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表示デバイスに関係する名前カウントまたはデータ領域クォータの値を変更します。これらのクォータを変更すると,名前付きプロパティを格納できる非ページング・プールの量が変わります。

クォータ名パラメータの有効な値は,次のとおりです。

  • NAME_COUNT --  名前カウント・クォータは,装置の名前付きプロパティの合計数を制限します。省略時の名前カウント・クォータは,論理名 DECW$WS_DEFAULT_NAME_COUNT の値,または論理名が定義されていない場合は 12 です。

  • DATA_SPACE -- データ領域クォータは,プロパティ値の格納に使用できる総容量 (バイト) を制限します。この領域には,データ・オーバヘッドが含まれるので,値の長さの合計に一致しない場合があります。省略時のデータ領域クォータは,論理名 DECW$WS_DEFAULT_DATA_SPACE の値,または論理名が定義されていない場合は 10752 です。



/REVOKE (Alpha/Integrity のみ)

X ディスプレイ・サーバにトラステッド・ネットワーク接続で接続され,そのサーバで SECURITY 拡張が有効になっている必要があります。

/GENERATE 修飾子を使用して作成された許可キーを無効化します。

/REVOKE 修飾子を指定すると,SET DISPLAY コマンドのどのアクションよりも先に無効化の操作が行われます。たとえば,同じコマンド行で /REVOKE と /GENERATE 修飾子を使用する場合,どのような順序で指定しても,1 つのキーを無効化してから,別のキーが生成されます。

/CREATE 修飾子とは併用できません。

/SCREEN=スクリーン番号

表示デバイスに対応づけられるスクリーンを定義します。ハードウェア構成によっては複数のスクリーンをサポートしています。このような場合に,出力が表示されるスクリーンを指定します。

/SERVER=サーバ番号

SET DEVICE コマンドの表示デバイスパラメータで指定した,表示デバイスに対応づけられるサーバを定義します。サーバは,トランスポート・メカニズムを用いてユーザとアプリケーション間のデータ転送を行います。ハードウェア構成によっては複数のサーバをサポートしています。このような場合に,出力が表示されるサーバを指定します。

LBX プロキシ・サーバ構成の Alpha システムと Integrity システムでは,この修飾子によって X ディスプレイ・サーバまたはスタンドアロンの LBX プロキシ・サーバのいずれかを指定します。スタンドアロンの LBX プロキシ・サーバはプロキシ・マネージャによって管理されないので,起動時に手動でサーバ番号を割り当てます。

表示デバイスをコマンド・パラメータで指定しなかった場合,論理名 DECW$DISPLAY の示す表示デバイスとサーバを対応づけます。

/SUPERVISOR_MODE (省略時の設定)

スーパバイザ・モードの装置を作成し,それを指すように論理名 DECW$DISPLAY を定義します。必ず,/CREATE とともに使用します。ログアウト時に,装置は削除されます。

/TRANSPORT=トランスポート名

DECwindows アプリケーションとワークステーション間で情報転送を行うトランスポート・メカニズム (DECnet または LOCAL) を指定します。トランスポート・メカニズムは,ユーザからのアプリケーションへの入力,およびアプリケーションからディスプレイ装置への出力の転送方法です。プロキシ・マネージャ構成では,この修飾子で指定される値が, /PMTRANSPORT 修飾子の省略時の値としても使用されます。

トランスポート名 は次の値のうちの 1 つになります。

  • TCPIP または DECNET
    異なるノード上で実行,表示されるアプリケーションに割り当てる適切なネットワーク・トランスポートを指定します。ジョブ,プロセス,またはシステム・テーブルの中で DECW$SETDISPLAY_DEFAULT_TRANSPORT 論理名を定義することで,SET DISPLAY/CREATE コマンドで使用される省略時のトランスポート値を指定することができます。その後,この論理名の値は, SET DISPLAY/CREATE コマンドを /TRANSPORT 修飾子なしで実行するたびに使用されるようになります。修飾子も論理名も指定しなければ,値 DECNET が省略時の値として使用されます。

  • LOCAL
    同じノード上で実行,表示されるアプリケーションの性能を最適化します。

Alpha システムと Integrity システムでは, トランスポート名パラメータに対する有効な値は, DECwindows の論理名 DECW$IPV6_SUPPORT でも決まります。この論理名は,インターネット・プロトコルのどのバージョン (IPv4 または IPv6) をサポートするかを指定します。 DECW$IPV6_SUPPORT 論理名と IPv6 プロトコルのサポートの詳細は, DECwindows Motif のマニュアルを参照してください。

Alpha システムおよび Integrity システムでプロキシ・マネージャを使用する場合,この修飾子は,選択した LBX プロキシ・サーバが X サーバへの接続に使用するトランスポートを指定します

スタンドアロンのプロキシ・サーバで使用する場合 (/SERVER 修飾子によって指定),この修飾子は,クライアントがプロキシ・サーバへの接続に使用するトランスポートを指定します。

/USER_MODE

ユーザモードの装置を作成し,それを指すように論理名 DECW$DISPLAY を定義します。必ず,/CREATE 修飾子とともに使用します。ユーザ・モード装置は, 1 つの DECwindows イメージだけで使用できます。つまり,ユーザモード装置は, DECwindows イメージ終了時に削除されます。

/VALUE=(NAME=プロパティ名,アクション[=データ]) (Alpha/Integrity のみ)

表示デバイスに関連付けられた名前付きプロパティの値を設定,削除,または変更します。名前付きプロパティの値は,セッション・マネージャのネットワーク・アドレスなど,表示デバイスに関連付けられた構成情報を格納します。

次のオプションを使用して,実行するアクションを指定します。

  • DELETE -- 指定したプロパティの値を削除します。

  • SET=データ -- 指定したプロパティに,指定した値を設定します。

  • APPEND=データ -- プロパティが存在する場合は,そのプロパティに関連付けられた値のリストの末尾に,指定した値を追加します。プロパティが存在しない場合は,プロパティが作成された後に,指定した値が設定されます。

SHOW DISPLAY/VALUES コマンドは,既存の名前付きプロパティとその値を表示するために使用します。プロパティ名は,31 文字以下という制限があります。ドル記号 ($) を含む名前は,弊社が OpenVMS 製品および機能で使用するために予約しています。たとえば,文字列 DECW$ は,DECwindows Motif 用に予約されています。

/XAUTHORITY=[ファイル指定] (Alpha/Integrity のみ)

/NOXAUTHORITY (Alpha/Integrity のみ)

表示デバイスが,X ディスプレイ・サーバに接続する際に,特定の X 許可ファイルを使用するように設定します。 X 許可ファイルには,使用するプロトコルに応じて,X ディスプレイ・サーバへのアクセスを許可または禁止するデータが入っています。この修飾子でファイル指定を入力しない場合,省略時の設定である SYS$LOGIN:DECW$XAUTHORITY.DECW$XAUTH が使用されます。ファイル指定を入力したが,現在そのファイルが存在しない場合,最初のエントリがファイルに入力されたときに,ファイルが自動的に作成されます。

この修飾子では,他の独立プロセスでも利用できるように,すべての X 許可ファイル指定が (論理装置ではなく) 物理装置に解決されることに注意してください。検索リストを指定したが,ファイルが見つからない場合, X 許可ファイル指定は,検索リストの最初のディレクトリに解決されます。

/NOXAUTHORITY は,設定をクリアして論理名 DECW$XAUTHORITY によって参照されるファイルに戻る際,あるいはこの論理名が未定義の場合は省略時のファイルに戻る際に使用します。


#1
$ SHOW DISPLAY
  Device:     WSA1: [super]
  Node:       0
  Transport:  LOCAL
  Server:     0
  Screen:     0
 
$ SET DISPLAY/CREATE/NODE=ZEPHYR/EXECUTIVE_MODE
$ SHOW DISPLAY
  Device:     WSA2:  [exec]
  Node:       ZEPHYR
  Transport:  DECNET
  Server:     0
  Screen:     0
$ SPAWN/NOWAIT/INPUT=NL: RUN SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK
 
$ SET DISPLAY/DELETE
 
$ SHOW DISPLAY
  Device:     WSA1:  [super]
  Node:       0
  Transport:  LOCAL
  Server:     0
  Screen:     0
 

この例では,ユーザはワークステーション (装置 WSA1:) にログインしています。 ( これは 0 によりわかります。0 は自ノードを参照する標準略記です。) その後 DECwindows Clock を起動して,その出力を他のワークステーション ZEPHYR に表示しようとしています。

ZEPHYR での表示が許可されているので,SET DISPLAY コマンドで ZEPHYR に出力先を変更できます。ZEPHYR 上に作成された装置は,エグゼクティブ・モード装置です。また,SHOW DISPLAY コマンドで,出力先を確認しています。そして Clock を起動します。Clock を終了した後,SET DISPLAY/DELETE コマンドで出力先の設定を無効にしています。最後に,SHOW DISPLAY コマンドで,その後に実行するアプリケーションが再びその実行ノードに表示されることを確認しています。

SET DISPLAY/CREATE コマンドにより,新しいワークステーション表示デバイス WSA2 が作成されます。SET DISPLAY/DELETE コマンドでこれを無効にした時に, DECwindows アプリケーションの出力は再び元の装置 WSA1 に戻ることに注意してください。

#2
$ SET DISPLAY/CREATE/NODE=FLOPSY RABBIT
$ SHOW DISPLAY RABBIT
 
 Device:    WSA2:  [super]
 Node:      FLOPSY
 Transport: DECNET
 Server:    0
 Screen:    0
 
$ RUN/DETACHED/OUTPUT=WSA2: SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK
 
$ SET DISPLAY/CREATE/NODE=ZEPHYR ZNODE
$ SHOW DISPLAY ZNODE
 
 Device:    WSA3:  [super]
 Node:      ZEPHYR
 Transport: DECNET
 Server:    0
 Screen:    0
 
$ RUN/DETACHED/OUTPUT=WSA3: SYS$SYSTEM:DECW$CALENDAR
 
$ RUN SYS$SYSTEM:DECW$BOOKREADER
$ SHOW DISPLAY
 
 Device:    WSA1:  [super]
 Node:      0
 Transport: LOCAL
 Server:    0
 Screen:    0
 

この例では,ログイン (装置 WSA1:) 後,同一セッション内でいくつかのワークステーション・ディスプレイへ DECwindows アプリケーションの出力を設定しています。SET DISPLAY コマンドで異なる論理名を指定しているため, DECW$DISPLAY の論理名定義を変更せずに出力先を設定できます。このようにすれば,特定のアプリケーションだけ他のワークステーションに表示するようにできます。また自ノード上でアプリケーションの実行および表示を続けることもできます。この例では,Clock がノード FLOPSY で,Calendar がノード ZEPHYR で,そして Bookreader が自ノードでそれぞれ表示されます。

DCL コマンド RUN/DETACHED でアプリケーションを起動するには, SET DISPLAY コマンドで指定した論理表示デバイス名と同じ装置名を指定しなければなりません。この装置名は SHOW DISPLAY コマンドで確認できます。

#3
$ SET DISPLAY/CREATE/GENERATE=TRUSTED-
_$ /XAUTHORITY=XAUTHORITY_TEMP/NODE=ZEPHYR 
$ PIPE SHOW DISPLAY/EXTR | RSH FLOPSY "XAUTH NMERGE SYS$INPUT"
$ SET HOST FLOPSY
$ SET DISPLAY/NODE=ZEPHYR
$ RUN SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK
 

この例で,ユーザは自サイトのワークステーション (WSA1:) にログインしており,リモート・ノード (FLOPSY) で DECwindows Clock アプリケーションを実行して,それを別のワークステーション (ZEPHYR) に表示しています。どちらのシステムも,マジック・クッキーでの許可を使用して, X ディスプレイ・サーバへのアクセスを制御します。

ノード ZEPHYR 上のサーバへの接続がすでに許可されている場合は,表示デバイスを作成して ZEPHYR に接続し,新しい許可キーを生成します。このキーにより,キー生成から 60 秒以内は,ZEPHYR 上のサーバへの信頼される接続が可能になります。このキーは,サーバへの信頼されるアクセスを制限するために,新しい X 許可ファイル XAUTHORITY_TEMP.DECW$XAUTH に格納されます。

次に許可キーが抽出されて FLOPSY にコピーされた後,そのシステムにある X 許可ファイルの他のエントリとマージされます。ここでホストをノード FLOPSY に設定し,表示をノード ZEPHYR に設定します。 FLOPSY からクロック・アプリケーションを実行すると,FLOPSY は ZEPHYR 上のサーバに接続され,生成された許可キーの指定に従ってアクセスが許可されます。

#4
$ SET DISPLAY/CREATE/VALUE=-
_$ (NAME=DECW$SESSION_MANAGER,SET="tcpip/zephyr:9510")
$ SHOW DISPLAY/SYMBOLS/ALL
    Device:    WSA23:  [super]
    Node:      0
    Transport: DECNET
    Server:    0
    Screen:    0
  User-defined values:
    "DECW$SESSION_MANAGER" = "tcpip/zephyr:9510"
$ SHOW SYMBOL DECW$DISPLAY__DECW$SESSION_MANAGER
  DECW$DISPLAY__DECW$SESSION_MANAGER == "tcpip/zephyr:9510"
$ SET DISPLAY UNTRUSTED/CREATE/XAUTHORITY=TEMP/GENERATE-
_$ /VALUE=(NAME=DECW$SESSION_MANAGER,-)
_$ SET="'DECW$DISPLAY__DECW$SESSION_MANAGER'"
 

この例では,表示デバイスを作成するとともに,DECW$SESSION_MANAGER プロパティを,ポート番号 9510 を使用するリモート・ノード ZEPHYR 上のセッション・マネージャのネットワーク・アドレスに設定します。次に SHOW DISPLAY/SYMBOLS コマンドによって,ポート値の DCL シンボルを定義します。このシンボルを使用して,新しい表示デバイスのポート値が設定されます。

#5
$ SET DISPLAY/CREATE/PROXY=GATEWY/NODE=hubbub.company.com-
_$ /PMTRANSPORT=DECNET/NOLBXAUTHENTICATE/TRANSPORT=TCPIP
$ SHOW DISPLAY
    Device:    WSA23:  [super]
    Node:      HUBBUB.COMPANY.COM
    Transport: TCPIP
    Server:    0
    Screen:    0
  Connection will use:
    LBX proxy on node:  gatewy.company.com
    Transport to proxy: TCPIP
    Server number:      63
$ RUN SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK
 

この例で,ユーザはローカル・ワークステーション (FLOPSY) にログインしており,企業ファイアウォールの外にある外部ホスト (hubbub.company.com) に接続しようとしています。ゲートウェイ・ホスト (GATEWY) 上のプロキシ・マネージャを使用して, LBX プロキシ・サーバを起動し,外部ホストに接続した後,DECwindows Clock アプリケーションを表示します。

ローカル・エリア・ネットワーク内からプロキシ・マネージャとの通信には DECnet が使用され,プロキシ・サーバから外部ホスト上の X ディスプレイ・サーバとの通信には TCP/IP が使用されています。管理対象プロキシ・サーバを使用している場合,クライアントからプロキシ・サーバへの接続に使用するトランスポートは,プロキシ・サーバが選択します。


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