9    国際化機能の使用方法

この章では,国際化機能の使用方法について説明します。DECwindows Motif 環境から CDE への移行は,国際化機能を使用しているユーザにいくつかの影響を与えます。DECwindows Motif 環境と CDE では,次のような国際化機能に関する違いがあります。

以降の各項で,これらの違いについて説明し,CDE で同じ作業を行う方法について説明します。

9.1    使用言語の選択

CDE 環境では「オプション」メニューを使用して使用言語を随時変更します。デフォルトの言語はシステム管理者が設定しますが,セッション開始時に言語を選択したり,CDE の Xconfig ファイルにリソースを設定したりすることができます。ただし,セッション中,選択した言語は変更できません。ログイン画面から言語を設定する方法については,2.3.1 項を参照してください。

注意

CDE では,.Xdefaults ファイルでの xnlLanguage の設定はすべて無視されます。CDE がこの設定を無視するのは,ユーザがログイン画面の「オプション」メニューで選択した言語が変更されないようにするためです。

Xconfig リソース・ファイルを編集して省略時のセッションを設定するには,次の手順に従います。

  1. /etc/dt/config というディレクトリがない場合は,これを作成します。このディレクトリの作成には,ルート特権が必要です。

  2. 手順 1 で作成したディレクトリに /usr/dt/config/Xconfig ファイルをコピーします。

  3. /etc/dt/config/Xconfig ファイルを編集し,省略時の言語として使用したい言語を登録します。たとえば,日本語 EUC を使用したい場合には次のように入力します。

    defaultLanguage: ja_JP.eucJP
     
    

CDE ログイン画面の「オプション」メニューで別の言語を選択することによって,この言語設定を変更することもできます。

システムにログインした後に開始するアプリケーションは,言語の選択方法に関係なく,選択された言語で表示されます。

9.2    キーボード・タイプ,キーボード属性,入力方法の指定

CDE を使用している場合には,キーキャップ編集,キーボード設定,および入力サーバ・オプションの各アプリケーションを使用して特性を変更しなければなりません。

キーボード設定アプリケーションを使用すると,ローカライズされたキーマップを選択したり,ロック・キー状態を設定したりできます。また,このアプリケーションからは,キーキャップ・マッピングの変更のためのキーキャップ編集アプリケーションも起動できます。キーボード設定アプリケーションの使用方法については,5.3.5 項を参照してください。

キーキャップ編集アプリケーションを使用すれば,キーボード・タイプの選択,キー・イベントのシミュレーション,キーボード・マッピングの表示および編集などができます。キーキャップ編集アプリケーションの使用方法については,5.3.6 項を参照してください。

入力サーバ・オプション・アプリケーションを使用すると,システムがどのようにキーストロークを解釈するかを変更できます。たとえば,日本や中国で用いる漢字などのアジア系の言語の文字 (マルチバイト文字) をキーボードから入力できます。このアプリケーションの詳細については5.3.4 項を参照してください。

注意

アジア系の言語の場合は,システムにログインすると,CDE セッション・マネージャによって該当する入力方法に対応するサーバが自動的にスタートします。この機能を使用しないようにするには,.dtprofile ファイルを編集し,DTSTARTIMSFalse に設定してください。

日本語環境で自動的に起動される入力サーバは,dxjim です。dxjim の詳細については,『日本語機能ガイドブック』を参照してください。

9.3    端末エミュレータの使用方法

CDE インタフェースの省略時の端末エミュレータは dtterm です。この dtterm 端末エミュレータには次の機能はありません。

この端末エミュレータはこれらの機能をサポートしていないので,上述の対応が必要な場合には DECwindows Motif の端末エミュレータである dxtermを 使用してください。dxtermは,アプリケーション・マネージャからアクセスできます。ロケールによっては,個人用テキスト・エディタ・アプリケーション・サブパネルからも dxterm を使用できます。また,dxterm 端末エミュレータを dtterm 端末エミュレータ・ウィンドウから起動したり,7.2.1 項に示す手順に従ってフロント・パネルまたはサブパネルに登録したりすることもできます。

注意

日本語の場合,dxterm は漢字端末エミュレータという名前で個人アプリケーション・サブパネルに登録されています。

dxterm 端末エミュレータの使用方法については,『Common Desktop Environment: ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

9.4    メールの使用方法

CDE のメール・アプリケーション dtmail を使用する場合は,コードセット変換機能をオンにする必要はありません。この機能は,/usr/dt/config/svc/OSF1.lcx 構成ファイルにより自動的にオンに設定されます。この構成ファイルには必要な情報が保管されています。