HP OpenVMS DCL ディクショナリ
コマンド,またはプログラムの入力ストリームの先頭を示します。
形式
DECK
説明
DECK コマンドは,コマンドまたはプログラムの入力になるデータに印を付けます。 DECK コマンドを使用できるのは,入力データが必要なコマンドまたはプログラムを実行する要求の後だけです。
コマンド・プロシージャでは,入力ストリーム内の任意のデータ・レコードの空白でない最初の文字がドル記号の場合,このコマンドが必要です。また,コマンド・プロシージャでは, DECK コマンドの前にドル記号を付けなければなりません。ドル記号は,入力レコードの最初の文字位置 ( カラム 1) になければなりません。
DECK コマンドは,単一データ・ストリームに対してだけファイルの終端 (EOF) 指示子を定義します。DECK コマンドを使用すると,ドル記号で始まるデータ・レコードを入力ストリームに入れることができます。入力ストリームに 1 つまたは複数のデータの集合を入れるには, DECK コマンドの後にそれぞれをEOF指示子で終了させたデータの集合を続けます。
/DOLLARS 修飾子で指定した EOF 指示子が検出されると, EOF 指示子は省略時の設定,つまりドル記号で始まるレコードに再設定されます。現在のコマンド・レベルの実際の EOF 指示子が検出された場合も,省略時の設定が再設定されます。
修飾子
/DOLLARS[=文字列]指定の 1 〜 15 文字の文字列をファイル終端 (EOF) 指示子として設定します。入力データ中に $EOD という文字列で始まるレコードが 1 つ以上含まれている場合には,文字列を指定しなければなりません。文字列に小文字や空白,あるいはタブが含まれる場合には,引用符 (" ") で囲みます。 /DOLLARS 修飾子を指定しない場合や,文字列を指定せずに /DOLLARS 修飾子を指定する場合には,ファイルの終端 (EOF) を示すために EOD コマンドを使用しなければなりません。
| 注意
EOD あるいはファイル指示子としてドル記号は使用できません。
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例
この例の Fortran および LINK コマンドは,プログラム A をコンパイルしリンクします。プログラム A が実行されると,論理装置 SYS$INPUT からプログラム A が読み込んだすべてのデータは,コマンド・ストリームから読み込まれたデータです。DECK コマンドは,入力ストリームのレコードの最初の文字位置 ( カラム 1) にドル記号を入れられることを示しています。 EOD コマンドは,データの終端 (end-of-file) を示します。
この例の CREATE コマンドは,入力ストリームに入力された行からコマンド・プロシージャ・ファイル TEST.COM を作成します。 DECL/DOLLARS コマンドは,パーセント記号 (%) が CREATE コマンドの EOF 指示子であることを示しています。これにより文字列 $EOD は入力レコードとして読み込まれ, RUN コマンドに対する入力の終わりを示します。
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