HP OpenVMS Systems Documentation |
本書は,日本語Advanced Server V 7.3B for OpenVMS の日本語関連の新機能および制限事項について説明します。
オペレーティング・システム: | 日本語OpenVMS Alpha V7.3-2, V8.2, V8.3 |
ソフトウェア・バージョン: | 日本語 Advanced Server V 7.3B for OpenVMS |
© 2007 Hewlett-Packard Development Company, L.P.
Microsoft および Windows は米国 Microsoft 社の商標です。
このドキュメントに記載されているその他の会社名および製品名は,各社の商標または登録商標です。
目次 |
本書では,日本語 Advanced Server 7.3B for OpenVMS の新機能および使用上の注意事項について説明しています。
日本語 Advanced Server for OpenVMS は,標準版の Advanced Server for OpenVMS に対して日本語機能を追加した製品です。標準版で提供される新機能および標準版の機能に関する使用上の注意事項については,標準版のリリース・ノート(『Release Notes』)で説明しています。
本書の構成は以下のとおりです。
第 1 章 | Advanced Server が提供する日本語機能の概要を説明します。 |
第 2 章 | 本リリースの新機能および変更された機能について説明します。 |
第 3 章 | 既知の問題点と制限事項について説明します。 |
第 4 章 | 日本語ドキュメントについて説明しています。 |
以下は標準版 Advanced Server V 7.3B のドキュメントです。
『Advanced Server for OpenVMS Concepts and Planning Guide』
『Advanced Server for OpenVMS Server Administrator's Guide』
『Advanced Server for OpenVMS Commands Reference Manual』
『Advanced Server for OpenVMS Guide to Managing Advanced Server Licenses』
以下は OpenVMS のドキュメントで,Advanced Server に関連するものです。必要に応じて参照してください。
『OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』
『OpenVMS システム管理者マニュアル』
『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』
『OpenVMS License Management Utility Manual』
『OpenVMS Extended File Specificationsの手引き』
『OpenVMS Connectivity Developer Guide』
この章では,日本語 Advanced Server V 7.3B の日本語新機能について説明します。
日本語 Advanced Server V 7.3B は,標準版Advanced Server V 7.3B で提供する機能に加えて,次の機能をサポートします。
日本語Advanced Server V 7.3B では,標準版OpenVMSの提供する Extended File Specification の機能により,共有 (ネットワークドライブ) サービスで日本語のファイル名が作成でき, Windows NT/2000/XP および Windows 95/98 から利用できます。これらのファイルは,日本語OpenVMSからも同じ日本語のファイル名として扱うことができます。
日本語ファイル名に使用できる文字は以下のとおりです。
JIS X 0201 | 1バイトの英数字(ASCII)・片仮名文字セット |
JIS X 0208 | 2バイトの漢字文字セット(JIS第2水準まで) |
ユーザ定義文字はこのバージョンではサポートしていません。また次の文字はWindowsのファイル名に使用できません。
¥ / : * ? " < > | |
日本語ファイル名は最大118文字です。スペースや拡張子を含んだ文字数です。ただし使われている文字が半角英数字(ASCII)のみであれば, 215文字です。これはWindows 2000のファイル名の最大長です。
日本語ファイル名を使用する場合は Advanced Server の共有ディスク (share directory) を ODS-5 ディスク上に設定する必要があります。
また日本語OpenVMS V7.3以降を利用している場合は,ADNIMISTAR コマンドラインで漢字ファイル名が利用できます。 SET MODE/RAWコマンドによりファイル名をVTF-7モードからRAW モードに切り替えれば,SET FILE/SHOW FILESコマンドで漢字ファイル名が入力/表示できます。RMSファイルコンバータが有効(sdeckanjiモード)になっていることが必要です。RMSファイルコンバータについては日本語OpenVMSのドキュメントを参照して下さい。
例 1-1 OpenVMSでの日本語ファイル名 |
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$ jsycp := $sys$system:jsy$control.exe $ jsycp set rms/file=sdec $ jsycp show rms The current filename encoding is set to sdeckanji. $ admin set mode/raw $ admin show share bunko Shared resources on server "HPOVMS": Name Type Description ------------ --------- ------------------------------------------------------- BUNKO Directory 文庫本リスト Total of 1 share $ admin show file/full bunko Files in: ¥HPOVMS¥BUNKO . <DIR> Permissions: Access Administrators Full Control (All) (All) Everyone Change (RWXD) (RWXD) Server Operators Change (RWXD) (RWXD) SYSTEM Full Control (All) (All) Audit Events: (None specified) Owner: SYSTEM 山田風太郎.txt Permissions: Access Administrators Full Control (All) Everyone Change (RWXD) Server Operators Change (RWXD) SYSTEM Full Control (All) Audit Events: (None specified) Owner: SYSTEM Total of 2 files $ |
日本語Advanced Server V 7.3B では,共有ディスクサービスのサービス名 (共有名) として日本語の名前が使用できます。使用できる文字は日本語ファイル名と同じです。
サポートする日本語共有名は最大10文字です。ただし使われている文字が半角英数字(ASCII)のみであれば,12文字です。
例 1-2 OpenVMSでの日本語共有名 |
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$ jsycp := $sys$system:jsy$control.exe $ jsycp set rms/file=sdec $ admin set mode/raw $ admin show share bunko $ admin add share/dire "製品" dqa0:[products] /desc="製品リスト" %PWRK-S-SHAREADD, share "製品" added on server "HPOVMS" $ admin show share "製品" Shared resources on server "HPOVMS": Name Type Description ------------ --------- ------------------------------------------------------- 製品 Directory 製品リスト Total of 1 share $ |
日本語Advanced Server V 7.3B では,Advanced Server で使うユーザ名,グループ名として日本語の名前が使用できます。使用できる文字は日本語ファイル名と同じです。
サポートする日本語ユーザ名および日本語グループ名は最大10文字です。
例 1-3 OpenVMSでの日本語ユーザ名 |
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$ jsycp := $sys$system:jsy$control.exe $ jsycp set rms/file=sdec $ admin set mode/raw $ admin show user/ful "山田風太郎" User accounts in domain "LANGROUP": User Name Full Name Type Description -------------------- -------------------- ------ ---------------------------- 山田風太郎 Global 山田風太郎なユーザ名 User profile: Logon script: Home Path: Primary Group: Domain Users Member of groups: Administrators, Domain Users Workstations: No workstation restrictions Logon Flags: Login script is executed Account Type: Global Account Expires: Never Last logon: 12/04/02 01:45 PM Password last set: 12/04/02 01:40 PM Password expires: 01/15/03 01:40 PM Password changeable: 12/04/02 01:40 PM Logon hours: (All hours) Total of 1 user account $ admin logon Username: 山田風太郎 Password: The server \HPOVMS successfully logged you on as 山田風太郎. Your privilege level on domain LANGROUP is ADMIN. The last time you logged on was 12/04/02 01:45 PM. $ |
日本語Advanced Server V 7.3B では,Advanced Server で使う共有名,ユーザ名,グループ名のコメント文(Description)として日本語が使用できます。使用できる文字は日本語ファイル名と同じです。
サポートする日本語コメント文は最大85文字です。
この章では,日本語Advanced Server V 7.3B の新機能および変更された機能について説明します。
2.1 新機能
日本語Advanced Server V 7.3B に追加された日本語関連の機能は特にありません。
なお,本リリースでは,以下の標準版の機能が新機能として追加されています。
これらの機能の詳細については,『Release Notes』を参照してください。
2.2 変更された機能
本バージョンで変更された日本語関連の機能はありません。
本バージョンで変更された標準版の機能については,『Release Notes』を参照してください。
なお,日本語Advanced Server V7.3A で以下の機能が変更されています。
V7.3A
Advanced Server V7.3Aでは「Advanced Server の構成方法」の「サーバの言語設定」に日本語(Japanese)が追加されました。Advanced Serverの構成プロシージャ (sys$update:pwrk$config.com)を実行した場合に「9. Advanced Server language:」で「Japanese」を設定してください。
以前のバージョンの日本語Advanced Serverでは言語の設定にかかわらず,日本語機能が使用できました。詳しくは『インストレーションおよび構成ガイド』の第3.8節を参照してください。
2.2.2 日本語ファイル名変換ユーティリティ
V7.3A
以前のバージョンのPATHWORKS (LAN Manager) では日本語ファイル名(shift_jisコード)を ODS-2ボリューム用にエンコードしていました。これらのファイル名をODS-5ボリューム上でUnicodeによるファイル名に変換することにより,クライアントから同じ日本語ファイル名のまま利用することができます。詳しくは『インストレーションおよび構成ガイド』の第5.8節を参照してください。
また,Advanced Server V7.3Aでは,日本語以外の文字コードでエンコードされていた場合の変換も行うことができます。日本語ファイル名 (shift_jisコード) を変換する場合には,修飾子 /code_page=sjis を指定してください。
主な手順としては,以下のとおりです。
この章では,日本語 Advanced Server V 7.3B での既知の問題点と制限事項について説明します。
標準版Advanced Server V 7.3B の制限事項については,標準版のリリースノート『Advanced Server V 7.3B for OpenVMS Release Notes』を参照してください。
3.1 ODS-2 ボリュームでの日本語ファイル名
ODS-2 ボリューム上の共有ディレクトリでは日本語ファイル名をサポートしていません。 ODS-2 によるネットワークドライブでは日本語ファイル名ではなく, 1バイト英数字(ASCII)文字のファイル名を使用してください。
3.2 日本語 DECwindows Motif での日本語ファイル名
日本語 DECwindows Motif では 40 文字以上の日本語ファイル名をサポートしていません。このため,Advanced Serverの共有ディレクトリ中の日本語ファイルをウィンドウ・インタフェースから操作できない場合があります。
日本語 Advsnced Server for OpenVMS V7.3B では,以下のドキュメントを新たに提供しています。
本リリースでは本書『リリース・ノート』の他,以下のドキュメントを改訂しています。
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