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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
この章では,アルファベット順にデバッガ・コマンドを説明しています。
@ (Execute Procedure) |
デバッガ・コマンド・プロシージャを実行します。
@file-spec [parameter[,...]]
file-spec
実行の対象となるコマンド・プロシージャを指定します。完全ファイル指定の中で指定されていない部分については,デバッガは,最新の SET ATSIGN コマンドで設定されたファイル指定があればそれを使用します。ファイル指定の欠けている部分が SET ATSIGN コマンドで設定されていなかった場合には,デバッガは省略時のファイル指定として SYS$DISK:[]DEBUG.COM を割り当てます。 file-spec には論理名を指定できます。parameter
コマンド・プロシージャに渡すパラメータを指定します。パラメータにはアドレス式,現在の言語での値式,デバッガ・コマンドを指定できます。コマンドは二重引用符 (") で囲む必要があります。DCL の場合とは異なり,各パラメータはコンマで区切らなくてはなりません。また,コマンド・プロシージャの中にある仮パラメータ宣言と同じ数のパラメータを渡せます。コマンド・プロシージャへのパラメータの引き渡しについての詳しい説明は,DECLARE コマンドを参照してください。
デバッガ・コマンド・プロシージャには,他の実行プロシージャ (@) コマンドを含めたどのデバッガ・コマンドも指定できます。デバッガは EXIT コマンドまたは QUIT コマンドに到達するか,コマンド・プロシージャが終わるまで,コマンド・プロシージャのコマンドを実行します。コマンド・プロシージャの実行が終了すると,デバッガはコマンド・プロシージャを起動したコマンド・ストリームに制御を戻します。この場合のコマンド・ストリームとは端末,外側 ( 当該コマンド・プロシージャを含んでいる ) のコマンド・プロシージャ, SET BREAK などのコマンド内の DO 句,画面表示定義の中の DO 句などです。省略時の設定では,コマンド・プロシージャから読み込まれたコマンドはエコーバックされません。SET OUTPUT VERIFY コマンドを入力すると,コマンド・プロシージャから読み込まれたコマンドはすべて,DBG$OUTPUT による指定に従い,現在の出力装置にエコーバックされます ( 省略時の出力装置は SYS$OUTPUT)。
コマンド・プロシージャへのパラメータの引き渡しについての詳しい説明は, DECLARE コマンドを参照してください。
関連コマンド
DECLARE
(SET,SHOW) ATSIGN
SET OUTPUT [NO]VERIFY
SHOW OUTPUT
DBG> SET ATSIGN USER:[JONES.DEBUG].DBG DBG> SET OUTPUT VERIFY DBG> @CHECKOUT %DEBUG-I-VERIFYICF, entering command procedure CHECKOUT SET MODULE/ALL SET BREAK SUB1 GO break at routine PROG5\SUB2 EXAMINE X PROG5\SUB2\X: 376 ... %DEBUG-I-VERIFYICF, exiting command procedure MAIN DBG> |
この例の,SET ATSIGN コマンドは,デバッガ・コマンド・プロシージャが省略時の設定では USER:[JONES.DEBUG] の中にあり,ファイル・タイプとして .DBG を持つように設定しています。@CHECKOUT コマンドはコマンド・プロシージャ USER:[JONES.DEBUG]CHECKOUT.DBG を実行します。 SET OUTPUT VERIFY コマンドが指定されているため,デバッガは @CHECKOUT コマンドの中のコマンドをエコーバックします。
ACTIVATE BREAK |
以前に無効に設定したブレークポイントを有効にします。
ACTIVATE BREAK [address-expression[,...]]
address-expression
有効にするブレークポイントを指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク (*) は使用できません。代わりに /ALL 修飾子を使用してください。/EVENT,/PREDEFINED,/USER 以外の修飾子を使用する場合は,アドレス式は指定できません。
/ACTIVATING
前回の SET BREAK/ACTIVATING コマンドで設定されたブレークポイントを有効にします。/ALL
省略時の設定では,すべてのユーザ定義ブレークポイントを有効にします。 /PREDEFINED といっしょに使用すると,定義済みブレークポイントはすべて有効になりますが,ユーザ定義ブレークポイントは有効になりません。すべてのブレークポイントを有効にするには /ALL/USER/PREDEFINED を使用します。/BRANCH
前回の SET BREAK/BRANCH コマンドで設定されたブレークポイントを有効にします。/CALL
前回の SET BREAK/CALL コマンドで設定されたブレークポイントを有効にします。/EVENT=event-name
前回の SET BREAK/EVENT=event-name コマンドで設定されたブレークポイントを有効にします。イベント名 ( および必要であればアドレス式 ) は SET BREAK/EVENT コマンドで指定したとおりに指定してください。現在のイベント機能とそれに対応するイベント名を表示するには, SHOW EVENT_FACILITY コマンドを使用します。
/EXCEPTION
前回の SET BREAK/EXCEPTION コマンドで設定されたブレークポイントを有効にします。/HANDLER
前回の SET BREAK/HANDLER コマンドの作用を取り消します。/INSTRUCTION
前回の SET BREAK/INSTRUCTION コマンドで設定されたブレークポイントを有効にします。/LINE
前回の SET BREAK/LINE コマンドで設定されたブレークポイントを有効にします。この修飾子を指定する場合は,アドレス式は指定できません。/PREDEFINED
ユーザ定義ブレークポイントには全く影響を及ぼさずに,指定の定義済みブレークポイントを有効にします。/ALL といっしょに使用すると,定義済みブレークポイントがすべて有効になります。/SYSEMULATE
(Alpha のみ) 前回の SET BREAK/SYSEMULATE コマンドによって設定されたブレークポイントを有効にします。/TERMINATING
前回の SET BREAK/TERMINATING コマンドで設定されたブレークポイントを有効にします。/UNALIGNED_DATA
(Alpha および Integrity のみ) 前回の SET BREAK/UNALIGNED_DATA コマンドで設定されたブレークポイントを有効にするか,または DEACTIVATE /UNALIGNED_DATA コマンドにより無効になっていたブレークポイントを再度有効にします。/USER
定義済みブレークポイントには全く影響を及ぼさずに指定のユーザ定義ブレークポイントを有効にします。/ALL といっしょに使用すると,すべてのユーザ定義ブレークポイントが有効になります。
ユーザ定義ブレークポイントは SET BREAK コマンドで設定すると有効になります。定義済みブレークポイントは省略時の設定で有効になります。 DEACTIVATE BREAK を使用して無効にした 1 つまたは複数のブレークポイントを有効にするには,ACTIVATE BREAK コマンドを使用します。ブレークポイントを有効にしたり無効にしたりすることにより,プログラムの実行や再実行のときに,ブレークポイントを取り消して再設定する手間をかけずに,ブレークポイントを使用したり使用しなかったりすることができます。省略時の設定で RERUN コマンドを実行すると,すべてのブレークポイントの現在の状態 ( 有効か無効か ) が保存されます。
有効や無効にするのはユーザ定義ブレークポイントと定義済みブレークポイントのどちらか一方でも両方でもかまいません。ブレークポイントが有効になっているかを確かめるには, SHOW BREAK コマンドを使用します。
関連コマンド
CANCEL ALL
RERUN
(SET,SHOW,CANCEL,DEACTIVATE) BREAK
(SET,SHOW) EVENT_FACILITY
#1 |
---|
DBG> ACTIVATE BREAK MAIN\LOOP+10 |
このコマンドはアドレス式 MAIN\LOOP+10 で設定されたユーザ定義ブレークポイントを有効にします。
#2 |
---|
DBG> ACTIVATE BREAK/ALL |
このコマンドはすべてのユーザ定義ブレークポイントを有効にします。
#3 |
---|
DBG> ACTIVATE BREAK/ALL/USER/PREDEFINED |
このコマンドはユーザ定義ブレークポイントと定義済みブレークポイントの両方を含めたすべてのブレークポイントを有効にします。
ACTIVATE TRACE |
以前に設定したあと無効にしたトレースポイントを有効にします。
ACTIVATE TRACE [address-expression[,...]]
address-expression
有効にするトレースポイントを指定します。ワイルドカード文字のアスタリスク (*) は使用できません。代わりに /ALL 修飾子を使用してください。 /EVENT,/PREDEFINED,/USER 以外の修飾子を使用する場合は,アドレス式は指定できません。
/ACTIVATING
前回の SET TRACE/ACTIVATING コマンドで設定されたトレースポイントを有効にします。/ALL
省略時の設定では,すべてのユーザ定義トレースポイントを有効にします。 /PREDEFINED といっしょに使用すると,定義済みトレースポイントはすべて有効になりますが,ユーザ定義トレースポイントは有効になりません。すべてのトレースポイントを有効にするには /ALL/USER/PREDEFINED を使用します。/BRANCH
前回の SET TRACE/BRANCH コマンドで設定されたトレースポイントを有効にします。/CALL
前回の SET TRACE/CALL コマンドで設定されたトレースポイントを有効にします。/EVENT=event-name
前回の SET TRACE/EVENT=event-nameコマンドで設定されたトレースポイントを有効にします。イベント名 ( および必要であればアドレス式 ) は SET TRACE/EVENT コマンドで指定したとおりに指定してください。現在のイベント機能とそれに対応するイベント名を表示するには, SHOW EVENT_FACILITY コマンドを使用します。
/EXCEPTION
前回の SET TRACE/EXCEPTION コマンドで設定されたトレースポイントを有効にします。/INSTRUCTION
前回の SET TRACE/INSTRUCTION コマンドで設定されたトレースポイントを有効にします。/LINE
前回の SET TRACE/LINE コマンドで設定されたトレースポイントを有効にします。/PREDEFINED
ユーザ定義トレースポイントには全く影響を及ぼさずに指定の定義済みトレースポイントを有効にします。/ALL といっしょに使用すると,定義済みトレースポイントがすべて有効になります。/TERMINATING
前回の SET TRACE/TERMINATING コマンドで設定されたトレースポイントを有効にします。/USER
定義済みトレースポイントには全く影響を及ぼさずに指定のユーザ定義トレースポイントを有効にします。 /ALL 修飾子を使用すると,ユーザ定義トレースポイントがすべて有効になります。
ユーザ定義トレースポイントは SET TRACE コマンドで設定すると有効になります。定義済みトレースポイントは省略時の設定で有効になります。 DEACTIVATE TRACE を使用して無効にした 1 つまたは複数のトレースポイントを有効にするにはACTIVATE TRACE コマンドを使用します。トレースポイントを有効にしたり無効にしたりすることにより,プログラムの実行や再実行のときに,トレースポイントを取り消して再設定する手間をかけずに,トレースポイントを使用したり使用しなかったりすることができます。省略時の設定で RERUN コマンドを実行すると,すべてのトレースポイントの現在の状態 ( 有効か無効か ) が保存されます。
有効や無効にするのはユーザ定義トレースポイントと定義済みトレースポイントのどちらか一方でも両方でもかまいません。トレースポイントが有効になっているかを確かめるには, SHOW TRACE コマンドを使用してください。
関連コマンド
CANCEL ALL
RERUN
(SET,SHOW) EVENT_FACILITY
(SET,SHOW,CANCEL,DEACTIVATE) TRACE
#1 |
---|
DBG> ACTIVATE TRACE MAIN\LOOP+10 |
このコマンドは MAIN\LOOP+10 の位置にあるユーザ定義トレースポイントを有効にします。
#2 |
---|
DBG> ACTIVATE TRACE/ALL |
このコマンドはユーザ定義トレースポイントをすべて有効にします。
ACTIVATE WATCH |
以前に設定したあと無効にしたウォッチポイントを有効にします。
ACTIVATE WATCH [address-expression[,...]]
address-expression
有効にするウォッチポイントを指定します。高級言語を使用している場合,これは通常,変数の名前になります。ワイルドカード文字のアスタリスク (*)は使用できません。代わりに /ALL 修飾子を使用してください。/ALL を指定する場合は,アドレス式は指定できません。
/ALL
すべてのウォッチポイントを有効にします。
ウォッチポイントは SET WATCH コマンドで設定すると有効になります。 DEACTIVATE WATCH で無効にした 1 つまたは複数のウォッチポイントを有効にするにはACTIVATE WATCH コマンドを使用します。ウォッチポイントを有効にしたり無効にしたりすることにより,プログラムの実行や再実行のときに,ウォッチポイントを取り消して再設定する手間をかけずに,ウォッチポイントを使用したり使用しなかったりすることができます。
省略時の設定では,RERUN コマンドを実行すると,すべての静的ウォッチポイントの現在の状態 (有効か無効か) が保存されます。特定の非静的ウォッチポイントは,(実行を再開する) メイン・プログラム・ユニットを基準にした,ウォッチの対象になっている変数の有効範囲によって保存されることもあり,保存されないこともあります。
ウォッチポイントが有効になっているかを確かめるには,SHOW WATCH コマンドを使用します。
関連コマンド
CANCEL ALL
RERUN
(SET,SHOW,CANCEL,DEACTIVATE) WATCH
#1 |
---|
DBG> ACTIVATE WATCH SUB2\TOTAL |
このコマンドはモジュール SUB2 の中の TOTAL 変数でのウォッチポイントを有効にします。
#2 |
---|
DBG> ACTIVATE WATCH/ALL |
このコマンドは設定したあと無効にしたすべてのウォッチポイントを有効にします。
ANALYZE/CRASH_DUMP |
システム・ダンプ・デバッガで解析するためにシステム・ダンプをオープンします ( 保持デバッガのみ )。
ANALYZE/CRASH_DUMP dumpfile
dumpfile
解析するシステム・ダンプ・ファイルの名前。ファイル・タイプは .DMP でなければなりません。
OpenVMS Integrity システムと Alpha システムでは,システム・ダンプを解析するためにシステム・ダンプ・デバッガ (SDD) を起動します。
SDD は概念上はシステム・コード・デバッガ (SCD) に似ています。 SCD では実行中のシステムに接続して,システムの実行を制御し,変数の確認と変更を行うことができますが, SDD ではシステム・ダンプに記録されているメモリを解析することができます。
SDD では一般に 2 つのシステムを使用しますが,必要な環境すべてを 1 つのシステム上に設定することも可能です。以下の説明では,2 つのシステムを使用するものと仮定しています。
- ビルド・システム。システム・クラッシュを引き起こしたイメージがビルドされたシステム
- テスト・システム。イメージが実行され,システム・クラッシュが起こったシステム
SCD と同様に,OpenVMS デバッガのユーザ・インタフェースでは,ソース・コードに使われているのと全く同じ変数名やルーチン名などを指定することができます。また,SDD は,システム・クラッシュの時点で実行されていたソース・コードの位置を表示することができます。
SDD は個々の言語の構文,データ型,演算子,式,有効範囲規則,およびその他の言語要素を認識します。コードまたはドライバが複数の言語で書かれている場合には,デバッグ・セッションの途中でデバッグ・コンテキストの言語を切り替えることが可能です。
SDD を使用するためには,以下の操作を行う必要があります。
- システム・クラッシュを引き起こしているシステム・イメージまたはデバイス・ドライバをビルドする。
- そのシステム・イメージまたはデバイス・ドライバを含むシステムをブートし,システム・クラッシュを引き起こすための手順を実行する。
- システムをリブートし,ダンプ・ファイルを保存する。
- OpenVMS デバッガに統合されている SDD を起動する。
サンプルの SDD セッションを含む SDD の詳しい使い方については,『HP OpenVMS System Analysis Tools Manual』を参照してください。
関連コマンド
ANALYZE/PROCESS_DUMP
CONNECT %NODE
SDA
#1 |
---|
DBG> ANALYZE/CRASH_DUMP DBG> |
保持デバッガの中から SDD を起動します。
目次 | 索引 |
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