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OpenVMS Cluster のボートの合計(EXPECTED_VOTES)を,指定した値に設定します。値が指定されていない場合には,ボートの合計をシステムが決定した値に設定します。

OPER(オペレータ)特権が必要です。


形式

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES [=値]


パラメータ



クラスタのボートの合計を指定します。

説明

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTESコマンドを使用すると,クラスタの予想ボートの合計を調整できます。各ノードによって与えられるボートと,クラスタ・クォーラム・ディスクによって与えられるボートの合計に等しい値を設定してください。システムは,クラスタの中のボートの合計から,クラスタ・クォーラムの値を自動的に計算します。

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES コマンド文字列の一部分として,ボートの合計を指定することができます。ボートの合計を指定せずに,SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES コマンドを入力すると,システムは,以下の式を使用して値を計算します。

EXPECTED_VOTES=(NODE1_VOTES+NODE2_VOTES+...)+QUORUM_DISK_VOTES 

NODEn_VOTES は,クラスタの中の各ノードにおけるシステム・パラメータのVOTES の値です。また,QUORUM_DISK_VOTES はシステム・パラメータのQDSKVOTES の値です。

値を指定せずに,SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES コマンドを入力すると,システムは,クラスタとして設定されているすべてのノードが,現在のクラスタ・メンバであると仮定します。

一般に,ノードが長期間クラスタから離れる場合に限り, SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES コマンドを使用します。正常な環境の下では,ノードが再ブートされ再びクラスタに加わるかもしれないので,ノードがクラスタを離れた場合でも,クォーラムは減らされません。ノードがクラスタから離れ,ある合理的な時間内にクラスタに戻れない場合 ( たとえば,ノードがハードウェア上の問題のためにクラッシュし,数日間クラスタに戻ることができない場合 ),そのノードが復帰するまで,クラスタのクォーラムは,ボートの合計を低くすることによって安全に減らすことができます。

クラスタ・クォーラムの目的は,クラスタ分割の可能性を除去し,同じリソース ( たとえば,HSC50 ディスク ) への同時アクセスを除去することです。クラスタのすべてのメンバのボートの合計が,クラスタ・クォーラムより小さい場合は,新しいノードがメンバとして参加し,ボートの合計を増加するまで,クラスタの中のすべてのノードは処理を停止します。 1 つまたは複数のノードが長期間クラスタを離れる場合には,クォーラム値を低くする(ボートの合計を減らす)ことによって,この可能性を低下させます。

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES コマンドに指定した値に関係なく,クォーラムを現在のボート合計より多くしたり,その半分以下に減らすことはできません。

SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES コマンドを入力する場合,ボートの合計の指定の有無に関わらず,システムは,現実に設定された新しい値を示すメッセージで答えます。新しいボートの合計はクラスタ全体に広められるので,クラスタの 1 つのノードだけでこのコマンドを入力します。この新しいボートの合計は,各クラスタ・ノード上のシステムパラメータ EXPECTED_VOTES に保存され,ノードの再ブート後も有効なままです。

以前にクラスタのメンバだったノードの復帰準備ができた場合,ノードをクラスタに復帰させる前に,SYSGEN パラメータ EXPECTED_VOTES を元の値に増さなければなりません。ノードがクラスタに復帰する場合には,ボートの合計は自動的に増やされるので,SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES コマンドを使用する必要はありません。


#1
$ SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES

この例では,コマンド文字列の一部として値が指定されていないため,システムが,ユーザの代わりに,クラスタの EXPECTED_VOTES を計算します。システムは,NODEn_VOTES + QUORUM_DISK_VOTES という公式を使用します。

#2
$ SET CLUSTER/EXPECTED_VOTES=9
 

この例では,クラスタのボートの合計を 9 に設定します。


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