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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
RENAME |
既存のディスク・ファイルまたはディスク・ディレクトリの,ファイル指定のすべてまたは一部を変更します。
RENAME 旧ファイル指定[,...] 新ファイル指定
旧ファイル指定[,...]
ファイル指定を変更する,1 つまたは複数のファイルの名前を指定します。ワイルドカード文字 (アスタリスク (*) とパーセント記号 (%)) は,ファイル指定のディレクトリ指定,ファイル名,ファイル・タイプ,またはバージョン番号のそれぞれのフィールドで使用できます。ワイルドカード文字を使用すると,ワイルドカード・フィールドを満たすファイル指定を持つ,すべてのファイルの名前を変更できます。旧ファイル指定がシンボリック・リンクの場合,シンボリック・リンク自体の名前が変更されます。新ファイル指定がシンボリック・リンクの場合は,操作が失敗します。新ファイル指定
旧ファイルに対する新しいファイル指定を指定します。 RENAME コマンドは,新ファイル指定の中に装置,ディレクトリ,ファイル名,ファイル・タイプの各フィールドが指定されていない場合や,それらがワイルドカードによって指定されている場合には,旧ファイル指定の対応する各フィールドを使用します。旧フイル指定と新ファイル指定の対応するフィールドにワイルドカード文字が指定されている場合には,複数のファイルの名前に対して変更操作が実行されます。RENAME コマンドでは,次に示されている規則に従って,新ファイル・バージョン番号を決定します。
- 新ファイル指定にバージョン番号が含まれている場合には, RENAME コマンドはそのバージョン番号を使用します。
- 新ファイル指定のバージョン番号フィールドにワイルドカードが含まれている場合には,RENAME コマンドは,対応する旧ファイルのバージョン番号を使用します。
- 旧ファイル指定のバージョン番号フィールドにワイルドカードが含まれている場合には,RENAME コマンドは,各旧ファイルのバージョン番号を新ファイルに対して使用します。
- 新ファイルに指定したものと同じファイル名とファイル・タイプを持つファイルが現在存在しない場合には, RENAME コマンドは,新しいファイルに1というバージョン番号を与えます。
- 新ファイルに対して指定したものと同じファイル名とファイル・タイプを持つファイルが存在する場合には, RENAME コマンドは /NONEW_VERSION 修飾子が指定されている場合を除き,既存の最大バージョンより 1 だけ大きなバージョン番号を,新ファイルに与えます。
RENAME コマンドは,ディレクトリ名,ファイル名,ファイル・タイプ,またはファイルのバージョン番号を変更します。旧ファイル指定のノードとディスクの指定は,新ファイル指定のノードとディスクの指定と同じでなければなりません。また,ファイル名を変更するには,ファイルに対する削除 (D) アクセス権が必要です。ネットワーク経由でファイル名を変更することはできません。
/BACKUP
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,最新のバックアップの日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/CREATED,/EXPIRED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/BEFORE[=時刻]
指定された時刻以前の時刻属性を持つファイルを選択します。絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定します。また,BOOT,LOGIN,TODAY (省略時の設定),TOMORROW,および YESTERDAY というキーワードも指定できます。適用する時刻属性は,/BACKUP,/CREATED (省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED 修飾子のいずれかで指定します。時刻指定の詳細,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプのトピック Date を参照してください。
/BY_OWNER[=利用者識別コード]
ファイル所有者の利用者識別コード (UIC) が,指定した UIC と一致する場合にだけ, 1 つまたは複数のファイルを選択します。 /BY_OWNER 修飾子だけを指定し UIC を省略した場合には,現在のプロセスの UIC が,省略時の値として使用されます。UIC は,『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』に説明されている,標準的な UIC 形式を使用して指定します。
/CONFIRM
/NOCONFIRM (省略時の設定)
そのファイルに対する RENAME 操作の実行を確認するために,各ファイルに対する操作の前に,プロンプトを表示するかどうかを指定します。システムがプロンプトを表示したら,次のいずれかの応答を入力します。
YES NO QUIT TRUE FALSE Ctrl/Z 1 0 ALL [Return]
単語による応答の場合には,大文字と小文字を任意に組み合わせることができます。この応答は,1 文字または数文字に短縮できます ( たとえば,TRUE は T,TR,または TUR に省略できます )。ただし,短縮しても一意でなければなりません。肯定応答は,YES,TRUE,1 です。否定応答は,NO,FALSE,0,Return です。QUIT あるいは CTRL/Z は,その時点で,コマンドの処理を停止するということを示します。 ALL を応答する場合には,コマンドの処理は継続されますが,その後プロンプトは表示されなくなります。上記に表示されていない応答を入力した場合には, DCL はエラー・メッセージを発行し,同じプロンプトがもう一度表示されます。
/CREATED (省略時の設定)
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,作成日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/EXPIRED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/EXCLUDE=(ファイル指定[,...])
指定するファイル指定 (1 つまたは複数 ) と一致するファイルを, RENAME 操作から除外することを指定します。ファイル指定にはディレクトリ指定を含むことができますが,装置名を含むことはできません。ファイル指定には,ワイルドカード文字 ( アスタリスク (*) とパーセント記号 (%)) を使用できます。しかし,特定のバージョンを除外するために,相対バージョン番号を指定することはできません。ファイルを 1 つしか指定しない場合には,括弧を省略できます。/EXPIRED
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,満了日時をもとにファイルを選択します ( 満了日は,SET FILE/EXPIRATION_DATE コマンドで設定します )。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/CREATED,および /MODIFIED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/INHERIT_SECURITY
/NOINHERIT_SECURITY (省略時の設定)
ファイル指定を変更するファイルの機密保護プロファイル (UIC,保護コード,ACL) を変更するかどうかを指定します。/INHERIT_SECURITY を指定すると,新しい名前でファイルを作成した場合と同じになります。詳細は『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』またはオンライン・ヘルプ (Hints トピック) を参照してください。/LOG
/NOLOG (省略時の設定)
ファイル指定を変更した後,各ファイルのファイル指定を RENAME コマンドが表示するかどうかを制御します。/MODIFIED
/BEFORE または /SINCE 修飾子を適用する時刻属性を指定します。この修飾子を指定すると,最新の変更日時をもとにファイルを選択します。この修飾子は他の時刻属性を指定する修飾子,/BACKUP,/CREATED,および /EXPIRED 修飾子とは同時に指定できません。これら 4 つの修飾子のいずれも指定しない場合には,省略時の設定として /CREATED 修飾子が使用されます。/NEW_VERSION (省略時の設定)
/NONEW_VERSION
同じファイル名と同じファイル・タイプを持つファイルが,すでに存在するときに, RENAME コマンドが,出力ファイルに新しいバージョン番号を自動的に割り当てるかどうかを制御します。/NEW_VERSION 修飾子は省略時の値であり,同じファイル名と同じファイル・タイプを持つファイルが存在する場合には, RENAME コマンドは,新しいファイルに,新しいバージョン番号を割り当てます。 /NONEW_VERSION 修飾子を指定しているときに,出力ファイルと同じファイル名およびファイル・タイプを持つファイルが,ディレクトリに存在する場合には,システムはエラー・メッセージを表示します。/SINCE[=時刻]
指定された時刻以降の時刻属性を持つファイルを選択します。絶対時刻,または絶対時刻とデルタ時間の組み合わせを指定します。また,BOOT,JOB_LOGIN,LOGIN,TODAY (省略時の設定),TOMORROW,および YESTERDAY というキーワードも指定できます。適用する時刻属性は,/BACKUP,/CREATED (省略時の設定),/EXPIRED,または /MODIFIED 修飾子のいずれかで指定します。時刻指定の詳細は,『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』,またはオンライン・ヘルプのトピック Date を参照してください。
/STYLE=キーワード
表示するファイル名の書式を指定します。この修飾子のキーワードは CONDENSED および EXPANDED です。意味は次の表のとおりです。
キーワード 説明 CONDENSED
(省略時の設定)ファイル名を 255 文字長の文字列に適合するように表示します。このファイル名の場合,ファイル指定に DID あるいは FID 短縮形を含むことが可能です。 EXPANDED ファイル名をディスクに格納されているとおりに表示します。このファイル名の場合,ファイル指定に DID あるいは FID 短縮形は含みません。
キーワード CONDENSED と EXPANDED を同時に指定することはできません。この修飾子は,確認が要求された場合に,出力メッセージに表示されるファイル名の書式を指定します。
EXPANDED キーワードが指定されていない場合,ファイル・エラーは CONDENSED ファイル指定で表示されます。
詳細は『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』を参照してください。
/SYMLINK=キーワード
この修飾子に対して有効なキーワードは,[NO]WILDCARD および [NO]ELLIPSIS です。これらのキーワードの説明は以下のとおりです。
キーワード 説明 WILDCARD ディレクトリのワイルドカード検索時にシンボリック・リンクが有効になることを指定します。 NOWILDCARD ディレクトリのワイルドカード検索時にシンボリック・リンクが無効になることを指定します。 ELLIPSIS WILDCARD と同じ。 NNOELLIPSIS 反復記号を除き,ワイルドカード・フィールドでシンボリック・リンクが一致することを指定します。
RENAME コマンドで指定したファイルがシンボリック・リンクの場合,そのシンボリック・リンク自体に対してコマンドが実行されます。
#1 |
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$ RENAME AVERAGE.OBJ OLDAVERAGE |
この RENAME コマンドは,AVERAGE.OBJ というファイルの既存の最新バージョンのファイル名を,OLDAVERAGE.OBJ に変更します。 OLDAVERAGE.OBJ という名前のファイル名が存在しない場合には,新しいファイルに1というバージョン番号が割り当てられます。
#2 |
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$ RENAME/NONEW_VERSION SCANLINE.OBJ;2 BACKUP.OBJ |
この RENAME コマンドは, SCANLINE.OBJ;2 というファイルを BACKUP.OBJ;2という名前に変更します。 /NONEW_VERSION 修飾子は,BACKUP.OBJ;2 というファイルが既に存在する場合には, RENAME コマンドが,ファイルの名前を変更せずにエラーを報告することを指示しています。
#3 |
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$ RENAME *.TXT;* *.OLD;* |
この RENAME コマンドは,ファイル・タイプが TXT であるすべてのファイルの,すべてのバージョンのファイル・タイプを OLD に変更します。ファイル名とバージョン番号は変更されません。
#4 |
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$ RENAME WATER.TXT [.MEMOS] |
この RENAME コマンドは,ファイル WATER.TXT のディレクトリ名を,省略時のディレクトリからサブディレクトリ MEMOS へ変更します。つまり,ファイルを他のディレクトリに移動します。
#5 |
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$ RENAME [BORDERS.TESTFILES]SAVE.DAT []TEST |
この RENAME コマンドは,ディレクトリ [BORDERS.TESTFILES] のファイル SAVE.DAT を,TEST.DAT に変更します。新しいファイルは,現在の省略時のディレクトリへ移動されます。
#6 |
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$ RENAME COEISABLAST.TXT COEIsABlast.txt |
この RENAME コマンドは,COEISABLAST.TXT から COEIsABlast.txt へと大文字小文字を変更します。この RENAME コマンドが正しく機能するためには, ODS-5 ディスクを使用し,あらかじめ SET PROCESS/CASE_LOOKUP=SENSITIVE コマンドを実行しておく必要があります。
#7 |
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$ RENAME/LOG $_From: DATA.*,INFO.* $_To: NEW %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.AAA;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.AAA;1 %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.BBB;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.BBB;1 %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]DATA.CCC;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.CCC;1 %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.001;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.001;1 %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.002;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.002;1 %RENAME-I-RENAMED, _DISK0:[SYSTEM]INFO.003;1 renamed to _DISK0:[SYSTEM]NEW.003;1 $ |
この例では,ファイル名が DATA であるファイルが 3 つ,ファイル名が INFO であるファイルが 3 つあります。この RENAME コマンドは旧ファイル指定にアスタリスク (*) ワイルドカード文字を使用して,新ファイル指定の一時的な省略時のファイル・タイプとバージョン番号を使用しています。/LOG 修飾子を指定しているので,全部で 6 つのファイル名が変更されたことが表示されます。
#8 |
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$ RENAME NODE1::DISK2:[SMITH]ASSEMSHT.EXE NODE1::DISK2:[JONES]ASSEMBLYSHEET.EXE |
この例の RENAME コマンドは,リモート・ノード NODE1 のディスク DISK2 上のディレクトリ SMITH にある ASSEMSHT.EXE を,同一ノードの同一ディスク上のディレクトリ JONES の ASSEMBLYSHEET.EXE に変更します。新ファイルが同一ノード上の同一ディスクに作成される場合に限り,異なるノードおよびディスク上のファイル名を変更することができます。
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