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OpenVMS マニュアル


日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS

日本語HP DECprint Supervisor (DCPS) for OpenVMS
リリース・ノート


目次

第3章 DCPS V 2.7-A について

日本語 DCPS V2.7 は英語版 DCPS V2.7-A をベースに開発されています。この章では,英語版の DCPS V2.7-A および V2.7 における変更点について説明しています。これらの変更点のいくつかについては,本書の他の章でも説明しています。

  注意
英語版 DCPS をご利用の場合で,英語版 DCPS V2.7 がリリースされた後 (すなわち 2009年 5 月以降) に問題の解決のために個別の DCPS イメージを受け取っている場合,その DCPS イメージは保存しておき,英語版 DCPS V2.7-A をインストールした際には再度インストールしてください。

日本語 DCPS をご利用になる場合,このような対処は必要ありません。





V2.7

DCPS V2.7 のインストレーション・プロシージャは,必要条件である 表 3-1 に示す USB パッチキットがシステムにインストールされているかどうかを確認します。しかしインストレーション・プロシージャは, 表 3-1 に示す OpenVMS のアップデート・キット内にそれらの USB パッチキットが含まれていることは認識できません。このため,これらのアップデート・キットがシステムにインストールされていても DCPS V2.7 のインストレーションが失敗します。

本バージョンではこの問題が修正されています。

  注意
日本語 DCPS V2.7 は英語版 DCPS V2.7-A をベースに開発されているため,この問題は修正されています。

表 3-1 USB パッチキット(必要条件) と OpenVMS アップデート・キット
OpenVMSバージョン 必要なUSB パッチキット 必要なUSB パッチキットを含む OpenVMS アップデート・キット
OpenVMS Alpha V8.3 VMS83A_USB-V0100 VMS83A_UPDATE-V1000 以上
OpenVMS Integrity V8.3 VMS83I_USB-V0200 VMS83I_UPDATE-V1000 以上
OpenVMS Integrity V8.3-1H1 VMS831H1I_USB-V0100 VMS831H1I_UPDATE-V0600 以上
OpenVMS Integrity V8.4 および OpenVMS Alpha V8.4 なし
(USB パッチの内容は OpenVMS V8.4 に含まれている)
なし
(USB パッチの内容は OpenVMS V8.4 に含まれている)



3.2 DCPS Version 2.7 における機能拡張



DCPS V2.7 では新たに以下のプリンタをサポートします。

  注意
第 1 章 で説明したとおり,日本語 DCPS ではこれらのプリンタはサポートしていません。

HP
CM8050 Color MFP1
CM8050 Color MFP with Edgeline1
CM8060 Color MFP1
CM8060 Color MFP with Edgeline1
Color LaserJet CM1312 MFP
Color LaserJet CM2320 MFP
Color LaserJet CM3530 MFP
Color LaserJet CM6030 MFP
Color LaserJet CM6040 MFP
Color LaserJet CP1513
Color LaserJet CP1514
Color LaserJet CP1515
Color LaserJet CP1516
Color LaserJet CP1517
Color LaserJet CP1518
Color LaserJet CP1519
Color LaserJet CP2024
Color LaserJet CP2025
Color LaserJet CP2026
Color LaserJet CP2027
Color LaserJet CP3525
Color LaserJet CP6015
LaserJet M1522 MFP
LaserJet M2727 MFP
LaserJet M9040 MFP
LaserJet M9050 MFP
LaserJet P2055
LaserJet P3011
LaserJet P3015
LaserJet P4014
LaserJet P4015
LaserJet P4515


RICOH
Aficio CL3500N
Aficio MP 161
Aficio MP 2510
Aficio MP 3500
Aficio MP 4500
Aficio MP 5500
Aficio SP 8100DN
Aficio SP C811DN


Xerox
Phaser 4510


DCPS は, OpenVMS V8.3 以降がインストールされたシステムで USB 接続されたプリンタへの出力をサポートするようになりました。

  注意
日本語プリンタの USB 接続についてはサポートされていません。

USB プリンタのキューを作成するには,DCPS$STARTUP.COM の P2 パラメータに 次のようにプロトコル "USB" を使用してください。

    "USB/usb-device" 

USB デバイスの名前は LPAn: の形式になります。 OpenVMS は,システム・ブート時あるいはシステムに差し込まれた時に USB プリンタを認識します。プリンタのデバイス名は,システム・リブート時であっても,電源が切られたりシステムから切り離されたりした場合も同じでなければなりません。

DCPS V2.7 あるいはそれ以降のバージョンをインストールする前に,以下のいずれかのパッチキットをインストールしておく必要があります。

表 3-2 USB パッチキット
OpenVMSバージョン パッチキット
OpenVMS Integrity V8.3 VMS83I_USB-V0200
OpenVMS Integrity V8.3-1H1 VMS831H1I_USB-V0100
OpenVMS Alpha V8.3 VMS83A_USB-V0100

これらのパッチキット (あるいはそのアップデート版) は以下の場所から入手することができます。

  • HP カスタマーサポートセンター

  • 以下の URL の HP Support Center

    
     http://www.hp.com/go/hpsc/
    


    OpenVMS の将来のバージョンにはこれらのパッチキットの内容が含まれます。



USB デバイスは "plug-and-play" 動作のため,シリアルデバイスとは異なる点があります。また,ほとんどの USB プリンタは,PostScript エラーに関しては DCPS が期待するすべての情報は返しません。このため DCPS は,プリンタから返される "offline" および "tray empty" 情報に依存してユーザに状態情報を送信します。以下のようなエラーメッセージがOPCOM 経由でユーザ端末に出力されます。

DCPS-I-TRAYEMP, Print Engine paper input tray is empty
説明: トレイに紙がありません。
ユーザの対処: トレイに紙を補給します。

SYSTEM-I-DEVOFFLINE, device is not in configuration or not available
説明: プリンタの電源が入っていないか,接続されていません。
ユーザの対処: プリンタとケーブルの状態を確認します。

SYSTEM-F-NOSUCHDEV, no such device available
説明: プリンタ・デバイス (LPAn:) が存在しません。
ユーザの対処: UCM でデバイスを構成します。

USB プリンタの問題に対処する際にプリンタから応答がない場合は, USB ケーブルを数秒間抜くか,プリンタの電源を入れなおして,通常の状態に戻すことが必要になる場合があります。

また,USB Configuration Manager (UCM) を実行して,システムに接続されている USB デバイスについての情報を表示させたり,USB プリンタについての問題の診断が必要になる場合もあります。 UCM ユーティリティについては『 HP OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』で説明されており,以下のような処理を行います。

  • デバイスの差し込みや引き抜きなどのイベントの記録と, USB バスで発生したエラーの記録を行います。

  • シリアル番号かバス位置に基づいて,物理デバイスに永続的なデバイス名を割り当てます。

  • 既知のデバイスタイプに対して OpenVMS デバイス・ドライバを自動的に構成およびロードします。

  • 管理者にシステムに構成さているデバイスの追加、削除,変更の手段を提供します。

たとえば,任意のタイミングで以下のコマンドを実行して,システムにおける USB デバイスの変更についての情報を表示することができます。

    $ UCM SHOW EVENTS /TYPE=ALL /SINCE=time



3.2.3 プリンタの同期化のための論理名の削除

V2.7

DCPS V2.7 よりも前のバージョンでは,他のジョブでビジー状態でないか確認するための問い合わせをプリンタに送信していました。この PostScript 状態問い合わせ (Ctrl/T) は,そのキューが LPD キューでなければ,各ジョブの冒頭で送信していました。この際 DCPS は,プリンタからの "ready" 状態の応答を待ってジョブを続行します。

多くのプリンタはこの問い合わせに対して応答しないので,このようなプリンタで印刷を行うと,ジョブがストールして出力が行われません。この問題は,論理名 DCPS$queuename_NO_SYNCを定義することで DCPS にその問い合わせをスキップさせることで回避できました。

通常はこの問い合わせは必要ないため, DCPS のデフォルトの動作が変更され,問い合わせを省略するように修正されました。このため,論理名 DCPS$queuename_NO_SYNCはもはや必要ないため,DCPS はこの論理名を無視します。

プリンタによっては,DCPS が問い合わせを送信し応答を待つという古い動作が必要となる場合もあります。このようなプリンタに対しては,論理名 DCPS$queuename_SYNCを定義することで問い合わせを送信させることができます。

脚注

1 DCPS V2.6 ECO 3 で追加。



3.3 DCPS V2.7 で修正された問題点

本バージョンでは,以前のバージョンで発生していた以下のような問題点が修正されています。

3.3.1 ホチキス留めジョブに関する問題



V2.6 ECO 1

DCPS LPD キューで印刷されるジョブでホチキス留めが要求された場合,印刷ジョブが失敗するという問題がありました。この際,要求されていればセパレータ・ページは出力されますが,ユーザ・ファイルは出力されませんでした。また、エラーの出力もありませんでした。

この問題は解決されています。

V2.6 ECO 3

Xerox WorkCentre Pro プリンタに対する印刷ジョブでホチキス留めが要求された場合,プリント・ジョブが失敗するという問題がありました。この際,要求されていればセパレータ・ページは出力されますが,ユーザ・ファイルは出力されませんでした。また、エラーの出力もありませんでした。

本バージョンでは,ジョブのホチキス留めは行われますが,プリンタがジョブを処理する方法が原因で,セパレータ・ページもユーザ・ファイルの出力にホチキス留めされます。

V2.6 ECO 3

HP Color LaserJet 9500 MFP プリンタに対する印刷ジョブでホチキス留めが要求された場合,その印刷ジョブが失敗するという問題がありました。要求された出力トレイでホチキス留めがサポートされていても,以下のようなエラーメッセージが出力されていました。

    %DCPS-E-STPOUTTRAY, Selected output tray does not support stapling 
    -DCPS-I-JOB_ID, for job STAPLE (queue HP9500MFP, entry 725) on HP9500MFP 

この問題は解決されています。

3.3.2 HP LaserJet P2015 の両面印刷に関する問題

V2.6 ECO 1

HP LaserJet P2015 プリンタで両面印刷ジョブを実行しようとすると次のようなエラーで処理に失敗するという問題がありました。

    %DCPS-E-DPLXNOSUP, printer does not support duplex printing 

この問題は解決されています。

3.3.3 Xerox Phaser 4500 でのいくつかのジョブが失敗する問題

V2.6 ECO 1

Xerox Phaser 4500 に対するいくつかのジョブが失敗する問題がありました。この際,セパレータ・ページが要求されている場合はそれのみ出力され,ユーザ・ファイルは出力されませんでした。この問題は,PlanetPress 形式を使用した場合に報告されていましたが,他の状況でも発生する可能性がありました。

この問題は解決されています。

3.3.4 ANSI LPD 出力が間違った紙サイズでフォーマットされる問題

V2.6 ECO 1

以下の状況に当てはまる場合に,間違った紙サイズで出力がフォーマットされる問題がありました。

  • DCPS ANSI トランスレータでテキストあるいは ANSI ファイルが印刷された場合

  • DCPS LPD キューが使用された場合

  • サイズ選択のために論理名 DCPS$SHEET_SIZEあるいは DCPS$queuename_SHEET_SIZEが定義された場合

この際,正しいサイズの紙が使用されますが,出力のフォーマットが正しくありませんでした。たとえば,DCPS$SHEET_SIZE が "A4" に設定されている場合,そのジョブは A4 サイズの紙に印刷されますが,その内容はレターサイズ用にフォーマットがされていました。

この問題は解決されています。

V2.7

上記の状況に加えて NUMBER_UP が指定されている場合,間違った紙サイズでフォーマットされるという問題がありました。

この問題も修正されています。

3.3.5 PostScript Level 1 プリンタに対するジョブが失敗する問題

V2.6 ECO 3

DCPS V2.6 以降で,以下のようなエラーメッセージを表示して PostScript Level 1 プリンタに対するジョブが失敗するという問題がありました。

    %DCPS-W-SYNERR, syntaxerror: Input ended in string or procedure body - 
     offending command is --nostringval-- 

この問題は解決されています。

この問題は以下のプリンタで発生していました。

  • Digital
    Colormate PS (LF01R)
    DEClaser 1150 (LN07R)
    DEClaser 2150 (LN05R)
    DEClaser 2250 (LN06R)
    DEClaser 3250 (LN08R)
    PrintServer 17 (LPS17)
    PrintServer 20 (LPS20)
    turbo PrintServer 20
    PrintServer 32 (LPS32)
    PrintServer 40 (LPS40)
    PrintServer 40 Plus
    ScriptPrinter (LN03R)

  • HP
    LaserJet III (PostScript Level 1 カートリッジ付)
    LaserJet IIID (PostScript Level 1 カートリッジ付)
    LaserJet IIISi (PostScript Level 1 オプション付)
    PaintJet XL300

  • Apple
    LaserWriter II NT
    LaserWriter II NTX
    LaserWriter Plus



3.3.6 HP LaserJet 9055 および 9065 MFP の出力トレイの選択が失敗する問題

V2.6 ECO 3

HP LaserJet 9055 MFP および 9065 MFP プリンタに印刷する際に出力トレイが指定されている場合,プリント・ジョブが失敗するという問題がありました。 PostScript エラーを出力するようにそのプリンタが構成されている場合,以下のようなメッセージが出力されます。

    ERROR: syntaxerror 
    OFFENDING COMMAND: --nostringval-- 
 
    STACK: 
 
    /bin_1 
    -mark- 

この問題は解決されています。

3.3.7 CD からのインストールが失敗する問題

V2.7

OpenVMS のインストレーション CD や DVD などの読み取り専用デバイスからブートしている場合, DCPS をインストールする際にエラーが返され,インストールが失敗するという問題がありました。

DCPS V2.6 ECO 3 より前のバージョンでは,次のようなエラーでインストレーションが失敗しました。

Examining system environment ... 
 
%DCL-W-UNDSYM, undefined symbol - check validity and spelling 
 \NUMBER_OF_NODES\

DCPS V2.6 ECO 3 では,次のようなエラーでインストレーションが失敗しました。

Examining system environment ... 
%SORT-F-OPENOUT, error opening * as output 
-RMS-E-WLK, device currently write locked 

これらの問題は解決されています。

  注意
OpenVMS Integrity でご利用の場合は,DCL の SET DEFAULT コマンドでデフォルト・デバイスをシステム・ディスクに設定しておかないと CD からのインストールが失敗するという制限事項があります。

詳しくは『HP OpenVMS V8.4 リリース・ノート[翻訳版]』の 1.5 節「HP DECprint Supervisor のインストールに関する制限事項」を参照してください。



V2.7

いくつかのプリンタでは,LPD バナーページを出力するように構成することができます。プリンタの LPD バナーページは DCPS が出力するものではなく, DCPS が出力するジョブあるいはファイルのセパレータ・ページと同じものでもありません。プリンタは,LPD ジョブのデータを使用して,システム名,ユーザ名,ジョブ名などの,そのページのジョブについての情報を含めます。 DOCS がこの情報をプリンタへは送信しなかったため,システム名およびユーザ名が "unknown" と表示され,ジョブ名はそのジョブ名の内部表現として表示されていました。

本バージョンでは,プリンタにこの情報を送信するように変更されています。このため,自身の LPD バナーページを出力するようにプリンタが構成されている場合は,プリンタの LPD バナーページで正しい情報が使用されます。


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