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ハイパーアプリケーション機能を使用すると,DECwindowsアプリケーションによって格納/ アクセスできる情報をリンクすることができます。 ハイパーアプリケーションとは,オンライン・ブックの読み込みなどの通常の機能に加えて, 情報をリンクしたりリンクを追跡したりできるアプリケーションのことです。 メニュー・バーに「リンク」メニューがあれば, そのアプリケーションはハイパーアプリケーションであるといえます。
この章では,次に示すような,基本的なハイパーアプリケーションの概念と手法を紹介します。
DECwindowsの電子メールを使用して電子メッセージを送受信し, DECwindowsカレンダを使用して予定を追跡する場合を考えてみましょう。
2週間後のミーティングに開催に関する電子メールのメッセージを受信したとします。 メッセージには,詳しい議事日程と話し手についての情報が示されています。 カレンダの対応する時間帯にミーティングの予定を登録します。 予定を識別するために,"プロジェクト・レビュー・ミーティング" とだけ入力します。そして,このミーティングの内容を後で思い出せるように, 次のことを行います。
後で,ミーティング当日のカレンダの予定を見ると,予定の時間帯に情報リンクの存在を示すマーク(電球形アイコン)が表示されます。 リンクを調べるには, 次のようにします。
電子メールが自動的に起動され,リンクされた情報が表示されます。リンクされている情報が電子メールのメッセージであることを覚えておく必要はありません。
ハイパーアプリケーションの情報は,同じハイパーアプリケーションまたは別のハイパーアプリケーションの情報にリンクできます。 たとえば,カレンダのセミナーの予定を, そのセミナーで議論される資料が入っているブックリーダのトピック(章)にリンクできます。 また,ブックリーダのあるトピックを同じマニュアルまたは別のマニュアルの中の関連トピックにリンクできます。 リンクする個々の情報をハイパーアプリケーション・ オブジェクトと呼びます。
それぞれのハイパーアプリケーションは,どのオブジェクトがハイパーアプリケーション・ オブジェクトなのかを判別します。たとえば,カード管理のカードはハイパーアプリケーション・ オブジェクトですが,カード内の各語はハイパーアプリケーション・ オブジェクトではありません。特定のハイパーアプリケーションのハイパーアプリケーション・ オブジェクトに関しては, 該当するアプリケーションのヘルプを参照してください。
それぞれのリンクは,2つのハイパーアプリケーション・オブジェクトに関連しています。 この2つのオブジェクトのうちの1つがリンクのソース となり,もう1つがターゲットとなります。
各リンクで,どのオブジェクトがソースで,どのオブジェクトがターゲットであるかは問題ではありません。
リンクする一対のオブジェクトごとに,「リンク開始」で選択したオブジェクトがソースとなり, 「リンク完了」で選択したオブジェクトがターゲットとなります。
リンクを作成するには,次のようにします。
既存リンクの一方(ソースまたはターゲット)を選択してある場合は, リンクを追跡すれば,他方の情報を調べることができます。ただし,最初に, リンクされているオブジェクトとそうでないオブジェクトを区別しておかなくてはなりません。 リンクされているオブジェクトは,強調表示を有効にしてあれば, 強調表示されます。強調表示に関しては,第5.5節を参照してください。
強調表示の方法は,アプリケーションごとに異なります。ハイパーアプリケーションで, リンクされたオブジェクトがどのように強調表示されるかについては, そのアプリケーションのヘルプを参照してください。
オブジェクトを選択して,そのオブジェクトに何がリンクされているかを調べるには, 次のいずれかのオプションを選択します。
「訪問」は,該当するハイパーアプリケーションを起動してリンクされた情報を表示しますが, 現在のハイパーアプリケーションのウィンドウはオープンされたままであり, このウィンドウは入力フォーカスになったままです。
「移動」は,現在のハイパーアプリケーションのウィンドウをアイコン化してから, 該当するハイパーアプリケーションを起動してリンクされた情報を表示します。
ハイパーアプリケーション・オブジェクトがリンクされている情報に訪問したり, 移動したりするには,次のようにします。
どのオブジェクトがリンクされていて,どのオブジェクトがリンクされていないかがわからない場合は, 強調表示を有効にする(第5.5節を参照)。
選択されたオブジェクトがどちらか一方のリンクにしか(ソースまたはターゲットとして)関連しない場合は, すぐに「訪問」または「移動」操作が実行される。
選択されたオブジェクトが複数のリンクに関連する場合は,「リンク」ダイアログ・ ボックスが表示されて,選択できるリンクの一覧が表示される。 図 5-2に「リンク」ダイアログ・ ボックスを示す。
リンクを追跡するには,「リンク」ダイアログ・ボックスを使用して次のようにします。
リンク情報の表示内容を更新するには,「更新」をクリックします。 この選択項目は,ダイアログ・ボックスを表示した後でリンクを作成したり変更したりした場合に役立ちます。
リンクについての情報を示すダイアログ・ボックスを表示するには, 「リンク表示...」をクリックします。この情報は編集することができます。
選択したリンクを削除するには,「削除」をクリックします。このとき, オブジェクトは削除されるわけではなく,該当するオブジェクトがリンクのソースまたはターゲットではなくなるだけです。
リンクを追跡しないでダイアログ・ボックスを終了するには,「取消」をクリックします。
最も最近に行った「訪問」または「移動」操作の効果を反転させるには, 「戻る」メニュー項目を使用します。「戻る」操作は,実際のリンクに影響を及ぼしますが, 削除はしません。
リンクされたオブジェクトの強調表示は,ハイパーアプリケーションごとに有効にしたり無効にしたりできます。 つまり,オブジェクトがリンクされているという事実を表示することもできますし, 表示しないようにすることもできます。
強調表示を有効にしたり無効にしたりするには,「強調表示あり/なし」メニュー項目を使用します。 この項目の意味は,現在の状態によって決まります。 強調表示が有効な場合(初期の省略時の設定)には「強調表示なし」を意味し, 強調表示が無効の場合は「強調表示あり」を意味します。