの回数が ASU レジストリに設定されたしきい値を超過した。
NetLogon
サービス起動中にエラーを検出した。
プリンタの不具合。
警告が送られるようにするには,Alerter
(警告) サービスと
Messenger
サービスが,警告を発するコンピュータ上で実行されていなければなりません。これら 2 つのサービスは,通常,システム起動時に省略時の設定により使用可能になっています。警告を受け取るには,Messenger
サービスが,受信先のコンピュータ上で実行されていなければなりません。
サーバー マネージャ GUI を使用して,管理警告が発生したときに通知される,ユーザとコンピュータのリストを表示および管理することができます。
8.1.5 System,Security,Application ログ・ファイル
ASU サーバによって生成されるイベントは,system,security,および application の 3 つのイベント・ログ・ファイルに自動的に記録されます。
ASU イベントが,システムにとって (またはアプリケーションにとって) 何らかの重大な影響を及ぼす場合,ユーザに通知する必要があります。非常に重大なイベントの場合は,画面上にメッセージで表示されるものもあります。早急に通知する必要のないイベントは,/usr/net/server/lanman/logs
ディレクトリにある次のいずれかのイベント・ログ・ファイルに記録されます。
System -- システム・ログ・ファイルは,システム・コンポーネントによってログされたイベントを記録します。たとえば,起動時のドライバや他のシステム・コンポーネントのロードの失敗など。
Security -- セキュリティ・ログ・ファイルは,システムにおける変更およびドメイン ユーザー マネージャ・インタフェースを使用して,監査設定に指定したイベントを記録します。たとえば,ユーザによるログインの失敗回数など。セキュリティ・ログを見ることができるのは管理者だけです。
Application -- アプリケーション・ログ・ファイルは,アプリケーションによってログされたイベントを記録します。
システム,セキュリティ,およびアプリケーションのイベント・ログ・ファイルを表示するには,Windows ベースのイベント ビューアまたは
elfread
コマンドを使用します。
8.1.5.1 Windows イベント ビューア
イベント ビューア (eventvwr.exe
) は,Windows NT システムにインストールされています。Windows ベースの管理インタフェースをインストールすることにより,Windows 95 または Windows 98 システムにインストールすることもできます。Windows ベースの管理インタフェースのインストールについての詳細は,1.8.2 項を参照してください。
イベント ビューアでは,イベント一覧を表示します。特定のイベントをダブルクリックすると,そのイベントの詳細情報を見ることができます。
イベントの表示方法については,イベント ビューアのオンライン・ヘルプを参照してください。
8.1.5.2 elfread コマンド
elfread
コマンドを使用すると,ログ・ファイルを表示して,イベントを消去することができます。また,省略時のログ・ファイルを指定のログ・ファイルにコピーしたり,移動したり,名前を変更したりすることもできます。
システム・ログの要約を表示するには,次のように入力します。
#
elfread system
システム・ログがコピーされた
Monday
というファイルを表示するには,次のように入力します。
#
elfread
-f
Monday system
elfread
コマンドの詳細については,
elfread
(8)8.1.6 プリンタ・ログ・ファイル
ASU サーバは,各プリンタ共有および Tru64 UNIX システムのプリンタに関して,プリンタ障害またはプリント・ジョブ・エラーのために生成されたメッセージを記録したプリント・ログを保存します。プリンタ・ログ・ファイルは,/usr/net/servers/lanman/shares/printlog
ディレクトリにあります。
エラーが発生したかどうかを判断するために,テキスト・エディタを使用して,定期的にこれらのログ・ファイルをチェックしてください。
8.1.7 ASU ネットワーク・エラーのロギング
以降の各項で,ASU ネットワーク関連のエラーがどこにロギングされるかについて説明します。
8.1.7.1 コンピュータ名の競合
ASU サーバ用に選択したコンピュータ名が既存のシステムと競合する場合は,競合したシステムの名前とアドレスを含むエラー・メッセージが次のファイルに生成されます。
/var/adm/messages
/var/adm/syslog.dated/date/kern.log
8.1.7.2 WINS サーバと ASU サーバ間の接続の問題
WINS クライアントとして構成された ASU サーバが,WINS サーバとの接続を失って再接続する場合は,次のログ・ファイルにメッセージが生成されます。
/var/adm/messages
/var/adm/syslog.dated/date/kern.log
8.1.7.3 NetBIOS over TCP/IP での名前の不足
NetBIOS over TCP/IP で名前が不足した場合は,次のメッセージがシステム・ログ (/var/adm/messages
) に書き込まれます。
knbtcp: Warning - NetBIOS name limit exceeded; current limit = 32 Recommend increasing parameter "knbnames" for subsystem "knbtcp" using sysconfigdb
NetBIOS over TCP/IP (knbtcp
) の名前の数を増やす方法についての詳細は,第 7 章を参照してください。
8.1.7.4 NetBEUI でのデータリンクの不足
NetBEUI でデータリンクが不足した場合は,次のメッセージがシステム・ログ (/var/adm/messages
) に書き込まれます。
netbeui: Warning - link limit exceeded; current limit = 8 Recommend increasing parameter "nb_datalinks" for subsystem "netbeui" using sysconfigdb
このエラーは,構成されているコントローラ数に対してデータリンクが十分でない場合に生じます。構成されている各コントローラに対し NetBEUI 内に 2 つのデータリンクを構成する必要があります。
データリンク数を増やす方法についての詳細は,第 7 章を参照してください。
8.1.7.5 NetBEUI での名前の不足
NetBEUI で NetBIOS 名が不足した場合は,次のメッセージがシステム・ログ (/var/adm/messages
) に書き込まれます。
netbeui: Warning - NetBIOS name limit exceeded; current limit = 32 Recommend increasing parameter "nb_names" for subsystem "netbeui" using sysconfigdb
NetBIOS 名を増やす方法についての詳細は,第 7 章を参照してください。
8.1.8 すべてのネットワーク・パケットの収集
ASU サーバによって生成または受信されたすべてのネットワーク・パケットを
/usr/net/server/lanman/debug
ディレクトリにあるテキスト・ファイルに記録させるように,ASU サーバを構成することができます。このファイルは
Debug-process-pid
と呼ばれ,process
にはプロセス名,process
にはプロセス ID が入ります。
テキスト・エディタを使用して,Debug-process-pid
ファイルを表示し,ネットワーク・パケットの内容を調べることができます。
ネットワーク・パケットのロギングが有効になっている場合は,すべてのネットワーク・アクティビティが記録されるため,ASU サーバの応答が遅くなります。ロギングを有効にするのは,問題を再現する目的だけにしてください。問題が再現されて
Debug-process-pid
ファイルが生成されたら,ネットワーク・パケットのロギングを停止します。
ASU サーバでネットワーク・パケットのロギングを有効にするには,次のようにします。
次のように
kill
コマンドを使用します。
#
kill -30 pid
pid
には,任意の ASU プロセス (たとえば
lmx.srv
プロセス) のプロセス ID を指定します。
このコマンドでは ASU サーバを再起動する必要はありません。ASU サーバがネットワーク・パケットのログを記録するのを停止するには,コマンドを再入力します。
lanman.ini
ファイルを編集し,[
lmxserver
] セクションに次のパラメータを追加して,ASU サーバを再起動します。
debug=yes
debug
パラメータを
no
に設定して,ネットワーク・パケットのロギングを停止します。
lanman.ini
ファイルの [
lmxserver
] セクションに
debugumask
パラメータを追加して,デバッグ・ログ・ファイルおよびクラッシュ・ファイルへのユーザ・アクセスを制御することができます。設定する許可は,chmod
コマンドで使用する 8 進数の設定と同様です。debugumask
パラメータの省略時の値は 0600 (所有者に対して読み取りおよび書き込み) です。
異常終了したプロセスのために問題が起こった場合は,/usr/net/server/lanman/debug
ディレクトリに,そのプロセス固有のサブディレクトリが作成されます。そのサブディレクトリは
Crash-process-pid-node
と呼ばれ,process
にはプロセスの名前,pid
には異常終了したプロセスのプロセス ID,node
にはプロセスを実行していたノード名が入ります。core
ファイル,StackTrace
ファイル,ShemTrace
ファイルが,そのディレクトリに置かれます。
たとえば,PID が 512 のサーバ・プロセス (lmx.srv
) が red と呼ばれるノード上でクラッシュすると,次のディレクトリに
core
ファイル,StackTrace
ファイル,ShemTrace
ファイルが作成されます。
/usr/net/servers/lanman/debug/Crash-LMX.SRV-512-RED
テキスト・エディタを使用すると,StackTrace
ファイルを表示して,プロセスの終了についての情報を得ることができます。
asustat
-i
コマンドを使用すると,ShemTrace
ファイルを参照して,プロセスが終了したときの ASU サーバの状態を知ることができます。たとえば,PID が 512 で red と呼ばれるノード上でクラッシュしたサーバ・プロセスの
ShemTrace
ファイルを参照するには,次のコマンドを入力します。
#
cd /usr/net/servers/lanman/debug/Crash-LMX.SRV-512-RED
#
asustat
-a
-i
ShmemTrace
8.1.9 ASU プロセスのための StackTrace および Core ファイルの生成
ASU の問題の原因を判断できない場合は,各 ASU プロセスに対して,StackTrace
,ShemTrace
および
core
ファイルを生成することができます。StackTrace
,ShemTrace
および
core
ファイルには,起動された各 ASU サービスの状態を判断するのに役立つ情報が含まれています。
StackTrace
,ShemTrace
および
core
ファイルを生成すると,起動されている ASU プロセスおよびサービスが停止され,/usr/net/server/lanman/debug
ディレクトリに各プロセス用のディレクトリが作成されて,そのディレクトリに
StackTrace
,ShemTrace
および
core
ファイルが生成されます。作成されたディレクトリは
Crash-process-pid-node
と呼ばれ,process
はプロセス名,pid
はプロセス ID,node
はプロセスが実行されていたノード名です。
起動されている各 ASU プロセスに対して
StackTrace
,ShemTrace
および
core
ファイルを生成するには,SIGTRAP
を
lmx.ctrl
の PID に送信する必要があります。たとえば,lmx.ctrl
プロセスの PID が 26059 の場合には,次のコマンドを入力します。
#
kill -5 26059
8.1.10 ASU トランスポート・リンク・プロセスのための StackTrace および Core ファイルの生成
ASU トランスポートの問題の原因を判断できない場合は,リンク・プロセスに対して,StackTrace
および
core
ファイルを生成することができます。StackTrace
および
core
ファイルには,起動された各 ASU リンク・プロセスの状態を判断するのに役立つ情報が含まれています。
StackTrace
および
core
ファイルを生成すると,起動されている ASU トランスポート・リンク・プロセスが停止され,/usr/net/server/lanman/debug
ディレクトリに各プロセス用のディレクトリが作成されて,そのディレクトリに
StackTrace
および
core
ファイルが生成されます。作成されたディレクトリは
Crash-process-pid
と呼ばれ,process
はリンク・プロセスの名前,pid
はプロセス ID です。
起動されている各 ASU トランスポート・リンク・プロセスに対して
StackTrace
および
core
ファイルを生成するには,SIGTRAP
をリンク PID に送信する必要があります。たとえば,knblink
プロセスの PID が 685 の場合には,次のコマンドを入力します。
#
kill
-5
685
8.2 ASU サーバに関する一般的な問題の解決
この節では,ASU サーバに関するいくつかの一般的な問題と推奨される解決方法について説明します。
8.2.1 ASU ソフトウェアが破損している疑いがある
ASU ソフトウェアが破損している疑いがある場合は,fverify
コマンドを使用して,インストールされている ASU 関連ファイルの属性を確認してください。
ASU のインストール中に,SUBSET.inv.inst
と呼ばれる特殊なインベントリ・ファイルが
/usr/.smdb.
ディレクトリに作成されます。この特殊なインベントリ・ファイルを
fverify
コマンドの入力として使用してください。たとえば,ASUBASEnnn
サブセットのファイルを確認するには,次のように入力します。
#
/usr/lbin/fverify <
/usr/.smdb./ASUBASEnnn.inv.inst
nnn は ASU のバージョンです。現在のバージョン番号については,『Advanced Server for UNIX リリース・ノート』を参照してください。
fverify
コマンドの詳細については,
fverify
(8)8.2.2 ASU サーバが起動しない
ASU サーバが起動しない場合には,次の事項を確認してください。
次のコマンドを入力して,ACL ファイルが破損しているかどうかを確認します。ファイルが破損している場合は,ファイルを修復する前に,コマンドから問い合わせがあります。
#
acladm
-C
acladm
コマンドについての詳細は,
acladm
(8)
次のコマンドを入力して,ASU ファイル・オン・ファイル・マウント・ポイントが削除されていることを確認してください。
#
mount | grep /usr/net/servers/lanman/mailslot
ASU のファイル・オン・ファイル・マウント・ポイントが表示された場合は,次のコマンドを入力して 1 つずつ削除します。
#
umount file-on-file_mount_point
以降の各項で,ほとんどのユーザが ASU サーバにアクセスできない場合に確認する事項について説明します。
8.2.3.1 ネットワークのリンクを確認する
ほとんどのネットワーク・ハードウェアでは,状態インディケータを提供しているため,それを使用して,さまざまなネットワーク・リンク (LED 使用の 10-Base-T Hub など) の状態を評価します。ネットワーク・ハードウェアのマニュアルを参照して,これらのリンクをチェックし,問題の兆候がないかをどうかを調べます。
あるクライアントがネットワーク上のすべてのものに接続することができないが,その他の点ではネットワークが問題なく機能している場合,この問題は,クライアントのネットワーク構成に関係があると考えてほぼ間違いありません。しかし,そのクライアントがネットワーク上の他のシステムには接続できるけれど,ASU サーバに接続できない場合には,ASU サーバへのネットワーク・パス,あるいはそのクライアントが使用しているアカウントに問題の原因がある可能性があります。
物理ネットワークの動作状況を監視するのに利用できる他社製品もいくつか販売されています。ネットワーク・トラフィックを定期的にチェックして,物理ネットワークに問題が生じているかどうかをチェックすることが重要です。
8.2.3.2 必須の ASU プロセスが実行されているかどうかを確認する
ASU プロセスが実行されていることを確認するには,次のコマンドを入力します。
#
ps
-ef
| grep lmx
次のような情報が表示されます。
root 17726 1 0 12:03:36 0:00 lmx.alerter root 17713 17461 0 12:03:32 0:00 lmx.srv -s 1 root 17722 17874 0 12:03:35 0:00 lmx.srv -s 2 root 17726 1 0 12:03:36 0:01 lmx.dmn root 17728 1 0 12:03:36 0:01 lmx.browser root 17744 1 0 12:03:28 0:00 lmx.ctrl
この報告では,netlogon デーモン (lmx.dmn
),制御プロセス (lmx.ctrl
),および
lmx.srv
サーバ・プロセスの 3 つの必須サーバ・プロセスが実行されていることを示しています。追加の各
lmx.srv
プロセスには,上記の例のように,固有の番号が行の最後に付けられて表示される場合があります。コントローラは,サーバがサポートするクライアント数に基づいて新しい
lmx.srv
プロセスを起動します。起動されるクライアント・セッション数が増加すると,起動される
lmx.srv
プロセスも増加し,各プロセスには,固有のプロセス ID と番号が付けられます。lmx.browser
や
lmx.alerter
などのその他のプロセスに関する情報が表示される場合もあります。
asustat
コマンドを使用して,システムの共有メモリ・イメージから ASU の現在の状態についてのデータを表示できます。asustat
-c
コマンドを実行すると,lmx.srv
プロセスに接続されているクライアントを表示することができます。たとえば,次のようになります。
Clients: [000] A.SERVE~X nwnum=0, vcnum=2 on 17713 LIC=00 (NONE) link=[000] [002] B nwnum=0, vcnum=1 on 17713 LIC=02 (BUILT-IN) link=[002] [003] C nwnum=0, vcnum=1 on 17722 LIC=02 (BUILT-IN) link=[003]
各クライアント名には,対応付けられた PID 番号があることに注意してください (たとえば,A.SERVE~X は PID 17713 を持ちます)。これは,現在,そのクライアントにサービスをしている
lmx.srv
プロセスの PID です。nwnum
値は,セッションで使用されているトランスポートを示す値であり,0 の場合は NetBEUI,1 の場合は TCP/IP であることを示します。vcnum
値は,これがクライアント・コンピュータの最初の接続であるか,または追加されたものであるかを示します。
クライアントにサービスをしている
lmx.srv
プロセスの PID を知ることができれば,特に
lmstat
-w
コマンドを使用する際に役立ちます。このコマンドは PID を必要とします。
ASU サーバが実行されていない場合は,次のコマンドを入力します。
#
net start server
8.2.3.3 必須の ASU サービスが実行されていることを確認する
ASU サービスが正常に起動されたかどうかを調べます。いくつかの ASU サーバ・プロセスが実行されているが,ある特定のサービスが起動されていないために ASU サーバにアクセスできない状況が起こることがあります。特に
NetLogon
サービスの場合にこの可能性があります。どの ASU サービスが起動されているかを確認するには,次のコマンドを入力します。
#
net start
起動されている ASU サービスのリストが表示されます。
NetLogon
サービスおよび
Server
サービスが表示されなければ,ASU ソフトウェアに問題があります。NetLogon
サービスは,ASU サーバ名,ドメイン名,またはドメイン構成に問題があるために,起動しないことが時々あります。
この章で前述したように,エラー・ログで問題点を確認してください。
8.2.3.4 ASU が TCP/IP を使用して通信できるかどうかを確認する
物理ネットワークが,正しく機能していると考えられる場合には,ネットワーク上のさまざまなシステムが, TCP/IP トランスポート・プロトコルを使用して相互に通信できるかどうかを調べてください。
Tru64 UNIX の
ping
コマンドを使用して,システムで TCP/IP トランスポート・プロトコルが正常に動作しているかどうかを調べることができます。
ASU サーバが実行されているシステム上で入力された
ping
コマンドがクライアントを検索できない場合,そのクライアントは TCP/IP トランスポート・プロトコルを使用して ASU サーバに接続できません。
複数のシステム上で
ping
コマンドを入力して,ASU サーバが実行されているシステムを検索できない場合は, 次のうちのいずれかの状況が起こっていると考えられます。
ASU サーバが稼働していない。起動されている ASU サービスを表示するには,次のように入力します。
#
net start
ASU サーバが稼働していない場合は,次のコマンドを入力します。
#
net start server
ASU サーバが稼働しているシステムで TCP/IP トランスポート・プロトコルを実行していない。
構成の問題によってネットワーク接続が分断されている。
ping
コマンドが異常終了する場合には,/usr/sbin/asuivp
ユーティリティを実行して,TCP/IP プロトコルが正しくインストールされているかどうかを確認してください。
詳細については,ご使用のトランスポート・プロトコル・ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
ping
コマンドについての詳細は,
ping
(8)8.2.3.5 ASU が NetBIOS を使用して通信できるかどうかを確認する
ASU サーバは,NetBIOS 名のセッションに基づいて通信します。そのため,ノード間の接続はできても,NetBIOS 名間の接続が機能していない場合,ASU サーバは動作しません。
ASU サーバが NetBIOS を使用してネットワーク経由で通信できるかどうかを調べるには,次のコマンドを入力します。
#
net view
ASU サーバ名が表示されない場合は,asusetup
コマンドを入力して,ASU トランスポートを再構成します。
NetBEUI が正しく NetBIOS 名を指しているかどうかを確認するには,次のコマンドを入力します。
#
nbemon
-i1
TCP/IP が正しく NetBIOS 名を指しているかどうかを確認するには,次のコマンドを入力します。
#
knbmon
-i1
名前が表示されない場合は,トランスポート・タイプが実行のために構成されていないか,またはそのトランスポート用の ASU リンク・プロセスが停止しているかのいずれかです。TCP/IP リンク・プロセスが実行中かどうかを判断するには,次のように入力します。
#
ps
-e
| grep knblink
NetBEUI リンク・プロセスが実行中かどうかを判断するには,次のように入力します。
#
ps
-e
| grep dllink
#
ps
-e
| grep nbelink
プロセスが実行されていない場合は,asusetup
を実行し,リンク・プロセスを構成して再起動します。Cannot unload drive
というエラーが返された場合は,システムを再ブートする必要があります。
8.2.3.6 Tru64 UNIX システムの機能を使用して確認する
ネットワーク接続が正しく動作している場合は,ASU サーバがインストールされているコンピュータ上の Tru64 UNIX オペレーティング・システムの機能を確認します。Tru64 UNIX オペレーティング・システム・ソフトウェアでは,さまざまなログ・ファイルやシステム・チェック機能を提供しており,それらを使用して,正しいオペレーションかどうかを確認することができます。これらのチェック機能については,Tru64 UNIX の『システム管理ガイド』を参照してください。
ASU サーバは,特に次のようなシステム上の問題に敏感です。
オープン・ファイル最大数などのカーネル・パラメータの不適切な調整
root
(/
) や
/var
などの重要なファイル・システム内のディスク領域不足
システム・メモリ不足による過度なスワッピングの発生
CPU バウンド状態
不均衡なディスク負荷
8.2.3.7 ASU 特殊ディスク共有が共有されているかどうかを確認する
ASU ソフトウェアのインストール時に,次の ASU 特殊ディスク共有が自動的に共有されます。これらのディスク共有を削除したり,変更したり,再共有したりしないでください。クライアントは,これらのディスク共有をバックグラウンドで使用します。
ADMIN$ C$ D$ DOSUTIL IPC$ NETLOGON OS2UTIL PRINTLOG PRINT$ USERS
これらの特殊ディスク共有のいずれが欠けていても,ASU サーバは正しく機能しません。ディスク共有を表示するには,次のコマンドを入力します。
#
net view ¥¥ASU_servername
ドル記号 ($) が末尾にある特殊ディスク共有は隠されていて,ASU サーバのブラウズ時に表示されません。隠されているディスク共有にアクセスするには,次のように共有名を指定します。
¥¥servername¥sharename$
いずれかの特殊ディスク共有が欠けていることを発見した場合には,次のコマンドを入力して ASU サーバを再起動します。
#
net stop server
#
net start server
ASU サーバを再起動しても,特殊ディスク共有がまだ欠けている場合は,弊社の各支店/営業所にお問い合わせください。
8.2.3.8 ASU レジストリが破損していないかどうかを確認する
レジストリ・ファイルの内部フォーマットが破損していないかどうかを調べるには,次のコマンドを入力します。
#
regcheck
-C
レジストリの状態を通知するメッセージが表示されます。
レジストリが破損していることをメッセージが示している場合は,次のコマンドを入力して,レジストリ・ファイルを修復します。
#
regcheck
-R
破損の原因を示す次のいずれかのメッセージが表示されます。
Keys had larger ID's than the next ID to allocate.
Keys did not have hash table entries.
Keys had duplicate ID's.
Keys listed nonexistent subkeys.
Keys were not listed as subkeys by their parents.
Keys had nonexistent parents.
Keys had wrong subkey names.
Keys listed subkeys that weren't really subkeys.
Keys had inconsistent representations.
Dead entries were found in the hash table.
レジストリの破損が修復されたら,次のコマンドを入力して,失われているレジストリ値を省略時の値に再初期化します。
#
regload
レジストリを修復できない場合は,次の手順に従ってください。
次のコマンドを入力して,レジストリを削除します。
#
rm /usr/net/servers/lanman/datafiles/registry*
次のコマンドを入力して,レジストリを再初期化し,すべてのレジストリ値エントリを省略時の値に設定します。
#
regload
これらのコマンドについては,
regcheck
(8)regload
(8)8.2.3.9 lanman.ini ファイルのパラメータを確認する
lanman.ini
ファイル内のパラメータには,省略時の設定が使用されていますが,省略時の値を変更することができます。
lanman.ini
ファイル内のパラメータのリストおよびその設定を表示するには,次のコマンドを入力します。
#
srvconfig
-p
| more
srvconfig
コマンドについての詳細は
srvconfig
(8)lanman.ini
ファイルについての詳細は付録 C
を参照してください。
8.2.3.10 ユーザ・アカウント・データベースが破損していないかどうかを確認する
ユーザ・アカウント・データベースが破損していないかどうかを確認するには,次のコマンドを入力します。
#
samcheck
-s
ユーザ・アカウント・データベースの状態について知らせるメッセージが表示されます。
ユーザ・アカウント・データベースが破損していることがメッセージに示されている場合は,次のコマンドを入力していデータベースを修復します。
#
samcheck
-r
samcheck
コマンドについては,
samcheck
(8)8.2.3.11 ACL ファイルが破損していないかどうかを確認する
次のコマンドを入力して,ACL ファイルが破損していないかどうかを調べます。
#
acladm
-C
ファイルが破損している場合には,ファイルを修復する前に,コマンドからプロンプトが表示されます。
acladm
コマンドについては,
acladm
(8)8.3 共有に関する一般的な問題の解決
この節では,共有資源に関連するいくつかの一般的な問題と推奨される解決策について説明します。
8.3.1 ユーザが共有に接続できない
ユーザが共有に接続できない場合は,次の事項を確認します。
共有が存在するかどうか
ASU サーバの保有するクライアント数が,最大値を超えていないかどうか
ディスク共有名のリストを表示するには,次のコマンドを入力します。
#
net view ¥¥ASU_servername
ユーザが接続しようとしているディスク共有名が表示されない場合,その共有は存在しません。必要な場合は,net share
コマンドを使用して,その共有を再作成します。ディスク共有を作成する方法については,第 4 章を参照してください。
8.3.1.2 クライアントの最大数を確認する
ASU サーバは,ASU ライセンスと同数のクライアントに対してのみサービスを提供します。クライアントの最大数は,サーバの
lanman.ini
ファイル内の
maxclients
パラメータで定義されます。
maxclients
パラメータに割り当てられている値を表示するには,次のコマンドを入力します。
#
srvconfig
-g
'server,maxclients'
接続されているクライアント数を表示するには,asustat
-n
コマンドを使用します。maxclients
パラメータの値よりも少ないクライアントしかないけれども,クライアントがまだ接続できない場合は,asustat
-L
コマンドを使用して,現在利用可能な ASU ライセンスの数を確認します。すべての ASU ライセンスが使用中の場合,他のクライアントは ASU サーバに接続することはできません。
8.3.2 ユーザがファイルにアクセスできない
ユーザがファイルにアクセスできない場合は,次の事項を確認してください。
そのファイルに対するユーザの Windows NT 共有,Windows NTFS,および Tru64 UNIX のアクセス許可
オープン・ロックについて
Ustructs
が不十分でないか
8.3.2.1 Windows NT 共有のアクセス権の表示と変更
Windows NT 共有のアクセス権を表示するには,次のいずれかを使用します。
サーバ マネージャ・ユーティリティ
net perms
コマンド
net perms
コマンドを使用して,project
というディスク共有の Windows NT 共有アクセス権を表示するには,次のように入力します。
#
net perms ¥¥project
peter という名前のユーザが読み取りを行えるように,Windows NT ディスク共有
project
のアクセス権を設定するには,次のように入力します。
#
net perms ¥¥project /grant
peter:read
注意
省略時の設定では,すべてのユーザは共有に接続するアクセス権を持ちます。共有内のディレクトリおよびファイルへのアクセスは,通常,NTFS アクセス権で制御されます。詳細については,8.3.2.2 項を参照してください。
8.3.2.2 Windows NTFS アクセス権の表示と変更
NTFS のアクセス権を設定するには,次の方法を使用することができます。
Windows NT エクスプローラまたはファイル マネージャ
net perms
コマンド
net perms
コマンドを使用して,project
という共有の Windows NTFS アクセス権を表示するには,次のように入力します。
#
net perms c:/usr/net/servers/lanman/shares/project
net perms
コマンドを使用して,team1
グループに
project
ディスク共有に対する Windows NTFS の書き込みアクセス権を付与するには,次のコマンドを入力します。コマンド全体を入力してから,Enter キーを押してください。
# net perms c:/usr/net/servers/lanman/shares/project /grant team1:w
8.3.2.3 Tru64 UNIX のアクセス許可を確認する
chown
,chgrp
,chmod
などの標準の Tru64 UNIX コマンドを使用して,ディスク共有に関連付けられているディレクトリおよびファイルに所有権とアクセス許可を設定します。
project
というディレクトリに対して,world の読み取り許可を設定するには,次のコマンドを入力します。
#
chmod 774 /usr/net/servers/lanman/shares/project
これらのコマンドについての詳細は,
chown
(8)chgrp
(8)chmod
(8)8.3.2.4 オープン・ロックを確認する
アプリケーション・プログラムのエラーが原因で,ファイルがオープンしたまま,ロックした状態で放置されてしまうことがあります。このようなファイルは,他のユーザが使用できません。
これらのファイルをクローズして,アクセスの問題を解決するには,次のいずれかの方法を使用します。
net session
コマンド
現在のセッションを表示するには,次のように入力します。
#
net session
client1
というクライアントを持つセッションを削除するには,次のように入力します。
#
net session ¥¥client1
/delete
サーバー マネージャ
サーバー マネージャを使用して,ファイルをクローズするには,次の手順に従います。
サーバー マネージャを起動します。
[コンピュータ] メニューから [ドメインの選択] オプションを選択します。
[ドメインの選択] ダイアログ・ボックスから,管理するサーバを指定します。[ドメイン:] フィールドにサーバ名を入力するか,または [ドメインの選択:] セクション内のサーバを参照します。
サーバ名をダブルクリックするか,またはサーバ名を強調表示させて,[コンピュータ] メニューから [プロパティ] を選択します。
[使用] ボタンをクリックします。
[開いている資源] を強調表示させて,[資源を閉じる] ボタンをクリックします。
8.3.2.5 Ustructs が不十分かどうかを確認する
次の手順に従って,Ustructs の数が不十分かどうかを調べます。
次のコマンドを入力して,Ustructs の最大数を表示します。行末のバックスラッシュ (\) は,そのコマンド行が次の行に続くことを示しています。コマンド全体を入力したら,Enter キーを押してください。
# regconfig SYSTEM/CurrentControlSet/Services/\ AdvancedServer/ProcessParameters NumUStructs
次のコマンドを入力して,オープン・ファイルとファイル・ロックの数を表示します。
#
asustat
-n
オープン・ファイルおよびファイル・ロックの数は,Ustructs の数を超えることができません。Ustructs 数を増やす必要がある場合は,7.6 節を参照してください。
8.4 ブラウジングに関する一般的な問題の解決
この節では, Computer Browser サービスに関連するいくつかの一般的な問題と推奨される解決策について説明します。
8.4.1 ブラウザで ASU 共有が表示されない
ブラウザで ASU 共有が表示されない場合は,次のコマンドを入力して,ブラウザ・サービスを再起動します。
#
net stop browser
#
net start browser
8.4.2 LAN Manager サーバで ASU サーバが表示されない
net view
コマンドを実行してもドメイン内の ASU サーバが表示されない場合は,ASU レジストリを編集し,LmAnnounce
エントリを有効にします。このエントリを有効にすると,ASU サーバは,LAN Manager スタイルのサーバ通知をブロードキャストするように構成されます。
次の手順に従い,regconfig
レジストリ エディタを使用して,ASU サーバが LAN Manager スタイルのサーバ通知をブロードキャストできるようにします。行末のバックスラッシュ (\) は,そのコマンド行が次の行に続くことを示しています。コマンド全体を入力したら,Enter キーを押してください。
次のコマンドを入力して,LmAnnounce
エントリを有効にします。
# regconfig SYSTEM/CurrentControlSet/Services/\ LanmanServer/Parameters LmAnnounce REG_DWORD 1
次のコマンドを入力して ASU サーバを再起動します。
#
net stop server
#
net start server
8.4.3 BDC のブラウズ・リストに全部のコントローラが含まれてはいない
システムがブラウズ・リストを更新するのに 12 分もかかる場合があります。更新時間 (秒) を変更するには,バックアップ・ドメイン・コントローラ (BDC) の ASU レジストリを編集して,BackupUpdate
パラメータの値を変更します。ブラウズ更新時間が増えると,ネットワークのトラフィックが増大することに注意してください。
次の手順に従い,regconfig
レジストリ エディタを使用して,ブラウズ・リストの更新時間を短縮します。行末のバックスラッシュ (\) は,そのコマンド行が次の行に続くことを示しています。コマンド全体を入力したら,Enter キーを押してください。
BackupUpdate
エントリに設定されている時間を短くします。このエントリ値を 10 分 (600 秒) に減らすには,次のように入力します。
# regconfig SYSTEM/CurrentControlSet/Services/\ Browser/Parameters BackupUpdate REG_DWORD 600
次のコマンドを入力して ASU サーバを再起動します。
#
net stop server
#
net start server
この節では,共有プリンタ・キューに関連するいくつかの一般的な問題と推奨される解決策について説明します。
8.5.1 クライアント・プリンタおよびジョブが表示されない
F5 キーを押して,手動で画面を再表示させます。プリンタを一時停止,再開,削除,または追加したときには必ず,この作業を行って画面を更新してください。
8.5.2 プリンタ名が誤っている
プリンタ名にスペースが含まれていないこと,および共有名がプリンタ名と同じであることを確認してください。
8.5.3 区切りページがない
separator:pathname
オプションを指定して
net print
コマンドを入力することにより,カスタムの区切りページを使用するように ASU サーバを構成することができます。
net print
コマンドについての詳細は,次のコマンドを入力します。
#
net help print /options
| more
8.5.4 プリント・ジョブが印刷されない
次の事項を確認してください。
プリンタ・ケーブルが,メーカの指示に従って接続されている。
プリンタの電源が入っている,選択されている (オンラインである),用紙がある,紙詰まりしていない,他の明らかな問題がない。
プリンタまたはプリンタ・キューが,一時停止されていない,保留されていない,エラーを起こしていない。一時停止または保留されている場合は,プリンタまたはプリンタ・キューの処理を続行または再スタートさせる。
Tru64 UNIX システム・コンソールから印刷できる。印刷できない場合は,Tru64 UNIX システムのマニュアルを参照。
ご使用のプリンタのマニュアルを参照して,プリンタに「パリティなし」を設定します。
8.5.6 共有クライアント・プリンタへの印刷での問題
共有クライアント・プリンタが,クライアント・コンピュータのパラレル・ポートの LPT1 または PRN に接続されています。このプリンタに (ローカルではなく) ネットワーク経由で送られたプリント・ジョブが印刷されません。しかし,所有者のクライアント・コンピュータから送られたプリント・ジョブは印刷されます。プリンタ自体は,作動中を示しています。
net use
コマンドを入力します。LPT1 または PRN のポート ID がそのプリンタにリンクされていることが表示されたら,そのポート ID のリンクを解除し,未使用のポート ID をプリンタにリンクします。LPT1 または PRN ポートは,プリンタとの物理接続のために確保しておかなければなりません。
8.5.7 印刷時のキーボード・ロック
共有クライアント・プリンタが接続されているクライアントでアプリケーションを使用しているときに,プリント・ジョブが進行中の場合は,時々キーボードが数秒間ロックします。このような状況におけるキーボードの遅延の発生は,正常です。特に,プリンタがシリアル・ポートに接続されている場合に起こりやすくなります。