B    コンパクト・ディスクの概要

この付録では,次の内容について説明します。

B.1    オペレーティング・システムの CD-ROM

オペレーティング・システム・ソフトウェアは,以下の読み取り専用コンパクト・ディスク (CD-ROM) で提供されます。

B.2    CD-ROM のデバイス名

CD-ROM ドライブを識別するデバイス名には 2 つのタイプがあります。 最初の名前は正規のデバイス特殊ファイル名で,システムがシングルユーザ・モードまたはマルチユーザ・モードのときに CD-ROM ドライブを指定します。 2 番目の名前はコンソール・デバイス名で,システムがコンソール・モードのときに使用します。

B.2.1    CD-ROM デバイス名の確認

次のコマンドを入力して,CD-ROM ドライブのデバイス名を確認します。

$ ls /dev/disk/cdrom*c
/dev/disk/cdrom0c

システムがシングルユーザ・モードのときに,この CD-ROM デバイス名を用いて CD-ROM からブートします (オペレーティング・システムのアップデート・インストレーションを開始する場合など)。

B.2.2    CD-ROM コンソール・デバイス名の確認

CD-ROM コンソール・デバイス名を確認するには,次の例のように,システムをシャットダウンしてコンソール・モードにしなければなりません。

  1. スーパユーザ (ルート) としてログインし,システムをシャットダウンしてコンソール・モードにします。

    # shutdown -h now
    

  2. デバイス名の一覧表を表示します。

    >>> show device
    

    システムのタイプに応じて,次のようなデバイス情報一覧表が表示されます。

    dka0.0.0.0.0               DKA0                           RZ28
    dkb0.0.0.1.0               DKB0                           RZ28
    dkc0.0.0.2.0               DKC0                           RZ26
    dkc100.1.0.2.0             DKC100                         RZ26
    dkc200.2.0.2.0             DKC200                         RZ26
    dkc300.3.0.2.0             DKC300                         RZ26
    dke100.1.0.4.0             DKE100                         RRD43   <==
    mka500.0.0.0.0             MKA500                         TLZ04
    mke0.0.0.4.0               MKE0                           TZ85
    ewa0.0.0.6.0               EWA0              08-00-2B-2C-CE-DE
     
     
    

    左から 3 番目の欄に RRD または CD-ROM という文字列がある行を探してください。 これらの文字列は,CD-ROM デバイスを意味します。 また,この表の 2 番目の欄は,システム上の各デバイスに割り当てられているコンソール・デバイス名を示します。

    この例では,RRD43 CD-ROM のコンソール・デバイス名は DKE100 です。

オペレーティング・システムが実行されておらず,システムがコンソール・モードのときに,コンソール・デバイス名を用いて CD-ROM ドライブからブートします。

B.3    CD-ROM のマウント

CD-ROM 上のファイルやディレクトリにアクセスする前に,CD-ROM をマウント・ポイントマウントする必要があります。 CD-ROM をマウントする手順は,以下のとおりです。

  1. root としてログインします。 あるいは,スーパユーザになります。

  2. 必要であれば,以下のコマンドを入力して CD-ROM デバイス名を確認します。

    # ls /dev/disk/cdrom*c
    /dev/disk/cdrom0c
    

  3. mkdir コマンドを使用して,CD-ROM のマウント・ポイントとなるディレクトリを作成します。 その後,以下の構文で,unit_number を実際の CD-ROM ドライブのユニット番号に置き換えて mount コマンドを入力し,CD-ROM をマウントします。

    mount /dev/disk/cdrom<unit_number>c /mount-point

    たとえば,ドライブ /dev/disk/cdrom0c の CD-ROM を /cdrom ディレクトリにマウントするには,以下のコマンドを入力します。

    # mkdir /cdrom
    # mount -r /dev/disk/cdrom0c /cdrom
     
    

  4. テキスト・エディタを使用して /etc/fstab ファイルに次のような 1 行を追加し,システムがクラッシュしたりリブートした場合に,CD-ROM が確実に再マウントされるようにします。

    /dev/disk/cdrom0c       /cdrom   ufs   ro   0  0
     
    

    これで,リブート時にCD-ROM が /cdrom マウント・ポイントに自動的にマウントされます。

B.4    CD-ROM のアンマウント

CD-ROM をディスク・ドライブから取り出す前に,umount コマンドを使用して CD-ROM をマウント・ポイントからアンマウントする必要があります。 CD-ROM をアンマウントするには,まず,スーパユーザ,あるいは root ユーザとしてログインします。 アンマウントを行なう場合,CD-ROM のマウント・ポイントよりも上のディレクトリに移動しなければなりません。 その後,以下のようなコマンドで CD-ROM をアンマウントしてください。

# cd /
# umount /cdrom
 

CD-ROM をアンマウントせずに EJECT ボタンを押しても CD-ROM はドライブから出てきません。 また,CD-ROM のマウント・ポイント・ディレクトリ以下にいる状態で umount コマンドを実行すると,デバイスがビジーであるというメッセージが表示されます。

CD-ROM をアンマウントした後に,ディスク・ドライブからディスクを取り出すには,ディスク・ドライブの EJECT ボタンを押してください。

EJECT ボタンがソフトウェアによって使用不能にされている場合や,EJECT ボタンを押してもドライブからキャディが出てこない場合は,『Optical Disc Drive Owner's Manual』の指示を参照してください。