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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
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目次
まえがき
第 1 章:日本語EVE 概要
第 2 章:日本語 EVE 入門
第 3 章:EVEJ キーパッドを使用して文字を入力する
第 4 章:TARO キーパッドを使用して文字を入力する
第 5 章:JVMS キーパッドを使用して文字を入力する
第 6 章:半角カナの入力
第 7 章:日本語 EVE の編集機能
付録 A :日本語EVEコマンドのリスト
付録 B :ローマ字かな変換対応表
付録 C :ローマ字かな変換における特殊文字変換対応表
付録 D :記号変換対応表
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日本語EVE ユーザーズ・ガイド


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DRAW KEISENコマンドを頻繁に使う場合は,コマンドをキーに定義すると便利です。イニシャライゼーション・ファイル SYS$LOGIN:JEVE$INIT_V3.EVEに,以下の1行を追加してください。

DEFINE KEY=Ctrl/D DRAW KEISEN 

これで,[Ctrl/D]を押すと,罫線モードにはいれます。

■ 罫線固定モード ■

罫線の枠内にあるテキストを編集しようとした場合,挿入/削除などの操作に伴って罫線が動いてしまうと都合が悪いことがあります。このような場合には, SET FIX KEISENコマンドで罫線固定モードに設定することができます。

罫線固定モードに入ると罫線が固定され,罫線の削除,罫線を含む領域のカット・アンド・ペースト,ボックス操作なども罫線を考慮した動きに変更されます。

7.12 イニシャライゼーション・ファイルの作成

会話的にキーを定義したり,編集セッションの属性を設定するかわりに,日本語EVEコマンドとキー定義をイニシャライゼーション・ファイルに登録できます。

■ ファイルの実行 ■

イニシャライゼーション・ファイルは@コマンドを使用して,日本語EVEを起動するときや編集セッションの途中で実行できます。次の例を参照してください。

Command: @SETUP_INIT


■ ファイルの作成 ■

イニシャライゼーション・ファイルの各コマンドは,それぞれ別々の行に指定します。各コマンドの内容をわかりやすく示すために,ファイルにコメント行を追加できます。ただし,コメント行の前に感嘆符(!)を指定し,コマンドと別の行に指定してください。イニシャライゼーション・ファイルのファイル・タイプは.EVEです。

以下にイニシャライゼーション・ファイルの例を示します。

 set tabs every 5 
 set left margin 15 
 set right margin 75 
 overstrike mode 
 define key=Ctrl/D erase word 
 define key=GOLD/W start of line 
 define key=KP5 fill paragraph 
 ! 
 !Binds the EDT forward function KP4 on 
 !EDT keypad to GOLD F 
 ! 
 define key=GOLD/F EDT KP4 


■ ファイルの指定 ■

イニシャライゼーション・ファイルを指定するには,以下の3つの方法があります。

  • 日本語EVEの起動時に/INITIALIZATION修飾子を指定する
    次のコマンドは,MY_INITという名前のイニシャライゼーション・ファイルを使用して,日本語EVEを起動します。

    $ EDIT/XTPU/INIT=WORK1:[ALEXIS]MY_INIT
    

  • 論理名 JEVE$INIT_V3 にイニシャライゼーション・ファイルを定義する
    省略時の設定では,DEC XTPUは論理名がJEVE$INIT_V3であるイニシャライゼーション・ファイルを使用します。この論理名をLOGIN.COMファイルに定義した場合には,DEC XTPUは,日本語EVEを起動するときに,ユーザのイニシャライゼーション・ファイルを自動的に使用します。たとえば,次のコマンドをLOGIN.COMファイルに登録できます。

    $ DEFINE JEVE$INIT_V3 WORK1:[ALEXIS]MY_INIT.EVE
    

  • イニシャライゼーション・ファイルを,JEVE$INIT_V3.EVEという名前にして,SYS$LOGINディレクトリに置く

日本語EVEを起動すると,日本語EVEはまずセクション・ファイルを探し,次にコマンド・ファイルを探し,最後にイニシャライゼーション・ファイルを探します。イニシャライゼーション・ファイルはセクション・ファイルおよびコマンド・ファイルの後に実行されるため,イニシャライゼーション・ファイルの定義はセクション・ファイルやコマンド・ファイルの定義より優先します。この理由から,編集環境を定義するコマンドはコマンド・ファイルまたはイニシャライゼーション・ファイルに登録してください。

■ 環境定義の日本語EVEコマンド ■

環境を定義するコマンドは次のとおりです。

  • SET CURSOR BOUNDまたは
    SET CURSOR FREE

  • SET FIND WHITESPACEまたは
    SET FIND NOWHITESPACE

  • SET KEYPAD

  • SET GOLD KEY

  • SET LEFT MARGIN

  • SET RIGHT MARGIN

  • SET SCROLL MARGINS

  • SET TABS ATまたは
    SET TABS EVERY

  • SET TABS SPACES
    SET TABS MOVEMENT,または
    SET TABS INSERT

  • SET TABS VISIBLEまたは
    SET TABS INVISIBLE

  • SET WIDTH

  • SET WILDCARD VMSまたは
    SET WILDCARD ULTRIX

  • SET WRAPまたは
    SET NOWRAP

  • バッファの省略時のモード ( CHANGE MODEOVERSTRIKE MODEまたは INSERT MODE)

  • バッファの省略時の方向 (CHANGE DIRECTIONFORWARDまたはREVERSE)



7.13 $DEFAULTS$バッファの変更

日本語EVEでは,ユーザが作成した新しい各バッファは,編集モード,方向,マージン,およびタブ・ストップに関して,省略時の設定を使用します。$DEFAULTS$というシステム・バッファには,省略時のバッファ属性が登録されています。

これらの属性は,日本語EVEの省略時設定,または起動時の編集バッファに対してセクション・ファイル,コマンド・ファイル,イニシャライゼーション・ファイルで定義したコマンド設定の属性です。起動時のバッファはMAINバッファか,または DCLコマンド・ラインに指定したバッファです。

たとえば,イニシャライゼーション・ファイルでマージン,タブ・ストップ,カーソルの方向,編集モードを設定した場合には,これらの設定は,$DEFAULTS$バッファに登録されます。日本語EVEは,この属性をその後でユーザが作成するすべてのバッファに対して適用します。

バッファの現在の属性を表示するには,SHOW DEFAUTLS BUFFERコマンドを入力します。日本語EVEは, 図 7-11 の情報を表示します。

図 7-11 バッファの属性画面


$DEFAULTS$バッファの属性は対話的にも変更できます。その場合には, BUFFER $DEFAULTS$コマンドを入力して $DEFAULTS$バッファに移動し,適切なSETコマンドを入力してください。たとえば, SET LEFT MARGIN 7と入力します。この結果,$DEFAULTS$バッファの左マージンは7になります。したがって,編集セッションでこの後で作成する新しいバッファはすべて,左マージンが7になります。

7.14 複数のコードセット・サポート

コードセットとはファイルの内容の表現方法を規定するものです。 V3以前のバージョンの日本語EVE は, DEC 漢字コードセットと呼ばれるコードセットのみをサポートしていましたが,日本語 EVE V3では DEC 漢字コードセット以外のコードセットもサポートします。

コードセットが異なれば,同じ内部表現であっても解釈が異なります。ファイルを書き出したときのコードセットと異なるコードセットを指定してファイルを読み込むと,文字が正しく表示されないということが起こります。ファイル自体には,コードセットを示す情報が書かれていません。そのため,各ファイルのコードセットの管理は,それを使う人の責任になります。

V3以前のバージョンの日本語 EVE で作られたファイルのコードセットは, DEC 漢字コードセットです。特に新しくサポートされるコードセットを使う必要がない場合は, DEC 漢字コードセットを使うことをお勧めします。

日本語 EVE の省略時のコードセットは DEC漢字コードセットです。特に指定しない限り,日本語 EVE で作られたファイルはDEC 漢字コードセットになります。

7.14.1 サポートされるコードセット

日本語 EVE は以下のコードセットをサポートしています。

  • DEC 漢字コードセット (DECKANJI)

  • Super DEC 漢字コードセット (SDECKANJI)

  • DEC 漢字 2000 コードセット (DECKANJI2000)

  • ISO Latin1 コードセット (ISO_LATIN1)

  • DEC MCS コードセット (DEC_MCS)

  • シフトJIS コードセット (SJIS)

  • ISO-2022-JP コードセット (ISO2022JP)

  • UCS-2 コードセット (UCS2)

  • UTF-8 コードセット (UTF8)



7.14.2 DEC 漢字コードセット

DEC 漢字コードセットは従来から弊社がサポートしてきたコードセットです。 DEC 漢字コードセットは 表 7-17 の文字セットで構成されています。

表 7-17 DEC漢字コードセットの文字セット
文字セット
ASCII または JIS X0201 の下位 128 文字 (JIS ローマ字)
JIS X0208 (JIS 第1水準 + JIS 第2水準)
DEC UDC (ユーザ定義文字)

ASCII と JIS ローマ字の切り換えは論理名 XTPU$GL_CHARSET で行います。

  • 論理名 XTPU$GL_CHARSET に JISROMAN が定義されているときは JIS ローマ字が使われます。

  • 論理名 XTPU$GL_CHARSET に ASCII が定義されているときには ASCII が使われます。

  • 何も設定していないときには,システム論理名に XTPU$GL_CHARSET = JISROMAN が定義されていますので,JIS ローマ字になります。ASCII を使うときには,次のように起動してください。

    $ define xtpu$gl_charset ascii
    $ edit/xtpu
    



7.14.3 Super DEC 漢字コードセット

Super DEC 漢字コードセットは 表 7-18 の文字セットで構成されています。

表 7-18 Super DEC 漢字コードセットの文字セット
文字セット
ASCII または JIS X0201 の下位 128 文字 (JIS ローマ字)
JIS X0208 (JIS 第1水準 + JIS 第2水準)
JIS X0212 (JIS 補助漢字)
JIS X0201 の上位 128 文字 (JIS カタカナ)
DEC UDC (ユーザ定義文字)

ただし,JIS X0212 (JIS 補助漢字) はサポートしていません。

ASCII と JIS ローマ字の切り換えは論理名 XTPU$GL_CHARSET で行います。

  • 論理名 XTPU$GL_CHARSET に JISROMAN が定義されているときは JIS ローマ字が使われます。

  • 論理名 XTPU$GL_CHARSET に ASCII が定義されているときには ASCII が使われます。

  • 何も設定していないときには,システム論理名に XTPU$GL_CHARSET = JISROMAN が定義されていますので,JIS ローマ字になります。ASCII を使うときには,次のように起動してください。

    $ define xtpu$gl_charset ascii
    $ edit/xtpu
    



7.14.4 DEC 漢字 2000 コードセット

DEC 漢字 2000 コードセットは, 表 7-19 の文字セットで構成されています。

表 7-19 DEC 漢字 2000 コードセットの文字セット
文字セット
ASCII または JIS X0201 の下位 128 文字 (JIS ローマ字)
JIS X0208 (JIS 第 1 水準 + JIS 第 2 水準)
JIS X0213 (JIS 第 3 水準)
JIS X0201 の上位 128 文字 (JIS カタカナ)
DEC UDC (ユーザ定義文字)

ただし,JIS 第4水準 (JIS X 0213 Level 4) はサポートしていません。

ASCII と JIS ローマ字の切り換えは論理名 XTPU$GL_CHARSET で行います。

  • 論理名 XTPU$GL_CHARSET に JISROMAN が定義されているときは JIS ローマ字が使われます。

  • 論理名 XTPU$GL_CHARSET に ASCII が定義されているときには ASCII が使われます。

  • 何も設定していないときには,システム論理名に XTPU$GL_CHARSET = JISROMAN が定義されていますので,JIS ローマ字になります。ASCII を使うときには,次のように起動してください。

    $ define xtpu$gl_charset ascii
    $ edit/xtpu
    



7.14.5 ISO Latin1 コードセット

ISO Latin1 コードセットは ISO 8859-1 で定義される文字からなるコードセットです。

7.14.6 DEC MCS コードセット

DEC MCS コードセットは 表 7-20 の文字セットで構成されています。

表 7-20 DEC MCS コードセットの文字セット
文字セット
ASCII
DEC 補助文字



7.14.7 シフト JIS コードセット

シフト JIS コードセットは MS-DOS,MS-Windows で採用されているコードセットで, 表 7-21 の文字セットで構成されています。

表 7-21 シフトJISコードセットの文字セット
文字セット
JIS X0201 (JISローマ字+JISカタカナ)
JIS X0208 (JIS第1水準+JIS第2水準)
外字,拡張文字等 JIS で定義されていない文字

ただし,最後のJIS未定義文字の入力,表示はサポートしていません。

7.14.8 ISO-2022-JP コードセット

ISO-2022-JP コードセットは RFC-1468 に準拠したコードセットです。 ISO-2022-JP コードセットは 表 7-22 の文字セットで構成されています。

表 7-22 ISO-2022-JP コードセットの文字セット
文字セット
ASCII または JIS X0201 の下位 128 文字 (JIS ローマ字)
JIS X0208 (JIS 第1水準 + JIS 第2水準)



7.14.9 UCS-2 コードセット

UCS-2 コードセットは 表 7-23 の文字セットで構成されています。

表 7-23 UCS-2 コードセットの文字セット
文字セット
ASCII または JIS X0201 の下位 128 文字 (JIS ローマ字)
JIS X0208 (JIS 第1水準 + JIS 第2水準)
JIS X0212 (JIS 補助漢字)
JIS X0201 の上位 128 文字 (JIS カタカナ)

ただし,JIS X0212 (JIS 補助漢字) はサポートしていません。

7.14.10 UTF-8 コードセット

UTF-8 コードセットは 表 7-24 の文字セットで構成されています。

表 7-24 UTF-8 コードセットの文字セット
文字セット
ASCII または JIS X0201 の下位 128 文字 (JIS ローマ字)
JIS X0208 (JIS 第1水準 + JIS 第2水準)
JIS X0212 (JIS 補助漢字)
JIS X0201 の上位 128 文字 (JIS カタカナ)

ただし,JIS X0212 (JIS 補助漢字) はサポートしていません。


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