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HP OpenVMS デバッガ説明書
  
  
各ユーザは,プログラムで必要とされる数のプロセスの他に,デバッガの追加サブプロセスを生成できるだけの十分な PRCLM クォータを必要とします。
 BYTLM,ENQLM,FILLM,PGFLQUOTA はプールされるクォータです。次のように,デバッガ・サブプロセスを考慮して,これらのクォータの値を大きくする必要があります。
 
-  各ユーザの ENQLM クォータは,少なくともデバッグするプロセスの数だけ大きくしなければならない。
 -  各ユーザの PGFLQUOTA を大きくしなければならない。ユーザの PGFLQUOTA が不十分な場合には,デバッガを起動することができなかったり,実行中に "virtual memory exceeded" というエラーが表示されることがある。
 -  各ユーザの BYTLM クォータと FILLM クォータを大きくしなければならない。デバッグする各イメージ・ファイル,対応するソース・ファイル,デバッガ入力ファイル,出力ファイル,ログ・ファイルを開くには,十分な BYTLM クォータと FILLM クォータが必要である。これらのクォータを大きくするには, SYS$SYSTEM:AUTHORIZE.EXE を実行して,SYSUAF.DAT のパラメータを調整する。
  
  
 次の各項では,すべてのデバッガ・コマンドおよび関係する機能別の DCL コマンドの一覧を示します。デバッガ・セッションの途中でデバッガのプロンプトで HELP と入力すると,すべてのデバッガ・コマンドとその修飾子についてのオンライン・ヘルプを参照することができます ( 第 2.1 節 を参照 )。
 
 1.13.1 デバッガ・セッションの開始と終了 |    |  
  
デバッガを起動するとき,プログラムをデバッガの制御下に置くとき,デバッグ・セッションに割り込みをかけるとき,またはデバッガ・セッションを終了するときに使用するコマンドを次に示します。DCL の RUN コマンドまたは DCL の DEBUG コマンドと明記されていないコマンドはすべてデバッガ・コマンドです。
 
  
| $DEBUG/KEEP
 | 
(DCL) 保持デバッガを起動する。
 | 
 
| $RUN SYS$SHARE:DEBUGSHR.EXE
 | 
(DCL) 保持デバッガを起動する。
 | 
 
| $DEBUG/SERVER
 | 
(DCL) デバッグ・サーバを起動する。
 | 
 
| $DEBUG/CLIENT
 | 
(DCL) デバッグ・クライアントを起動する。
 | 
 
| $RUN SYS$SHARE:DEBUGUISHR.EXE
 | 
(DCL) デバッグ・クライアントを起動する。
 | 
 
| RUN
filespec
 | 
プログラムをデバッガの制御下に置く。
 | 
 
| RERUN
 | 
現在デバッガの制御下にあるプログラムを再実行する。
 | 
 
| $RUN
program-image
 | 
(DCL) 指定したイメージが LINK/DEBUG でリンクされている場合,デバッガを起動するとともに,そのイメージをデバッガの制御下に置く。この方法でデバッガを起動した場合,そのあとでデバッガの RUN コマンドや RERUN コマンドを使用することはできない。 RUN コマンドに /[NO]DEBUG 修飾子を使用すると,プログラムの実行時にデバッガを起動するかどうかを制御することができる。
 | 
 
| EXIT, Ctrl/Z
 | 
終了ハンドラをすべて実行して,デバッガ・セッションを終了する。
 | 
 
| QUIT
 | 
プログラム内で宣言されている終了ハンドラを何も実行しないで,デバッガ・セッションを終了する。
 | 
 
| Ctrl/C
 | 
プログラムの実行またはデバッガ・コマンドを強制終了する。デバッガ・セッションへの割り込みは行わない。
 | 
 
| (SET,SHOW) ABORT_KEY
 | 
省略時の Ctrl/C 強制終了機能を他の Ctrl キー・シーケンスに割り当てる (SET)。現在,強制終了機能に定義されている Ctrl キー・シーケンスを表示する (SHOW)。
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Ctrl/Y
  $DEBUG
 | 
(DCL) デバッガの制御なしで実行しているプログラムに割り込みをかけてから,デバッガを起動する。
 | 
 
| ATTACH
 | 
端末の制御を現在のプロセスから別のプロセスへ移す。
 | 
 
| SPAWN
 | 
サブプロセスを作成する。これによってデバッガ・セッションを終了しないで,またデバッグ・コンテキストを失わずに,DCLコマンドを実行することができる。
 | 
 
 
 
 1.13.2 プログラム実行の制御とモニタ |    |  
  
次の各コマンドは,プログラム実行を制御したりモニタしたりするときに使用します。
 
  
| GO
 | 
プログラム実行を開始または再開する
 | 
 
| STEP
 | 
次の行か次の命令まで,または指定した命令までプログラムを実行する
 | 
 
| (SET,SHOW) STEP
 | 
STEPコマンドの省略時の修飾子を設定 (SET),または表示 (SHOW) する
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) BREAK
 | 
ブレークポイントの設定 (SET),表示 (SHOW),または取り消し (CANCEL) を行う
 | 
 
| (ACTIVATE,DEACTIVATE) BREAK
 | 
以前に設定したブレークポイントを有効 (ACTIVATE),または無効 (DEACTIVATE) にする
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) TRACE
 | 
トレースポイントの設定 (SET),表示 (SHOW),または取り消し (CANCEL) を行う
 | 
 
| (ACTIVATE,DEACTIVATE) TRACE
 | 
以前に設定したトレースポイントを有効 (ACTIVATE),または無効 (DEACTIVATE) にする
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) WATCH
 | 
ウォッチポイントの設定 (SET),表示 (SHOW),または取り消し (CANCEL) を行う
 | 
 
| (ACTIVATE,DEACTIVATE) WATCH
 | 
以前に設定したウォッチポイントを有効 (ACTIVATE),または無効 (DEACTIVATE) にする
 | 
 
| SHOW CALLS
 | 
現在アクティブなルーチン呼び出しを表示する
 | 
 
| SHOW STACK
 | 
現在アクティブなルーチン呼び出しについての補足情報を表示する
 | 
 
| CALL
 | 
ルーチンを呼び出す
 | 
 
 
 
 1.13.3 データの検査と操作 |    |  
  
次の各コマンドは,データを検査および操作するときに使用します。
 
  
| EXAMINE
 | 
変数の値,またはプログラム記憶位置の内容を表示する
 | 
 
| SET MODE [NO]OPERANDS
 | 
命令の検査時に命令オペランドのアドレスと内容を表示するかどうかを制御する
 | 
 
| DEPOSIT
 | 
変数の値,またはプログラム記憶位置の内容を変更する
 | 
 
| DUMP
 | 
DCL コマンド DUMP にある程度似た,メモリの内容を表示する。
 | 
 
| EVALUATE
 | 
言語式またはアドレス式を評価する
 | 
 
| MONITOR
 | 
デバッガの HP DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースにだけ適用される。変数または言語式の現在の値を HP DECwindows Motif for OpenVMS ユーザ・インタフェースのモニタ・ビューに表示する
 | 
 
 
 
 1.13.4 型の選択の制御と基数の制御 |    |  
  
次の各コマンドは,型の選択と基数を制御するときに使用します。
 
  
| (SET,SHOW,CANCEL) RADIX
 | 
データを入力および表示するときの基数を設定 (SET),表示 (SHOW),復元 (CANCEL) する
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) TYPE
 | 
コンパイラ生成型に対応していないプログラム記憶位置の型を設定 (SET),表示 (SHOW),復元 (CANCEL) する
 | 
 
| SET MODE [NO]G_FLOAT
 | 
倍精度浮動小数点定数をG浮動小数点数として解釈するかD浮動小数点数として解釈するかを制御する
 | 
 
 
 
 1.13.5 シンボル検索とシンボル化の制御 |    |  
  
次の各コマンドは,シンボル検索とシンボル化を制御するときに使用します。
 
  
| SHOW SYMBOL
 | 
プログラム内のシンボルを表示する
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) MODULE
 | 
モジュールのシンボル情報をデバッガのシンボル・テーブルへロードすることによってモジュールを設定する (SET)。設定されたモジュールの表示 (SHOW),または取り消し (CANCEL) を行う
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) IMAGE
 | 
データ構造をデバッガのシンボル・テーブルにロードすることによって共用可能イメージを設定する (SET)。設定されたイメージの表示 (SHOW),または取り消し (CANCEL) を行う
 | 
 
| SET MODE [NO]DYNAMIC
 | 
デバッガが実行に割り込みをかけるときに,モジュールと共用可能イメージを自動的に設定するかしないかを制御する
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) SCOPE
 | 
シンボル検索の有効範囲を設定 (SET),表示 (SHOW),復元 (CANCEL) する
 | 
 
| SYMBOLIZE
 | 
メモリ・アドレスをシンボリック・アドレス式に変換する
 | 
 
| SET MODE [NO]LINE
 | 
プログラム記憶位置を行番号で表示するか,それとも
routine-name +
byte offset で表示するかを制御する
 | 
 
| SET MODE [NO]SYMBOLIC
 | 
プログラム記憶位置をシンボルで表示するか,それともアドレス値で表示するかを制御する
 | 
 
 
 
 1.13.6 ソース・コードの表示 |    |  
  
次の各コマンドは,ソース・コードの表示を制御するときに使用します。
 
  
| TYPE
 | 
ソース・コードの行を表示する
 | 
 
| EXAMINE/SOURCE
 | 
アドレス式で指定した記憶位置のソース・コードを表示する
 | 
 
| SEARCH
 | 
指定した文字列をソース・コードから検索する
 | 
 
| (SET,SHOW) SEARCH
 | 
SEARCHコマンドの省略時の修飾子を設定 (SET),または表示 (SHOW) する
 | 
 
| SET STEP [NO]SOURCE
 | 
STEPコマンド実行後のソース・コードの表示,またはブレークポイント,トレースポイント,ウォッチポイントでのソース・コードの表示を有効または無効にする
 | 
 
| (SET,SHOW) MARGINS
 | 
ソース・コードを表示するときの左右のマージンを設定 (SET),または表示 (SHOW)する
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) SOURCE
 | 
ソース・ディレクトリの検索リストの作成 (SET),表示 (SHOW),または取り消し (CANCEL) を行う
 | 
 
 
 
 1.13.7 画面モードの使用 |    |  
  
次の各コマンドは,画面モードと画面ディスプレイを制御するときに使用します。
 
  
| SET MODE [NO]SCREEN
 | 
画面モードを有効または無効にする
 | 
 
| DISPLAY
 | 
ディスプレイを作成または変更する
 | 
 
| SCROLL
 | 
ディスプレイをスクロールする
 | 
 
| EXPAND
 | 
ディスプレイを拡大または縮小する
 | 
 
| MOVE
 | 
ディスプレイを画面の中で移動する
 | 
 
| (SHOW,CANCEL) DISPLAY
 | 
ディスプレイを確認 (SHOW),または削除 (CANCEL) する
 | 
 
| (SET,SHOW,CANCEL) WINDOW
 | 
ウィンドウの定義を作成 (SET),表示 (SHOW),削除 (CANCEL) する
 | 
 
| SELECT
 | 
ディスプレイ属性に対する表示を選択する
 | 
 
| SHOW SELECT
 | 
各ディスプレイ属性に対して選択されているディスプレイを確認する
 | 
 
| SAVE
 | 
ディスプレイの現在の内容を別のディスプレイに保存する
 | 
 
| EXTRACT
 | 
ディスプレイまたは現在の画面の状態をファイルに保存する
 | 
 
| (SET,SHOW) TERMINAL
 | 
ディスプレイやその他の出力を編集するときにデバッガが使用する端末画面の高さと幅を設定 (SET),または表示 (SHOW) する
 | 
 
| SET MODE [NO]SCROLL
 | 
出力ディスプレイを行ごとに更新するか,それともコマンドごとに一度ずつ更新するかを制御する
 | 
 
Ctrl/W
  DISPLAY/REFRESH
 | 
画面を再表示する
 | 
 
 
 
 1.13.8 ソース・コードの編集 |    |  
  
次の各コマンドは,デバッガ・セッションからソースの編集を制御するときに使用します。
 
  
| EDIT
 | 
デバッガ・セッションの途中でエディタを起動する
 | 
 
| (SET,SHOW) EDITOR
 | 
EDITコマンドで起動するエディタを設定 (SET),または表示 (SHOW) する
 | 
 
 
 
 1.13.9 シンボルの定義 |    |  
  
次の各コマンドは,アドレス,コマンド,値に対する各シンボルを定義または削除するときに使用します。
 
  
| DEFINE
 | 
アドレス,コマンド,または値としてシンボルを定義する
 | 
 
| DELETE
 | 
シンボルの定義を削除する
 | 
 
| (SET,SHOW) DEFINE
 | 
DEFINEコマンドの省略時の修飾子を設定 (SET),または表示 (SHOW) する
 | 
 
| SHOW SYMBOL/DEFINED
 | 
DEFINEコマンドで定義されたシンボルを表示する
 | 
 
 
 
 1.13.10 キーパッド・モードの使用 |    |  
  
次の各コマンドは,キーパッド・モードやキー定義を制御するときに使用します。
 
  
| SET MODE [NO]KEYPAD
 | 
キーパッド・モードを有効または無効にする
 | 
 
| DEFINE/KEY
 | 
キー定義を作成する
 | 
 
| DELETE/KEY
 | 
キー定義を削除する
 | 
 
| SET KEY
 | 
キー定義の状態を設定する
 | 
 
| SHOW KEY
 | 
キー定義を表示する
 | 
 
 
 
 1.13.11 コマンド・プロシージャ,ログ・ファイル,初期化ファイルの使用 |    |  
  
次の各コマンドは,コマンド・プロシージャやログ・ファイルとともに使用します。
 
  
| @ (実行プロシージャ)
 | 
コマンド・プロシージャを実行する
 | 
 
| (SET,SHOW) ATSIGN
 | 
コマンド・プロシージャを検索するためにデバッガが使用する省略時のファイル指定を設定 (SET),または表示(SHOW)する
 | 
 
| DECLARE
 | 
コマンド・プロシージャに渡すパラメータを定義する
 | 
 
| (SET,SHOW) LOG
 | 
デバッガのログ・ファイルを指定 (SET),または表示 (SHOW) する
 | 
 
| SET OUTPUT [NO]LOG
 | 
デバッガ・セッションをログに記録するかどうかを制御する
 | 
 
| SET OUTPUT [NO]SCREEN_LOG
 | 
画面モードにおいて,画面が更新されるときに画面の内容をログに記録するかどうかを制御する
 | 
 
| SET OUTPUT [NO]VERIFY
 | 
コマンド・プロシージャを実行するときにデバッガ・コマンドを表示するかどうかを制御する
 | 
 
| SHOW OUTPUT
 | 
SET OUTPUTコマンドで設定した現在の出力オプションを表示する
 | 
 
 
 
 1.13.12 制御構造の使用 |    |  
  
次の各コマンドは,条件やループによるデバッガ・コマンドの制御構造を設定するときに使用します。
 
  
| FOR
 | 
変数を増分しながらコマンドのリストを実行する
 | 
 
| IF
 | 
条件付きでコマンドのリストを実行する
 | 
 
| REPEAT
 | 
指定した回数だけコマンドのリストを実行する
 | 
 
| WHILE
 | 
条件が真の間だけコマンドのリストを実行する
 | 
 
| EXITLOOP
 | 
WHILEループ,REPEATループ,または FORループを終了する
 | 
 
 
 
 1.13.13 マルチプロセス・プログラムのデバッグ |    |  
  
次の各コマンドは,マルチプロセス・プログラムをデバッグするときに使用します。これらのコマンドはマルチプロセス・プログラムに固有のコマンドです。他のカテゴリに区分したコマンドの中にも,マルチプロセス・プログラムに固有の修飾子およびパラメータを持つコマンドがあります。たとえば,SET BREAK/ACTIVATING,EXIT 
process-spec, DISPLAY/PROCESS= などです。
 
  
| CONNECT
 | 
プロセスをデバッガの制御下に置く
 | 
 
| DEFINE/PROCESS_SET
 | 
プロセス指定のリストにシンボリック名を割り当てる
 | 
 
| SET MODE [NO]INTERRUPT
 | 
あるプロセス内で実行を一時停止しているときに,他のプロセスの中でその実行に割り込みをかけるかどうかを制御する
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| (SET,SHOW) PROCESS
 | 
マルチプロセス・デバッグ環境を変更する (SET)。プロセスの情報を表示する(SHOW)
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| WAIT
 | 
マルチプロセス・プログラムのデバッグの際に,デバッガが新たなコマンドの入力を求める前に,すべてのプロセスが停止するのを待つかどうかを制御する
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