Version 5.1B-2 では,それ以前のパッチ・キットとはインストールに関する次のような違いがあります。
すべてをインストールするか何もインストールしないかの二者択一
包括パッチ・キットをインストールする際には,すべてのパッチをインストールする必要があります。特定のパッチを選択してインストールすることはできなくなりました。必ずすべてのパッチをインストールするようにしたことで,パッチのインストールをより確実に行い,問題の発生を避けることができます。
パッチ・キットは,リリースの前にさまざまなタイプのシステムおよびシステム構成でテストされます。このテストは,パッチが想定どおりの処理を行い,新たな問題を起こさないことが確認されるまで続けられます。このようなテストを,個別に選択されるパッチのすべての組み合わせついて行うのは不可能です。
インストール所要時間の大幅な短縮
包括パッチ・キットのインストール・プロセスは,パッチのインストールに要する時間を最大でこれまでの半分にまで短縮します。大規模なクラスタ化されたシステムの場合,その差は数時間の短縮につながります。
表示されるパッチの削減
パッチ・キットの新しい設計により,インストール処理中に dupatch によって表示されるパッチの数はこれまでよりも少数となっています。たとえば,リストの一部は次のように表示されます。
- Tru64_UNIX_V5.1B / Security Related Patches: * Patch 27001.00 - SP04 OSFACCT540 * Patch 27002.00 - SP04 OSFADVFS540 (SSRT2275) * Patch 27003.00 - SP04 OSFADVFSBIN540
従来のパッチ・キットであれば,この 3 つのパッチはおそらく 20 個ほどのパッチとして表示されていたでしょう。以前と違うのはキットの中身ではなく,パッチのパッケージ方法とインストール方法です。上記の例では,SPO4 はパッチが Version 5.1B-2 (Patch Kit 4) に属することを示し,OSF...540 はパッチが属するサブセットを示し,SSRT2275 はセキュリティ・パッチのタイプであることを示します。
パッチをすべて削除するか何も削除しないかの二者択一
インストール・プロセスと同様に,パッチを削除する場合には,すべてのパッチを一度に削除する必要があります。つまり,パッチを個別に指定して削除することはできなくなりました。
Worldwide Language Support (WLS) サブセット用のパッチ
包括パッチ・キットには,WLS サブセットで必要となるパッチが含まれています。TruCluster Server パッチと同様に,WLS パッチは WLS サブセットがインストールされている場合に限ってインストールされます。