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F$PID

プロセス識別番号 (PID) を戻し,システムのプロセス・リストで現在の位置を指すようコンテキスト・シンボルを変更します。

形式

F$PID (コンテキスト・シンボル)

戻り値


システムのプロセス・リストの中の,あるプロセスのプロセス識別番号(PID)を示す文字列。

引数



コンテキスト・シンボル

システムのプロセス・リストを示すポインタを格納するために, DCL が使用するシンボルを指定します。 F$PID 関数は,このポインタを使用して PID を戻します。

シンボルを使用して,コンテキスト・シンボルを指定します。コマンド・プロシージャ内で最初に F$PID 関数を使用する時は,シンボルは未定義のシンボル,空文字列 ("") が割り当てられたシンボル,または F$CONTEXT 関数で設定されたコンテキスト・シンボルを使用します。

コンテキスト・シンボルが未定義または空文字列が割り当てられた場合は, F$PID 関数は,システムのプロセス・リスト中で,アクセス特権を持つ最初の PID を戻します。つまり,ユーザが GROUP 特権を持ち,コテキスト・シンボルが未定義または空文字列が割り当てられた場合は, F$PID 関数は,ユーザのグループで最初のプロセスの PID を戻します。ユーザが WORLD 特権を持っている場合は,F$PID 関数は,リストで最初のプロセスの PID を戻します。ユーザが GROUP 特権も WORLD 特権もない場合は,F$PID 関数は,該当ユーザが所有している最初のプロセスの PID を戻します。後続の F$PID 呼び出しは,ユーザがアクセスしているシステム上の他のプロセスを戻します。

コンテキスト・シンボルが F$CONTEXT 関数により設定されている場合, F$PID 関数は,F$CONTEXT 呼び出しで指定した選択基準に一致する,システムのプロセス・リストで最初のプロセスを戻します。後続の F$PID 呼び出しは,F$CONTEXT 関数により設定された選択基準に一致し,ユーザの現在の特権でアクセスできるプロセスの PID だけを戻します。


説明

F$PID 関数は,プロセス識別番号 (PID) を戻し,システムのプロセス・リストでの現在の位置を指すようコンテキスト・シンボルを変更します。システム上のすべてのプロセスを使用することもできますし, F$CONTEXT 関数を使用して選択基準を指定することもできます。 F$CONTEXT 関数は必須ではありません。

F$PID が戻すプロセス識別番号 (PID) は,ユーザのプロセスが持つ特権に応じて異なります。ユーザのプロセスが GROUP 特権を持っている場合は,グループ内のプロセスの PID が戻されます。ユーザのプロセスが WORLD 特権を持っている場合は,システム上のすべてのプロセスの PID が戻されます。いずれの特権も持たない場合は,該当ユーザが所有しているプロセスの PID だけが戻されます。

F$CONTEXT 関数は F$PID 関数が複合アーキテクチャ OpenVMS Cluster システムのどのノードからもプロセスを検索できるようにします。

最初に F$PID を使用するときには,未定義なシンボル,空文字列が割り当てられたシンボル,または F$CONTEXT で作成したコンテキスト・シンボルを指定してください。これにより F$PID 関数は,ユーザがアクセス権を没,システムのプロセス・リストで最初の PID を戻します。また,F$PID 関数は コンテキスト・シンボル 引数を初期化します。

一度 コンテキスト・シンボル 引数が初期化されると,後続の F$PID は,F$CONTEXT で設定した選択基準を使用して順々に PID を戻します。そして,コンテキスト・シンボルがあれば,これを更新します。次に取り出す PID が無くなると, 空文字列が戻されます。プロセシ・リストの最後の PID を戻した後は, F$PID 関数は空文字列を戻します。


#1
$ CONTEXT = "" 
$ START: 
$     PID = F$PID(CONTEXT) 
$     IF PID .EQS. "" THEN EXIT 
$     SHOW SYMBOL PID 
$     GOTO START 

このコマンド・プロシージャは,F$PID 関数を使用して, PID のリストを表示しています。割り当てステートメントは,CONTEXT というシンボルを宣言しています。このシンボルは, F$PID 関数に対する コンテキスト・シンボル引数として使用されます。 CONTEXT には空文字列が割り当てられているので, F$PID 関数は,アクセス権がある,プロセス・リストで最初の PID を戻します。

このコマンド・プロシージャで表示される PID は,プロセスの持つ特権に応じて異なります。 GROUP 特権を持つ場合には,グループに含まれるユーザの PID が表示されます。 WORLD 特権を持つ場合には,システムのすべてのユーザの PID が表示されます。 GROUP 特権も WORLD 特権も持たない場合には,該当ユーザが所有しているプロセスの PID だけが表示されます。


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