まえがき

本書では,HP TruCluster Server システムの日常の運用に関連する作業について説明します。クォーラムおよびボートの管理とクラスタ・ファイル・システム (CFS) について説明するとともに,デバイス要求ディスパッチャの管理方法とクラスタ内のネットワーク・サービスの構成方法についても説明します。さらに,クラスタ管理のためのヒントも提供します。

対象読者

本書は,TruCluster Server クラスタを構成および管理するユーザを対象としています。本書では,読者が経験を積んだ UNIX 管理者であり,ハードウェア,オペレーティング・システム,およびネットワークの構成と保守について十分な知識があることを前提としています。

新しい機能と変更された機能

本書 (および関連するマニュアル) でバージョン 5.1A のリリースから変更された点は次のとおりです。

本書の構成

本書の次のように構成されています。

第 1 章 スタンドアロンの Tru64 UNIX オペレーティング・システム・ソフトウェアの管理と TruCluster Server の管理との違いについて説明します。
第 2 章 クラスタ管理用のグラフィカル・ユーザ・インタフェース (GUI) とコマンド行ツールについて説明します。
第 3 章 ネットワーク・アプリケーションから単一システムとしてクラスタを参照するためのクラスタ別名サブシステムの使用方法について説明します。
第 4 章 クラスタの可用性を維持するために,クォーラムおよびボートを管理する方法について説明します。
第 5 章 クラスタ・メンバの構成,管理,および削除方法について説明します。
第 6 章 クラスタ内のメンバおよびクライアント・ネットワークの構成および管理方法について説明します。
第 7 章 クラスタ内のメール,プリント,およびその他のサービスの構成方法について説明します。 高可用性ネットワーク・サービスの提供方法についても説明します。
第 8 章 高可用性アプリケーションの管理に関連する日常の作業について説明します。
第 9 章 クラスタ・ファイル・システムとデバイス要求ディスパッチャの管理方法について説明します。ストレージ・デバイスの追加および削除方法と,ディスク・サーバの負荷分散方法についても説明します。
第 10 章 クラスタ内での LSM (Logical Storage Manager) ソフトウェアの使用に関する重要な相違点について説明します。
第 11 章 TruCluster Server に起こりやすい問題の調査および解決方法について説明します。
付録 A TruCluster Server システムに固有のイベントを一覧に示します。
付録 B TruCluster Server で提供されている構成変数を一覧に示します。
付録 C クラスタ・メンバの削除ログ /cluster/admin/clu_delete_member.log の例を示します。
付録 D LAN のクラスタ管理について説明します。

関連資料

クラスタの構成,インストール,および管理作業には,TruCluster Server 関連の次のマニュアルも参考になります。

TruCluster Server に関するドキュメントの最新版は,次の URL から入手することができます。

http://www.tru64unix.compaq.com/docs/pub_page/cluster_list.html

TruCluster Server システムの管理と Tru64 UNIX バージョン 5.1B システムの管理は良く似ています。 そのため,Tru64 UNIX バージョン 5.1B オペレーティング・システム関連の次のマニュアルも参考になります。

ストレージの管理には,次のマニュアルが参考になります。

本書の表記法

本書では次の表記法を使用します。

#

番号記号は root としてログインした場合のシステム・プロンプトを表します。

% cat

対話式の例における太字(ボールド体)は,ユーザが入力する文字を示します。

file

イタリック体 (斜体) は,変数値,プレースホルダ,および関数の引数名を示します。


.
.
.

垂直の反復記号は,実際には存在する例の一部が省略されていることを示します。

cat(1)

リファレンス・ページの参照には,該当するセクション番号をカッコ内に示します。 たとえば, cat(1) は,cat コマンドについての情報が, リファレンス・ページのセクション1に記載されていることを示します。

[Return]

四角で囲まれたキー名はユーザがそのキーを押すことを示します。