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OpenVMS の大きな利点は,ネットワーク構成と OpenVMS Cluster System 構成用のインターコネクトとプロトコルを幅広くサポートしていることです。この章では,シングル・システム用のストレージ・インターコネクトと,マルチホスト OpenVMS Cluster システム用の共用ストレージ・インターコネクトとしての Fibre Channel 用 OpenVMS Alpha サポートについて説明します。
この章の構成は,以下のとおりです。
Fibre Channel 構成のマルチパス・サポートについては, 第 6 章 を参照してください。
この章では,Fibre Channel インターコネクトを模式的に図示します。ノードとストレージ・サブシステムが接続されている部分は水平線で表します。物理的には, Fibre Channel インターコネクトは, 図 7-1 に示すように,スイッチから常に放射状に配線されます。 ストレージ・サブシステムにおける複数の SCSI ディスクと SCSI バスも簡略化されています。 1 つ以上の HSGx コントローラがホストに対する論理ユニットとしてサービスする複数のディスクと SCSI バスは,図では単独の論理ユニットとして表示されています。 この章では,表現を簡略化するために,HSG という語を使って HSG 60 と HSG 80 の両方を表しています。ただし, 表 7-2 のように, HSG 60 と HSG 80 の違いを強調する場合は例外です。このような場合は, HSG60 または HSG80 を使用しています。 |
Fibre Channel は,他のインターコネクトに比べさまざまな利点を備えた ANSI 標準ネットワークとストレージ・インターコネクトです。その主な特徴を 表 7-1 に示します。
特徴 | 説明 |
---|---|
高速伝送 | 毎秒 1.06 GB,全二重,シリアル・インターコネクト (毎秒 100 MB のデータを同時に送受信可能) |
媒体の選択 | OpenVMS は,光ファイバ媒体をサポートしています。 |
長距離インターコネクト | OpenVMS は,リンク当たり 500 m のマルチモード・ファイバとリンク当たり最大 100 km のシングルモード・ファイバをサポートしています。 |
複数のプロトコル | OpenVMS は,SCSI--3 をサポートしています。将来は IP,802.3,HIPPI,ATM,IPI その他をサポート予定。 |
各種トポロジ | OpenVMS は,スイッチ FC (高いスケーラビリティの複数同時通信) と複数のスイッチをサポートしています。将来的には,複合アービトレーション・ループとスイッチをサポート予定。 |
現在,OpenVMS 実装は,次のものをサポートしています。
図 7-1 はスイッチ・トポロジを論理的に表した図です。 FC ノードは,Alpha ホストかストレージ・サブシステムのどちらかです。ノードからスイッチまでの各リンクは,専用の FC 接続です。スイッチは,ノード・ペア間で保存/送信パケットの配信をします。非結合ノード・ペア間の同時通信はスイッチでサポートしています。
図 7_2 は,Fibre Channel スイッチ・トポロジの実体図を表しています。 図 7_2 は解りやすくするために簡素化しています。一般的な構成では 第 7.3.4 項 に示すように,可用性を高めるために Fiber Channel インターコネクトを多重化しています。
図 7-2 スイッチ・トポロジ (実体図)
7.2 Fibre Channel 構成のサポート
OpenVMS Alpha は, 表 7-2
にリストされている Fibre Channel デバイスをサポートしています。 Fibre Channel ハードウェア名の規則では,Fibre Channel 固有のハードウェアを G という文字で表します。他の Fibre Channel 機器による Fibre Channel 構成はサポートしていません。オペレーティング・システムとファームウェアの必要最小バージョンを確認するには,リリース・ノートを参照してください。
すべての OpenVMS Fibre Channel 構成で,実行している OpenVMS バージョン用の最新のアップデート・キットを使用することをお勧めします。
これらのキットのルート名は FIBRE_SCSI です。 FIBRE_SCSI は以前は FIBRECHAN と呼ばれていました。このキットは,次のウェブ・サイトから入手することができます。
http://www.compaq.com/support/ |
構成要素名 | 説明 |
---|---|
AlphaServer 800, 1 1000A, 2 1200,4000, 4100,8200,8400,DS10,DS20,DS20E,ES40,GS60,GS60E,GS80,GS140, GS160,および GS320 | Alpha ホスト |
HSG80 | Fibre Channel コントローラ・モジュール。2 つの Fiber Channel ホスト・ポートを装備。 6 つの SCSI ドライブ・バスをサポート。 |
HSG60 | Fibre Channel コントローラ・モジュール。2 つの Fibre Channel ホスト・ポートを装備。2 つの SCSI バスをサポート。 |
MDR | Fibre Channel Modular Data Router。SCSI テープまたは SCSI テープ・ライブラリへのブリッジです。MDR は,Fibre Channel スイッチに接続する必要があります。MDR は Alpha システムには直接接続できません。 |
KGPSA-BC,KGPSA-CA | OpenVMS Alpha PCI とマルチモード Fibre Channel とを接続するホスト・アダプタ |
DSGGA-AA または -AB および DSGGB-AA または -AB | 8 ポートまたは 16 ポート Fibre Channel スイッチ |
VLGBIC | 長距離 Gigabit インタフェース・コンバータ(GBIC)。シングル・モード光ファイバ・ケーブルを使った長距離構成で使用されます。 VLGBIC の注文番号は 169887-B21 です。 |
シングル・モード,光ファイバ・ケーブル | シングル・モードの光ファイバ・ケーブルは最大 100 Km まで使用できます。 |
BNGBX- nn | マルチモード光ファイバ・ケーブル ( nn はメートル単位の値) |
OpenVMS は,最新の『Compaq StorageWorks Heterogeneous Open SAN Design Reference Guide 』(AA-RMPNA-TE) および Data Replication Manager (DRM) のユーザ・マニュアルで説明されている Fibre Channel SAN 構成をサポートします。これには,以下のサポートが含まれています。
StorageWorks のマニュアルは StorageWorks のウェブ・サイトから入手できます。最初に製品を検索してから,マニュアルにアクセスできます。WWW アドレスは,次のとおりです。
http://www.compaq.com/storage |
StorageWorks のマニュアルで説明されている構成内では,OpenVMS は以下の機能と制限があります。
FC ファブリックが大きく,アクティブな接続の数が HSG の制限を越えている場合は,接続数を減らすために,ファブリックを再構成するか,FC スイッチ・ゾーニングを使用していくつかの HSG ポートからアダプタのいくつかを「隠す」必要があります。
HSG は,ホスト・バス・アダプタを切断しても,接続テーブルから接続情報を削除しません。このため,ユーザは CLI コマンドを使用して接続情報を明示的に削除し,テーブルが一杯にならないようにする必要があります。
この構成サポートは,このマニュアルの改訂時点で有効なものです。
すでに説明した構成に加え,OpenVMS は SANworks Data Replication Manager もサポートしています。これは長距離で Fibre Channel を使用するためのリモート・データ保管ソリューションです。詳細は,次の Compaq StorageWorks のウェブ・サイトを参照してください。
http://www.compaq.com/products/storageworks |
新しい Fibre Channel ハードウェアとより大規模な構成の取り込みは,継続的に行われています。新しいハードウェアとより大規模な構成を使用する場合は, OpenVMS の Fibre Channel サポートを拡張しなければならない場合があります。 OpenVMS のリリースとリリースの間での Fibre Channel ソフトウェアの拡張と修正は,修正キットを使って行うことができます。実行しているオペレーティング・システムのアップデートについては,Fibre Channel のウェブ・サイト ( http://www.openvms.compaq.com/openvms/fibre/) と弊社のサポートのウェブ・サイト ( http://www.compaq.com/support/) で,ご使用のOSバージョンに関する情報を参照されることをお勧めします。
各キットの最新バージョンは,常に弊社のサポートのウェブ・サイトにあります。
7.2.2 複合バージョンと複合アーキテクチャのクラスタ・サポート
共用 Fibre Channel OpenVMS Cluster ストレージは,複合バージョンと複合アーキテクチャの両 OpenVMS Cluster システムでサポートされています。この場合,以下の構成要件を適用します。
7.3
7.2-1H1
7.2-1
7.2---AlphaServer モデルに応じてDEC-AXPVMS-VMS72_HARDWARE-V0100 --4.PCSI 修正キットおよびコンソール・リビジョン 5.4 以上を使用 (リリース・ノートを参照)
7.2.3 Fibre Channel と Volume Shadowing for OpenVMS
Fibre Channel サポートが OpenVMS Alpha に導入され, Volume Shadowing for OpenVMS を使用した,直接接続の Fibre Channel ストレージのシャドウイングが利用できるようになりました。 OpenVMS Alpha バージョン 7.2-1 では,このサポートが Fibre Channel マルチパス・デバイスのシャドウイングにまで拡張されています。
7.2.4 Fibre Channel および OpenVMS Galaxy の構成
Fibre Channel は,すべての OpenVMS Galaxy 構成でサポートされています。 Galaxy 構成の詳細は,『Compaq OpenVMS Alpha パーティショニングおよび Galaxy ガイド』を参照してください。
7.3 構成例
この節では,Fibre Channel の構成例を示します。構成は,最初に示す最小の構成に,冗長構成要素を加えて,可用性,パフォーマンス,およびスケーラビリティのレベルを上げていく方法で,交互に構築していきます。
7.3.1 デュアル・ポート・ストレージを備えたシングル・ホスト
図 7-3 は,ストレージ・インターコネクトに Fibre Channel を使用したシングル・システムです。
図 7-3 1 つのデュアル・ポート・ストレージ・コントローラを備えたシングル・ホスト
この構成の以下の点に着目してください。
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