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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
第1章:DECprint Supervisor の概要
第2章:プリンタの設定
第3章:プリント・キューの作成と変更
第4章:自動的なデータ・タイプの検出
第5章:プリント・ジョブおよびプリント・キューの操作
第6章:セパレータ・ページ,ログ・ページ,エラー・ページの指定
第7章:セットアップ・モジュールおよび装置制御ライブラリの作成
第8章:フォーム定義の作成および保守
第9章:ユーザに対するプリンタ資源の料金請求
第10章:プリンタ固有の情報
第11章:問題の解決方法
付録A :プリンティング・システム管理コマンド
付録B :DCPSで使用する論理名
付録C :フォントのダウンロードと削除
付録D : DECprint Supervisor (DCPS)および DECprint プリンティング・サービス (CPS)
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日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS

日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム管理者ガイド


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第 4 章
自動的なデータ・タイプの検出

DECprint Supervisor ソフトウェアは印刷するファイルのデータ・タイプを自動的に検出できます。この章では,データ・タイプを自動的に検出するようにプリンティング・システムを設定する方法について説明します。

4.1 DCPS による自動的なデータ・タイプの検出方法

データ・タイプを指定しないでプリント・ジョブをキューに登録し,プリント・キューに省略時のデータ・タイプが割り当てられていない場合, DCPS はプリント・ジョブの各ファイルを調べ,ファイルの内容またはファイル名のファイル・タイプからファイルのデータ・タイプを判断します。

DECprint Supervisor ソフトウェアがこれらの方法によってファイルのデータ・タイプを判断できない場合には,そのファイルはテキスト・ファイルとして印刷されます。 DECprint Supervisor ソフトウェアのインストレーションによってシステムに設定される,省略時のテキスト・ファイルのデータ・タイプは ANSI です。

さらに,ファイルがテキスト・ファイルとして印刷される場合には, DECprint Supervisor ソフトウェアはテキストの後のPostScriptデータを検出できます。したがって,テキストの後にPostScriptデータが続くファイルを正しく印刷できます。

ファイルのデータ・タイプを判断する処理は,プリント・ジョブ内の各ファイルに対して繰り返されます。したがって,1つのプリント・ジョブに異なるファイル・タイプを含むことができます。

4.2 データ・タイプの自動検出の設定方法

DECprint Supervisor ソフトウェアが印刷するファイルのデータ・タイプを判断する方法は,システム管理者が制御できます。次のことを指定できます。

  • ファイル・タイプとデータ・タイプを対応付けることができます。省略時のファイル・タイプのデータ・ファイルを変更して,ファイル・タイプとそれに対応するデータ・タイプの標準リストを追加または変更することができます。 第 4.2.1 項 を参照してください。

  • DCPS がファイルのデータ・タイプを判断できない場合に使用される省略時のテキスト・データ・タイプを指定することができます。システム全体で有効な省略時の設定,およびキュー固有の省略時のテキスト・データ・タイプを指定することができます。 第 4.2.2 項 を参照してください。

必要に応じて,省略時のデータ・タイプを定義したジェネリック・キューを作成し,このキューに登録される各ファイルがこのデータ・タイプであると指定することもできます。キューの省略時のデータ・タイプを変更できるのは,ユーザが PRINT コマンドに指定するパラメータだけです。

4.2.1 ファイル拡張子とデータ・タイプの対応付け

DECprint Supervisor ソフトウェアでは,データ・タイプとファイル拡張子の対応関係を定義するために,データ・ファイルを使用します。システムのファイル拡張子とそれに対応するデータ・タイプを登録したローカル・データ・ファイルを作成することができます。

  1. システム固有のデータ・ファイルを使用しない場合には,ソフトウェアで提供されているサンプル・ファイルを使用してください。次のコマンドを使用して,ファイル拡張子を変更してコピーします。

    $ COPY
    _From: SYS$LIBRARY:DCPS$FILE_EXTENSION_DATA_TYPE.DAT_DEFAULT
     
    _To: SYS$COMMON:[SYSLIB]DCPS$FILE_EXTENSION_DATA_TYPE.DAT
    


    .DAT ファイルが可変長形式あるいはストリーム形式でない場合,キューの起動時に DCPS がそのファイルを読み込むことができません。 OPCOM がエラーを通知し,そのシンビオント・プロセスは終了します。 .DAT ファイルを正しい形式で保存し, DCPS$STARTUP.COM ファイルを使用してプリンティング・システムを再起動しなければなりません。

  2. このファイルを編集します。ファイルには,データ・タイプ名とそれに対応するファイル拡張子をリストして記述します。次の例を参照してください。

    POSTSCRIPT: 
            EPS 
            EPSF 
            POST 
            PS 
            ; 
    


    この例では,.EPS,.EPSF,.POST,.PSというファイル拡張子のファイルが PostScriptファイルとして処理されることを指定しています。
    システム固有のファイル拡張子を追加したり,すでに定義されているファイル拡張子をローカルな意味に変更することも可能です。
    AUTOMATICを除き,正しい値であれば,DATA_TYPEの値としてどの値も指定できます。データ・タイプ名を短く省略することはできません。指定できるデータ・タイプ名は次のとおりです。

    ANSI
    ASCII
    DDIF
    LIST
    PCL
    POSTSCRIPT
    PROPRINTER
    REGIS
    TEK4014



4.2.2 システムおよびキューの省略時のテキスト・データ・タイプの指定

システム全体で有効な省略時のテキスト・データ・タイプと,キュー固有の省略時のテキスト・データ・タイプを指定することができます。 DCPS がファイルのデータ・タイプを判断できない場合には,そのファイルはユーザが指定した省略時のテキスト・データ・タイプとして処理されます。

システムの省略時のテキスト・データ・タイプは ANSI です。通常 ANSI ファイルではなく,PCL,Proprinter テキスト・ファイルを印刷している場合は,この省略時の設定を ANSI から PCL,Proprinter のいずれかに変更しなければなりません。

省略時のテキスト・データ・タイプを定義するには,次の論理名のどちらか一方または両方を定義します。

  • DCPS$DEFAULT_TRANSLATORはシステム全体で有効な省略時のテキスト・データ・タイプを決定します。
    システム全体で有効な省略時のテキスト・データ・タイプを定義するには,次のコマンドを使用します。

    $ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$DEFAULT_TRANSLATOR text_data_type
    

  • DCPS$queuename_DEFAULT_TRANSLATOR は,キュー固有の省略時のデータ・タイプを指定します。
    キュー固有の省略時のテキスト・データ・タイプを定義するには,次のコマンドを使用します。

    $ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$queuename_DEFAULT_TRANSLATOR text-data-type
    

text-data-typeに対して指定できる値と,省略時のテキスト・データ・タイプの対応は次のとおりです。

  • ANSI (省略時の値)

  • PCL

  • PROPRINTER

データ・タイプ名を短く省略することはできません。

システム全体で有効なデータ・タイプがキュー固有のデータ・タイプと異なる場合は,キュー固有のテキスト・データ・タイプが優先されます。

特定のキューをPATHWORKSクライアントが使用する場合には,キュー固有の論理名を設定しておくと便利です。たとえば,PC から印刷されるテキスト・ファイルが PCL ファイルであるとします。次の例では,PATHWORKSという名前のキューに対して省略時のテキスト・データ・タイプとしてPCLを設定する方法を示しています。

$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$PATHWORKS_DEFAULT_TRANSLATOR PCL

DECprint Supervisor ソフトウェアは,PATHWORKSキューに送信された各ファイルごとにファイルのデータ・タイプを判断しようとします。ファイル・データ・タイプを判断できない場合には,そのファイルはPCLファイルとして処理されます。ファイルにPCLテキストとPostScriptデータが登録されている場合でも,そのファイルは正しく印刷されます。

4.2.3 ユーザがデータ・タイプの検出を制御する方法

プリント・ジョブが自動的なデータ・タイプ検出機能によって処理される方法は,ユーザが次のことを指定することにより制御できます。

  • PRINTコマンドの/PARAMETERS=DATA_TYPEパラメータに指定するデータ・タイプ
    このパラメータは自動的なデータ・タイプの検出を無効にします。ただし,DDIF ファイル・タグがついたファイルは,データ・タイプ指定の影響を受けません。ファイルにDDIFタグが登録されており,明示的に別のデータ・タイプを指定した場合には,そのファイルは印刷されません。その場合には,次のエラー・メッセージが表示され, DECprint Supervisor ソフトウェアはプリント・ジョブの次のファイルの処理を継続します。

    INVDDIFDATA, Invalid DDIF data, flushing to end of file 
    

  • PRINTパラメータによる自動的なデータ・タイプ検出

    /PARAMETERS=DATA_TYPE=AUTOMATIC[=text-data-type] 
    


    ユーザは/PARAMETERS=DATA_TYPE=AUTOMATIC修飾子を指定することにより,自動的なデータ・タイプ検出を指定できます(たとえば,プリント・キューに省略時のデータ・タイプが割り当てられている場合)。
    ユーザがDATA_TYPE=AUTOMATICパラメータに省略時のテキスト・データ・タイプ (text-data-type)を指定した場合には, DECprint Supervisor ソフトウェアはプリント・ファイルのデータ・タイプを判断できないときに,その指定をファイルのデータ・タイプであると解釈します。
    text-data-type の値は省略可能です。省略時の設定については, 第 4.2.2 項 を参照してください。
    DECprint Supervisor ソフトウェアは,省略時のテキスト・データ・タイプの後に PostScriptデータが続くファイルを印刷できます。たとえば,PCLテキストから始まり,その後にPostScriptデータの続くファイルを印刷しなければならない場合には,ユーザは次のPRINTコマンドを使用して省略時のテキスト・データ・タイプをPCLに設定できます。

    $ PRINT/QUEUE=PS20$A10 PIC.MSG/PARAMETERS=(DATA_TYPE=AUTOMATIC=PCL)
    


    この機能は電子メール・システムで作成されたファイルを印刷するときに役立ちます。たとえば,メール・システムを使用して他のユーザから送信されたPostScriptファイルの先頭にテキスト・メッセージ・ヘッダがあり,その後にPostScriptデータが付加されている場合には,このファイルを印刷できます。


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