HP OpenVMS Systems Documentation |
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この項で説明されるモジュールは,DEClaser 3500 プリンタのみに適用されます。これらのモジュールは,解像度を拡張したり,トナー節約モードを有効にしたり, DECimage-Lite イメージ拡張技術のバージョンをプリンタにダウンロードするものです。
19.8.1.1 解像度の拡張用のセットアップ・モジュール
解像度の拡張用のセットアップ・モジュールは,テキストおよびグラフィックスの両方についてスムージング処理を行います。スムージングのレベルは,DARK セットアップ・モジュールで増加させ, LIGHT セットアップ・モジュールで減少させます。 DARK 設定は細い線をやや太くしますが,望ましいものでない可能性があります。プリンタの工場出荷時の設定は,medium です。
19.8.1.2 トナー節約モード用のセットアップ・モジュール
トナー節約モード用のセットアップ・モジュール DL3500_TSAVER は,すべての文字をアウトラインで印刷し,同様にグラフィックスの暗い部分もアウトラインで印刷します。この機能は文書のドラフトの印刷に有用であり,ページの解像度を medium とします。
19.8.1.3 DECimage-Lite 用のセットアップ・モジュール
DECimage-Lite 用のセットアップ・モジュールは,次の 5つの異なるコントラスト (パンチ) を提供します。
DL3500_DI_HC | コントラストを 20% だけ増加させます |
DL3500_DI_LC | コントラストを 20% だけ減少させます |
DL3500_DI_BRIGHTER | 輝度を 10% だけ増加させます |
DL3500_DI_DARKER | 輝度を 10% だけ減少させます |
DL3500_DI_FLAT | グレイ・レベルの調整なしで,特別なハーフトーンを適用します。 |
注意:
次の例は,特定のプリント・ジョブに対して暗さを強調するものです。
$ PRINT /SETUP=(DL3500_RET_DARK) file-name |
[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS] にあるファイルの例を使用することにより, DEClaser 3500 プリンタで FAX メッセージを送信することができます。また,これらのファイルをドライバ開発者およびエンド・ユーザに自由に配布することも可能です。これらのファイルは,DEClaser 3500 を FAX 送信機として使用するアプリケーションを持たない OpenVMS,UNIX,DOS の各オペレーティング・システム上でも使用することができます。 Microsoft Windows 3.1 および Macintosh システムについては, FAX 送信用のドライバが利用可能であり,上記のファイルの代わりにそのドライバを使用しなければなりません。
DEClaser 3500 プリンタから FAX 送信する実際の PostScript ファイルあるいはテキスト・ファイルの前にこれらのヘッダ・ファイルを送信し,各アプリケーションに応じてヘッダ・ファイルを変更するようにします。各ファイルには多くのコメント行が含まれており,それらのファイルの編集法および使用法についての情報を含んでいます。さらに,[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]FAX_3500_PRINTME.PS ファイルは,ヘッダ・ファイルの使用法を説明しています。
DEClaser 3500のファックス・オプションを使用すると,すでにサポートされているPostScriptおよびテキスト・ファイルだけでなく ANSI 文書をファックス送信することができます。印字可能なASCII文字列だけで構成された文書は, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]FAX_3500_PRINTME.PSに記述されている命令に従うテキスト・ファイルとして送信することができます。あるいは,次に説明するANSI文書として送信することができます。タブ,改行,その他の制御文字,ANSIエスケープ・シーケンスを含む文書は,次に示す命令を使用して送信しなければなりません。
ANSI文書をファックス送信するには,最初にOpenVMS特権ユーザがファックス受信者に関する情報を含むファックス設定モジュールを作成する必要があります。設定モジュールが作成されると, PRINT/SETUPコマンドを使用してANSI文書を受信者に送信することができます。
$ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]library_name |
ここで library_name は,ライブラリとして選択する名前です。
$ LIBRARY /INSERT /TEXT - _$ SYS$COMMON:[SYSLIB]library_name fax_settings_file |
ここで,fax_settings_file はファックス情報を含むファイルです。
以上の設定が完了すると,次のコマンドを使用してANSI文書をファックス送信することができます。
$ PRINT /PARAMETERS=DATA_TYPE=ANSI - _$ /SETUP=fax_settings_module fax_file |
ここで,fax_settings_module はシステム管理者が作成した設定モジュールで, fax_file はファックス送信しようとしている ANSI文書です。
19.9 DIGITAL DEClaser 5100 プリンタ
19.9.1 プリンタ固有のセットアップ・モジュール
次のページ保護セットアップ・モジュールは,出力されるページのビットマップを調整します。
セットアップ・モジュール | 説明 |
---|---|
DL5100_PAGEPROT_ON | フル・ページ・ビットマップ |
DL5100_PAGEPROT_OFF | 部分ページ・ビットマップおよびバンディング |
フル・ページ・ビットマップの使用はページ保護と呼び,この場合には,ページが印刷できないほど複雑になる可能性はほとんどありません。しかし,メモリ容量が少ない場合には,要求された解像度を実現できない可能性があります。
ページ保護設定は解像度設定より優先順位が高くなります。メモリ容量の不足により 2つのグループで矛盾が発生する場合には,要求されたぺージ保護モードの方が優先されます。これらのモジュールを使用する場合に, PRINTコマンド・ラインに /NOTIFYスイッチを追加すると,プリンタから通知されるメッセージを見ることができます。モジュールは次のとおりである。
これらのモジュールをPRINTコマンド・ラインに指定する順序に,特に制限はありません。
要求を満足するのに必要なメモリ容量がプリンタに不足しており,ジョブを印刷するためにパラメータを変更した場合には,そのことを示すメッセージが出力されます。また,変更されたパラメータもメッセージに示されます。次の例はこのメッセージを示しています。データはそれぞれの状況に応じて異なります。
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次は,600 DPI で印刷し,ページ保護を有効とする例です。
$ PRINT /NOTIFY /SETUP=(DL5100_PAGEPROT_ON,RES_600X600) filename |
19.9.2 LocalTalk ポート上の PCL ジョブのエラー
LocalTalk ポートを経由してネイティブ PCL インタプリタを使用した PCL ファイルを印刷する場合, PCL ジョブの最後で次のエラーが発生する可能性があります。
%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command is <1B>E<1B> %DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored |
ファイル全体は印刷されますが,プリンタがハングしている可能性があります。フロント・パネルに
PS Localtalkと表示している場合は,ハングしていることを示します。通常の操作に復帰するには,プリンタのフロント・パネルの
Resetを押してください。
19.10 DIGITAL Laser Printer LN15+
DIGITAL Laser Printer LN15+ プリンタは, DIGITAL Laser Printer LN15 のアップグレード機種です。 DCPS ドキュメントの DIGITAL Laser Printer LN15 についての記述は, DIGITAL Laser Printer LN15+ についても適用されます。
19.10.1 無関係な USERDATA メッセージの表示
DCPS ジョブが出力待ちである場合, LN15+ に現在出力中のジョブから USERDATA メッセージが表示されます。たとえば出力時に /NOTIFY 修飾子を指定した場合は,このようなメッセージは画面に表示されます。ジョブには影響しないため,このメッセージは無視してください。
19.10.2 給紙トレイの選択
オプションの下段トレイに上段トレイとは異なるサイズの用紙が装着されていた場合,下段トレイに出力しようとすると,不正な出力となるか,あるいはエラー・メッセージが表示されます。 INPUT_TRAY=BOTTOM および PAGE_SIZE あるいは SHEET_SIZE のいずれかのパラメータを使用して,給紙トレイおよび用紙サイズの両方を指定した場合, SIZNOTRAY エラーが発生します。用紙サイズを指定しないで INPUT_TRAY=BOTTOM を指定した場合は,不正な位置に出力されたり,一部が欠けて出力されます。この問題の回避策は,用紙サイズだけを指定して下段トレイを選択することです。
19.10.3 エラーの発生したジョブが完了しない可能性
不正なジョブ・パラメータを指定した場合,あるいはジョブで PostScritp エラーが発生した場合,ジョブが完了しない可能性があります。これは,LN15+ プリンタが DCPS に対して常にエラー・メッセージを送信しているわけではないためです。 DELETE/ENTRY コマンドを使用してキューからそのジョブを削除し,プリンタが別のジョブからも使用できるようにします。また,プリンタが "PS Error 19" を表示している場合は,プリンタの CONTINUE ボタンを押して出力を再開させる必要があります。プリンタの PostScript タイムアウト値を 0 に設定しておくと,プリンタのボタンを押す必要がありません。
19.10.4 ジョブが障害通知を行わない可能性
/NOTIFY 修飾子を指定して出力中に,障害が発生したジョブは,障害メッセージを通知しない可能性があります。そのようなエラーが発生した場合には, DCPS エラー・ページが出力されます。
19.11 DIGITAL Laser Printer LN17+ps および LN17ps
DIGITAL Laser Printer LN17+ps は DIGITAL LN17ps プリンタのアップグレード機種です。 DIGITAL LN17ps プリンタについての DCPS ドキュメントの記述は, DIGITAL Laser Printer LN17+ps に対しても適用されます。
19.11.1 LN17ps での出力の制限
次のような状態の場合に, LN17ps でのプリンタ出力が制限されることがあります。
このような制限を避けるには,INPUT_TRAY=MANUAL_FEED を使用します。
LN17ps の用紙サイズとともに INPUT_TRAY 値を FRONT あるいは MULTIPURPOSE のいずれかに指定した場合, DCPS はコンソールで指定したマニュアル・トレイのサイズに用紙サイズを一致させるように要求します。
19.12 DIGITAL Laser Printer LN40
19.12.1 シフト排紙およびソート
DIGITAL Laser Printer LN40 プリンタのコンソールで OFFSET STACKING 設定を ON にしている場合,次の問題が生じることがあります。
19.13 Compaq および DIGITAL Laser Printer LNC02
Compaq Laser Printer LNC02 と DIGITAL Laser Printer LNC02は同じです。 DCPS のドキュメントで DIGITAL Laser Printer LNC02 について記述されている説明は,Compaq Laser Printer LNC02 にも適用されます。
19.13.1 不正確な用紙数
LNC02 プリンタの制限により,ジョブ・トレーラ・ページおよび OpenVMS アカウンティング・ファイルで通知される用紙数は正しくありません。現在のところ対処法は報告されていません。ただし,LNC02 にはプリンタの使用状況を追跡するために使用することができるアカウンティング機能を持っています。
19.14 HP 9085 MFP
19.14.1 デフォルト以外の用紙サイズの選択
このプリンタは,DCPS がプリントジョブで要求したすべての情報を返しません。特に,要求されたトレイの用紙サイズは DCPS にはわかりません。このため,トレイに入っている用紙がそのプリンタのデフォルトのサイズでない場合は,トレイ名だけで用紙を選択することはできません。 INPUT_TRAY が指定され,そのトレイにデフォルト以外のサイズの用紙が入っている場合,そのプリンタは,要求されたサイズの用紙をロードするようにメッセージを出します。
デフォルト以外のサイズの用紙が入っているトレイを選択するには, INPUT_TRAY パラメータの代わりに, MEDIA_TYPE,PAGE_SIZE,および SHEET_SIZE を組み合わせて使用してください。
19.15 HP LaserJet プリンタ
19.15.1 ANSI テキストの不完全な印刷
HP LaserJet IIID,LaserJet IIISi,LaserJet 4M,LaserJet 4ML,LaserJet 4MX, LaserJet 4SiMX プリンタは,その他のプリンタよりも少々小さな印刷領域を持っています。その結果,1 ページ毎に 66 行を使用する ANSI テキスト・ファイルを印刷する場合, 66 行目の最後の 3 ポイントが印刷されません。
レイアップ・オプションを使用することでこの制限に対処することができます。 1 つの対処法は,次のオプションを持つレイアップ定義ファイルを作成して使用することです。
noborders margins = 0, 3, 0, 0 |
あるいは,これらをオプションをコマンド行に直接入力することもできます。
$ PRINT /PARAMETERS=(LAYUP="(NOBORDERS;MARGINS=0,3,0,0)") |
LaserJet 5M プリンタにも ANSI テキストの 66 行目に同様の制限がありますが,最後のマージンを 3 ポイントではなく 11 ポイントを指定しなければなりません。
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