日本-日本語
日本HPホーム 製品 & サービス OpenVMS製品情報
≫  お問い合わせ


OpenVMS マニュアル


 

OpenVMS
ドキュメント・ライブラリ

タイトルページ
目次
まえがき
リファレンス・セクション
    ≫ コマンド一覧
    ≫ レキシカル関数
付録 A:廃止されたコマンド
付録 B:DCL整数表現の範囲を超える数値の処理
索引
PDF    Vol.1   Vol.2
OpenVMS ホーム

HP OpenVMS
DCL ディクショナリ


目次 索引




1 つまたは複数のマウントされている,Files-11 構造のボリュームの属性を変更します。SET VOLUME コマンドは,コマンドが入力されたノード上でのみ有効であり,OpenVMS Cluster 構成中の複数のノード上でボリュームがマウントされている場合でも,他のノード上では働きません。

ボリュームの所有者でない場合は,ボリュームに対する制御アクセス権が必要です。


形式

SET VOLUME 装置名[:][,...]


パラメータ



装置名[:][,...]

1 つまたは複数のマウントされている, Files-11 構造のボリュームの名前を指定します。

修飾子



/ACCESSED[=n]

OPER(オペレータ)特権が必要です。

レディ・アクセス (メモリ中でのディレクトリのアクセス) のために,システム空間に確保するディレクトリの数を指定します。 n に対して指定できる値は,0 〜 255 までの範囲です。 /ACCESSED 修飾子だけを指定し,ディレクトリの数を省略した場合には,省略時の値として 3 が使用されます。現在の値より大きな値を指定する場合には,新しい値が直ちに有効になります。しかし,現在の値より小さな値を指定する場合には,新しい値はホーム・ブロックに書き込まれ,ボリュームが次にマウントされるまで有効にはなりません。

/CACHE=(option[,...])

ボリュームに対する XFC キャッシュ機能を有効あるいは無効に設定します。 CLEAR_DATA オプションが指定されている場合,既にキャッシュに入っているボリュームの内容はデポーズされます。 (/CACHE 修飾子を指定していない場合は,既にキャッシュに入っているボリュームの内容とボリュームの XFC キャッシュ属性は影響を受けません。)

以下のキーワードが使用できます。

キーワード 説明
DATA ボリュームに対する XFC キャッシュ機能を有効にします。
[NO]DATA ボリュームに対する XFC キャッシュ機能を無効にします。
CLEAR_DATA XFC キャッシュにあるボリュームの内容をクリアします (存在する場合)。



/DATA_CHECK[=(オプション[,...])]

指定したボリュームに対する,すべての読み込みまたは書き込みの後で実行する,省略時のデータ・チェック操作を定義します。次のオプションを指定できます。

[NO]READ すべての読み込み操作の後で,データ・チェックを行う。
[NO]WRITE すべての書き込み操作の後で,データ・チェックを行う (省略時の設定)。



/ERASE_ON_DELETE

/NOERASE_ON_DELETE (省略時の設定)

ボリューム中のファイルが削除されるときに,そのファイルが使用していた領域が,システム特有のパターンで上書きされることを指定します。

/EXTENSION[=n]

ボリューム上のすべてのファイルで,省略時の拡張サイズとして使用するブロック数を指定します。 n に対して指定できる値は,0 〜 65535 までの範囲です。 /EXTENSION 修飾子だけを指定し,値を指定しない場合には,省略時の値として 0(OpenVMS RMS の省略時の値 ) が使用されます。

たとえば,更新操作で,ファイルが省略時の初期割り当てサイズより大きくなる場合には,拡張サイズの省略時の値が使用されます。

/FILE_PROTECTION=(所有者区分[:アクセス][,...])

指定したディスク・ボリューム上の,すべてのファイルに適用される省略時の保護を指定します。ファイル保護コードは,SYSTEM (S),OWNER (O),GROUP (G) と WORLD (W) からのアクセスに対して,読み込み (R),書込み(W),実行 (E) と削除 (D) 操作からの保護を指定します。何も指定しない場合は,どのアクセスもできません。

  注意
ボリュームが OpenVMS システムで使用されているときは,この属性は使用されませんが,RSX-11M システムで,プロセスがボリュームを使用する場合には,この属性によってボリュームの使用が制御されます。 OpenVMS システムは,常に省略時のファイル保護を使用します。ファイル保護は,SET PROTECTION/DEFAULT という DCL コマンドで変更できます。



/HIGHWATER_MARKING

/NOHIGHWATER_MARKING

File Highwater Mark (FHM) ボリューム属性を設定します。 FHM 属性は,ユーザが,自分で書き込んだデータ以外は読み込むことができないようにする機能です。 Files-11 オン・ディスク構造レベル 2 (ODS-2) およびレベル 5 (ODS-5) ボリュームにのみ適用します。

/LABEL=ボリューム・ラベル

ボリューム上に書かれる,1 〜 12 文字までの ANSI 名を指定します。指定したラベルは,明示的に他の名前に変更されるまで有効です。つまり,ボリュームをディスマウントしても,ラベルが変更されることはありません。ボリューム・ラベルには,英数字,ドル記号 ($),アンダースコア (_),ハイフン (-) だけを使用することをおすすめします。

  注意
ボリューム・ラベルを変更しても,変更前のボリューム・ラベルを使用するその他の構造は変更されません。たとえば論理ボリューム名 DISK$label や,OpenVMS が内部的に使用する装置ロック名も変更されません。そのため,変更前のボリューム・ラベルと同じボリューム・ラベルを持つ他のディスクにアクセスしようとすると, "%MOUNT-F-VOLALRMNT, another volume of same label already mounted" というエラー・メッセージが表示されます。

ディスクのボリューム・ラベルを変更する場合は,名前とロックの整合性を保つために,クラスタ内のすべてのノードにおいてディスクをディスマウントし,再度マウントすることをおすすめします。

システム・ディスク以外のディスクでボリューム・ラベルを変更する場合,そのディスク上に PRODUCT INSTALL コマンドを使用してインストールされたソフトウェア製品があるときは,そのソフトウェア製品のデータベースを更新して,この変更を反映する必要があります。これにはまず,ディスクをディスマウントして再マウントします。次に,PRODUCT REGISTER VOLUME コマンドを使用して,古い DISK$label をすべて,MOUNT コマンドで作成された新しい論理ボリューム名に置き換えます。

  注意
ラベルをシステム・ディスク上で変更する場合,この操作は必要ありません。 POLYCENTER ソフトウェア・インストール・ユーティリティは,システムがリブートされるまで,古い論理ボリューム名をそのまま使用します。システムがリブートされシステム・ディスクが再マウントされると,このユーティリティは,自動的に新しい論理ボリューム名によってシステム・ディスクを識別します。



/LIMIT[=n]

対象のボリュームのボリューム拡張を有効化します。 n には,拡張できる上限を指定します。値を指定しない場合は,最大拡張ポテンシャルが (ブロック単位で) 自動的に設定されます。

最大拡張サイズは,INITIALIZE/CLUSTER_SIZE コマンドを使用してボリュームに定義したクラスタ・サイズに依存します。クラスタ・サイズが 8 以上の場合,OpenVMS でサポートされている現在の最大拡張サイズ (1TB) が設定されます。クラスタ・サイズが 8 未満の場合,ビットマップの最大サイズが 65535 ブロックなので,拡張できる上限は "65535×4096×クラスタ・サイズ" に設定されます。ボリューム拡張についての詳細は,『Volume Shadowing for OpenVMS 説明書』のマニュアルを参照してください。

このコマンドは,ディスクがプライベートにマウントされている間に実行する必要があります。

将来,物理ストレージを追加した場合は,/SIZE 修飾子を使用してボリューム・サイズを大きくすることができます。

/LOG

/NOLOG (省略時の設定)

SET VOLUME コマンドが,変更後に各ボリュームのボリューム指定を表示するかどうかを指定します。

/MOUNT_VERIFICATION

/NOMOUNT_VERIFICATION

ボリュームに対してマウント・チェックを実行するかどうかを指定します。マウント・チェックは,ユーザの入出力処理への割り込みを防止し,ディスクに関する問題をオペレータを通知します。

/OWNER_UIC[=uic]

ボリュームの所有者の利用者識別コードを,指定する利用者識別コード(UIC)に変更します。省略時の利用者識別コード(UIC)は,現在のプロセスの UIC です。 UIC はかぎかっこ ([]) で囲みます。『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』に説明されている,標準的な UIC 形式を使用して指定します。

/PROTECTION=(所有者区分[:アクセス][,...])

ボリュームに適用される保護コードを指定します。次の規則が適用されます。

  • 所有者 パラメータは,システム (S),オーナ (O),グループ (G),またはワールド (W) として指定します。

  • アクセス・パラメータは,読み込み (R),書き込み (W),作成 (C),または削除 (D) として指定します。

省略時の保護コードは,すべての区分のユーザに対して,すべてのアクセスを許可します。

/REBUILD[=FORCE]

誤ってディスマウントされたボリュームのキャッシュ・リミットを回復します。ディスク・ボリュームが誤ってディスマウントされ ( システム障害が発生した場合など ),MOUNT/NOREBUILD コマンドによって再マウントされた場合には,SET VOLUME/REBUILD コマンドを使用して,ディスマウントされたときに有効だったキャッシュを回復できます。 FORCE オプションを使用すると,無条件にディスクを最構成します。つまり,ディスク・ボリュームのロック値ブロックのフリー・ブロック数を更新します。

/RETENTION=(最小値[,最大値])

ボリューム上のファイルの満了日を判断するためにファイル・システムが使用する,最小保持時間と最大保持時間を指定します。ファイルがボリュームに作成されると,満了日には最初に,現在の時刻に最大保持時間を加えたものが設定されます。ファイルがアクセスされるたびに,現在の時刻が最小保持時間に加算され,この合計が満了日より大きくなると,新しい満了日が計算されます。

最大値を省略した場合には,省略時の値として,最小値の 2 倍,または最小値に 7 を加えたもの中で小さい方の日数が使用されます。たとえば,/RETENTION=3- は,/RETENTION=(3-,6-)と同じであり, /RETENTION=10- は,/RETENTION=(10-,17-)と同じです。

SET VOLUME/RETENTION=0 コマンドは,ボリュームの保持時間の設定を解除します。

/SIZE[=nnn]

ファイル・システムで使用可能なディスク上の容量を指定します。この値は現在の論理ボリューム・サイズより大きく,ディスクの物理サイズか拡張上限 (/LIMIT で指定) のどちらか小さい方以下でなければなりません。

値を省略すると,使用可能な容量が,ディスクの物理サイズか拡張上限のどちらか小さい方に設定されます。

/STRUCTURE_LEVEL=n

ボリュームの構造レベルを設定します。ボリュームを ODS-5 に設定するには,値 5 を使用します。

別の修飾子とともに /STRUCTURE_LEVEL 修飾子が使用された場合は,別の修飾子よりも前にボリューム構造レベルが設定されます。

ODS-5 から ODS-2 にボリュームを変更するために SET VOLUME コマンドを使用することはできません。ODS-2 にボリュームをリセットするには,『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』を参照してください。

/SUBSYSTEM

/NOSUBSYSTEM

保護サブシステム ACE を有効にします。SECURITY 特権が必要です。省略時の設定では,ブート・ディスクのみ保護サブシステムが有効になっています。詳細は『OpenVMS システム・セキュリティ・ガイド』を参照してください。

/UNLOAD (省略時の設定)

/NOUNLOAD

DCL コマンド DISMOUNT を実行する場合に,ボリュームがアンロードされるかどうか (つまり,回転が停止するかどうか) を指定します。

/USER_NAME[=ユーザ名]

最大 12 文字の英数字から構成されるユーザ名が,ボリュームに記録されることを指定します。/USER_NAME 修飾子だけを指定し,ユーザ名を指定しない場合には,現在のプロセスのユーザ名が使用されます。

/VOLUME_CHARACTERISTICS=([[NO]HARDLINKS,] [[NO]ACCESS_DATES[=delta-time]])

ODS-5 ボリューム上で,ハードリンクおよびアクセス日付の自動更新を有効または無効にします。

ファイルが頻繁にアクセスされている場合に,パフォーマンスへの影響を少なくするには,変更が小規模であれば,アクセス時刻の更新を抑制します。デルタ時間を使用して,新しいアクセス時刻を有効にするタイミングを決定します。 delta-time の省略時の値は 1 秒です。これは,POSIX st_atimeで要求されている「seconds since EPOCH」時刻インタフェースに準拠するためです。 1 秒刻みのような細かな設定が必要でない場合は,より大きなデルタ時間を選択して,オーバヘッドを削減することができます。

ボリュームでのアクセス日付のサポートを無効にするには, SET VOLUME/VOLUME_CHARACTERISTICS=NOACCESS_DATES コマンドを使用します。このコマンドは,コマンドを実行したノードにだけ影響します。他のノードは,ボリュームが次回マウントされるまで,変更による影響は受けません。

ODS-5 ボリュームについての詳細は,『Guide to OpenVMS File Applications』と,『OpenVMS Alpha V 7.3-1 新機能説明書』のファイル・サービスの拡張機能についての項を参照してください。このマニュアルは,OpenVMS のドキュメント Web サイトにあります。

http://www.hp.com/go/openvms/doc 

このマニュアルへのリンクを表示するには,左のサイドバーの [マニュアル] をクリックします。

/WINDOWS[=n]

ファイル・ウィンドウに対して割り当てられる,マッピング・ポインタ数を指定します。

n に対して指定できる値は,7 〜 80 までの範囲です。省略時の値は 7 です。

/WRITETHROUGH

/NOWRITETHROUGH

この修飾子は,ファイル・ヘッダに対してデファード書き込みを要求できる PATHWORKS などのアプリケーションにのみ影響を与えます。これらのアプリケーションがデファード書き込み機能を使用できるかどうかを制御できます。

/NOWRITETHROUGH を使用すると,これらのアプリケーションはデファード書き込み機能を使用できるようになります。これらのアプリケーションの 1 つが,ファイル・ヘッダの更新の際に明示的にデファード書き込みを要求すると,入出力要求がキューに入れられた時点で制御がアプリケーションに戻ります。アプリケーションはデータがディスクに書き込まれるまで待つ必要はありません。

SHOW DEVICES/FULL コマンドでは,ボリューム状態が write-back caching enabled と表示されますが,拡張ファイル・キャッシュ (XFC) は依然としてライトスルー・モードになっています。

/WRITETHROUGH を使用すると,デファード書き込み機能は無効になり,どのアプリケーションもこの機能を使用できなくなります。SHOW DEVICES/FULL は,ボリューム状態を write-through caching enabled と表示します。

デファード書き込み機能は Files-11 ODS-1 ボリュームでは使用できません。


#1
$ SET VOLUME/DATA_CHECK=(READ,WRITE) DKA5

このコマンドは,DKA5 に対するすべての読み込み操作と書き込み操作の実行後には,データ・チェックを実行することを要求しています。

#2
$ SET VOLUME/FILE_PROTECTION=(S:RWED,O:RWED,G:RE,W:RE) DKA5

このコマンドは,ボリューム DKA5 上に作成されるすべてのファイルに適用される,省略時の保護コードを設定します。システム (S) とオーナ (O) は,すべてのタイプのアクセスが可能です。グループ (G) とワールド (W) は, DKA5 のファイルに対して,読み込みアクセスと実行アクセスだけが可能です。

#3
$ SET VOLUME/LABEL=LICENSES DKA5

このコマンドは,DKA5 ボリュームに LICENSES というラベルを付けます。ラベル文字を小文字で入力した場合には, /LABEL 修飾子によって大文字に変更されます。

#4
$ SET VOLUME/ACCESSED=25/USER_NAME=MANAGER/LOG DKA0:

このコマンドは,DKA0 ボリュームに対するレディ・アクセスのために,システム空間に 25 個のディレクトリを確保することを指定しています。また,このコマンドは,MANAGER というユーザ名をボリュームに割り当て,ボリュームが変更された後ボリューム指定を表示します。

#5
$ SET VOLUME/REBUILD/LOG NODE$DKA2:
%SET-I-MODIFIED, _NODE$DKA2: modified

この SET VOLUME/REBUILD コマンドは, NODE$DKA2 にマウントされているボリュームのキャッシュ復元操作を実行します。 /LOG 修飾子は,ボリューム変更の通知メッセージを表示するように, SET VOLUME コマンドに指示しています。

#6
$ DISMOUNT/CLUSTER/NOUNLOAD $252$DUA716:
$ MOUNT $252$DUA716: TST716
$ SET VOLUME/LIMIT $252$DUA716:
$ DISMOUNT/NOUNLOAD $252$DUA716:
$ MOUNT/CLUSTER $252$DUA716: TST716
 

この例では,クラスタにマウントされたボリュームの拡張上限を大きくする方法を示します。

#7
$ SET VOLUME SYS$DISK/VOLUME_CHARACTERISTICS=NOHARDLINKS

このコマンドは,SYS$DISK 上のハード・リンクを無効にします。

#8
$ SET VOLUME $DKA100/CACHE=CLEAR_DATA

このコマンドは,既に XFC キャッシュに存在する $DKA100 ボリュームの内容をデポーズします。 $DKA100 ボリュームのキャッシュ・モードは変更されません。

#9
$ SET VOLUME $DKA100/CACHE=DATA

このコマンドは,ボリューム $DKA100 に対する XFC キャッシュ機能を有効にします。既に XFC キャツシュに存在している $DKA100 ボリュームの内容には影響を与えません。

#10
$ SET VOLUME $DKA100/CACHE=(DATA,CLEAR_DATA)

このコマンドは,ボリューム $DKA100 に対する XFC キャッシュ機能を有効にします。既に XFC キャツシュに存在している $DKA100 ボリュームの内容はデポーズされます。


目次 索引

© 2012 Hewlett-Packard Development Company, L.P.