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OpenVMS マニュアル


日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム管理者ガイド


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PCL ファイルの省略時の文字セットは Roman-8 です。 Proprinter ファイルの省略時の文字セットはコード・セット 437,文字セット 1 です。省略時の文字セットを変更するには,次の手順に従ってください。

  1. PCL セットアップ・モジュール,Proprinter モジュール,PostScrpit モジュールのそれぞれについて 1 つの装置制御ライブラリを作成します。次のコマンドを使用してください。

    $ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PCL_LIB
    $ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PRO_LIB
    $ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PS_LIB
    

  2. 次のように,DCPS$STARTUP.COM を編集してこれらのライブラリを登録します。

        $ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM /NOLOG DCPS_LIB DCPS$DEVCTL, - 
           "PCL_LIB /DATA=PCL", - 
           "PRO_LIB /DATA=PRO", - 
           PS_LIB 
    


    PostScript 装置制御ライブラリ (PS_LIB) は検索リストの最後に登録されなければなりません。

  3. 次のセットアップ・モジュールを作成します。

    • DEF_CHAR_SET.PCL ファイルは, PC-8 デンマーク語/ノルウェー語の文字セットを選択します。

      <ESC>!`1P<ESC>(11U<ESC>!`0P 
      


      <ESC> はエスケープ文字 (10 進数の 27) と置き換えます。

    • DEF_CHAR_SET.PRO ファイルはコード・ページ 850 を選択します。

      <ESC>`<ETX><NUL><CR>R<ETX> 
      

      • <ESC> はエスケープ文字 (10 進数の 27) と置き換えます。

      • <ETX> は etx 文字 (10 進数の 3) と置き換えます。

      • <NULL> は null 文字 (10 進数の 0) と置き換えます。

      • <CR> は改行文字 (10 進数の 13) と置き換えます。

    • DEF_CHAR_SET.PS PostScript ファイルは, PCL でも Proprinter でもない出力ファイルで使用されます。

  4. これらのモジュールを,次の例に示すように LIBRARY コマンドを使用して適当な装置制御ライブラリ内に置きます。

    $ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PCL_LIB DEF_CHAR_SET.PCL
     
    $ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PRO_LIB DEF_CHAR_SET.PRO
     
    $ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PS_LIB DEF_CHAR_SET.PS
     
    

  5. セットアップ・モジュールとして DEF_CHAR_SET を含むフォーム定義を作成します。次のように,このフォームをプリンタの実行キューに対応させることができます。

    $ DEFINE /FORM DEF_CHAR_SET form-number -   /SETUP=DEF_CHAR_SET /STOCK=DEFAULT
    


    キューに対するこの変更を永続的なものとするために, DCPS$STARTUP.COM ファイルの実行キュー定義にこのフォームを指定します。



7.8 セットアップ・モジュールを使用したプリンタ解像度の指定

次のセットアップ・モジュールを使用すると, PostScript レベル 2 プリンタの解像度を操作することができます。

表 7-1 プリンタ解像度のセットアップ・モジュール
セットアップ・モジュール 説明
RES_300X300 横 300 dpi,縦 300 dpi
RES_600X300 横 600 dpi,縦 300 dpi
RES_600X600 横 600 dpi,縦 600 dpi (省略時の設定)
RES_1200X600 横 1200 dpi,縦 600 dpi
RES_1200X1200 横 1200 dpi,縦 1200 dpi

  注意
すべての解像度がすべてのプリンタでサポートされているわけではありません。指定した解像度での印刷ができないことをプリンタに通知させるには, PRINT コマンドに /NOTIFY スイッチを指定します。指定された解像度での印刷ができない場合は,プリンタはそれよりも低い解像度で印刷を行います。



次に示すセットアップ・モジュールは DECimage を起動したり, DECimage パラメータを変更するためのものです。次のように分類されています。

DECimage の有効化および無効化

次のセットアップ・モジュールは現在のパラメータ値はそのままの状態で, DECimage を on あるいは off に切り替えます。別の DECimage セットアップ・モジュールを使用している場合は,このモジュールを使用する必要はありません。 DECimage セットアップ・モジュールは,現在のプリント・ジョブに対して DECimage を自動的に起動します。

表 7-2 DECimage の有効化および無効化
セットアップ・モジュール 説明
DI_ON DECimage を ON に切り替えます
DI_OFF DECimage を OFF に切り替えます

複合パラメータ

次のセットアップ・モジュールは,2 つの DECimage パラメータを同時に調整します。

表 7-3 DECimage セットアップ・モジュール --- 複合パラメータ
セットアップ・モジュール 説明
DI_HICONTRAST Punch0 = 0.2, Punch1 = 0.8
DI_LOCONTRAST Punch0 = -.1, Punch1 = 1.1
DI_BRIGHTER Punch0 = -.2, Punch1 = 0.8
DI_DARKER Punch0 = 0.2, Punch1 = 1.2
DI_NORMAL Punch0 = 0, Punch1 = 1

個別パラメータ

次のセットアップ・モジュールのいずれかを指定した場合,特定のパラメータ以外のすべてのパラメータは,省略時の設定値あるいは別のセットアップ・モジュールで最後に修正された値のままの状態となります。このセットアップ・モジュールは順序に影響されません。したがって,PRINT コマンド行にどの順序で指定しても構いません。

表 7-4 DECimage セットアップ・モジュール --- 個別パラメータ
セットアップ・モジュール 説明
DI_PUNCH0_0 Punch0 = 0
DI_PUNCH0_0P1 Punch0 = 0.1
DI_PUNCH0_0P2 Punch0 = 0.2
DI_PUNCH0_M0P1 Punch0 = -.1
DI_PUNCH0_M0P2 Punch0 = -.2
DI_PUNCH1_1 Punch1 = 1
DI_PUNCH1_0P8 Punch1 = 0.8
DI_PUNCH1_0P9 Punch1 = 0.9
DI_PUNCH1_1P1 Punch1 = 1.1
DI_PUNCH1_1P2 Punch1 = 1.2
DI_SHARP_0P5 Sharpness = 0.5
DI_SHARP_1 Sharpness = 1.0
DI_SHARP_1P5 Sharpness = 1.5
DI_SHARP_2 Sharpness = 2.0
DI_SHARP_2P5 Sharpness = 2.5

DECimage セットアップ・モジュールの例

次の例では,鮮明度を増し,グレイ・レベルにシフトさせています。

$ PRINT /NOTIFY /QUEUE=queue-name /SETUP=(DI_SHARP_2,DI_DARKER) filename-name



7.10 フォント・カートリッジ・エミュレーションのアクセスの提供

DCPS ソフトウェアでは,物理的なフォント・カートリッジのエミュレーション機能が準備されています。 PRINTコマンドのFONTS_USEDパラメータを使用すれば,テキスト・ライブラリ・ファイルSYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLBから取り出すソフト・フォント・モジュールを 1 つあるいは複数指定することができます。

この機能は ANSI ファイルに対してのみ使用でき,弊社の ANSI プリンタに印刷するためにフォント・カートリッジを必要とする文書をサポートしています。これらのプリンタの場合と同様に,文書には適切なフォントを選択するエスケープ・シーケンスが含まれていなくてはなりません。

  注意
DCPS ソフトウェア・プロダクトにはソフト・フォント・モジュールは含まれていません。 SoftFont キットは廃止されたため,弊社では提供しなくなりました。

1 つあるいは複数の省略時のソフト・フォント・モジュールをプリント・キューに対応付けることによって,パラメータを PRINT コマンド行に指定する必要がなくなります。たとえば,CGTRIUM24_ISO1をキューの省略時のソフト・フォント・モジュールとして設定するには, DCPS$STARTUP.COM に次の行を指定します。

FONTS_USED=CGTRIUM24_ISO1 

(実行キュー定義の p4 あるいはジェネリック・キュー定義の p3 にこの行を追加します。)

ユーザにとって便利なように,ソフト・フォント・モジュールを組み合わせて指定できますが,その場合には,より多くのディスク空間が必要となり,ロード時間も長くなります。たとえば,ユーザが3つのすべての DEC Multinational CG Times ソフト・フォント・モジュールをロードしなければならない場合には,次のコマンド・シーケンスを使用して新しいモジュールを作成します。

$ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES8-10-12_MCS
 
$ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES14-18_MCS
 
$ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES24_MCS
 
$ COPY CGTIMES8-10-12_MCS.TXT,CGTIMES14-18_MCS.TXT,- CGTIMES24_MCS.TXT ALLCGTIMES_MCS.TXT
 
$ LIBRARY /INSERT SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB ALLCGTIMES_MCS.TXT

このようにしておけば,ユーザはプリント・パラメータ FONTS_USED=ALLCGTIMES_MCS を使用して,新しいモジュールを指定することができます。

7.11 装置制御ライブラリのキャッシュ機能

DCPS には,一般的に使用される特定の PostScript 装置制御モジュールの検索を最適化する装置制御ライブラリのキャッシュ機能が含まれています。

キャッシュ機能は LPS$$ で始まる名前を持つモジュールを,最初に要求された場合だけ読み込まれるようにします。このモジュールはシンビオントのキャッシュに置かれます。キューをリセットするかシステムを再起動するまでは,以降のジョブはこのモジュールに迅速にアクセスすることができます。これにより主要な装置制御ライブラリへのアクセスを最小にし, CPU 時間を節約し,ディスクの動作を軽減させることができます。

省略時の設定では,装置制御ライブラリのキャッシュ機能は無効となっています。特定のキューに対して装置制御ライブラリのキャッシュ機能を有効とするには,そのプリント・キューを起動する前に次のコマンドを実行してください。

$ DEFINE /SYSTEM /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$queuename_DEVCTL_CACHE 1

装置制御ライブラリ・モジュールをキャッシングすることにより,シンビオントが消費する CPU 時間を 17% 軽減することができます。シンビオントでの I/O 処理も,50% 軽減されます。

システム論理名 DCPS$DEVCTL_CACHE (キュー名指定なし) を定義することで,そのシステム上のすべての DCPS プリント実行キューに対して装置制御ライブラリのキャッシュ機能を有効とすることができます。

7.12 識別されないプリンタへの印刷

DCPS ソフトウェアは,ジョブを印刷する前にプリンタの製品名を取得します。 DCPS ソフトウェアはこの製品名を使用して,特定のプリンタに固有の装置制御モジュールを選択してダウンロードします。

DCPS ソフトウェアが識別できない製品名を持つプリンタを DCPS ソフトウェアで使用している場合,製品名は省略時の "HPGENERIC" (HP プリンタのとき) または "UNRECOGNIZED" (その他のプリンタのとき) となります。 DCPS ソフトウェアはその名前に対応した装置制御モジュールをダウンロードします。この構成はサポートされていませんが,プリンタに単純な印刷を行うだけであれば "UNRECOGNIZED" のプリンタに対応したモジュールで十分な場合があります。 "HPGENERIC" と識別されたプリンタでは,大半の HP プリンタに共通のコマンドが使用されます。また,トレイ選択や,プリンタ固有の PCL インタプリタの使用などの追加機能が利用できます。

プリンタが "HPGENERIC" プリンタとして扱われるときには,次のような OPCOM メッセージが出力されます。

  %%%%%%%%%%%  OPCOM  14-NOV-2002 16:25:43.37  %%%%%%%%%%% 
  Message from user SYSTEM on FUNYET 
  Queue MY_NEW_PRINTER: %DCPS-W-HPGENERIC, Product name hp LaserJet 9999 not 
   recognized; assuming HP Generic 

プリンタが "UNRECOGNIZED" プリンタとして扱われるときには,次のような OPCOM メッセージが出力されます。

  %%%%%%%%%%%  OPCOM  20-MAY-2003 16:54:05.25  %%%%%%%%%%% 
  Message from user SYSTEM on FUNYET 
  Queue YOUR_NEW_PRINTER: %DCPS-W-UNRECOGNIZED, Product name Foo Bar 1234 not 
   recognized; assuming Unrecognized 

必要に応じてシステム管理者は,サポートされていないプリンタの特性に影響を与えることなく,対応する装置制御モジュールを修正することができます。 LPS$$UNRECOGNIZED モジュール内のコメントの記述に従い, PostScript についての知識およびプリンタの仕様を使用し,類似したプリンタがある場合はその装置制御モジュールを調べることにより,システム管理者はそのプリンタの給紙および用紙サイズ選択を動作させることができます。

  注意
識別されないプリンタの DCPS での使用,および LPS$$UNRECOGNIZED 装置制御モジュールの使用あるいは修正については,弊社のサポート対象外となっています。また弊社は,DCPS の異なるバージョンについても,そのモジュールの内容およびインタフェースが同一であることを保証しておりません。

装置制御モジュールは,次の装置制御ライブラリに置かれています。

  SYS$COMMON:[SYSLIB]DCPS$DEVCTL.TLB 

識別されないプリンタに対応した装置制御モジュールは次のとおりです。

  LPS$$UNRECOGNIZED_INITPSDEVICE 
  LPS$$UNRECOGNIZED_SETCONTEXT 
  LPS$$UNRECOGNIZED_SETINPUTTRAY 
  LPS$$UNRECOGNIZED_SETOUTPUTTRAY 

特定のプリンタ用にこれらのモジュールを修正した場合は,常にユーザ固有の装置制御ライブラリに修正したモジュールを登録しなければなりません ( 第 7.4 節 を参照)。


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