この章では,TruCluster Server クラスタのハードウェア要件および制約事項について説明します。また,サポートされるケーブル,トライリンク・コネクタ,Y ケーブル,およびターミネータの一覧も示します。
この章で説明している項目は,以下のとおりです。
TruCluster Server クラスタのメンバ・システムの要件 (2.1 節)
クラスタ・インターコネクトの要件および制約事項 (2.2 節)
ホスト・バス・アダプタの制約事項 (KGPSA,KZPSA-BB,KZPBA を含む) (2.3 節)
ディスク・デバイスの制約事項 (2.4 節)
RAID アレイ・コントローラの制約事項 (2.5 節)
SCSI シグナル変換器 (2.6 節)
サポートされる DWZZH UltraSCSI ハブ (2.7 節)
SCSI ケーブル (2.8 節)
SCSI ターミネータとトライリンク・コネクタ (2.9 節)
サポートされるハードウェアの最新情報については,次の URL にある該当システムの AlphaServer オプション・リストを参照してください。
ご使用のシステムの AlphaServer オプション:
http://www.compaq.com/alphaserver/products/options.html
TruCluster Server の Technical Updates:
http://www.tru64unix.compaq.com/docs/pub_page/tcr_update.html
2.1 TruCluster Server のメンバ・システム要件
TruCluster Server クラスタのメンバ・システム要件は次のとおりです。
サポートされるメンバ・システムの各々に最小のファームウェア・リビジョンが必要です。「Alpha Systems Firmware Update」CD-ROMと一緒に提供される『Release Notes Overview』を参照してください。
ファームウェア情報は,次の Web から入手することができます。 http://thenew.hp.com [Suppor] の欄から [Compaq Driver Downloads],[Software Updates and Patches] を選択します。その後,[Servers」の欄から [AlphaServer] を選択したのち,該当するシステムを選択します。
Alpha システム・リファレンス・マニュアル (SRM) コンソール・ファームウェアのバージョン 5.7 以降を,HSZ80,HSG60,または HSG80 コントローラに接続されているディスクからブートするクラスタ・メンバにインストールする必要があります。HSV110 をサポートするには,SRM コンソール・ファームウェアのバージョン 5.9-10 または 6.0 (システムによって異なる) が必要です。クラスタ・メンバが,このバージョン以前のファームウェアを使用している場合は,ブートに失敗して,"Reservation Conflict" エラーが表示されます。
TruCluster Server バージョン 5.1B では,次のように,1 クラスタに最大 8 システムまでの構成がサポートされます。
Fibre Channel: ファブリック (スイッチ) 構成内では,8 メンバ・システムを Fibre Channel を介して共通ストレージに接続します。アービトレイテッド・ループ構成では,最大 2 つのメンバ・システムがサポートされます。
パラレル SCSI: メンバ・システムのうちの 4 つを 1 つの SCSI バスに接続します。複数の SCSI バスを使用して他のノード・セットに接続できます。ノード・セットは相互に重なることも許されます。4 つのメンバ・システムを RAID アレイ・コントローラを使って共通 SCSI バスに接続する場合には,フェア・アービトレーションを有効に設定した DS-DWZZH-05 UltraSCSI ハブの使用を推奨します。
外部終端の 8 ノード・クラスタの例を,第 12 章に示しています。そこに示されているクラスタは,可用性より性能を重視する高性能技術計算 (HPTC) に適しています。
以下の項目は,AlphaServer GS80/160/320 システムに適用されます。
高出力の PCI (Peripheral Component Interconnect) モジュール (約 25W 以上) を,1 インチのモジュール・ピッチで PCI スロット (0-5,0-6,1-5,1-6 以外の任意のスロット) に設置する必要があります。
一次または拡張 PCI ドロワ (drawer) には,2 つの 3 スロット PCI バスと 2 つの 4 スロット PCI バスがあります (図 2-1 を参照)。
I/O ライザ (riser) 0 の PCI0: スロット 0-0/1,0-2,および 0-3
I/O ライザ 0 の PCI1: スロット 0-4,0-5,0-6,および 0-7
I/O ライザ 1 の PCI0: スロット 1-1,1-2,および 1-3
I/O ライザ 1 の PCI1: スロット 1-4,1-5,1-6,および 1-7
注意
標準 I/O モジュールは,一次 PCI ドロワのスロット 0-0/1 に設置します。
TruCluster Server では,AlphaServer 8x00,GS60,GS60E,または GS140 システム上の XMI CIXCD はサポートされません。
クラスタには,すべてのクラスタ・メンバを接続する専用のクラスタ・インターコネクトが必要です。このインターコネクトは,クラスタ・メンバ間でプライベート通信チャネルとして動作します。クラスタ・インターコネクトには Memory Channel または プライベートのローカル・エリア・ネットワーク (LAN) のどちらか一方を使用することができますが,両方を使用することはできません。
2.2.1 LAN インターコネクト
100 Mb/秒および 1000 Mb/秒 LAN インターコネクトは,クラスタ負荷の少ないクラスタに適しています。たとえば,クラスタがフェイルオーバ可能な高可用性アプリケーションを実行するとき,クラスタ・インターコネクトのノード間で共用されるアプリケーション・データが少ない場合です。
ギガビット・イーサネットの使用にはパッチや追加コードは必要ありません。
AlphaServer DS20L は,クラスタ・インターコネクトとして LAN インターコネクトだけをサポートします。
2.2.2 Memory Channel の制約事項
Memory Channel インターコネクトは,メンバ・システム間のクラスタ通信で使用される 1 つの方法です。
Memory Channel 製品には,現在,Memory Channel 1,Memory Channel 1.5,および Memory Channel 2 の 3 つのバージョンがあります。Memory Channel 1 と Memory Channel 1.5 は,両方とも PCI アダプタが CCMAA モジュールであるという点で非常によく似た製品であり,本書では MC1 または MC1.5 と記されています。Memory Channel 2 製品 (CCMAB モジュール) は MC2 と記されます。
Memory Channel の制約事項は,次のカテゴリに分類されます。
1 つまたは複数の AlphaServer システムに固有の制約事項
ハブ・モードまたは Memory Channel レールの数に関係する制約事項
ケーブルまたは光変換器に関係する制約事項
以下のシステム固有の Memory Channel の制約事項を必ず守ってください。
DS10,DS20,DS25,DS20E,ES40,ES45,GS80,GS160,および GS320 システムでは,MC2 ハードウェアのみをサポートします。
冗長 Memory Channel アダプタが DS10 と一緒に使用される場合は,ジャンパを省略時の 512 MB ではなく,128 MB に設定する必要があります。
DS20L は Memory Channel アダプタをサポートしません。クラスタ・インターコネクトは LAN インターコネクトでなければなりません。
DS25 は,1 つの Memory Channel モジュールだけをサポートします。そのモジュールは,スロット 5 にインストールする必要があり,リビジョン C1 以降でなければなりません。
DS25 は Memory Channel 光ファイバ・オプションをサポートしていません。
冗長 Memory Channel アダプタが ES45 モデル 1,1B,2,または 2B と一緒に使用される場合は,PCI バス 0 (5V 33-MHz PCI バスのみ) を使用するのでジャンパを 128 MB に設定する必要があります。
ES45 モデル 3 および 3B には 3 つの 5V 33-MHz PCI バス (バス 0,1,および 2) があります。冗長 Memory Channel アダプタが異なる PCI バスにインストールされている場合に限り,ES45 モデル 3 または 3b で Memory Channel アダプタが 512 MB にジャンパ設定されていることがあります。
AlphaServer ES45 と一緒に使用される場合,仮想ハブ・モードに構成された 2 つのメンバ・クラスタでループバック・モードが有効になっているとき,Memory Channel API では 8K バイトより大きなデータは転送できません。
GS80,GS160,または GS320 システムの PCI バス上に Memory Channel モジュールがインストールされている場合,そのバスには別の MC2 モジュール,または CCMFB 光ファイバ・モジュールだけが接続できます。その他のモジュールは標準 I/O モジュールであっても接続できません。
MC2 モジュールが AlphaServer 1200,AlphaServer 4000,または AlphaServer 4100 の DEGPA または KGPSA と同じ PCI バス上にある場合,そのリビジョンを D02 以降とするか,または MC2 モジュールが DEGPA または KGPSA と PCI バスを共用しないようにする必要があります。
AlphaServer 8200,8400,GS60,GS60E,および GS140 システムでは,Memory Channel アダプタは,DWLPA PCIA オプションのスロット 0〜7 にインストールする必要があります。 DWLPB の場合には,この制約はありません。
AlphaServer 1000A システムでは,Memory Channel アダプタを PCI スロット 11,12,または 13 (上から 3 つのスロット) の,1 次 PCI (PCI-to-PCI ブリッジ・チップの前) にインストールする必要があります。
AlphaServer 2000 システムでは,B2111-AA モジュールはリビジョン H 以上でなければなりません。
AlphaServer 2100 システムでは,B2110-AA モジュールはリビジョン L 以上でなければなりません。
これらのモジュールがサポートされているリビジョンかどうかは,examine
コンソール・コマンドを使用して,次のように調べることができます。
P00>>> examine -b econfig:20008 econfig: 20008 04 P00>>>
16 進で 04 以上の値が返されれば,その I/O モジュールは Memory Channel をサポートしています。
16 進で 04 未満の値が返されれば,その I/O モジュールは Memory Channel をサポートしていません。
AlphaServer 2000 または AlphaServer 2100 をアップグレードして Memory Channel をサポートするには,それぞれ,H3095-AA モジュールまたは H3096-AA モジュールが必要です。
AlphaServer 2100A システムでは,Memory Channel アダプタを PCI 4〜PCI 7 (スロット 6,7,8,および 9),つまり下から 4 つの PCI スロットにインストールする必要があります。
次の Memory Channel ハブ・モードまたはレール数の制約事項を必ず守ってください。
クラスタを標準ハブ・モードのシングルレール Memory Channel で構成している場合にハブが故障したり,または電源が切断されると,すべてのクラスタ・メンバがパニックに陥ります。これは,Memory Channel インタフェースを通して他のクラスタ・メンバにアクセスできなくなるからです。このような状況になると,どのシステムにもクォーラム・ディスクの所有権を取得する機会がなく,動作を継続できないので,クォーラム・ディスクが役に立ちません。
標準ハブ・モード (Memory Channel ハブで接続された 2 メンバ・システム) のこの状況を避けるためには,Memory Channel レールをもう 1 つインストールします。そうしておけば,一方のレールでハブが故障しても,他のレールにフェイルオーバします。
Memory Channel を標準ハブ・モード (ハブに接続された 2 個以上のシステム) にセットアップしてある場合は,どのメンバの Memory Channel アダプタからも Memory Channel ハブが見えるようになっていなければなりません。ハブの電源を切ると,どのシステムもブートできません。
仮想ハブ・モードで構成した 2 ノード・クラスタには,このような問題がありません。仮想ハブ・モードの場合,どのシステムも常に仮想ハブに接続しています。Memory Channel 上で通信ができなくなると,どちら側のメンバもクォーラム・ディスクの所有権を取得しようとします。クォーラム・ディスクの所有権を取得できたメンバがシングル・メンバ・クラスタとして動作を継続します。他のメンバはパニック状態になります。
仮想ハブ・モードで構成した 2 ノード・クラスタのシングル・システムには,仮想ハブが常に見えるので,いつでもブートできます。
TruCluster Server のクラスタ構成で標準ハブ・モードの Memory Channel アダプタを複数個使う場合,Memory Channel アダプタはそれぞれ別の Memory Channel ハブに接続しなければなりません。つまり,各システムの 1 つ目の Memory Channel アダプタ (mca0
) を 1 つ目の Memory Channel ハブに接続し,2 つ目の Memory Channel アダプタ (mcb0
) は,2 つ目の Memory Channel ハブに接続しなければなりません。また,同じシステムのすべての Memory Channel アダプタは,それぞれの Memory Channel ハブにある同じラインカードに接続する必要があります。
冗長 Memory Channel は,MC1 アダプタが別の MC1 アダプタに接続され,MC2 アダプタが MC2 アダプタに接続されている限り,混在 Memory Channel 構成でサポートされます。
リビジョンの異なる Memory Channel レールが混在するクラスタでは,MC2 アダプタは 128 MB にジャンパ設定します。
Memory Channel インターコネクトは仮想ハブ・モードも,標準ハブ・モードもどちらでも使えます。3 個以上のメンバ・システムを持つ TruCluster Server クラスタは標準ハブ・モードにジャンパ設定し,Memory Channel ハブを使います。
Memory Channel モジュールを仮想ハブ・モードにジャンパ設定した場合,システムのすべての Memory Channel モジュールは,仮想ハブ 0 (VH0) または仮想ハブ 1 (VH1) のいずれかに統一してジャンパ設定します。ある Memory Channel モジュールを VH0 にジャンパ設定して,別の Memory Channel モジュールを VH1 にジャンパ設定することはできません。
次のケーブルまたは光変換器 Memory Channel の制約事項を必ず守ってください。
MC2 構成では,システム間の距離を伸ばすために,CCMFB 光変換器を MC2 CCMAB ホスト・バス・アダプタか CCMLB ハブ・ラインカードと組み合わせて使うことができます。
2 個の CCMFB 光変換器を接続するために使われるBN34R 光ファイバ・ケーブルは,10 m (32.8 フィート) の長さで使える BN34R-10 と,31 m (101.7 フィート) の長さで使える BN34R-31 があります。お客様が自分で用意した光ファイバ・ケーブルで,システム間の距離を伸ばすこともできます。
Memory Channel 光ファイバ接続では,仮想ハブ・モードの CCMAB ホスト・バス・アダプタに接続された 2 個の CCMFB 光変換器の間を,2 km (1.24 マイル) まで伸ばせます。
Memory Channel 光ファイバ接続では,CCMAB ホスト・バス・アダプタに接続された CCMFB 光変換器と,標準ハブ・モードの CCMLB ハブ・ラインカードに接続された CCMFB 光変換器との間を,3 km (1.86 マイル) まで伸ばせます。これにより,システム間は 6 km (3.73 マイル) まで離せます。
Memory Channel リンク・ケーブルのピンが曲がったり,折れたりしていないかを必ず検査してください。ケーブルを接続したり外したりするときにピンが曲がったり,折れたりしないように注意してください。
メンバ・システムを共用バスに接続するには,ホスト・バス・アダプタを I/O バス・スロットに装着する必要があります。
Tru64 UNIX オペレーティング・システムは,最大 64 個の I/O バスをサポートします。TruCluster Server は,KZPSA-BB ホスト・バス・アダプタ,KZPBA UltraSCSI ホスト・バス・アダプタ,または KGPSA Fibre Channel ホスト・バス・アダプタを使用して,合計で 32 の共用 I/O バスをサポートします。
ホスト・バス・アダプタの詳細な制約事項は以下のとおりです。
2.3.1 Fibre Channel 要件と制約事項
ここでは,Fibre Channel 要件と制約事項に関して説明します。
2.3.1.1 一般的な Fibre Channel 要件と制約事項
TruCluster Server バージョン 5.1B で Fibre Channel を使用する場合と,一般的な使用の場合についての要件と制約事項を次に示します。
表 2-1
では,TruCluster Server で Fibre Channel 接続がサポートされている AlphaServer システム,および TruCluster Server バージョン 5.1B 製品が出荷された時点で,各システムでサポートされている KGPSA-BC,DS-KGPSA-CA,または DS-KGPSA-DA Fibre Channel のアダプタ数を示しています。サポートされているハードウェアの最新情報は,次の URL に記載されている AlphaServer のオプション・リストを参照してください。
http://www.compaq.com/alphaserver/products/options.html
表 2-1: Fibre Channel がサポートされている AlphaServer システム
ファブリック・トポロジでサポートされるアダプタ数 | ||||
AlphaServer システム | KGPSA-BC | DS-KGPSA-CA | DS-KGPSA-DA [脚注 1] | ループ・トポロジでサポートされているアダプタの数 |
AlphaServer 800 | 2 | 2 | -- | -- |
AlphaServer 1200 | 4 | 4 | -- | -- |
AlphaServer 4000,4000A,または 4100 | 4 | 4 | -- | -- |
AlphaServer DS10 | 2 | 2 | 2 | 2 [脚注 2] |
AlphaServer DS10L | -- | -- | 1 | -- |
AlphaServer DS20 | 4 | 4 | -- | 2 [脚注 2] |
AlphaServer DS20E | 4 | 4 | 4 | 2 [脚注 2] |
AlphaServer DS25 | -- | -- | 4 | -- |
AlphaServer ES40 | 4 | 4 | 6 | 2 [脚注 2] |
AlphaServer ES45 | -- | 4 | 6 | -- |
AlphaServer 8200 または 8400 [脚注 3] | 63 [脚注 4] , 32 [脚注 5] | 63 [脚注 4], 32 [脚注 5] | -- | -- |
AlphaServer GS60,GS60E,および GS140 [脚注 3] | 63 [脚注 4], 32 [脚注 5] | 63 [脚注 4], 32 [脚注 5] | -- | -- |
AlphaServer GS80 | 26 [脚注 6] , 54 [脚注 7] | 26 [脚注 6], 54 [脚注 7] | 54 [脚注 7] | -- |
AlphaServer GS160 および GS320 | 26 [脚注 6], 62 [脚注 8] [脚注 9] | 26 [脚注 6], 62 [脚注 8], [脚注 9] | 62 [脚注 8], [脚注 9] | -- |
ファブリック (スイッチ) 構成では,8 つのメンバ・システムが Fibre Channel を経由して共通ストレージに接続されます。アービトレイテッド・ループ構成では,最大 2 つのメンバ・システムがサポートされます。
サポートされている Fibre Channel アダプタは,KGPSA-BC,DS-KGPSA-CA,および DS-KGPSA-DA Fibre Channel ホスト・バス・アダプタのみです。KGPSA-BC および DS-KGPSA-DA アダプタはファブリック構成でのみサポートされるのに対し,DS-KGPSA-CA アダプタは,ファブリック,またはアービトレイテッド・ループ構成のどちらかでサポートされます。
KGPSA-BC/CA PCI-to-Fibre Channel アダプタは DWLPB PCIA オプションでのみサポートされます。DWLPA ではサポートされません。
サポートされている Fibre Channel ハブは,7 ポート DS-SWXHB-07 のみです。DS-SWXHB-07 には,各ポートごとにクロックとデータの再生機能があります。またこのハブは,GBIC (Gigabit Interface Converter) トランシーバ・ベースのポート接続もサポートしているので,アプリケーションを柔軟に構築することができます。このハブは,ホット・プラグ対応で管理対象ではありません。
シングル・ハブ・アービトレイテッド・ループ構成だけがサポートされます。すなわち,どの SCSI バスにもカスケード接続されたハブはありません。
サポートされている Fibre Channel スイッチの一覧については,次の URL から『SAN Support Tables for the Heterogeneous Open SAN Design Reference Guide』を参照してください。
http://www.compaq.com/products/storageworks/san/documentation.html
2002 年 6 月 6 日以前のリビジョン B によっては,DS-DSGGB-AA SAN Switch 8 Fibre Channel スイッチが QuickLoop を有効に設定されて出荷されています。シリアル番号は 3A24DRXZMxxx から 3A25DRXZLxxx の範囲で,4 月 22 日 から 5 月 21 日の間に製造されたものです。
スイッチが QuickLoop モードになっていないことを確認するには,スイッチにシリアル・ラインまたは telnet 接続をして,qlshow
コマンドを入力します。次のように応答があります。
:Admin> qlshow Switch is not in Quick Loop mode.
適切な応答が得られない場合は,次のコマンドを入力してください。
:Admin> qldisable cfgsave
この変更は,Fibre Channel スイッチをリブートしなくても有効になります。
Fibre Channel テープ・コントローラ,Fibre Channel テープ・コントローラ II,TL891,TL895,および ESL9326D は Fibre Channel ストレージ・バスで使用することができます。詳細は『Enterprise Backup Solution with Legato NetWorker User Guide』を参照してください。アプリケーションのフェイルオーバには,Legato NetWorker のバージョン 6.0 が必要です。
テープはシングル・ストリームのデバイスです。テープ・デバイスへのパスが複数あっても,入出力要求の負荷分散は行いません。テープ・デバイスに使えるパスのうち,最初に見つかったパスを入出力に使用します。
2.3.1.2 HSG60 および HSG80 に固有な Fibre Channel 要件と制約事項
次の要件と制約事項は,TruCluster Server バージョン 5.1B と HSG60 または HSG80 で Fibre Channel を使用する場合に適用されます。
HSG60 および HSG80 には,アレイ・コントロール・ソフトウェア (ACS) バージョン 8.5 以降が必要です。
Fibre Channel RAID Array 8000 (RA8000) (中規模部門向けストレージ・サブシステム) および Fibre Channel Enterprise Storage Array 12000 (ESA12000) には,2 つの HSG80 デュアル・チャネル・コントローラが搭載されています。UltraSCSI は 6 チャネル用意されています。サポートされる最大ディスク数は 72 です。
StorageWorks Modular Array 6000 (MA6000) は,デュアル冗長 HSG60 コントローラと 1 インチ・ユニバーサル・ドライブをサポートします。
StorageWorks Modular Array 8000 (MA8000) と Enterprise Modular Array 12000 (EMA12000) は,デュアル冗長 HSG80 コントローラと 1 インチ・ユニバーサル・ドライブをサポートします。
HSG60 または HSG80 Fibre Channel アレイ・コントローラは,ディスク・デバイスだけをサポートします。
TruCluster Server バージョン 5.1B の構成で HSG60 および HSG80 を使用する場合は,透過フェイルオーバ・モードと多重バス・フェイルオーバ・モードを利用できます。多重バス・フェイルオーバ・モードの使用をお勧めします。
デュアル冗長 HSG60 または HSG80 コントローラ付きのストレージ・アレイを透過フェイルオーバ・モードで使用する場合,ターゲット数は 2 で,スイッチ 1 台につき 4 ポートを使用します。透過モードは Tru64 UNIX バージョン 4.x からアップグレードするときだけに使うことをお勧めします。アップグレードが完了したら多重バス・フェイルオーバに換えてください。
デュアル冗長 HSG60 または HSG80 コントローラ付きのストレージ・アレイを多重バス・フェイルオーバ・モードで使用する場合,ターゲット数は 4 で,スイッチ 1 台につき 4 ポートを使用します。
HSG60 および HSG80 のマニュアルでは,上部のコントローラをコントローラ A,下部をコントローラ B と呼んでいます。各コントローラには左右に 2 つのポートがあり,HSG60 と HSG80 のマニュアルではこれらのポートをそれぞれポート 1,ポート 2 と呼んでいます。透過フェイルオーバ・モードでは,任意の時点で左右各 1 ポートのみがアクティブです。
透過フェイルオーバ・モードを有効にすると,上部コントローラの左ポートおよび下部コントローラの右ポートがアクティブであると見なされます。上部コントローラで,スイッチと正常に通信できないような障害が発生した場合は,通信機能が下部コントローラにフェイルオーバします。逆の場合も同様です。
透過フェイルオーバ・モードでは,コントローラごとに HSG60 または HSG80 ストレージ要素 (ユニット) の割り当てを設定できます。通常は,ポート 1 (左ポート) の接続は省略時のユニット・オフセットが 0 で,D0〜D99 に割り当てられたユニットには,どちらのコントローラからもポート 1 でアクセスできます。ポート 2 (右ポート) の接続は省略時のユニット・オフセットが 100 で,D100〜D199 に割り当てられたユニットには,どちらのコントローラからもポート 2 でアクセスできます。
多重バス・フェイルオーバ・モードでは,ポート上の接続はすべて省略時のユニット・オフセットが 0 で,すべてのホスト・ポートからすべてのユニット (D0 から D199) を認識できます。ただし,任意の時点で同時に 2 つのコントローラを経由して 1 つのユニットにアクセスすることはできません。ホストは,ユニットへのアクセス経路を一方のコントローラから他方のコントローラに移動させることにより,フェイルオーバ・プロセスを制御できます。
2.3.1.3 Enterprise Virtual Array に固有な Fibre Channel 要件と制約事項
TruCluster Server 構成で Enterprise Virtual Array を使用するための要件と制約事項は,次のとおりです。
Enterprise Virtual Array で使用できる Fibre Channel アダプタ (FCA) は,KGPSA-BC,DS-KGPSA-CA,および DS-KGPSA-DA だけです。
表 2-2
は,TruCluster Server ソフトウェアで Enterprise Virtual Array を使用するときに,使用可能な AlphaServer システムと Fibre Channel アダプタを示しています。
表 2-2: Enterprise Virtual Array で使用可能な AlphaServer システムと Fibre Channel アダプタ
AlphaServer システム | 使用可能な Fibre Channel アダプタ |
DS10,DS20E,ES40 | KGPSA-BC,DS-KGPSA-CA,および DS-KGPSA-DA |
ES45,GS80,GS160,GS320 | DS-KGPSA-CA および DS-KGPSA-DA |
Fibre Channel スイッチ・ゾーンは次のように使用する必要があります。
HSV Element Manager を使用する各 SANworks Management Appliance (SWMA) は,HSV Element Manager が管理する HSV コントローラと同じゾーン内になければなりません。
SWMA は,TruCluster Server クラスタと同じゾーン内にあってもかまいません。
同じ Enterprise Virtual Array をアクセスする複数の TruCluster Server クラスタがある場合。
TruCluster Server クラスタと同じ Enterprise Virtual Array にアクセスする Windows NT または Windows 2000 システムがある場合。
HSV110 コントローラを構成して管理するには HSV Element Manager の 1 つのインスタンスのみを使用します。
1 つのディスク・グループには,最低でも 8 つのディスクが必要です。
Enterprise Virtual Array で構成された Fibre Channel アダプタとスイッチのモデルによって,使用する光ファイバ・ケーブルの種類が決まります。
HSV110 コントローラ,DS-KGPSA-DA Fibre Channel アダプタ,および McDATA ED-5000 スイッチには,スモール・フォーム・ファクタ (SFF) のルーセント・コネクタ (LC) を使用します。その他の Fibre Channel アダプタとスイッチにはサブスクライバ・コネクタ (SC) を使用します。
次のような光ファイバ・ケーブルが必要になります。
SAN Appliance の HSV Element Manager アプリケーションにアクセスするには,適切なブラウザと Enterprise Virtual Array を備えた PC または Tru64 UNIX ワークステーションが必要で,しかもネットワークにつながっている必要があります。使用できるブラウザは次のとおりです。
Tru64 UNIX -- Netscape Communicator
Windows NT バージョン 4.0 (SP 6a) -- Netscape Communicator および Internet Explorer バージョン 5.01 または 5.5
Windows 2000 バージョン 5.0 (SP 2) -- Netscape Communicator および Internet Explorer バージョン 5.01 または 5.5
注意
Enterprise Virtual Array のリリース・ノートでは,Tru64 UNIX,Windows NT,または Windows 2000 には Netscape バージョン 4.77 が必要であると指定されています。のちに,Netscape バージョン 4.78 もサポートされるようになりました。Tru64 UNIX バージョン 5.1B で省略時に提供されるのは Netscape バージョン 4.76 であり,これは正常に使用されています。また,Netscape バージョン 4.75 は,Windows 2000 バージョン 5.0 SP2 で正常に使用されています。
Enterprise Virtual Array にはマルチパスの環境が必要です。各 TruCluster Server の AlphaServer システムは,別々の Fibre Channel スイッチに接続されている KGPSA Fibre Channel アダプタが 2 つ必要です。
1 つの Fibre Channel スイッチを両方の HSV110 コントローラのファイバ・ポート 1 (FP1) に接続します。もう 1 つの Fibre Channel スイッチは両方の HSV110 コントローラのファイバ・ポート 2 (FP2) に接続します。
各仮想ディスクに対して OS ユニット ID を設定することをお勧めします。1 〜 32767 の番号が使用できます (1 と 32767を含む)。ID 番号は HSV110 コントローラだけではなく,SAN 全体で重複してはなりません。OS ユニット ID は,コンソール・ユーザ定義 ID (UDID) に相当します。
HSG80 でコントローラを構成したのと同じようには,シリアル・ポートから HSV110 コントローラにターミナルまたは PC を接続することはできません。
KZPSA-BB SCSI アダプタには,次の制約事項があります。
AlphaServer 800,1000,1000A,2000,2100,2100A システムなどの,bus_probe_algorithm
コンソール変数をサポートする AlphaServer に KZPSA-BB アダプタをインストールする場合は,次のコマンドを入力して,bus_probe_algorithm
コンソール変数を
new
に設定する必要があります。
>>> set bus_probe_algorithm new
システムがこの変数をサポートするかどうかは,show bus_probe_algorithm
コンソール・コマンドで調べることができます。応答が null またはエラーであれば,この変数はサポートされません。これ以外の場合で,応答が
new
でない場合は,変数を
new
に設定する必要があります。
AlphaServer 1000A および 2100A システムでは,KZPSA-BB SCSI アダプタが PCI-to-PCI ブリッジの背後にある場合は,そのアダプタのファームウェアのアップデートがサポートされません。
2.3.3 KZPBA-CB および 3X-KZPBA-CC SCSI バス・アダプタの制約事項
3X-KZPBA-CC SCSI バス・アダプタは,KZPBA-CB の後継品です。これは KZPBA-CB の改良品で 5.0v のシグナリングを維持したままで 3.3v シグナリングも可能としたものです。アダプタのボード・レイアウトを変更して 3.3v シグナリングを可能にしました。これ以外にアダプタの変更はありません。3X-KZPBA-CC は,KZPBA-CB と完全に下位互換性があります。ファームウェア,ソフトウェア,またはドライバの変更は必要ありません。
KZPBA UltraSCSI アダプタには,次の制約事項があります。
3X-KZPBA-CC を使用するには,SRM ファームウェアのバージョン 6.0 が必要です。
3X-KZPBA-CC は次の AlphaServer システムで使用することができます。システムでサポートされる 3X-KZPBA-CC アダプタの数はカッコ内に示されています。
DS10 (2)
DS10L (1)
DS20E (4)
DS25 (4)
ES40 (5)
ES45 (5)
GS80,GS160,および GS320 (62)
KZPBA には,バージョン 5.57 以降の ISP 1020/1040 ファームウェアが必要です。このファームウェアは Alpha Systems Firmware 5.3 以降の Update CD により SRM コンソール・ファームウェアとともに提供されます。
本書では以降 KZPBA-CB および KZPBA-CC をまとめて KZPBAと呼びます。
シングル KZPBA UltraSCSI バスには,最大 4 つの HSZ80 RAID アレイ・コントローラを接続することができます。1 つのSCSI バスには,冗長アレイ・コントローラを 2 組だけ接続することができます。
ディファレンシャル SCSI バス・セグメントの最大長は 25 m (82 フィート) で,これには SCSI バス・ケーブル,および SCSI アダプタ,ハブ,またはストレージ・デバイスまでの内部 SCSI バスの長さも含まれます。1 つの SCSI バスに複数の SCSI バス・セグメントを作成することが可能です (3.1 節を参照)。
共用バス上のディスクは,外部ストレージ・シェルフ内,または RAID アレイ・コントローラの背後にインストールする必要があります。
TruCluster Server では,どの共用ディスク上でも Prestoserve はサポートされません。
RAID アレイ・コントローラは,共用バス経由で,SCSI デバイスの性能,可用性,および接続性の高いアクセスを実現します。
RAID コントローラの最小限必要なアレイ・コントローラ・ソフトウェア (ACS) を,表 2-3
に示します。
表 2-3: RAID コントローラの最小限必要なアレイ・コントローラ・ソフトウェア
RAID コントローラ | 最小限必要なアレイ・コントローラ・ソフトウェア |
HSZ22 (RAID アレイ 3000) | D11x |
HSZ80 | 8.5Z-4 |
HSG60 | 8.5 |
HSG80 | 8.5 |
RAID コントローラの構成に使用できる SCSI ID の数を表 2-4
に示します。
表 2-4: RAID コントローラの SCSI ID
RAID コントローラ | サポートされる SCSI ID の数 |
HSZ22 (RAID アレイ 3000) | 2 |
HSZ80 | 15 |
HSG60 | 対象外 |
HSG80 | 対象外 |
StorageWorks RAID アレイ 3000 (RA3000) サブシステムのサポートには以下の制約事項があります。
HSZ22 コントローラ付き RAID アレイ 3000 (RA3000) は多重バス・アクセス,つまり多重バス・フェイルオーバをサポートしていません。RA3000 を使って NSPOF クラスタを作ることはできません。
TruCluster Server クラスタで RA3000 と一緒に使用できる SCSI ホスト・バス・アダプタは,KZPBA UltraSCSI ホスト・アダプタだけです。KZPBA には,バージョン 5.57 以降の ISP 1020/1040 ファームウェアが必要です。このファームウェアは Alpha Systems Firmware 5.4 以降の Update CD-ROM でシステム SRM コンソール・ファームウェアとともに提供されます。
ホストから LUN0 (ユニット番号の最後の桁が 0 のもので,たとえば D0,D100,D200 などが該当) として見える RA3000 ストレージ・ユニットだけが,ブート・デバイスとして使えます。
RA3000 で使用できる構成ユーティリティは SWCC (StorageWorks Command Console) V2.2 だけです。SWCC V2.2 は Microsoft Windows NT および Windows 2000 PC で実行できます。
コントローラは,キャッシュとして最低でも 16 MB の SIMM を 1 個インストールしなければ,動作しません。
ラックマウント式のデバイス拡張シェルフ (DS-SWXRA-GN) は,リビジョン・レベル が B01 以上のものを使用する必要があります。
DS-SWXRA-GN UltraSCSI ストレージ拡張シェルフで使うシングル・エンドのパーソナリティ・モジュールは,リビジョン H01 以上のものを使用する必要があります。
RA3000 を注文するときは UPS も一緒に注文し,RA3000 に接続して使う必要があります。
クラスタ構成で,シングルエンド SCSI インタフェースを備えるスタンドアロン・ストレージ・シェルフを使用する場合は,それを SCSI シグナル変換器に接続する必要があります。SCSI シグナル変換器は,Wide ディファレンシャル SCSI を,Narrow または Wide のシングルエンド SCSI に変換し,その逆も行います。シグナル変換器には,スタンドアロンのデスクトップ・ユニット・タイプと,ストレージ・シェルフのディスク・スロットにインストールする StorageWorks ビルディング・ブロック (SBB)・タイプがあります。
注意
UltraSCSI ハブは,DOC (オン・チップ DWZZA) チップが搭載されている関係上,ここで説明することもできますが,2.7 節で個別に説明します。
スタンドアロン・ユニットのカバーを取り外す場合は,カバーを再び取り付ける際に,カバー固定用の 4 個のネジのスター・ワッシャを必ず交換してください。これらのワッシャを交換しないと,SCSI シグナル変換器がノイズのために正常に機能しなくなる可能性があります。
SCSI シグナル変換器を共用 SCSI バスから切断する場合は,ケーブルを外す前にシグナル変換器の電源を切断する必要があります。シグナル変換器を共用バスに再接続する場合は,シグナル変換器の電源を投入する前にケーブルを接続する必要があります。スタンドアロン SCSI シグナル変換器の電源切断は,電源スイッチで行ってください。SBB SCSI シグナル変換器の電源を切断するには,変換器をディスク・スロットから引き抜きます。
「バスがハングした」旨のメッセージが表示された場合,DWZZA シグナル変換器のハードウェアが正しくない可能性があります。加えて,一部の DWZZA シグナル変換器では,正しいハードウェア・リビジョンがインストールされているように見えても,シリアル番号が CX444xxxxx〜CX449xxxxx の場合に問題が発生することがあります。
DWZZA-AA または DWZZA-VA シグナル変換器を正しいリビジョンにアップグレードするには,次のように適切なフィールド変更オーダ (FCO) を使用します。
DWZZA-AA-F002
DWZZA-VA-F001
2.7 DS-DWZZH-03 および DS-DWZZH-05 UltraSCSI ハブ
DS-DWZZH-03 および DS-DWZZH-05 シリーズ UltraSCSI ハブは,TruCluster Server 構成でサポートされている唯一のハブです。これらは,SCSI-2,およびドラフト SCSI-3 準拠の SCSI 16 ビット・シグナル変換器で,最大データ転送速度 40 MB/秒の能力があります。
これらのハブは,他の SCSI バス・シグナル変換器とともに説明することもできますが,クラスタ構成での利用方法が異なるため,本書では別々に説明しています。
DS-DWZZH-03 および DS-DWZZH-05 UltraSCSI ハブは,以下の場所にインストールできます。
DS-DWZZH-03 または DS-DWZZH-05 UltraSCSI ハブには,次のような利点があります。
ケーブル・フォールトの検出の信頼性が向上します。
クラスタ・システムのバスを,残りの接続の動作に影響を与えることなく孤立化できます。
各 SCSI バス・セグメントの最大長が 25 m (82 フィート) になるので,クラスタを構成するシステムとストレージの配置場所をはっきり分けることができます。システムとストレージ間の距離は,合計で 50 m (164 フィート) 近くまで伸ばせます。
注意
DS-DWZZH-03/05 UltraSCSI ハブは,StorageWorks BA35X ストレージ・シェルフには接続できません。このストレージ・シェルフには,ハブ用の終端電源がないからです。
共用バスを使用する場合,コネクタ形状が低密度 50 ピン,高密度 50 ピン,高密度 68 ピン (HD68),VHDCI (UltraSCSI) のいずれのケーブルが必要かを調べます。UltraSCSI ハブを使用する場合は,HD68-to-VHDCI ケーブルおよび VHDCI-to-VHDCI ケーブルが必要になります。場合によっては,ストレート・コネクタ,直角コネクタのいずれかを選択することも必要です。さらに,サポートされるケーブルにはさまざまな長さがあります。SCSI バス長の制限を守るため,できるだけ短いケーブルを使用してください。
表 2-5
に,サポートされるケーブルの一覧と,そのケーブルが使用される状況を示します。6-3 形式の注文番号は一部省略されています。
表 2-5: サポートされる SCSI ケーブル
ケーブル | コネクタ密度 | ピン | 構成で使用される状況 |
BN21W-0B | 高密度×3 | 68 ピン | トライリンク・コネクタを使用できない場合に,KZPSA-BB または KZPBA に接続できる Y ケーブル。外部終端となるターミネータを使用できる。 |
BN21M | 低密度×1,高密度×1 | 50 ピン LD - 68 ピン HD | DWZZA-AA または DWZZB-AA のシングルエンド側の終端を TZ885 または TZ887 に接続する。 [脚注 10] |
BN21K,BN21L,BN31G,または 328215-00X | HD68×2 | 68 ピン | BN21W Y ケーブル間,または Wide デバイス間を接続する。たとえば,KZPBA,KZPSA-BB 間,2 つの SCSI シグナル変換器のディファレンシャル側どうし,または DWZZB-AA を BA356 に接続する。 |
BN37A | VHDCI×2 | VHDCI - VHDCI | 2 つの VHDCI トライリンク間どうし,UltraSCSI ハブと HSZ80 のトライリンクとの間,または UltraSCSI ハブと RAID アレイ 3000 との間を接続する。 |
BN38C または BN38D | HD68×1,VHDCI×1 | HD68-to-VHDCI | KZPBA または KZPSA-BB を UltraSCSI ハブのポートに接続する。 |
BN38E-0B | テクノロジ・アダプタ・ケーブル | HD68 のオス・コネクタ - VHDCI のメス・コネクタ | BN37A ケーブルに接続して,BN38C または BN38D の代わりに用いる。 |
199629-002 または 189636-002 | 高密度×2 | 50 ピン HD - 68 ピン HD | 20/40 GB DLT テープ・ドライブを DWZZB-AA に接続する。 |
146745-003 または 146776-003 | 高密度×2 | 50 ピン HD - 50 ピン HD | 2 つの 20/40 GB DLT テープ・ドライブのデイジー・チェインに使用する。 |
189646-001 または 189646-002 | 高密度×2 | 68 ピン HD | 40/80 GB DLT テープ・ドライブを DWZZB-AA または 2 つの 40/80 GB DLT テープ・ドライブではデイジー・チェインに接続する。 |
SCSI ケーブルのピンが曲がったり,折れたりしていないか,必ず調べてください。ケーブルを接続したり外したりするときに,ピンが曲がったり折れたりしないように注意してください。
2.9 SCSI ターミネータおよびトライリンク・コネクタ
表 2-6
に,サポートされるトライリンク・コネクタおよび SCSI ターミネータの一覧と,それらが使用される状況を示します。
表 2-6: サポートされる SCSI ターミネータおよびトライリンク・コネクタ
トライリンク・コネクタまたはターミネータ | 密度 | ピン | 構成で使用される状況 |
H885-AA | 3 | 68 ピン | トライリンク・コネクタで,KZPSA-BB,KZPBA,SCSI シグナル変換器のディファレンシャル側などの高密度 68 ピンのケーブルまたはデバイスに接続される。H879-AA ターミネータを使用して外部で終端できる。 |
H879-AA または 330563-001 | 高密度 | 68 ピン | H885-AA トライリンク・コネクタ,BN21W-0B Y ケーブル,または ESL9326D エンタープライズ・ライブラリ・テープ・ドライブを終端する。 |
H8861-AA | VHDCI | 68 ピン | VHDCI トライリンク・コネクタで,VHDCI 68 ピン・ケーブル,UltraSCSI BA356 JA1,または HSZ80 RAID コントローラに接続される。必要なら,H8863-AA ターミネータを使って終端できる。 |
H8863-AA | VHDCI | 68 ピン | VHDCI トライリンク・コネクタを終端する。 |
152732-001 | VHDCI | 68 ピン | 低電圧ディファレンシャル・ターミネータ。 |
SCSI ケーブルをトライリンク・コネクタに接続する場合は,トライリンクのマウント用ネジの上に障害物を置かないでください。障害物があると,ケーブルを外さない限り,トライリンクをデバイスから取り外すことができなくなります。
H885-AA トライリンクは,隣接する PCI (Peripheral Component Interconnect) ポートを塞がないようにインストールしてください。どうしても塞いでしまう場合は,トライリンクの代わりに BN21W-0B Y ケーブルを使ってください。