2.2.1 日本語ファイル名をサポートするボリューム構造 |
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日本語 OpenVMS V7.2 からサポートされている日本語ファイル名は,標準版 OpenVMS V7.2 以降で提供する Extended File Specification の機能である,Unicode ファイル名を利用しています。Unicode ファイル名は,新しいボリューム構造である ODS-5 でのみサポートされているため,日本語ファイル名もまた ODS-5 ボリュームでのみサポートされます。
2.2.2 DCL コマンド |
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日本語 OpenVMS では,標準版 OpenVMS の DCL コマンドで日本語ファイル名が完全に正常に動作することは保証していません。一部の DCL コマンドでは日本語ファイル名が正しく表示されないなどの問題が発生する場合があります。
2.2.3 ファイル名コンバータの非同期切り換えの禁止 |
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ファイル名コンバータの有効/無効は,プロセス単位に設定されます。したがって,マルチスレッド環境で不用意にコンバータを切り換えると他のスレッドの動作に影響を与えます。特に RMS によるファイル・アクセスの実行中に切り換えを行うと,予期せぬ障害が発生する場合があります。
ファイル名コンバータの切り換えは,必ずスレッド間の同期をとってから行ってください。
2.2.4 ファイル名に半角カナを使用した場合の制限 |
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標準版 OpenVMS と日本語 OpenVMS が提供する各種ユーティリティのうち,日本語ファイル名をサポートすると明記されているものでも,半角カナの含まれているファイル名を表示すると,半角カナ以降のカラムがずれる等の現象が発生します。
2.2.5 RMS 以外の API での日本語ファイル名の使用 |
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$QIO などの RMS 以外の API では,ファイル名として Super DEC 漢字コードセットを使用することはできません。これらの API で使用できるファイル名については『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』を参照してください。
2.2.6 RMS で日本語ファイル名に使用できない文字 |
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V7.3-1
日本語 OpenVMS では,以下の文字はファイル名として使用できません。
アスタリスク (*)
疑問符 (?)
ユーザ定義文字 (0xA121〜0xFE7E)
Super DEC 漢字でない文字 ( JIS X 0213 や ISO Latin-1 文字など)