シンボリック・リンクは,他のファイルを指す特殊なファイルです。シンボリック・リンクはディレクトリの 1 つのエントリになっていて,サービスがアクセスするときに POSIX パス名として解釈するテキスト文字列をあるファイルに対応付ける機能があります。シンボリック・リンクへアクセスする操作のほとんどは,そのシンボリック・リンク自体に対してではなく,そのテキスト内容が参照している実際のオブジェクトに対して行われます。したがって,実際のオブジェクトが存在していないと,その操作は失敗します。 OpenVMS におけるシンボリック・リンクは,編成が SPECIAL でタイプが SYMBOLIC_LINK のファイルとして実装されています。
シンボリック・リンクでは,絶対パス名だけでなく相対パス名を指定することもできます。たとえば,内容が ".." というパスで始まるシンボリック・リンクは,その親ディレクトリを参照することになります。また,このシンボリック・リンクを別のディレクトリへ移動すれば,その新しいディレクトリの親ディレクトリを参照することになります。
OpenVMS におけるシンボリック・リンクの使用方法については, 第 12.2 節 を参照してください。
マウント・ポイントとは,ファイル・システムが接続されている位置 (実際にはディレクトリ) のことです。 OpenVMS におけるディスク・ボリュームという概念と, UNIX のファイル・システムという用語は,本質的に同じものを表しています。マウント・ポイントを確立すると,マウント・ポイントになる前の元のディレクトリにあった内容へはアクセスできなくなります。
システムをリブートすると,リブートの前に確立されていたマウント・ポイントは無効になります。
OpenVMS でマウント・ポイントを確立する方法については, 第 12.7 節 を参照してください。
次に示すように,POSIX には予約済みのファイル名が 2 つあります。
.(現在のディレクトリ)
..(親ディレクトリ)