恒久的な制限事項
OpenVMS Alpha Version 7.3-1 では,タイマ・キュー・エントリの管理方法が変更され,多くの TQE を使用するシステムの性能が大きく向上しました。この変更は,非特権アプリケーションにとっては無関係です。
また,特権コードで TQE を直接操作することはできません。特に TQE キュー・ヘッダ (TQE$L_TQFL/TQE$L_TQBL) 内のポインタに直接アクセスすると,通常はアクセス違反になります。ただし,特権コードで内部ルーチン exe_std$instimq/exe$instimq と exe_std$rmvtimq/exe$rmvtimq を使用して,タイマ・キュー・エントリを入力または削除することは可能です。
V8.2
Watchpoint ユーティリティは,OpenVMS Integrity に移植されていません。弊社では,このユーティリティを今後のリリースで移植する予定です。
V8.3
OpenVMS Alpha では,浮動小数点丸め動作,例外動作,および精度制御は,コンパイル時に定義されます。各モジュールは,それぞれの浮動小数点動作の設定で,個別にコンパイルされます。たとえば,計算のオーバフローでオーバフロー例外がシグナル通知されるディレクティブで 1 つのモジュールをコンパイルし,別のモジュールを,計算のオーバフローで例外をシグナル通知するのではなく,値を InfinityT とするディレクティブでコンパイルすることができます。これらの 2 つのモジュールがコンパイルされ実行された場合,モジュールのコードは,コンパイル時に指定されたオーバフロー動作をします。
OpenVMS Integrity では,浮動小数点丸め動作,例外動作,および精度制御は実行時に定義され,プログラム全体の浮動小数点モードの概念で制御されます。プログラム全体の浮動小数点モードでは,プログラムのメイン・エントリ・ポイント (リンカが決定したもの) を含むモジュールが,デフォルトの浮動小数点丸め動作,例外動作,および精度制御を定義するモジュールです。
大半のプログラムには,この相違点の影響はありません。要点は,ホワイト・ペーパー『Intel® Itanium® アーキテクチャにおける OpenVMS 浮動小数点演算について』を参照してください。このドキュメントは,次の Web サイトで参照できます。
http://h71000.www7.hp.com/openvms/integrity/resources.html