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OpenVMS マニュアル


日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム管理者ガイド


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プリンタは,不必要な PJL メッセージを時々送信します。 DCPS はこのメッセージを,ユーザ・データとして画面上に表示します。この現象は,他のオペレーティング・システムからの以前のプリント・ジョブでプリンタの特性が変更されたために,以降のすべてのジョブでこのようなメッセージを送り返すようになったためと考えられます。多くの場合,このようなメッセージには害はありませんが,時々,DCPS とプリンタとの通信を阻害することがあります。

ときには,PJL メッセージが DCPS を阻害して,DCPS ジョブが止まり,印刷されなくなることがあります。このため,プリンタからの PJL メッセージの送信を抑制する 2 つの新しい論理名を定義することができます。

    $ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$queue-name_SUPPRESS_PJL_MESSAGES TRUE
    $ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$SUPPRESS_PJL_MESSAGES TRUE

PJL メッセージを抑制するには,問題のあるキューごとに DCPS$queue-name_SUPPRESS_PJL_MESSAGES 論理名を定義する方法をお勧めします。たとえば,HP4200 というキュー上の PJL メッセージを抑制するには,次のコマンドを実行します。

    $ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$HP4200_SUPPRESS_PJL_MESSAGES TRUE

DCPS$SUPPRESS_PJL_MESSAGES 論理名を使用すると,すべての DCPS キュー上の PJL メッセージを抑制することができます。ただし,この論理名を使用するときには注意が必要です。この論理名を定義すると,DCPS は PJL メッセージを抑制するプリンタに, PJL コマンドを送信します。一部のプリンタでは PJL コマンドをサポートしていないため,このようなキューに対してこの論理名を定義すると,プリンタがハングし,ジョブが停止します。ご使用中のすべてのプリンタが PJL コマンドをサポートしていることが確実でない場合は,個々のキューに対して論理名を定義してください。

論理名を定義した後にキューを停止して再起動する必要はありません。

  注意
これらの新しい論理名は,サポートされていないコマンド・プロシージャ UNSOLICITED-PJL-FIX.COM を置き換えます。また,機能が向上しています。



利用者登録ファイル (UAF) が複数ある OpenVMS クラスタで DCPS が実行されている場合,プリント・ジョブをキューに登録しているユーザが DCPS キューを実行しているシステムに UAF レコードを持っていない可能性があります。 DCPS はジョブを印刷しますが,USERNOTFOUND というオペレータ・メッセージを発行します。

    %%%%%%%%%%%  OPCOM   1- MAR-  2012    18:43:55.87  %%%%%%%%%%% 
    Message from user SYSTEM on LITERA 
    Queue SHARIE: %DCPS-W-USERNOTFOUND, user name FOO not found, no log files created 
    -RMS-E-RNF, record not found 

ユーザ名を見つけることができないため, DCPS は MESSAGES=KEEPあるいは MESSAGES=PRINTパラメータ要求を実行することができません。

すべてのジョブについて,この OPCOM メッセージが表示されないようにするには, 1 つのプリント・キューについてメッセージを抑制したいか,あるいはすべてのキューについてメッセージを抑制したいかによって,次のいずれかの論理名を定義します。

$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$queue-name_IGNORE_UNKNOWN_USER TRUE
$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$IGNORE_UNKNOWN_USER TRUE



3.5.10 A4 ランドスケープでの古い ANSI トランスレータのページ・サイズの使用

DCPS V1.1A よりも前のすべての ANSI トランスレータのバージョンでは, A4 用紙にランドスケープ・モードで 66 行のテキストを出力する場合に問題があります。特定のプリンタでは,A4 用紙を使用した場合,印字領域が平均よりも若干小さいため, PAGE_SIZE=A4,PAGE_ORIENTATION=LANDSCAPEというプリント修飾子を使用すると, 66 行目が消失するか途中で切れてしまいます。

現在 ANSI トランスレータは, A4 用紙にランドスケープ・モードで 66 行のテキストを正しく出力することができます。この修正には,使用されているフォントの行間のスペースの変更 (SGR 15), A4 用紙での最大印字領域の訂正が含まれます。

古いトランスレータの動作に依存したあらかじめ用意されたフォームを使用している場合は,次の DCPS 論理名を定義することにより以前の動作に戻すことができます。

$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$queue-name_OLD_ANSI_PAGE_SIZES TRUE



3.6 ジェネリック・キューの設定

ジェネリック・キューは特定のプリンタに対応付けられたものではなく,実行キューに対応しているものです。ジェネリック・キューを複数の実行キューに対応付けておくと,プリント・ジョブを複数のキューに分散することができます。また,特定の DECprint Supervisor 機能をプリント・ジョブに対応させるためにジェネリック・キューを使用することもできます。ジェネリック・キューは省略可能です。 表 3-5 に,ジェネリッックDCPSキーの定義に使用されるパラメータを示します。

表 3-5 ジェネリック・キューのパラメータ値
パラメータ
P1 (必須) ジェネリック・キュー名です。

例 3-4 では, DRAFT_DOCS がプリント・ジョブを送信するジェネリック・キューです。

P2 (必須) ジェネリック・キューがジョブを送信する実行キュー名です。各ジェネリック・キューの定義について,少なくとも 1 つの実行キューを指定しなければなりません。

例 3-4 では,ジェネリック・キューはプリント・ジョブを LN03R_TTB4 および LN03R_TTB7 という 2 つの実行キューに送信します。

P3 (省略可能) 省略時の PRINT 修飾子です。

例 3-4 では, LAYUP=LPS$SINGLEHOLES がジェネリック・キューの省略時のレイアップ定義を提供します。

P4 (省略可能) INITIALIZE /QUEUE 修飾子の指定です。
P5 (省略可能) SET VERIFY コマンドの設定です。省略時の設定は SET NOVERIFY です。

例 3-4 に,レイアップ定義ファイルを使用した出力用のジェネリック・キューの設定方法を示しています。このジェネリック・キューは,2 つの ScriptPrinter の実行キューのいずれかにプリント・ジョブを送信します。

例 3-4 ジェネリック・キューの設定
$ @SYS$STARTUP:DCPS$GENERIC_QUEUE - 
    DRAFT_DOCS -                                 ! P1 - Generic queue name 
    "LN03R_TTB4,LN03R_TTB7" -                    ! P2 - Execution queue name(s) 
    "LAYUP=LPS$SINGLEHOLES"                      ! P3 - Default queue parameters 



3.7 キュー定義の変更の有効化

DCPS$STARTUP.COM ファイルを作成または変更した場合,新しいキュー定義を使用するために DECprint Supervisor に加えた変更を有効としなければなりません。変更結果を有効とするには,システムを停止させた後に再起動するか,または次の方法で DCPS$STARTUP.COM ファイルを実行してください。

  1. 変更したプリント・キューを停止させます。修飾子を加えたキューがマルチストリーム・シンビオント上で起動されている場合は,同一のシンビオントを使用しているすべてのキューを停止させます ( 第 3.5.1.2 項 を参照してください)。各プリント・キューに対して次のコマンドを実行して,キューを停止させます。

    $ STOP /QUEUE /NEXT queue-name
    

  2. システム・スタートアップ・ファイル SYS$MANAGER:SYSTARTUP_VMS.COM を編集して,DCPS$STARTUP.COM を起動するコマンドを記入します。
    システム・スタートアップ・ファイル内に次のコマンドが含まれていることを確認します。

    $ @SYS$STARTUP:DCPS$STARTUP 
    


    システム・スタートアップ・ファイル内に上記のコマンドが含まれていない場合は,次のガイドラインに従ってこのコマンドを追加してください。

    • TCP/IP を使用しているプリンタの場合は, TCP/IP を起動する行より後にコマンドを追加します。

    • LAT を使用しているプリンタの場合は, LAT を起動する行より後にコマンドを追加します。

    • AppleTalk を使用しているプリンタの場合は, AppleTalk を起動する行より後にコマンドを追加します。

    • DECnet を使用しているプリンタの場合は, STARTNET.COM を起動する行より後にコマンドを追加します。キューを起動する前に, PrintServer ホスト・システム上で PrintServer ソフトウェアが稼動している必要があります。

    • システム・スタートアップ・ファイルに LPS$STARTUP.COM を起動するコマンドが記述されている場合は,これを DCPS$STARTUP.COM を起動するコマンドに置き換えてください。

    • DECprint Printing Services (CPS) をアップグレードしている場合は,システム・スタートアップ・ファイルから CPS$STARTUP.COM を起動するコマンドを削除してください。

  3. プリンタ・スタートアップ・コマンド・ファイルを実行します。

    $ @SYS$STARTUP:DCPS$STARTUP
    

キューが VMScluster システム上にある場合は,上記のコマンドをクラスタ内のすべてのノードから実行しなければなりません。

プリンタ・スタートアップ・コマンド・ファイルによってプリント・キューが起動されます。新しいキュー定義をテストする場合は, 第 3.8 節 を参照してください。

3.8 プリンティング・システムのテスト

  注意
IVP ( @SYS$TEST:DCPS$IVP) を実行しても,プリンタには影響を与えません。

SYS$COMMON:[SYSTEST.DCPS] にある IVP ファイルを出力することで,プリンティング・システムをテストすることができます。 IVP ファイルは,DCPS がサポートするデータ・タイプに対応しています。 表 3-6 に IVP ファイルの一覧を示します。

表 3-6 異なるデータ・タイプに対応した IVP ファイル
ファイル名 ファイル・タイプ
DCPS$IVP_ANSI.DAT ASCII ファイル
DCPS$IVP_LIST.DAT 単純な ASCII
DCPS$IVP_PCL.DAT PCL Level 4 ファイル
DCPS$IVP_POST.DAT PostScript ファイル
DCPS$IVP_PROPRINTER.DAT Proprinter ファイル
DCPS$IVP_REGIS.DAT ReGIS ファイル
DCPS$IVP_TEK4014.DAT Tektronix 4010/4014 ファイル

DCPSはファイルのデータ・タイプを自動的に検出することができます。コマンド行にデータ・タイプを指定する必要がなくなります。たとえば,次の PRINT コマンドを実行することができます。

$ PRINT /QUEUE=queue-name /NOTIFY DCPS$IVP_data-type.DAT

プリント・キューが特定のデータ・タイプに対応している場合,あるいは LIST データ・タイプをテストしている場合は,ファイルのデータ・タイプを指定してください。

たとえば DCPS$IVP_POST.DAT を出力する場合は,次の PRINT コマンドを使用します。

$ PRINT /QUEUE=queue-name -   /PARAMETERS=DATA_TYPE=POSTSCRIPT /NOTIFY -   SYS$COMMON:[SYSTEST.DCPS]DCPS$IVP_POST.DAT


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