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HP OpenVMS Alpha: パーティショニングおよび Galaxy ガイド

第7章 AlphaServer 4100 システムでの OpenVMS Galaxy の構築

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OpenVMSドキュメント・ライブラリ

目次
まえがき
第1章:パーティションによる負荷の管理
第2章:OpenVMS Galaxyの概念
第3章:OpenVMSアプリケーションに対するNUMAの影響
第4章:GS140/GS60/GS60Eでの構築
第5章:AlphaServer 8400での構築
第6章:AlphaServer 8200での構築
第7章:AlphaServer 4100での構築
第8章:ES40での構築
第9章:GS80/160/320での構築
第10章:ES47/ES80/GS1280での構築
第11章:AlphaシステムでのシングルインスタンスGalaxyの使用
第12章:Galaxyに関するヒントと手法
第13章:Galaxy Configurationユーティリティ
第14章:Graphical Configuration Manager
第15章:DCL CLIを使ったCPUの最割り当て
第16章:GalaxyとNUMAのコマンドとレキシカル関数
第17章:共用メモリを使った通信
第18章:共用メモリ・プログラミング・インタフェース
第19章:Galaxyデバイス・ドライバ
付録A:Galaxy CPU Load Balancerプログラム
付録B:メモリサイズ設定の共通値
付録C:ライセンスのインストール
用語集
索引
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この章では,AlphaServer 4100 で OpenVMS Galaxy コンピューティング環境を構築するための要件と手順について説明します。

7.1 はじめに

AlphaServer 4100 で OpenVMS Galaxy を構築するには, 構成およびハードウェアに関して,次の要件を十分理解しておく必要があります。

最大 2 つのインスタンス

AlphaServer 4100 では,OpenVMS のインスンタスを最大 2 つ実行できます。

コンソール・ファームウェア

OpenVMS バージョン 7.3 CD-ROM にある AlphaServer 4100 コンソール・ファームウェアが必要です。

コンソール・コマンド

第5章 「AlphaServer 8400 システムでの OpenVMS Galaxy の構築」に示したコンソール・ヒントの他に,次のことにも注意してください。

  • コンソール・コマンドは一度に 1 つのインスタンスで入力します。

  • 最初のコンソールで入力されたコマンドが完了するまで, 別のコンソールでコンソール・コマンドを入力しないでください。

AlphaServer 4100 のクロック

AlphaServer 4100 には 1 つのクロックがあります。OpenVMS Galaxy の場合, このことは 2 つのインスタンスを異なる時刻に実行できないことを意味します。 また,SET TIME コマンドは両方のインスタンスに影響します。しかし, かなり時間が経過するまで,このことは明らかにならない可能性があります。

コンソール・ポート

COM1 (上) はインスタンス 0 のコンソール・ポートです。 COM2 (下) はインスタンス 1 のコンソール・ポートです。

AlphaServer 8400 で OpenVMS Galaxy を構築する場合と異なり, 2 つ目のコンソール用に追加ハードウェアは必要ありません。 この目的で COM2 が使用されます。

CPU

CPU0 はインスタンス 0 のプライマリでなければなりません。 CPU1 はインスタンス 1 のプライマリでなければなりません。 CPU2 と 3 はオプションのセカンダリ CPU であり,マイグレードすることができます。

I/O アダプタ

下の 4 つの PCI スロットは IOD0 に属しています。 これはインスタンス 0 用の I/O アダプタです。 上の 4 つの PCI スロットは IOD1 に属しています。 これはインスタンス 1 用の I/O アダプタです。

ストレージ・コントローラ

KZPSA などのストレージ・コントローラが 2 つ必要です。 これらのコントローラは個別の Storageworks ボックスに収納することができ, SCSI クラスタとして稼働するために,同じボックスに収納することもできます。 各コントローラはそれぞれ IOD0 と IOD1 に接続されます。

ネットワーク・カード

各インスタンスでネットワーク・アクセスが必要な場合は, 各インスタンスに対してネットワーク・カード (DE500 など) が必要です。

カードは 1 枚ずつ,IOD0 と IOD1 に接続されます。

物理メモリ

AlphaServer 4100 の OpenVMS Galaxy では,メモリ・ホールがサポートされないため, OpenVMS Galaxy 環境用の物理メモリは連続していなければなりません。 AlphaServer 4100 でこのことを実現するには, 次のいずれかの条件を満たさなければなりません。

  • すべてのメモリ・モジュールが同じサイズでなければなりません (たとえば 1 GB)。

  • 2 種類のサイズがある場合は, 1 つのモジュールだけを小さいサイズにすることができます。 大きいサイズのモジュールは番号の小さなスロットに挿入しなければなりません。

AlphaServer 4100 システムで OpenVMS Galaxy を構築するには, この後の節の操作を行います。

7.2 ステップ 1: AlphaServer 4100 構成を確かめる

SHOW CONFIG コマンドを使用して,OpenVMS Galaxy 環境を構築するために使用する AlphaServer 4100 が,7.1 項 「はじめに」 で説明した要件を 満たしているかどうか確認します。

コンソール・プロンプトに対して次のコマンドを入力します。

P00>>> show config

コンソールに次の情報が表示されます。

Console G53_75  OpenVMS PALcode V1.19-16, UNIX PALcode V1.21-24

Module                          Type     Rev    Name
System Motherboard              0        0000   mthrbrd0
Memory  512 MB EDO              0        0000   mem0
Memory  256 MB EDO              0        0000   mem1
CPU (Uncached)                  0        0000   cpu0
CPU (Uncached)                  0        0000   cpu1
Bridge (IOD0/IOD1)              600      0021   iod0/iod1
PCI Motherboard                 8        0000   saddle0
CPU (Uncached)                  0        0000   cpu2
CPU (Uncached)                  0        0001   cpu3

Bus 0  iod0 (PCI0)
Slot   Option Name              Type     Rev    Name
1      PCEB                     4828086  0005   pceb0
4      DEC KZPSA                81011    0000   pks1
5      DECchip 21040-AA         21011    0023   tulip1

Bus 1  pceb0 (EISA Bridge connected to iod0, slot 1)
Slot   Option Name              Type     Rev    Name

Bus 0  iod1 (PCI1)
Slot   Option Name              Type     Rev    Name
1      NCR 53C810               11000    0002   ncr0
2      DECchip 21040-AA         21011    0024   tulip0
3      DEC KZPSA                81011    0000   pks0

7.3 ステップ 2: OpenVMS Alpha Version 7.3-2 をインストールする

OpenVMS Galaxy ソフトウェアを実行するために, 特別なインストール手順は必要ありません。 Galaxy 機能は基本オペレーティング・システムに組み込まれており, この章で後述するコンソール・コマンドとシステム・パラメータ値を使用して, 有効または無効に設定することができます。

AlphaServer 4100 が SCSI クラスタに属していない場合は, 各インスタンスに対して 1 つずつ,2 つのシステム・ディスクに OpenVMS バージョン 7.3 をインストールしなければなりません。

AlphaServer 4100 がクラスタで共通のシステム・ディスクを持つ SCSI クラスタの一部である場合は, 1 つのシステム・ディスクに OpenVMS バージョン 7.3 をインストールします。

OpenVMS Alpha オペレーティング・システムのインストールの詳細については,『OpenVMS インストレーション・ガイド[翻訳版]』を参照してください。

7.4 ステップ 3: ファームウェアをアップグレードする

ファームウェアをアップグレードするには, OpenVMS バージョン 7.3 の CD-ROM パッケージに含まれている「Alpha Systems Firmware Update Version 5.4 CD-ROM」を使用します。 ファームウェアを実際にインストールする前に, パッケージに同梱されているリリース・ノートを参照してください。

7.5 ステップ 4: 環境変数を設定する

インスタンス 0 に対してプライマリ・コンソールを構成します。

CPU0 はインスタンス 0 のプライマリです。

Galaxy 環境変数を作成します。Galaxy 環境変数と各変数の一般的な値については,第5章 「AlphaServer 8400 システムでの OpenVMS Galaxy の構築」を参照してください。

次の例は CPU 3 つと 256 MB + 192 MB + 64 MB に分割された 512 MB のメモリを装備した AlphaServer 4100 の場合の例です。

P00>>> create -nv lp_count            2
P00>>> create -nv lp_cpu_mask0        1
P00>>> create -nv lp_cpu_mask1        6
P00>>> create -nv lp_io_mask0         10
P00>>> create -nv lp_io_mask1         20
P00>>> create -nv lp_mem_size0        10000000
P00>>> create -nv lp_mem_size1        c000000
P00>>> create -nv lp_shared_mem_size  4000000
P00>>> set auto_action halt

CPU が 4 つあり,すべてのセカンダリ CPU をインスタンス 1 に割り当てる場合は, LP_CPU_MASK1 変数が E になります。 2 つのインスタンスで CPU を分割する場合は, CPU 0 がインスタンス 0 のプライマリ CPU になり, CPU 1 がインスタンス 1 のプライマリ CPU にならなければなりません。

MEM_SIZE 変数は,システム構成とメモリの分割方法に応じて異なります。

  • lp_io_mask0 は 10 に設定しなければなりません。

  • lp_io_mask1 は 20 に設定しなければなりません。

コンソール環境変数 AUTO_ACTION は HALT に設定しなければなりません。 これにより,システムはブートされず,Galaxy コマンドを入力できるようになります。

7.6 ステップ 5: システムを初期化し,コンソール装置を起動する

  1. 次のコマンドを入力して,システムを初期化し,Galaxy ファームウェアを起動します。

    P00>>> init
    P00>>> galaxy
    

    自己診断テストを完了した後, Galaxy コマンドはインスタンス 1 でコンソールを起動します。

    Galaxy が初めて起動されると,次のような複数のメッセージが表示されます。

    CPU0 would not join
    
    IOD0 and IOD1 did not pass the power-up self-test
    

    これらのメッセージが表示されるのは,2 組の環境変数があり, Galaxy 変数は最初にインスタンス 1 に存在しないからです。

    I/O バスが 2 つの Galaxy パーティション間で分割される場合は, 装置のポート名が変化することに注意してください。 たとえば,AlphaServer 4100 がシングル・システムの場合に, DKC300 として指定されるディスクは, OpenVMS Galaxy のパーティション 0 として構成した場合は,DKA300 になります。

  2. インスタンス 1 のコンソールを構成します。

    P01>>> create -nv lp_cpu_mask0        1
    P01>>> create -nv lp_cpu_mask1        6
    P01>>> create -nv lp_io_mask0         10
    P01>>> create -nv lp_io_mask1         20
    P01>>> create -nv lp_mem_size0        10000000
    P01>>> create -nv lp_mem_size1        c000000
    P01>>> create -nv lp_count       2
    P01>>> create -nv lp_shared_mem_size  4000000
    P01>>> set auto_action halt
    
  3. 次のコマンドを入力して,システムを初期化し, Galaxy ファームウェアを再起動します。

    P00>>> init
    

    コンソールに次の確認メッセージが表示されたら,Y と入力します。

    Do you REALLY want to reset the Galaxy (Y/N)
    
  4. システム・ルート,ブート装置,他の関連変数を構成します。

    次の設定名は OpenVMS Engineering システムの場合の例です。 それぞれの環境の要件に適合するように,これらの変数は適宜変更してください。

    P00>>> set boot_osflags 12,0
    P00>>> set bootdef_dev dka0
    P00>>> set boot_reset off             !!! must be OFF !!!
    P00>>> set ewa0_mode twisted
    
    P01>>> set boot_osflags 11,0
    P01>>> set bootdef_dev dkb200
    P01>>> set boot_reset off             !!! must be OFF !!!
    P01>>> set ewa0_mode twisted
    
  5. 次のように,インスタンス 1 をブートします。

    P01>>> boot
    

    インスタンス 1 がブートされた後,システム・アカウントにログインし, SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルに次の行を挿入します。

    GALAXY=1
    

    SCS ノードと SCS システム ID の行が正しいことを確認してください。 次のように AUTOGEN を実行して,インスタンス 1 を Galaxy メンバとして構成し, システムを停止したままの状態にします。

    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SHUTDOWN INITIAL
    
  6. 次の手順を実行して,インスタンス 0 をブートします。

    P00>>> boot
    

    インスタンス 0 がブートされた後,システム・アカウントにログインし, SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT ファイルに次の行を追加します。

    GALAXY=1
    

    SCS ノードと SCS システム ID の行が正しいことを確認してください。 次の手順で AUTOGEN を実行して,インスタンス 0 を Galaxy メンバとして構成し, システムを停止したままの状態にします。

    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA SHUTDOWN INITIAL
    
  7. 初期化またはシステムのパワー・サイクルで自動的に起動されるように, Galaxy を準備します。 両方のインスタンスで AUTO_ACTION 環境変数を RESTART に設定します。

    P00>>> set auto_action restart
    
    P01>>> set auto_action restart
    
  8. プライマリ・コンソールから次のコマンドを入力して,Galaxy を再び初期化します。

    P00>>> init
    

    コンソールに次の確認メッセージが表示されたら,Y と入力します。

    Do you REALLY want to reset the Galaxy (Y/N)
    

    また,システムの電源をいったんオフにした後,オンにすることもできます。 このようにすると, 両方のインスタンスで Galaxy が自動的にブートストラップされます。

操作はこれで終了です。OpenVMS Galaxy が構築されました。

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