HP OpenVMS Systems Documentation |
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プリント・ジョブがPostScript以外のプリント・ファイルをキューに登録した場合には,シンビオントはトランスレータを起動し,ユーザの入力ファイルを PostScript に変換します(各ファイル・タイプを印刷するためにプリンティング・システムを設定する方法については, 第 4 章 を参照してください)。
DECprint Supervisor ソフトウェアはファイルのデータ・タイプを自動的に検出できるため,PRINTコマンド行にデータ・タイプを指定する必要はありません。印刷のためにPostScriptに変換する操作は自動的に実行されます。ジェネリック・プリント・キューに省略時のデータ・タイプを定義しておく必要はありません。
システム管理者は省略時のデータ・タイプをジェネリック・プリント・キューに対応づけることができ,このようにすれば,ユーザはジェネリック・キュー名を指定するだけでファイルを印刷できます。詳しくは 第 3 章 を参照してください。
DCPS がファイルのデータ・タイプを正しく識別しない場合は,次のように,コマンド行にデータ・タイプを指定することができます。
$ PRINT MYFILE.MEM /PARAMETERS=DATA_TYPE=ANSI $ PRINT MYFILE.POST /PARAMETERS=DATA_TYPE=POSTSCRIPT |
DECprint Supervisor を初めてインストールする場合,または新しいプリンタをインストールする場合は,この章を参照してください。既存のプリンタの設定を変更する場合も,この章が役立ちます。次の節では, DECprint Supervisor を使用してプリンタを作動させる方法を説明します。
すでに DCPS キューが存在するプリンタの設定を変更する場合は,まず STOP /QUEUE /NEXTコマンド,または STOP /QUEUE /RESETコマンドを使用して,関連のキューを停止する必要があります。 |
DECprint Supervisorソフトウェアで使用できる装置は,『ソフトウェア仕様書 (SPD)』に記載されています。
2.1 ネットワーク・プリンタ
プリンタは,ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)が用意されているか,ターミナル・サーバのプリント・サーバ経由でネットワークにアクセスできます。
プリンタは,次の場合にネットワーク・プリンタとして構成できます。
ネットワーク・プリンタは,次のように動作します。
DCPS では,LPD 接続の場合を除き, OpenVMS システムとプリンタの間の通信パス全体が,双方向通信でなければなりません。ネットワーク・プリンタの場合,この通信パスには,プリンタとネットワーク装置の間の接続と,ネットワーク装置と OpenVMS システムの間の接続も含まれます。
LAT および AppleTalk のネットワーク装置,およびシリアル・インタフェースは通常,双方向通信を行います。 raw TCP/IP ネットワーク装置,プリンタのパラレル・ポート,ターミナル・サーバ,またはプリント・サーバは,この要件を満たしていないことがあります。 DCPS ソフトウェアは,LPD 接続を除き,ステータス・メッセージなどの情報をプリンタから OpenVMS システムに送信できない接続では動作しません。
2.1.1 TCP/IP プリンタ
TCP/IP 上で利用できるプリンタ・プロトコルは,raw TCP,LPD, Telnet,および CPAP です。 DCPS は CPAP を使用して,DIGITAL PrintServer プリンタと通信します。 DCPS は,Telnet プロトコルはサポートしていません。
TCP/IP経由でプリンタと通信できるようにするには,そのIPアドレスを定義する必要があります。また,アドレスに名前を関連づけることもできます。プリンタのIPアドレスの設定については,プリンタのドキュメントを参照してください。 OpenVMSシステムのTCP/IP環境の構成については, HP TCP/IP Services for OpenVMS,Process Software MultiNet for OpenVMS,またはProcess Software TCPware のドキュメントを参照してください。
プリンタがプリント・サーバまたはターミナル・サーバによって接続されている場合,サーバのIPアドレスを構成する必要があります。また,プリンタとサーバの間の接続も構成しなければなりません(たとえば,LATプリンタの場合, 第 2.1.2.2 項 の説明と同様の設定が必要になることがあります)。ネットワークおよびプリンタのインタフェースの構成については,ターミナル・サーバまたはプリンタ・サーバのドキュメントを参照してください。
2.1.1.1 raw TCP/IP プリンタ
raw TCP/IP は,TCP データ・ストリームを解釈することなく, TCP/IP プロトコルを直接使用するネットワーク・プロトコルです。これは,多くのプリンタのネットワーク・インタフェース・カード (NIC),プリント・サーバ,ターミナル・サーバ,およびリモート LPD キューを使用するその他のシステムでサポートされています。
raw TCP/IP を使用してプリンタと通信を行うには,プリンタをネットワークに接続するために使用する NIC,プリント・サーバ,またはターミナル・サーバが, raw TCP/IP ポートを持っている必要があります。さらに,この raw TCP/IP ポートでは,プリンタと OpenVMS システムの間の双方向通信をサポートしていなければなりません。 DCPS は,DEClaser 3500 や 5100 の NIC,RapidPrint 200,および (MIO ではなく) XIO スロットを介してプリンタとインタフェースする Hewlett-Packard JetDirect カードに見られるような単方向ポートでは動作しません。
2.1.1.2 LPD プリンタ
LPD は,多くのプリンタのネットワーク・インタフェース・カード (NIC),プリント・サーバ,ターミナル・サーバ,および PrintServer プリンタでサポートされているネットワーク・プロトコルです。 DCPS がサポートしている他のプロトコルと異なり,LPD は単方向通信です。 LPD によって多くのプリンタがサポートされますが,エラー・メッセージやステータス・メッセージなどの,プリンタから返される情報に依存する機能は使用できません。
2.1.1.3 CPAP プリンタ
CPAP (Common Printer Access Protocol) は, DIGITAL PrintServer プリンタがサポートしているネットワーク・プロトコルです。 CPAP は,TCP/IP 上で PrintServer プリンタに印刷するのに適したプロトコルです。また,DECnet では必須のプロトコルです。
2.1.2 LAT プリンタ
2.1.2.1 LAT アクセスのためのプリンタの構成
シリアル・プリンタをLATによってEthernetに接続されるネットワーク・プリンタとして構成するには,次の設定を変更します。
プリンタのパスワードとプリンタ名も変更できます。これらの変更はオプションで, 第 2.3.3 項 および 第 2.3.4 項 で説明されています。
2.1.2.2 DECserver LATポート属性の設定
ここでは,DECserver以外のLAT 装置を構成する手順については説明しませんが,多くの LAT 装置が DECserver 装置で使用されるものと同じコマンドを使用します。詳細については,NIC,ターミナル・サーバ,またはプリントサーバのオンライン・ヘルプその他のドキュメントを参照してください。 |
DECserverのポート属性を変更するには,DECserver 装置での特権が必要です。特権を持っている場合は,DEFINE PORTおよびSET PORTコマンドを使用します。
DEFINEコマンドは,サーバのパーマネント・データベースにおけるポート属性を変更します。変更内容は,次にそのポートでログインするまで有効になりません。
SETコマンドは,その場で有効になりますが,現在のセッションについてのみ,ポート属性を変更できます。たとえば,(DECserver 200で) PORT_6のINPUT SPEED およびOUTPUT SPEEDを19200ボーに変更するには,コンソール・サーバ・マネージャから次のコマンドを入力します。
LOCAL> SET PRIVILEGED PASSWORD> password LOCAL> SET PORT 6 SPEED 19200 LOCAL> DEFINE PORT 6 SPEED 19200 |
LATを使用する場合, DECprint Supervisor には,このためのサンプル・コマンド・ファイルが用意されています。このコマンド・ファイルは,ターミナル・サーバ・マネージャ(TSM)を使用して, DECserverの属性を設定し,データをTSMデータベースに記録します (TSMというソフトウェア製品は,弊社から別途入手してください)。コマンド・ファイルは,次のとおりです。
このコマンド・ファイルは, DECserver 100,DECserver 200,およびDECserver 500 装置について,属性の例を示します。 |
DECserver 装置のコマンドおよび手続きについての詳細は, DECserverの管理ガイドを参照してください。
DECserverのポート属性がプリンタの設定と一致していることを確認します。 表 2-1 および 表 2-2 に,プリンタの設定と一致する必要があるDECserverのポート属性を示します
キャラクタ・サイズ | 8 |
パリティ | なし |
入力速度 | 9600 |
出力速度 | 9600 |
キュー・リミットを0に設定していないことを確認します。 0に設定すると,キュー登録ができなくなります。
属性 | 省略時の設定 |
---|---|
ACCESS | REMOTE |
AUTOBAUD | DISABLED |
AUTOCONNECT | DISABLED |
AUTOPROMPT | DISABLED |
BREAK | DISABLED |
BROADCAST | DISABLED |
FLOW CONTROL | XON |
INPUT FLOW CONTROL 1 | ENABLED |
OUTPUT FLOW CONTROL 1 | ENABLED |
INACTIVITY LOGOUT | DISABLED |
LOSS NOTIFICATION | DISABLED |
MESSAGE CODES | DISABLED |
QUEUING | ENABLED |
VERIFICATION | DISABLED |
DECserver 装置の多くのバージョンでは, QUEUINGはポート属性ではなくサーバ属性で,省略時の値はENABLEDです。 |
LAT構成ファイル(SYS$STARTUP: LAT$SYSTARTUP.COM) は,ホスト・ノード・サービス属性を定義します。プリント・キューを起動する前に,LATドライバが動作しており,ポートが利用可能であることを確認します。
この項で参照するコマンドは,LATCPコマンドです。LATCPコマンドについての詳細は,『 HP OpenVMS System Management Utilities Reference Manual 』を参照してください。 |
$ CREATE PORT LTAd:/NOLOG/APPLICATION |
このコマンド形式では,dのアプリケーション・ポートの数を指定します。これは,1〜9999までの一意の数でなければなりません。
LTA 装置は,常にプリンタ専用というわけではなく,他の装置と共有することもあります。他の装置からLTA 装置への接続は,優先順位が最も低いポートの間で動的に確立されます。プリンタに大きなポート番号を割り当てると,そのポートをプリンタ用に確保しやすくなり,他の装置への接続から生じる干渉を避けることができます。 |
$ SET PORT LTAd:/NODE=server_name/PORT=port_name/QUEUE/APPLICATION |
このコマンド形式では,次の値を指定します。
LTA d: | アプリケーション・ポート名 |
server_name | LAT装置に割り当てる名前 |
port_name | LAT装置のポート名 |
次の例は,LTA9000:というアプリケーション・ポートを LN03RDS:という名前のリモートDECserver 200のPORT_7に関連づけます。
$ SET PORT LTA9000:/NODE=LN03RDS/PORT=PORT_7/QUEUE/APPLICATION |
LAT装置が印刷サービス専用であれば,プリンタ用のLAT接続をDCPS$STARTUP.COMファイルで定義することができます。これにより,すべての情報が1つのファイルに存在するので,構成についての問題解決が容易になります。ただし,LAT装置がプリンタ以外の装置も同時にサポートする場合は,ポートをLAT$SYSTARTUP.COMファイルに定義する必要があります。
これらのグループが正しく設定されていない場合,プリント・ジョブをキューに登録したときに,次のエラー・メッセージが出力されます。
%DCPS-E-LRJACCESSDENIED, Access denied |
LATCPコマンドを使用して,必要なLATグループ指定を含めることができます。詳細については,『 HP OpenVMS System Management Utilities Reference Manual 』を参照してください。
この情報は,DECserver 90Lには不要です。 |
シリアル・プリンタの通信速度が省略時の値 (9600ボー)に設定されていることを確認します。これとは異なるボー・レートでプリンタを作動させる場合は,次の手続きを使用します。
プリンタがDECserver装置上にある場合,次の手順に従います。
DCPS は,DIGITAL PrintServer プリンタへの印刷を行う場合のみ, DECnet 上で CPAP を使用します。
DECnet 経由で DIGITAL PrintServer プリンタと通信するには,プリンタに DECnet アドレスを割り当てなければなりません。また,アドレスに名前を対応付けることもできます。
プリンタの DECnet アドレスの設定については, PrintServer のドキュメントを参照してください。
DECnet ノード名をプリンタの DECnet アドレスに対応付けるには, NCP コマンドを使用する (DECnet フェーズ IV ソフトウェアを実行している場合) か, DECNET_REGISTER コマンドを使用します (以前は DECnet/OSI と呼ばれていた DECnet-Plus ソフトウェアを実行している場合)。ノード名とこれらのコマンドについての詳細は, DECnet のドキュメントを参照してください。
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