V6.2
かな漢字変換の省略時の個人辞書のファイルは SYS$LOGIN:JSYKOJIN.JISHO です。論理名 JSY$KOJIN で省略時以外の個人辞書を指定する場合,ディレクトリ指定を省略してファイル名だけを指定すると,日本語 OpenVMS V6.1 までは,現在の省略時のディレクトリにある同名のファイルが参照されました。日本語 OpenVMS V6.2 以降ではこの場合,SYS$LOGIN にある同名のファイルを参照するよう変更されました。このため現在の省略時のディレクトリにある個人辞書ファイルを参照する場合は,明示的にディレクトリ名を含めたファイル名を指定するか,ファイル名の先頭に [] を付加する必要があります。
- 例1:SYS$LOGIN にある SHUMI.JISHO を SYS$LOGIN 以外のディレクトリから参照する場合
$ SHOW DEFALT
ROCK$:[MIYABI.HOBBY]
$ DIR SYS$LOGIN:*.JISHO
Directory ROCK$:[MIYABI]
JSYKOJIN.JISHO;1 SHUMI.JISHO;1
Total of 2 files.
$ DEFINE JSY$KOJIN SHUMI.JISHO
$ EDIT/XTPU LETTER.TXT
|
- 例2:現在の省略時のディレクトリにある SHUMI.JISHO を参照する場合
$ DIR *.JISHO
Dierctory USER$:[REIKA.HOBBY]
SHUMI.JISHO;1
Total of 1 file.
$ DEFINE JSY$KOJIN []SHUMI.JISHO
$ KINQUIRE AA/KANJI_DICTIONARY
AA:
|
V6.1, V6.2
VAX V6.0 以前および AXP V1.5 以前の日本語 OpenVMS では,SET LANGUAGE コマンドによってヘルプやメッセージを英語 / 日本語間で切りかえてきましたが,V6.1 から JSY$SWITCH コマンド・プロシージャで設定するようになりました。なお,SET LANGUAGE および SHOW LANGUAGE コマンドはV6.2 から使用できなくなっています。
- 英語⇒日本語に切り替える場合
$ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH JAPANESE
|
- 日本語⇒英語に切り替える場合
$ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH ENGLISH
|
- 現在の設定を表示する場合
$ @JSY$SYSTEM:JSY$SWITCH SHOW
|
この設定は,VAX V6.0 および AXP V1.5 以前の日本語 OpenVMS とは異なり,サブプロセスに継承されます。したがって,日本語に設定している場合,SPAWN 後も日本語のヘルプ/メッセージが表示されます。
なお,サブプロセスへの継承の問題や HELP/MESSAGE ユーティリティとの不整合により,これまでは提供されてきた日本語に翻訳されたシステム・メッセージ (SYSMSG.EXE) は, V6.1 から提供されなくなりました。
V6.1
日本語ライブラリは,共有イメージ/オブジェクト・ライブラリの両形式で提供されて来ましたが, V6.1 からオブジェクト・ライブラリ形式の JSYLIB.OLB から共有イメージ形式で提供されるものがすべて取り除かれました。具体的には,漢字コード・セット変換ライブラリを除いた,基本ライブラリ / 汎用ライブラリ / かな漢字変換ライブラリが,オブジェクト・ライブラリ形式の JSYLIB.OLB から取り除かれています。
以下にリンク方法での VAX V6.0, AXP V1.5 との相違を説明します。
- 共有イメージにリンクしている場合
共有イメージ SYS$SHARE:JSYSHR にリンクしている場合は変更ありません。
- オブジェクト・ライブラリにリンクしている場合
- 漢字コード・セット変換ライブラリを除いた日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクしてください。
例)
$ LINK PROG,SYS$INPUT/OPTION
SYS$SHARE:JSYSHR/SHARE
$
|
または,
$ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYSHR/OPTION
|
- 漢字コード・セット変換ライブラリを含んだ日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクするには以下のようにオブジェクト・ライブラリ JSY$LIBRARY:JSYLIB.OLB 及び共有イメージ SYS$SHARE:JSYSHR.EXE とリンクしてください。
例)
$ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYLIB/LIBRARY,SYS$INPUT/OPTION
SYS$SHARE:JSYSHR/SHARE
$
|
- 漢字コード・セット変換ライブラリのみの日本語ライブラリをユーザのプログラムとリンクするには VAX V6.0,AXP V1.5 以前と同様に以下のようにオブジェクト・ライブラリ JSY$LIBRARY:JSYLIB.OLB とリンクしてください。
例)
$ LINK PROG,JSY$LIBRARY:JSYLIB/LIBRARY
|
C.29.1 デバッガの日本語拡張機能 |
|
V6.2, V7.0
日本語 OpenVMS VAX および AXP V6.1 では日本語デバッガを提供していましたが,V6.2 から日本語デバッガに含まれていた日本語機能は標準版 OpenVMS V6.2 のデバッガに統合されました。
デバッガの日本語拡張機能を有効にするには,デバッガを起動する前に以下の論理名定義を行ってください。