FIP を起動しても,必ずしもすべてかな漢字変換入力ができるようにはなりません。特殊な読み込み処理をしているアプリケーションの場合には,FIP のトラップにはかからずにそのままの入力処理が実行されます。つまり, 図 1-1 において,FIDRIVER にトラップされずに,TTDRIVER がそのまま処理をしてしまう場合があります。
かな漢字変換入力ができる状態であるかどうかを見るためには,PROFILE の中で変換対象文字列のビデオ属性の指定を,反転 (reverse),下線 (underline) 等に設定しておけば,その設定のビデオ属性で表示された場合に,かな漢字変換入力が可能であることがわかります。
日本語 OpenVMS が提供する PROFILE では,かな漢字変換可能な場合は強調 (bold) または下線 (underline) になります。
入力操作は,通常の日本語入力エディタ等と同様です。ただし,エディタと違う点は,PROFILE で設定したキー定義ファイルに従って,変換処理ができるということです。
日本語 OpenVMS は,あらかじめ作成されたキー定義を 4 種類提供します。ユーザは簡単な操作で,これらのキー定義のうちの 1 つを選択して使用することができます。ユーザが何も変更しなかったときには,JVMS キーが使用されます。
- JVMSキー
日本語 OpenVMS 標準のキー定義です。JVMS キーを使うと,かな漢字変換キーと VMS の行編集キーとが重ならないという特徴があります。詳しくは,『日本語ライブラリ 利用者の手引き』を参照してください。
- EVEJキー
EVEJ エディタのキー定義です。日本語 EVE の EVEJ キーパッド・モードで使用されています。詳しくは『日本語EVE ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
- LEIAキー
LEIA エディタのキー定義です。数字キーパッドを使ってかな漢字変換を行います。詳しくは,『日本語ライブラリ 利用者の手引き』を参照してください。
- TAROキー
ワープロ・ソフトの一太郎に似たキー定義です。
(注:一太郎は株式会社ジャストシステムの登録商標です。)
キー定義を使用する場合には,論理名 IM$PROFILE を次のように定義します。ユーザが何も選択しない場合には,キー定義は JVMS キーが使用されます。
- JVMS キーを使用する場合
$DEFINE IM$PROFILE IM$PROFILE_JVMS
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- EVEJ キーを使用する場合
$DEFINE IM$PROFILE IM$PROFILE_EVEJ
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- LEIA キーを使用する場合
$DEFINE IM$PROFILE IM$PROFILE_LEIA
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- TARO キーを使用する場合
$DEFINE IM$PROFILE IM$PROFILE_TARO
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この定義をユーザの LOGIN.COM に入れておくと,選択したキー定義を以後のセッションで使用することができます。
新しいキー定義をアプリケーションで使用するには,アプリケーションを再起動してください。
なお,これらの設定は日本語環境設定ユーティリティー (JSY$CONTROL) を使うと簡単に設定することができます。詳しくは『日本語ユーティリティ 利用者の手引き』を参照してください。