pdpr - 印刷のためにジョブを実行します。
13.2 形式
pdpr [-f filename]
[-g] [-n copies] [-N notification_method]
[-p printer_name] [-r requested_attributes]
[-s style_name] [-t job_name]
[-x extended_attribute_string...] [-X
attribute_filename...] [filename...]
次のコマンドで pdpr のヘルプが表示されます。
pdpr -h
pdpr ユーティリティは,論理プリンタに対しプリント・ジョブを実行することによってファイルを印刷します。論理プリンタに関連付けられたスプーラは,ユーザのアクセス特権を確認し,属性データを付加することによってジョブ・オブジェクトを作成し,ジョブの要件をサポートできる物理プリンタを識別して,ジョブをキューに追加します。追加されたジョブはスケジューリングされ,物理プリンタに送信されます。
このユーティリティを使用する際には,以下の点に注意してください。
プリント・ジョブは 1 つまたは複数のドキュメントから成ります。
印刷するファイル名 (複数) を単一のコマンド行に指定すると,pdpr は以下のオブジェクトを作成します。
指定されたファイル名ごとのドキュメント・オブジェクト。
作成したすべてのドキュメントを含むプリント・ジョブ・オブジェクト。ジョブには一意のジョブ識別子が割り当てられ,他のユーティリティからはこの識別子を使用してジョブにアクセスできます。
ジョブ属性はジョブ中のすべてのドキュメントに適用されます。ジョブ属性はコマンド行の任意の位置に指定できますが,オペランドより前にする必要があります。
再度指定されることがない限り,ドキュメント属性は,コマンド行でその記述位置の後に指定されたすべてのドキュメントに適用されます。
マルチ・ドキュメント・ジョブ中のいずれかのドキュメントの処理が失敗すると,pdpr 操作は失敗します。
プリンタの指定を省略すると,PDPRINTER 環境変数の値が使用されます。PDPRINTER に値が設定されていない場合,操作は失敗します。
エンド・ユーザ
pdpr でサポートされるオプションは以下のとおりです。
13.4.1 -f filename
プリント・ジョブ中の 1 つのドキュメントとして印刷するファイルを指定します。コマンド行に記述した filename ごとに 1 つのドキュメントが作成され,それらのドキュメントすべてがジョブを構成します。このオプションは,1 つのジョブで,それぞれ異なるドキュメント属性が必要な複数のファイルの印刷を実行する場合に使用します。
コマンド行で filename の前に指定したドキュメント属性はすべて,その filename のドキュメントに適用されます。
コマンド行で filename の後に指定したドキュメント属性はすべて,その filename のドキュメントには適用されません。それらの属性は,その後に指定されたファイル,またはオペランドとして指定されたファイルに適用されます。
この規則は,-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションで指定される属性にも当てはまります。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
document-filename=filename
13.4.2 -g
行またはカラムの見出し出力を抑制します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
プリント・ジョブの印刷部数を指定します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
job-copies=number
13.4.4 -N notification_method
実行したジョブの完了を通知する方法を指定します。
notification_method には次の値を指定できます。
message -- イベント情報は,コンソール・ウィンドウに表示されるメッセージとして,要求を生成したホストに直接送信されます。メッセージを見るにはコンソール・ウィンドウを開いておく必要があります。
email -- イベント情報は,要求を生成したアドレスに配信されます。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,次のように属性の delivery-method フィールドを設定します。
notification-profile=profile
13.4.5 -p printer_name
プリント・ジョブを実行する論理プリンタの名前を指定します。
特定のプリンタ名を指定できます。ここで指定したプリンタが,PDPRINTER 環境変数で指定されたプリンタに優先します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
printer-name-requested=printer_name
13.4.6 -r requested_attributes
標準出力に書き込まれる属性レポートに含めたい属性を指定します。
requested_attributes には次の値を指定できます。
verbose -- 属性の拡張セットを出力に書き込みます。
brief -- 属性の verbose リストのサブセットを出力に書き込みます。
all -- 値の設定されたすべての属性を出力に書き込みます。
none -- 属性を出力に書き込みません。これが省略時の値です。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
requested-attributes=requested_attributes
13.4.7 -s style_name
-r requested_attributes オプションで要求された出力の書式を定義します。
style_name には次の値を指定できます。
column -- 要求された属性ごとに 1 つのカラムを使用して表示します。これが省略時の値です。
line -- 各属性値を 1 行に表示します。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
style=style_name
13.4.8 -t job_name
実行するジョブに新しい名前を指定します。このオプションを省略すると,最初に指定したファイルの名前がジョブの名前になります。
job_name にはテキスト文字列を設定できます。
-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。
job-name=name
13.4.9 -x extended_attribute_string
pdpr ユーティリティで処理するコマンド行に一連の attribute_type=value の組を指定するために使用します。属性値の設定には,-x "document-format=PCL" のように代入演算子 (=) を使用できます。
-x および -X オプションでは,ジョブ属性およびドキュメント属性として設定できる属性はすべて使用できます。
指定できるコマンド属性は次のとおりです。
attributes
requested-attributes
document-filename
headings
style
ユーティリティが読み取る属性ファイルを指定します。pdpr ユーティリティを実行すると,このオプションのコマンド行中の記述位置でファイル内の属性データが処理され,-x オプションで直接指定した場合と同じ結果になります。
13.5 オペランド
省略可能。印刷するファイルを 1 つ以上指定します。
指定したファイルはジョブ中のドキュメントになります。複数の filenames は 1 つ以上のスペースで区切って指定します。指定したファイルが 1 つも見つからないときは,ジョブは拒否されます。
filename を省略した場合,-f オプションが指定されていなければ,pdpr は標準入力から読み取ります。
filename としてハイフン ( - ) を指定すると,pdpr は標準入力から読み取ります。
semantics.txt という名前のファイルの印刷を省略時のプリンタに対して実行します。省略時のプリンタとは,PDPRINTER 環境変数で指定された論理プリンタのことです。
pdpr semantics.txt
ファイル quote.ps の印刷を joes-printer という名前の論理プリンタに対して実行します。
pdpr -p joes-printer quote.ps
省略時のプリンタに対し,ファイル q1.ps を片面印刷として,ファイル q2.ps を両面印刷として実行します。
pdpr -x "sides=1" -f q1.ps -x "sides=2" q2.ps
省略時のプリンタでファイル ken を 25 部印刷します。
pdpr -n 25 ken
ファイル quote.ps の印刷を省略時のプリンタに対して実行し,印刷の完了,またはジョブの強制終了を実行元のユーザに電子メールで通知することを要求します。
pdpr -N email quote.ps
pdpr ユーティリティでジョブを実行する場合,イベント通知機能を利用して,ジョブがシステムを通ってプリンタへ転送される際の状態データを取得することができます。イベント通知は,次のいずれかの方法で行うことができます。
-x notification-profile=profile_attribute
-N notification-method オプション
詳細については,付録 C を参照してください。