第 2 章で説明するインストレーション・プロシージャを開始する前に,リリース・ノート (CD-ROM から入手可能) およびこの章で概要を説明するインストレーションの必要条件を確認してください。
1.1 リリース・ノート
日本語 Advanced Printing Software 製品のリリース・ノートは,ソフトウェアに付属のドキュメント・キットに含まれています。リリース・ノートは,この製品をご使用になる前に,必ずお読みくださるようお願いいたします。リリース・ノートには,このリリースでの既知の問題や制限事項が記載されています。
1.2 インストレーションの概要
本リリースでは,Tru64 UNIX「Associated Products Volume 2」CD-ROM に Advanced Printing Software の標準版キットと日本語キットが含まれています。Advanced Printing Software を利用して日本語プリンタに出力したい場合は,両方のキットをシステムにインストールする必要があります。
Advanced Printing Software およびリファレンス・ページのインストールには,次の 2 つの方法があります。
システムにマウントされている CD-ROM からローカルにインストールする。
RIS (Remote Installation Service) サーバからリモートにインストールする。
RIS サーバは,ULTRIX または Tru64 UNIX オペレーティング・システムが稼働しているプロセッサであれば,任意のプロセッサを使用できます。
RIS サーバからソフトウェアをインストールする場合には,サーバの名前とそのサーバの RIS 領域を誰が管理しているかを知っておく必要があります。RIS インストレーションを開始する前に,次の事項を確認してください。
Advanced Printing Software キットがリモート・インストレーション用に利用可能である。
ご使用のシステムが RIS クライアントとして登録されている。
RIS サーバの設定,クライアントの追加,およびリモート・インストレーションのためのソフトウェア・キットの提供についての詳細は,『Guide to Sharing Software on a Local Area Network』を参照してください。
1.3 インストレーションの必要条件
このインストレーション・プロシージャが終了するまでに約 10 分かかります。リモート・インストレーションでは,ネットワーク・アクティビティにより,インストレーション・プロシージャ時間が長くなる場合があります。以降の各項では,Advanced Printing Software をインストールするための必要条件について説明します。
1.3.1 ハードウェア要件
インストレーションを実行するには,次のハードウェアが必要です。
ソフトウェア・ディストリビューション・デバイス
ソフトウェア・ディストリビューション・メディアに対応するディストリビューション・デバイスが必要です。たとえば,CD-ROM ソフトウェア・キットがある場合は,RRD42 または RRD43 光ディスク・ドライブが必要です。ソフトウェア・ディストリビューション・キットで提供されたメディアを適切なドライブにロードする方法については,ご使用のディスク・ドライブに付属のマニュアルを参照してください。
端末
ハードコピーまたはビデオ端末のいずれかを使用して,オペレーティング・システムと対話し,Advanced Printing Software のインストレーション・プロシージャからの問い合わせに応答することができます。
Advanced Printing Software は,次のメモリ要件を満足する Alpha ベースのシステム上で実行することができます。
サーバ・システムの場合,64 MB のメモリ。これには,コマンド行およびグラフィカル・ユーザ・インタフェースが含まれます。
コマンド行インタフェースのみをサポートするクライアント・システムでは,32 MB のメモリ。
コマンド行インタフェースとグラフィカル・ユーザ・インタフェースの両方をサポートするクライアント・システムでは,64 MB のメモリ。
ソフトウェアをインストールする前には,必ずバックアップをとるようにしてください。サイトで決められているバックアップ手順を使用してください。システムのバックアップについての詳細は,Tru64 UNIX のマニュアルを参照してください。
1.3.4 ログイン特権
Advanced Printing Software ソフトウェアをインストールするシステムに,root
ユーザとしてログインできる必要があります。
1.3.5 ソフトウェア要件
Advanced Printing Software は,Compaq Tru64 UNIX バージョン 4.0F 以降が稼働している任意の Alpha ベース・プロセッサでサポートされています。
ほとんどの場合,/etc/motd
ファイルを参照すると,どのバージョンのオペレーティング・システムが稼働しているのかを判断することができます。このファイルが編集されていて,オペレーティング・システムのバージョンが含まれていない場合は,次のコマンドを実行することにより,稼働しているバージョンを確認できます。
# /usr/sbin/sizer -v
以前に Advanced Printing Software バージョン 1.0 またはバージョン 1.01 をインストールしている場合は,まず,旧バージョンをアンインストールする必要があります。アンインストールを行っても構成は保持されます。バージョン 1.1 をインストールすると,構成 (サーバやプリンタなど) が使用可能な状態になります。
1.3.6 Advanced Printing Software サブセット
標準版 Advanced Printing Software は,次のサブセットにまとめられています。
Advanced Printing Software BASE and Client Commands (APXBASE111)
Advanced Printing Software Spooler and Supervisor (APXSVR111)
Advanced Printing Software lpr/lpd Gateways (APXGW111)
Advanced Printing Software Graphical User Interface (APXGUI111)
Advanced Printing Software Administrator Utilities (APXADMIN111)
次の表に,Tru64 UNIX システム上にソフトウェア・サブセットをロードして実行するために必要なディスク容量を示します。
サブセット | / (root) | /usr |
APXBASE111 | 0K | 3.75MB |
APXSVR111 | 0K | 1.2MB |
APXGW111 | 0K | .5MB |
APXGUI111 | 0K | 6.8MB |
APXADMIN111 | 0K | 2.1MB |
必要なディスク容量の表を参照して,各ディレクトリの値を合計したのち,サブセットに必要なスペースと,Advanced Printing Software ファイルを格納するディスク上の現在の空き容量を比較します。
ディレクトリ・パスの現在の空き容量を判断するには,Advanced Printing Software ソフトウェアをインストールするシステムにログインして,次のように
df
コマンドを入力します。
% df -k /usr
このコマンドを入力すると,次のような出力が表示されます。
Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on /dev/rz0g 396703 328807 28225 92% /usr
この場合の出力は,ファイル
/usr
システム上に 28225 キロバイトの空き容量があることを示しています。
1.4 所有していない X Window ディスプレイからの GUI サブセットのインストール
X セッションの所有者によって所有されていない端末やウィンドウから APXGUI サブセットのインストールまたはアンインストールを行う場合,インストレーション・プロセスはファイルを正しくインストールしますが,GUI ツール群を CDE 環境に統合することはできません。これは,たとえば,"su" コマンドを使用して,root でないユーザに属する端末ウィンドウから root になった場合などに起こります。インストール (または,アンインストール) プロセスによって,次のようなメッセージが表示されます。
Xlib: connection to ":0.0" refused by server Xlib: Client is not authorized to connect to Server /usr/bin/X11/xprop: unable to open display ':0.0' usage: /usr/bin/X11/xprop [-options ...] [[format [dformat]] atom] where options include: -grammar print out full grammar for command line -display host:dpy the X server to contact -id id resource id of window to examine -name name name of window to examine -font name name of font to examine -remove propname name of property to remove -root examine the root window -len n display at most n bytes of any property -notype do not display the type field -fs filename where to look for formats for properties -frame don't ignore window manager frames -f propname format [dformat] formats to use for property of given name -spy examine window properties forever This procedure was not able to refresh your current X session. In order for the Advanced Printing Software GUIs to run properly, please do one of the following: 1. Log out and back in again to CDE 2. Using the Application Manager, issue the ReloadApps command 3. From a terminal window, while logged in as the user who owns the current CDE session (not su-ed to another user), issue the command /usr/dt/bin/dtaction ReloadApps
メッセージに示されている手順の 1 つに従って,Advanced Printing GUI ツール群を CDE 環境に統合します。このような状況を回避するには,root として CDE 環境にログインしてから,APXGUI サブセットをインストールします。
1.5 インストレーションの中止
インストレーションは,Ctrl/C を押すことにより,いつでも中止することができます。ただし,その時点までにインストールされたファイルは削除されません。Advanced Printing Software の各ファイルを手動で削除する必要があります。付録 B
に,Advanced Printing Software のインストレーション・プロシージャでインストールされるファイルの一覧を示します。
1.6 サブセットの削除
Advanced Printing Software をインストールした後,setld
コマンドに
-d
オプションを指定して使用することにより,サブセットを削除することができます。たとえば,APXGUI111 サブセットを削除するには,次のコマンドを使用します。
# setld -d APXGUI111
このプロシージャを完了前に中止する場合は,インストールされたすべてのファイルを手動で削除する必要があります。付録 B
に,Advanced Printing Software のインストレーション・プロシージャでインストールされるファイルの一覧を示します。
1.6.1 スプール・ディレクトリの削除
setld -d
を使用してシステムから Advanced Printing Software を削除した場合,ディレクトリ
/var/spool/pd
,およびそれに含まれているすべてのファイルとサブディレクトリは削除されません。
スプール・ディレクトリは,キットが削除された時点でまだ印刷されていなかったジョブ・データが失われるのを防ぐために,そのまま残されます。この機能は,システム管理者が現在のキットを削除したのち,新しいキットをインストールするアップグレードの場合に特に必要です。
しかし,プリント・システムがシステムから永久に削除される (たとえば,印刷機能が別のホストへ移される) 場合には,これらのディレクトリはもう必要ありません。システム管理者は,そのディレクトリに重要なプリント・ジョブ・データが残っていないことを確認すると,/var/spool/pd
ディレクトリを安全に削除できます。