これにより HP OpenVMS CIFS Server Management Main Menu が表示されます。
このメイン・メニューからオプション 1 の Manage Shares を選択すると,
次のような HP CIFS Server 共有管理メニューが表示されます。
SAMBA$MANAGE_CIFS.COM ユーティリティを使用して,
共有の追加および以下の構成パラメータの修正が可能です。
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vms inherit rms protections
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force directory create mode
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force directory security mode
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オプション 3 の Add share を使用すると,
SMB.CONF 構成ファイルに共有定義を追加することができます。
この際,ユーティリティは,次のような共有タイプに関するプロンプトを表示します。
A share can be of 2 types:
- Disk, for sharing directories and files on the disk
- Printer, for sharing printers
For adding a disk share, specify the share type as D
and for printer share, specify the share type as P.
Enter the share type [D/P]: [D]
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ディスク共有を追加する場合はデフォルトのオプション D を選択します。
プリント共有を追加する場合は P を入力します。
ディスク共有オプションが選択された場合,次のようなメニューが表示されます。
HP CIFS Server Menu for Adding a Disk Share
1. Share name (*):
2. Share path (*):
3. Share comment:
4. Valid users:
5. Admin users:
6. Hide share: no
7. Enable guest access: no
8. Inherit owner: no
9. RMS file format: stream
10. Allow write access: yes
11. Inherit RMS protection: no
12. Store DOS attributes: no
* - required field
Enter item number or press Enter to accept current values [Done]:
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Share name および Share path は必須フィールドで,それ以外のフィールドはすべてオプション・フィールドです。
オプション 11. Inherit RMS protection が no の場合は,Done を指定して表示された値を受け入れた後,
マスク・パラメータとモード・パラメータを修正するためのメニューが表示されます。
HP CIFS Server Share Section Mask and Mode Parameters Menu
1. Directory security mask: 07777
2. Directory force security mode: 0
3. File create mask: 07777
4. File force create mode: 0
5. Directory create mask: 07777
6. Directory force create mode: 0
H. Display help text
Enter item number or press Enter to accept current values [Done]:
|
プリント共有を追加している場合は,次のようなメニューが表示されます。
HP CIFS Server Share Section Mask and Mode Parameters Menu
1. Directory security mask: 07777
2. Directory force security mode: 0
3. File create mask: 07777
4. File force create mode: 0
5. Directory create mask: 07777
6. Directory force create mode: 0
H. Display help text
Enter item number or press Enter to accept current values [Done]:
|
以下の各項で,ディレクトリ共有あるいはプリント共有を追加する際に利用できるオプションについて説明します。
パラメータの設定を変更するには,Enter item number プロンプトでオプション番号を指定します。
いずれかのオプションを選択して修正するには,
項目番号を入力するためのプロンプトで
共有追加メニューの項目番号を指定してください。
9.1.1.3.1 共有名(Share name)
共有名は,共有リソースを識別してアクセスする際に使用される名前を指定します。
ディスク共有を追加する際,その共有リソースはディスク上のディレクトリでなければなりません。
プリント共有を追加する場合,その共有名は OpenVMS プリンタ・キューの名前でなければなりません。
共有名は,HP CIFS Server 構成ファイルの [<share section name>] でマップングされます。
9.1.1.3.2 共有パス(Share path)
共有パスは,共有のユーザがアクセスの際に使用するディレクトリを指定します。
たとえば,ディレクトリ DISK$DATA:[PROJECTS] を共有したい場合は,共有パスのプロンプトで DISK$DATA:[PROJECTS] を指定します。
プリント共有の場合,CIFS Server は,印刷のためにプリント・キューに送信する前に,共有パス・ディレクトリにプリント・データをスプールします。
プリント共有に対しては,デフォルトの共有パスとしてディレクトリ SAMBA$ROOT:[SPOOL] を選択することができます。
このオプションは,共有セクションの Samba 構成パラメータ path にマッピングを行います。
共有パスは,UNIX パス形式でも OpenVMS パス形式でも入力できます。
ユーティリティが正しく共有パスを作成できるように,有効な共有パスを入力する必要があります。
9.1.1.3.3 共有のコメント(Share comment)
共有のコメントには,共有リソースについて説明した文字列を指定します。
このオプションは,共有セクション・パラメータの comment にマッピングを行います。
9.1.1.3.4 有効なユーザ(Valid users)
有効なユーザとは,共有リソースへのアクセスを許可するユーザのリストです。
プリント共有の場合,有効なユーザは,そのプリント共有への印刷を許可するユーザのリストです。
このオプションは,共有セクション・パラメータ valid users に対してマッピングを行います。
valid users の値がヌル (デフォルト値) の場合,
その共有パスのセキュリティ設定がアクセスを許可していれば,
認証されたどのユーザも共有にアクセスできます。
有効なユーザを指定するためには,次のガイドラインを考慮する必要があります。
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信頼されるドメインあるいは CIFS Server がメンバーサーバーとなっているドメインに属するユーザあるいはグループを指定する場合,ユーザ名あるいはグループ名の前に,バックスラッシュで区切ってドメイン名を指定する必要があります。
たとえば,CIFSDOM ドメインの ANITA ユーザを指定するには,CIFSDOM\ANITA と指定します。
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グループ名を指定するには,その前に @ 文字をつける必要があります。
たとえば,有効なユーザとして ENGPROJECT グループに属するすべてのユーザを指定するには,@ENGPROJECT と入力する必要があります。
-
有効なユーザとして複数の名前を入力できます。
この場合,プロンプトに対して何も名前タイプせずにリターン・キーを押すまでの間,valid users プロンプトが表示し続けます。
9.1.1.3.5 管理者(Admin users)
管理者には,共有内のすべてのオブジェクトに対する管理特権を与えられたユーザのリストを指定します。
管理者として認識されるユーザは,その共有内のオブジェクトにアクセスする際,すべての特権が与えられた OpenVMS ユーザが持つすべての特権が与えられます。
両方の共有セクションで admin users 特権を持っていない限り,
ある共有セクションの管理者が別の共有セクションの管理者にはなることはできません。このオプションは,共有セクション・パラメータ admin users にマッピングを行います。
管理者を指定する際は,以下のガイドラインに従います。
-
信頼されるドメインあるいは CIFS Server がメンバーサーバーとなっているドメインに属するユーザあるいはグループを指定する場合,ユーザ名あるいはグループ名の前に,バックスラッシュで区切ってドメイン名を指定する必要があります。
たとえば,CIFSDOM ドメインの ANITA ユーザを指定するには,CIFSDOM\ANITA と指定します。
-
グループ名を指定するには,その前に @ 文字をつける必要があります。
たとえば,管理者として SHAREADMIN グループに属するすべてのユーザを指定するには,@SHAREADMIN と入力する必要があります。
-
管理者として複数の名前を入力できます。
この場合,プロンプトに対して何も名前タイプせずにリターン・キーを押すまでの間,admin users プロンプトが表示し続けます。
9.1.1.3.6 隠し共有(Hide share)
隠し共有は,net view や Windows explorer ブラウザ・リストの利用可能な共有リストには表示されません。
ディスク上のルート・ディレクトリをポイントする共有は,
Windows explorer ブラウザ・リストに表示されないように隠すことができます。
たとえば DISK$DATA:[000000] ディレクトリを共有している場合に,
Windows explorer ブラウザ・リストに表示されないようにこの共有を隠すことができます。
このオプションは,共有セクション・パラメータ browseable にマッピングを行います。
9.1.1.3.7 ゲストアクセスを可能にする(Enable guest access)
共有に対するゲストアクセスが有効になっている場合,
その共有に対するアクセスはゲスト・アカウント特権に基づいて与えられます。
ゲストとして接続するユーザは,HP CIFS Server 構成ファイルで guest account として指定されている OpenVMS アカウント (デフォルトでは SAMBA$GUEST) にマッピングされます。
ゲストユーザによるリソースへのアクセスを許可するには,そのオブジェクトで適切なプロテクションを設定してください。
CIFS Server に接続したユーザが CIFS プリント共有を使用して印刷できるように,プリント共有に対するゲストアクセスを可能にしておくと便利です。
ゲストアクセスを可能にする別の例として,共有セキュリティ・モードを設定したスタンドアロン・サーバーとして HP CIFS Server が構成されている場合に,パスワードの指定無しで共有に接続できるようにユーザへのゲストアクセスを可能にすることが考えられます。
このオプションは,共有セクション・パラメータ guest ok のマッピングを行います。
9.1.1.3.8 所有者の継承(Inherit owner)
所有者の継承が yes に設定されている場合,CIFS Server は,新しく作成されたオブジェクトに親ディレクトリの所有者を設定します。
このオプションは,共有セクション・パラメータ inherit owner にマッピングを行います。
このオプションはディスク共有に対してのみ適用されます。
9.1.1.3.9 RMS ファイル形式(RMS file format)
RMS ファイル形式は,共有ディレクトリに作成されるファイルの OpenVMS RMS レコード形式を指定します。
指定するレコード形式に関係なく,作成されたファイルは連続的に編成されます。
以下のいずれかのキーワードを使用してレコード形式を指定します。
表 9-1 レコード形式キーワード
レコード形式 | 説明 |
---|
FIXED |
共有ディレクトリに 512 バイト・レコードのRMS 順編成ファイルが作成されます。
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STREAM |
共有ディレクトリに RMS ストリーム形式のファイルが作成されます。
デフォルトのキーワードです。
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STREAMLF |
共有ディレクトリに RMS Stream_LF 形式のファイルが作成されます。
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UNDEFINED |
共有ディレクトリに作成されるファイルの RMS 形式を指定しません。
形式は,ファイルを作成するアプリケーションにより決まります。
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RMS ファイル形式オプションは,
共有セクション・パラメータ vms rms format にマッピングを行います。このオプションは,ディスク共有に対してのみ適用されます。
9.1.1.3.10 書き込みアクセスを可能にする(Enable write access)
デフォルトでは,ファイル許可モードには関係なくすべての共有は読み取り専用です。
ユーザによるファイルの作成あるいは修正を可能にするには,書き込みアクセスが可能となっている必要があります。
このオプションは,共有パラメータ read-only および writeable にマッピングを行います。
このオプションは,ディスク共有に対してのみ適用されます。
9.1.1.3.11 RMS プロテクションを継承(Inherit RMS protection)
このオプションが有効な場合,HP CIFS Server は次のように動作します。
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新たに作成されたファイルおよびディレクトリの RMS プロテクションを親ディレクトリから継承します。
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親ディレクトリの DEFAULT_PROTECTION ACE は無視します。
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SYSGEN パラメータ RMS_FILEPROT で指定された RMS プロテクション・マスクを無視します。
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その共有に対して指定されたマスクおよびモードのパラメータ値を無視します。
RMS プロテクションの継承オプションは,共有パラメータ inherit vms rms protection にマッピングを行います。
このオプションは,ディスク共有に対してのみ適用されます。
9.1.1.3.12 DOS 属性を保管(Store DOS attributes)
このオプションが有効な場合,HP CIFS Server は,オブジェクトの HP CIFS Server ACE から DOS 属性 (SYSTEM,HIDDEN,ARCHIVE,あるいは READ-ONLY) を読み取ろうとします。
クライアントが DOS 属性を設定する際,それらはオブジェクトに存在する HP CIFS Server ACE に保管されます。
既存の HP CIFS Server ACE がない場合,これらの属性を保管した新しい HP CIFS Server ACE がオブジェクトに適用されます。
DOS 属性を使用する予定がある場合は,このオプションを有効にしておきます。
このオプションは,共有セクション・パラメータ store dos attributes にマッピングを行います。
このオプションは,ディスク共有に対してのみ適用できます。
共有を修正する場合はオプション 4 を選択します。
このオプションを選択すると,次のような共有名の入力のためのプロンプトが表示されます。
Enter the share name to modify:
|
修正する共有の名前を指定します。
たとえば,共有 PROJECTS を修正するには,共有名として PROJECTS を入力します。
共有名が入力されると,その共有に対する現在のパラメータを収集し,共有のタイプを識別します。
ディレクトリ共有の修正のために,HP CIFS Server Menu for Adding a Disk Share と同じようなメニューが表示されます。
共有の追加メニューと修正メニューの違いは,修正メニューでは,それぞれのオプションの現在のパラメータ値が表示される点だけです。
たとえば,共有 PROJECTS を修正しようとしている場合,次のようなメニューが表示されます。
HP CIFS Server Menu for Modifying a Disk Share
1. Share name (*): projects
2. Share path (*): dka0:[projects]
3. Share comment: project share
4. Valid users:
5. Admin users:
6. Hide share: no
7. Enable guest access: no
8. Inherit owner: no
9. RMS file format: stream
10. Allow write access: yes
11. Inherit RMS protection: no
12. Store DOS attributes: no
* - required field
Enter item number or press Enter to accept current values [Done]:
|
オプション 1 の Share name を除き,どのオプションも修正可能です。