HP OpenVMS Systems Documentation |
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ファイル・セパレータ・ページは,プリント・ジョブ内の各ファイルを分離します。 図 6-2 に,ファイル・フラグ・ページの例を示します。
図 6-2 ファイル・フラグ・ページ
省略時のファイル・セパレータ・ページを有効にするには,次のように設定します。
ユーザは PRINT コマンドに /[NO]FLAG,/[NO]BURST,/[NO]TRAILER 修飾子を指定することにより,キューに対する省略時のファイル・フラグ属性,ファイル・バースト属性,ファイル・トレーラ属性を変更することができます。
次の例では,ジョブ内の各ファイルの先頭にフラグ・ページが印刷され,最後にトレーラ・ページが印刷されます。
$ PRINT /FLAG=ALL /TRAILER=ALL FILE1.PS,FILE2.PS,FILE3.PS |
PAGE_LIMIT パラメータを PRINT コマンドで使用した場合や,プリント・ジョブが途中で終了した場合には,ファイル・フラグ・ページとファイル・トレーラ・ページは印刷されないことがあります。 |
システムで出力されるすべてのジョブのジョブ・バースト・ページ,ジョブ・フラグ・ページ,ジョブ・トレーラ・ページ,およびファイル・バースト・ページ,ファイル・フラグ・ページ,ファイル・トレーラ・ページの先頭にシステム・メッセージを追加することができます。次の例に,その方法を示します。
$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM PSM$ANNOUNCE "Computer Services Group" |
この例では,論理名 PSM$ANNOUNCE が現在 "Computer Services Group" と定義されていることを示しています。
PSM$ANNOUNCE 論理名は,DCPS シンビオントだけでなく,その他のシンビオント (たとえば LATSYM) でも使用されます。 PSM$ANNOUNCE を再定義した場合は,その他のシンビオントにも影響を与えます。 |
DCPS は,ODS-5 ボリュームおよび深いディレクトリ構造を含む Extended File Specifications を使用したシステムをサポートします。
ODS-5 ボリューム上の任意のディレクトリ内の任意のファイルをプリンタに出力することができます。 ODS-5 ボリューム上のファイルは長いディレクトリ名やファイル名を持つことがあるため,ファイル名は,ファイル・セパレータ・ページおよび LIST トランスレータを使用した出力で切り捨てられる場合があります。ファイル名が切り捨てられた場合は,省略記号 (...) によって示されます。
日本語のファイル名は,セパレータ・ページでは ^U エスケープ表現で印刷されるため,日本語では読めません。 |
ジョブ・ログ・ページは任意に印刷されるページであり,プリント・ジョブに関する情報と,プリント・ジョブで発生したメッセージが印刷されます。ジョブ・ログ・ページを印刷するには,PRINTコマンドにMESSAGES=PRINTパラメータを指定します。ジョブ・ログ・ページを印刷する場合には,ジョブ・トレーラ・ページの前に印刷されます。ジョブ・トレーラ・ページを印刷しない場合には,ジョブ・ログ・ページはジョブの最後のページになります。
6.7 ファイル・エラー・ページ
プリント・ジョブが印刷を開始したときにソフトウェアがプリント・ファイルにアクセスすることができない場合,ファイル・エラー・ページが印刷され,プリント・ジョブ内に次のファイルがある場合,ソフトウェアはそのファイルを継続して印刷します。
ファイル・エラー・ページには次の情報が印刷されます。
セットアップ・モジュールは,プリント・ジョブの文書の外観を修正したりプリント・ジョブ内の命令を再定義する命令を含むファイルです。
PRINT コマンドの /SETUP 修飾子を指定することで,プリント・ジョブにセットアップ・モジュールを含めることができます。次の例では,600 dpi の解像度を指定するセットアップ・モジュールを使用しています。
$ PRINT /QUEUE=LPS32$2SIDES /SETUP=RES_600X600 IMAGE.PS |
フォーム ( 第 8 章 を参照) を使用することで,プリント・ジョブに暗黙のうちにセットアップ・モジュールを含めることもできます。
7.2 セットアップ・モジュールの位置
DCPS には各種のセットアップ・モジュールが組み込まれており,インストレーション時に次の装置制御ライブラリに置かれます。
SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL.TLB
セットアップ・モジュールの一覧を表示するには,次のコマンドを使用します。
$ LIBRARY /LIST /TEXT SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL |
次の例のようなセットアップ・モジュールの一覧が表示されます。
DCW1000_DISPLAY DCW1000_ENHANCED DCW1000_HIGHRES LPS$$APPLE360_INITPSDEVICE LPS$$APPLE360_SETINPUTTRAY RES_1200X1200 RES_1200X600 |
セットアップ・モジュールあるいは装置制御モジュールを変更してはなりません。 |
いくつかのセットアップ・モジュールは特定のプリンタ専用に作成されています。これらのセットアップ・モジュールは,そのファイル名にプリンタ名が含まれています。たとえば,セットアップ・モジュールの DL3500_RET_DARK は, DEClaser 3500 プリンタ用です。
標準で提供される装置制御ライブラリの内容を変更してはなりません。 |
カスタム・セットアップ・モジュールは特殊な装置制御ライブラリにまとめて, .TLB (テキスト・ライブラリ) ファイルという名前で SYS$LIBRARY に置かれなければなりません。次のコマンドは,SYS$LIBRARY にあるすべてのテキスト・ライブラリの一覧を表示します。どのサブセットが DCPS で使用される特殊な装置制御ライブラリであるかを判定するには,システムの DCPS プリント・キューの /LIBRARY 修飾子に対応したライブラリおよびライブラリ検索リストと .TLB ファイル名との関係を調べてください。
$ DIRECTORY SYS$LIBRARY:*.TLB |
セットアップ・モジュールに含まれている命令を見るには,次の手順に従ってください。
$ LIBRARY /EXTRACT=(DI_ON) /OUT=MYSETUP SYS$LIBRARY:DCPS$DEVCTL |
$ TYPE MYSETUP.TXT |
このセットアップ・モジュール DI_ON は DECimage を有効とするもので,次の命令を含んでいます。
%! % ~~~~~~~~~~ DI_on ~~~~~~~~~~ statusdict begin false setDECimage end systemdict /languagelevel known {languagelevel} {1} ifelse 2 ge {currentpagedevice /Install get exec} if statusdict begin true setDECimage end % ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ |
いくつかのセットアップ・モジュールは,TYPE コマンドを使用しても表示することのできないエスケープ・シーケンスあるいはグラフィックスを含んでいる場合があります。そのようなモジュールについては,抽出したファイルに対して DUMP /RECORD コマンドを実行することができます。 |
異なるデータ・タイプを持つプリント・ジョブに影響を与えるセットアップ・モジュールを作成することができます。いくつかのセットアップ・モジュールは ANSI プリント・ジョブを処理し,別のものは PostScript ジョブに影響を与えます。サポートする任意のデータ・タイプについてのセットアップ・モジュールを作成することができます。
ユーザがセットアップ・モジュールをアクセスできるように設定するには,装置制御ライブラリを作成し,モジュールをそのライブラリに登録しなければなりません。各データ・タイプのセットアップ・モジュールに対して異なるライブラリを使用してください。異なるデータ・タイプのセットアップ・モジュールを同じライブラリに登録しないでください。ANSI,PCL, Proprinter,PostScript ファイルのためのライブラリを作成することができます。
セットアップ・モジュールを標準的な DCPS$DEVCTL ライブラリに登録してはなりません。 DECprint Supervisor ソフトウェアをアップグレードした場合, DCPS$DEVCTL ライブラリに登録されたカスタム・セットアップ・モジュールは削除されるからです。 |
セットアップ・モジュールを登録するライブラリを作成するには,次のコマンドを使用します。
$ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]library-name |
ライブラリの名前として library-name を指定してください。
次のコマンドは固有のPostScriptセットアップ・モジュールを登録するために,PS1という新しいPostScript装置制御ライブラリを作成します。
$ LIBRARY /CREATE /TEXT SYS$COMMON:[SYSLIB]PS1 |
詳細は,『 HP OpenVMS Command Definition, Librarian and Message Utilities Manual 』を参照してください。
7.4.1 ライブラリへのセットアップ・モジュールの登録
セットアップ・モジュールを装置制御ライブラリに登録するには,次のコマンドを使用します。
$ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$LIBRARY:library-name module-name |
このコマンドに次の情報を指定してください。
library-name | ライブラリの名前 |
module-name | セットアップ・モジュールの名前 |
次のコマンドは,CONFIDENTIAL.PSというPostScriptセットアップ・モジュールを PS1.TLBというPostScript装置制御ライブラリに登録し,セットアップ・モジュールの名前をCONFIDENTIALとして指定します。
$ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$LIBRARY:PS1 CONFIDENTIAL.PS |
次のコマンドは,A4_PAGE.TXTというANSIセットアップ・モジュールをANSI1.TLBという ANSI装置制御ライブラリに登録し,セットアップ・モジュールの名前をA4_PAGEに設定します。
$ LIBRARY /INSERT /TEXT SYS$LIBRARY:ANSI1 A4_PAGE.TXT |
装置制御ライブラリが複数ある場合には, SYS$STARTUP:DCPS$STARTUP.COM 内のライブラリの検索リストを設定しなければなりません。検索リストは検索する装置制御ライブラリと検索順序を指定します。
例 7-1 に,装置制御ライブラリの検索リストを示します。
例 7-1 装置制御ライブラリの検索リスト |
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$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS_LIB - _$ DCPS$DEVCTL, - _$ "PS1 /DATA_TYPE=POSTSCRIPT", - _$ "ANSI1 /DATA_TYPE=ANSI", - _$ PS2 |
例 7-1 では,ソフトウェアは次の動作をします。
ライブラリ論理名および検索リストを定義するには,次の手順に従ってください。
$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS_LIB DCPS$DEVCTL |
上記の行を次のように変更します。
$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM logical-name search-list |
コマンド行には,次の情報を指定します。
logical-name:
ライブラリ名のリストに展開される論理名を使用します。この論理名は実行キューの定義 (パラメータp3)にも指定しなければなりません。
search-list:
検索するライブラリのリストを追加します。ライブラリを追加する場合は,次のガイドラインを使用してください。
REQMODNOTFOUND, Required device control module module-name not found |
たとえば,PS1 や PS2 などの PostScript ライブラリや ANSI1 などの ANSI ライブラリを追加するには次のように入力します。
$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS_LIB DCPS$DEVCTL, - "PS1 /DATA_TYPE=POSTSCRIPT", - "ANSI1 /DATA_TYPE=ANSI", - PS2 |
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