本書では,Logical Storage Manager (LSM) ソフトウェアを使用してディスク・ストレージを構成および管理する方法について説明します。
本書では,LSM の概念や,LSM 構成の計画,設定,監視,変更,およびトラブルシューティングについて説明しています。
本書の対象読者
本書は,LSM 制御下のストレージ・デバイスの構成および管理を行うシステム管理者を対象としています。
本書を使用するには,HP Tru64 UNIX オペレーティング・システム・ソフトウェアが動作するスタンドアロン・システムとそのストレージ・デバイス,またはHP Tru64 UNIXオペレーティング・システムが動作するTruCluster Server とそのストレージ・デバイスの管理ができなければなりません。
新しい機能および変更された機能
本書では,Version 5.1A リリース以降の,以下の項目が改訂されました。
第 1 章は,新しい高速プレックス接続ログ・タイプを含む LSM オブジェクトを,明確に定義するように改訂されました。
第 2 章には,TruCluster Server 環境固有の計画時の留意事項の説明が追加されました。
第 3 章では,TruCluster Server 環境での LSM の構成について説明します。 この情報は,以前は『クラスタ管理ガイド』に含まれていたものです。
第 5 章には,ボリューム・バックアップ用の新しい高速プレックス接続機能の説明が追加されました。
第 6 章は,障害が発生したディスクの交換とそれに続く回復操作の説明を簡単にするため,改訂されました。
第 7 章では,Version 4.0 システムからアップグレードする方法や LSM ソフトウェアをアンインストールする方法など,LSM 管理の特別な場合について説明します。
以下の章と付録は削除されました。
以前の第 7 章 -- エラー・メッセージ
付録 C -- voldiskadm メニュー・インタフェースの使い方
付録 D -- Visual Administrator のインタフェース (dxlsm
)
付録 E -- Visual Administrator インタフェースの使い方
以前これらの付録で説明されていたインタフェースについての情報は,関連インタフェースのリファレンス・ページで説明されています。
詳細は,
voldiskadm
(8)dxlsm
(8X)
第 1 章 | LSM の機能,用語,および概念について説明し,利用可能な LSM インタフェースについて紹介します。 |
第 2 章 | LSM の構成計画で考慮すべき事項を挙げ,LSM で使用する未使用のストレージ・デバイスを探す方法を説明します。 また,LSM ボリュームとディスク・グループの計画に役立つワークシートを添付します。 |
第 3 章 | LSM をインストールして初期化する方法について説明します。 システムまたはクラスタのアップグレード (Version 5.0 以降から最新バージョンに) の一環として行う方法と,フルインストレーションで行う方法があります。 |
第 4 章 | 新しい LSM ディスク,ディスク・グループ,およびボリュームの作成方法と,UFS ファイル・システムと AdvFS ドメインを,ストレージとして LSM ボリュームを使用するように構成する方法,ならびに既存のデータを LSM の制御下に置く方法について説明します。 |
第 5 章 | LSM オブジェクトの一般的な管理作業について説明します。 |
第 6 章 | 問題を把握して回復する方法と,LSM 制御下の,障害が発生したディスクの交換方法について説明します。 |
第 7 章 | システムの LSM 構成を Version 4.0 から最新バージョンにアップグレードする方法,システム間でディスク・グループを移動する方法,およびシングル・システムまたはクラスタから LSM ソフトウェアを削除 (アンインストール) する方法など,LSM 管理の特殊なケースについて説明します。 |
付録 A | Storage Administrator GUI の起動方法と,このインタフェースを使用した LSM オブジェクトの管理方法について説明します。 |
付録 B | Storage Administrator の動作の記録方法,Storage Administrator GUI の使用方法,および Storage Administrator GUI のカスタマイズ方法について説明します。 |
用語一覧 |
次のオペレーティング・システム・ドキュメントに,LSM に関連する情報が説明されています。
『インストレーション・ガイド』では,LSM ソフトウェアをフル・インストールの一部として,またはオペレーティング・システムとは別にインストールする方法について説明しています。
『リリース・ノート』では,他の資料では説明されていない,LSM の問題と解決方法について説明しています。
『システム管理ガイド』では,一般的なストレージ管理について説明しています。
『システムの構成とチューニング』では,ストレージ・デバイスの計画,構成,およびチューニング方法について説明しています。
『AdvFS 管理ガイド』では,LSM とともに AdvFS ソフトウェアを使用する方法について説明しています。
『クラスタ管理ガイド』では,LSM がスタンドアロン・システムで動作する場合と,TruCluster環境で動作する場合の違いについて説明しています。
Tru64 UNIXおよびTruCluster Serverのマニュアルは,次の Web サイトで入手できます。
http://h50146.www5.hp.com/products/software/oe/tru64unix/manual/os/
本書の表記法
本書では,次の表記法を使用します。
#
番号記号は root としてログインした場合のシステム・プロンプトを表します。
%
cat
対話式の例における太字(ボールド体)は,ユーザが入力する文字を示します。
イタリック体 (斜体) は,変数値,プレースホルダ,および関数の引数名を示します。
構文定義では,大カッコはオプションの項目を示し,中カッコは必須項目を示します。 大カッコまたは中カッコの中の項目を縦線で区切っている場合は, そこに併記されている項目の中から1つの項目を選択することを示します。
colored
text
構文定義では,リテラル要素(コマンド名など文字通り入力する要素)は緑色で表示され,変数値,数式/論理式記号,関数の引数名は赤色で表示されます。 構文説明以外の場所では,色付きのテキストは使用しません。
構文定義では,水平の反復記号は,前の項目を1回以上繰り返して使用できることを示します。
cat
(1)リファレンス・ページの参照には,該当するセクション番号をカッコ内に示します。
たとえば,
cat
(1)cat
コマンドについての情報が,
リファレンス・ページのセクション1に記載されていることを示します。