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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
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タイトルページ
目次
まえがき
第 1 章:日本語EVE 概要
第 2 章:日本語 EVE 入門
第 3 章:EVEJ キーパッドを使用して文字を入力する
第 4 章:TARO キーパッドを使用して文字を入力する
第 5 章:JVMS キーパッドを使用して文字を入力する
第 6 章:半角カナの入力
第 7 章:日本語 EVE の編集機能
付録 A :日本語EVEコマンドのリスト
付録 B :ローマ字かな変換対応表
付録 C :ローマ字かな変換における特殊文字変換対応表
付録 D :記号変換対応表
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日本語EVE ユーザーズ・ガイド


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日本語EVEを起動して文章を入力している間,タイプしている文字は,"バッファ" と呼ばれるメモリに書き込まれています。このメモリは,編集セッションの間だけ有効な,一時的な記憶領域です。保存する必要のあるものはファイルに書き込んでください。

表 7-14 は,バッファを作成,操作,削除するために使用する日本語EVE コマンドを示しています。

表 7-14 バッファ使用の日本語EVEコマンド
コマンド 機能
BUFFER 指定したバッファを現在のウィンドウに表示し,そのバッファのもとの位置にカーソルを移動する。指定したバッファが存在しない場合には,新しいバッファを作成する。
NEW MAINという名前の新しいバッファを作成し,現在のウィンドウに表示する。 MAINバッファがすでに存在する場合には,日本語EVEは新しいバッファ名を要求するプロンプトを表示する。
GET FILEまたは
OPEN FILE
指定したファイルのテキストを読み込んだ新しいバッファ(指定したファイルが存在しない場合には,空のバッファ)を作成する。新しいバッファを現在のウィンドウに表示し,新しいバッファの先頭にカーソルを移動する。

編集セッションで同じファイルを再度指定した場合には,日本語EVEは,単にそのバッファを現在のウィンドウに表示する。編集セッションで,まったく別のファイルを同じファイル名で指定した場合には,日本語EVEは別のバッファ名を要求するプロンプトを表示する。

OPEN SELECTED 選択または検索したファイルを表示する。このコマンドを使えば,ファイル名をタイプせずに, GET FILEOPEN FILEコマンドと同様にファイルをオープンすることができる。
DELETE BUFFER 指定したバッファを削除する。
NEXT BUFFER 次のバッファを現在のウィンドウに表示し,カーソルをもとの編集位置に移動する。このコマンドを使えば,バッファ名を指定せずに,バッファを切り替えることができる。
GO TO MARKコマンドによってラベルをつけた位置にカーソルを戻す。

ラベルをつけた位置が別のバッファに存在する場合には,日本語EVEはそのバッファにカーソルを移動し,そのバッファを現在のウィンドウに表示する(編集セッションで複数のバッファを使用する方法については, 第 7.6.3 項 "2つのバッファの編集"を参照)。

SHOW BUFFERS 編集セッションで作成したバッファのリストを表示する。リスト内でカーソルを移動し, [Select]キーを使用して表示したい特定のバッファを指定できる。
SELECT BUFFER LISTバッファ内で,指定したファイルを選択できる。バッファ名をタイプせずに,バッファを選択するには, SHOW BUFFERS コマンドでBUFFER LISTバッファに移動し,カーソルを選択したいバッファ名の上に置いて, SELECTコマンドを実行する。
REMOVE BUFFER LISTバッファでは, DELETE BUFFERコマンドと同じ動きをする。バッファ名をタイプせずに,バッファを削除するには, SHOW BUFFERS コマンドでBUFFER LISTバッファに移動し,カーソルを削除したいバッファ名の上に置いて, REMOVEコマンドを実行する。
WRITE FILE 編集セッションを終了せずに,現在のバッファの内容をファイルに書き込む。バッファに対してファイル指定が設定されていない場合には,日本語EVEは出力ファイル名を要求するプロンプトを表示する。詳細については,ヘルプの WRITE FILEを参照。
SAVE FILE 編集セッションを終了せずに,編集結果を保存し,現在のバッファの内容をファイルに書き込む。機能的には, WRITE FILEコマンドとほとんど同じ。詳細については,ヘルプの SAVE FILEを参照。
SAVE FILE AS 編集セッションを終了せずに,編集結果を保存し,現在のバッファの内容を,指定したファイルに書き込む。すなわち, SAVE FILE ASコマンドを実行すれば,バッファ名を変更せずに,異なる名前のファイルに編集結果を保存することができる。ただし,その後の SAVE FILEコマンドや WRITE FILEコマンド,あるいは終了操作に対しては,そのファイル指定がバッファに割り当てられる。

出力ファイル名を指定しなかった場合には,日本語EVEはファイル名を要求するプロンプトを表示する。詳細については,ヘルプの SAVE FILE AS を参照。

SHOW 編集セッションで作成したバッファに関する情報を表示する。編集セッションで複数のバッファが存在する場合には,現在編集中のバッファに関する情報を表示する。他のバッファに関する情報が必要な場合には, [Do]キーを押す。編集操作を再開するには,他の任意のキーを押す。
SHOW SYSTEM BUFFERS 日本語EVEが作成したシステム・バッファ(たとえば,Messagesバッファ,Help バッファ,Insert Hereバッファ,$RESTORE$バッファなど)のリストを表示する。リスト内でカーソルを移動し, [Select]キーを使用して,表示したいバッファを指定できる。
SET BUFFER 現在のバッファの編集状態(バッファを変更できるかどうかや,日本語EVEが終了時にバッファをファイルに書き込むかどうか)を設定する。

既存のファイルを編集するときには,日本語EVEはそのファイルの内容をバッファに読み込みます。反転表示されているステータス・ラインには,バッファ名,編集設定(Read-only/Write),編集モード(Insert/Overstrike),およびバッファの現在の方向(Forward/Reverse)が表示されます。

■ バッファ情報の表示 ■

現在のバッファについて,より多くの情報を表示するには,SHOW コマンドを入力します。


このコマンドによって表示される情報には,以下のようなものがあります。

  • バッファ名

  • 入力ファイル名と出力ファイル名

  • バッファが変更されたかどうか

  • 現在のモードと方向

  • 行数

  • マージンと画面幅の設定

  • タブ位置の設定

  • バッファ内で定義されているマーク

編集セッションで複数のバッファが存在する場合は, [Do]キーを押すと次のバッファに関する情報が表示されます。

■ バッファの削除 ■

バッファを削除するには,DELETE BUFFERコマンドを入力し,削除したいバッファの名前を指定します。バッファが空の場合や,変更されていない場合には,日本語EVEはそのバッファを削除します。バッファが変更されている場合は,選択のためのプロンプトを表示します。

たとえば,以下のコマンドは,変更済みのバッファMYFILE.TXTを削除するものです。バッファ名は正確に入力しなければなりません。短縮形は認められません。


以下に,選択肢のリストを示します。

キーワード(入力キー) 機能
削除( D ) 指定したバッファを削除する
書き込み( W ) 指定したバッファの内容をファイルに書き込んでから,削除する
取り消し( Q ) バッファは削除されない(省略時の選択肢)

削除するバッファがウィンドウに表示されている場合には,バッファが削除されたあと,日本語EVEは,編集セッションで使用しているバッファのうち,もっとも古いバッファをウィンドウに表示します。

■ バッファ属性の変更 ■

バッファの編集状態(バッファを変更できるかどうかや,日本語EVEが終了時にバッファをファイルに書き込むかどうか)を変更するには,SET BUFFERコマンドを使用してください。各コマンドに1つずつ,以下のキーワードが指定できます。

キーワード 機能
MODIFIABLE (省略時設定) バッファは変更可能。
READ_ONLY バッファは終了時に保存されない。READ_ONLYを指定すると自動的にUNMODIFIABLEに切り替わるので,バッファは変更不可能になる。ただし,READ_ONLYを指定した後,再度MODIFIABLEにセットすることができる。
UNMODIFIABLE バッファは変更不可能。ステータス・ラインには, InsertまたはOverstrikeのかわりにUnmodifiableが表示される。
WRITE (省略時設定) バッファが変更されていた場合は,終了時に保存される。バッファがREAD_ONLYまたはUNMODIFIABLEになっているときに, SET BUFFER WRITEコマンドを実行すると,バッファはMODIFIABLEにセットされる。

省略時の設定では,バッファの編集状態は,MODIFIABLEおよびWRITEにセットされています。すなわち,バッファを変更することができ,終了時にはバッファの編集内容がファイルに書き込まれます。

変更したくないテキストが誤って変更されないようにするには,以下のコマンドを実行してください。バッファはREAD_ONLYにセットされ,自動的にUNMODIFIABLE になります。

Command: SET BUFFER READ_ONLY

バッファを一時的な記憶領域(スクラッチパッド)として使用する場合には,以下のコマンドを実行してください。バッファは,READ_ONLYおよびMODIFIABLEになります。

Command: SET BUFFER READ_ONLY
Command: SET BUFFER MODIFIABLE

このようにすると,バッファは編集できますが,終了時にはファイルに保存されません。

7.6.1 バッファのリスト

編集セッションで作成したすべてのバッファのリストを表示するには, SHOW BUFFERSコマンドを入力します。以下の例は, SHOW BUFFERSコマンドの結果を示します。


このリストはスクロールでき,削除したいバッファや表示したいバッファを指定できます。バッファを削除するには,カーソルをバッファ名の行に移動し,[Remove] キーを押します。


バッファを現在のウィンドウに表示するには,カーソルをバッファ名に移動し, [Select]キーを押します。


[Select]キーと [Remove]キーのこのような使い方は,バッファのリストが表示されている場合にのみ有効です。

日本語EVEが作成したバッファのリストを表示するには, SHOW SYSTEM BUFFERSコマンドを入力します。リストはスクロールでき,カーソルをバッファ名に移動し, [Select]キーを押すことにより,表示したいバッファを指定できます。日本語EVE はそのバッファを現在のウィンドウに表示します。

  注意
システム・バッファ(Insert Hereバッファ,Messagesバッファ,
$RESTORE$バッファ,または $DEFAULTSバッファなど)は削除しないでください。これらのバッファは一部のコマンドが正しく機能するのに必要なバッファです。



日本語EVEはメッセージ・ウィンドウを使用します。メッセージ・ウィンドウは画面の一番下に表示され,編集セッション中にエラー・メッセージと情報メッセージをユーザに伝えます。メッセージ・ウィンドウには,Messagesバッファの最後のメッセージが表示されます。

これらのメッセージは,BUFFERコマンドを使用して表示できます。メッセージ・バッファの内容を表示するには,BUFFER MESSAGESコマンドを入力します。それまで編集していたバッファに戻るには,適切なバッファ名を指定して,BUFFERコマンドを入力します。以下の例は,RHYMES.DATという名前のバッファに戻るコマンドを示しています。


また,メッセージ・バッファが表示されているときに,SHOW BUFFERS コマンドを実行すれば,ユーザが作成したバッファのリストが表示され,[Select] キーを使用して適切なバッファを指定できます。

7.6.3 2つのバッファの編集

複数のファイルを編集したい場合や,テキスト・ブロックを操作するために一時的な記憶領域が必要な場合には,編集セッション中に複数のバッファを使用できます。

新しいバッファを作成するには,次のいずれかを実行してください。

  • GET FILEコマンド

  • OPENコマンド

  • OPEN SELECTEDコマンド

  • BUFFERコマンド

新しいバッファを作成して,既存のファイルを表示したいときは, GET FILEコマンドまたはOPENコマンドと,表示したいファイル名を入力します。あるいは,オープンしたいファイル名を SELECTコマンドで選択し,OPEN SELECTEDコマンドを実行することもできます。

現在のウィンドウに,指定したバッファを表示したい場合はBUFFER コマンドとバッファ名を入力します。指定したバッファが存在しない場合には,日本語EVEは新しいバッファを作成します。

■ ワイルドカードの使用 ■

ファイルの指定には,アスタリスク・ワイルドカード文字(*),およびパーセント・ワイルドカード文字(%)を使用できます。アスタリスク・ワイルドカード文字は,任意の長さの文字列の代わりとして使えます。パーセント・ワイルドカード文字は, 1文字の代わりとして使用します。また,ディレクトリ指定には,省略記号ワイルドカード([...])を使用できます。

指定したファイルがすでに存在する場合には,日本語EVEはそのファイルの内容を新しいバッファに読み込み,現在のウィンドウにそのバッファを表示します。ワイルドカードを含むファイル指定に対応するファイルが2つ以上ある場合には,日本語EVEは対応するファイルのリストを表示し,より完全なファイル指定を要求するプロンプトを表示します。それ以外の場合には,日本語EVEは空のバッファを作成し,現在のウィンドウに表示します。

■ バッファの変更 ■

現在のウィンドウに表示されているバッファを変更するには,BUFFER コマンドと表示したいバッファの名前を入力します。バッファ名を忘れた場合には, SHOW BUFFERSコマンドを入力することにより,編集セッションで有効な バッファ名を表示できます。その後,[Select]キーを使用してバッファを指定します。

次の例では,日本語EVE編集セッションで2つのファイルを編集するために,2つのバッファを使用する方法を示しています。この例では,RHYMES.DATファイルと SCHEDULE.DATファイルのオリジナル・バージョンが現在の省略時のディレクトリに存在するものと仮定しています。

RHYMES.DATファイルを編集するために,日本語EVEを起動します。


[Do]キーを押し,GET FILE SCHEDULE.DATと入力すると, SCHEDULE.DATファイルの最新バージョンを格納した新しいバッファが作成され, RHYMES.DATから表示が切り替わります。


これで 2 つのバッファが作成されました。ここで現在のバッファからもう 1 つのバッファにコピー操作を実行します。まず,SCHEDULE.DAT バッファを編集します。

カーソルを Read という単語の R の上に移動し,[Select] キーを押します。 [↓] キーを 1 回押すと,SCHEDULE.DAT の 3 行目が反転表示されます。


[Remove] キーを押すと,選択した行は,Insert Here バッファに登録されます。 SCHEDULE.DAT の 3 行目のテキストは,次に選択したテキストを書き込むまで, Insert Here バッファに登録されたままの状態です。ここで RHYMES.DAT の編集操作に戻るために,他のバッファに切り替えます。[Do] キーを押し, BUFFER RHYMES.DAT と入力します。



カーソルをバッファの先頭に移動し,[Insert Here]キーを押すと,SCHEDULE.DAT バッファから削除し,Insert Hereバッファに登録したテキストが RHYMES.DATバッファの先頭に挿入されます。


複数のバッファを変更した後,編集セッションを終了する場合には,日本語EVEは現在のバッファの内容をファイルに書き込んで,変更した他の各バッファをファイルに書き込むかどうかを質問します。



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