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OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS ドキュメント
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目次
まえがき
第 1 部: 日本語 DECwindows Motif のインストレーション
第 1 章:インストレーションの準備
第 2 章:日本語 DECwindows Motif のインストレーション
第 3 章:インストレーション後の作業
第 4 章:インストレーション/アンインストレーション実行例
第 5 章: エラー発生時の対処
第 2 部:標準版 DECwindows Motif のインストレーション
第 6 章:インストレーションの準備
第 7 章:POLYCENTERソフトウェア・インストレーション・ユーティリティの使用方法
第 8 章:ソフトウェア・インストレーション完了後の作業
第 9 章:DECwindows Motif ソフトウェアの管理
付録 A :POLYCENTERソフトウェア・インストレーション・ユーティリティを使用したインストレーション実行例
付録 B :ソフトウェア・コンポーネントとバージョンの確認
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日本語 HP DECwindows Motif for OpenVMS

日本語 HP DECwindows Motif for OpenVMS
インストレーション・ガイド


目次 索引

第 8 章
ソフトウェア・インストレーション完了後の作業

ここでは, DECwindows Motif のインストレーションが完了後に必要な作業について説明します。



8.1 DECwindows Motif ソフトウェアの起動

OpenVMSのワークステーション・サポート・コンポーネントがインストールされている場合,システムのリブート時に DECwindowsのスタートアップ・プロシージャが自動的に実行されます。 DECW$START_NEW_DESKTOP グローバル・シンボルの値に応じて, New Desktop のログイン・ダイアログ・ボックスあるいはDECwindowsデスクトップのセッション開始ダイアログ・ボックスのいずれかが表示されます (詳細は 第 8.4 節 を参照してください)。

システムに DECwindows Motif の有効なライセンスが登録されていない場合は,コンソール端末にその旨のメッセージが表示され, DECwindows Motifは自動的には起動されません。この場合は,システムにログインして有効なライセンスを登録してから DECwindows Motif ソフトウェアを起動してください。 LMF を使用してライセンスを登録する方法についての詳細は,『 VMS License Management Utility Manual 』を参照してください。 DECwindows の起動方法の詳細については『HP DECwindows Motif for OpenVMS 管理ガイド』を参照してください。

8.2 IVP の実行

DECwindows Motif をインストールして起動した後, IVP (Installation Verification Procedure) SYS$TEST:DECW$IVP.COM を実行します。 IVPには,ソフトウェアのインストレーションが完全かつ正確に行われたかどうかを確認する一連のテストが含まれています。

8.2.1 プロシージャの実行

IVP プロシージャを起動するには SYS$TEST:DECW$IVP コマンド・プロシージャを実行します。簡単な指示とともにダイアログが表示されます。

$ @SYS$TEST:DECW$IVP
(c) Copyright 2006 Hewlett-Packard Development Company, L.P. 
 
HP DECwindows Motif for OpenVMS Installation Verification Procedure (IVP) 
 
This IVP is intended to test some of the functionality of DECwindows Motif 
and to provide a quick method of verifying the installation.

  注意
LAT ソフトウェアを使用して X 端末から IVP を実行する場合,最初に次のコマンドを入力してください。

$ SET DISPLAY/CREATE/NODE=LAT_nnnnnnnnnnnn/TRANSPORT=LAT 

nnnnnnnnnn には実際の LAT 端末番号を入力してください。

_Display:プロンプトでデフォルトを入力することもできます。



次に,IVP プロシージャは表示関連テストを実行しようとします。これらのテストを実行するかどうか,またその動作の内容は,お使いのハードウェアによって,およびシステムにテスト・イメージが存在するかどうかによって異なります。

  • テスト・イメージが存在し,かつワークステーションからテストを実行している場合は,表示関連テストをどこに表示するか確認のための問い合わせがあります。通常,現在お使いのワークステーションがデフォルトの表示場所です。デフォルトの表示場所は,通常,IVP 実行しているプロセスに対応する DECW$DISPLAY 論理名の値で決まります。この論理名は,ローカル・ディスプレイ・サーバあるいはリモート・ディスプレイ・サーバのどちらかを指します。

  • テスト・イメージが存在し,かつワークステーションを使用していない場合, _Display:プロンプトでノード名を入力する必要があります。この場合,DECW$DISPLAY 論理名は定義されていないのでデフォルト値は表示されません。たとえば,SET HOST コマンドを使用してシステムにアクセスし, DECW$DISPLAY 論理名を定義していない場合, IVP はユーザがワークステーションを使用しているかどうか判断できません。表示を行いたいノードの名前を入力してください。ノード名だけを指定した場合,そのノード上でデフォルトとして DECnet トランスポート,サーバ 0,スクリーン 0 が使用されます。これらのデフォルト値と違う値を使用したい場合は,完全な表示名を指定してください (たとえば, ashfld:2.1は,ノード ashfld で TCP/IP トランスポートを使用してスクリーン 1,サーバ 2 との接続を確立します)。

  • IVP がイメージを検出しなかった場合は,メッセージが表示されテストは実行されません。

表示関連テストを実行したくない場合は,プロンプトで Ctrl/Z を入力してください。

次の例は,ワークステーションにおける表示テストの実行例です。表示デバイス _WSA150は,ローカル・ディスプレイでもリモート・ディスプレイでもかまいません。

To skip the display-oriented tests, press Ctrl/Z at the following prompt. 
 
_Display:[_WSA150:]:  
%DECW-I-IVP, The IVP will display on WSA150:  
%DECW-I-IVP, Running DECW$EXAMPLES:ICO.EXE for up to a minute. 
%DECW-I-IVP, Press Ctrl/Y to interrupt test. 
%DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_ICO spawned 
%DECW-I-IVP, Running SYS$SYSTEM:DECW$CLOCK for up to a minute. 
%DECW-I-IVP, Press Ctrl/Y to interrupt test. 
%DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_CLOCK spawned

次の例ではワークステーションでないシステムでテストを実行しています。

This machine is not a workstation.  Please provide the node name of a 
workstation on which to display the IVP tests.  You must be sure that this 
account and node have security access to the display node, or the IVP will 
fail. 
 
To skip the display-oriented tests, press Ctrl/Z at the following prompt. 
 
_Display []: NODE33
%DECW-I-IVP, The IVP will display on NODE33::0.0 

この後表示されるメッセージは,ワークステーションの場合と同じです。

8.2.3 LBX プロキシ・テスト

表示関連テストが選択され必要なイメージが利用できる状態であれば,プロシージャは LBX プロキシ・テストを実行しようとします。テスト結果のメッセージ表示は,前のセクションでディスプレイ名あるいはノード名が入力されたかどうかによって,および,ディスプレイ名が入力された場合はそのディスプレイがローカル・ディスプレイかあるいはリモート・ディスプレイかによって,また,ローカル・ディスプレイの場合はそのディスプレイが LBX テストをサポートするように適切に構成されているかどうかによって変わります。次に示すのは,考えられるいくつかのケースにおける IVP の動作例です。

  • 指定したディスプレイがローカルで,ディスプレイ・サーバが LBX および SECURITY 機能をサポートするように構成されており, IVP プロセスが必要な特権を持っている場合は, IVP は次のようなメッセージを表示します。

    %DECW-I-IVP, LBX Proxy tests, tests will execute through a proxy 
    %DECW-I-IVP, Running DECW$EXAMPLES:ICO.EXE for up to a minute. 
    %DECW-I-IVP, Press Ctrl/Y to interrupt test. 
    %DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_LBX spawned 
    Using port number '50' 
    %DCL-S-SPAWNED, process DECW$IVP_ICO spawned 
    %DECW-I-IVP, End of LBX Proxy tests
    

  • 指定したディスプレイがリモートの場合,プロシージャは,ディスプレイ・サーバが LBX および SECURITY 機能をサポートするかどうか判断できません。リモート・サーバが適切に構成されていない場合はテストが失敗する旨警告メッセージが表示されます。次の例で示すのは,リモート・ディスプレイが選択され, IVP を実行しているプロセスが必要な特権を持っている場合の IVP の LBX に関する部分です。リモート・サーバが適切に構成されている場合,この後に表示される LBX に関する部分のメッセージは最初の例のメッセージと同じです。リモート・サーバが適切に構成されていない場合は, LBX テスト (および IVP) は失敗します。

    The LBX tests can only be executed if the display server has been 
    configured to support the LBX and SECURITY extensions and this account 
    has permission to generate cookies. Normally, remote servers will not 
    give that permission and the LBX tests cannot be executed.
     
    Answer "NO" at the following prompt to skip the LBX tests.
     
    Execute LBX test? YES
    

  • 指定したディスプレイがローカルで,ディスプレイ・サーバが LBX および SECURITY 機能をサポートするように構成されているが, IVP プロセスが必要な特権を持っていない場合は, IVP は次のようなメッセージを表示します。

    %DECW-I-IVP, No privilege to execute LBX part of test. Proxy test skipped.
    

  • 指定したディスプレイがローカルで,ディスプレイ・サーバが LBX 機能をサポートするように構成されていない場合, IVP は次のようなメッセージを表示します。

    %DECW-I-IVP, Server does not support LBX extension. Proxy test skipped.
    

  • 指定したディスプレイがローカルで,ディスプレイ・サーバが SECURITY 機能をサポートするように構成されていない場合, IVP は次のようなメッセージを表示します。

    %DECW-I-IVP, Server does not support SECURITY extension. Proxy test skipped.
    

  • IVP ダイアログの最初の部分でディスプレイ名の変わりにノード名を入力した場合, IVP は次のようなメッセージを表示します。

    %DECW-I-IVP, LBX Proxy tests need a display device. Proxy test skipped.
    



8.2.4 表示関連以外のテスト

最後に,IVP は表示関連以外の 2 つのテストを実行します。

  • 3 つのうち最初のテストは Motif UIL コンパイラを起動します。プログラミング・サポートをインストールしていない場合, IVP は,Motif UIL イメージが存在しないためこのテストは実行されない旨通知するメッセージを表示します。このテストが実行された場合,終了状態が通知されます。

  • 最後のテストでは,テキスト・ファイルが DDIF フォーマットに変換され,その後テキストに戻されて,元のテキスト・ファイルと変換されたファイルが比較されます。ファイルが一致する場合,テストは成功しています。ユーザに終了状態が通知されます。

次の例は,最後の 2 つのテストについての IVP の出力です。

%DECW-I-IVP, Invoking the UIL Motif compiler... 
%DECW-S-IVP, The UIL Motif compiler test completed successfully. 
%DECW-I-IVP, Beginning CONVERT/DOCUMENT IVP... 
%DECW-S-IVP, CONVERT/DOCUMENT IVP passed. 
%DECW-S-IVP, The IVP has completed. 
$



8.3 コンソールの選択

コンソールから手動で DECwindows Motif ソフトウェアをブートすることができます。ただし前述のように,コンソールのタイプはオペレーティング・システム・プラットフォームによって変わります。

8.3.1 OpenVMS Alpha システムの場合

メイン・コンソールから DECwindows Motif ソフトウェアをブートすることができます。オペレータ・ウィンドウを表示するかしないかは Ctrl/F2で切り替えることができます。メイン・コンソールは常にワークステーションの画面です。

メイン・コンソール(ワークステーション画面)にログインしている場合, DECwindowsを起動する前にログアウトする必要があります。メイン・コンソールから次のコマンドを実行してください。

$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP

コマンド・プロシージャが完了した後,メイン・コンソールからログアウトしてください。ログアウトしないとサーバは起動されず,ログイン・ボックスが表示されません。

ターミナル・ポート経由でワークステーションに接続したターミナルを代替コンソールとして使用することができます。メイン・コンソールからブートした場合,代替コンソールは DECwindows Motif スタートアップ・コマンド・プロシージャを起動したときに接続されます。代替コンソールからシステムをブートした場合, Console Window アプリケーションは起動できません。

8.3.2 OpenVMS I64 システムの場合

OpenVMS I64 環境では,特別な管理ポートに接続された非グラフィクスのシリアル・コンソールのみがサポートされます。シリアル・コンソールの構成および使用方法については『HP OpenVMS Upgrade and Installation Manual』を参照してください。

8.4 デスクトップの選択

OpenVMS Alphaシステムの場合, DECwindows Motif には 2種類のデスクトップのオプションがあります。 CDE (共通デスクトップ環境) から派生したNew Desktop および従来のDECwindowsウィンドウです。

インストレーション中に, New Desktop および従来のDECwindowsウィンドウの両方をインストールする選択をした場合,どちらを省略時の設定にするか問い合わせがあります。

省略時の設定としてもう一方のデスクトップを選択する場合は,次の手順を実行してください。

  1. SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE APPS SETUP.COM ファイルが存在しない場合は DECW$PRIVATE APPS SETUP.TEMPLATEからコピーします。 (または,以前のバージョンの DECwindows Motif がインストールされていない場合は,新規に作成します)。次に例を示します。

    $ COPY SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.TEMPLATE - 
    _$ SYS$COMMON:[SYSMGR]DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COM 
    

  2. SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_APPS_SETUP.COMを編集し, DECW$START_NEW_DESKTOPのシンボル定義を追加します。 New Desktop を省略時の設定にしたい場合は,次のグローバル・シンボル定義を入力します。

    $ DECW$START_NEW_DESKTOP == "TRUE" 
    


    DECwindowsデスクトップを省略時の設定にしたい場合は,次のグローバル・シンボル定義を入力します。

    $ DECW$START_NEW_DESKTOP == "FALSE" 
    

  3. 次のコマンドを実行して,DECwindowsを再起動します。

    $ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART 
    



8.5 システムの保守

この項では,システム・ジェネレーション・ユーティリティ(SYSGEN) およびAUTOGENユーティリティを使用して, DECwindows Motif 用にシステムを調整する方法を説明します。 AUTOGENユーティリティはシステム構成データを使用して,システム・パラメータを自動的に設定します。

  注意
DECwindows Motif のスタートアップ・プロシージャは,必要なシステム・パラメータ値を自動的にチェックし, NEWPARAMS.DAT を通して AUTOGEN に適切な値を渡します。したがって,ほとんどの場合,以下の項で説明するようなマニュアル操作によるパラメータ値のチェックおよび修正の必要はありません。これらの項では, DECwindows Motif により通常指定される値を超えてシステム・リソースを増やす必要があると判断した場合の手順について説明しています。



システム・パラメータ値をチェックするには, DCLプロンプトで次のコマンドを入力してSYSGENユーティリティを起動してください。

$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> USE CURRENT
SYSGEN> 

SYSGENプロンプトで, SHOWコマンドを入力してシステム・パラメータ値を表示してください。次のコマンドで,CLISYMTBL システム・パラメータ値を表示することができます。

SYSGEN> SHOW CLISYMTBL

SHOW コマンドですべての必要なパラメータをチェックした後, SYSGEN プロンプトで EXIT コマンドを入力し,DCL レベルに戻ります。

8.5.2 未使用のグローバル・ページとグローバル・セクションの計算

DECwindows Motif ソフトウェアをインストールし実行するためには, DECwindows Motif ソフトウェアおよび SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE ファイルに対して,十分な空きグローバル・ページとグローバル・セクションが必要になります。

DECwindows Motif は, NEWPARAMS.DAT ファイルでグローバル・ページおよびグローバル・セクションに対してMIN_ および ADD_ パラメータの両方を用意して十分なリソースが利用できるようにします。また, DECwindows Motif のスタートアップ・コマンド・プロシージャはこれらの値をチェックし,現在のリソースが十分でない場合は AUTOGEN を自動的に起動します。ただし,一定のシステム負荷のもとでは,ユーザ自身が MODPARAMS.DAT に ADD_ エントリを記述してこれらのリソースを増やす必要がある場合もあります。ユーザが MODPARAMS.DAT に用意した ADD_ の値は, DECwindows Motif が NEWPARAMS.DAT ファイルに用意した値に加えられます。

連続する空きグローバル・ページ数および空きグローバル・セクション数を調べるには,F$GETSYI レキシカル関数とともに WRITE コマンドを入力してください。可能であればこのコマンドは,これらの 2 つのリソースに対する負荷のピーク時に使用してください。次の例では,省略時のターミナル SYS$OUTPUT でこの情報を入手する方法を示しています。

$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("CONTIG_GBLPAGES") [Return]
15848
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS") [Return]
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