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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
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タイトルページ
目次
まえがき
第1章:新機能概要
第2章:制限事項
付録A:日本語マニュアル
付録B:Integrity版とAlpha版の違い
付録C:アップデート抄録
付録D:リタイア情報
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日本語 HP OpenVMS

日本語 HP OpenVMS
V8.4リリース・ノート


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V7.3

PC の日本語端末エミュレータ等から Telnet を使用してログインしている場合でも, DCL コマンド行等での日本語行編集機能を有効にできるようになりました。

C.22.3 TTY_CLASSNAME の設定について(Alpha のみ)

Alpha V6.2

日本語OpenVMS AXP V6.1 までは標準版ターミナル・ドライバ
SYS$LOADABLE_IMAGES:SYS$TTDRIVER.EXE の日本語版 SYS$HNDRIVER.EXE で漢字端末のサポートを行っていました。V6.2 から SYS$HNDRIVER.EXE の機能は標準版 SYS$TTDRIVER.EXE に統合され,SYS$HNDRIVER.EXE は不要になりました。

このため,SYSGEN パラメータ TTY_CLASSNAME は V6.1 までは "HN" に設定する必要がありましたが,V6.2 以降では標準版と同じ "TT" に設定したままで,漢字端末における日本語の入出力や編集をサポートします。V6.2 以降ではTTY_CLASSNAME を "HN" に設定しないでください。

C.22.4 漢字のハードウェア・オンデマンド・ローディング

V7.1

日本語 OpenVMS V7.1 からハードウエア・オンデマンド・ローディングをサポートします。ハードウエア・オンデマンド・ローディングは日本語 OpenVMS VAX V6.0 以前にサポートされていた機能ですが,これをターミナル・サーバ経由の接続に限り,Alpha と VAX 両方において,日本語 OpenVMS V7.1 でもサポートします。

サポートするターミナル・サーバは以下のとおりです。

  • DECserver 90L+

  • DECserver 90M

  • DECserver 90TL

  • DECserver 200

  • DECserver 300

  • DECserver 500

  • DECserver 700



C.22.5 漢字のソフトウェア・オンデマンド・ローディング

VAX V6.1

V6.0 以前の日本語 OpenVMS VAX では,端末側 ( 表示装置 / 印字装置 ) のフォント要求機能を用いたオンデマンド・ローディングを提供していましたが, V6.1 からは,端末側のフォント要求機能を用いないソフトウェア・オンデマンド・ローディングに 変更になりました。

ソフトウェア・オンデマンド・ローディングの導入にともない,V6.0 まであった非同期式インタフェースのサポートについての制限事項はなくなりました。シリアル・ライン・インタフェースの種類,ターミナル・サーバの機種およびバージョンにかかわりなく,オンデマンド・ローディングをサポートします。

Alpha V6.2

日本語 OpenVMS Alpha ではV1.0 以来,オンデマンド・ローディングがサポートされていませんでしたが,日本語 OpenVMS Alpha V6.2 から VAX 同様ソフトウェア・オンデマンド・ローディングがサポートされます。ライン・インタフェースに関する制限事項はありません。

ソフトウェア・オンデマンド・ローディングは,以下の端末をサポートします。

端末

表示装置 VT280シリーズ,VT382 (VAX)
  VT382,VT284,VT286 (Alpha)

なお,プリンタではオンデマンド・ローディングはサポートされませんので,漢字プリント・シンビオントの機能であるダイナミック・プリローディングを使用してください。漢字プリント・シンビオントについては『日本語 OpenVMS   概説書』を参照してください。

端末 ( 表示装置 / 印字装置 ) と,フォント・ローディングの関係は次の表のようになります。表示装置において,ソフトウェア・オンデマンド・ローディングとプリローディングは, 併用できませんのでご注意ください。

端末 オンデマンド・ローディング プリローディング ダイナミック・プリローディング
漢字ビデオ・ディスプレイ・ターミナル      ○       ○       ×
漢字プリンタ (LAシリーズ)      ×       ○       ○
漢字プリンタ (LNシリーズ)      ×       ○       ×



C.22.6 KANJIGEN の文字単位編集機能の設定

V6.2

コマンド行での文字単位の編集機能を有効にするには,日本語 OpenVMS V6.1 までは KANJIGEN で SET/EDIT=ENABLE を実行することにより設定できましたが,日本語 OpenVMS V6.2 および V7.0 では,同時に /INPUT=KANJI により入力コードを漢字に指定する必要があります。

また,/INPUT=KANA と /EDIT=ENABLE の組み合わせは許されません。例えば /INPUT=KANJI,/EDIT=ENABLE に設定された状態で,SET/INPUT=KANA を実行して入力コードのみをカナに再設定することはできません。

  注意
SuperDEC 漢字コードセットにしたがった半角カナを含むファイルを端末に表示する場合は,文字単位編集機能を利用する,しないにかかわらず文字単位編集機能を有効にする必要があります。



V6.2

V6.2 から日本語キーボード (LK401-BJ,LK401-JJ) がサポートされました。

C.24 DEC XTPU/日本語 EVE V3



Alpha V7.2-1

日本語 OpenVMS V7.2-1 では,次の問題点が解決されました。

  • JEVE$CNVKEY.DAT の破壊の解決
    XTPU 起動時に /CODE_SET=UCS2 を指定するなどして Unicode テキストファイルを編集しようとすると,JEVE$CNVKEY.DAT の内容が Unicode に変換されてしまい,現在の漢字変換キーの設定が消去されてしまうという問題点がありましたが,これは破壊されないように修正されました。

  • DCL コマンド使用時の文字化けの解決
    Unicode または Shift JIS のテキストファイルを編集中,エディタ内で DCL コマンドを使用すると,DCL バッファ内に表示されるはずの結果が文字化けしてしまい,結果を読み取ることができないという問題点がありましたが,これは文字化けしないように修正されました。



C.24.2 文字コード・セットのサポート

V7.2

日本語 OpenVMS V7.2 では,DEC XTPU および日本語 EVE V3 で新しく以下の文字コードセットがサポートされました。

  • ISO-2022-JP コードセット (ISO2022JP)

  • UCS-2 コードセット (UCS2)

  • UTF-8 コードセット (UTF8)

詳細は『日本語 EVE ユーザーズ・ガイド』および『日本語 EVE リファレンス・マニュアル』を参照してください。

C.24.3 DECwindows インタフェースのサポート

V6.1

日本語 OpenVMS VAX V6.1 および Alpha V6.1 から, DECwindows インタフェースもサポートされます。この DECwindows インタフェースでは,バッファ・ジャーナリングがサポートされます。また,パソコン等で用いられるコード・セット ( シフト JIS) によるファイルも読み書きできます。

日本語 EVE についての詳細は,『日本語 EVE ユーザーズ・ガイド』および『日本語 EVE リファレンス・マニュアル』を参照してください。 DEC XTPU の機能については『DEC XTPU リファレンス・マニュアル』を参照してください。

C.24.4 ファイルリスト

V6.1

V6.1 から日本語 EVE に新しいファイルの選択機能が追加されました。 DIRECTORY LIST コマンドによりディレクトリにあるファイルの一覧を表示して,読み込むファイルを選択することができます。

C.24.5 罫線固定モード

V6.2

V6.2 から日本語 EVE に罫線固定の機能が追加されました。 SET FIX KEISEN コマンドにより罫線固定モードに入ると,罫線文字に対する編集操作が禁止されます。これにより罫線を使った文書も通常と同じように編集を行うことができます。

C.24.6 テキストの置換におけるワイルドカードの利用

V6.2

V6.2 から日本語 EVE に,ワイルドカードを使用したテキストの置換の機能が追加されました。WILDCARD REPLACE コマンドにより,VMS 形式または ULTRIX 形式のワイルドカードを使用して文字列の置換ができます。

C.25 XPG4 ユーティリティ

V6.2

XPG4(X/Open Portability Guide Issue 4) は,X/Open が出版するポータビリティ・ガイドの第 4 版で,アプリケーション・プログラムの移植性を確保するための標準インタフェースを提唱しています。

日本語 OpenVMS VAX V6.0 および V6.1 では日本語 OpenVMS のキットの一部として XPG4 に準拠したランタイム・ライブラリ,ユーティリティ,およびロケール・データ・ファイルを提供していました。V6.2 より XPG4 ランタイム・ライブラリおよびユーティリティは標準版 OpenVMS VAX および Alpha オペレーティング・システムに組み込まれ,提供されます。

XPG4 ユーティリティについての詳細は,『OpenVMS Copmaq C 国際化ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

C.25.1 ロケール・データ・ファイルのインストール

VAX V6.2

V6.1 以前の日本語 OpenVMS VAX では SYS$LIBRARY (XPG$LIBRARY) 内にロケール・データ・ファイルが提供されていましたが,標準版 OpenVMS V6.2 から SYS$I18N_ICONV および SYS$I18N_LOCALE 内に提供されるように変更されています。

また日本語 OpenVMS VAX V6.1 以前のロケール・データ・ファイルは標準版 OpenVMS V6.2 以降の XPG4 ユーティリティとは互換性がありません。V6.1 以前のシステムでユーザーが作成したロケール・データ・ファイルは標準版 OpenVMS V6.2 以降の LOCALE COMPILE コマンドを利用して再コンパイルする必要があります。

C.26 かな漢字変換の個人辞書の指定

V6.2

かな漢字変換の省略時の個人辞書のファイルは SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO です。論理名 JSY$KOJIN で省略時以外の個人辞書を指定する場合,ディレクトリ指定を省略してファイル名だけを指定すると,日本語 OpenVMS V6.1 までは,現在の省略時のディレクトリにある同名のファイルが参照されました。日本語 OpenVMS V6.2 以降ではこの場合,SYS$LOGIN にある同名のファイルを参照するよう変更されました。このため現在の省略時のディレクトリにある個人辞書ファイルを参照する場合は,明示的にディレクトリ名を含めたファイル名を指定するか,ファイル名の先頭に [] を付加する必要があります。

  • 例1:SYS$LOGIN にある SHUMI.JISHO を SYS$LOGIN 以外のディレクトリから参照する場合

     
        $ SHOW DEFALT 
          ROCK$:[MIYABI.HOBBY] 
        $ DIR SYS$LOGIN:*.JISHO 
     
        Directory ROCK$:[MIYABI] 
     
        JSYKOJIN.JISHO;1    SHUMI.JISHO;1    
     
        Total of 2 files. 
        $ DEFINE JSY$KOJIN SHUMI.JISHO 
        $ EDIT/XTPU LETTER.TXT 
     
    

  • 例2:現在の省略時のディレクトリにある SHUMI.JISHO を参照する場合

     
        $ DIR *.JISHO 
     
        Dierctory USER$:[REIKA.HOBBY] 
     
        SHUMI.JISHO;1 
     
        Total of 1 file. 
        $ DEFINE JSY$KOJIN []SHUMI.JISHO    
        $ KINQUIRE AA/KANJI_DICTIONARY 
        AA: 
     
    



C.27 翻訳メッセージ/ヘルプ

V6.1, V6.2

VAX V6.0 以前および AXP V1.5 以前の日本語 OpenVMS では,SET LANGUAGE コマンドによってヘルプやメッセージを英語 / 日本語間で切りかえてきましたが,V6.1 から JSY$SWITCH コマンド・プロシージャで設定するようになりました。なお,SET LANGUAGE および SHOW LANGUAGE コマンドはV6.2 から使用できなくなっています。

  1. 英語⇒日本語に切り替える場合

        $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH  JAPANESE    
    


  2. 日本語⇒英語に切り替える場合

        $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH  ENGLISH    
    


  3. 現在の設定を表示する場合

        $ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH  SHOW    
    

この設定は,VAX V6.0 および AXP V1.5 以前の日本語 OpenVMS とは異なり,サブプロセスに継承されます。したがって,日本語に設定している場合,SPAWN 後も日本語のヘルプ/メッセージが表示されます。

なお,サブプロセスへの継承の問題や HELP/MESSAGE ユーティリティとの不整合により,これまでは提供されてきた日本語に翻訳されたシステム・メッセージ (SYSMSG.EXE) は, V6.1 から提供されなくなりました。



C.28 JSYLIB.OLB

V6.1

日本語ライブラリは,共有イメージ/オブジェクト・ライブラリの両形式で提供されて来ましたが, V6.1 からオブジェクト・ライブラリ形式の JSYLIB.OLB から共有イメージ形式で提供されるものがすべて取り除かれました。具体的には,漢字コード・セット変換ライブラリを除いた,基本ライブラリ / 汎用ライブラリ / かな漢字変換ライブラリが,オブジェクト・ライブラリ形式の JSYLIB.OLB から取り除かれています。

以下にリンク方法での VAX V6.0, AXP V1.5 との相違を説明します。

  1. 共有イメージにリンクしている場合
    共有イメージ SYS$SHARE:JSYSHR にリンクしている場合は変更ありません。

  2. オブジェクト・ライブラリにリンクしている場合

    1. 漢字コード・セット変換ライブラリを除いた日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクしてください。

          例) 
       
          $ LINK PROG,SYS$INPUT/OPTION    
          SYS$SHARE:JSYSHR/SHARE 
          $ 
      


      または,

          $ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYSHR/OPTION    
      

    2. 漢字コード・セット変換ライブラリを含んだ日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクするには以下のようにオブジェクト・ライブラリ JSY$LIBRARY:JSYLIB.OLB 及び共有イメージ SYS$SHARE:JSYSHR.EXE とリンクしてください。

          例) 
       
          $ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYLIB/LIBRARY,SYS$INPUT/OPTION    
          SYS$SHARE:JSYSHR/SHARE 
          $ 
      

    3. 漢字コード・セット変換ライブラリのみの日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクするには VAX V6.0,AXP V1.5 以前と同様に以下のようにオブジェクト・ライブラリ JSY$LIBRARY:JSYLIB.OLB とリンクしてください。

          例) 
       
          $ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYLIB/LIBRARY    
      



C.29 デバッガ



V6.2, V7.0

日本語 OpenVMS VAX および AXP V6.1 では日本語デバッガを提供していましたが,V6.2 から日本語デバッガに含まれていた日本語機能は標準版 OpenVMS V6.2 のデバッガに統合されました。

デバッガの日本語拡張機能を有効にするには,デバッガを起動する前に以下の論理名定義を行ってください。

 
    $ DEFINE/JOB DBG$NATIONALITY JAPAN 
 

端末インタフェースで,日本語入出力機能を有効にするには,さらに以下の論理名定義を行ってください。

  注意
日本語 OpenVMS V6.2 と V7.0 以降とでは,日本語入出力機能を有効にする方法が異なります。

  • 日本語OpenVMS V6.2 の場合

     
        $ DEFINE/JOB SMGSHR JSY$SMGSHR 
     
    

  • 日本語OpenVMS V7.0 以降の場合

     
        $ DEFINE/JOB DBG$SMGSHR JSY$SMGSHR 
        $ DEFINE/JOB SMG$DEFAULT_CHARACTER_SET SDK 
     
    

これで,以降のデバッグ・セッションでは,日本語拡張機能が有効となった状態で標準版デバッガが起動されます。

さらに詳しい説明と DECwindows Motif インタフェースを利用する場合の設定方法については『日本語ユーティリティ 利用者の手引き』を参照してください。

日本語 OpenVMS V7.0 では,デバッガの Motif インタフェースにおいて,日本語拡張機能が動作しないという問題があります。この問題は,将来の日本語 OpenVMS のリリースで解決される予定です。

C.29.2 デバッガの日本語ヘルプ

VAX V6.1, Alpha V6.2

日本語 OpenVMS VAX ではV6.1 から,日本語 OpenVMS Alpha では V6.2 から,キャラクタセル・モードのデバッガ・ヘルプは日本語で提供されるようになりました。ただし,エラー・メッセージの説明部分は英語のままとなっています。デバッガを使用中に日本語ヘルプを参照するには,あらかじめ JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH.COM で日本語に設定しておいてください。また,デバッガのコマンド・ディクショナリの日本語マニュアルが SYS$HELP:JSY$DBG_HELP.PS および SYS$HELP:JSY$DBG_HELP.TXT という名前でオンラインで提供されています。

なお,DECwindows/Motif 版のデバッガ・ヘルプは英語で提供されています。


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