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OpenVMS マニュアル |
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HP OpenVMS
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目次 | 索引 |
SET DEFAULT |
現在のプロセスの,省略時の装置名またはディレクトリ名を設定します。新しく設定した省略時の名前は,これ以後の,装置名またはディレクトリ名が指定されていないすべてのファイル指定に適用されます。省略時の装置を変更した場合,システムは指定された装置を,SYS$DISK という論理名に割り当てます。
SET DEFAULT [装置名[:]][ディレクトリ指定]
装置名[:]
ファイル指定の中で省略時の装置名として使用される,装置名を指定します。
注意
SET DEFAULT コマンドは,ノード名の付いたデバイス名 (ノード名::デバイス名) を認識します。ただし,省略時の値にノード名を付けて操作を実行した場合,どのような結果になるかは予測がつきません。ユーティリティやアプリケーションによっては,ファイル指定でノード名を指定できないため,省略時のファイル指定にノード名が含まれていると失敗することがあります。
ディレクトリ指定
ファイル指定の中で省略時のディレクトリ名として使用される,ディレクトリ名を指定します。かぎかっこ ([ ]) で囲まなければなりません。ディレクトリ名指定では,現在のディレクトリのすぐ上位のディレクトリを指定するのに,検索のためのワイルドカード文字として,マイナス符号 (-) を使用できます。Alpha システムで新たに指定されたディレクトリ指定が 255 文字を越えた場合, SET DEFAULT コマンドは省略時のディレクトリ指定を新たに指定されたディレクトリ指定に置換しようとします。置換が発生した場合,通常のシンタックス・チェックに加えて,デバイス名を含むディレクトリ指定の全パスが検証され,そのディレクトリ指定が存在していてその位置に移動することができなければなりません。
Alpha システムでプロセスの解析スタイルが EXTENDED に設定されている場合は,ディレクトリ指定に DID( ディレクトリ ID) を含むことができます。
装置名,ディレクトリ指定のどちらか 1 つのパラメータは,必ず指定しなければなりません。装置名のみを指定した場合は,ディレクトリ指定は現在のディレクトリになります。ディレクトリ指定のみを指定した場合は,装置名指定は現在の装置になります。
論理名を使用する場合,少なくとも装置名の部分を含まなければなりません。 SET DEFAULT のパラメータとしてサーチ・リスト論理名を使用した場合,その論理名を変換せず,そのまま保存します。このため,OpenVMS レコード管理サービス (RMS) は,サーチ・リスト全体をアクセスできます。SHOW DEFAULT コマンドを実行すると,サーチ・リスト論理名がその等価名とともに,省略時の装置として表示されます。
#1 |
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$ SET DEFAULT [TANNER] |
この例では,省略時のディレクトリ名を,[TANNER] に変更します。省略時のディスク装置は変更されません。
#2 |
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$ SET DEFAULT $FLOPPY1:[MOREAU.MEMOS] |
この SET DEFAULT コマンドは,装置 $FLOPPY1 上のサブディレクトリ [MOREAU.MEMOS] を省略時の装置 / ディレクトリに設定します。
#3 |
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$ SET DEFAULT $FLOPPY1: |
この SET DEFAULT コマンドは,装置 $FLOPPY1 を省略時の装置に設定します。省略時のディレクトリは変更されません。
#4 |
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$ SET DEFAULT [-] |
この例では,省略時のディレクトリを,現在の省略時のディレクトリの親ディレクトリに設定しています。たとえば,現在の省略時のディレクトリが $FLOPPY1:[NIELSEN.MEMOS] であれば,省略時設定を $FLOPPY1:[NIELSEN] に変更します。また,$FLOPPY1:[NIELSEN] であれば,ディスク上のマスタ・ディレクトリである $FLOPPY1:[000000] に設定します。
#5 |
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$ SAVEDEF = F$ENVIRONMENT("DEFAULT") $ SET DEFAULT [122001.ZAMORA.APP10] . . . $ SET DEFAULT 'SAVEDEF' |
この例では,レキシカル関数 F$ENVIRONMENT を用いて現在の省略時の装置とディレクトリを,シンボル SAVEDEF に定義しています。SET DEFAULT コマンドで,省略時のディレクトリを [122001.ZAMORA.APP10] に変え,その後,シンボル SAVEDEF を用いて最初のディレクトリへ戻っています。
#6 |
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$ SHOW DEFAULT WORK:[TOP] $ DEFINE X WORK:[TOP.SUB1],WORK:[TOP.SUB2] $ SET DEFAULT X $ SHOW DEFAULT X:[TOP] = WORK:[TOP.SUB1] = WORK:[TOP.SUB2] $ DIRECTORY Directory WORK:[TOP.SUB1] KUDOS.TMP;1 Total of 1 file. Directory WORK:[TOP.SUB2] KUDOS.TMP;1 Total of 1 file. Grand total of 2 directories, 2 files. $ DIRECTORY [] Directory WORK:[TOP] KUDOS.TMP;1 NETSERVER.LOG;2 Total of 2 files. |
この例では,省略時の装置とディレクトリは WORK:[TOP] です。論理名 X は, 2 つのサブディレクトリを示すサーチ・リストとして定義されています。コマンド SET DEFAULT X を実行すると,サーチ・リスト (X) が SYS$DISK に定義され装置名となります。次の SHOW DEFAULT コマンドが,サーチ・リストと省略時のディレクトリを,その展開型とともに示しています。
DIRECTORY コマンドが実行されると,論理名 X で参照されるディレクトリが検索されます。ただし,省略時のディレクトリを示す ([]) が明示的に指定されると, SYS$DISK ではなく現在の省略時のディレクトリが検索されます。
#7 |
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$SET PROCESS/PARSE_STYLE=EXTENDED $SET DEFAULT WORK:[11,1,0] $SHOW DEFAULT WORK:[11,1,0] $DIRECTORY Directory WORK:[11,1,0] X.X;1 Total of 1 file. |
この例では,Alpha システムでの SET DEFAULT コマンドで,ディレクトリ指定に DID( ディレクトリ ID) を使用しています。
#8 |
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$SET PROCESS/PARSE_STYLE=EXTENDED $SET DEFAULT - WORK:[.LONG_DIRECTORY_NAME_AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA] $SET DEFAULT - WORK:[.LONG_SUBDIRECTORY_NAME_BBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBBB] $SET DEFAULT - WORK:[.LONG_SUBDIRECTORY_NAME_CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC] $SET DEFAULT - WORK:[.LONG_SUBDIRECTORY_NAME_DDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDDD] $SET DEFAULT - WORK:[.LONG_SUBDIRECTORY_NAME_EEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE] $SHOW DEFAULT MDA0:[15,1,0] $SET DEFAULT [-] %RMS-F-DIR, error in directory name $SET DEFAULT [.TEST] $SHOW DEFAULT MDA0:[15,1,0.TEST] |
この例では,Alpha システムで省略時のディレクトリ文字列の長さが 255 文字を越えたため,ディレクトリ指定にディレクトリ ID が使用されています。省略時のディレクトリ文字列がディレクトリ ID と置換された場合, 1 つ上位のディレクトリを指定するためにマイナス記号を使用することはできません。
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