Compaq OpenVMS Alpha
オペレーティング・システム
パーティショニングおよび Galaxy ガイド


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3.3.6 システムに関する情報の取得

SYS$GETSYI システム・サービスは,RAD 情報を獲得するために使われる以下の項目コードを定義しています。

3.3.7 RAD_SUPPORT システム・パラメータ

RAD_SUPPORT システム・パラメータは,個々の RAD 関連の動作をカスタマイズするために定義されている多くのビットとフィールドを持っています。

3.4 RAD システム・サービスの要約の表

次の表は,OpenVMS Version 7.3 の RAD システム・サービスに関する情報を示しています。

詳細については,『OpenVMS System Services Reference Manual』を参照してください。

システム・サービス RAD 情報
$CREATE_GDZRO 引数: rad_mask
フラグ: SEC$M_RAD_HINT
エラー状態: SS$_BADRAD
$CREPRC 引数: home_rad
状態フラグ・ビット: stsflg
シンボリック名: PRC$M_HOME_RAD
エラー状態: SS$_BADRAD
$CRMPSC_GDZRO_64 引数: rad_mask
フラグ: SEC$M_RAD_MASK
エラー状態: SS$_BADRAD
$GETJPI 項目コード: JPI$_HOME_RAD
$GETSYI 項目コード: RAD_MAX_RADS, RAD_CPUS, RAD_MEMSIZE, RAD_SHMEMSIZE, GALAXY_SHMEMSIZE
$SET_PROCESS_PROPERTIESW 項目コード: PPROP$C_HOME_RAD

3.5 RAD DCL コマンドの要約の表

次の表は,OpenVMS RAD DCL コマンドを要約したものです。詳細については,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。

DCL コマンド/レキシカル RAD 情報
SET PROCESS 修飾子: /RAD=HOME= n
SHOW PROCESS 修飾子: /RAD
F$GETJPI 項目コード: HOME_RAD
F$GETSYI 項目コード: RAD_MAX_RADS, RAD_CPUS, RAD_MEMSIZE, RAD_SHMEMSIZE

3.6 System Dump Analyzer (SDA) の RAD サポート

以下に示す System Dump Analyzer (SDA) コマンドには RAD サポートが追加されています。

3.6.1 SHOW RAD

SDA コマンドの SHOW RAD は,以下の情報を表示します。

このコマンドは,RAD をサポートするハードウェア・プラットフォームでのみ有効です (AlphaServer GS160 システムなど)。デフォルトの設定では, SHOW RAD コマンドは RAD_SUPPORT システム・パラメータ・フィールドの設定を表示します。

形式:


SHOW RAD [number|/ALL] 

パラメータ:

number

指定された RAD の CPU とメモリに関する情報を表示します。

修飾子:

/ALL

RAD_SUPPORT パラメータ・フィールドの設定とすべての CPU/メモリ割り当てを表示します。

3.6.2 SHOW RAD の例

例 1 は,RAD_SUPPORT システム・パラメータ・フィールドの設定を示しています。


1.  SDA> SHOW RAD 
 
    Resource Affinity Domains 
    ------------------------- 
 
    RAD information header address: FFFFFFFF.82C2F940 
    Maximum RAD count:                       00000008 
    RAD containing SYS$BASE_IMAGE:           00000000 
    RAD support flags:                       0000000F 
 
    3         2 2         1 1 
    1         4 3         6 5         8 7         0 
    +-----------+-----------+-----------+-----------+ 
    |..|..| skip|ss|gg|ww|pp|..|..|..|..|..|fs|cr|ae| 
    +-----------+-----------+-----------+-----------+ 
    |..|..|    0| 0| 0| 0| 0|..|..|..|..|..|00|11|11| 
    +-----------+-----------+-----------+-----------+ 
 
    Bit 0 = 1:          RAD support is enabled 
 
    Bit 1 = 1:          Soft RAD affinity support is enabled 
                        (Default scheduler skip count of 16 attempts) 
 
    Bit 2 = 1:          System-space replication support is enabled 
 
    Bit 3 = 1:          Copy on soft fault is enabled 
 
    Bit 4 = 0:          Default RAD-based page allocation in use 
 
                        Allocation Type               RAD choice 
                        ---------------               ---------- 
                        Process-private pagefault     Home 
                        Process creation or inswap    Random 
                        Global pagefault              Random 
                        System-space page allocation  Current 
 
    Bit 5 = 0:          RAD debug feature is disabled) 
 
 

例 2 は,RAD 2 の CPU とメモリに関する情報を示しています。


2.  SDA> SHOW RAD 2 
 
 
    Resource Affinity Domain 0002 
    ----------------------------- 
 
    CPU sets: 
 
      Active      08 09 10 11 
      Configure   08 09 10 11 
      Potential   08 09 10 11 
 
 
    PFN ranges: 
 
      Start PFN   End PFN     PFN count   Flags 
      ---------   --------    ---------   ----- 
      01000000    0101FFFF    00020000    000A  OpenVMS Base 
      01020000    0103FFFF    00020000    0010  Galaxy_Shared 
 
    SYSPTBR:      01003C00) 
 

3.6.3 SHOW RMD (予約済みメモリ記述子)

SDA コマンドの SHOW RMD は,予約済みメモリの割り当て元の RAD を示すように拡張されています。予約済みメモリの割り当て時に RAD が指定されていなかった場合,SDA は ANY と表示します。

3.6.4 SHOW PFD

SDA コマンドの SHOW PFD には /RAD 修飾子が追加されています。これは既存の /COLOR 修飾子に似ています。

3.6.5 RAD のハード・アフィニティのサポート


$ SET PROCESS /AFFINITY /PERMANENT /SET=a,b,c,d,... 

RAD をサポートしているシステムでは,1 つのプロセスに対するアフィニティを設定する CPU のセットは同じ RAD 内に存在していなければなりません。たとえば,RAD 0 に CPU 0,1,2,3 があり,RAD 1 に CPU 4,5,6,7 がある AlphaServer GS160 では, SET=2,3,4,5 は良い設定ではありません 。全体の半分が,ホーム RAD の外で実行されることになるからです。


第 4 章
AlphaServer GS140/GS60/GS60E システムでの OpenVMS Galaxy の構築

OpenVMS Alpha バージョン 7.3 では,AlphaServer GS60,GS60E システムおよび GS140 システムで OpenVMS Galaxy 構成がサポートされます。AlphaServer GS140 システムでは OpenVMS の 3 つのインスタンスを実行でき,AlphaServer GS60/GS60E システムでは 2 つのインスタンスを実行できます。

AlphaServer GS60,GS60E および GS140 システムで OpenVMS Galaxy 環境を構築するには,次の場所から V5.4-xx コンソール・ファームウェアの最新のバージョンをダウンロードする必要があります。


http://ftp.digital.com/pub/DEC/Alpha/firmware/ 

このファームウェアがあると,次の操作が可能です。


第 5 章
AlphaServer 8400 システムでの OpenVMS Galaxy の構築

この章では,AlphaServer 8400 で OpenVMS Galaxy コンピューティング環境を構築する方法について説明します。

5.1 ステップ 1: 構成の選択とハードウェア要件の判断

AlphaServer 8400 Galaxy 構成の概要

次の目的で使用される 9 つのスロット:

I/O モジュール (KFTIA タイプまたは KFTHA タイプ)
メモリ・モジュール
プロセッサ・モジュール (モジュールごとに 2 つの CPU)

各パーティションのコンソール・ライン:

最初のパーティション用の標準 UART
各追加パーティション用の KFE72-DA

ルール:

各パーティションに I/O モジュールが 1 つ必要です。
I/O モジュールは最大 3 つまで認められます。
各パーティションに少なくとも 1 つの CPU モジュールが必要です。

構成例 1

2 つのパーティション,8 つの CPU,12 GB のメモリ

9 つのスロットは次のように割り当てられます。
2 つの I/O モジュール
4 つのプロセッサ・モジュール (それぞれ 2 つのCPU)
3 つのメモリ・モジュール (各 4GB)

構成例 2

3 つのパーティション,8 つの CPU,8 GB のメモリ

9 つのスロットは次のように割り当てられます。
3 つの I/O モジュール
4 つのプロセッサ・モジュール (それぞれ 2 つの CPU)
2 つのメモリ・モジュール (各 4GB)

5.2 ステップ 2: ハードウェアの設定

構成に必要なハードウェアを入手した後,この節の手順に従ってハードウェアを組み立てます。

5.2.1 KFE72-DA コンソール・サブシステム・ハードウェアの概要

AlphaServer 8400 では,標準のビルト・イン UART が提供されます。これはプライマリ Galaxy インスタンスのコンソール・ラインとして使用されます。追加の各インスタンスのコンソールでは,KFE72-DA コンソール・サブシステムが必要であり,これは追加コンソール・ポートを設定する EISA-bus モジュールの集合です。

AlphaServer 8400 は最大 3 つの I/O モジュールをサポートします。3 つより多くのモジュールを構成することはできません。

各 KFE72-DA サブシステムは別々の DWLPB カード・ケージに取り付け,それを接続するホースを KFTIA または KFTHA タイプの別のI/O モジュールに取り付けます。

最初にスロット 8 から順に,すべての KFTIA I/O モジュールを取り付ける必要があります。。KFTHA I/O モジュールは KFTIA モジュールの後に取り付けなければならず,番号の小さいスロットから順に取り付けます。

このスロット割り当てルールに従っていれば,これらの 2 つの I/O モジュールを任意の組み合わせで使用できます。

コンソール・サブシステムを構成する場合は,I/O モジュールと DWLPB カード・ケージを接続する I/O ホースを一番下のホース・ポートに接続しなければなりません。単に一番下の 使用可能な ホース・ポートではなく,絶対的な場所が最初のホース・ポートです。つまり,モジュールの一番上に最も近いポートです。

KFE72-DA には 3 つの EISA モジュールがあり,次のポートを提供します。

5.2.2 KFE72-DA モジュールの取り付け

インスタンス 0 の後の OpenVMS オペレーティング・システムの各インスタンスに対して,PCI カード・ケージに次の 3 つのモジュールを取り付けなければなりません。

これらのモジュールを取り付けるには, 第 5.2.2.1 項第 5.2.2.3 項 の手順を行ってください。これらの手順は,『KFE72 Installation Guide 』の第 5 章の KFE72-DA モジュールの取り付け手順を補足するものです。

5.2.2.1 PCI カードをケージから取り出す

KFE72 Installation Guide』の 第 5.2.1 項の手順を行います

5.2.2.2 モジュールを挿入し,リボン・ケーブルを接続する

注意

PCI モジュールを取り付ける場合,オプションのバルクヘッドが PCI カード・ケージの EMI ガスケットと対応することを確認してください。

KFE72-DA モジュールは DWLPB カード・ケージのスロット 0,1,2 に取り付けなければなりません。

モジュールを PCI カード・ケージに挿入し,適切なリボン・ケーブルを接続するには, 図 5-1 を参照し,次の操作を行います。

図 5-1 リボン・ケーブルの接続


  1. 標準 I/O モジュール (B2110-AA) をスロット 0 に挿入します。モジュールをカード・ケージにネジで固定します。

  2. 60 ピン・リボン・ケーブル (17-04116-01) をシリアル・ポート・モジュール (54-25082-01) のコネクタ J1 と J2 に接続します。

  3. シリアル・ポート・モジュール (54-25082-01) をスロット 1 に挿入します。モジュールをカード・ケージにネジで固定します。

  4. 60 ピン・リボン・ケーブル (17-04116-01) をコネクタ J1 のシリアル・ポート・モジュールから標準 I/O モジュールに接続します。

  5. コネクタ・モジュールをスロット 2 に挿入します。

  6. 34 ピン・リボン・ケーブル (17-04115-01) をスロット 0 の標準 I/O モジュール (B2110-AA) とスロット 2 のコネクタ・モジュール (54-25133-01) の間で接続します。

  7. 60 ピン・リボン・ケーブル (17-04116-01) をコネクタ J2 のシリアル・ポート・モジュールからコネクタ・モジュールに接続します。

5.2.2.3 コネクタの接続

コンソール・ターミナルと追加装置を接続するには, 図 5-2 を参照し,コンソール・シリアル・ライン (H8571-J コネクタ) をCOM1 に接続します。

シリアル・ポート・モジュールの番号 1 と番号 2 の間の 2 つの矢印は,シリアル・ポートに対する業界標準記号であり,ポート番号を示しているわけではありません。

図 5-2 コネクタ


5.2.3 シェルフをシステムに取り付ける

カード・ケージを取り付けるには,『KFE72 Installation Guide』の第 5.2.3 項の手順のステップ 2〜9 を実行します。

5.2.4 ターミナル・サーバの使用

ターミナル・サーバを使用してコンソール・ラインをまとめなければならないことがあります。たとえば,DECserver200 を使用すると,ネットワーク上の各コンソールに逆方向 LAT アクセスすることができます。この操作がそれほど必要でない場合は,OpenVMS Galaxy 構成の管理を大幅に簡単にできます。 LAT サーバや他のターミナル・コンセントレータの構成の詳細については,該当する製品のマニュアルを参照してください。

5.2.5 EISA 装置の取り付け

プラグイン EISA 装置はパーティション 0 でのみ構成できます。EISA 装置を取り付けた後,EISA Configuration Utility (ECU) を実行するように要求するメッセージがコンソールから出力されます。

次のように行って ECU を実行します。

  1. すべての OpenVMS Galaxy インスタンスをシャットダウンします。

  2. フロッピー・ディスク・ドライブがプライマリ・パーティション・ハードウェアに正しく接続されているかどうか確認します。通常,ドライブは PCI スロット 2 のコネクタ・モジュール ("Beeper" 部品番号 54-25133-01) にケーブル接続することができます。

  3. ECU イメージを格納したフロッピーを挿入します。

  4. プライマリ・コンソールから次のコマンドを実行します。


    P00>>> SET ARC_ENABLE ON 
    P00>>> INITIALIZE 
    P00>>> RUN ECU 
    

  5. ECU から要求される手順を実行します。

  6. P00>>> boot

  7. $ @SYS$SYSTEM:SHUTDOWN

  8. P00>>> SET ARC_ENABLE OFF

  9. P00>>> INITIALIZE

  10. P00>>> LPINIT

  11. OpenVMS Galaxy を再ブートします。

ECU には 2 つのバージョンがあり,1 つはグラフィックス端末で実行され,もう 1 つはキャラクタ・セル端末で実行されます。どちらのバージョンもフロッピーに格納されており,コンソールはどちらのバージョンを実行するかを判断します。OpenVMS Galaxy システムの場合,プライマリ・コンソールは常にキャラクタ・セル端末を装備したシリアル装置です。

ECU を実行しないと,OpenVMS は次のメッセージを表示します。


        %SYSTEM-I-NOCONFIGDATA, IRQ Configuration data for EISA 
   slot xxx was not found, please run the ECU and reboot. 

このメッセージを無視すると,システムはブートされますが,プラグイン EISA 装置は無視されます。

これまでの説明に従って OpenVMS Galaxy ハードウェアを構成し,設定した後,次の手順を実行して OpenVMS Galaxy インスタンスをインストールし,ブートします。


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