本書では,HP Tru64 UNIX の性能と可用性を高めるためのチューニング方法を説明しています。 また,本書には,Oracle,NFS (Network File System) と Web サーバ・アプリケーション,および Tru64 UNIX オペレーティング・システムのコンポーネントについてのチューニング方法も説明しています。
Tru64 UNIX のシステム管理には,グラフィカル・ユーザ・インタフェース (GUI) を使用することをお勧めします。
この GUI は SysMan によって表示されます。
SysMan は,共通デスクトップ環境 (CDE) ソフトウェアがシステムにロードされる時点で自動的にロードされるアプリケーションです。
SysMan アプリケーションは,CDE のフロントパネルからアクセスできるアプリケーション・マネージャから使用できます。
本書の対象読者
本書は,Tru64 UNIX オペレーティング・システムの管理責任者を対象としています。
管理者は,オペレーティング・システムの概要,コマンド,ユーティリティ以外に,アプリケーションとユーザについてもよく理解していなければなりません。
これらを理解しておくことは,システムをうまくチューニングして性能を向上するために必要です。
新しい機能および変更された機能
Tru64 UNIX の本バージョンでは,マニュアルに次のような追加と変更があります。
本書は,3 つの部分で構成されています。
システム・チューニングの概要 -- 新しいハードウェア構成の情報と図が含まれます。
アプリケーション・タイプ別のチューニング -- 3 つのタイプの異なるアプリケーション,Oracle,Network File Sytems およびインターネット・サーバについて 3 とおりのチューニング方法を示しています。 ここでは,アプリケーション・タイプ別に,チューニング属性とシステム・モニタリング・ツールを詳細に説明しています。
コンポーネント別のチューニング -- システム・リソース,ディスク・ストレージ,ネットワーク,ファイル・システム,メモリおよび CPU についてのチューニング方法が含まれています。 ここには,各コンポーネントのチューニング属性の詳しい説明も含まれます。
本書では,システムの性能を改善するために使用できるカーネル・サブシステム属性についてのみ説明しています。
リファレンス・ページには,すべてのカーネル・サブシステム属性が記載されています。
詳細は,
sys_attrs
(5)
カーネル・サブシステム属性では,ダッシュと下線の組み合わせの代わりに,下線のみを使用します。
AdvFS (Advanced File System) バッファ・キャッシュは使用されなくなりました。 AdvFS のユーザおよびアプリケーション・データとメタデータは,現在ではユニファイド・バッファ・キャッシュ (UBC) にキャッシュされます。 詳細は 11.1.4 項を参照してください。
AdvFS バッファ・キャッシュに関連するカーネル・サブシステム属性を説明していた箇所は,削除されました。
UNIX ファイル・システム (UFS) では,smooth sync 機能と入出力スロットリングを使用して UFS の性能を改善しています。 詳細は 11.3.3.1 項 を参照してください。
第 1 部 | システム・チューニングの概要 |
第 1 章 | Tru64 UNIX のハードウェア構成と重要な用語と概念について説明しています。 |
第 2 章 | システム情報の収集方法と性能問題の診断方法について説明しています。 |
第 3 章 | カーネル・サブシステムへアクセスし,変更する方法について説明しています。 |
第 2 部 | アプリケーション・タイプ別のチューニング |
第 4 章 | Oracle データベース・アプリケーションを構成し,チューニングする方法について説明しています。 |
第 5 章 | Network File System アプリケーションを構成し,チューニングする方法について説明しています。 |
第 6 章 | Web サーバ・アプリケーションを構成し,チューニングする方法について説明しています。 |
第 7 章 | アプリケーション性能を管理する方法について説明しています。 |
第 3 部 | コンポーネント別のチューニング |
第 8 章 | システム・リソースの割り当てを管理する方法について説明しています。 |
第 9 章 | ディスク・ストレージの性能をモニタリングし,チューニングする方法について説明しています。 |
第 10 章 | ネットワークの性能をモニタリングし,チューニングする方法について説明しています。 |
第 11 章 | ファイル・システムの性能を管理する方法について説明しています。 |
第 12 章 | メモリの性能をモニタリングし,チューニングする方法について説明しています。 |
第 13 章 | CPU の性能をモニタリングし,チューニングする方法について説明しています。 |
システムの管理および監視については『システム管理ガイド』で説明しています。 Tru64 UNIX オペレーティング・システムにおけるプログラミング・ツールについては『プログラミング・ガイド』で説明しています。 またこのマニュアルでは,アプリケーション・プログラムのコードを最適化する方法,構築プロセスの結果を最適化する方法についても説明しています。 『Asynchronous Transfer Mode』では,ATM (Asynchronous Transfer Mode) のチューニングについて説明しています。
以下の Tru64 UNIX のマニュアルも参考になります。
『Tru64 UNIX 概要』
『ネットワーク管理ガイド:接続編』
『Logical Storage Manager』
『AdvFS 管理ガイド』
『ハードウェア管理ガイド』
本書では,以下の表記法を使用しています。
#
番号記号は root としてログインした場合のシステム・プロンプトを表します。
%
cat
対話式の例における太字(ボールド体)は,ユーザが入力する文字を示します。
イタリック体 (斜体) は,変数値,プレースホルダ,および関数の引数名を示します。
構文定義では,大カッコはオプションの項目を示し,中カッコは必須項目を示します。 大カッコまたは中カッコの中の項目を縦線で区切っている場合は, そこに併記されている項目の中から1つの項目を選択することを示します。
colored
text
構文定義では,リテラル要素(コマンド名など文字通り入力する要素)は緑色で表示され,変数値,数式/論理式記号,関数の引数名は赤色で表示されます。 構文説明以外の場所では,色付きのテキストは使用しません。
垂直の反復記号は,実際には存在する例の一部が省略されていることを示します。
cat
(1)リファレンス・ページの参照には,該当するセクション番号をカッコ内に示します。
たとえば,
cat
(1)cat
コマンドについての情報が,
リファレンス・ページのセクション1に記載されていることを示します。