D    データ管理アプリケーション・プログラミング・インタフェース (DMAPI)

DMAPI は,CAE (Common Applications Environment) 規格の 1 つであり,データ管理アプリケーションと基になるオペレーティング・システムのインタフェースとなります。 データ管理アプリケーションの 1 つには,DMAPI 機能を使ってデータを 3 次ストレージとの間で移動したり,ファイル情報を追跡する,階層型ストレージ・マネージャ (HSM) があります。

DMAPI 機能を使用するには,AdvFS Utilities のライセンスが必要です。 サポートされるデータ管理操作については, dmapi(3) を参照してください。

あるファイルが DMAPI 対応かどうかは,showfsets コマンドを使用して調べます。 ファイルセットを DMAPI 対応にするには,chfsets コマンドを実行します。 これには,root ユーザの特権が必要です。

DMAPI 対応のファイルセットは次のような点で制約されます。

新しくドメインとファイルセットを作成し,そのファイルセットで DMAPI 機能を有効にするには,次の手順を行ないます。

  1. 新しいドメインとファイルセットを作成します。

  2. chfsets に -o dmapi オプションを指定して,DMAPI 機能を有効にします。

  3. showfsets コマンドを使用して,ファイルセットのステータスをチェックします。

たとえば,ファイルセット sales_fset をドメイン receipt_dmn に作成するには次のコマンドを入力します。

# mkfdmn /dev/disk/dsk1c receipt_dmn
# mkfset receipt_dmn sales_fset
# chfsets -o dmapi receipt_dmn sales_fset 
# showfsets receipt_dmn

既存のファイルセットで DMAPI 機能を有効にするには,次の手順を実行します。

  1. ドメインに 1 つのファイルセットのみが存在するようにします。 複数存在する場合は次の操作を行ないます。

    1. vdump コマンドを使用して,そのファイルセットをダンプします。

    2. 新しいドメインとファイルセットを作成します。 新しいドメインなので,そのファイルセットには元のファイルセットと同じ名前をつけることができます。

    3. vrestore コマンドを使用して,ファイルセットを新しいドメインにリストアします。

  2. 必要ならばファイルセットをアンマウントします。

  3. chfsets コマンドを使用して,DMAPI を有効にします。

  4. showfsets コマンドを使用して,ファイルセットのステータスをチェックします。

ファイルセットの DMAPI を無効にするには次の操作を行ないます。

  1. ファイルセットをアンマウントします。

  2. chfsets コマンドを -o nodmapi オプションを指定して呼び出します。

  3. showfsets コマンドを使用して,ファイルセットのステータスをチェックします。

    DMAPI を無効にできるのは,データ管理アプリケーションがファイルセットの修正を始めていない場合だけなので注意してください。 データが破壊される可能性をなくすために,修正が開始されたら DMAPI を無効にできません。

そのファイルで,DMAPI 管理領域が有効になっているかチェックするには,次のように showfile コマンドを入力します。

# showfile /mnt/file1
     Id Vol PgSZ Pages XtntType Segs SegSZ    I/O Perf File
 6.8006   1   16     4   simple   **    **  async 100% file1
  DMAPI regions present on this file.