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HP OpenVMS Systems
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日本語 HP FMS for OpenVMS

日本語 HP FMS for OpenVMS

リリース・ノート


2006 年 3 月

このリリース・ノートは,日本語 HP FMSドキュメンテーション・セットの情報を補足する目的で作成されています。本書では,日本語 HP FMSを使うすべてのプログラマに必要な情報を提供します。

オペレーティング・システム: 日本語OpenVMS I64 バージョン 8.2以降
ソフトウェア・バージョン: 日本語 HP FMS for OpenVMS I64 バージョン2.5



日本ヒューレット・パッカード株式会社


© 2006 Hewlett-Packard Development Company, L.P.

本書の著作権は Hewlett-Packard Development Company, L.P. が保有しており,本書中の解説および図,表は Hewlett-Packard Development Company, L.P. の文書による許可なしに,その全体または一部を,いかなる場合にも再版あるいは複製することを禁じます。

また,本書に記載されている事項は,予告なく変更されることがありますので,あらかじめご承知おきください。万一,本書の記述に誤りがあった場合でも,日本ヒューレット・パッカードは一切その責任を負いかねます。

本書で解説するソフトウェア ( 対象ソフトウェア ) は,所定のライセンス契約が締結された場合に限り,その使用あるいは複製が許可されます。

日本ヒューレット・パッカードは,弊社または弊社の指定する会社から納入された機器以外の機器で対象ソフトウェアを使用した場合,その性能あるいは信頼性について一切責任を負いかねます。

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まえがき

本書では,英語版HP FMS V2.5で追加された新規機能や変更された機能とともに,本リリースで修正された問題点および現在の問題点,制約などについて説明します。また,日本語 HP FMS V2.5特有の機能,および,英語版 HP FMS V2.5との互換性および相違点について記述します。

なお,本書に記述されている事項以外のFMSの機能については,次のマニュアルを参照してください。


第 1 章
日本語 HP FMSバージョン2.5での改善点と特徴

1.1 日本語OpenVMS I64のサポート

日本語 HP FMS for OpenVMS I64バージョン2.5は,日本語OpenVMS I64 オペレーティング・システムをサポートします。

1.2 LMFのサポート

日本語OpenVMS I64で日本語 HP FMSを使用するには,ライセンスが LICENSEデータベースに登録されている必要があります。登録を行うには,それに必要な情報が盛り込まれたPAK (Product Authorization Key)が必要となります。登録されたライセンスは,更に起動させてシステムに認識させる必要があります。

1.3 フォーム・ファイルとフォーム・ライブラリ形式の互換

日本語 HP FMS for OpenVMS I64バージョン2.5は,.FRMおよび.FLBのファイル形式を変更していません。日本語 FMSバージョン2.4の既存のファイルを日本語OpenVMS I64上でも使用できます。

1.4 メモリ配置とUAR VECTORオブジェクト・ファイルの形式の非互換

日本語OpenVMS I64ではオブジェクト・ファイルの形式が異なるため, JFMS/VECTORおよびJFMS/OBJECTユーティリティにいくつかの変更があります。これらのユーティリティは,デフォルトでは日本語OpenVMS I64 のファイル形式のファイルを生成します。 OpenVMS I64 システムで OpenVMS Alpha または, OpenVMS VAX の VMSオブジェクトをクロス開発する機能は提供されません。

JFMS/VECTORおよびJFMS/OBJECTが変更されたため,日本語 HP FMSフォーム・ドライバを利用する場合は,アプリケーションを再コンパイル,再リンクする必要があります。

1.5 フォーム・ドライバを利用しているアプリケーションの OpenVMS I64 への変換

ネイティブのOpenVMS Alpha アプリケーションを OpenVMS I64 で再リンクして実行することはできません。 AEST ユーティリティを使用することで, Alpha イメージから I64 イメージへのバイナリ・イメージ変換が可能です。変換されたアプリケーションによって使用されるフォーム・ドライバ JFDVSHR.EXE も同様に,Alpha から I64 への変換が必要です。その結果生成された変換済みフォーム・ドライバは,SYS$SHARE へコピーする必要があります。これにより,変換済みアプリケーションが自動的に変換済みフォーム・ドライバを使用するようになります。

もともと VAX プラットフォーム用に開発され,その後 OpenVMS Alpha 用に変換されたOpenVMSアプリケーションも, OpenVMS I64 用に変換することができます。この場合,フォーム・ドライバについても, VAX から Alpha へ変換し,その後 I64 用に変換したものを使用する必要があります。

現在 OpenVMS VAX で使用しているアプリケーションがある場合, 2 ステップの変換処理,すなわち VEST ユーティリティでOpenVMS Alpha へ変換した後,上記の手順で OpenVMS I64 用に変換する必要があります。

注意

FMS for OpenVMS I64 のフィールド・テストの段階では,バイナリ・トランスレータ・ツール AEST がまだテスト段階であったため,変換済みフォーム・ドライバと変換済みアプリケーションの性能に関しては,完全なテストを実施することができませんでした。

1.6 日本語機能の概要

日本語 HP FMS(Forms Management System)バージョン2.5は,英語版のHP FMS for OpenVMS I64バージョン2.5のフォーム・ドライバに,ローマ字・かな漢字変換入力機能を付加し,さらにフォーム・エディタに日本語の編集および入力機能を付加したものです。その他の機能は英語版の HP FMS for OpenVMS I64バージョン2.5と同等です。ただし,ユーロ対応機能は日本語 HP FMS バージョン2.5には含まれていません。また,同一システム内に英語版と日本語版の共存が可能です。

日本語 DEC FMSバージョン2.3では,キーパッドはアプリケーション・モードに固定されていましたが,日本語 HP FMSバージョン2.4 以降では,日本語変換用のフロント・エンド・プロセッサの使用を可能にするために,ユーザがキーパッドのモードを設定できるように変更されています。したがって,日本語 HP FMSバージョン2.3と同様に使用するためには,キーパッドのモードをあらかじめアプリケーション・モードに設定する必要があります。PC等の日本語変換用のフロント・エンド・プロセッサから日本語 HP FMSのXフィールドに漢字を入力することは,次のように設定することで行えます。


$ RUN SYS$KANJI:KANJIGEN 
KANJIGEN> SET/INPUT=KANJI 
KANJIGEN> EXIT 

ただし,この場合キーボードから直接ひらがなを入力することはできません。

日本語 HP FMSでは,GRキャラクタ・セットを指定することができます。GRキャラクタ・セットの指定により,8ビットデータ(半角カナ)と 16ビットデータ(漢字)をフォーム上で混在させることが可能です。


第 2 章
日本語 HP FMSバージョン2.5における制限事項

2.1 VT200シリーズ端末の文字セット

次の制約は,VT200シリーズの端末上で動く文字セットの使用に適用されます。詳細については,お手元のVT-200シリーズ・ターミナルのドキュメントをご覧ください。

2.2 VT240シリーズ端末のフォーム属性とビデオ属性

VT240シリーズ端末のビットマップ・アーキテクチャのため,フォームやビデオの属性の中には,VT240シリーズ端末では他の機種と同じに動作しないものがあります。

これらの属性の使用は制限されませんが,使用に伴う端末の性能の限界を知っておいてください。

2.3 データ管理ツールを使ったFMSアプリケーション

お使いの FMS アプリケーションが,DATARIEVE などのデータ管理ツールへの呼び出し可能インタフェースを使用している場合は,それらのツールおよびライブラリも OpenVMS I64 上で使用できることを確認してください。詳細は,最寄りのサポート・センタまでご連絡ください。

2.4 RMSファイル・バージョンの限界

フォーム・エディタを既存のフォームについて使用する場合,フォーム・エディタは,エディタが最初に呼び出された時に出力ファイルを生成します。これは,フォーム・エディタから抜け出る時に,出力ファイルを開くことができない場合に編集内容が失われないようにするためですが,ファイル・バージョン限界セットのあるファイルやディレクトリにとっては,問題を引き起こす可能性があります。もしも,出力ファイルを開いた時に限界に達すると,オペレーティング・システムはファイルの最下位のバージョンを削除します。フォームを退避させないでフォーム・エディタから抜け出ると,利用できるファイルのバージョン数は,エディタが呼び出された時よりも1つ少ない数となります。従って,バージョンの限界が1に設定されていると,非常に危険です。バージョンの限界が1に設定されている場合で,フォームを退避させずにエディタから退出すると,利用できるフォームの前回のバージョンがなくなってしまいます。エディタを使用する場合は,ディレクトリおよびファイル・バージョン限界を1より大きい数に設定するようにしてください。

2.5 フォーム・エディタ"AS IS"の幅制限

フォーム・エディタの中で幅を"AS IS"と指定したフォームを作成し,かつフォームに倍角または横倍角の行が1行以上含まれる場合,フォーム・エディタはそのフォームを,現在の端末の幅(SET TERMINAL/WIDTH) として要求されている幅で出力します。これは,幅132に設定されている端末(SET TERMINAL/WIDTH=132)で"AS IS"フォームを編集する場合に,問題を引き起こす可能性があります。フォームが物理的に占める幅が80カラム以下であっても,フォームはフォーム・ドライバによる表示に132カラムの画面を要求します。

この問題は,倍角または横倍角の行の含まれる"AS IS"幅のフォームを編集する際に,幅80の端末(SET TERMINAL/WIDTH=80)でフォーム・ドライバを使用すれば,解決できます。その結果,フォームは,80カラムまたは132カラムのどちらかの画面に表示されます。この制限は,フォームが倍角または横倍角の行を含む場合で,かつフォームの幅が"AS IS"に設定されている場合にのみ適用されます。

2.6 HP FMSでのTYPEAHEADとHOSTSYNCの端末設定

VMSドキュメンテーションで述べられているように,端末は, "TYPEAHEAD"または"NOTYPEAHEAD"に設定することができます(VMS SET TERMINAL DCL (DIGITAL Command Language)コマンドについては,ドキュメンテーションを参照)。HP FMSとフォーム・ドライバのアプリケーションは,どちらの設定方法の端末でも稼働します。ただし,ノー・タイプアヘッド(先行入力禁止)の場合は,フィールドに追加文字が入ったり,データが損失したりといった問題を引き起こす可能性があります。

タイプアヘッド(先行入力許可)は,プログラムまたはシステムの読み込みがされていないタイミングでも入力を受け付けます。ノー・タイプアヘッド(先行入力禁止)とは,プログラムまたはシステムが読み込みを端末に発行しない限り,端末が入力を受け付けないことを意味します。読み込みがなくて入力された文字は放棄されます。

ノー・タイプアヘッドに伴う問題は,端末のオペレータが,1つ以上の文字を生成するキーを押す時に起こります。例えば,矢印キーがこれにあたります。


Operator 
presses arrow:       <ESC>[A 
         Time:  -----|----|-----> 
                     A    B 

前の例では,オペレータが時間Aで矢印キーを押していますが,端末に対する読み込みは,エスケープ・シーケンスの最中では,時間Bになるまで出されません。その結果,エスケープ文字(<ESC>)は,求められていない入力とみなされ,失われてしまいます。ところが,"[A"は求められている入力なので,フィールド内でデータとして使われます。従って,オペレータの行いたい矢印操作は,データ(不要データ)をフィールドに入力するものとして誤って解釈されてしまいます。

これは,オペレータの入力する文字が有効化されない時にフォーム・ドライバを使用するアプリケーションで特に目につきます。この時点でエラー・メッセージが表示され,カーソルがフィールドに再位置付けされるまで,未解決の読み込み動作は行われません。

従って,フォーム・ドライバのアプリケーションは,タイプアヘッドに設定されている端末で稼働するようにしてください。もしも,端末を専用端末とし,ノー・タイプアヘッドでセット・アップすることが重要である場合は,フォーム・ドライバのアプリケーションが読み込み動作 (FDV$GETx, FDV$WAIT)を発行する前に,端末の特性を,DCLコマンドSET TERMINALあるいは要求されているシステム・サービスの呼び出しで,タイプアヘッドに変更することをすすめます。

オペレータがエスケープ・シーケンスを生成するキー(例えば,矢印キー)を使って入力を続けた場合,タイプアヘッド・バッファがいっぱいになると,シーケンスのその部分が失われる可能性があります。シーケンスの一部が失われると,FDV$GET-typeの呼び出しは,データのオーバランがあることをフォーム・ドライバのアプリケーションに知らせるシステム・エラーを伴って終了してしまうことがあります。この問題が起こらないようにするには,フォーム・ドライバ・アプリケーションがアタッチされている端末をHOSTSYNCに設定するようにしてください。

2.7 BASIC CTRL/C機能(CTRLC)とフォーム・ドライバ呼び出し

BASICユーザ・ガイドで提案されているように,BASICのCTRL/C機能 (CTRLC)は,プログラムから出る前に最終クリアを行う時に用いられるべきです。BASIC CTRLCにより中止されたフォーム・ドライバ呼び出しは(CTRL/CのトラッピングがBASIC CTRLC機能により許可されている場合),フォーム・ドライバの内部データ構造を壊してしまいます。 CTRL/Cのトラッピング後に行われたフォーム・ドライバ呼び出しはすべて,予想できない結果となる場合があります。これは,BASICリファレンス・マニュアルで述べられているように,フォーム・ドライバのデータ構造を始めとする変数が未定義の状態のままとなる可能性があるからです。

2.8 7ビット端末でマルチナショナル文字セットを使うフォーム

マルチナショナル文字セットを使用するVT200シリーズの端末で稼働するように作られているフォームは,マルチナショナル文字セットを認識しないVT100シリーズ端末やその他の7ビット端末で動かすことができます。8ビット文字を7ビット文字に翻訳させるには,端末を "/FALLBACK"に設定してください。DCLコマンドSET TERMINAL/FALLBACK についての詳細は,DCLディクショナリをご覧ください。また,この特徴はシステムの性能全体に影響を与える可能性があることに注意してください。


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