19    pdset

19.1    名称

pdset - プリント・オブジェクトの属性を設定します。

19.2    形式

pdset [-c class_name]
[-g] [-m message_text] [-r requested_attributes]
[-s style_name] [-x extended_attribute_string...]
[-attribute_filename...object_instance...

次のコマンドで pdset のヘルプが表示されます。

pdset -h

19.3    機能説明

pdset ユーティリティは,指定したプリント・オブジェクトの,オブジェクト属性,ジョブ属性,およびドキュメント属性の値を設定します。このユーティリティを使用する際には,以下の点に注意してください。

アクセス・レベル

管理者。 -- システムの任意のオブジェクトに対して属性値を設定できます。

オペレータ。 -- 任意のジョブの属性,および物理プリンタの xxx-ready 属性の値を設定できます。

エンド・ユーザ。 -- 自分が所有するジョブの属性値のみを設定できます。

19.4    オプション

pdset でサポートされるオプションは以下のとおりです。

19.4.1    -c class_name

属性値を設定するオブジェクトのクラス,つまりタイプを指定します。

引数

class_name には次の値を指定できます。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

class=class_name

19.4.2    -g

カラム見出しの出力を抑制します。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

headings=no

19.4.3    -m message_text

変更するプリント・オブジェクトについてのメッセージを設定します。たとえば,プリンタの属性を設定する場合,プリンタに次のようなメッセージを付加できます。

-m"printer1 supporting bound jobs"

-x extended-attributes-string オプション,または -X attribute_filename オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

サーバ,プリンタ,キュー,初期値ジョブ,初期値ドキュメント,ドキュメントの各オブジェクトでは,次のように指定します。

message=message_text

ジョブでは,次のように指定します。

job-message-from-administrator=message_text

たとえば,次のようになります。

-x "message='printer1 supporting bound jobs.'"

このタイプのメッセージを取得するには,対象のプリント・オブジェクトに対し,次のオプションを指定した pdls ユーティリティを実行します。

-r message

19.4.4    -r requested_attributes

標準出力に書き込まれる属性レポートに含めたい属性を指定します。

引数

requested_attributes には次の値を指定できます。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

requested-attributes=requested_attributes

19.4.5    -s style_name

-r requested_attributes オプションで要求された出力の書式を定義します。

引数

style_name には次の値を指定できます。

-x 文字列オプション,または -X ファイル・オプションを使用する場合は,コマンド属性のタイプと値を次のように指定します。

style=style_name

19.4.6    -x extended_attribute_string

pdset ユーティリティで処理するコマンド行に一連の attribute_type=value の組を指定するために使用します。

属性

-x オプションでは,設定できる属性はすべて使用できます。

指定できるコマンド属性は次のとおりです。

19.4.7    -X attribute_filename

ユーティリティが読み取る属性ファイルを指定します。pdset ユーティリティを実行すると,このオプションのコマンド行中の記述位置でファイル内の属性データが処理され,-x オプションで直接指定した場合と同じ結果になります。

19.5    オペランド

object_instance

オペランドの値は,-c class_name オプション,または class=class_name 属性の値に基づいて指定します。

[server_name:]job_id

クラスが job の場合,必須項目 job_id には属性を設定するジョブを指し示す一意の識別子を指定します。server_name の値は省略可能です。

[server_name:]job_id.doc_int

クラスが document の場合,.doc_int には当該ドキュメントのジョブ中の位置を指定します。たとえば,big-spooler:116.3 は,big-spooler という名前のスプーラにある,識別子 116 のジョブの 3 番目のドキュメントを表します。

[server_name:]printer_name

クラスが printer の場合,printer_name には属性を設定する物理プリンタまたは論理プリンタの名前を指定します。次に示すプリンタ属性を設定する場合は,既に存在するオブジェクトを参照する値を設定する必要があります。

[server_name:]server_name

クラスが server の場合,server_name には属性を設定するスプーラまたはスーパバイザの名前を指定します。

[server_name:]queue_name

クラスが queue の場合,queue_name には属性を設定するキューの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。

[server_name:]ivjob_name

クラスが initial-value-job の場合,ivjob_name には属性を設定する初期値ジョブの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。

[server_name:]ivdoc_name

クラスが initial-value-document の場合,ivdoc_name には属性を設定する初期値ドキュメントの名前を指定します。server_name の値は省略可能です。

19.6    使用例

  1. samantha という名前のプリンタの media-supported 属性を設定します。-c オプションの省略時の値は printer なので,オペランド object_instance にはプリンタを指定します。

    pdset -x "media-supported=a" samantha

  2. daniel という名前のキューにメッセージを設定します。

    pdset
    -c queue -m "this queue connects dave to les" daniel

  3. 実行時に held (保留) 状態に設定された,識別子 21 のジョブの保留を解除します。

    pdset
    -c job -x "job-hold=no" sp1:21