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HP OpenVMS Systems
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日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム管理者ガイド


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7.4.3 キューを起動するために必要な装置制御ライブラリ

キューを起動するには,キュー用に指定されたすべての装置制御ライブラリが存在していなければなりません。たとえば,次の論理名でキューが定義されている場合は, SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL.TLB,SYS$LIBRARY:ANSI.TLB, SYS$LIBRARY:PS.TLB のすべてのライブラリがテキスト・ライブラリとして存在している必要があります。


    $ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS_LIB -
    _$ DCPS$DEVCTL, -
    _$ "ANSI /DATA_TYPE=ANSI", -
    _$ "PS /DATA_TYPE=POSTSCRIPT"

7.4.4 アップグレード時のカスタム・セットアップ・モジュールの保存

DECprint Supervisor ソフトウェアをインストールすると,提供される装置制御ライブラリDCPS$DEVCTL.TLBの新しいバージョンが作成されます。ソフトウェアのインストレーション時に古いファイルをパージした場合,装置制御ライブラリの以前のコピーは削除されます (詳細は『 DCPS インストレーション・ガイド』を参照してください)。

カスタム・セットアップ・モジュールを追加する場合には,新しいライブラリを作成し,そのライブラリをライブラリ検索リストで参照するようにしてください。このようにすれば,プリンティング・ソフトウェアをアップグレードする際に,カスタム・セットアップ・モジュールを保存することができます。

DECprintプリンティング・サービスまたはPrintServerクライアント・ソフトウェアのアップグレード

DECprint プリンティング・サービス・ソフトウェアまたは PrintServer クライアント・ソフトウェアは固有の装置制御ライブラリ (CPS$DEVCTL.TLB および LPS$DEVCTL.TLB) を持っています。 DECprint Supervisor にアップグレードした場合は, CPS$ および LPS$ 装置制御ライブラリは使用されなくなります。これらのライブラリのいずれかにカスタム・セットアップ・モジュールが含まれている場合は,必要なモジユールを新しいライブラリに登録し,装置制御ライブラリ検索リストにそのライブラリを指定してください。

7.5 プリント・ジョブへのセットアップ・モジュールの指定

PRINT コマンドで /SETUP 修飾子を使用することで,セットアップ・モジュールを指定することができます。

/SETUP 修飾子を使用してプリント・ジョブに ANSI セットアップ・モジュールを指定するには,次のコマンド形式を使用してください。


    $ PRINT /QUEUE=queue-name /SETUP=module-name print-file.TXT

間違ったコマンドを入力した場合,ファイルが印刷されるまでその間違いは検出されません。ソフトウェアが直ちに間違いを検出できるようにするには,フォームにセットアップ・モジュールを含めるようにします。その命令については, 第 8 章 を参照してください。

一般ユーザが頻繁にセットアップ・モジュールにアクセスする場合は,セットアップ・モジュールを特定のキューに対応させることにより,そのキューに登録されたすべてのプリント・ジョブが自動的にそのセットアップ・モジュールを使用して出力されるようにすることができます。その命令については, 第 8 章 を参照してください。

7.6 永続的な PostScript 資源のロード

注意

この機能はデスクトップ・プリンタのみに適用されます。 PrintServer プリンタについては, PrintServer ソフトウェアを使用して資源が永続的にロードされます。

すべてのプリント・ジョブについて PostScript コードをダウンロードすると,印刷性能に悪い影響を与える可能性があります。この問題を解消するために,プリンタに常駐するモジュールをロードしておくことができます。

デスクトップ・プリンタには LPS$PERSISTENT_RESOURCES モジュールが永続的にロードされます。永続的な PostScript モジュールを作成するには,次の手順に従ってください。

  1. 次のコマンドを使用して,ユーザ固有の PostScript セットアップ・モジュール用の新しい装置制御ライブラリを作成します。


    $ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]library-name
    

  2. SYS$STARTUP:DCPS$STARTUP.COM ファイルを編集して,検索リストに新しい装置制御ライブラリを登録します。 DCPS スタートアップ・ファイルに次のコマンドを記入します。


    $ DEFINE /SYSTEM /EXECUTIVE /NOLOG -"
    _$ DCPS_LIB DCPS$DEVCTL, "library-name /DATA=POST"
    

  3. そのセットアップ・モジュールをロードする各 PostScript プリンタ用の実行キューの定義のパラメータ 3 に,装置制御検索リスト論理名として論理名 DCPS_LIB が記入されていることを確認します。

  4. DCPS$STARTUP.COM ファイルを保存します。

  5. 変更の影響を受けるプリンタについての各キューに STOP /QUEUE /RESET コマンドを実行してキューを停止します。

  6. 新しい DCPS$STARTUP.COM ファイルを実行します。

  7. 2 つのプリント・ジョブを各プリンタに送信してプリント・キューをテストします。プリンタに最初に送信されるプリント・ジョブについて,セットアップ・モジュールがロードされます。第 2 のプリント・ジョブにもその設定が同様に有効である必要があります。

警告

永続的なセットアップ機能の間違った使用法により,問題が発生する可能性があります。この機能を使用する場合は,次の事項に注意してください。

  • 永続的にロードすることができるのは, PostScript セットアップ・モジュールだけです。別のデータ・タイプを永続的にロードすることはできません。

  • セットアップ・モジュールがプリンタの仮想メモリを超える可能性があります。プリンタの異なるモジュールは異なる容量を持っています。たとえば,あまりに多くのフォントを持ったセットアップ・モジュールはプリンタの容量を超えてしまう可能性があります。

  • ネットワーク内の複数のノードから共有ネットワーク・プリンタを使用することができます。印刷結果が異なることがないように,そのプリンタにアクセスするすべてのノードから同一のセットアップ・モジュールがロードされることを確認してください。異なるセットアップ・モジュールをロードする必要がある場合は,各プリント・ジョブについて /SETUP あるいは /FORM 修飾子のいずれかを使用してください。

  • 永続的にロードされるセットアップ・モジュール内の不正な PostScript コードは,予測できない解析困難な結果を生じます。また,プリンタの電源が落とされるまでコードがプリンタ内にそのまま存在するため,異なるシステムからのプリント・ジョブが異常終了して予測できない結果となり,問題の原因を特定することができなくなります。

7.7 PCL および Proprinter プリント・ジョブ用の省略時の文字セットの変更

PCL ファイルの省略時の文字セットは Roman-8 です。 Proprinter ファイルの省略時の文字セットはコード・セット 437,文字セット 1 です。省略時の文字セットを変更するには,次の手順に従ってください。

  1. PCL セットアップ・モジュール,Proprinter モジュール,PostScrpit モジュールのそれぞれについて 1 つの装置制御ライブラリを作成します。次のコマンドを使用してください。


    $ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PCL_LIB
    $ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PRO_LIB
    $ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PS_LIB
    

  2. 次のように,DCPS$STARTUP.COM を編集してこれらのライブラリを登録します。


        $ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM /NOLOG DCPS_LIB DCPS$DEVCTL, - 
           "PCL_LIB /DATA=PCL", - 
           "PRO_LIB /DATA=PRO", - 
           PS_LIB 
    


    PostScript 装置制御ライブラリ (PS_LIB) は検索リストの最後に登録されなければなりません。

  3. 次のセットアップ・モジュールを作成します。

  4. これらのモジュールを,次の例に示すように LIBRARY コマンドを使用して適当な装置制御ライブラリ内に置きます。


    $ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PCL_LIB DEF_CHAR_SET.PCL
     
    $ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PRO_LIB DEF_CHAR_SET.PRO
     
    $ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PS_LIB DEF_CHAR_SET.PS
     
    

  5. セットアップ・モジュールとして DEF_CHAR_SET を含むフォーム定義を作成します。次のように,このフォームをプリンタの実行キューに対応させることができます。


    $ DEFINE /FORM DEF_CHAR_SET form-number -   /SETUP=DEF_CHAR_SET /STOCK=DEFAULT
    


    キューに対するこの変更を永続的なものとするために, DCPS$STARTUP.COM ファイルの実行キュー定義にこのフォームを指定します。

7.8 セットアップ・モジュールを使用したプリンタ解像度の指定

次のセットアップ・モジュールを使用すると, PostScript レベル 2 プリンタの解像度を操作することができます。

表 7-1 プリンタ解像度のセットアップ・モジュール
セットアップ・モジュール 説明
RES_300X300 横 300 dpi,縦 300 dpi
RES_600X300 横 600 dpi,縦 300 dpi
RES_600X600 横 600 dpi,縦 600 dpi (省略時の設定)
RES_1200X600 横 1200 dpi,縦 600 dpi
RES_1200X1200 横 1200 dpi,縦 1200 dpi

注意

すべての解像度がすべてのプリンタでサポートされているわけではありません。指定した解像度での印刷ができないことをプリンタに通知させるには, PRINT コマンドに /NOTIFY スイッチを指定します。指定された解像度での印刷ができない場合は,プリンタはそれよりも低い解像度で印刷を行います。

7.9 セットアップ・モジュールを使用した DECimage パラメータの変更

次に示すセットアップ・モジュールは DECimage を起動したり, DECimage パラメータを変更するためのものです。次のように分類されています。

DECimage の有効化および無効化

次のセットアップ・モジュールは現在のパラメータ値はそのままの状態で, DECimage を on あるいは off に切り替えます。別の DECimage セットアップ・モジュールを使用している場合は,このモジュールを使用する必要はありません。 DECimage セットアップ・モジュールは,現在のプリント・ジョブに対して DECimage を自動的に起動します。

表 7-2 DECimage の有効化および無効化
セットアップ・モジュール 説明
DI_ON DECimage を ON に切り替えます
DI_OFF DECimage を OFF に切り替えます

複合パラメータ

次のセットアップ・モジュールは,2 つの DECimage パラメータを同時に調整します。

表 7-3 DECimage セットアップ・モジュール --- 複合パラメータ
セットアップ・モジュール 説明
DI_HICONTRAST Punch0 = 0.2, Punch1 = 0.8
DI_LOCONTRAST Punch0 = -.1, Punch1 = 1.1
DI_BRIGHTER Punch0 = -.2, Punch1 = 0.8
DI_DARKER Punch0 = 0.2, Punch1 = 1.2
DI_NORMAL Punch0 = 0, Punch1 = 1

個別パラメータ

次のセットアップ・モジュールのいずれかを指定した場合,特定のパラメータ以外のすべてのパラメータは,省略時の設定値あるいは別のセットアップ・モジュールで最後に修正された値のままの状態となります。このセットアップ・モジュールは順序に影響されません。したがって,PRINT コマンド行にどの順序で指定しても構いません。

表 7-4 DECimage セットアップ・モジュール --- 個別パラメータ
セットアップ・モジュール 説明
DI_PUNCH0_0 Punch0 = 0
DI_PUNCH0_0P1 Punch0 = 0.1
DI_PUNCH0_0P2 Punch0 = 0.2
DI_PUNCH0_M0P1 Punch0 = -.1
DI_PUNCH0_M0P2 Punch0 = -.2
DI_PUNCH1_1 Punch1 = 1
DI_PUNCH1_0P8 Punch1 = 0.8
DI_PUNCH1_0P9 Punch1 = 0.9
DI_PUNCH1_1P1 Punch1 = 1.1
DI_PUNCH1_1P2 Punch1 = 1.2
DI_SHARP_0P5 Sharpness = 0.5
DI_SHARP_1 Sharpness = 1.0
DI_SHARP_1P5 Sharpness = 1.5
DI_SHARP_2 Sharpness = 2.0
DI_SHARP_2P5 Sharpness = 2.5

DECimage セットアップ・モジュールの例

次の例では,鮮明度を増し,グレイ・レベルにシフトさせています。


$ PRINT /NOTIFY /QUEUE=queue-name /SETUP=(DI_SHARP_2,DI_DARKER) filename-name

7.10 フォント・カートリッジ・エミュレーションのアクセスの提供

DCPS ソフトウェアでは,物理的なフォント・カートリッジのエミュレーション機能が準備されています。 PRINTコマンドのFONTS_USEDパラメータを使用すれば,テキスト・ライブラリ・ファイルSYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLBから取り出すソフト・フォント・モジュールを 1 つあるいは複数指定することができます。

この機能は ANSI ファイルに対してのみ使用でき,弊社の ANSI プリンタに印刷するためにフォント・カートリッジを必要とする文書をサポートしています。これらのプリンタの場合と同様に,文書には適切なフォントを選択するエスケープ・シーケンスが含まれていなくてはなりません。

注意

DCPS ソフトウェア・プロダクトにはソフト・フォント・モジュールは含まれていません。 SoftFont キットは廃止されたため,弊社では提供しなくなりました。

1 つあるいは複数の省略時のソフト・フォント・モジュールをプリント・キューに対応付けることによって,パラメータを PRINT コマンド行に指定する必要がなくなります。たとえば,CGTRIUM24_ISO1をキューの省略時のソフト・フォント・モジュールとして設定するには, DCPS$STARTUP.COM に次の行を指定します。


FONTS_USED=CGTRIUM24_ISO1 

(実行キュー定義の p4 あるいはジェネリック・キュー定義の p3 にこの行を追加します。)

ユーザにとって便利なように,ソフト・フォント・モジュールを組み合わせて指定できますが,その場合には,より多くのディスク空間が必要となり,ロード時間も長くなります。たとえば,ユーザが3つのすべての DEC Multinational CG Times ソフト・フォント・モジュールをロードしなければならない場合には,次のコマンド・シーケンスを使用して新しいモジュールを作成します。


$ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES8-10-12_MCS
 
$ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES14-18_MCS
 
$ LIBRARY SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB/EXTRACT=CGTIMES24_MCS
 
$ COPY CGTIMES8-10-12_MCS.TXT,CGTIMES14-18_MCS.TXT,- CGTIMES24_MCS.TXT ALLCGTIMES_MCS.TXT
 
$ LIBRARY /INSERT SYS$LIBRARY:CPS$ANSI_FONTS.TLB ALLCGTIMES_MCS.TXT

このようにしておけば,ユーザはプリント・パラメータ FONTS_USED=ALLCGTIMES_MCS を使用して,新しいモジュールを指定することができます。


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